JP6038371B1 - 包装済み茹で麺の製造方法及び製造機 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)ボイル槽の沸騰直前の水または沸騰水の中に生めんを投入し、麺を茹でる処理を行う工程、
(ii)前記の麺を沸騰直前の水または沸騰水から取り出した後、当該麺に1℃〜10℃のチラー水を掛け流して麺表面のぬめりを洗い流す処理を行う工程、
(iii)前記の麺を、50℃〜80℃に保持したpH調製水に浸漬する処理を行う工程、
(iv)前記の麺の水切り処理を行う工程、
(v)任意に、前記の麺に油を添加する処理を行う工程、
(vi)前記の麺を包装容器内に充填して密封し、包装済み茹で麺とする工程、
(vii)前記の包装済み茹で麺を、麺芯温が6℃〜10℃になるまで冷却する工程、
とを有することを特徴とする、包装済み茹で麺の製造方法である。
前記生めんの加熱処理機構は全体が外殻に覆われており、
その外殻の内部には、沸騰直前の水または沸騰水により生めんを茹でるためのボイル槽部、1℃〜10℃のチラー水を噴出するチラー水噴出口部、槽内に50℃〜80℃に保持したpH調製水を有するpH調整浸漬槽部と、任意に油添加部を少なくとも順に備え、さらに任意にチラー水噴出口部の下方にチラー水回収槽部と回収済みチラー水をボイル槽部の槽内へ環流させるオーバーフロー部を備えており、
さらに、麺を区分け搬送するためのピボッテドバケットコンベヤが前記各部を縦断するようにして配されており、
外殻のボイル槽側の上端部には、ボイル槽内へ生めん製麺機で製麺された生めんを投入する落し口が開口しており、
外殻の他端部下方には、ピボッテドバケットコンベヤ内を搬送された加熱処理後の麺を包装容器に投入させるための排出口が開口しており、
ボイル槽部の発生蒸気は外殻内に充満可能であることを特徴とする、
連続処理式の包装済み茹で麺製造機である。
本発明の手段による包装済み茹で麺は、以下の工程を経ることにより、製造することができる。
そして、生めんの製麺機構(1)は、真空ミキサー(11)、生地コンベヤ(12)、麺帯複合圧延機(13)、連続麺帯圧延機(14)および圧延切出機(15)を有している。また、生めんの加熱処理機構(2)は、全体が外殻(21)に覆われており、その外殻(21)の内部には、ボイル槽部(22)、チラー水噴出口部(23)、チラー水回収槽部(24)、pH調整浸漬槽部(25)、油添加部(25c)を順に備えており、これらの各部の下方には、麺を区分け搬送するためのピボッテドバケットコンベヤ(26)が前記各部を縦断するようにして配されている。さらに、外殻(21)のボイル槽側の上端部には、ボイル槽内へ生めん製麺機で製麺された生めんを投入する落し口(21a)が開口しており、外殻(21)の他端部下方には、ピボッテドバケットコンベヤ内を搬送された加熱処理後の麺を包装容器に投入させるための排出口(21b)が開口している。さらに、落し口(21a)の近傍及び排出口(21b)の上方の外殻(21)には、開閉可能な排気ダクト(21c)が設けられている。チラー水回収槽部(24)には、回収されるチラー水(23a)がボイル槽部(22)へと再潅流することが可能となるよう、オーバーフロー部(24b)が配設されている。
茹で麺は、製麺された生めんを沸騰させた水で十分に茹でるために、麺の主原料である澱粉質が吸水と加熱によって変質し、麺が柔らかくなるとともに、麺表面にはぬめりが生じる。そこで通常、茹で麺は、麺を茹でた際に生じる麺表面のぬめりを取るとともに冷水下でさらに澱粉質を変質させて麺を締め麺に十分な強度やコシを出すために、麺を茹でた後に大量の水で麺を洗浄しながら冷却する。
発明例として、麺を茹でる工程+麺にチラー水を掛け流す工程+pH調整水への浸漬工程+充填包装工程の後、室温の空気で麺芯温が40℃となるように冷やして粗熱をとり、さらに10℃冷蔵室で冷やす工程を経て、以下の包装済み茹で麺を製造した。
・発明例A:太うどん(7番手、幅4.2mm)
・発明例B:うどん(11番手、幅2.8mm)
・発明例C:中華麺
また、比較例として、従来のように、麺を茹でた後に大量の水で冷却洗浄する工程による製造方法(麺を茹でる工程+大量の水で冷却洗浄する工程+pH調整工程+充填包装工程+91℃のスチームで30分間加熱滅菌する工程+室温の空気で麺芯温40℃冷やして粗熱をとり、さらに10℃冷蔵室で冷やす)で、以下の包装済み茹で麺を製造した。
・比較例A:太うどん
・比較例B:うどん
・比較例C:中華麺
上記製造した包装済み茹で麺を冷蔵室より取り出し、包装容器から茹で麺を取り出す。太うどん(発明例A、比較例A)、うどん(発明例B、比較例B)の場合には、1袋につき任意に麺を3本選んで測定台にのせ、それら麺の破断強度(g)を測定する。中華そば(発明例C、比較例C)の場合には、麺がうどんよりも細いことを考慮し、1袋につき任意に麺を5本選んで測定台にのせ、それら麺の破断強度(g)を測定する。そして、各発明例及び比較例につき、それぞれ5袋を用いて測定し、各破断強度の平均値を算出した。
製造直後の包装済み茹で麺における麺の破断強度(g)は、以下の様になった。
(太うどん) 破断強度
発明例A: 450g
比較例A: 432g
(うどん) 破断強度
発明例B: 224g
比較例B: 213g
(中華麺) 破断強度
発明例C: 338g
比較例C: 251g
従来は、茹でた後の麺表面のぬめりをとりながら冷水下でさらに澱粉質を変質させ麺を締めて麺に十分な強度やコシを出すよう、茹でた麺を大量の水で洗浄しながら冷却していた。しかし、本発明で採用した新たな工夫は、茹でた麺を大量の水で洗浄しながら冷却するという従来の重要な工程を経ていない。そのため、麺に十分な強度が出ないことが想定されていた。
上記試験の結果、従来製法のように麺を茹でた後に大量の冷水で洗浄しながら澱粉質を変質させ麺を締めるのではなく、本発明において加えた、茹でた麺にチラー水を少量掛け流した後にpH調整水に浸漬させるのみで包装容器に充填し、その後に当該包装容器ごと冷却するという新たな工夫の一つによって、予想外にも、包装済みの茹で麺に対して、従来よりも高い破断強度を付与することが可能となることが明らかとなった。
以下の試験において、本発明の手段に記載の製造方法および製造装置により製造された包装済み茹で麺と、従来の製造方法および製造装置により製造された包装済み茹で麺とを用い、温め戻し後の麺の破談強度と歪み率の測定を行うことにより、温め戻し後の麺が有する粘弾性の程度を確認することで、麺のコシの強さを評価する。それぞれ、製造後4日目および製造後14日目(すなわち賞味期限日)のものを用いることで、流通した商品を消費者が購入し、実際に利用する時の状態を再現して、検討を行う。
生めんとして太うどん(7番手、幅4.2mm)、および、うどん(11番手、幅2.8mm)を用い、本発明の包装済み茹で麺製造装置を使用し、本発明の、茹で麺を包装した後に、麺芯温を20℃にするよう循環冷水を掛け急速冷却し、さらに10℃で冷蔵する工程を有する包装済み茹で麺製造方法によって、それぞれ包装済み茹で麺を製造し、6℃〜10℃に設定した冷蔵庫内で保管した。
・発明例B
生めんとして太うどん(7番手、幅4.2mm)、および、うどん(11番手、幅2.8mm)を用い、本発明の包装済み茹で麺製造装置を使用し、本発明の、茹で麺を包装した後に、室温の空気で冷却して麺芯温を40℃とし、さらに10℃で冷蔵する工程を有する包装済み茹で麺製造方法によって、それぞれ包装済み茹で麺を製造し、6℃〜10℃に設定した冷蔵庫内で保管した。
・比較例C
生めんとして太うどん(7番手、幅4.2mm)、および、うどん(11番手、幅2.8mm)を用い、従来の製造方法(生めんをボイル後冷水で洗浄冷却してから包装容器に充填し、さらに91℃のスチームで30分間加熱する製造方法)により、それぞれ包装済み茹で麺を製造し、6℃〜10℃に設定した冷蔵庫内で保管した。
・茹で麺のほぐれ具合を確認する。
・沸騰水から麺を取り出し、それを氷水の中に移し、30秒間冷却する。
・氷水から、麺をざるで取り出し、十分に水切りを行う。
・包装済み茹で麺1袋につき任意に麺を5本選び、麺を1本ずつ台に並べた後、せん断用の刃(厚さ5mmのブレード)で上部から押し切り、せん断される直前における茹で麺の歪み率(%)と、茹で麺の破談強度(kg)を測定する。この作業を2袋行い、計10本について測定を行う。
包装済み茹で麺における温め戻し後の茹で麺の、せん断される直前における歪み率(%)と麺の破断強度(kg)は、以下の様になった。
これまでに、本願発明の新たな手段により製造した包装済み茹で麺は、従来の製造方法による包装済み茹で麺に比べて、予想外にも、麺の破断強度の点でより強いものとなっていることが明らかとなっていた。そして、今回の実施例3の試験結果から、本願発明の新たな手段により製造した包装済み茹で麺は、従来の製造方法による包装済み茹で麺に比べて、より麺の粘弾性が高く、麺のコシが強く、噛みごたえのある弾力感を有するものとなっていることが、新たに明らかとなった。そしてさらに、本願発明の新たな手段により製造した包装済み茹で麺は、流通後日時を経ても、従来製造方法による包装済み茹で麺よりも、麺の粘弾性が高く、麺のコシが強く、噛みごたえのある弾力感を有する状態が維持されたものとなることが明らかとなった。
食品生産時における一般生菌や大腸菌などの各種菌の混入に対する対策としては、加熱殺菌が広く用いられる。従来の包装済み茹で麺の製造方法は、生めんを沸騰水で茹でた後に大量の水により麺を洗浄しながら冷却する工程を必要としていた。そのため、沸騰水で茹でる加熱殺菌が行われるものの、その後大量の水にさらされることから、茹でた後の麺における菌増殖への対策を要しており、上記従来の包装済み茹で麺の製造においては、包装済み茹で麺を、包装容器毎さらに加熱殺菌するか、クリーンルームや清浄空気による陽圧条件下に保持した特殊な製造環境を備え、その中で茹で麺を包装することが必須となっていた。しかし、加熱殺菌による麺品質の低下や、クリーンルームや特殊な製造環境の準備には手間やコストがかかるという問題があり、いずれも改善が求められていた。
そこで、茹でた麺をpH調製水へ浸漬処理する工程によって、包装済み茹で麺に高い菌抑制効果が備わる点を検証する。
以下のサンプルについて、生めんを沸騰水で茹でた後、温度を調節したpH調製水(pH2.8〜3.2)または水に10秒間浸漬し、包装容器に充填密封し、4℃に冷却して、包装済み茹で麺を製造した。
・太うどん 試験例A:pH調製水(70℃)
試験例B:pH調製水(50℃)
試験例C:pH調製水(90℃)
試験例D:水(70℃)
・うどん 試験例E:pH調製水(70℃)
試験例F:pH調製水(50℃)
試験例G:pH調製水(90℃)
試験例H:水(70℃)
上記で製造された包装済み茹で麺を、商品流通時と同様の10℃に設定したショーケースに保管し、保管当日、保管後5日目、7日目、9日目、14日目、19日目及び21日目に、一般生菌、大腸菌群、乳酸菌、真菌に関する菌検査をそれぞれ実施した。
pH調製水(70℃)に10秒間浸漬の処理を行った試験例Aおよび試験例Eは、試験開始後21日目においても、一般生菌、大腸菌群、乳酸菌、真菌の増殖試験結果はすべて陰性であった。包装済み茹で麺における流通時の賞味期限は、通常の冷蔵流通させる仕様のもので一般に製造後4日程度、また、長期冷蔵流通させる仕様のものでも製造後14日程度に設定されていることからみて、上記製造工程は、それを遙かに超えた期間にわたり優れた抗菌性を付与することが可能となると理解される。また、麺表面に付着する菌を大量の清浄な水で洗い流す工程が不要となり、製造における水使用量並びに排水量が大幅に削減された。
本発明の手段による包装済み茹で麺の製造において採用した、包装容器への封入直前に茹でた麺をpH調製水へ浸漬処理するという新たな工夫は、大量の水による洗浄処理並びにコストのかかる特殊な清浄環境を備えた製造装置を使用せずとも、包装後の茹で麺に対して、高い菌抑制効果を付与できるという、優れた効果を発揮する手段であることが明らかとなった。pH調製水への浸漬による効果をより高めるには、包装直後の包装済み茹で麺の麺芯温をある程度高くするよう、pH調製水を50℃以上に保持し、また、麺が団子状態となることを避けるため、pH調製水の温度は高すぎないように設定することが好ましいものと理解される。
太うどん、うどんとは麺の組成が異なる、他の生めんに、本発明の包装済み茹で麺製造機を用いても、太うどん、うどんと同様の菌抑制効果や水使用量の削減効果が得られるか検討する。一例として、中華そば、および、焼きそば麺について試験を行った。
実施例2に記載の方法と同様にして、中華そば、および、焼きそば麺を用いた包装済み茹で麺を製造した。製造された包装済み茹で麺を、商品流通時と同様の10℃に設定したショーケースに保管し、保管当日、保管後5日目、7日目、9日目、14日目、19日目及び21日目に、一般生菌、大腸菌群、乳酸菌、真菌に関する菌検査をそれぞれ実施した。
うどんとは麺の組成が異なる、中華そば、並びに、焼きそば麺を用いても、うどんの場合と同様に、包装済み茹で麺製造21日後において、ほぼ菌の発生は無かったことが確認された。茹でた麺のぬめりをそのままにpH調製水へ浸漬する工程を繰り返すと、pH調製水へ持ち越される麺のぬめりが増加しpH調製水が劣化することも、うどんの場合と同様に確認された。
本発明の手段による包装済み茹で麺の製造において採用した、包装容器への封入直前に茹でた麺をpH調製水へ浸漬処理するという新たな工夫は、大量の水による洗浄処理並びにコストのかかる特殊な清浄環境を備えた製造装置を使用せずとも、うどん以外の他の包装後の茹で麺に対しても同様に、高い菌抑制効果を付与できるという、優れた効果を発揮する手段であることが明らかとなった。
実施例4及び実施例5ではpH調製水への浸漬処理時間を10秒とした。しかし、設定される浸漬処理時間が短すぎると、コンベアを用いた浸漬処理を行う機構を用いる包装済み茹で麺製造機などの設計が難しくなる。そこで、浸漬処理時間をより長く設定する余地があるか、検討を行った。
太うどん、うどんを用い、pH調製水への浸漬処理時間を50秒に増やす以外は実施例2と同様の工程で、包装済み茹で麺を製造した。製造された包装済み茹で麺を、商品流通時と同様の10℃に設定したショーケースに保管し、保管当日、保管後5日目、7日目、9日目、14日目、19日目及び21日目に、一般生菌、大腸菌群、乳酸菌、真菌に関する菌検査をそれぞれ実施した。
pH調製水への浸漬時間を50秒と長くしても、製造後14日目においても、ほぼ菌の発生は無いことが確認された。また、麺の状態は、実施例4のものと同様であったが、pH調製水へ持ち越される麺のぬめりが、より増加していた。
実施例4において、pH調製水90℃の条件で浸漬処理をすると麺が団子状になり、温め戻しを行う際に麺がほぐれにくくなる現象が発生することが確認された。このような高い温度条件では、包装済み茹で麺を温め戻す際に、麺がくっついて固まったり切れて短くなると想定される。そこで、麺が団子状になりほぐれにくくなる現象を抑制するため、麺のほぐれ剤をさらに添加する余地があるか、検討した。
太うどん、うどん、および、中華麺を用い、70℃のpH調製水、90℃のpH調製水、及び、麺のほぐれ剤を加えた90℃のpH調製水を用いる以外は、実施例2と同様の工程で包装済み茹で麺を製造し、10℃ショーケースにて、太うどん、うどんは4日間、中華麺は5日間保管した。麺のほぐれ剤は、水溶性大豆多糖類、アルギン酸、セルロース、または増粘多糖類などを原料とするものを用いた。
・太うどん、うどん
ボイル後に90℃のpH調製水への浸漬工程のみを加えたものでは、開封前の包装容器に麺が密着してしまっており、団子状となっていた。容器を開封し麺を取り出そうとしても、麺から容器の袋が密着し剥がれにくい状態となっていた。取り出した団子状の麺を沸騰水に入れても、麺どうしがくっついた部分が塊状となって残存した。菜箸でほぐそうとしても、塊はほぐれず、麺が切断され、短くなるものが生じた。
ボイル後に、90℃のpH調製水への浸漬工程のみを加えたものでは、開封前の包装容器に麺が密着はさほど無かったが、麺は団子状となっていた。取り出した団子状の麺を沸騰水に入れても、麺どうしがくっついた部分が塊状となって残存した。菜箸でほぐそうとしても、塊はほぐれず、麺が切断され、短くなるものが生じた。
本発明の方法は、ほぐれ剤を併用する余地がさらにある、汎用性の高い包装済み茹で麺の製造方法であることが理解される。しかしながら、ほぐれ剤を併用すると、コストが1袋あたり数円増加し利益は減ってしまう。
上記各実施例により、本発明の手段による包装済み茹で麺の製造において採用した、包装容器への封入直前に茹でた麺をpH調製水へ浸漬処理するという新たな工夫は、大量の水による洗浄処理並びにコストのかかる特殊な清浄環境を備えた製造装置を使用せずとも、包装後の茹で麺に対して、高い菌抑制効果を付与できるという、優れた効果を発揮する手段であることが明らかとなった。しかしながら、茹でた麺のぬめりをそのままにpH調製水への浸漬工程を繰り返すと、持ち越されたぬめりによりpH調製水が早期に劣化し、pH調製水を頻繁に交換しなければならなくなるという問題が生じる。また、茹でた麺のぬめりは、菌が付着する足場となり易く、麺表面からはやめに取り除くことが望まれる。
生めんとして、うどん、中華麺を用いる。
麺を茹でる工程+麺にチラー水を掛け流す工程+pH調整水への浸漬工程+充填包装+冷却の工程により、以下の包装済み茹で麺を製造し、麺のほぐれ性、および、菌増殖の抑制効果を確認する。
・発明例A(チラー水:3℃20秒、pH調整水:80℃30秒)
・発明例B(チラー水:3℃20秒、pH調整水:75℃30秒)
・発明例C(チラー水:3℃20秒、pH調整水:70℃30秒)
・発明例D(チラー水:3℃20秒、pH調整水:55℃30秒)
・発明例E(チラー水:3℃20秒、pH調整水:50℃30秒)
また、麺を茹でる工程+pH調整水への浸漬工程+充填包装+冷却の工程により、以下の包装済み茹で麺を製造し、麺のほぐれ性、および、菌増殖の抑制効果を確認する。
・比較例F(pH調整水:75℃30秒)
・比較例G(pH調整水:70℃30秒)
・比較例H(pH調整水:55℃30秒)
・比較例I(pH調整水:50℃30秒)
うどん、中華麺ともに、チラー水を懸け流す工程を加えた発明例B、発明例C、発明例Dおよび発明例Eは、pH調整水へのぬめり持ち越しが減ることが確認された。温め戻し時の麺のほぐれ性は良好であった。麺肌はきれいで、澱粉の溶け出しもなかった。また、麺を茹でた後の処理温度がより低く設定されている比較例H及び比較例Iについて菌検査を実施したが、製造後14日目においても菌増殖は確認されなかった。
2 生めんの加熱処理機構
3 包装機構
4 包装済み茹で麺の冷却機構
11 真空ミキサー
12 生地コンベヤ
13 麺帯複合圧延機
14 連続麺帯圧延機
15 圧延切出機
21 外殻
21a 落し口
21b 排出口
21c 排気ダクト
22 ボイル槽部
22a 沸騰水
22b 蒸気
23 チラー水噴出口部
23a チラー水
24 チラー水回収槽部
24a 回収済みチラー水
24b オーバーフロー部
25 pH調整浸漬槽部
25a pH調整水
25c 油添加部
26 ピボッテドバケットコンベヤ
26a ピボッテドバケット
26b コンベヤ
100 連続処理式の包装済み茹で麺製造機
Claims (10)
- (i)ボイル槽の沸騰直前の水または沸騰水の中に生めんを投入し、麺を茹でる処理を行う工程、
(ii)前記の麺を沸騰直前の水または沸騰水から取り出した後、当該麺に1℃〜10℃のチラー水を掛け流して麺表面のぬめりを洗い流す処理を行う工程、
(iii)前記の麺を50℃〜80℃に保持したpH調製水に浸漬する処理を行う工程、
(iv)前記の麺の水切り処理を行う工程、
(v)任意に、前記の麺に油を添加する処理を行う工程、
(vi)前記の麺を包装容器内に充填して密封し、包装済み茹で麺とする工程、
(vii)前記の包装済み茹で麺を、麺芯温が6℃〜10℃になるまで冷却する工程、
とを有し、(i)〜(v)の工程を、ボイル槽由来の温度60℃以上で湿度95%以上の略飽和状態の水蒸気存在下において行うことを特徴とする、包装済み茹で麺の製造方法。 - (vii)の冷却する工程が、包装済み茹で麺を室温の空気で冷却して麺芯温を40℃とした後、さらに冷蔵室で冷却し麺芯温を6℃〜10℃とする工程からなることを特徴とする、請求項1に記載の包装済み茹で麺の製造方法。
- (vii)の冷却する工程が、包装済み茹で麺に冷水を掛け急速冷却して麺芯温を20℃〜30℃とした後に、さらに冷蔵室で冷却し麺芯温を6℃〜10℃とする工程からなることを特徴とする、請求項1に記載の包装済み茹で麺の製造方法。
- 前記生めんが、うどん、そば、中華麺、または、焼きそば麺であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の包装済み茹で麺の製造方法。
- 生めんの製麺機構と、生めんの加熱処理機構と、加熱処理された麺を包装容器に袋詰めする包装機構とからなる、連続処理式の包装済み茹で麺製造機であって、
前記生めんの加熱処理機構は全体が外殻に覆われており、
その外殻の内部には、沸騰直前の水または沸騰水により生めんを茹でるためのボイル槽部、1℃〜10℃のチラー水を噴出するチラー水噴出口部、槽内に50℃〜80℃に保持したpH調製水を有するpH調整浸漬槽部と、任意に油添加部を少なくとも順に備え、さらに任意にチラー水噴出口部の下方にチラー水回収槽部と回収済みチラー水をボイル槽部の槽内へ環流させるオーバーフロー部を備えており、
さらに、麺を区分け搬送するためのピボッテドバケットコンベヤが前記各部を縦断するようにして配されており、
外殻のボイル槽側の上端部には、ボイル槽内へ生めん製麺機で製麺された生めんを投入する落し口が開口しており、
外殻の他端部下方には、ピボッテドバケットコンベヤ内を搬送された加熱処理後の麺を包装容器に投入させるための排出口が開口しており、
ボイル槽部の発生蒸気は外殻内に充満可能であることを特徴とする、
連続処理式の包装済み茹で麺製造機。 - 前記ピボッテドバケットコンベヤの搬送面上には、その搬送方向と交差する仕切り送り板が上方に向けて間隔を空けて複数立ち上げられていることを特徴とする、請求項5に記載の連続処理式の包装済み茹で麺製造機。
- さらに、包装済み茹で麺の冷却機構を有することを特徴とする、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の連続処理式の包装済み茹で麺製造機。
- 前記包装済み茹で麺の冷却機構が、包装済み茹で麺を空冷及び/又は水冷する機構を有することを特徴とする、請求項7に記載の連続処理式の包装済み茹で麺製造機。
- 前記生めんの加熱処理機構の外殻上部に開閉可能な排気ダクトを設けたことを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の連続処理式の包装済み茹で麺製造機。
- 前記生めんが、うどん、そば、中華麺、または、焼きそば麺であることを特徴とする、請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の連続処理式の包装済み茹で麺製造機。
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