以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの具体的な構成を示すブロック図である。このインターホンシステムは、住戸外、例えば、住戸玄関の周囲近傍に設置され来訪者が住戸内の在室者を呼出して通話を行うインターホン子機1と、住戸内の異なる場所に設置され来訪者からの呼出しに応答した在室者が通話を行う複数のインターホン親機、ここでは、部屋内、廊下先にそれぞれ設置される2台のインターホン親機(以下、第1、第2のインターホン親機という)2a、2bと、住戸玄関(の玄関戸)に設置された電気錠3と、インターホン子機1及び第1、第2のインターホン親機2a、2b間を(相互に)接続するLAN(、WAN)等の汎用ネットワーク4とを有している。
なお、同図において、インターホン子機1及び汎用ネットワーク4間、第1、第2のインターホン親機2a、2b及び汎用ネットワーク4間はそれぞれ、図示のような有線による接続の態様に限定されるものではなく、不図示の無線による接続の態様も好適とされる。
次に、同図に示すインターホン子機1は、自子機に割当てられた識別符号としての例えば、IPアドレス(以下、子機アドレスという)を有しており、子機操作部10、映像撮像部11、子機映像処理部12、子機マイク13、子機スピーカ14、子機音声処理部15、子機CPU16、ネットワーク側子機インターフェース(I/F)17及び電気錠側子機I/F18が備えられている。
このインターホン子機1において、子機操作部10は、来訪者が在室者を呼出すための呼出操作を行うものであって、例えば、呼出(押圧)ボタンで構成されている。また、映像撮像部11は、来訪者の映像や住戸玄関の周囲近傍の映像(監視映像を含む)を撮像し、所定の信号処理により映像信号を生成するものであって、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体で構成されている。また、子機映像処理部12は、映像撮像部11で生成された映像信号についての信号処理、例えば、FM変調や信号増幅等を行うものである。なお、映像撮像部11によれば、不図示の人体感知センサ等が有する人体感知機能に連動させて、インターホン子機1の周囲近傍に人体の存在が感知されたときに、その動作を能動として映像信号を生成することもできる。
子機マイク13及び子機スピーカ14は、来訪者が在室者との間で通話を行うための音声(音声信号)を入出力するものである。また、子機音声処理部15は、子機マイク13及び子機スピーカ14の使用により入出力される音声(音声信号)についての信号処理、例えば、FM変調又はFM復調や信号増幅等を行うものである。
子機CPU16は、当該インターホン子機の構成各部を制御するものであって、例えば、電気錠3を解錠させるにあたり予め定められた電気錠解錠コードが記憶されている。なお、電気錠解錠コードは、子機CPU16に記憶させた態様のみならず、不図示の記憶部に記憶して子機CPU16の制御により読出す態様を適用することもできる。
ネットワーク側子機I/F17は、子機映像処理部12から汎用ネットワーク4への信号伝送路、子機音声処理部15及び汎用ネットワーク4間の信号伝送路、子機CPU16及び汎用ネットワーク4間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。また、電気錠側子機I/F18は、子機CPU16及び電気錠3間の信号伝送路を形成し、形成された信号伝送路を経由して当該電気錠を解錠させるための解錠信号を送信するものである。
次に、同図に示す第1、第2のインターホン親機2a、2bはそれぞれ同様な構成であって、自親機に割当てられた識別符号としての例えば、IPアドレス(以下、親機アドレスという)を有しており、通話操作部20a、20b、第1の解錠操作部21a、21b、第2の解錠操作部22a、22b、表示部23a、23b、親機映像処理部24a、24b、親機マイク25a、25b、親機スピーカ26a、26b、親機音声処理部27a、27b、親機CPU28a、28b及び親機I/F29a、29bが備えられている。
これら第1、第2のインターホン親機2a、2bにおいて、通話操作部20a、20bは、来訪者からの呼出しに在室者が応答して親機マイク25a、25b及び親機スピーカ26a、26bの使用による通話を開始させる応答操作やその通話を終了させる終話操作が行われるものであって、例えば、通話(押圧)ボタンや表示部23a、23bの前面に配置されたタッチパネル上の操作ボタン(不図示)で構成されている。
第1の解錠操作部21a、21bは、在室者がワンプッシュ操作を行い電気錠3を解錠させるものであって、例えば、電気錠(押圧)ボタンで構成されており、この第1の解錠操作部21a、21bは、所定の発光色、例えば、赤色で点滅又は点灯されるLED等の発光体210を有している。なお、発光体210の発光色は、赤色に限定されるものではなく、例えば、緑色、青色等の任意の色を適用することもでき、点滅又は点灯で切換えられる発光パターンに代えて発光色自体を変更させることもできる。
第2の解錠操作部22a、22bは、在室者が前述の電気錠解錠コードに対応する置数、例えば、予め定められた暗証番号やアルファベット等を入力して電気錠3を解錠させるものであって、例えば、所定の操作ボタン(テンキーボタン)や表示部23a、23bの前面に配置されたタッチパネル上の操作ボタン(テンキー、キーボード等、不図示)で構成されている。
表示部23a、23bは、インターホン子機1の映像撮像部11で生成された映像信号を表示するものであって、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されており、この表示部23a、23bとしては、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、文字メッセージや絵データ等を表示することができるばかりでなく、前述の通話操作部20a、20b、第2の解錠操作部22a、22bを(必要に応じて)表示することもできる。なお、表示部23a、23bは、来訪者からの呼出しがあることを所定の点滅パターンや点灯パターンで表示する例えば、LED(不図示)を適用することもできる。また、親機映像処理部24a、24bは、表示部23a、23bに表示される映像信号についての信号処理、例えば、FM復調や信号増幅等を行うものである。
親機マイク25a、25b及び親機スピーカ26a、26bは、在室者が来訪者との間で通話を行うための音声(音声信号)を入出力するものであって、この親機スピーカ26a、26bとしては、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。また、親機音声処理部27a、27bは、親機マイク25a、25b及び親機スピーカ26a、26bの使用により入出力される音声(音声信号)についての信号処理、例えば、FM変調又はFM復調や信号増幅等を行うものである。
親機CPU28a、28bは、当該インターホン親機の構成各部を制御するものである。また、親機I/F29a、29bは、汎用ネットワーク4から親機映像処理部24a、24bへの信号伝送路、親機音声処理部27a、27b及び汎用ネットワーク4間の信号伝送路、親機CPU28a、28b及び汎用ネットワーク4間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
なお、同図に示す汎用ネットワーク4には、第1、第2のインターホン親機2a、2bの第1の解錠操作部21a、21bにかかる操作機能を、能動又は非能動に設定するための例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の外部機器5を接続することができる。
このように構成された本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
最初に、図1に示す第1、第2のインターホン親機2a、2bによれば、その設置場所である例えば、部屋内、廊下先の相違に対応させて、電気錠3を解錠させるために必要で有効な操作機能を、汎用ネットワーク4に接続された外部機器5の使用により設定することができる。具体的に、外部機器5は、その使用により第1、第2のインターホン親機2a、2bの何れかを指定する親機アドレスと自機器のアドレス(機器アドレス)とを付加した例えば、SIP対応の信号フォーマットの設定データ信号を生成する。この設定データ信号は、外部機器5から汎用ネットワーク4を経由して第1、第2のインターホン親機2a、2bの親機I/F29a、29bにそれぞれ伝送される。
第1、第2のインターホン親機2a、2bの親機CPU28a、28bはそれぞれ、親機I/F29a、29bを経由して受信した設定データ信号に付加されている親機アドレスが自親機に割当てられた親機アドレスと一致するため、同様に付加されている機器アドレスに一致する外部機器5からの設定データ信号を有効な信号であると判定し、第1の解錠操作部21a、21b及び第2の解錠操作部、22a、22bのうち何れかの操作機能を能動として設定する。ここでは、第1のインターホン親機2aは部屋内に設置されているため、親機CPU28aは、第1の解錠操作部21aの操作機能を能動、第2の解錠操作部22aの操作機能を非能動とする設定を行う。一方、第2のインターホン子機2bは廊下先に設置されているため、親機CPU28bは、第2の解錠操作部22bの操作機能を能動、第1の解錠操作部21bの操作機能を非能動とする設定を行う。
次に、前述のような第1の解錠操作部21a、21b及び第2の解錠操作部22a、22bのうち何れかの操作機能が能動とされている第1、第2のインターホン子機2a、2bがそれぞれ、部屋内、廊下先に設置されている在室者を呼出すにあたり、住戸外(住戸玄関)に居る来訪者がインターホン子機1の子機操作部10を使用して呼出操作を行うと、この操作を検出した子機CPU16は、例えば、SIP対応の信号フォーマットで自子機アドレス及び第1、第2のインターホン親機2a、2bをそれぞれ指定する親機アドレスを付加した呼出信号を生成する。また、子機CPU16で生成された呼出信号は、ネットワーク側子機I/F17から汎用ネットワーク4を経由して第1、第2のインターホン親機2a、2bの親機I/F29a、29bにそれぞれ伝送される。
また、インターホン子機1の子機CPU16によれば、前述の呼出操作を検出すると、映像撮像部11及び子機映像処理部12を能動とする。この制御により、映像撮像部11で生成された来訪者の映像信号が、子機映像撮像部12で例えば、FM変調や信号増幅等された後、SIP対応の信号フォーマットで自子機アドレス及び第1、第2のインターホン親機2a、2bをそれぞれ指定する親機アドレスを付加した当該信号として、ネットワーク側子機I/F17から汎用ネットワーク4を経由して第1、第2のインターホン親機2a、2bの親機I/F29a、29bにそれぞれ伝送される。
第1、第2のインターホン親機2a、2bの親機CPU28a、28bはそれぞれ、親機I/F29a、29bを経由して受信した呼出信号に付加されている親機アドレスが自親機に割当てられた親機アドレスと一致するため、同様に付加されている子機アドレスに該当するインターホン子機で呼出操作を行った住戸外(住戸玄関)に居る来訪者からの呼出しがあることを検出し、その旨の呼出音や音声メッセージ等を親機スピーカ26a、26bから出力させて呼出報知を行うことができる。また、親機CPU28a、28bはそれぞれ、表示部23a、23b及び親機映像処理部24a、24bを能動とする。この制御により、親機映像処理部24a、24bは、親機I/F29a、29bを経由して受信した映像信号を例えば、FM復調や信号増幅等して表示部23a、23bに送出することで、来訪者の映像(映像信号)を表示部23a、23bに表示させることができるばかりでなく、この表示部23a、23bには、来訪者からの呼出しがあることを示す文字メッセージや絵データ等を表示(呼出表示)させることもできる。
この後、前述の呼出報知(呼出表示)及び映像表示を確認した、第1のインターホン親機2aが設置された部屋内の在室者及び第2のインターホン親機2bが設置された廊下先の在室者のうち、最先に応答操作を行った人物として、例えば、第1のインターホン親機2aが設置された部屋内の在室者が通話操作部20aを使用して応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU28aは、親機音声処理部27aを能動として親機マイク25a及び親機スピーカ26aと当該親機音声処理部を経由して親機I/F29aとの間の信号伝送路を形成するとともに、例えば、SIP対応の信号フォーマットで自親機アドレス及びインターホン子機1を指定する子機アドレスを付加した応答信号(以下、第1の応答信号という)を生成する。また、親機CPU28aで生成された第1の応答信号は、親機I/F29aから汎用ネットワーク4を経由してインターホン子機1のネットワーク側子機I/F17に伝送される。
また、第1のインターホン親機2aの親機CPU28aは、前述の通話制御のみならず、第1の解錠ボタン21a及び第2の解錠ボタン22aのうち何れかの操作機能が能動であるかを確認する。ここでは、前述のように第1の解錠操作部21aの操作機能のみを能動とする設定が予めなされているため、この解錠操作部21aが有する発光体210を所定の発光色、例えば、赤色で点滅させるように強調表示を行うことで、部屋内の在室者は、第1の解錠操作部21aの操作機能が能動、第2の解錠操作部22aの操作機能が非能動であることを確認できる。
なお、第1のインターホン親機2aにおいて、第1の解錠操作部21aが有する発光体210を例えば、赤色で点滅させる親機CPU28aによる制御タイミングは、通話操作部20aを使用して応答操作が行われた後のタイミングに限定されるものではなく、前述のような呼出報知(呼出表示)が行われたタイミングを適用することもできる。
インターホン子機1の子機CPU16は、ネットワーク側子機I/F17を経由して受信した第1の応答信号に付加されている子機アドレスが自子機に割当てられた子機アドレスと一致するため、同様に付加されている親機アドレスに該当する第1のインターホン親機2aで応答操作を行った部屋内の在室者による応答があったことを検出し、子機音声処理部15を能動として子機マイク13及び子機スピーカ14と当該子機音声処理部を経由してネットワーク側子機I/F17との間の信号伝送路を形成することで、来訪者が使用する子機マイク13及び子機スピーカ14と部屋内の在室者が使用する親機マイク25a及び親機スピーカ26aとの間の信号伝送路、すなわち、通話路(以下、第1の通話路という)が形成され、形成された第1の通話路を経由して音声信号を送受信することで通話が成立する。なお、この通話時において部屋内の在室者は、表示部23aに表示されている来訪者の映像(映像信号)を確認しながらの通話が可能となる。
また、部屋内の在室者によれば、前述のような通話時において住戸外(住戸玄関)に居る来訪者を住戸内に招き入れるにあたり、第1のインターホン親機2aでその発光体210が例えば、赤色に点滅している第1の解錠操作部21aを使用してワンプッシュ操作の解錠操作を行う。この操作を検出した親機CPU28aは、その操作情報である例えば、電気錠解錠コードと自親機アドレス及びインターホン子機1を指定する子機アドレスとを付加した例えば、SIP対応の信号フォーマットの解錠起動制御信号(以下、第1の解錠起動制御信号という)を生成する。また、親機CPU28aで生成された第1の解錠起動制御信号は、前述の第1の応答信号と同様な信号伝送路を経由してインターホン子機1のネットワーク側子機I/F17に伝送される。
インターホン子機1の子機CPU16は、ネットワーク側子機I/F17を経由して受信した第1の解錠起動制御信号に付加されている子機アドレスが自子機に割当てられた子機アドレスと一致するばかりでなく、同様に付加されている操作情報である電気錠解錠コードが、自子機に予め定められた電気錠解錠コードが一致することで当該信号が有効であると判別し、電気錠3を解錠させるための電気錠信号を生成する。この電気錠信号が子機CPU16から電気錠側子機I/F18を経由して送信されてくる電気錠3は解錠され、住戸外(住戸玄関)に居る来訪者は、電気錠3が解錠された玄関戸を開けて住戸内に入ることができる。
また、電気錠3の解錠を検出したインターホン子機1の子機CPU16は、例えば、SIP対応の信号フォーマットで自子機アドレス及び第1のインターホン親機2aを指定する親機アドレスを付加した解錠確認制御信号(以下、第1の解錠確認制御信号という)を生成する。また、子機CPU16で生成された第1の解錠確認制御信号は、前述の呼出信号と同様な信号伝送路を経由して伝送され、当該親機アドレスが一致する第1のインターホン親機2aの親機CPU28aにおいて有効な当該信号であるとして受信される。この親機CPU28aは、予め赤色に点滅している第1の解錠操作部21aが有する発光体210を、例えば、赤色の点灯に変更することで、部屋内の在室者は、電気錠3が正常に解錠されたことを確認できる。
なお、部屋内の在室者によれば、前述のような電気錠3を解錠させるための解錠操作を第1のインターホン親機2aの第1の解錠操作部21aを使用して行った後のタイミングで、通話操作部20aを使用して終話操作を行うと、この操作を検出した親機CPU28a及びインターホン子機1の子機CPU16の制御によって前述の第1の通話路が遮断され通話を終了させることができる。
一方、最先に応答操作を行った人物として、例えば、第2のインターホン親機2bが設置された廊下先の在室者が通話操作部20bを使用して応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU28bは、親機音声処理部27bを能動として親機マイク25b及び親機スピーカ26bと当該親機音声処理部を経由して親機I/F29bとの間の信号伝送路を形成するとともに、例えば、SIP対応の信号フォーマットで自親機アドレス及びインターホン子機1を指定する子機アドレスを付加した応答信号(以下、第2の応答信号という)を生成する。また、親機CPU28bで生成された第2の応答信号は、親機I/F29bから汎用ネットワーク4を経由してインターホン子機1のネットワーク側子機I/F17に伝送される。
また、第2のインターホン親機2bの親機CPU28bは、前述の通話制御のみならず、第1の解錠ボタン21b及び第2の解錠ボタン22bのうち何れかの操作機能が能動であるかを確認する。ここでは、前述のように第2の解錠操作部22bの操作機能のみを能動とする設定が予めなされているため、第1の解錠操作部21bが有する発光体210を消灯のまま保持する一方、第2の解錠操作部22bの操作機能として、表示部23bの前面に配置されたタッチパネル上に操作ボタン(テンキー、キーボード等、不図示)を表示させることにより、廊下先の在室者は、第1の解錠操作部21bの操作機能が非能動、第2の解錠操作部22bの操作機能が能動であることを確認できる。
なお、第2のインターホン親機2bにおいて、表示部23bの前面に配置されたタッチパネル上に操作ボタン(テンキー、キーボード等、不図示)を表示させる親機CPU28bによる制御タイミングは、通話操作部20bを使用して応答操作が行われた後のタイミングに限定されるものではなく、前述のような呼出報知(呼出表示)が行われたタイミングを適用することもできる。
インターホン子機1の子機CPU16は、ネットワーク側子機I/F17を経由して受信した第2の応答信号に付加されている子機アドレスが自子機に割当てられた子機アドレスと一致するため、同様に付加されている親機アドレスに該当する第2のインターホン親機2bで応答操作を行った廊下先の在室者による応答があったことを検出し、子機音声処理部15を能動として子機マイク13及び子機スピーカ14と当該子機音声処理部を経由してネットワーク側子機I/F17との間の信号伝送路を形成することで、来訪者が使用する子機マイク13及び子機スピーカ14と廊下先の在室者が使用する親機マイク25b及び親機スピーカ26bとの間の信号伝送路、すなわち、通話路(以下、第2の通話路という)が形成され、形成された第2の通話路を経由して音声信号を送受信することで通話が成立する。なお、この通話時において廊下先の在室者は、表示部23bに表示されている来訪者の映像(映像信号)を確認しながらの通話が可能となる。
また、廊下先の在室者によれば、前述のような通話時において住戸外(住戸玄関)に居る来訪者を住戸内に招き入れるにあたり、第2のインターホン親機2bの第2の解錠操作部22bを使用して、前述の電気錠解錠コードに対応する置数であって例えば、予め定められた暗証番号又はアルファベット等を入力する解錠操作を行う。この操作を検出した親機CPU28bは、その操作情報である置数と自親機アドレス及びインターホン子機1を指定する子機アドレスとを付加した例えば、SIP対応の信号フォーマットの解錠起動制御信号(以下、第2の解錠起動制御信号という)を生成する。また、親機CPU28bで生成された第2の解錠起動制御信号は、前述の第2の応答信号と同様な信号伝送路を経由してインターホン子機1のネットワーク側子機I/F17に伝送される。
インターホン子機1の子機CPU16は、ネットワーク側子機I/F17を経由して受信した第2の解錠起動制御信号に付加されている子機アドレスが自子機に割当てられた子機アドレスと一致するばかりでなく、同様に付加されている操作情報である置数が、自子機に予め定められた電気錠解錠コードに対応するものとして当該信号が有効であると判別し、電気錠3を解錠させるための電気錠信号を生成する。この電気錠信号が子機CPU16から電気錠側子機I/F18を経由して送信されてくる電気錠3は解錠され、住戸外(住戸玄関)に居る来訪者は、電気錠3が解錠された玄関戸を開けて住戸内に入ることができる。
また、電気錠3の解錠を検出したインターホン子機1の子機CPU16は、例えば、SIP対応の信号フォーマットで自子機アドレス及び第2のインターホン親機2bを指定する親機アドレスを付加した解錠確認制御信号(以下、第2の解錠確認制御信号という)を生成する。また、子機CPU16で生成された第2の解錠確認制御信号は、前述の呼出信号と同様な信号伝送路を経由して伝送され、当該親機アドレスが一致する第2のインターホン親機2bの親機CPU28bにおいて有効な当該信号であるとして受信される。この親機CPU28bは、電気錠3が正常に解錠された旨の例えば、文字メッセージや絵データ等を表示部23bに表示することで、廊下先の在室者は、電気錠3が正常に解錠されたことを確認できる。
なお、廊下先の在室者によれば、前述のような電気錠3を解錠させるための解錠操作を第2のインターホン親機2bの第2の解錠操作部21bを使用して行った後のタイミングで、通話操作部20bを使用して終話操作を行うと、この操作を検出した親機CPU28b及びインターホン子機1の子機CPU16の制御によって前述の第2の通話路が遮断され通話を終了させることができる。
次に、前述までの説明によれば、第2の解錠操作部22bの操作機能のみを能動とする設定が予めなされている第2のインターホン親機2bにおいて、その解錠操作部22bを使用して解錠操作を行うタイミングが、来訪者からの呼出しに応答して成立された通話時であったが、このタイミングに限定されるものではない。
例えば、インターホン子機1から第1、第2のインターホン親機2a、2bへの呼出しがない待受時や、同様な待受時で廊下先の在室者が住戸外の様子を監視するにあたって通話操作部20bを操作し前述のような第2の通話路を形成させたモニタ監視時においても、第2の解錠操作部22bを使用して同様な解錠操作を行うことができる。この操作タイミングによれば、誤って第1の解錠操作部21bをワンプッシュ操作した場合であっても、この解錠操作部21bの操作機能は非能動であるため、電気錠3が解錠することはなく、セキュリティを十分に確保できる。
前述までの説明から明らかなように、本発明の実施例によれば、例えば、在室者が来訪者との間で成立中の通話時においてワンプッシュ操作により電気錠3の解錠を行う操作機能(第1の解錠操作部21a、21b)と、通話時のみならず例えば、待受時等において電気錠3を解錠させるために予め定められた電気錠解錠コードに対応する置数を入力して当該電気錠の解錠を行う操作機能(第2の解錠操作部22a、22b)のように、電気錠3の解錠操作が行われるインターホン親機2a、2bの設置場所に対応させて、能動とされる操作機能を変更することができるため、セキュリティが十分に確保されるとともに、解錠操作を行う在室者の使い勝手が高められる。
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
具体的に、本発明の実施例においては、住戸外に設置される当該子機として1台のインターホン子機1を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、住戸外の異なる場所に複数のインターホン子機1を設置して汎用ネットワーク4に接続し、これに対応させて複数の電気錠3を設けることもできる。この態様によれば、複数のインターホン子機1毎に個別の子機アドレスを割当てることで、特定の当該子機から第1、第2のインターホン親機2a、2bに呼出しがあった場合であっても、子機アドレスを指定して特定の当該子機との間で通話を成立させることができるばかりでなく、前述のような通話時のみならず待受時等においても、その操作機能が能動とされている第1の解錠操作部21a、21b又は第2の解錠操作部22a、22bを使用して解錠操作を行うことで、特定の当該子機に接続された電気錠3を解錠させることができる。
また、本発明の実施例においては、第1、第2のインターホン親機2a、2bの第2の解錠操作部22a、22bの使用により入力される、電気錠解錠コードに対応した置数として、予め定められた暗証番号又はアルファベット等を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、予め定められた鍵のイラストを置数として、表示部23a、23bの前面に配置されたタッチパネル上に表示し、このイラストをタッチ操作させることも好適とされる。
また、本発明の実施例においては、インターホン子機1の映像撮像部11で生成された映像信号を第1、第2のインターホン親機2a、2bの表示部23a、23bに表示させたが、例えば、汎用ネットワーク4に不図示のサーバを接続することで、この映像信号をサーバで保存・管理することもできる。