JP6029876B2 - 熱交換器の表面処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器の表面処理方法に関する。
従来、例えば空気調和機の蒸発器といった熱交換器において、空気中の水蒸気が凝縮することにより熱交換器のフィンの表面に水滴が付着して所謂結露したり、その水滴が霜になり所謂着霜したりすることが懸念されている。これにより、それら水滴及び霜がフィンの表面における熱交換を阻害するとともに熱交換器のフィンの隙間が狭くなり、その隙間を通る空気の抵抗(通風抵抗)が増大する。その結果、フィンの間を通過する空気の量が減少して熱交換器の熱交換効率が低下することが問題となっていた。熱交換器に生じた霜や氷を除去するために除霜運転を実行するという対策も取られているが、除霜運転のために余計なエネルギーを消費してしまうという課題もあった。
そこで、熱交換器のフィンの表面に親水性の高い塗装を施すという表面処理が提案された。これにより、フィンの表面において水滴が流れ落ちる作用を高めたり、霜が付着するまでの時間を延長させたりしている。
ここで近年、熱交換効率の向上のためにフィンピッチを狭くするなどした複雑な構造を有する熱交換器の開発が進んでいる。例えば、対向させて配置した一対の分流管を分流管の長手方向に沿って配列した複数の伝熱管で連結し、隣り合う伝熱管の間にフィン(例えばコルゲートフィン)を配置して接合した熱交換器が知られている。また、熱交換効率の向上や省冷媒化、高リサイクル性を目指して、すべての構成部材がアルミニウム製の熱交換器も開発が進められている。このようなすべての構成部材がアルミニウム製の熱交換器の表面処理方法としては、組み立てが完了した熱交換器を表面処理膜の原液に浸漬させるディップコート法が知られている。
なお、一般的な熱交換器の表面処理方法としては、ロールコート法やカーテンコート法といった組み立て前に表面処理を行うプレコート法が用いられている。銅製部材とアルミニウム製部材とで構成される一般的な熱交換器は組み立てが拡管処理(非熱処理或いは局所加熱処理)で行われるので、プレコート法による表面処理が好適である。一方、すべての構成部材がアルミニウム製の熱交換器は組み立てが一括ロウ付け(加熱プロセス)で行われる。組み立て前に表面処理を行って一括ロウ付けによる加熱処理を行うと、表面処理剤が変質あるいは昇華してしまう。したがって、すべての構成部材がアルミニウム製の熱交換器の表面処理方法としては、組み立てが完了した後に表面処理を行うディップコート法などのアフターコート法が好適である。
ディップコート法による熱交換器の表面処理工程では、水洗後の熱交換器を表面処理膜の原液が入った容器に浸漬させる。そして、熱交換器を容器から引き上げた後、液切り処理及び膜化処理(例えば乾燥処理、焼き付け処理)を実行し、表面処理膜の厚さを規格値内に収める方法が採用されている。このような従来の熱交換器の表面処理方法が特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載された従来の熱交換器の表面処理方法は液切り処理をエアブローによって実行する方法であって、熱交換器を薬液槽から引き上げて液切り処理を行うまでの間に熱交換器を空中で上下に揺動している。これにより、薬液の上面付着量を確保しつつ下面の残留液を除去し、表面処理膜のばらつきをなくして均一化を図っている。
特開2005−321166号公報
ここで、上記分流管、伝熱管及びフィンを備える熱交換器において、伝熱管のフィンが接合された領域に対して通風方向の上流側及び下流側の外側の面に、結露水を排水するための排水部を形成した熱交換器がある。このような熱交換器に対して特許文献1に記載された従来の熱交換器の表面処理方法を適用すると、排水部に表面処理膜の原液が残留する虞がある。したがって、排水部に残留した表面処理膜の原液が固化し、結露水の排水経路を塞いでしまうという問題があった。
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、熱交換器の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成するに際し、表面処理膜の原液の液切り工程において余分な原液を確実に除去することができ、均一な厚さの表面処理膜を形成することが可能な熱交換器の表面処理方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、対向する一対の分流管を複数の伝熱管で接続し、隣り合う前記伝熱管の間にフィンを配置して接合し、前記伝熱管の通風方向上流側及び下流側の外面に結露水を排水するための排水部を形成した熱交換器の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成する熱交換器の表面処理方法であって、前記熱交換器の表面に前記表面処理膜の原液を塗布する塗布工程と、前記フィンに空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記フィンへの前記原液の付着量を調整する第一液切り工程と、前記第一液切り工程の後、前記排水部に空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記排水部への前記原液の付着量を調整する第二液切り工程と、前記原液を膜化させる膜化工程と、を有することを特徴としている。
この構成によれば、第一液切り工程でフィンの余分な原液が除去され、その後第二液切り工程で排水部の余分な原液が除去される。したがって、フィンの余分な原液が排水部に移動して排水部で残留することが妨げられる。
また、上記構成の熱交換器の表面処理方法において、前記第一液切り工程は、前記熱交換器の前記フィンに対する通風方向上流側または下流側のいずれかから前記フィンに空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記第二液切り工程は、前記熱交換器の前記フィンに対する通風方向上流側及び下流側の双方から前記排水部に空気流を吹き付けて前記原液を除去することを特徴としている。
この構成によれば、フィンに対して短時間で確実に余分な原液の液切りが実行される。また、伝熱管の通風方向上流側及び下流側の外面に形成された排水部に対して短時間で確実に余分な原液の液切りが実行される。
また、上記構成の熱交換器の表面処理方法において、前記第二液切り工程は、空気流の吹き付け強さが前記第一液切り工程より弱いことを特徴としている。
この構成によれば、液切り工程におけるフィンに対する空気流の吹き付け強さより、排水部に対する空気流の吹き付け強さのほうが弱い。したがって、排水部から除去された余分な原液がフィン側に移動することが抑制される。
また、上記構成の熱交換器の表面処理方法において、前記第一液切り工程及び前記第二液切り工程は、前記伝熱管が延びる方向に関して局部的に前記フィン及び前記排水部に空気流を吹き付けるノズルを前記伝熱管が延びる方向に沿って移動させ、前記フィン及び前記排水部の全域にわたって空気流を吹き付けることを特徴としている。
この構成によれば、フィン及び排水部において容易に且つ確実に余分な原液が除去される。
また、上記構成の熱交換器の表面処理方法において、前記第一液切り工程及び前記第二液切り工程は、対向する一対の前記分流管の間の中間部から一対の前記分流管各々に向かって前記ノズルを移動させることを特徴としている。
この構成によれば、熱交換器の熱交換効率の向上に最も寄与する一対の分流管の間の中間部から一対の分流管各々に向かって空気流の吹き付け領域が移動する。したがって、一対の分流管の間の中間部において確実にフィン及び排水部の余分な原液が除去される。
本発明の構成によれば、熱交換器の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成するに際し、表面処理膜の原液の液切り工程において余分な原液を確実に除去することができ、均一な厚さの表面処理膜を形成することが可能な熱交換器の表面処理方法を提供することができる。
本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法を説明するための熱交換器を示す外観概略図である。 図1に示す熱交換器のII−II線における垂直断面部分拡大図である。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法を説明するための熱交換器の外観部分拡大図である。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法における熱交換器の薬液への浸漬を示す概略説明図である。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法の第一液切り工程または第二液切り工程を示す概略説明図である。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法の第一液切り工程を説明するための垂直断面部分拡大図である。 本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法の第二液切り工程を説明するための垂直断面部分拡大図である。 本発明の第2実施形態の熱交換器の表面処理方法の第一液切り工程または第二液切り工程を示す概略説明図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づき説明する。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の熱交換器の表面処理方法を説明するに先立って、当該表面処理方法が適用される熱交換器について、図1〜図3を用いてその構造の概略を説明する。図1は熱交換器の外観概略図、図2は図1に示す熱交換器のII−II線における垂直断面部分拡大図、図3は熱交換器の外観部分拡大図である。なお、以下の説明では、図1における左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とし、紙面奥行き方向をZ方向として説明する。図2及び図3のX方向、Y方向及びZ方向は図1の各方向と同じ方向を示す。
熱交換器1は、図1〜図3に示すように2本の分流管2と、複数の伝熱管3と、フィン4と、排水部5とを備えている。
分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5は熱伝導性が比較的高く安価であり、加工性が良好であるなどのメリットを有している例えばアルミニウム、アルミニウム合金で形成されている。なお、これらの構成要素の材料はアルミニウムやアルミニウム合金に限定されるわけではなく、その他、金、銅などといった熱伝導性が比較的高い金属を任意に用いても良いし、要素ごとに材料を替えても良い。
2本、すなわち対向する一対の分流管2は互いに図1においてY方向に延び、X方向に所定の間隔を空けて平行に配置されている。2本の分流管2は各々配管部6を介して不図示の異なる配管に連結されている。分流管2は内部に冷媒が流通可能な流路が形成され、配管部6に連通している。
複数の伝熱管3は図1においてX方向に延び、Y方向に所定の間隔を空けて平行に配列されている。各伝熱管3は図1におけるX方向両端が2本の分流管2各々に接続されている。伝熱管3は、図2に示すように内部に冷媒が流通可能な流路3aが形成され、分流管2に連通している。
各伝熱管3は図1におけるY方向の厚みに対してZ方向の幅が広い偏平な形状をなしている(図2参照)。伝熱管3は図2に示すようにZ方向に沿った断面形状及び断面面積が等しい複数の流路3aを有し、それら複数の流路3aがZ方向に配列されている。
フィン4は図1におけるY方向に隣り合う伝熱管3どうしの間に配置され、伝熱管3に接合されている。フィン4は平板を波形状(コルゲート形状)に成形した部材である。波形状をなすフィン4は図1における山の頂部が上側の伝熱管3に接触し、谷の底部が下側の伝熱管3に接触するように設けられている。フィン4は波形状をなすことにより外部空気との接触面積が広くなる。なお、熱交換器1に対する通風方向は図1及び図2におけるZ方向(図2では実線矢印が指す方向)である。また、フィン4は波形状をなすコルゲートフィンのほか、例えばプレートフィンやルーバーフィンなど他の形状で構成されていても良い。
排水部5は、図2及び図3に示すように伝熱管3の通風方向の上流側及び下流側の外面に形成されている。排水部5は伝熱管3の外面から通風方向外側に向かって突出するように取り付けられた長方形状をなす複数のプレート5aで構成されている。複数のプレート5aは伝熱管3の冷媒流通方向に沿って配列されている。また、個々のプレート5aは図3に示すように通風方向から見ると、伝熱管3の冷媒流通方向(X方向)に対して所定角度、例えば21°の傾斜を設けて伝熱管3に取り付けられている。フィン4の表面で発生し、フィン4の表面を伝った結露水は排水部5に導かれて熱交換器1の外部に滴下する。
分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5は各々ロウ付け処理により接続されている。これにより、熱交換器1の内部を流通する冷媒の漏洩を防止することができ、伝熱管3とフィン4との間の熱伝導の効率を高めることができ、フィン4から排水部5への排水の効率を高めることができる。なお、各々ロウ付け処理に代えて、溶射処理や熱拡張、溶接などの接続処理方法を用いて各構成要素を連結しても良い。
上記構成の熱交換器1に対して一方の配管部6から冷媒を注入すると、その配管部6に連結された分流管2の内部に冷媒が流通する。分流管2内部を流通する冷媒は続いて複数の伝熱管3各々の複数の流路3aに分かれて流入する。伝熱管3の内部の流路3aを流通する冷媒は伝熱管3及びフィン4を介して熱交換器1の外部の空気と熱交換を行う。例えば、熱交換器1を蒸発器として用いる場合、冷媒は外部の空気から熱を奪う。一方、熱交換器1を凝縮器として用いる場合、冷媒は外部の空気に対して熱を放出する。
熱交換器1は、例えば空気調和機に用いられる熱サイクルの室外側ユニットの熱交換器(蒸発器)や冷却庫の冷却装置の蒸発器として用いられる。このとき、熱交換器1の表面の温度が外部の空気の露点よりも低くなると、熱交換器1の表面に結露が発生する。熱交換器1の表面の温度がさらに低くなると、結露した水分が凍結し霜が発生(着霜)する。このような着霜が発生すると、フィン4の隙間が霜で埋まって狭くなり、空気の流れが阻害される可能性が高くなる。その結果、熱交換器1の熱交換効率が低下する虞がある。
このような問題を解決するため、熱交換器1、すなわち分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5にはその表面で発生した結露水の排水を助長する表面処理膜が形成されている。表面処理膜としては、例えば親水性塗膜が採用される。
室外側ユニットに設けられた熱交換器1で熱交換を行うと、熱交換器1の表面、すなわち分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5の表面に結露水が付着する。分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5の表面には親水性塗膜が形成されており、付着した結露水が水膜となって流れる。親水性塗膜の上の水は接触角が小さく、膜厚が薄い。これにより、フィン4の隙間のように間隙が狭い場合でも隣り合うフィン4の表面に付着した水が接触し難く、隣り合うフィン4の間でブリッジが形成され難い。このように、熱交換器1に親水性塗膜が形成されていることで熱交換器1の表面に結露水が残留し難くなる。
親水性塗膜の上では付着した結露水がゆっくりであるが動き続けるので、結露水が凍結し難い。そして、フィン4の表面で発生し、フィン4の表面を伝った結露水は排水部5に導かれて熱交換器1の外部に滴下する。このように、表面に親水性塗膜が形成された熱交換器1では結露が発生するが、結露水の排水が助長されて着霜が発生し難くなっている。
一方、親水性塗膜に替えて撥水性塗膜を熱交換器1の表面に形成する場合もある。撥水性塗膜を形成した場合、結露水と熱交換器1の表面との接触面積が小さくなるので、結露水がわずかであっても熱交換器1の外部に放出される。これにより、フィン4の隙間のように間隙が狭い場合でもブリッジが形成され難く、結露水が残留し難い。このように、熱交換器1の表面に撥水性塗膜を形成した場合も、親水性塗膜を形成した場合と同様、結露水の排水が助長されて着霜が発生し難くなる。
次に、熱交換器1の表面処理方法について、図4に示す手順に沿って、図5〜図8を用いて説明する。図4は熱交換器1の表面処理方法の手順を示すフローチャートである。図5は熱交換器1の表面処理方法における熱交換器1の薬液への浸漬を示す概略説明図、図6は第一液切り工程または第二液切り工程を示す概略説明図、図7は第一液切り工程を説明するための垂直断面部分拡大図、図8は第二液切り工程を説明するための垂直断面部分拡大図である。
なお、図5は後述する脱脂工程、下地処理工程及び親水性塗料塗布工程における熱交換器1の薬液Mへの浸漬の状況を説明する図であって、容器Vに貯留された薬液Mはそれぞれの工程において異なる。また、図6〜図8のX方向、Y方向及びZ方向は図1の各方向と同じ方向を示す。
ここで、熱交換器1の表面処理に先立って、熱交換器1の組み立てが完了しているものとする。熱交換器1は分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5が予め決められた形状(図1〜図3参照)に組み立てられ、各部材の接合部分がロウ付け処理等の接続方法で固定される。
熱交換器1の組み立てが完了すると、熱交換器1の表面処理が実行される。熱交換器1の表面処理としてはディップコート法を採用している。
熱交換器1の表面処理を開始すると(図4のスタート)、熱交換器1の表面の油分などを除去する脱脂工程を実行する(図4のステップ#101)。脱脂工程は、図5における薬液Mとして強アルカリ脱脂剤が貯留された容器Vに組み立てが完了した熱交換器1を浸漬することによって実行される。
脱脂工程では熱交換器1を60℃の温度の市販の強アルカリ脱脂剤(例えば日本パーカライジング社製脱脂剤)の2%溶液中に2分間浸漬して脱脂処理を行う。この脱脂処理により、熱交換器1の金属材料表面の油分などの汚れを除去し、後に形成する親水性塗膜を滑らかな均一な塗膜として形成することができる。
脱脂工程の後、洗浄工程を実行する(ステップ#102)。この洗浄工程では上水または純水により熱交換器1を水洗して脱脂剤を洗い流す。
続いて、熱交換器1の表面に耐食性、耐錆性などを付与する下地処理工程を実行する(ステップ#103)。下地処理工程は、図5における薬液Mとして化成処理剤溶液が貯留された容器Vに脱脂処理が施された熱交換器1を浸漬することによって実行される。
下地処理工程では熱交換器1を70℃の温度の市販の化成処理剤溶液(例えば日本パーカライジング社製化成剤をpH4に調整したもの)中に2分間浸漬することによって化成処理を実施してジルコニア酸化物皮膜による下地膜を形成する。この下地膜により熱交換器1に耐食性、耐錆性などを付与する。下地膜の形成方法はこのような酸による化成処理に限らず、エッチング、酸化、金属蒸着などの方法を用いて下地膜を形成しても良い。
化成処理後、洗浄工程を実行する(ステップ#104)。この洗浄工程では純水により熱交換器1を水洗して化成処理剤を洗い流す。
続いて、熱交換器1の表面に親水性塗膜の原液である塗料を塗布する親水性塗料塗布工程を実行する(ステップ#105)。親水性塗料塗布工程は、図5における薬液Mとして親水性塗料が貯留された容器Vに下地処理が施された熱交換器1を浸漬することによって実行される。
親水性塗料塗布工程では熱交換器1を親水性塗料(例えば関西ペイント社製SX−01など)中に浸漬して引き上げた後、所定の膜厚になるように膜厚管理を行う。膜厚の管理は親水性塗料の塗布処理の前後における熱交換器1の重量変化量により管理する。重量管理を行う方法としては、親水性塗料の固形分濃度及び密度、熱交換器1の表面積からウェット時の塗布重量を算出し(例えばSX−01の場合、1.2g/m2)、その重量を初期重量から増加した重量として合算する。
続いて、熱交換器1の表面に塗布された親水性塗料の膜厚を調整するための液切り工程を実行する(ステップ#106及びステップ#107)。液切り工程では熱交換器1のフィン4及び排水部5に空気流を吹き付けて余分な塗料を除去し、重量測定して所望の膜厚に相当する重量になるようにする。
液切り工程では、図6〜図8に示すように熱交換器1のフィン4に対する通風方向(図のZ方向)の上流側及び/または下流側からフィン4または排水部5に空気流を吹き付けて余分な塗料を除去する。また、液切り工程では、図6に示すように伝熱管3が延びる方向(図のX方向)に関して局部的にフィン4及び排水部5に空気流を吹き付けるノズル101を有する吹き付け部100を伝熱管3が延びる方向(X方向)に沿って移動させる。これにより、フィン4及び排水部5の全域にわたって空気流を吹き付ける。なお、図6〜図8では吹き付け部100の移動方向を白抜き矢印で描画し、空気流の流通方向を実線矢印で描画している。
そして、液切り工程は、図4に示すように第一液切り工程(ステップ#106)と第二液切り工程(ステップ#107)とを有し、第一液切り工程の後に第二液切り工程を実行する。
第一液切り工程は、図7に示すように熱交換器1のフィン4に対する通風方向(図7のZ方向)の上流側または下流側のいずれかからフィン4に空気流を吹き付けて余分な塗料を除去する。空気流の吹き付けにはフィン4の部分のみに空気流が送り出される第一ノズル101aが利用される。
第二液切り工程は、図8に示すように熱交換器1のフィン4に対する通風方向(図8のZ方向)の上流側及び下流側の双方から排水部5に空気流を吹き付けて余分な塗料を除去する。空気流の吹き付けには排水部5の部分のみに空気流が送り出される第二ノズル101bが利用される。なお、第二液切り工程は空気流の吹き付け強さが第一液切り工程より弱くなっている。
続いて、熱交換器1の表面の親水性塗料を膜化させる膜化工程を実行する(ステップ#108)。膜化工程では熱交換器1を100℃の乾燥装置内で10分間焼成させて親水性塗料を膜化させる。なお、親水性塗料としては熱硬化性、光硬化性などを有し、いずれの性質を備えた塗料を用いても構わない。膜化工程において、熱硬化性の親水性塗料を用いている場合には熱交換器1を加熱する乾燥装置を用い、光硬化性の親水性塗料を用いている場合には親水性塗料の硬化に必要な波長の光を照射する乾燥装置を用いる。
膜化工程が完了すると、熱交換器1の表面処理は終了となる(図4のエンド)。
上記のように、分流管2、伝熱管3、フィン4及び排水部5を有する熱交換器1の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成する熱交換器1の表面処理方法は、親水性塗料塗布工程と、フィン4に空気流を吹き付けて塗料を除去し、フィン4への塗料の付着量を調整する第一液切り工程と、第一液切り工程の後、排水部5に空気流を吹き付けて塗料を除去し、排水部5への塗料の付着量を調整する第二液切り工程と、膜化工程とを有する。これにより、第一液切り工程でフィン4の余分な塗料が除去され、その後第二液切り工程で排水部5の余分な塗料が除去される。したがって、フィン4の余分な塗料が排水部5に移動して排水部5で残留することを防止することができる。
また、第一液切り工程は熱交換器1のフィン4に対する通風方向上流側または下流側のいずれかからフィン4に空気流を吹き付けて塗料を除去する。これにより、フィン5に対して短時間で確実に余分な塗料の液切りを実行することができる。また、第二液切り工程は熱交換器1のフィン4に対する通風方向上流側及び下流側の双方から排水部5に空気流を吹き付けて塗料を除去する。これにより、伝熱管3の通風方向上流側及び下流側の外面に形成された排水部5に対して短時間で確実に余分な塗料の液切りを実行することができる。
さらに、第二液切り工程は空気流の吹き付け強さが第一液切り工程より弱いので、フィン4に対する空気流の吹き付け強さより、排水部5に対する空気流の吹き付け強さのほうが弱くなる。したがって、排水部5から除去された余分な塗料がフィン4側に移動することを抑制することが可能である。
また、第一液切り工程及び第二液切り工程は、伝熱管3が延びる方向に関して局部的にフィン4及び排水部5に空気流を吹き付けるノズル101を伝熱管3が延びる方向に沿って移動させ、フィン4及び排水部5の全域にわたって空気流を吹き付ける。これにより、フィン4及び排水部5において容易に且つ確実に余分な塗料を除去することができる。
そして、本発明の上記実施形態の構成によれば、熱交換器1の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜、すなわち親水性塗膜を形成するに際し、親水性塗料の液切り工程において余分な塗料を確実に除去することができ、均一な厚さの親水性塗膜を形成することが可能な熱交換器1の表面処理方法を提供することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の熱交換器の表面処理方法について、図9を用いて説明する。図9は熱交換器の表面処理方法の第一液切り工程または第二液切り工程を示す概略説明図である。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図8を用いて説明した前記第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
第2実施形態の熱交換器1の表面処理方法は、図9に示すように第一液切り工程及び第二液切り工程において、対向する一対の分流管2の間の中間部から一対の分流管2各々に向かってノズル101を有する吹き付け部100を移動させる。吹き付け部100は伝熱管3が延びる方向(X方向)に沿って2個並べて設けられている。吹き付け部100の一方はフィン4または排水部5に向かって空気流を吹き付けながらX方向の右方に向かって移動し、他方はフィン4または排水部5に向かって空気流を吹き付けながらX方向の左方に向かって移動する。なお、1個の吹き付け部100を用いて、対向する一対の分流管2の間の中間部から一対の分流管2各々に向かって順番に吹き付け部100を移動させることにしても良い。
この構成によれば、熱交換器1の熱交換効率の向上に最も寄与する一対の分流管2の間の中間部から一対の分流管2各々に向かって空気流の吹き付け領域が移動する。したがって、一対の分流管2の間の中間部において確実にフィン4及び排水部5の余分な親水性塗料を除去することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
例えば、上記実施形態では熱交換器1の表面に表面処理膜として親水性塗膜を形成することを例に掲げて説明したが、親水性塗膜に替えてに撥水性塗膜を形成するようにしても良い。
本発明は、熱交換器の表面処理方法において利用可能である。
1 熱交換器
2 分流管
3 伝熱管
4 フィン
5 排水部
100 吹き付け部
101 ノズル

Claims (5)

  1. 対向する一対の分流管を複数の伝熱管で接続し、隣り合う前記伝熱管の間にフィンを配置して接合し、前記伝熱管の通風方向上流側及び下流側の外面に結露水を排水するための排水部を形成した熱交換器の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成する熱交換器の表面処理方法であって、
    前記熱交換器の表面に前記表面処理膜の原液を塗布する塗布工程と、
    前記フィンに空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記フィンへの前記原液の付着量を調整する第一液切り工程と、
    前記第一液切り工程の後、前記排水部に空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記排水部への前記原液の付着量を調整する第二液切り工程と、
    前記原液を膜化させる膜化工程と、
    を有し、
    前記第一液切り工程は、前記熱交換器の前記フィンに対する通風方向上流側または下流側のいずれかから前記フィンに空気流を吹き付けて前記原液を除去し、
    前記第二液切り工程は、前記熱交換器の前記フィンに対する通風方向上流側及び下流側の双方から前記排水部に空気流を吹き付けて前記原液を除去する
    ことを特徴とする熱交換器の表面処理方法。
  2. 対向する一対の分流管を複数の伝熱管で接続し、隣り合う前記伝熱管の間にフィンを配置して接合し、前記伝熱管の通風方向上流側及び下流側の外面に結露水を排水するための排水部を形成した熱交換器の表面に結露水の排水を助長する表面処理膜を形成する熱交換器の表面処理方法であって、
    前記熱交換器の表面に前記表面処理膜の原液を塗布する塗布工程と、
    前記フィンに空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記フィンへの前記原液の付着量を調整する第一液切り工程と、
    前記第一液切り工程の後、前記排水部に空気流を吹き付けて前記原液を除去し、前記排水部への前記原液の付着量を調整する第二液切り工程と、
    前記原液を膜化させる膜化工程と、
    を有し、
    前記第二液切り工程は、空気流の吹き付け強さが前記第一液切り工程より弱いことを特徴とする熱交換器の表面処理方法。
  3. 前記第二液切り工程は、空気流の吹き付け強さが前記第一液切り工程より弱いことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の表面処理方法。
  4. 前記第一液切り工程及び前記第二液切り工程は、前記伝熱管が延びる方向に関して局部的に前記フィン及び前記排水部に空気流を吹き付けるノズルを前記伝熱管が延びる方向に沿って移動させ、前記フィン及び前記排水部の全域にわたって空気流を吹き付けることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の熱交換器の表面処理方法。
  5. 前記第一液切り工程及び前記第二液切り工程は、対向する一対の前記分流管の間の中間部から一対の前記分流管各々に向かって前記ノズルを移動させることを特徴とする請求項4に記載の熱交換器の表面処理方法。
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