JP6030091B2 - 流体搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば加湿機等として用いられる流体搬送装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1に記載されているように、ユーザがいる位置まで高湿空気を搬送する機能を備えた加湿機が知られている。従来技術の加湿機は、デスクでのパーソナル使用、美容、睡眠等のシーンで使用されている。
特開平7−4725号公報
上述した特許文献1に記載の加湿機においては、高湿空気を風と混合してユーザがいる位置に向けて吹出すようにしている。しかしながら、この構成では、風が吹き出されてからユーザの位置に到達するまでの間に高湿空気が拡散してしまう。このため、従来技術では、高湿空気を搬送するときの指向性が弱く、また、搬送距離が短いという問題がある。
これに対し、加熱した蒸気をノズルにより絞って噴射することにより、噴射される蒸気に推力を付加し、蒸気の指向性を高める方法が考えられる。しかし、この方法では、高温の噴射蒸気がユーザに直接当たって不快感を与えることがある。また、蒸気は周囲よりも温度が高いので、吹き出した後に上昇してユーザから反れてしまうことがあり、ユーザの周囲を安定的に加湿するのが難しいという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、高湿空気を目標位置に直接吹き付けることなく、当該目標位置に対して高湿空気を効率よく搬送することが可能な流体搬送装置を提供することにある。
本発明に係る流体搬送装置は、流体を貯蔵する流体貯蔵部と、流体貯蔵部に貯蔵された
流体から高湿空気を生成する高湿空気生成部と、搬送風及び案内風となる空気をそれぞれ
送り出す送風部と、搬送風と高湿空気とが流入するダクトであって、搬送風と高湿空気と
が混合した高湿風を流体搬送装置の外部に吹き出す高湿風ダクトと、高湿風ダクトの下面部に開口し、高湿空気を高湿風ダクトに流入させる高湿空気流入口と、少なくとも一部が高湿風ダクトの上側に配置され、案内風が流入するダクトであって、高湿風ダクトの上側から高湿風の流れに向けて斜め下向きに案内風を吹き出す案内風ダクトと、を備え、高湿風ダクトは、前記高湿空気流入口の下流側に前記搬送風と前記高湿空気を混合する空間を有している。
本発明によれば、案内風を利用して高湿風の上昇を抑制し、高湿風に所望の指向性を与えることができる。従って、流体搬送装置からみて水平方向及び斜め下方に位置する加湿目標に向けて高湿風を効率よく搬送することができ、ユーザの近傍等で加湿性能を安定的に発揮することができる。また、高湿風を目標位置よりも下方に向けて搬送することで、高湿風を目標位置に搬送することができる。これにより、高湿空気を目標位置に直接吹き付けなくても、目標位置の周囲を加湿することができる。
本発明の実施の形態1による流体搬送装置としての加湿機を示す斜視図である。 図1に示す加湿機の縦断面図である。 加湿機を図2中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。 加湿機を図2中の矢示B−B方向からみた横断面図である。 加湿機を図2中の矢示C−C方向からみた横断面図である。 本発明の実施の形態1において、加湿機の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による加湿機の効果を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において、高湿風ダクトの側面部に整流板を設けた変形例を示す要部拡大斜視図である。 本発明の実施の形態2による加湿機を図3と同様位置からみた縦断面図である。 本発明の実施の形態3による加湿機を示す斜視図である。 図10に示す加湿機の縦断面図である。 加湿機を図11中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。 本発明の実施の形態4による加湿機を示す斜視図である。 図13に示す加湿機の縦断面図である。 加湿機を図14中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態では、流体搬送装置として加湿機を例示する。また、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、本発明は、以下に示す各実施の形態に記載された構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含むものとする。
実施の形態1.
まず、図1から図8を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1による加湿機を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す加湿機の縦断面図であり、図3は、加湿機を図2中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。更に、図4は、加湿機を図2中の矢示B−B方向からみた横断面図を示し、図5は、加湿機を図2中の矢示C−C方向からみた横断面図を示している。
本実施の形態の加湿機は、図1及び図2に示すように、ケーシング1、給水タンク3、加熱用貯水部6、ヒータ7、送風ファン10、高湿風ダクト20、案内風ダクト30、制御部40等を備えている。なお、本明細書では、特に断りがない限り、図2中の右側を加湿機の前側と表記し、図2中の左側を加湿機の後側と表記する。また、以下の説明では、ヒータ7により生成される蒸気を含んだ空気を高湿空気Pと表記し、送風ファン10から高湿風ダクト20に送風される空気を搬送風Qと表記し、高湿空気Pと搬送風Qとが混合した気流を高湿風Rと表記し、送風ファン10から案内風ダクト30に送風される空気を案内風Sと表記する。
ケーシング1は、加湿機の外郭を構成するもので、例えば四角形状の筐体として形成されている。ケーシング1の上面部には、蓋2が着脱可能に取付けられている。ケーシング1の後面部には、外部からケーシング1内に空気を取込む吸気口が形成されている。給水タンク3は、図2に示すように、流体としての水を貯蔵するための流体貯蔵部を構成するもので、例えばケーシング1内で最後部の上部側に収容されている。また、給水タンク3は、当該給水タンク3をケーシング1から取出して水の補充が可能となるように、給水部4の上部側に着脱可能に連結されている。
給水タンク3の下面部には、給水部4に連結されたときに開弁し、給水部4から取外されたときに閉弁する常閉の給水弁が設けられている。給水部4の下部側は、上向きの略U字状に屈曲した給水通路5を介して加熱用貯水部6の下面部と接続されている。給水タンク3内の水は、図2中に実線で示すように、給水部4及び給水通路5を介して加熱用貯水部6に供給される。このとき、給水部4(または、給水弁)は、加熱用貯水部6に供給される水の量を調整することができる。また、給水部4には、給水タンク3内の水位を検出するための水位検出部が設けられている。
加熱用貯水部6及びヒータ7は、給水タンク3に貯蔵された水から高湿空気Pを生成するもので、例えばケーシング1内で前部側に配置され、本実施の形態の高湿空気生成部を構成している。加熱用貯水部6は、給水タンク3から供給された加熱用の水を貯めておく部位であり、例えば垂直方向に延びた円筒状に形成されている。加熱用貯水部6の下面部には、給水通路5が接続されている。加熱用貯水部6の上面部には、垂直方向に延びた高湿空気通路8が接続されている。ヒータ7は、加熱用貯水部6内の水を加熱して蒸気(高湿空気P)を生成するもので、本実施の形態の加熱部を構成している。ヒータ7は、例えば略環状に形成され、加熱用貯水部6の外周側を取囲んでいる。
送風ファン10は、ケーシング1の前記吸気口から空気を吸込んで当該空気を送風口から吹き出すもので、例えば電動式のファンにより構成されている。送風ファン10は、ケーシング1内において、例えば送風口を上側に向けた状態で、給水タンク3と加熱用貯水部6との間に配置され、給水通路5により下側から取囲まれている。送風ファン10の送風口には、垂直方向に延びた接続ダクト11が接続されている。接続ダクト11は、垂直方向に対して互いに並列に延びた搬送風流入通路12と案内風流入通路13とを一体化したものである。
搬送風流入通路12は、送風ファン10の送風口と、後述する高湿風ダクト20の搬送風流入口22とを接続している。また、案内風流入通路13は、送風ファン10の送風口と、後述する案内風ダクト30の最上流部とを接続している。送風ファン10から送り出された空気の一部は、図2に示すように、搬送風流入通路12に流入して搬送風Qとなり、残りの空気は、案内風流入通路13に流入して案内風Sとなる。このように、送風ファン10は、搬送風Q及び案内風Sとなる空気をそれぞれ送り出す送風部を構成している。なお、本実施の形態では、単一の送風ファン10により搬送風Q及び案内風Sの両方を生成する場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、搬送風Qを生成する送風部と、案内風Sを生成する送風部とからなる2つの送風部を備えてもよい。
(高湿風ダクト)
次に、図1から図5を参照して、本発明の特徴事項の一つである高湿風ダクト20と案内風ダクト30について説明する。まず、高湿風ダクト20は、図2に示すように、高湿空気通路8から流入する高湿空気Pと、搬送風流入通路12から流入する搬送風Qとを混合して高湿風Rを生成し、この高湿風Rをケーシング1の前方に吹き出すものである。高湿風ダクト20は、図2、図3及び図5に示すように、上面部20A、下面部20B、左右の側面部20C,20C及び奥壁部20Dを有し、全体として細長い略四角形状に形成されている。高湿風ダクト20の長さ方向は、高湿風Rの流通方向及び吹き出し方向と一致している。
高湿風ダクト20の上部側は、上面部20A、下面部20B及び左右の側面部20C,20Cにより四角形状に形成されている。左右の側面部20C,20Cは、図5に示すように、高湿風Rの流れを挟んで互いに平行な状態で対向している。また、高湿風ダクト20の下面部20Bは、図2及び図3に示すように、例えば高湿風ダクト20の四方の壁面から中央に向けて斜め下向きに傾斜した4つの傾斜面により構成されている。そして、下面部20Bのうちで最も低い部分には、高湿空気Pを高湿風ダクト20に流入させる高湿空気流入口21が開口している。
高湿空気流入口21は、図5に示すように、例えば高湿風ダクト20の幅方向に細長く延びた四角形状に形成され、高湿空気流入口21の幅寸法は、高湿風ダクト20の幅寸法よりも小さく設定されている。なお、本明細書では、水平方向のうち高湿風R及び案内風Sの流通方向と直行する方向を「幅方向」と表記し、幅方向の寸法を「幅寸法」と表記する。高湿空気流入口21は、加熱用貯水部6の上方に配置されている。これにより、高湿空気通路8は、高湿空気Pが円滑に上昇できるように垂直方向に伸長した状態で、加熱用貯水部6の上面部と高湿空気流入口21とを接続している。また、高湿空気流入口21は、例えば前後方向に延びた高湿風ダクト20の全長の半分よりも上流寄りの位置に開口している。このため、高湿空気流入口21の下流側には、高湿空気Pと搬送風Qとを混合して均等な高湿風Rを生成するための十分なスペースが確保されている。
高湿風ダクト20の最上流部には、図2及び図5に示すように、下面部20Bまたは奥壁部20Dに開口した搬送風流入口22が形成されている。搬送風流入口22は、搬送風流入通路12と接続され、搬送風流入通路12から高湿風ダクト20に搬送風Qを流入させるものである。搬送風流入口22は、高湿空気流入口21よりも上流側に配置されている。また、搬送風流入口22の幅寸法は、高湿空気流入口21の幅寸法よりも大きく設定されている。さらに、搬送風流入口22の幅寸法は、搬送風流入口22の開口位置における高湿風ダクト20の幅寸法、即ち、奥壁部20Dの幅寸法の半分以上の大きさに設定されている。なお、図5では、搬送風流入口22と奥壁部20Dの幅寸法を等しく設定した場合を例示している。
また、搬送風流入口22は、高湿風ダクト20の下面部20Bのうち最も低い部位に形成された高湿空気流入口21よりも高い位置に開口している。そして、下面部20Bのうち、搬送風流入口22と高湿空気流入口21との間に位置する部位は、図2に示すように、搬送風流入口22から高湿空気流入口21に向けて斜め下向きに傾斜した傾斜面部20Eにより構成されている。一方、左右の側面部20Cの少なくとも一部は、図5に示すように、高湿空気流入口21の上側で互いに平行に配置された平行側面部20Gにより構成されている。なお、上記構成においては、必ずしも下面部20Bの全体を傾斜させる必要はない。また、各側面部20Cは、高湿空気流入口21の上側に位置する部位のみを平行に形成し、他の部位は平行に形成しなくてもよい。
高湿風ダクト20の最下流部には、図1、図2、図5に示すように、ケーシング1の前面部に開口した四角形状の高湿風吹出口23が設けられている。高湿風吹出口23は、高湿風Rをケーシング1の外部に吹き出すもので、格子状のメッシュカバー24により覆われている。また、高湿風ダクト20の下面部20Bのうち、高湿風吹出口23と高湿空気流入口21との間に位置する部位は、高湿風吹出口23から高湿空気流入口21に向けて斜め下向きに傾斜した傾斜面部20Fにより構成されている。
高湿風吹出口23の近傍には、高湿風吹出口23に人が接近したことを検出するための近接センサが設けられている。近接センサは、メッシュカバー24に設定された感応センサ、後述する風向ガイド32の下面に設置された赤外線センサ等により構成されている。また、高湿風ダクト20の内部には、高湿風Rの温度を検出する温度検出部が設けられている。なお、メッシュカバー24は、格子状のメッシュ材料により構成したが、本発明では、他の構成としてもよい。
このように構成された高湿風ダクト20は、ほぼ水平に配置された状態で加湿機の前後方向に伸長し、高湿風吹出口23は、高湿風ダクト20の伸長方向と垂直な平面(即ち、ケーシング1の前面部)上に開口している。この結果、高湿風Rは、高湿風吹出口23から加湿機の前方に向けて水平に吹き出すように構成されている。そして、吹き出した高湿風Rは、図5中に一点鎖線で示すように、水平方向において高湿風ダクト20の幅寸法とほぼ等しい吹き出し範囲を保持する。
(案内風ダクト)
次に、案内風ダクト30について説明する。案内風ダクト30は、案内風流入通路13から流入する案内風Sをケーシング1の前方に吹き出すものである。案内風ダクト30は、図2から図4に示すように、上面部30A、下面部30B及び左右の側面部30C,30Cを有し、全体として細長い略四角形状に形成されている。案内風ダクト30は、ケーシング1内において、高湿風ダクト20の上側に重なり合う位置でほぼ水平に配置され、加湿機の前後方向に伸長している。案内風ダクト30の長さ方向は、図2及び図3に示すように、高湿風Rの流通方向と一致している。なお、本実施の形態では、高湿風ダクト20の上面部20Aと、案内風ダクト30の下面部30Bとを共通化したが、本発明では、上面部20Aと下面部30Bとを別個の板材により構成してもよい。
案内風ダクト30の最上流部には、案内風流入通路13が開口している。案内風ダクト30の最下流部には、図2及び図4に示すように、案内風Sをケーシング1の外部に吹き出す案内風吹出口31が設けられている。案内風吹出口31は、高湿風吹出口23の下側でケーシング1の前面部に開口している。また、案内風ダクト30は、図1及び図2に示すように、案内風Sの吹き出し方向を斜め下向きに設定する風向ガイド32を備えている。風向ガイド32は、例えば案内風吹出口31と同様の幅寸法を有する板材等により形成され、案内風吹出口31の上側の開口端部から前方に向けて斜め下向きに突出している。
なお、風向ガイド32は、案内風吹出口31からみて、ユーザ等が存在する位置よりも下向きに傾斜させるのが好ましい。これにより、後述のように、ユーザ等に対して風を直接吹き付けることなく、高湿風Rを搬送することができる。また、風向ガイド32を取付ける部位は、図2に示すように、案内風ダクト30の上面部30Aでもよいし、ケーシング1の前面部でもよい。また、本発明は、必ずしも風向ガイド32を必要とするものではない。即ち、本発明では、例えば案内風ダクト30の全長のうち少なくとも下流部を斜め下向きに傾斜させるか、または、上面部30Aのみを斜め下向きに傾斜させることにより、案内風Sを斜め下向きに吹き出す構成としてもよい。
また、案内風ダクト30の側面部30C,30Cのうち上流部に位置する部分は、図4に示すように、案内風Sの流れを挟んで互いに平行な状態で対向した狭幅側面部30D,30Dにより構成されている。各狭幅側面部30Dの対向間隔は、高湿風ダクト20の幅寸法よりも小さく設定されている。また、側面部30C,30Cのうち各狭幅側面部30Dの下流側に位置する部分は、下流側に向けて略V字状に拡開した拡開部30E,30Eにより構成されている。各拡開部30Eの対向間隔は、上流側から下流側に向けて徐々に大きくなるように設定され、案内風吹出口31の開口位置で最大となっている。即ち、案内風ダクト30は、上流側よりも下流側が広く形成されている。
以上のことから、案内風ダクト30は、風向ガイド32により案内風Sの風向を変更し、高湿風ダクト20の上側から高湿風Rの流れに向けて案内風Sを斜め下向きに吹き出すように構成されている。また、案内風Sは、図4及び図5に二点鎖線で示すように、各拡開部30Eの作用により、水平方向において略扇形状に広がるように吹き出される。そして、案内風Sの吹き出し範囲は、高湿風Rの吹き出し範囲に対して上側から重なり合うと共に、高湿風Rの吹き出し範囲よりも広くなるように設定されている。なお、本発明では、必ずしも案内風ダクト30の全体を高湿風ダクト20の上側に配置する必要はなく、案内風ダクト30のうち少なくとも案内風吹出口31の近傍部位を高湿風ダクト20の上側に配置すればよいものである。
次に、加湿機の制御系統について説明する。本実施の形態のシステムは、加湿機を制御する制御部40と、ユーザが加湿機を操作するための操作部41とを備えている。制御部40は、例えばケーシング1の前面側の内部に配置されており、ROM、RAM、不揮発性メモリ等を有する記憶回路と、記憶回路に記憶された各種の制御プログラムを実行する演算処理部(CPU)と、演算処理部に対して信号を入出力する入出力回路と、時間を計測するタイマー回路とを備えている。
制御部40の入力側には、加湿機の制御に必要な情報を取得するセンサ系統(図示せず)が接続されている。センサ系統には、給水タンク3内の水位を検出する水位検出部、高湿風Rの温度を検出する温度検出部、加湿機周辺の湿度を検出する湿度検出部、加湿機の周囲に存在する人を検出する人体検出部、高湿風吹出口23に人が接近したことを検出する近接センサ等が含まれている。また、制御部40の出力側には、ヒータ7及び送風ファン10が接続されている。操作部41は、加湿機の電源スイッチと、各種の操作及び設定を行うスイッチ類とを備えており、制御部40と通信可能に接続されている。
(加湿機の作動)
本実施の形態による加湿機は上述の如き構成を有するもので、次に、図2及び図6を参照して、加湿機の作動について説明する。図6は、本発明の実施の形態1において、加湿機の動作を示すフローチャートである。この図に示すルーチンでは、まず、ステップS1において、操作部41の電源スイッチがONされると、加湿機の電源がONとなり、加湿運転が開始される。
次に、ステップS2では、制御部40によりヒータ7が起動(ON)される。この結果、加熱用貯水部6内の水は、ヒータ7により加熱され、蒸気を含む高湿空気Pを発生させる。発生した高湿空気Pは、温度が高くて軽いので、図2に示すように、高湿空気通路8内を垂直に上昇し、高湿空気流入口21から高湿風ダクト20に流入する。このように、高湿空気流入口21を加熱用貯水部6の真上に配置し、高湿空気通路8を垂直に立てることにより、加熱用貯水部6で発生した高湿空気Pを高湿風ダクト20内に円滑に導入することができる。
次に、ヒータ7が起動されてから十分な時間が経過し、高湿空気Pが安定的に生成される状態になると、ステップS3では、制御部40により送風ファン10が起動(ON)される。これにより、送風ファン10は、搬送風流入通路12に搬送風Qを送り込むと共に、案内風流入通路13に案内風Sを送り込む。搬送風Qは、搬送風流入口22から高湿風ダクト20に流入し、高湿風ダクト20内を前方に向けて流通しつつ、高湿空気Pと衝突して混ざり合う。これにより、高湿空気P及び搬送風Qは、前方に向けた指向性を有する高湿風Rとなる。そして、高湿風Rは、高湿風吹出口23から前方へと水平に吹き出し、ユーザ等の加湿目標に向けて搬送される。
一方、案内風Sは、案内風流入通路13から案内風ダクト30に流入し、案内風吹出口31に向けて流通する。そして、案内風吹出口31では、風向ガイド32により案内風Sの風向が斜め下向きに変更される。また、案内風Sは、各狭幅側面部30Dの間を高い流速で通した後に、各拡開部30Eの間で左右に広がりながら案内風吹出口31に到達する。この結果、案内風Sは、案内風吹出口31から斜め下向きに強く吹き出しながら、高湿風Rに上側から覆い被さるように略扇形状の吹き出し範囲に広がり、高湿風Rを上側から抑え込む。この結果、後述のように高湿風Rの上昇を抑制することができる。
次に、ステップS4では、まず、センサ系統により人体の検出、人体との距離の検出、室内の湿度の検出を実行する。そして、例えばセンサ系統による検出結果と、ユーザによる運転条件の設定とに基いて、加湿機の運転状態を調整する。具体例を挙げると、制御部40には、例えば加湿機の位置での湿度と、ユーザまでの距離との関係と、ユーザの位置での湿度との関係を示す特性データが予め記憶されている。制御部40は、センサ系統により実際に検出した湿度及び距離に基いて、前記特性データからユーザの位置での湿度を推定する。そして、推定した湿度に基いて、例えばヒータ7、送風ファン10等を間欠運転することにより、加湿機の運転状態を調整する。一例を挙げると、制御部40は、推定した湿度が適切な湿度範囲を下回る場合に、ヒータ7をON状態とし、推定した湿度が前記湿度範囲を上回る場合に、ヒータ7をOFF状態とする構成としてもよい。
次に、ステップS5では、予め設定された各種の条件に基いて加湿機の電源をOFFするか否かを判定する。具体例を挙げると、下記の条件(1)〜(5)の少なくとも1つが成立した場合には、ステップS6に移行し、加湿機の電源をOFFする。一方、条件(1)〜(5)の全てが不成立である場合には、ステップS4,S5の処理を繰返す。
条件(1)ユーザにより電源スイッチがOFFされたか?
条件(2)タイマーに設定された時間が経過したか?
条件(3)給水タンク3の貯水量が零となったか?
条件(4)高湿風ダクト20内の温度が許容範囲を超えて上昇したか?
条件(5)高湿風吹出口23等に人体が接触したか?
以上詳述した通り、本実施の形態によれば、案内風ダクト30は、高湿風ダクト20の上側から高湿風Rの流れに向けて斜め下向きに案内風Sを吹き出す構成としたので、次のような効果を得ることができる。図7は、本発明の実施の形態1による加湿機の効果を示す説明図である。まず、従来のように、加湿機から高湿風のみを吹き出す場合には、周囲よりも温度が高い高湿風が前方に吹き出されてから上昇する傾向がある。従って、この場合には、高湿風の経路が目標位置から上方に反れてしまい、ユーザの周囲を加湿するのが難しくなる。これに対し、本実施の形態では、高湿風Rの上側から案内風Sを斜め下向きに吹き出すので、案内風Sにより高湿風Rの上昇を上側から抑え込むことができる。
これにより、案内風Sを利用して高湿風Rの上昇を抑制し、高湿風Rに所望の指向性を与えることができる。従って、加湿機からみて水平方向及び斜め下方に位置する加湿目標に向けて高湿風Rを効率よく搬送することができ、ユーザの近傍等で加湿性能を安定的に発揮することができる。特に、高湿風Rは、ユーザの位置よりも下方に向けて搬送するのが好ましい。何故なら、このように搬送された高湿風Rは、ユーザの下方に到達した後に、ユーザに向けて徐々に上昇する。この結果、緩やかな流れの高湿風Rを用いてユーザの周囲を加湿することができ、高湿風Rがユーザに直接当たることで生じる吹かれ感、寒さによる不快感等を回避することができる。
また、高湿風Rの上昇を抑え込むことにより、高湿風吹出口23を従来よりも高い位置に設けることができる。そして、高湿風吹出口23を高い位置に設けた状態でも、例えば床面に近い目標位置に向けて高湿風Rを安定的に搬送することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、高湿風Rを水平方向に吹き出すと共に、案内風Sを斜め下向きに吹き出す構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、高湿風Rの吹き出し方向を斜め下向きに傾斜させて設定し、案内風Sの吹き出し方向は、高湿風Rの吹き出し方向よりも大きな傾斜角で斜め下向きに傾斜させる構成としてしてもよい。この構成によれば、前述した高湿風Rの抑え込み効果を十分に発揮しつつ、高湿風Rをより床面に近い位置に向けて搬送することができる。
また、案内風Sの吹き出し範囲は、図5に示すように、高湿風Rの吹き出し範囲と重なり合う状態で当該高湿風Rの吹き出し範囲よりも広くなるように設定している。この設定によれば、吹き出した高湿風Rが拡散して広がっても、当該高湿風Rを案内風Sにより上側から安定的に抑え込むことができる。特に、案内風ダクト30の各拡開部30Eにより案内風Sの吹き出し範囲を広げる構成としたので、案内風ダクト30の幅寸法が小さくても、吹き出し範囲を大きく広げることができる。なお、本発明では、例えば案内風ダクト30の各側面部30Cの対向間隔を、上流側から下流側に向けて1段または複数段の階段状に広くしてもよい。また、案内風ダクト30を全長にわたって一定の幅寸法に形成し、この幅寸法を高湿風ダクト20よりも大きく設定する構成としてもよい。これらの構成によっても、拡開部30Eと同様の効果を得ることができる。
また、高湿空気流入口21は、高湿風ダクト20の下面部20B、好ましくは、当該下面部21Bのうち最も低い位置に開口させる構成としている。これにより、高温の高湿空気Pが上昇する特性を利用して高湿空気Pを高湿風ダクト20に円滑に導入し、高湿空気Pと搬送風Qとを効率よく混合することができる。また、高湿風ダクト20内で高湿空気Pと搬送風Qとが接触して結露水が生じた場合でも、この結露水を高湿空気流入口21から加熱用貯水部6に流下させて自然に回収し、結露水を容易に再利用することができる。
また、搬送風流入口22と高湿風吹出口23とは、それぞれ高湿空気流入口21よりも高い位置に開口させている。また、高湿風ダクト20の下面部20Bには、搬送風流入口22から高湿空気流入口21に向けて斜め下向きに傾斜した傾斜面部20Eと、高湿風吹出口23から高湿空気流入口21に向けて斜め下向きに傾斜した傾斜面部20Fとを形成している。これにより、高湿風ダクト20内で結露水が生じた場合でも、この結露水が搬送風流入口22から送風ファン10側に浸入するのを抑制し、送風ファン10を結露水から保護することができる。また、高湿風吹出口23から結露水が垂れたり、吹き出すのを抑制することができる。そして、高湿風ダクト20内の結露水を高湿空気流入口21に効率よく集めることができる。
また、高湿風ダクト20の各側面部20Cには、高湿空気流入口21の上側で互いに平行に配置された平行側面部20Gを形成している。これにより、高湿空気流入口21から上昇してくる高湿空気Pに衝突する搬送風Qの流れを当該流れと垂直な平面上で均一化し、高湿空気Pと搬送風Qとを偏りがないように混ぜ合わせて均質な高湿風Rを生成することができる。
なお、本発明では、図8に示すように、各側面部20C(平行側面部20G)に1個または複数個の整流板を設ける構成としてもよい。図8は、本発明の実施の形態1において、高湿風ダクトの側面部に整流板を設けた変形例を示す要部拡大斜視図である。この図に示すように、複数個の整流板25は、側面部20Cから高湿風ダクト20の幅方向の中央に向けて垂直に突出しつつ、搬送風Q及び高湿風Rの流れ方向に沿って細長く延びている。このような整流板25によっても、高湿空気流入口21の上側で搬送風Qの流れを均一化し、高湿風Rの均質化を促進することができる。
また、搬送風流入口22の幅寸法は、当該搬送風流入口22の開口位置における高湿風ダクト20の幅寸法の半分以上、好ましくは、高湿風ダクト20の幅寸法と等しく設定するのがよい。これにより、搬送風Qを高湿風ダクト20内の幅広い範囲に流入させ、搬送風Qと高湿空気Pとの接触面積を大きくすることができる。従って、高湿空気Pと搬送風Qとを均一に混合し、高湿風Rの蒸気濃度を均等化することができる。
さらに、本実施の形態では、ヒータ7により高湿空気Pを生成するので、、自然な暖かさをもつ高湿風Rを生成することができる。これにより、ユーザに対して冷感等の不快感を与えることがないので、快適性を向上させることができる。また、暖かい高湿空気Pの上昇力を利用して、高湿空気Pと搬送風Qとを容易に混合することができる。
実施の形態2.
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態の特徴は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成において、高湿風ダクトの上部側の角隅の少なくとも一部を凹湾曲状に形成したことにある。図9は、本発明の実施の形態2による加湿機を図3と同様位置からみた縦断面図である。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態の加湿機は、実施の形態1とほぼ同様に、ケーシング1、給水タンク3、加熱用貯水部6、ヒータ7、送風ファン10、高湿風ダクト50、案内風ダクト30等を備えている。高湿風ダクト50は、上面部50A、下面部50B及び左右の側面部50C,50Cを備えている。また、高湿風ダクト50には、高湿空気流入口21、搬送風流入口22及び高湿風吹出口23が開口し、これらの開口部は実施の形態1で述べたような位置関係を有している。
一方、高湿風ダクト50の上面部50Aと各側面部50Cとの間に位置する角隅のうち、少なくとも一部には、上面部50Aと側面部50Cとを凹湾曲状に接続する面取部51が形成されている。このように構成される本実施の形態によれば、高湿風ダクト50の上面部50Aに付着した結露水を面取部51から側面部50Cへと円滑に流下させることができる。従って、前記実施の形態1と同様の効果に加えて、上面部50Aに結露水が溜まるのを抑制し、結露水を高湿空気流入口21に効率よく集めることができる。
実施の形態3.
次に、図10から図12を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態の特徴は、前記実施の形態1とほぼ同様の構成において、高湿風ダクトを略円筒状または略円錐状に形成したことにある。図10は、本発明の実施の形態3による加湿機を示す斜視図である。また、図11は、図10に示す加湿機の縦断面図であり、図12は、加湿機を図11中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。なお、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態の加湿機は、図10及び図11に示す通り、実施の形態1とほぼ同様に、ケーシング1、給水タンク3、加熱用貯水部6、ヒータ7、送風ファン10、高湿風ダクト60、案内風ダクト30等を備えている。しかし、高湿風ダクト60は、例えば略円筒状または略円錐状をなす筒状体により形成されている。高湿風ダクト60の軸線は、高湿風Rの吹き出し方向に延びている。なお、高湿風ダクト60は、軸線方向に対して一定の幅寸法(直径寸法)を有する円筒状に形成してもよいし、図11に示すように、略円錐状に形成してもよい。また、以下の説明では、高湿風ダクト60の軸方向一側を上流側と表記し、軸方向他側を下流側と表記する。
高湿風ダクト60の軸方向の途中部位には、高湿空気流入口61が設けられている。高湿空気流入口61は、高湿風ダクト60の周面部の最下部に開口し、高湿空気通路8の上端部に接続されている。また、高湿風ダクト60の軸方向一側には、搬送風流入口62が開口している。搬送風流入口62は、後述する搬送風流入通路66の上端部に接続されている。また、搬送風流入口62及び搬送風流入通路66は、搬送風Qを高湿風ダクト60の周面部の接線方向に流入させるように構成されている(図12参照)。
高湿風ダクト60の軸方向他側には、図10及び図11に示すように、円形状の高湿風吹出口63が設けられている。高湿風吹出口63は、ケーシング1の前面部において高湿風ダクト60の軸線と垂直な平面上に開口し、メッシュカバー64により覆われている。また、高湿風ダクト60の下部側には、実施の形態1と同様に、2つの傾斜面部60A,60Bが形成されている。一方の傾斜面部60Aは、搬送風流入口62から高湿空気流入口61に向けて斜め下向きに傾斜している。他方の傾斜面部60Bは、高湿風吹出口63から高湿空気流入口61に向けて斜め下向きに傾斜している。
一方、高湿風ダクト60及び案内風ダクト30の上流部には、図11に示すように、接続ダクト65が接続されている。接続ダクト65は、実施の形態1と同様に、搬送風流入通路66と案内風流入通路67とを一体化したものである。搬送風流入通路66の一端側(下端部)は、高湿風ダクト60よりも下側に配置された送風ファン10の吹出口に接続されている。搬送風流入通路66の他端側(上端部)は、搬送風流入口62に接続されている。そして、本実施の形態において、搬送風流入通路66は、下端部よりも上端部の方が高湿風ダクト60に近くなるように垂直方向に対して斜めに傾斜している。
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態において、搬送風流入通路66から高湿風ダクト60の上流側に流入した搬送風Qは、図11に示すように、高湿風ダクト60の軸線を中心として旋回しつつ、高湿風吹出口63に向けて軸方向に流通する。そして、この搬送風Qは、高湿空気Pを巻き込んでこれと混ざり合いつつ、高湿風Rとなって高湿風吹出口63から外部に吹き出す。
これにより、高湿空気Pと搬送風Qとを効率よく混合し、蒸気密度が均質な高湿風Rを安定的に生成することができる。また、高湿風ダクト60のうち少なくとも高湿空気流入口61よりも下流側の部位は、上流側から下流側に向けて徐々に狭くなる略円錐状に形成されている。これにより、高湿風Rの旋回力が弱まる下流側の位置で旋回半径を小さくし、旋回力を確保することができる。また、高湿風ダクト60の外径を下流側で絞ることにより、高湿風吹出口63での吹き出し風速を増大することができる。従って、高湿風Rの指向性を高め、加湿目標に向けて搬送される高湿風Rの推力を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、図12に示すように、高湿風ダクト60の横断面形状が円形となるので、実施の形態2の面取部51を設けた場合と同様の効果を得ることができる。即ち、高湿風ダクト60の上部側に付着した結露水を下部側へと円滑に流下させることができる。また、搬送風流入通路66は、下端部よりも上端部の方が高湿風ダクト60に近くなるように斜めに傾斜している。これにより、高湿風ダクト60に流入する搬送風Qに対して、下流側に向かう軸方向の推力を付加することができる。従って、搬送風Qを旋回させながら下流側に向けて勢いよく流通させることができる。即ち、高湿風吹出口63から吹き出す高湿風Rの気流をより強くすることができる。
実施の形態4.
次に、図13から図15を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態の特徴は、高湿風ダクトを横向きの円筒状に形成したことにある。図13は、本発明の実施の形態4による加湿機を示す斜視図である。図14は、図13に示す加湿機の縦断面図であり、図15は、加湿機を図14中の矢示A−A方向からみた縦断面図である。なお、図14では、後述の高湿空気流入口71、搬送風流入口72及び高湿風吹出口73が断面として表示されるように、変則的な断面図を採用している。また、本実施の形態では、実施の形態1と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
本実施の形態の加湿機は、図13及び図14に示す通り、実施の形態1とほぼ同様に、ケーシング1、給水タンク3、加熱用貯水部6、ヒータ7、送風ファン10、高湿風ダクト70、案内風ダクト30等を備えている。しかし、高湿風ダクト70は、例えば加湿機の左右方向に延びた横向きの円筒状に形成されている。高湿風ダクト70の軸線は、高湿風の吹き出し方向と垂直な面に沿って水平方向(加湿機の左右方向)に延びている。なお、以下の説明では、加湿機を前側からみた図15において、高湿風ダクト70の左側を軸方向一側及び上流側と表記し、右側を軸方向他側及び下流側と表記する。
高湿風ダクト70の周面部のうち、左右方向の中間部よりも上流側の部分には、図14及び図15に示すように、高湿空気流入口71が形成されている。高湿空気流入口71は、高湿風ダクト70の最下部に開口し、高湿空気通路8の上端部に接続されている。また、高湿風ダクト70の周面部のうち高湿空気流入口71よりも上流側の部分には、搬送風流入口72が開口している。搬送風流入口72は、後述する搬送風流入通路76の上端部に接続されている。搬送風流入口72及び搬送風流入通路76は、図14に示すように、搬送風Qを高湿風ダクト70の周面部の接線方向に流入させるように構成されている。
一方、高湿風ダクト70の周面部のうち、高湿空気流入口71の開口位置よりも下流側の部分には、図13及び図14に示すように、高湿風吹出口73が開口している。高湿風吹出口73は、例えば水平方向に扁平な四角形の筒状体により形成され、高湿風ダクト70の周面部から接線方向に突出している。高湿風ダクト70の突出端部は、ケーシング1の前面部に開口し、メッシュカバー74により覆われている。なお、高湿風ダクト70の突出方向は、高湿風ダクト70内を旋回する搬送風Qの旋回方向と整合するように設定されている。これにより、高湿風吹出口73は、高湿風ダクト70内を旋回した高湿風Rを、当該高湿風ダクト70の周面部の接線方向に吹き出すように構成されている。
また、高湿風ダクト70及び案内風ダクト30の上流部には、図14に示すように、接続ダクト75が接続されている。接続ダクト75は、実施の形態1と同様に、搬送風流入通路76と案内風流入通路77とを一体化したものである。搬送風流入通路76は、下端側の送風ファン10と上端側の案内風ダクト30とを接続するもので、前記実施の形態3とほぼ同様に、下端部よりも上端部の方が高湿風ダクト70に近くなるように垂直方向に対して斜めに傾斜している。
このように構成される本実施の形態でも、前記実施の形態1とほぼ同様の作用効果を得ることができる。また、本実施の形態において、搬送風流入通路76から高湿風ダクト70の左側に流入した搬送風Qは、図14及び図15に示すように、高湿風ダクト70の軸線を中心として旋回しつつ、右側の高湿風吹出口73に向けて流通する。そして、この搬送風Qは、高湿空気Pを巻き込んでこれと混ざり合いつつ、高湿風Rとなって高湿風吹出口73から外部に吹き出す。
従って、前記実施の形態3と同様に、高湿空気Pと搬送風Qとを効率よく混合し、蒸気密度が均質な高湿風Rを安定的に生成することができる。また、高湿風Rを高湿風吹出口73から高湿風ダクト70の接線方向に吹き出すので、高湿風Rの旋回力を利用して当該高湿風Rの推力を向上させることができる。
なお、本発明では、前記実施の形態1から4において、案内風吹出口31の位置で風向ガイド32を上下方向に回転可能な構成としてもよい。これにより、水平方向に対する案内風Sの吹き出し角度を調整することができ、加熱目標の位置に応じて高湿風Rの搬送方向を適切に変更することができる。また、本発明では、例えば案内風ダクト30の全体を上下方向に回転させて案内風Sの風向を調整する構成としてもよい。また、本発明は、平板状の風向ガイド32に限定されるものではなく、例えば略コ字形状の風向ガイドにより案内風吹出口31を上方及び側方から取囲む構成としてもよい。
また、本発明では、例えば高湿風ダクトの上面部にR形状(丸み)がある場合に、案内風吹出口の下面部にも同様のR形状をもたせて高湿風ダクトの上面部に沿わせる構成としてもよい。この構成によれば、案内風吹出口から吹き出す案内風が高湿風に沿うように当該高湿風とスムーズに合流するので、高湿風の風向を効率よく制御することができる。
また、前記実施の形態1から4では、ヒータ7により蒸気を発生させる構成を例示したが、本発明はこれに限らず、高湿空気生成部としては、例えばヒータと、超音波式の蒸気発生手段とを組合わせる構成としてもよい。また、実施の形態1から4では、加湿機を例示したが、本発明は、加湿以外の用途に用いる各種の流体搬送装置にも適用することができる。
1 ケーシング,2 蓋,3 給水タンク(流体貯蔵部),4 給水部,5 給水通路,6 加熱用貯水部(高湿空気生成部),7 ヒータ(高湿空気生成部、加熱部),8 高湿空気通路,10 送風ファン(送風部),11,65,75 接続ダクト,12,66,76 搬送風流入通路,13,67,77 案内風流入通路,20,50,60,70 高湿風ダクト,20A,30A,50A 上面部,20B,30B,50B 下面部,20C,30C,50C 側面部,20D 奥壁部,20E,20F,60A,60B 傾斜面部,20G 平行側面部,21,61,71 高湿空気流入口,22,62,72 搬送風流入口,23,63,73 高湿風吹出口,24,64,74 メッシュカバー,25 整流板,30 案内風ダクト,30D 狭幅側面部,30E 拡開部,31 案内風吹出口,32 風向ガイド,40 制御部,41 操作部,51 面取部,P 高湿空気,Q 搬送風,R 高湿風,S 案内風

Claims (15)

  1. 流体を貯蔵する流体貯蔵部と、
    前記流体貯蔵部に貯蔵された流体から高湿空気を生成する高湿空気生成部と、
    搬送風及び案内風となる空気をそれぞれ送り出す送風部と、
    前記搬送風と前記高湿空気とが流入するダクトであって、前記搬送風と前記高湿空気とが混合した高湿風を流体搬送装置の外部に吹き出す高湿風ダクトと、
    前記高湿風ダクトの下面部に開口し、前記高湿空気を前記高湿風ダクトに流入させる高湿空気流入口と、
    少なくとも一部が前記高湿風ダクトの上側に配置され、前記案内風が流入するダクトであって、前記高湿風ダクトの上側から前記高湿風の流れに向けて斜め下向きに前記案内風を吹き出す案内風ダクトと、を備え
    前記高湿風ダクトは、前記高湿空気流入口の下流側に前記搬送風と前記高湿空気を混合する空間を有する流体搬送装置。
  2. 前記高湿風の吹き出し方向は、水平方向または斜め下向きに設定し、前記案内風の吹き出し方向は、前記高湿風の吹き出し方向よりも大きな傾斜角で斜め下向きに傾斜させる構成としてなる請求項1に記載の流体搬送装置。
  3. 前記搬送風を前記高湿風ダクトに流入させる搬送風流入口と、前記高湿風ダクトを流れる前記高湿風が外部に吹き出す高湿風吹出口のうち少なくとも一方の口は、前記高湿空気を前記高湿風ダクトに流入させる高湿空気流入口よりも高い位置で前記高湿風ダクトに開口する構成としてなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  4. 前記高湿風ダクトの下面部は、前記少なくとも一方の口から前記高湿空気流入口に向けて斜め下向きに傾斜させる構成としてなる請求項に記載の流体搬送装置。
  5. 前記高湿風ダクトを流れる前記高湿風が外部に吹き出す高湿風吹出口と、
    前記高湿風吹出口の上側に開口し、前記案内風ダクトを流れる前記案内風が外部に吹き出す案内風吹出口と、を備え、
    水平方向における前記案内風の吹き出し範囲は、前記高湿風の吹き出し範囲に対して上側から重なりあった状態で前記高湿風の吹き出し範囲よりも広くなるように設定してなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  6. 前記案内風ダクトは、前記案内風の流れを挟んで水平方向で互いに対向する2つの側壁部を備え、
    前記各側壁部の対向間隔は、前記案内風の流通方向において上流側よりも下流側の位置で大きくする構成としてなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  7. 前記高湿空気生成部は、前記流体を加熱して蒸気を生成する加熱部を備えてなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  8. 前記高湿風ダクトの上面部と側面部との間に位置する角隅の少なくとも一部を凹湾曲状に形成してなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  9. 前記高湿風ダクトに前記搬送風を流入させる搬送風流入口は、水平方向の幅寸法が当該搬送風流入口の開口位置における前記高湿風ダクトの幅寸法の半分以上となるように形成してなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  10. 前記高湿風ダクトは、前記高湿風の流れを挟んで水平方向で互いに対向する2つの側壁部を備え、
    前記各側面部は、前記高湿空気を前記高湿風ダクトに流入させる高湿空気流入口の上側で互いに平行に配置された平行側面部を備えてなる請求項1からのうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  11. 前記高湿風ダクトには、前記高湿空気を前記高湿風ダクトに流入させる高湿空気流入口の上側で気流を均一化する整流板を設けてなる請求項1から10のうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  12. 前記高湿風ダクトは、前記高湿風の吹き出し方向に延びた軸線を有する円筒状または円錐状のダクトにより形成し、
    前記高湿風ダクトに前記搬送風を流入させる搬送風流入口は、前記高湿風ダクトの軸方向一側に開口し、前記搬送風を前記高湿風ダクトの周面部の接線方向に流入させる構成とし、
    前記高湿風ダクトから外部に前記高湿風を吹き出す高湿風吹出口は、前記高湿風ダクトの軸方向他側で前記軸線と垂直な面上に開口する構成としてなる請求項1から1のうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  13. 前記高湿風ダクトは、前記高湿風の吹き出し方向と垂直な面に沿って延びた軸線を有する円筒状のダクトにより形成し、
    前記高湿風ダクトに前記搬送風を流入させる搬送風流入口は、前記高湿風ダクトの軸方向一側に開口し、前記搬送風を前記高湿風ダクトの周面部の接線方向に流入させる構成とし、
    前記高湿風ダクトから外部に前記高湿風を吹き出す高湿風吹出口は、前記高湿風ダクトの軸方向他側に開口し、前記高湿風を前記高湿風ダクトの周面部の接線方向に吹き出す構成としてなる請求項1から1のうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  14. 一端側が前記高湿風ダクトよりも下側に配置された前記送風部に接続されると共に、他端側が前記高湿風ダクトに開口した搬送風流入口に接続され、前記送風部から前記高湿風ダクトに前記搬送風を流入させる搬送風流入通路を備え、
    前記搬送風流入通路は、前記一端側よりも前記他端側の方が前記高湿風ダクトに近くなるように垂直方向に対して斜めに傾斜させる構成としてなる請求項1から1のうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
  15. 前記高湿風ダクトは、前記高湿風の流れ方向の上流側から下流側に向けて徐々に狭くする構成としてなる請求項1から1のうち何れか1項に記載の流体搬送装置。
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