JP6029441B2 - 時計用カレンダ機構並びに該機構を備えたムーブメント及びカレンダ時計 - Google Patents

時計用カレンダ機構並びに該機構を備えたムーブメント及びカレンダ時計 Download PDF

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Description

本発明は、時計用カレンダ機構並びに該機構を備えたムーブメント及びカレンダ時計に係わる。
時計においてカレンダ機構は周知であり、曜(曜日)や日(日付)などのカレンダ情報を扇形の表示領域に表示するようにしたカレンダ機構も知られている(例えば、特許文献1や特許文献2)。なお、扇形の表示領域では、時刻情報表示指針は、扇形の一端の初期位置(初期値を表す位置)から扇形の他端の最終位置(最終値を表す位置)まで扇形に沿って一方向に運針された後、最終位置(最終値を表す位置)から初期位置(初期値を表す位置)まで反対方向に瞬時に復針するように構成される。この明細書では、このような表示及び表示機構を、夫々、「レトログラード式表示」及び「レトログラード式表示機構」ともいう。
また、日付を扇形表示するに際して、1の桁と10の桁とを別々の表示針で表示すると共に1の桁の表示針と10の桁の表示針とを同心で表示することも提案されている(特許文献3)。
しかしながら、この特許文献3のカレンダ機構では、日1桁表示針の軸が日10桁表示針の筒状軸内に摺接していることから、日1桁表示針が扇の最大値ないし最大振れ位置(例えば0の位置)から初期値ないし初期位置(例えば1の位置)にいわゆるレトログラード式に急速に戻る際や、日10桁表示針が扇の最大値ないし最大振れ位置(例えば3の位置)から初期値ないし初期位置(例えば0の位置)にレトログラード式に急速に戻る際に、日1桁表示針の軸と日10桁表示針の筒状軸との間で高速の摺動が生じ、該摺動に伴う摩擦による回転トルクによって他方の表示針やその表示輪列にフラツキが生じ、表示が不安定になる虞れがある。
特開平10−186061号公報 特開平11−6880号公報 特開2011−128027号公報
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、扇形表示を安定して行い得るようにした時計用カレンダ機構並びに該機構を備えたムーブメント及びカレンダ時計を提供することにある。
本発明の時計用カレンダ機構は、前記目的を達成すべく、第一カレンダ情報を第一扇形の表示領域において表示する第一カレンダ情報表示針と、第二カレンダ情報を前記第一扇形と同心の第二扇形の表示領域において表示する第二カレンダ情報表示針と、前記第一カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ前記第一扇形の中心軸線のまわりで回転可能な第一カレンダ情報表示軸と、前記第二カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ、前記第一カレンダ情報表示針と同心で且つ前記中心軸線のまわりで回転可能な第二カレンダ情報表示軸と、前記第一及び第二カレンダ情報表示軸の間に位置し地板に対して静置された振動抑制部材(中心パイプ)と、を有する。
また、本発明の時計用カレンダ機構では、第一カレンダ情報表示針又は第二カレンダ情報表示針のうちいずれか一方の角度が、第一角度よりも大きい第二角度になった時に、前記一方の針を前記第一角度に戻す針制御機構と、前記振動抑制部は、前記一方の針が前記第二角度から前記第一角度に戻った時に発生した振動を抑制することを特徴とする。
本発明の時計用カレンダ機構では、「第一カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ第一扇形の中心軸線のまわりで回転可能な第一カレンダ情報表示軸と、第二カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ、第一カレンダ情報表示針と同心で且つ前記中心軸線のまわりで回転可能な第二カレンダ情報表示軸」に加えて、「前記第一および第二カレンダ情報表示軸の間に位置し地板に対して静置された中心パイプ」が設けられているので、第一及び第二カレンダ情報表示軸の間に位置し地板に対して静置された中心パイプが、第一カレンダ情報表示軸及び第二カレンダ情報表示軸の間を分離して第一及び第二カレンダ情報表示軸が相互に摺接したりトルクその他が相互の間で伝わるのを避け得るので、扇形表示が安定して行われえる。また、第一又は第二カレンダ情報表示軸が扇の最終位置ないし最大振れ位置から扇の初期位置にレトログラード式に急速に戻る際において該第一又は第二カレンダ情報表示軸の回転に伴ってその回転トルクが第二又は第一カレンダ情報表示軸に伝達される虞れがないから、初期位置への復帰の際の摩擦トルク等により第二カレンダ情報表示軸のふらつきが生じる虞れが少ない。従って、本発明の時計用カレンダ機構では、扇形表示が安定して行われ得る。また、本発明の本発明の時計用カレンダ機構では、扇形表示が同心に行われるので、表示領域が占有するスペースが最小限に抑えられ得る。なお、以上において、第一及び第二カレンダ情報は、典型的には、いずれも日単位の情報である。但し、日単位以外のカレンダ情報であってもよい。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第一カレンダ情報表示軸と一体的な第一カレンダ情報小歯車と、一方向に回転される第一カレンダ情報作動カムであって、回転するにつれて半径が最小径から最大径まで徐々に大きくなり該最大径から前記際小径まで急激に低下するような形状の第一カレンダ情報カム面を備えたものと、該第一カレンダ情報カム面に係合する第一カレンダ情報カム従節を一端に備えると共に、前記第一カレンダ情報小歯車に噛合する第一カレンダ情報歯車部を一側に備える第一カレンダ情報復針レバーと、前記第二カレンダ情報表示軸と一体的な第二カレンダ情報小歯車と、一方向に回転される第二カレンダ情報作動カムであって、回転するにつれて半径が最小径から最大径まで徐々に大きくなり該最大径から前記際小径まで急激に低下するような形状の第二カレンダ情報カム面を備えたものと、該第二カレンダ情報カム面に係合する第二カレンダ情報カム従節を一端に備えると共に、前記第二カレンダ情報小歯車に噛合する第二カレンダ情報歯車部を一側に備える第二カレンダ情報復針レバーとが設けられている。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第一カレンダ情報復針レバーと前記第二カレンダ情報復針レバーとが同心に配置されている。
その場合、カレンダ機構が占有する領域を最小限に抑えることが可能になる。
但し、所望ならば、前記第一カレンダ情報復針レバーの回動中心軸線と前記第二カレンダ情報復針レバーの回動中心軸線とが異なる位置にあってもよい。
その場合、関連部品の形状や構造の自由度が増し、カレンダ情報作動カムの形状に対する制約が少なくなるので、部品の汎用性が高くなる。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第一カレンダ情報作動カムと前記第二カレンダ情報作動カムとが同心に配置されている。
その場合、カレンダ機構が占有する領域を最小限に抑えることが可能になる。但し、所望ならば、前記第一カレンダ情報作動カムの回転中心と前記第二カレンダ情報作動カムの回転中心とが異なる位置に配置されていてもよい。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第一カレンダ情報作動カムと一体的な第一カレンダ情報回し伝え車と前記第二カレンダ情報作動カムと一体的な第二カレンダ情報回し伝え車とを同心に有すると共に、前記第一カレンダ情報回し伝え車を回す第一カレンダ情報回し爪と前記第二カレンダ情報回し伝え車を回す第二カレンダ情報回し爪とを同心に有する。
その場合、カレンダ機構が占有するスペースを更に低減し得る。
なお、本発明の時計用カレンダ機構では、第一及び第二カレンダ情報の表示に係わる機構のそれぞれを構成する要素部品又は要素機構(例えば、第一及び第二カレンダ情報回し車及び回し爪、第一及び第二カレンダ情報回し伝え車と第一及び第二カレンダ情報作動カム、第一及び第二カレンダ情報復針レバー等)が、静置板(例えば小日車受)の両面に同心に配置される。その場合、複雑化を避けつつ占有スペースを最低限にすることが可能になる。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第一カレンダ情報が日であり、前記第二カレンダ情報が曜である。
その場合、カレンダ機構が占有するスペースを最小限に抑えた状態で、日付と曜日とをレトログラード表示し得る。
本発明の時計用カレンダ機構では、典型的には、前記第二扇形の前記表示領域が前記第一扇形の前記表示領域の範囲内にある。
その場合、カレンダ機構が占有するスペースを最小限に抑えた状態で、見易い表示を行い得る。但し、所望ならば、前記第二扇形の前記表示領域と前記第一扇形の前記表示領域とが部分的に重なっていて二つの扇形の表示領域が相互に部分的にずれていても、前記第二扇形の前記表示領域と前記第一扇形の前記表示領域とが相互に重なることなく、別の領域にあってもよい。
また、本発明のムーブメントは、前記目的を達成すべく、上述のような時計用カレンダ機構を有する。
更に、本発明のカレンダ時計は、前記目的を達成すべく、上述のような時計用カレンダ機構を有する。
本発明の好ましい一実施例のムーブメントを有するカレンダ時計の平面説明図。 図1のカレンダ時計の外観を示した平面説明図。 図1のカレンダ時計の断面説明図。 図1のカレンダ時計のカレンダ機構のうちレトログラード式日表示機構において1日から31日までの日替わりを示した平面説明図。 図4のレトログラード式日表示機構において31日から1日への日替わりを示した平面説明図。 図1のカレンダ時計のカレンダ機構のうちレトログラード式曜表示機構において日曜(SUN)から土曜(SAT)までの曜替わりを示した平面説明図。 図6のレトログラード式曜表示機構において土曜(SAT)から日曜(SUN)への曜替わりを示した平面説明図。 本発明の一変形例のカレンダ機構を備えた本発明の一変形例のムーブメントを有する本発明の一変形例のカレンダ時計の平面説明図。
次に、本発明の好ましい一実施の形態を、添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
本発明の好ましい一実施例の時計用カレンダ機構1を備えた時計用ムーブメント2を有するカレンダ時計3は、図2の外観図及び図3の断面図に示したように、中心軸線CのまわりでC1方向にまわる時針21、分針22及び秒針23を備える。時針21を大径筒状部24aの先端に備えた時車ないし筒車24や、分針22を筒かな25の先端に備えた分車26や、秒針23を四番真27aの先端に備えた秒車27は、地板4や二番受5や一番受6の如き輪列受の形態の静置支持基板によって中心軸線Cのまわりで回転自在に支持されている。分車26の分歯車26aは香箱車(図せず)に噛合され、筒車24の筒歯車24bは日の裏車28を介して分車26の筒かな25に噛合され、秒車27は三番車(図示せず)を介して分車26に噛合されている。秒車27は秒歯車27bでアンクル(図示せず)及びてんぷ(図示せず)と共に調速脱進器をなすがんぎ車29の真29aに噛合されて、調速されている。なお、以上のような車24,26,27,28等からなる運針輪列20は図示の輪列とは異なっていてもよい。11は文字板、12は裏蓋、13はケース、14はりゅうず、15はバンドである。
次に、扇形表示をする日表示機構としてのレトログラード式日表示機構1A及び扇形表示をする曜表示機構としてのレトログラード式曜表示機構1Bからなるカレンダ機構1について、説明する。
図示の例では、ムーブメント2は、静置支持基板として、地板4や二番受5や一番受6に加えて、地板4の文字板側表面に沿って延びる第二地板7、文字板11の内面に沿って延びる第二輪列受8、及び第二地板7と第二輪列受8との間に位置する小日車受9を備える。
カレンダ機構1は、中心軸線CのまわりでC1方向に回転される日曜回し中間車24cを備える。カレンダ機構1は、また、中心軸線Dに沿って時計3の厚さ方向Aに延在した日曜回し車中心軸31と、中心軸線Eに沿って時計3の厚さ方向Aに延在した作動カム中心軸34と、中心軸線Fに沿って時計3の厚さ方向Aに延在した復針レバー中心軸37と、中心軸線Bに沿って時計3の厚さ方向Aに延在した中心パイプ70(本願の振動抑制部材の一例)とを備える。
日曜回し中間車24cは、筒車24に嵌着され、中心軸線CのまわりでC1方向に12時間で一回転する。
日曜回し車中心軸31は、一端側の大径部31aで第二地板7の対応孔部7aに嵌着され、小日車受9の延在域の外側を通って、他端側の小径部31bで第二輪列受8の対応孔部8aに嵌合されている。作動カム中心軸34は、一端側の大径部34aで第二地板7の対応孔部7bに嵌着され、小日車受9の対応孔部9bに遊嵌されて該孔部9bを貫通し、他端側の小径部34bで第二輪列受8の対応孔部8bに嵌合されている。復針レバー中心軸37は、同様に、一端側の大径部37aで第二地板7の対応孔部7cに嵌着され、小日車受9の対応孔部9cに遊嵌されて該孔部9cを貫通し、他端側の小径部37cで第二輪列受8の対応孔部8cに嵌合されている。
中心パイプ70は、中空部を有するパイプ状の部材であり、一端の大径部71で小日車受9の対応孔部9dに嵌合され、該大径部71の一端につながったフランジ状部72で孔部9dの周壁において小日車受9の文字板側表面9eに当接している。
日曜回し車中心軸31には、日曜回し車40がハブ部41で回転可能に嵌合されている。日曜回し車40は、該ハブ部41に嵌着された日曜回し歯車42を備え、該日曜回し歯車42で、日曜回し中間車24cに噛合され、日曜回し中間車24cのC1方向回転に応じて、中心軸線DのまわりでD1方向に24時間で一回転する。日曜回し車40のハブ部41のうち第二輪列受8側の端部には日回し爪45Aが中央孔部46Aで嵌着され、第二地板7側の端部の近傍には曜回し爪45Bが中央孔部46B嵌着されている。
作動カム中心軸34のうち第二輪列受8と小日車受9との間の部分34Aには、日作動カム等ハブ部51Aが中心軸線Eのまわりで回転自在に嵌合され、該ハブ部51Aには日回し伝え車52A及び第一カレンダ情報作動カムとしての日作動カム53Aが中央孔部で嵌着されている。日回し伝え車52Aは多数の爪部ないし歯部(例えば、31歯(31個の歯数)。)を備える。そして、日回し爪45Aが中心軸線Dの周りで一回転される毎に二歯分だけE1方向に回転され、該間欠回転に応じて日作動カム53Aも一日分だけE1方向に間欠回転される。
なお、日作動カム53Aは、E1方向回転に応じて該日作動カム53Aのうち実効的に働くカム面部の径が最小径部55Aから最大径部56Aまで、中心軸線E(本願の第一カレンダ情報作動カムの回転中心の一例)の外周方向に拡径する(徐々に大きくなる)カタツムリ状ないし渦巻状形状のカム面54Aを備え、最大径部56Aに達した後は遷移部ないし段差部57Aを介して最小径部55Aに落ちる(戻る)ようになり、いわゆる扇形表示ないしレトログラード表示を可能にしている。
換言すれば、日作動カム53Aには、最小径部55Aから、中心軸線Eの外周方向に、中心軸線Eから離れる方向へ最大径部56Aまで拡径するカム面54Aと、最大径部56Aと最小径部55Aとを接続する段差部57Aとが形成された第一カレンダ情報カム面(本願の第一カレンダ情報カム面の一例)を備える。
なお、カム面54Aは、詳しくは後述するが、扇形の小日表示領域89Aにおいて、日針87Aに、1日毎に1〜31日の日付を表示させるために、31分割された径差が設けられている。
なお、日回し伝え車52Aの回転は、日ジャンパ58Aによって躍制されている。
作動カム中心軸34のうち小日車受9と第二地板7との間の部分34Bには、曜作動カム等ハブ部51Bが中心軸線Eのまわりで回転自在に嵌合され、該ハブ部51Bには曜回し伝え車52B及び第二カレンダ情報作動カムとしての曜作動カム53Bが中央孔部で嵌着されている。曜回し伝え車52Bは多数の爪部ないし歯部(例えば、7歯、14歯、又は21歯等。)を備える。そして、曜回し爪45Bが中心軸線Dの周りで一回転される毎に二歯分だけE1方向に回転され、該間欠回転に応じて曜作動カム53Bも曜一つ分だけE1方向に間欠回転される。
なお、曜作動カム53Bも、E1方向回転に応じて該曜作動カム53Bのうち実効的に働くカム面部の径が最小径部55Bから最大径部56Bまで、中心軸線E(本願の第二カレンダ情報作動カムの回転中心の一例)の外周方向に拡径する(徐々に大きくなる)カタツムリ状ないし渦巻状形状のカム面54Bを備え、最大径部56Bに達した後は遷移部ないし段差部57Bを介して最小径部55Bに落ちる(戻る)ようになり、いわゆる扇形表示ないしレトログラード表示を可能にしている。
換言すれば、曜作動カム53Bには、最小径部55Bから、中心軸線Eの外周方向に、中心軸線Eから離れる方向へ最大径部56Bまで拡径するカム面54Bと、最大径部56Bと最小径部55Bとを接続する段差部57Bとが形成された第二カレンダ情報カム面(本願の第二カレンダ情報カム面の一例)を備える。
なお、曜回し伝え車52Bの回転は、曜ジャンパ58Bによって躍制されている。
復針レバー中心軸37のうち第二輪列受8と小日車受9との間の部分37Aには、日復針レバーハブ部61Aが中心軸線Fのまわりで回転自在に嵌合され、該ハブ部61Aには日復針レバー62Aが中央孔部で嵌着されている。日復針レバー62Aは、先端部が日作動カム53Aに対するカム従節63Aとして働く日復針レバー本体部64Aと該レバー本体部64Aの揺動に応じて中心軸線Fのまわりで回動されるカレンダ情報歯車部としての円弧状歯車部65Aとを備える。
復針レバー中心軸37のうち小日車受9と第二地板7との間の部分37Bには、曜復針レバーハブ部61Bが中心軸線Fのまわりで回転自在に嵌合され、該ハブ部61Bには曜復針レバー62Bが中央孔部で嵌着されている。曜復針レバー62Bは、先端部が曜作動カム53Bに対するカム従節63Bとして働く曜復針レバー本体部64Bと該レバー本体部64Bの揺動に応じて中心軸線Fのまわりで回動されるカレンダ情報歯車部としての円弧状歯車部65Bとを備える。
中心パイプ70の筒状本体部73の外側には中心軸線Bに沿って延びる第一カレンダ情報表示軸としての大径筒状小日軸81Aが該中心パイプ70に対して回転自在に嵌合され、中心パイプ70の筒状本体部73の内側には中心軸線Bに沿って延びる第二カレンダ情報表示軸としての小径小曜軸81Bが該中心パイプ70に対して回転自在に嵌合されている。小径小曜軸81Bは、基端部82Bで第二地板7の孔7dに回転自在に嵌合されると共に基端部82Bの突出端が地板4の穴4aに遊嵌されている。大径筒状小日軸81Aは、第二輪列受8の軸受部8dに回転自在に支持され、該軸受部8dを貫通して、文字板11から突出している。
大径筒状小日軸81Aのうち小日車受9側すなわち中心パイプ70のフランジ状部72側に位置する基端部82Aには小日歯車84Aが嵌着又は一体的に形成されている。同様に、小径小曜軸81Bのうち小日車受9側すなわち中心パイプ70のフランジ状部72側に位置する部位83Bには小曜歯車84Bが嵌着又は一体的に形成されている。ここで、小日車85Aは、大径筒状小日軸81Aと、該軸81Aと一体的な小日歯車84Aとからなる。一方、小曜車85Bは、小径小曜軸81Bと、該軸81Bと一体的な小曜歯車84Bとからなる。
大径筒状小日軸81Aの文字板11側の突出端部86Aには第一カレンダ情報表示針としての日針87Aが取付けられ、小径小曜軸81Bの文字板11側の突出端部86Bには第二カレンダ情報表示針としての曜針87Bが取付けられている。
文字板11の表面には、中心軸線Bを中心とした第一扇形の表示領域としての大径の扇形の小日表示領域89Aと、中心軸線Bを中心とした第二扇形の表示領域としての小径の扇形の小曜表示領域89Bとが形成されている。小日表示領域89Aは、初期値「1」日から最終値「31」日までの「日付」を扇形の領域で表示するようになっており、小曜表示領域89Bは、初期値「日曜(SUN)」日から最終値「土曜(SAT)」日までの「曜」即ち「曜日」を扇形の領域で表示するようになっている。
大径筒状小日軸81Aには小日車ばね88Aが取付けられている。この小日車ばね88Aは、大径筒状小日軸81AをB2方向に回転偏倚させ、日針87Aを「1」日を指す初期位置に設定させるような回転偏倚力を該軸81Aに及ぼし、これにより、日復針レバー62Aのカム従節63Aを日作動カム53Aのカム面54Aに押付ける。同様に、小径小曜軸81Bには小曜車ばね88Bが取付けられている。この小曜車ばね88Bは、小径小曜軸81BをB2方向に回転偏倚させ、曜針87Bを「日曜日(SUN)」を指す初期位置に設定させるような回転偏倚力を該軸81Bに及ぼし、これにより、曜復針レバー62Bのカム従節63Bを曜作動カム53Bのカム面54Bに押付ける。
次に、以上の如く構成された時計3のムーブメント2のカレンダ機構1を構成するレトログラード式日表示機構1A及びレトログラード式曜表示機構1Bの動作について、図4から図7に基づいて詳しく説明する。
図4及び図5は、カレンダ機構1のうちレトログラード式日表示機構1Aの部分を、示したもので、図4では、「1」日から「31」日までの間、扇形の小日表示領域89Aにおいて、日針87Aが一日毎に間欠的にB1方向に回動する状態が示されている。図4に示す例では、日針87Aは、本願の第一角度の一例として、扇形の小日表示領域89Aの「1」日を示す角度を示している。また、図5に示す例では、日針87Aは、本願の第二角度の一例として、扇形の小日表示領域89Aの「31」日を示す角度を示している。
より詳しくは、図4からわかるように、筒車24と一体的な日曜回し中間車24Cが中心軸線CのまわりでC1方向に2回転/日の回転速度で実際上連続的に回転するにつれて、該日曜回し中間車24Cと噛合した日曜回し歯車42を備えた日曜回し車40が中心軸線Dのまわりで、1回転/日の回転速度で実際上連続的にD1方向に回転する。日曜回し車40のD1方向回転に伴い日曜回し歯車42と一体的で文字板11に近接した第二輪列受8の近傍(小日車受9の文字板11側)に位置する日回し爪45AもD1方向に回転して、該日回し爪45Aが、一日に一回だけ日回し伝え車52Aの歯車の最近接歯に係合して該日回し伝え車52Aを一歯分だけ中心軸線EのまわりでE1方向に間欠回動させる。日回し伝え車52Aは、日ジャンパ58Aによって躍制されているので、一歯分の間欠送りの後、日ジャンパ58Aが日回し伝え車52Aの歯車部を規正して所定の間欠回転位置に停止させる。なお、日回し伝え車52Aは31日で一回転するように31個の歯を備える歯車部を有するので、その径は、1週間(7日)で一回転するように7個の歯を備ええる歯車部を有する曜回し伝え車52Bよりも大径であり、それに応じて、日回し爪45Aは同心の曜回し爪45Bよりも小径である。
日回し伝え車52Aが日ジャンパ58Aによって規定される一つの間欠回転位置からその次の間欠回転位置にE1方向に間欠回転されるのに応じて、該日回し伝え車52Aと一体的な日作動カム53Aも中心軸線EのまわりでE1方向に間欠回転され、小日車ばね88Aの作用下でカム従節63Aにおいて日作動カム53Aの渦巻状カム面54Aに押付けられている日復針レバー62Aが中心軸線FのまわりでF1方向に回動ないし揺動される。すなわち、1日から31までの日替わりの際にはカム面54Aのうちカム従節63Aが当接する実効的なカム面部の半径が徐々に増すので、日復針レバー62AがE1方向に回動されることになる。図4に示したように、「1」日においては、カム従節63Aがカム面64Aの最小径部55Aに当接している。
日復針レバー62AのF1方向回動に応じて、該日復針レバー62Aの円弧状歯車部65Aが中心軸線FのまわりでF1方向に回動されて、該歯車部65Aに小日歯車84Aで噛合した小日車85Aを中心軸線Bのまわりで一日分だけB1方向に間欠的に回動させる。従って、小日車85Aの大径筒状小日軸81Aの突出端部86Aに取付けられた日針87Aが扇形の小日表示領域89Aにおいて一日分だけB1方向に回動される。
以上のような動作は、「1」日から「31」日まで繰返され、日作動カム53Aのカム面54Aのうち日復針レバー62Aのカム従節63Aが当接する部位の半径方向位置が増大するにつれて、日復針レバー62AがF1方向に間欠回動され、それに応じて、日針87AがB1方向に間欠回動される。
31日から1日への日替わりの際には、図5に示したように、日復針レバー62Aのカム従節63Aが日作動カム53Aのカム面54Aのうち最大径部56Aの近傍に位置し、日針87Aが扇形の小日表示領域89Aの右端の31日の位置にある状態で、日曜回し中間車24CのC1方向回転に応じて日曜回し車40の日回し爪45AがD1方向に回転して日回し伝え車52Aの歯部に係合して該日回し伝え車52Aを一歯分だけE1方向に回転させる。これに応じて、小日車ばね88Aの弾性偏倚力の作用下にある日復針レバー62Aのカム従節63Aが、E1方向に回転する日作動カム53Aのカム面54Aの最大径部56Aを過ぎるので、遷移部ないし段差部57Aに沿って最小径部55Aまで一気に落ちると共に、日復針レバー62AがF2方向に一気に回動される。従って、日復針レバー62Aの円弧状歯車部65Aに小日歯車84Aで噛合した小日車85Aが急激にB2方向に回動され、日針87Aが「31」日の位置から初期位置である「1」日の位置まで、B2方向に一気に回動される。すなわち、カレンダ機構1は、本願の針制御機構としても機能し、第一カレンダ情報表示針の一例としての日針87Aの角度が第一角度よりも大きい第二角度になった時に、前記一方の針を前記第一角度に戻すようになっている。これにより、31日から1日への日替わりが完了する。
図6及び図7は、レトログラード式日表示機構1Aに係わる図4及び図5と同様に、カレンダ機構1のうちレトログラード式曜表示機構1Bの部分を、示したもので、図6では、日曜(SUN)から土曜(SAT)までの間、扇形の小曜表示領域89Bにおいて、曜針87Bが一日毎に間欠的にB1方向に回動する状態が示されている。
より詳しくは、図6からわかるように、日曜回し中間車24CのC1方向の実際上連続的な回転に応じて日曜回し車40が中心軸線Dのまわりで実際上連続的にD1方向に回転するのに伴って、日曜回し歯車42と一体的で裏蓋12の方向に設けられた第二地板7の近傍(小日車受9の裏蓋12側)に位置する曜回し爪45BがD1方向に回転して、該曜回し爪45Bが、一日に一回だけ曜回し伝え車52Bの歯車の最近接歯に係合して該曜回し伝え車52Bを一歯分だけ中心軸線EのまわりでE1方向に間欠回動させる。曜回し伝え車52Bは、曜ジャンパ58Bによって躍制されているので、一歯分の間欠送りの後、曜ジャンパ58Bが曜回し伝え車52Bの歯車部を規正して所定の間欠回転位置に停止させる。なお、曜回し伝え車52Bは一週間(7日)で一回転するように14個の歯を備える歯車部を有するので、その径は、31日で一回転するように31個の歯を備ええる歯車部を有する日回し伝え車52Aよりも小径であり、それに応じて、曜回し爪45Bは同心の日回し爪45Aよりも小径である。なお、曜回し伝え車52Bは、7個の歯を備えるようにしてもよい。
曜回し伝え車52Bが曜ジャンパ58Bによって規定される一つの間欠回転位置からその次の間欠回転位置にE1方向に間欠回転されるのに応じて、該曜回し伝え車52Bと一体的な曜作動カム53Bも中心軸線EのまわりでE1方向に間欠回転され、小曜車ばね88Bの作用下でカム従節63Bにおいて曜作動カム53Bの渦巻状カム面54Bに押付けられている曜復針レバー62Bが中心軸線FのまわりでF1方向に回動ないし揺動される。すなわち、日曜(SUN)から土曜(SAT)までの曜替りの際にはカム面54Bのうちカム従節63Bが当接する実効的なカム面部の半径が徐々に増すので、曜復針レバー62BがE1方向に回動される。図6に示したように、日曜(SUN)においては、カム従節63Bがカム面64Bの最小径部55Bに当接している。
曜復針レバー62BのF1方向回動に応じて、該曜復針レバー62Bの円弧状歯車部65Bが中心軸線FのまわりでF1方向に回動されて、該歯車部65Bに小曜歯車84Bで噛合した小曜車85Bを中心軸線Bのまわりで一日分だけB1方向に間欠的に回動させる。従って、小曜車85Bの小径小曜軸81Bの突出端部86Bに取付けられた曜針87Bが扇形の小曜表示領域89Bにおいて一日分だけB1方向に回動される。
以上のような動作は、日曜(SUN)から土曜(SAT)まで繰返され、曜作動カム53Bのカム面54Bのうち曜復針レバー62Bのカム従節63Bが当接する部位の半径方向位置が増大するにつれて、曜復針レバー62BがF1方向に間欠回動され、それに応じて、曜針87BがB1方向に間欠回動される。
土曜(SAT)から日曜(SUN)への曜替わりの際には、図7に示したように、図5示した31日から1日への日替わりの際と同様に、曜復針レバー62Bのカム従節63Bが曜作動カム53Bのカム面54Bのうち最大径部56Bの近傍に位置し、曜針87Bが扇形の小曜表示領域89Bの右端の土曜(SAT)の位置にある状態で、日曜回し中間車24CのC1方向回転に応じて日曜回し車40の曜回し爪45BがD1方向に回転して曜回し伝え車52Bの歯部に係合して該曜回し伝え車52Bを二歯分だけE1方向に回転させる。これに応じて、小曜車ばね88Bの弾性偏倚力の作用下にある曜復針レバー62Bのカム従節63Bが、E1方向に回転する曜作動カム53Bのカム面54Bの最大径部56Bを過ぎるので、遷移部ないし段差部57Bに沿って最小径部55Bまで一気に落ちると共に、曜復針レバー62BがF2方向に一気に回動される。従って、曜復針レバー62Bの円弧状歯車部65Bに小曜歯車84Bで噛合した小曜車85Bが急激にB2方向に回動され、曜針87Bが土曜(SAT)の位置から初期位置である日曜(SUN)の位置まで、B2方向に一気に回動される。これにより、土曜(SAT)から日曜(SUN)への曜替わりが完了する。
以上の如く構成された本発明の好ましい一実施例のカレンダ機構1を備えたムーブメント2を有するカレンダ時計3では、カレンダ機構1を構成するレトログラード式日表示機構1A及びレトログラード式曜表示機構1Bの各種要素が、時計3の厚さ方向に関して、小日車受8を境として文字板11側ないし第二輪列受9側と裏蓋12側ないし第二地板7側とに分けて配置され、且つレトログラード式日表示機構1A及びレトログラード式曜表示機構1Bの同様な機能要素が夫々の中心軸31,34,37に沿って同心に配置されると共に日針87A及び曜針87Bの回転中心軸線Bも一致しているので、占有スペースが最小限に抑えられた状態でコンパクトに形成され得る。従って、所望ならば、あいたスペースに他の機能を組み込むことも可能になる。
しかも、このカレンダ機構1では、日針87Aの回転中心をなす大径筒状小日軸81Aと曜針87Bの回転中心をなす小径小曜軸81Bとが単に同心に配置されるだけではなく、大径筒状小日軸81Aと小径小曜軸81Bとの間に中心パイプ70が配置されているので、小日軸81AのB1,B2方向回転によって小曜軸81Bが揺れる虞れがなく、また、小曜軸81BのB1,B2方向回転によって小日軸81Aが揺れる虞れがない。特に、このカレンダ機構1の日表示機構1A及び曜表示機構1Bはレトログラード式であって、日針87AがB2方向に回転されて初期位置に戻る復帰動作や、曜針87BがB2方向に回転されて初期位置に戻る復帰動作が一気に高速で行われるので、その際の回転摩擦や衝撃が輪列部材に伝わるのを避けがたいけれども、このカレンダ機構1では、中心パイプ70が、大径筒状小日軸81Aと小径小曜軸81Bとの間にあって両者を分離しているので、レトログラード機構の復帰の際の高速回転や衝撃等によって他方のレトログラード表示が乱される虞れが少ない。また、このカレンダ機構1では、中心パイプ70が小日車受8等によって静置状態で支持されるように構成されているので、中心パイプ70が振れる虞れが少ないから、針87A,87Bの復帰の際の摩擦や衝撃が他の部分に伝わって表示や動作が乱れる虞れが少ない。なお、中心パイプ70が小日車受8によって静置状態で支持されることにより、大径筒状小日軸81Aが第二輪列受9と中心パイプ70とで支持され得るから、大径筒状小日軸81Aの支持がより安定になり、小径小曜軸81Bが第二地板7と中心パイプ70とで支持され得るから、小径小曜軸81Bの支持もより安定になる。
但し、所望ならば、同様な機能を果たす要素の少なくとも一部が同心に配置されていなくてもよい。特に、日復針レバーの回転中心と曜復針レバーの回転中心とを別々の箇所に設定することによって、同心の小日表示領域89A及び小曜表示領域89Bが同じであっても、用いられるべき作動カムの形状の自由度を高めることが可能になる。
図8には、日復針レバー62Aαの回転中心軸線Fαが曜復針レバー62Bαの回転中心軸線Fβとは異なるようにしたレトログラード式日表示機構1Aα及びレトログラード式曜表示機構1Bαを備えたカレンダ機構1αを有するムーブメント2αを備えたカレンダ時計3αが示されている。図8のカレンダ機構1αにおいて、図1のカレンダ機構1と同じ要素には同一の符号が付され、対応するけれども異なるところのある要素には同一の符号の後に添えてαが付されている。
カレンダ機構1αでは、中心軸線CのまわりでC1方向に回る日曜回し中間車24c、中心軸線DのまわりでD1方向に回る日回し爪45A及び曜回し爪45Bを備えた日曜回し車40、中心軸線EのまわりでE1方向に回る日回し伝え車52A及び曜回し伝え車52Bと日ジャンパ58A及び曜ジャンパ58B、並びに中心軸線Bのまわりで回動される小日車85A及び小曜車85Bと日針87A及び曜針87Bと小日車ばね88A及び小曜車ばね88Bは、カレンダ機構1の対応要素と実際上同一である。
一方、カレンダ機構1αでは、例えば、日作動カム53Aαのカム面54Aαの形状55Aα,56Aα等や、曜作動カム53Bαのカム面54Bαの形状55Bα,56Bα等とは異なり得る。また、曜復針レバー62Bαについても、回転中心軸線Fβだけでなく、カム従節63Bαや円弧状歯車部65Bαの形状もカレンダ機構1の曜復針レバー62Bの対応要素とは異なり得る。
図8の例では、特に顕著な相違は、例えば、日復針レバー62Aαにある。すなわち、図8の例では、日復針レバー62Aαは、回転中心軸線Fの位置に概ね一致する位置に回転中心軸線Fβがある曜復針レバー62Bαと異なり、回転中心軸線Fの位置からずれた位置に回転中心軸線Fαを有し、且つカム従節63Aαと比較してはるかに小さい半径の円弧状歯車部65Aαを備える。従って、この場合、日作動カム53Aαのカム面54Aαの半径の変動が比較的大きくても、カム従節63Aαの周方向回動長さと比較して円弧状歯車部65Aαの周方向移動長が比較的小さくなり、小日車85Aの径が比較的大きくても、限られた扇形領域89Aの範囲内において日針87Aを回動させ得る。
図8のカレンダ機構1αを構成するレトログラード式日表示機構1Aα及びレトログラード式曜表示機構1Bαにおいて、その他の点は、概ね図1〜図7に関して説明した通りである。従って、中心パイプ70が大径筒状小日軸81Aと小径小曜軸81Bとの間に介在することによりレトログラード動作に伴う両軸81A,81B間の干渉が生じる虞れを最低限に抑え得る。しかも、日と曜という実際上ランダムともいえる程度に種々の相対位相でレトログラード式の高速復帰動作が生じるにもかかわらず、当該高速復帰動作の影響を実際上受けることなく安定な状態で日及び曜についてレトログラード表示を行い得ることは同様である。
なお、以上においては、二つのレトログラード表示が日と曜である場合に限って説明したけれども、レトログラード式にカレンダ表示されるべきカレンダ情報は、「日」や「曜」の如く日単位の情報である。但し、所望ならば、日単位以外の任意のもの(年,月,週,曜,日,月齢,時(24時間表示),時(12時間表示),分等)でよい。
また、上述した例では中心パイプ70は、中空部を有するパイプ状の部材を適用したが、これに限定されず、例えば、断面略C型形状の筒状部材や、その他、断面略三角その他多角形形状の筒状部材を適用することもできる。
また、中心パイプ70の材質としては、鉄等の金属、ABS,アクリル、PC等の樹脂材料、硬質ゴム、エラストマー等を適用することもできる。
また、上述した例では、本願の第一角度の一例として、日針87Aが扇形の小日表示領域89Aの「1」日を示す角度を第一角度と、日針87Aが扇形の小日表示領域89Aの「31」日を示す角度を第二角度としたがこれに限定されず、日針87A等の任意の針が示す任意の角度をそれぞれ第一角度又は第二角度としてもよい。
1,1α 時計用カレンダ機構
1A,1Aα レトログラード式日表示機構
1B,1Bα レトログラード式曜表示機構
2,2α 時計用ムーブメント
3,3α カレンダ時計
4 地板
4a 穴
5 二番受
6 一番受
7 第二地板
7a,7b,7c,7d 孔部
8 第二輪列受
8a,8b,8c 孔部
8d 軸受部
9 小日車受
9b,9c,9d 孔部
9e 文字板側表面
11 文字板
12 裏蓋
13 ケース
14 りゅうず
15 バンド
20 運針輪列
21 時針
22 分針
23 秒針
24 筒車
24a 大径筒状部
24b 筒歯車
24c 日曜回し中間車
25 筒かな
26 分車
26a 分歯車
27 秒車
27a 四番真
27b 秒歯車
28 日の裏車
29 がんぎ車
29a がんぎ真
31 日曜回し車中心軸
31a,34a,37a 大径部
31b,34b,37c 小径部
34 作動カム中心軸
34A 第二輪列受と小日車受との間の部分
34B 小日車受と第二地板との間の部分
37 復針レバー中心軸
37A 第二輪列受と小日車受との間の部分
37B 小日車受と第二地板との間の部分
40 日曜回し車
41 ハブ部
42 日曜回し歯車
45A 日回し爪
45B 曜回し爪
46A,46B 中央孔部
51A 日作動カム等ハブ部
51B 曜作動カム等ハブ部
52A 日回し伝え車
52B 曜回し伝え車
53A,53Aα 日作動カム
53B,53Bα 曜作動カム
54A,54B,54Aα,54Bα カム面
55A,55B,55Aα,55Bα 最小径部
56A,56B,56Aα,56Bα 最大径部
57A,57B 遷移部(段差部)
58A 日ジャンパ
58B 曜ジャンパ
61A 日復針レバーハブ部
61B 曜復針レバーハブ部
62A,62Aα 日復針レバー
62B,62Bα 曜復針レバー
63A,63B,63Aα,63Bα カム従節
64A,64Aα 日復針レバー本体部
64B,64Bα 曜復針レバー本体部
65A,65B,65Aα,65Bα 円弧状歯車部
70 中心パイプ(振動抑制部材の一例)
71 大径部
72 フランジ状部
73 筒状本体部
81A 大径筒状小日軸
81B 小径小曜軸
82A,82B 基端部
83B 部位
84A 小日歯車
84B 小曜歯車
85A 小日車
85B 小曜車
86A,86B 突出端部
87A 日針
87B 曜針
88A 小日車ばね
88B 小曜車ばね
89A 小日表示領域
89B 小曜表示領域
A 時計の厚さ方向
B,C,D,E,F,Fα,Fβ 中心軸線
C1,D1,E1,Fα1,Fβ1 方向

Claims (10)

  1. 第一カレンダ情報を第一扇形の表示領域において表示する第一カレンダ情報表示針と、
    第二カレンダ情報を前記第一扇形と同心の第二扇形の表示領域において表示する第二カレンダ情報表示針と、
    前記第一カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ前記第一扇形の中心軸線のまわりで回転可能な第一カレンダ情報表示軸と、
    前記第二カレンダ情報表示針が先端部に取付けられ、前記第一カレンダ情報表示針と同心で且つ前記中心軸線のまわりで回転可能な第二カレンダ情報表示軸と、
    前記第一及び第二カレンダ情報表示軸の間に位置し地板に対して静置された振動抑制部材と、
    を有し、
    前記第一カレンダ情報表示軸と一体的な第一カレンダ情報小歯車と、
    一方向に回転される第一カレンダ情報作動カムであって、最小径部から、前記第一カレンダ情報作動カムの回転中心の外周方向に、前記第一カレンダ情報作動カムの回転中心から離れる方向へ最大径部まで拡径するカム面と、前記最大径部と前記最小径部とを接続する段差部とが形成された第一カレンダ情報カム面を備えたものと、
    該第一カレンダ情報カム面に係合する第一カレンダ情報カム従節を一端に備えると共に、前記第一カレンダ情報小歯車に噛合する第一カレンダ情報歯車部を一側に備える第一カレンダ情報復針レバーと、
    前記第二カレンダ情報表示軸と一体的な第二カレンダ情報小歯車と、
    一方向に回転される第二カレンダ情報作動カムであって、最小径部から、前記第二カレンダ情報作動カムの回転中心の外周方向へ、前記第二カレンダ情報作動カムの回転中心から離れる方向へ最大径部まで拡径するカム面と、前記最大径部と前記最小径部とを接続する段差部とが形成された第二カレンダ情報カム面を備えたものと、
    該第二カレンダ情報カム面に係合する第二カレンダ情報カム従節を一端に備えると共に、前記第二カレンダ情報小歯車に噛合する第二カレンダ情報歯車部を一側に備える第二カレンダ情報復針レバーと
    を備え、
    前記第一カレンダ情報作動カムと一体的な第一カレンダ情報回し伝え車と前記第二カレンダ情報作動カムと一体的な第二カレンダ情報回し伝え車とを同心に有すると共に、前記第一カレンダ情報回し伝え車を回す第一カレンダ情報回し爪と前記第二カレンダ情報回し伝え車を回す第二カレンダ情報回し爪とを同心に有することを特徴とする時計用カレンダ機構。
  2. 請求項1に記載の時計用カレンダ機構であって、
    第一カレンダ情報表示針又は第二カレンダ情報表示針のうちいずれか一方の角度が、第一角度よりも大きい第二角度になった時に、前記一方の針を前記第一角度に戻す針制御機構と、
    前記振動抑制部は、前記一方の針が前記第二角度から前記第一角度に戻った時に発生した振動を抑制することを特徴とする時計用カレンダ機構。
  3. 請求項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記第一カレンダ情報復針レバーと前記第二カレンダ情報復針レバーとが同心に配置されることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  4. 請求項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記第一カレンダ情報復針レバーの回動中心軸線と前記第二カレンダ情報復針レバーの回動中心軸線とが異なる位置にあることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記第一カレンダ情報作動カムと前記第二カレンダ情報作動カムとが同心に配置されていることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記第一カレンダ情報が日であり、前記第二カレンダ情報が曜であることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記第二扇形の前記表示領域が前記第一扇形の前記表示領域の範囲内にあることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構であって、
    前記振動抑制部材は、中空部を有するパイプ状の部材であることを特徴とする時計用カレンダ機構。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構を備えたムーブメント。
  10. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の時計用カレンダ機構を備えたカレンダ時計。
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