JP6038648B2 - 酸化ユーロピウムと酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムとの核/殻組成物、該組成物を含むリン光体、およびこの調製法 - Google Patents

酸化ユーロピウムと酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムとの核/殻組成物、該組成物を含むリン光体、およびこの調製法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化ユーロピウムと酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムとを主体とする核/殻組成物、この組成物を含むリン光体、およびこれらの調製法に関する。
ユーロピウムを添加した酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムは発光性を持つことが周知である。これらはUV照射されると赤色光を放射する。この性質を利用したこれらの酸化物を主体とするリン光体は、工業規模で、例えば、三色蛍光灯において一般的に利用されている。
こうしたリン光体は希土類を含有しているが、その価格は高く、しかも激しい価格変動に見舞われている。従って、このようなリン光体のコストを下げることは重要課題である。
さらに、特定の希土類(ユーロピウムなど)の希少性から、リン光体においてその量を減らすことが望まれている。
従って、高価な希土類の量を減らしたリン光体に対する重要な需要が存在するが、そうであっても、もちろん、この量の減少はリン光体の発光性に不利益であってはならず、発光性は現行のリン光体のものと同じレベルになければならない。
本発明の対象は、この要求に合致するリン光体である。
この目的に対して、本発明は、以下を含むことを特徴とする組成物に関する:
−無機核;および
−酸化ユーロピウムと酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムとを主体とし、300nm以上の厚さにわたり無機核を均一に覆う殻。
本発明はまた、上記の型の組成物を含むことを特徴とするリン光体にも関する。
リン光体の体積の大部分を占める無機核が存在する特別性を考慮すると、現行の既知のバルクリン光体と比較して希土類の使用量は減少しており、これによりリン光体のコストも減少している。
しかしながら、内部構造のこの違いにも関わらず、本発明のリン光体は、現行の既知のリン光体のものと同様な性質を有する。
詳細には、非リン光体核の存在は本発明のリン光体の発光性に影響らしい影響を及ぼさないという結果になる。ほとんどの場合、先行技術の製品と同様な発光性が得られる。
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下の説明、および本発明を例示することをあくまでも目的とする様々な具体例を読むことでより完全に明らかになるであろう。
以後の説明では、特に記載がないかぎり、与えられる値の範囲または限度すべてにおいて、境界値も含まれ、従って、このように定義される値の範囲または限度は、少なくとも下限値以上および/または多くても上限値以下の任意の値を包含することも、強調しておかねばならない。
「希土類」という用語は、以後の説明において、イットリウムおよび周期表の原子番号が57から71の元素(57および71も含む。)で形成される群の元素を意味するものとする。
「比表面積」という用語は、クリプトン吸着により求められるBET比表面積を意味するものとする。本説明で与えられる表面積は、粉末を200℃で8時間脱気した後にASAP2010装置で測定したものである。
上記のとおり、本発明は、2種類の生成物に関連する:組成物、これは以後の説明において「前駆体」とも称することがある;および、組成物即ち前駆体から得られるリン光体。リン光体自体は、所望の用途において自体を直接利用可能にするのに十分な発光性を持つ。前駆体は、発光性を持たないか、発光性を持ったとしても一般に低すぎて同じ用途に使えない。
これらの2種の生成物について、ここから詳細に説明する。
組成物即ち前駆体
本発明の組成物は、その特別な核/殻構造を本質的な特徴とし、核/殻構造について以下に詳細に説明する。
無機核は、無機物を主体とし、この無機物は特に酸化物かリン酸塩が可能である。
酸化物の中で、詳細には、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)およびドーパントとして作用する可能性がある希土類1種以上の酸化物が挙げられる。希土類酸化物として、さらにより詳細には、酸化ガドリニウム、酸化イットリウムおよび酸化セリウムが挙げられる。
酸化物として好ましく選択されるものとして、酸化イットリウム、酸化ガドリニウムおよびアルミナが挙げられる。アルミナは、前駆体をリン光体に変換する際に、ドーパントのどのような核中への拡散も観測することなく、より高温での焼成を可能にするという利点を特に有することから、さらにより好ましく選択され得る。つまり、焼成温度が高くなることで結果殻の結晶化が良好になるため、アルミナは、最適な発光性を有する生成物を得ることを可能にする。
リン酸塩の中で、例として、ドーパントとして作用する可能性がある希土類1種以上のオルトリン酸塩(オルトリン酸ランタン(LaPO)、オルトリン酸ランタンセリウム((LaCe)PO)、オルトリン酸イットリウム(YPO)など)および希土類またはアルミニウムのポリリン酸塩が挙げられる。
1つの特定の実施形態に従って、核の材料は、オルトリン酸ランタン、オルトリン酸ガドリニウムまたはオルトリン酸イットリウムである。
アルカリ土類リン酸塩(Ca、リン酸ジルコニウムZrPおよびアルカリ土類ヒドロキシアパタイトなど)も例として挙げられる。
他の無機化合物、例えば、バナジン酸塩、特に希土類バナジン酸塩(YVO)、ゲルマン酸塩、ケイ酸塩、特にケイ酸亜鉛またはケイ酸ジルコニウム、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩(BaSO)、ホウ酸塩(YBO、GdBO)、炭酸塩およびチタン酸塩(BaTiO)、ジルコン酸塩、ならびに希土類が場合により添加されているアルカリ土類金属アルミン酸塩、アルミン酸バリウムおよび/またはアルミン酸マグネシウムなど(MgAI、BaAIまたはBaMgAI1017など)は、さらにより適している。
最後に、上記化合物に由来する化合物(混合酸化物、特に希土類酸化物、例えば、ジルコニウムセリウム混合酸化物、混合リン酸塩、特に混合希土類リン酸塩およびホスホバナジン酸塩など)も適したものであり得る。
詳細には、核の材料は、特定の光学的性質、特にUV反射性を有するものであり得る。
「無機核は、を主体とする」という表現は、集合体が、問題の材料を少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、さらには90重量%含むことを示すものとする。1つの特定の実施形態に従って、核は、本質的にこの材質からなる(即ち、少なくとも95重量%、例えば、少なくとも98%またはさらには少なくとも99重量%の含有量で)ものであり、さらには完全にこの材質からなるものであり得る。
本発明の有利な実施形態を幾つか以下に説明する。
第一の実施形態に従って、核は高密度な材料でできたものであり、実際、一般に良く結晶化した材料または比表面積の小さい材料に相当する。
「小さい比表面積」という表現は、最大で5m/g、より詳細には最大で2m/g、さらにより詳細には最大で1m/g、および特には最大で0.6m/gの比表面積を意味するものとする。
別の実施形態に従って、核は温度に対して安定な材料を主体とする。これにより、高温の融点を有し、この同じ温度でリン光体として使用する場合に問題となるような副生成物に分解しない、さらにこの同じ温度で結晶のままであり、従って非晶質材料に変化しない材料であることを意味するものとする。本明細書で意図するところの高温とは、少なくとも900℃超、好ましくは少なくとも1000℃超、およびさらにより好ましくは少なくとも1200℃の温度である。
第三の実施形態は、核として、上記の2つの実施形態の特徴を組み合わせた材料、即ち、温度に対して安定で比表面積が小さい材料を使用することである。
上記の実施形態の少なくとも1つに従う核の実際の使用は、多数の利点を有する。第一に、前駆体の核/殻構造が、この前駆体から得られるリン光体において特に十分に維持され、コストの利点を最大限に得ることを可能にする。
そのうえ、本発明の前駆体(その製造において上記実施形態の少なくとも1つに従う核が用いられたもの)から得られるリン光体は、同じ組成であるが核/殻構造を持たないリン光体と、光ルミネッセンス収量が同じであるか、場合によってはこれより優れた光ルミネッセンス収量を有することが見いだされた。
核の材料は、特に既知の溶融塩技法を用いて、圧縮することができる。この技法は、圧縮しようとする材料を、場合により還元雰囲気(例えば、アルゴン/水素混合物)中、融剤の存在下、例えば、少なくとも900℃の高温にすることにある。融剤は、塩化物(例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カリウム)、フッ化物(例えば、フッ化リチウム)、ホウ酸塩(ホウ酸リチウム)、炭酸塩およびホウ酸から選択することができる。
核は、特に1から10μmの直径中央値を有するものであり得る。
直径中央値は、SEM(走査型電子顕微鏡)で少なくとも150個の粒子から統計的に計測して求めることができる。
核の寸法、および同様に以下に記載される殻の厚さは、本発明の組成物/前駆体の断面の特に透過型電子顕微鏡写真で測定することもできる。
本発明の組成物/前駆体のもう1つの構造的特徴は、殻である。
この殻は、300nm以上の厚さにわたって、核を均一に覆っている。「均一」という用語は、核を完全に覆い、好ましくは300mmを決して下回らない厚さを有する連続層を意味するものとする。このような均一性は、走査型電子顕微鏡写真で特に見ることができる。X線回折(XRD)測定はさらに、核と殻とに分かれた2つの組成の存在を実証する。
層の厚さは、より詳細には少なくとも500nm、およびさらにより詳細には少なくとも700nmが可能である。層の厚さは、2000nm(2μm)以下、より詳細には1500nm以下が可能であり、750nmから1500nmの間が可能である。
殻は、所望の発光性を有する生成物(赤色リン光体)またはこのような性質を与えることが可能な生成物を主体とするか、またはそうした生成物からなる。即ち殻は、酸化ユーロピウムと、酸化イットリウム(Y)または酸化ガドリニウム(Gd)または混合酸化イットリウムガドリニウム((Y,Gd))とを主体とするかまたはこれらからなるものであり、説明がどうであっても本発明が明らかに混合酸化物の例に応用可能であるならば、簡単のため、本明細書中以下、酸化イットリウムまたは酸化ガドリニウムとのみ示す。ユーロピウムは、酸化物Ln(式中、Lnはイットリウムおよび/またはガドリニウムを示す。)用のドーパントとして作用する、即ちユーロピウムはこの酸化物に発光性を与える。
ユーロピウムの量は、一般に、酸化物Lnの重量に対して酸化ユーロピウムが0.01重量%から20重量%となる量である。この量は、特に組成物の用途に依存して、特に三色ランプに利用する場合は、4%から15%、より詳細には4%から7%となり得る。
自体既知のとおり、ユーロピウムを添加した酸化物Lnは、ユーロピウム、ガドリニウムおよびイットリウム以外の希土類から選択される他の追加の元素を場合により含有することができる。詳細には、テルビウム、サマリウムおよびランタンを挙げることができる。
これらのその他の元素は、詳細にはテルビウムまたはサマリウムの場合に、ユーロピウムに加えてドーパントとして存在するものとなり得る。このような場合、この追加の元素の量は、一般に、酸化物Lnの重量に対して、この元素の酸化物が最大で1重量%となる量である。
これらのその他の元素は、ガドリニウムおよび/またはイットリウムの置換体として存在するものともなり得る。これは、例えば、ランタンの場合などである。このような場合、この追加の元素の量は、一般に、酸化物Lnの重量に対して、この元素の酸化物が最大で40重量%、より詳細には最大で10重量%となる量である。
上記の元素に起因するドーパントまたは置換体の機能は、純粋に示すとおりに起因したものであって制限するものではなく、本発明は、殻が、こうした追加の元素の1種をこの元素が酸化物Lnでどのような役割または機能を果たすかに関わらず含む酸化物Lnを含むすべての場合を包含することをここで強調しておくことが重要である。
本発明の組成物/前駆体を構成する核および殻を有する粒子は、一般に、好ましくは1.6μmから15μmの直径中央値を有し、この直径はより詳細には3μmから10μm、およびさらにより詳細には4μmから8μmが可能である。
示される直径中央値は、粒子の集団の直径の体積平均である。
ここおよび以下の説明で与えられる粒子径は、レーザー粒径分析技法により、例えば、Malvernレーザー粒径分析装置を用い、粒子を水に分散させ1分30秒間超音波処理(130W)した試料で測定される。
そのうえさらに、粒子は、好ましくは分散指標が低く、典型的には最大で0.7、より詳細には最大で0.6、およびさらにより詳細には最大で0.5である。
粒子の集団についての「分散指標」という用語は、本説明の文脈において、以下に定義するとおりの比Iを意味するものとする:
I=(Φ84−Φ16)/(2×Φ50)、
式中、Φ84は粒子の84%がこの直径未満であるような直径であり;Φ16は粒子の16%がこの直径未満であるような直径であり;およびΦ50は、粒子の50%がこの直径未満であるような直径中央値である。
本発明の組成物/前駆体は、特定の波長を照射されることで発光性を有することができるものの、こうした発光性は、所望の用途にそのまま直接使用可能である真のリン光体を得るため、これらの生成物に後処理を施すことでさらに改善することができ、またそうする必要がある。
前駆体と実際のリン光体の境界は、任意に決められるものであり、それを超えて生成物が利用者にとって直接使用可能であり許容できるものであるとみなされるものになる発光閾値にのみ依存することが理解されるであろう。
本発明の場合、およびきわめて一般的には、約1000℃を超える熱処理を施されていない本発明の組成物は、リン光体前駆体としてみなすことができるし、そのように同定することができる。なぜなら、このような前駆体が有する発光性は一般に、どのようなその後の変換もなくそのまま直接使用可能である市販のリン光体の最小輝度基準を満たさないと判断される可能性があるからである。反対に、おそらくは適切な処理を施された後、利用者が例えばランプなどに直接用いるのに十分な適切な輝度を発現させる生成物は、リン光体と認めることができる。
本発明のリン光体を以下に記載する。
リン光体
本発明のリン光体は、上記のとおりの本発明の組成物からなるか、または上記のとおりの本発明の組成物を含む。
従って、本発明の組成物に関して上記で記載されたことはすべて、ここでも同様に、本発明のリン光体の記載に当てはまる。詳細には、このことは、無機核および均一な殻で形成される構造、無機核の性質および殻の性質、ならびに特に酸化物Lnの組成および粒子径特性に関して上記で与えられた特性すべてに当てはまる。
以下でわかるとおり、本発明のリン光体は、組成物/前駆体の熱処理により得られるが、この熱処理は組成物の上記のとおりの特徴を実質的に改変することはない。しかしながら、この処理は、殻の酸化物Lnの結晶化を改善し、これにより発光性を本質的に改善する。
本発明の組成物およびリン光体の調製法を以下に記載する。
調製法
本発明の組成物の調製法は、以下の工程を含むことを特徴とする:
−(a)無機核を含む懸濁液を形成する、この懸濁液は8から11のpHを有する、と
−(b)ユーロピウム塩とイットリウムまたはガドリニウム塩とを含み、適切な場合はイットリウム、ユーロピウムおよびガドリニウム以外の希土類の塩を合わせて含む溶液を、この懸濁液に加える、加える間、反応液のpHを実質的に一定値に維持する、と
−(c)先の工程で得られた混合物から固体を分離する、と、および
−(d)こうして得られる固体を最大1000℃の温度で焼成する。
従って第一工程は、懸濁液を形成する工程であり、これは一般に、上記のとおりの無機核を含む水性懸濁液である。
核は、調製したい組成物の核に適した粒子径を有するものが選択される。従って、特に1から10μmの直径中央値を有し分散指標が最大で0.7または最大で0.6である核が、特に用いることができる。
懸濁液のpHは、8から11、より詳細には8.5から9.5でなければならない。pHは、懸濁液に塩基を加えることによりこの値になる。適した塩基として、以下を例として挙げることができる:金属水酸化物(NaOH、KOH、Ca(OH)など)または水酸化アンモニウム。
本方法の第二工程(b)は、ユーロピウム塩と、調製しようとする組成物に依存して、イットリウムおよび/またはガドリニウム塩とを含有する溶液を用いる。上記に見られたとおり、殻の酸化物Lnが追加の希土類を含有する組成物を調製しようとするならば、この溶液は追加の希土類(単数または複数)の塩も含有する。
適した塩の中で、例として、塩化物、硝酸塩、硫酸塩および酢酸塩が挙げられる。より詳細には硝酸塩を用いることができる。
溶液を、先の工程(a)で得られた懸濁液に加える。
溶液は、好ましくは徐々に、例えば、可能なのは30分から10時間、より詳細には30分から2時間の範囲の期間にわたり、連続して撹拌しながら加えられる。
そのうえ、詳細には無機核粒子の均一な被覆を得ることを可能にする本発明の方法の別の重要な特徴に従って、この添加は、反応液のpHを実質的に一定値、一般には塩溶液を加える直前の懸濁液のpH値に維持しながら行われる。このpH値は、従って、8から11、より詳細には8.5から9.5であり得る。
「実質的に一定値に維持されるpH」という表現は、混合物のpHが、設定した設定値について最大で0.5pH単位、およびより好ましくはこの値について最大で0.1pH単位変化し得ることを意味するものとする。
これらのpH値を達成するため、および要求されるpHを維持するため、上記のとおりの塩基を反応液に加えることができる。
第二工程(b)において、懸濁液への溶液の添加は、室温(20から25℃)から上限60℃または80℃の範囲の温度で行われる。
懸濁液と溶液の接触により、希土類(Yおよび/またはGdとEu)と核に均一層として堆積したアンモニウム化合物との粒子を含む沈殿が形成される。溶液を懸濁液と混合する間の温度および速度の添加条件を変えることにより、粒子の寸法を変えることが可能である。層の厚さは、用いる塩および核のそれぞれの量に依存して変えることができる。
続く工程(c)において、得られた沈殿は、固体/液体分離の任意の方法(濾過、遠心分離、沈降など)により、反応液の液相から分離される。沈殿は、例えば、可溶性の塩を除去するために、1回以上洗うこともできる。
沈殿は、減圧下乾燥させるか噴射乾燥させることによる例えば50℃から100℃の熱処理により乾燥操作を施すことで、結合していない水を蒸発させることができる。
工程(b)後、反応液に熟成工程を施すことが可能である。「熟成工程」という用語は、溶液を加え終わった後の混合物を、工程(b)と同じ温度および撹拌条件下に維持することを意味するものとする。この熟成工程の期間は、例えば15分から3時間が可能であるが、この値は、純粋に例示としてのみ提供するものであって制限するものではない。
熟成を加圧下、例えば、オートクレーブ中で、100℃から200℃、より詳細には100℃から150℃の温度で行うことも可能である。
本方法の最終工程は、焼成工程である。この工程は、層の希土類(Yおよび/またはGdとEu)/アンモニウム化合物を同じ希土類の酸化物に変換することを可能にする。
この焼成は一般に空気中で行われる。
焼成時間は、慣習的に、例えば、一定重量になるまで確認することにより決定することができる。純粋に例示として、焼成時間は、約30分から6時間で様々であり得る。
この処理をすると、本発明の組成物即ち前駆体が得られる。
本発明のリン光体は、少なくとも1200℃の温度で、上記のとおりの組成物/前駆体、または同じく上記のとおりの方法で得られる組成物/前駆体を焼成することにより得られる。この温度は、約1200℃から1650℃、より詳細には1300℃から1500℃が可能である。
この処理により、前駆体は有効なリン光体に変換される。
上記のとおり、前駆体自体も固有の発光性を有し得るものの、この性質は、一般に、意図する用途には不十分であり、焼成処理によって大幅に向上するものである。
焼成は一般に空気中で行われる。
既知のとおり、焼成は、融剤または溶融化剤(例えば、フッ化リチウム、四ホウ酸リチウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、リン酸リチウム、塩化アンモニウム、酸化ホウ素、ホウ酸およびリン酸アンモニウム、ならびにこれらの混合物など)の存在下で行うこともできる。
焼成を、どのような融剤も存在させずに、従って溶融化剤を前駆体とあらかじめ混合せず行い、これにより本方法を簡素化しリン光体に存在する不純物の含量を減少させる助けとすることも可能である。さらに、このやり方は、製品の考え得る毒性を考慮して厳密な安全基準に従って処理しなければならない製品(上記の溶融化剤の大部分の場合にそうである。)を用いることを回避する。
処理後、焼成生成物は、できるだけ純粋なリン光体を、凝集していない状態またはわずかに凝集した状態で得るために、有利には洗浄される。後者の場合、リン光体を穏やかな分離処理にかけることでリン光体の凝集をほぐすことが可能である。
上記の熱処理は、前駆体の粒子のものと非常に近い、核/殻構造と粒子径分布を維持したリン光体を得ることを可能にする。
また、熱処理は、外側のリン光体層から核内へのユーロピウムの拡散現象を実質的に誘導しないで行うことが可能である。
本発明の可能な改変形態の1つに従って、記載される2つの方法の連続する焼成を同一工程内で行うこと、即ち前駆体の段階から停止することなく直接リン光体を得ることが可能であることを強調しておく必要がある。
そのうえさらに、本発明は、上記の調製法により得ることができるリン光体を包含する。
本発明のリン光体は、その性質のおかげで、UV範囲(200から280nm)、例えば、約254nmに励起源を有する照明または表示系に、とりわけ、詳細には、三色水銀灯ならびに管状または板状の液晶系バックライト用ランプ(LCDバックライト)に用いることができる。本発明のリン光体は、UV励起下で高い輝度を有し、熱による後処理による発光損失がない。本発明のリン光体の発光は、室温から300℃の範囲の温度で、UV下特に安定である。
本発明のリン光体は、VUV(または「プラズマ」)励起系(例えば、プラズマディスプレーおよび水銀を含まない三色ランプ、特にキセノン励起ランプ(管状も板状も問わず)など)用の赤色リン光体の有望な候補でもある。本発明のリン光体は、VUV励起(例えば、約147nmおよび172nm)下で強い赤色を発光する。本リン光体は、VUV励起下で安定である。
本発明のリン光体は、LED(発光ダイオード)励起デバイスにおける赤色リン光体としても用いることができる。本リン光体は、近UVで励起可能な系で特に用いることが可能である。
本リン光体は、UV励起マーキング系でも用いることができる。
本リン光体は、有機マトリクス(例えば、プラスチックマトリクス、またはUV下で透明な重合体など)、無機(例えば、シリカ)マトリクスまたは混成有機/無機マトリクスに分散させることもできる。
本発明のリン光体は、CRT(陰極線管)またはFED(電界放出ディスプレー)またはSED(面放出ディスプレー)の陰極励起系に用いることができる。
本発明のリン光体は、周知の技法、例えば、スクリーン印刷、噴射、電気泳動または沈降により、上記のデバイスの製造に用いることができる。
本発明は、別の態様に従って、赤色発光源として、上記のとおりのリン光体または同じく上記のとおりの方法で得られるリン光体を含む、発光デバイスにも関する。
ここから実施例を示す。
以下の実施例において、調製した粒子は、以下の方法を用いて、粒子径、形態および組成に関して特性決定した。
粒子径測定
粒子直径は、レーザー粒子径分析装置(Malvern 2000)を用いて、粒子を水に分散させ超音波(130W)で1分30秒間処理した試料から求めた。
電子顕微鏡法
高分解能JEOL 2010 FEG TEM顕微鏡を用いて、透過型電子顕微鏡法により、(顕微鏡用切片にした)粒子の断面図の顕微鏡画像を得た。EDS(エネルギー分散分光法)による化学組成測定についての装置の空間分解能は<2nmであった。観測された形態と測定された化学組成を関連づけることにより、核/殻構造を実証すること、および顕微鏡画像で殻の厚さを測定することが可能であった。
化学組成測定は、HAADF−STEMで作成された顕微鏡画像でのEDSによっても行うことができた。測定は、少なくとも2つのスペクトルから取られた平均に相当した。
X線回折
X線回折図は、Bragg−Brentano法に従って対陰極として銅を用いたKα線を用いて作成した。分解能は、異なる化合物からの線を分離するのに十分なように選択した。好ましくはこの分解能は、Δ(2θ)<0.02°であった。
(比較例1)
以下の様式で、式(Y0.95Eu0.05の酸化物を調製した。
中性シュウ酸イットリウムユーロピウム(ユーロピウム0.05molに対してイットリウム0.095mol)を含有する懸濁液を85℃に加熱した。0.255Mシュウ酸アンモニウム溶液をこの懸濁液に加えて、シュウ酸/(Y+Eu)モル比を2およびアンモニア/(Y+Eu)モル比を2とした。反応液を1時間撹拌し続け、生じた沈殿を濾過して回収し、次いで洗い、100℃で乾燥させた。最後に、沈殿を空気中900℃で2時間焼成した。沈殿は、Malvern粒子径分析装置を用いて測定したところ、直径中央値が6.5μmであった。
(実施例2)
この実施例は、本発明の核/殻前駆体に関するものであり、この実施例の核はリン酸ランタンである。
LaPO 核の合成
リン酸(HPO)溶液(1.725mol/l)500mlを、あらかじめ水酸化アンモニウムを加えてpH1.9にしておき60℃に加熱して、これに1時間かけて硝酸ランタン溶液(1.5mol/l)500mlを加えた。沈殿させている間のpHは、水酸化アンモニウムを加えることにより1.9に調整した。
沈殿工程後、反応液をさらに1時間60℃に維持した。そうすると、沈殿は濾過により容易に回収でき、これを水で洗って、空気中60℃で乾燥させた。次いで、得られた粉末に空気中900℃の熱処理を施した。
得られた生成物を、1重量%のLiFの存在下、還元雰囲気(Ar/H)中1100℃で2時間焼成することにより圧縮した。そうして、モナザイト構造の希土類リン酸塩を得た。顕微鏡画像(SEM)で150個の粒子から統計的に求めた直径中央値は、3.2μmであった。
前駆体合成
3.45mol/lの硝酸イットリウム溶液275.5mlと2.01mol/lの硝酸ユーロピウム溶液24.9mlを混合し、次いで溶液を1リットルにして、溶液Aを調製した。
次いで、あらかじめ調製した核22gを脱イオン水650mlに加え、室温で400rpmで撹拌して分散させた。6N水酸化アンモニウムを加えてpHを8.5に上げた。次いで、340mlの溶液Aを1時間30分かけて加えた。このときも、撹拌しながら6N水酸化アンモニウムを加えてpHを8.5に調整した。加えた後、同じ温度で1時間の熟成工程を行った。
次いで、得られた生成物を濾過し、2体積の水で、100℃で5時間乾燥させてから、900℃で2時間焼成した。
こうして核/殻前駆体を得た。X線回折は、2つの別々の結晶相(Y,Eu)およびLaPOの存在を示した。
この生成物は、直径中央値(D50)が8.3μmであった。
樹脂被覆した生成物を超薄片試料作製法(ultramicrotomy)で調製し(厚さ約100nm)孔開き膜に乗せてTEM顕微鏡画像を撮った。断面に粒子が見られた。この顕微鏡画像で粒子を横切る断面が観測され、その核は球状で平均厚さ800nmの殻で囲まれていた。
(実施例3)
この実施例は、本発明のリン光体に関する。
実施例2で得られた前駆体生成物を、空気中1300℃で4時間焼成した。UV励起で赤色発光するリン光体が得られた。
このリン光体は、同一条件下、比較例の前駆体酸化物の焼成で得られるリン光体と比較して、98%の光ルミネッセンス(PL)収量を有した。
この収量は、500nmから750nmの波長範囲で蛍光分光計を用いて測定した254nm励起下での発光スペクトルの積分により求めた。収量は比較のリン光体を100%として規格化した。
ユーロピウムの30%削減が達成されることを考えると、実施例1の前駆体を本実施例と同一条件下で焼成して得られる比較のリン光体に対して、PLがわずかに減少する(2%)のは、まったく問題ないことである。
(実施例4)
この実施例は、本発明の核/殻前駆体に関するものであり、この実施例の核は酸化イットリウムである。
核の合成
式Yの酸化物を、比較例1で記載されるものと同様な操作法を用いて調製した。即ち、中性シュウ酸イットリウムを含有する懸濁液を、45℃に加熱した。この懸濁液に、0.255Mシュウ酸アンモニウム溶液を加え、シュウ酸/Yモル比を2.5および水酸化アンモニウム/Yモル比を5にした。反応液を15分間撹拌し続け、生じた沈殿を濾過して回収し、それから洗って100℃で乾燥させた。最後に、沈殿を空気中900℃で2時間焼成した。生成物は、Malvern粒子径分析装置で測定して直径中央値が4μmであった。
次いで、得られた生成物を、ホウ酸1重量%の存在下1450℃で焼成した。次いで、これを、ボールミルを用いて2時間粉砕し、それから洗って乾燥させた。
前駆体合成
3.45mol/lの硝酸イットリウム溶液275.5mlと2.01mol/lの硝酸ユーロピウム溶液24.9mlを混合し、次いで溶液を1リットルにして、溶液Aを調製した。
次いで、あらかじめ調製した核21gを脱イオン水650mlに加え、室温で400rpmで撹拌して分散させた。6N水酸化アンモニウムを加えてpHを8.5に上げた。次いで、340mlの溶液Aを1時間30分かけて加えた。このときも、撹拌しながら6N水酸化アンモニウムを用いてpHを8.5に調整した。加えた後、同じ温度で1時間の熟成工程を行った。
次いで、得られた生成物を濾過し、2体積の水で、100℃で5時間乾燥させてから、900℃で2時間焼成した。
こうして前駆体を得た。X線回折は、2つの別々の結晶相(Y,Eu)およびYの存在を示した。
この生成物は、直径中央値(D50)が7.5μmであった。
実施例2に記載されるとおりに作成したTEM顕微鏡画像では、粒子を横切る断面が観測され、その核は球状で平均厚さ800nmの殻で囲まれていた。
(実施例5)
この実施例は、本発明のリン光体に関する。
実施例4で得られた前駆体生成物を、空気中1500℃で4時間焼成し、次いで粉砕して直径中央値(D50)を7.5μmにした。UV励起で赤色発光するリン光体が得られた。このリン光体は、ユーロピウムが30%削減されているものの、PLが100%であり、従って本実施例と同一条件下で実施例1の前駆体を焼成して得られる比較のリン光体のものと同一収量であった。
(実施例6)
この実施例は、本発明の核/殻前駆体に関するものであり、この実施例の核はアルミナでできている。
2mol/lの硝酸イットリウムユーロピウム溶液(イットリウム0.665molおよびユーロピウム0.005mol)350mlを混合し、溶液Aを調製した。
次いで、レーザー粒子径D50が3μmのアルミナ粉末15.3gを脱イオン水650mlに加え、室温で激しく撹拌して分散させた。6N水酸化アンモニウムを加えてpHを8.3に上げた。次いで、溶液Aを1時間30分かけて加えた。このときも、撹拌しながらpHを調整(pH=8.3)した。加えた後、同じ温度で1時間の熟成工程を行った。
次いで、得られた生成物を濾過し、2体積の水で、100℃で5時間乾燥させてから、900℃で2時間焼成した。
こうして所望の前駆体が得られた。X線回折は、2つの別々の結晶相(Y,Eu)およびAlの存在を示した。
生成物は、直径中央値(D50)が6.5μmであった。
(実施例7)
この実施例は、実施例6の前駆体から得られる本発明のリン光体に関する。
実施例6の前駆体を、空気中1550℃で4時間焼成した。UV励起で赤色発光するリン光体が得られた。光ルミネッセンス収量は、550nmから780nmの光ルミネッセンススペクトルを積分して測定した。
このリン光体は、同等条件下で実施例1の前駆体を焼成して得られるリン光体と比較して、粒子径(D50)が7.2μmで発光収量が100%であった。

Claims (19)

  1. 直径中央値が1.6から15μmであるリン光体前駆体としての核−殻粒子であって、
    −オルトリン酸ランタン、オルトリン酸ガドリニウム、オルトリン酸イットリウム、酸化イットリウム、酸化ガドリニウムまたは酸化ジルコニウムを主体とする無機核と;
    −酸化ユーロピウムおよび酸化イットリウムを主体とする殻とを含む、
    もしくは
    −オルトリン酸ランタン、オルトリン酸ガドリニウム、オルトリン酸イットリウム、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム、酸化ジルコニウムまたはアルミナを主体とする無機核と;
    −酸化ユーロピウムおよび酸化ガドリニウムを主体とする殻とを含み、
    殻が300nm以上の厚さにわたり無機核を均一に覆う、リン光体前駆体としての核−殻粒子。
  2. 無機核は、最大で5m/gの比表面積を有する材料を主体とすることを特徴とする、請求項1に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  3. 無機核は、最大で1m/gの比表面積を有する材料を主体とすることを特徴とする、請求項2に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  4. 殻はさらに、酸化イットリウムもしくは酸化ガドリニウムのドーパントとして、またはイットリウム元素もしくはガドリニウム元素の置換体として、イットリウム、ユーロピウム、もしくはガドリニウム以外の希土類を少なくとも1種含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  5. イットリウム、ユーロピウム、もしくはガドリニウム以外の希土類が、テルビウム、サマリウムまたはランタンであることを特徴とする、請求項4に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  6. 殻は、核を2000nm以下の厚さにわたって覆うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  7. 殻は、核を750nmから1500nmの厚さにわたって覆うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  8. 直径中央値が3から10μmであることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子を含むことを特徴とする、リン光体。
  10. 以下の工程:
    −(a)無機核を含む懸濁液を形成する、該懸濁液は8から11のpHを有する、と
    −(b)ユーロピウム塩とイットリウムまたはガドリニウム塩とを含む溶液を、この懸濁液に加える、加える間、反応液のpHを一定値に維持する、と
    −(c)先の工程で得られた混合物から固体を分離する、と、および
    −(d)こうして得られる固体を最大1000℃の温度で焼成する、
    を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子の調製方法。
  11. 以下の工程:
    −(a)無機核を含む懸濁液を形成する、該懸濁液は8から11のpHを有する、と
    −(b)ユーロピウム塩とイットリウムまたはガドリニウム塩とを含み、イットリウム、ユーロピウムまたはガドリニウム以外の希土類の塩を合わせて含む溶液を、この懸濁液に加える、加える間、反応液のpHを一定値に維持する、と
    −(c)先の工程で得られた混合物から固体を分離する、と、および
    −(d)こうして得られる固体を最大1000℃の温度で焼成する、
    を含むことを特徴とする、請求項4から9のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子の調製方法。
  12. 第一工程(a)で形成される懸濁液はpHが8.5から9.5であることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
  13. 工程(b)の後に反応液を熟成する工程を含むことを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(b)の間、反応液のpHは8から11の一定値に維持されることを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 工程(b)の間、反応液のpHは8.5から9.5の一定値に維持されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 工程(a)の間、塩を含む溶液は、懸濁液に、撹拌しながら徐々に加えられることを特徴とする、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項1から8のいずれか一項に記載のリン光体前駆体としての核−殻粒子または請求項10から16のいずれか一項に記載の方法で得られるリン光体前駆体としての核−殻粒子を少なくとも1200℃の温度で焼成することを特徴とする、請求項9に記載のリン光体の調製法。
  18. 焼成は融剤の存在下で行われることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項9に記載のリン光体を含むか、または該リン光体を用いて製造されることを特徴とする、発光デバイス。
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