JP6032466B2 - ダイシング装置 - Google Patents

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Description

本発明はダイシング装置に係り、特にブレード突き出し量の大きいハブレスブレードを使用するダイシング装置に関する。
半導体装置や電子部品が形成されたウェーハ等のワークに対して切断や溝入れ等の切削加工を施すダイシング装置は、スピンドルに装着されて高速で回転するブレード(回転歯)を備えており、ワークテーブル上のワークに回転するブレードの周端部を接触させることによってワークの切削加工を行っている。
また、スピンドルには、ブレードを覆うフランジカバーが取り付けられており、そのフランジカバーには、切削水をブレードに噴射する切削水ノズルや、冷却水をブレード及びワークとの加工点に噴射する1対の冷却水ノズルが取り付けられている。それら1対の冷却水ノズルはブレードの両面側にブレードを挟むようにして配置されており、ブレードの両面側から冷却水が供給されるようになっている。
このようなダイシング装置に使用されるブレードには、ハブが一体となって支持部を備えたハブ型のもの(ハブブレード)と(例えば特許文献1参照)、ハブのような支持部を備えないハブレス型のもの(ハブレスブレード)とが知られており(例えば特許文献2参照)、これらのブレードは、いずれもスピンドルの回転軸に固定される円環状の固定部材(フランジやナット)の間に狭持されてスピンドルの回転軸に固定されるようになっている。
特開2002−343746号公報 特開2010−588号公報
ところで、ハブレスブレードは、一般に、スピンドルの回転軸に固定部材により固定したときの固定部材から径方向への突き出し量が大きい。ブレードの突き出し量が大きい状態で切断を行うと、被切削物が強固であったり、タクト向上のために加工速度を上げようとすると、ブレードの剛性不足により、ブレードに振れや変形が生じてブレードがワーク上を蛇行し、結果としてカットラインが蛇行したり、最悪の場合にはブレード破損に至る等の現象が発生する。
このような現象を防止するために、現状ではブレードを両側から挟み、且つ、ブレードの回転軸への固定部材よりも外径の大きい円盤状のサポート部材を使用する場合がある。しかしながら、サポート部材を追加すると、アンバランスによる振動が増加し、加工品質に影響が生じる可能性が高くなる。また、ブレードの摩耗による小径化に備えて、複数サイズのサポート部材を準備する必要があり、コストの増加を招くという問題もある。更に、サポート部材の取付作業や調整に手間を要するという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ハブレスブレードのようにスピンドルへの固定部材からの径方向の突き出し量が多い場合であっても、手間を要することなく、ブレードの振れや変形を好適に抑止してワークに対するブレードの蛇行を防止することができるダイシング装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係るダイシング装置は、スピンドルによって回転するブレードによりワークを切削するダイシング装置において、前記ブレードと前記ワークとが接触する加工点近傍に配置され、ブレードの蛇行を防止する蛇行防止手段を備え、前記蛇行防止手段は、前記ブレードの周方向に沿って前記ブレードの両面側に隙間部を形成する隙間形成面と、流体が供給される管路と、前記管路に連通して前記隙間形成面に形成され、前記流体を前記隙間部に供給する供給口と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、蛇行防止手段の隙間形成面によりブレードの両面側に隙間部が形成され、その隙間部に流体ブレードサポートノズルの管路を介して供給口から吐出された流体が供給される。そして、ブレードの回転によってブレードの加工点近傍に対して流体潤滑による動圧が発生し、ブレードの振れや変形が抑止され、ワークに対するブレードの蛇行が防止される。
本発明では、前記隙間形成面は、回転する前記ブレードの上流側の方が下流側よりも前記隙間部の幅が広くなるように形成されている形態とすることができる。これによれば、回転するブレードの隙間部への入口側と出口側での流速に差が生じブレードに好適に動圧を与えることができる。
本発明では、前記供給口は、前記ブレードの周方向に沿った円弧状のスリットである形態とすることができる。これによれば、ブレードの周方向に沿った隙間部に流体が好適に供給される。
本発明では、前記蛇行防止手段は、1つの基端部から二股状に延設される1対のノズル部を有し、該1対のノズル部の中央に前記ブレードを挟むようにして配置される形態とすることができる。本形態はブレードの両面側に隙間部を形成するための蛇行防止手段の一形態を示す。
本発明では、前記流体は前記ブレードを冷却するための冷却水である形態とすることができる。本形態は冷却水供給用のノズルとして蛇行防止手段を兼用する態様を示す。これによれば、ダイシング装置が備える構成要素の増加を招くことなくブレードの蛇行を防止するための蛇行防止手段を設置することができ、装置の大型化やコストの増加を防止することができる。
本発明によれば、ハブレスブレードのようにスピンドルへの固定部材からの径方向の突き出し量が多い場合であっても、手間を要することなく、ブレードの振れや変形を好適に抑止してワークに対するブレードの蛇行を防止することができる。
本発明が適用されるダイシング装置の外観斜視図 本発明が適用されるダイシング装置の加工部の構造を説明する斜視図 加工部の正面側からみて右側のブレード周辺部を正面側の斜め左方向から示した斜視図 ブレードの回転軸を含む鉛直面でブレード周辺部を切断してブレード周辺部の構造を示した断面図 図4における冷却水供給部を拡大して示した断面図 冷却水供給部の斜視図 ブレード及び冷却水供給部の3面図(正面図、平面図、右側面図) 冷却水供給部を中央で切断して一方のノズル部のみを示した斜視図 ブレードとノズル部の吐出面とをブレードの周縁部に沿って円弧状に湾曲する面で切断した切断面
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1はダイシング装置の外観を示す斜視図である。
ダイシング装置1は、先端にブレード(回転刃)10、12が取り付けられた高周波モータ内蔵型のスピンドル14、16と、ワークWを吸着保持するワークテーブル18とを有する加工部2と、加工済みのワークWをスピン洗浄する洗浄部4と、多数枚のワークWを収納したカセットを載置するロードポート6と、ワークWを搬送する搬送手段8等とから構成されている。
加工部2は、図2に示すように構成されており、Xベース36に設けられたXガイド34、34でガイドされ、リニアモータ35によって図のX−Xで示すX方向に駆動されるXテーブル33があり、Xテーブル33にはθ方向に回転する回転テーブル32を介してワークテーブル18が設けられている。
一方、Yベース44の側面には、Yガイド42、42でガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューによって図のY−Yで示すY方向に駆動されるYテーブル41、41があり、Yテーブル41、41には夫々図示しない駆動手段によってZ方向に駆動されるZテーブル43、43が設けられている。Zテーブル43、43の各々には高周波モータ内蔵型のスピンドル14、16が対向した状態で固定され、スピンドル14、16の各々の先端(回転軸)にブレード10、12が取り付けられ、それらのブレード10、12が対向配置されている。
加工部2の構造は以上のようになっているので、ブレード10、12はY方向にインデックス送りされると共にZ方向に切込み送りされ、ワークテーブル18はX方向に切削送りされる。
次に、図2に示した加工部2におけるブレード10の周辺部の構造について説明する。なお、ブレード10の周辺部とブレード12の周辺部とは同一又は類似の構成を有するためブレード12の周辺部の構造については説明を省略する。
図3は、加工部2を正面側からみて右側に配置されるブレード10の周辺部(ブレード周辺部50)を正面側の斜め左方向から示した斜視図であり、図4は、ブレード10の回転軸を含む鉛直面でブレード周辺部50を切断してブレード周辺部50の構造を示した断面図である。なお、以下のブレード周辺部50の説明において、ブレード10の回転軸の方向(後述のスピンドル14の回転軸14Bの軸方向)、即ち、Y方向を前後方向とし、ブレード周辺部50の各構成部の位置においてスピンドル14が配置される側を後側、その反対側(スピンドル16が配置される側)を前側とする。
これらの図に示すように、ブレード周辺部50は、ブレード10を回転させるためのスピンドル14と、スピンドル14にブレード10を取り付けるためのブレード装着部60と、ブレード10を覆うフランジカバー64等から構成されている。
スピンドル14は、不図示のモータ(高周波モータ)を内蔵したスピンドル本体14Aと、回動可能に軸支されてスピンドル本体14Aの先端から突出配備された回転軸14Bとを備えており、その回転軸14Bがスピンドル本体14A内のモータによって回転するようになっている。回転軸14Bの外周面は先細のテーパ状に形成されている。
ブレード装着部60は、環状のハブレス型のブレード10をスピンドル14の回転軸14Bに固定するための構成部であり、図4に示すようにブレード装着部60は、スピンドル14の回転軸14Bに取り付けられる後フランジ70と、後フランジ70を回転軸14Bに固定する後フランジ固定用ネジ72と、ブレード10を後フランジ70との間で狭持する前フランジ74と、前フランジ74を固定する前フランジ固定用ナット76から構成されている。
後フランジ70は、中央の円筒部70Aにテーパ状の内周面を有する嵌合孔70Cを有しており、その嵌合孔70Cをスピンドル14の回転軸14Bに嵌合させ、後フランジ固定用ネジ72を回転軸14Bの先端のネジ孔14Cに螺合することによって、後フランジ70がスピンドル14の回転軸14Bに取り付けられている。
後フランジ70の円筒部70Aの外周側には、環状に形成されたブレード10が嵌挿されており、後フランジ70の円環状の背面部70Bにブレード10が対向配置されている。
ブレード10の前側には、環状に形成された前フランジ74が後フランジ70の円筒部70Aの外周部に嵌挿されて配置されており、ブレード10に対向配置されている。
前フランジ74の前側には、後フランジ70の円筒部70Aに螺合された環状の前フランジ固定用ナット76が当接配置されている。
従って、前フランジ固定用ナット76を締め込むことによって、前フランジ74が後フランジ70に固定されると共に、ブレード10が前フランジ74と後フランジ70の背面部70Bとの間に狭持されて固持されるようになっている。これにより、スピンドル14の回転軸14Bが回転すると、ブレード10が回転軸14Bと共にその中心軸周りに回転する。
フランジカバー64は、スピンドル14のスピンドル本体14Aに固定されており、ブレード10がワークWと接触する加工点(ブレード10の下側)及びブレード装着部60の前面側を除いたブレード10の外周部を覆うようにして配置されている。本実施の形態のフランジカバー64は、図3の如くスピンドル本体14Aに固定された後部カバー64Aと、後部カバー64Aの前側に取り付けられる前部カバー64Bとから構成されている。ただし、それらは一体形成されているものであっても良いし、複数の部材のどのような組み合わせで構成されているものであっても良く、以下、後部カバー64A及び前部カバー64Bのいずれもフランジカバー64の一部分として図4の断面図の如くそれらを区別せずに説明する。
このフランジカバー64には、図3に示すように切削水供給部80と冷却水供給部(蛇行防止手段)82とが取り付けられている。切削水供給部80は、不図示の冷却水・切削水供給装置と供給チューブ80Aにより接続されると共に、供給チューブ80Aの管路と連通した不図示の切削水ノズルを有しており、切削水供給装置から供給チューブ80Aを介して供給された切削水が切削水ノズルからブレード10に向けて噴出されるようになっている。なお、ブレード10の回転方向は図3の矢印A方向であり、加工点に対してブレード10の回転方向上流側となる位置から切削水が吹き付けられるようになっている。
冷却水供給部82は、ブレード10やワークWを冷却するための冷却水を供給する冷却水ノズルとしての作用の他に、ブレード10の振れや変形を抑止してワークWに対するブレード10の蛇行を防止する蛇行防止手段(流体ブレードサポートノズル)としての作用も有しており、図3に示すようにブレード10の下側の加工点の近傍に配置されている。この冷却水供給部82は、ブレード10の回転方向上流側に配置された基端部84と、基端部84から二股状に別れてブレード10を挟むようにしてブレード10の前面側と後面側の両側に延設された1対のノズル部86A、86Bを備えている。
基端部84には、流体供給配管88A、88Bが接続され、各ノズル部86A、86Bの先端には、流体供給配管90A、90Bが接続されており、各流体供給配管88A、88B、90A、90Bの他端は、不図示の冷却水・洗浄水供給装置に接続されている。
図4の冷却水供給部82の部分を拡大した図5に示すように、各ノズル部86A、86Bの内部には基端側から先端側まで連通する管路92A、92Bが形成されており、各管路92A、92Bの基端側には、流体供給配管88A、88B(図3参照)の各々の管路が基端部84内の管路(不図示)を通じて連通され、各管路92A、92Bの先端側には、流体供給配管90A、90B(図3参照)の各々の管路が連通されている。
従って、冷却水・洗浄水供給装置から各流体供給配管88A、88B、90A、90Bを介して供給された冷却水が、各ノズル部86A、86B内の管路92A、92Bに両端側から供給されるようになっている。
また、図5に示すように各ノズル部86A、86Bの各々には、内部の管路92A、92Bから外部空間まで連通するスリット94A、94Bがブレード10に向けて形成されており、各管路92A、92Bに供給された冷却水が、各スリット94A、94Bからブレード10に向けて吐出され、ブレード10の前面10Aとノズル部86Aの吐出面96Aとの間の隙間部98Aと、ブレード10の後面10Bとノズル部86Bの吐出面96Bとの間の隙間部98Bに冷却水が供給されるようになっている。
なお、冷却水供給部82は、図3のようにフランジカバー64に固着された昇降装置100にアーム102を介して支持されて昇降装置100によって手動又は電動で上下方向に昇降移動するようになっており、冷却水供給部82の上下方向の位置を調整することができるようになっている。
以下、冷却水供給部82の構成、作用について詳説する。
図6は、ブレード周辺部50の冷却水供給部82を抽出して示した斜視図であり、図7は、ブレード10及び冷却水供給部82の3面図(正面図、平面図、右側面図)である。
これらの図、及び図5に示すように冷却水供給部82の基端部84から1対のノズル部86A、86Bが延設され、それらのノズル部86A、86Bの各々は、ブレード10との間に隙間を形成し、かつ、冷却水を供給する隙間形成面として吐出面96A、96B(主に図5参照)を有し、それらの吐出面96A、96Bが、ブレード10の周縁部の周方向に沿ってブレード10の前面10A及び後面10Bの各々に対向して近接して配置されている。これによって、ブレード10の前面10Aと吐出面96Aとの間、及び、ブレード10の後面10Bと吐出面96Bとの間の各々に微小な空間幅の隙間部98A、98Bが形成されるようになっている。
吐出面96A、96Bの各々には、冷却水をブレード10に向けて吐出する流体吐出部(流体の供給口)として、上記のスリット94A、94B(図5参照)が形成されており、図7の正面図における黒塗り部分で示すようにブレード10の周縁部において周方向に沿うようにして円弧状に形成されている。
図8には、冷却水供給部82の中央部をブレード10の回転軸に直交する平面で切断して一方のノズル部86Aのみの吐出面96Aが示されており、同図のように吐出面96Aにおいて、スリット94Aが円弧状に形成されている。
そして、各ノズル部86A、86Bのスリット94A、94Bから吐出された冷却水により、隙間部98A、98Bの各々に冷却水が供給され、流体膜が形成されるようになっている。なお、図7の符号81はブレード10の回転方向上流側に切削水を吐出する切削水ノズルである。
これによれば、切削の際のブレード10の回転時(高速回転時)には、各ノズル部86A、86Bのスリット94A、94Bから隙間部98A、98Bに供給された冷却水、及び、切削水ノズル81から供給されて隙間部98A、98Bに流れ込んだ切削水により、ブレード10の前面10Aとノズル部86Aの吐出面96Aとの間、及び、ブレード10の後面10Bとノズル部86Bの吐出面96Bとの間が流体潤滑の状態となり、ブレード10に対して前面10A及び後面10Bの両面側から動圧が加えられるようになる。これにより、加工点の冷却が行われると共に、ブレード10の振れ(ウェービング)や変形が抑制され、ワークWに対するブレード10の蛇行が防止されるようになっている。
ここで、ブレード10とノズル部86A、86Bの吐出面96A、96Bとの間の流体潤滑による動圧の発生原理と吐出面96A、96B(隙間部98A、98B)の好適な形態について説明する。
図9は、ブレード10とノズル部86A、86Bの吐出面96A、96Bとをブレード10の周縁部に沿って円弧状に湾曲する面で切断した切断面を拡大して示した断面図である。同図に示すように1対のノズル部86A、86Bの吐出面96A、96Bで挟まれる空間の中央にブレード10が配置されており、ブレード10の前面10Aとノズル部86Aの吐出面96Aとの間の距離(隙間部98Aの幅)とブレード10の後面10Bとノズル部86Bの吐出面96Bとの間の距離(隙間部98Bの幅)は、ブレード10の回転方向上流側(図中右側)の端部から回転方向下流側(図中左側)に向かって徐々に短くなり、ある位置よりも下流側の範囲では一定距離となるように各々の吐出面96A、96Bが形成されている。
一般的に動圧軸受効果を発生させる条件は以下のようになっており、本実施の形態においてもブレード10の回転時には以下の条件を満たしている。
1.2物体の表面が非常に接近しており、その隙間がわずかであること
2.その隙間は流体膜(油など)で満たされており、2物体は完全に離れていること
3.2物体は互いに相対運動していること
具体的には、ブレード10の前面10Aと吐出面96Aとの間の距離、及び、ブレード10の後面10Bと吐出面96Bとの間の距離が一定となる範囲での隙間部98A、98Bの幅は、好適な動圧を発生させるために0.5mm以下とすることが望ましい。ただし、それらの各面は接触しない位置に配置する。これによって、上記条件1、2が満たされている。
また、ブレード10が回動することによって上記条件3が満たされている。
ブレード10が回動している際にブレード10に働く動圧の大きさに関しては、ブレード10の回転速度に依存する。ここで、図9のようにx軸をブレードの動く方向、y軸を隙間部98A、98Bの幅方向として、例えば、隙間部98B内の所定位置における微小要素(dx)×(dy)×1に働く力のつりあいを前提とした関係式から、流速と圧力の関係式が求められる。
まず、微小要素において、剪断応力τのy軸方向の変化量をdτ、流体圧力pのx軸方向の変化量をdpとすると、x軸方向の力のつりあいから次式(1)が成り立つ。
dp/dx=dτ/dy ・・・(1)
x軸方向の流速をvとすると、流体吐出部から吐出される冷却水がニュートン流体であるため、次式(2)、(3)が成り立つ。
τ=η×dv/dy ・・・(2)
dp/dx=η×dx/dy ・・・(3)
そして、流体圧力pは隙間部98Aの幅方向(y軸方向)に一定であることを条件とし、また、x軸方向にブレード10が動く速度をV、隙間部98Aの幅をhとして、境界条件をy=0でv=V、y=h(xの関数)でv=0として与えると、流速と圧力分布の関係が次式(4)のように求まる。
v=V((h−y)/h)−(1/2η)×(dp/dx)×y(h―y)) ・・・(4)
この式(4)によれば、動圧を効果的に発生させるためには、ブレード10の前面10Aと吐出面96Aとの間の隙間部98A、及び、ブレード10の後面10Bと吐出面96Bとの間の隙間部98Bにおけるくさび効果によって、流体の入口/出口での流速の差を持たせてブレード10に好適に動圧を与えることができる。
そこで、本実施の形態では図9に示すように冷却水供給部82(ノズル部86A、ノズル部86B)におけるブレード10の入口側(回転方向上流側)となる図中右側の隙間部98A及び隙間部98Bの幅が出口側(回転方向下流側)となる図中左側の一定幅の領域よりも拡くなるように吐出面96A、96Bが出口側から入口側に向けて互いに離間する方向に湾曲した形状に形成されている。
以上、上記実施の形態では、各冷却水供給部82の各ノズル部86A、86Bの吐出面96A、96Bに冷却水の供給口として図7、図8に示したようなスリット94A、94Bを形成したが、供給口はこれに限らず、断続的に配列された複数の開口から形成されたものであっても良いし、その配列も一列ではなく、複数列、又は、ランダムに配列されたものであっても良い。
また、上記実施の形態は、ブレード10としてハブレスブレードを使用するダイシング装置の一実施の形態を示したものであり、ブレードをスピンドルに装着するためのブレード挿着部(60)の構造は、上記実施の形態以外の構造であっても本発明を適用できる。また、ハブレスブレードを使用するダイシング装置に限らず、ハブブレードを使用するダイシング装置であっても、ブレードの径方向の突き出し量が多い場合には、ブレードの振れや変形を抑止するために本発明を有効に適用することができる。
また、上記実施の形態では、冷却水供給部82をブレードの加工点に冷却水を供給する冷却水ノズルと、ブレードの蛇行を防止するための蛇行防止手段(流体ブレードサポートノズル)とに兼用したが、上記の冷却水供給部82と同様の構成の蛇行防止手段(流体ブレードサポートノズル)と、任意の構成の冷却水ノズル(例えば、従来の冷却水ノズル)を個別に設けてもよく、蛇行防止手段において使用する流体(液体)として、冷却以外の用途に使用される流体を用いても良い。
1…ダイシング装置、2…加工部、4…洗浄部、6…ロードポート、8…搬送手段、10、12…ブレード、14、16…スピンドル、14A、16A…スピンドル本体、14B、16B…回転軸、18…ワークテーブル、50…ブレード周辺部、60…ブレード装着部、64…フランジカバー、70…後フランジ、72…後フランジ固定用ネジ、74…前フランジ、76…前フランジ固定用ナット、80…切削水供給部、81…切削水ノズル、82…冷却水供給部、84…基端部、86A、86B…ノズル部、88A、88B、90A、90B…流体供給配管、92A、92B…管路、94A、94B…スリット、96A、96B…吐出面、98A、98B…隙間部、100…昇降装置、102…アーム

Claims (5)

  1. スピンドルによって回転するブレードによりワークを切削するダイシング装置において、
    前記ブレードと前記ワークとが接触する加工点近傍に配置され、ブレードの蛇行を防止する蛇行防止手段を備え、
    前記蛇行防止手段は、
    前記ブレードの周方向に沿って前記ブレードの両面側に隙間部を形成する隙間形成面と、
    流体が供給される管路と、
    前記管路に連通して前記隙間形成面に形成され、前記流体を前記隙間部に供給する供給口と、
    を備えたことを特徴とするダイシング装置。
  2. 前記隙間形成面は、回転する前記ブレードの上流側の方が下流側よりも前記隙間部の幅が広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダイシング装置。
  3. 前記供給口は、前記ブレードの周方向に沿った円弧状のスリットであることを特徴とする請求項1、又は、2に記載のダイシング装置。
  4. 前記蛇行防止手段は、1つの基端部から二股状に延設される1対のノズル部を有し、該1対のノズル部の中央に前記ブレードを挟むようにして配置されることを特徴とする請求項1、2、又は、3に記載のダイシング装置。
  5. 前記流体は前記ブレードを冷却するための冷却水であることを特徴とする請求項1、2、3、又は、4に記載のダイシング装置。
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