JP6027866B2 - オロパタジン含有水性組成物 - Google Patents

オロパタジン含有水性組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水性組成物に関する。
点眼剤及び洗眼剤等の水性組成物においては、微生物汚染等による腐敗を抑制できることが望ましい。
特許文献1には、点眼剤又は洗眼剤の防腐成分として1,2−オクタンジオールを含有することを特徴とする組成物が報告されている。
特開2011−251932号公報
本発明の目的は、防腐力に優れた水性組成物を提供することである。また、本発明は水性組成物に防腐力を付与する方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種(以下、「(A)成分」ということがある。)と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、並びに、塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種(以下、「(B)成分」ということがある。)と、を含有する水性組成物が、防腐力に優れることを見出した。また、本発明者らは、驚くべきことに、(A)成分及び(B)成分を併用することによって、それぞれの成分を単独で使用した場合に比べて水性組成物が優れた防腐力を備え得ることも見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1](A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、並びに、塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種と、を含有する、水性組成物。
[2](A)成分が塩酸オロパタジンである、[1]に記載の水性組成物。
[3]アズレンスルホン酸の塩がアズレンスルホン酸ナトリウムである、[1]又は[2]に記載の水性組成物。
[4]さらに、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤及び塩化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の水性組成物。
[5]粘膜適用組成物である、[1]〜[4]に記載の水性組成物。
[6]粘膜適用組成物が眼科用組成物である、[5]に記載の水性組成物。
[7](A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、並びに、塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種と、を配合することを特徴とする、水性組成物に防腐力を付与する方法。
本発明の水性組成物は、防腐力に優れており、微生物汚染等を抑制することができるため、菌汚染に対して特に高い安全性が要求される眼科分野においても、利用可能である。また、本発明の水性組成物は、マルチドーズ型の点眼剤等としても好適に用いることができる。さらに、本発明の水性組成物を用いることによって、従来から保存剤として使われてきた塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、パラベン類及びクロロブタノール等の使用量を減らすことができ、これらの保存剤による角膜等の組織への悪影響や粘膜刺激性の増大等の副作用を低減することが可能である。
本明細書において含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POE」はポリオキシエチレンを意味する。本明細書中、特に記載の無い限り、略号「POP」はポリオキシプロピレンを意味する。
本実施形態に係る水性組成物は、オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種((A)成分)を含有するものである。これを後述する(B)成分と共に含有させることによって、水性組成物に防腐力を付与するという効果が発揮される。
オロパタジンは、化学名が(Z)−11−(3−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンゾ[b,e]−オキセピン−2−酢酸である公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
また、オロパタジンの塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩としては、例えば、無機酸との塩[例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ナトリウム−オルトリン酸塩、カリウム水素硫酸塩等]や、有機酸との塩[例えば、酢酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、桂皮酸塩、サリチル酸塩、2−フェノキシ安息香酸塩等]が挙げられる。
(A)成分としては、これらのオロパタジン及びその塩の中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。水性組成物に防腐力を付与するという効果の観点から、(A)成分としては、オロパタジン、又はその無機酸塩が好ましく、塩酸オロパタジンがより好ましい。
本実施形態に係る水性組成物における、(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類、併用する(B)成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.002〜1w/v%であることが好ましく、0.005〜0.5w/v%であることがより好ましく、0.01〜0.2w/v%であることが更に好ましく、0.02〜0.11w/v%であることが特に好ましい。
上記(A)成分の含有量は、防腐力付与の観点から好適である。
本実施形態に係る水性組成物は、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、並びに、塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種を含有する。(A)成分と共に含有させることによって、水性組成物に防腐力を付与するという効果が発揮される。
イプシロン−アミノカプロン酸は、6−アミノヘキサン酸とも称される中性アミノ酸として公知の化合物である。
イプシロン−アミノカプロン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。イプシロン−アミノカプロン酸の塩としては、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等の各種の塩が挙げられる。
イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩としては、これらの中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。防腐力付与の観点から、イプシロンアミノカプロン酸及び/又はその塩としては、イプシロン−アミノカプロン酸が好ましい。
本実施形態に係る水性組成物における、イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有量は特に限定されず、併用する(A)成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の総含有量が、0.01〜10w/v%であることが好ましく、0.05〜8w/v%であることがより好ましく、0.1〜5w/v%であることが更に好ましい。
上記イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有量は、防腐力付与の観点から好適である。
本実施形態に係る水性組成物における、(A)成分に対するイプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するイプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の総含有量が、0.01〜5000質量部であることが好ましく、0.05〜1000質量部であることがより好ましく、0.2〜500質量部であることが更に好ましく、1〜200質量部であることが特に好ましい。
上記(A)成分に対するイプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の含有比率は、防腐力付与の観点から好適である。
アズレンスルホン酸は、1,4−ジメチル−7−イソプロピルアズレン−3−スルホン酸とも称される公知化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
本実施形態で使用されるアズレンスルホン酸の塩としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩としては、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等の各種の塩が挙げられる。
アズレンスルホン酸及び/又はその塩としては、これらの中から、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。防腐力付与の観点から、アズレンスルホン酸及び/又はその塩としては、無機塩基との塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、アズレンスルホン酸ナトリウムが更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物における、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有量は特に限定されず、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。アズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の総含有量が、0.0005〜0.1w/v%であることが好ましく、0.001〜0.05w/v%であることがより好ましく、0.005〜0.02w/v%であることが更に好ましい。
上記アズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有量は、防腐力付与の観点から好適である。
本実施形態に係る水性組成物における、(A)成分に対するアズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するアズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の総含有量が、0.0005〜50質量部であることが好ましく、0.002〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜5質量部であることが更に好ましく、0.05〜1質量部であることが特に好ましい。
上記(A)成分に対するアズレンスルホン酸及び/又はその塩の含有比率は、防腐力付与の観点から好適である。
(B)成分における塩化亜鉛は、亜鉛又は他の亜鉛化合物であってもよい。亜鉛又は亜鉛化合物とは、少なくとも一つの亜鉛原子を含む単体又は化合物であり、亜鉛、無機亜鉛塩、有機亜鉛塩、及びこれらの水和物等のいずれの形態であっても使用することができる。
亜鉛又は亜鉛化合物としては、亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、硝酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、2−オキソグルタル酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、アルミン酸亜鉛、弗化亜鉛、沃化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、クロム酸亜鉛、安息香酸亜鉛、酢酸亜鉛、パラアミノ安息香酸亜鉛、パラジメチルアミノ安息香酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、パラメトキシ桂皮酸亜鉛、2−メルカプトピリジン−N−オキシド亜鉛、ピクリン酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、セバシン酸亜鉛、トリポリリン酸亜鉛ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、カプリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ポリホスホン酸亜鉛、コンドロイチン硫酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛、アスコルビン酸亜鉛、ジンクピリチオン、ヒノキチオール亜鉛、亜鉛ジピコリネート、亜鉛グリセロレート錯体、ビスヒスチジン亜鉛錯体、亜鉛−3,4−ジヒドロキシ安息香酸錯体、及びこれらの水和物等が挙げられる。
これらの亜鉛及び/又は亜鉛化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。防腐力付与の観点から、亜鉛及び/又は亜鉛化合物としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、又はクエン酸亜鉛が好ましく、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、又は乳酸亜鉛がより好ましく、塩化亜鉛が更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物における、亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有量は特に限定されず、亜鉛及び/又は亜鉛化合物の種類、併用する(A)成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、亜鉛及び/又は亜鉛化合物の総含有量が、0.00002〜0.5w/v%であることが好ましく、0.0001〜0.1w/v%であることがより好ましく、0.00025〜0.01w/v%であることが更に好ましい。
上記亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有量は、防腐力付与の観点から好適である。
本実施形態に係る水性組成物における、(A)成分に対する亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有比率としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、亜鉛及び/又は亜鉛化合物の総含有量が、0.00002〜200質量部であることが好ましく、0.0001〜20質量部であることがより好ましく、0.0005〜2質量部であることが更に好ましく、0.002〜0.5質量部であることが特に好ましい。
上記(A)成分に対する亜鉛及び/又は亜鉛化合物の含有比率は、防腐力付与の観点から好適である。
本実施形態に係る水性組成物には、後述する通り、その使用目的に応じて、種々の薬理活性成分、生理活性成分等を配合することができ、さらに、各種の添加剤も配合することができる。この場合、生理活性成分、添加物等の溶解性を向上させるために、溶解補助剤として、界面活性剤を配合することができる。
本実施形態に係る水性組成物に配合することができる界面活性剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、具体的には、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油10、POEヒマシ油35等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE−POPアルキルエーテル;POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ステアリン酸ポリオキシル40等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、括弧内の数字は付加モル数を示す。
両性界面活性剤としては、具体的には、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩(例えば、塩酸塩等)等が例示される。
また、陽イオン性界面活性剤としては、具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が例示される。
そして、陰イオン性界面活性剤としては、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸等が例示される。
これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POPブロックコポリマー、モノステアリン酸ポリエチレングリコールがより好ましく、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレンヒマシ油10、ポリオキシエチレンヒマシ油35、ポロクサマー407、ステアリン酸ポリオキシル40が更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物に界面活性剤を配合する場合、その含有量は、該界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。界面活性剤の含有量としては、例えば、本発明の水性組成物の総量を基準として、界面活性剤の総含有量が、0.001〜3w/v%であることが好ましく、0.005〜2w/v%であることがより好ましく、0.01〜1w/v%であることが更に好ましく、0.05〜1w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物は、更に緩衝剤を含有することができる。これにより、水性組成物のpHを調整できる。緩衝剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような緩衝剤の一例として、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、アスパラギン酸、アスパラギン酸塩等が挙げられる。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、又はホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等のホウ酸塩が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、又はリン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等のリン酸塩が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸、又は炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等の炭酸塩が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸、又はクエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等);クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等);アスパラギン酸又はその塩(アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カリウム等)等が例示できる。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組合せ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組合せ等)、クエン酸緩衝剤(例えば、クエン酸とクエン酸ナトリウムの組合せ等)が好ましい。防腐力付与の観点から、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤が特に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物に緩衝剤を配合する場合、その含有量は、該緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。緩衝剤の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、該緩衝剤の総含有量が、0.01〜10w/v%であることが好ましく、0.05〜7.5w/v%であることがより好ましく、0.1〜5w/v%であることが更に好ましく、0.5〜3w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物は、更に等張化剤を含有していてもよい。等張化剤としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような等張化剤の具体例として、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。
これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。等張化剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブドウ糖、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、又は塩化マグネシウムが好ましく、塩化ナトリウム又はグリセリンがより好ましく、防腐力付与の観点から、塩化ナトリウムが更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物に等張化剤を配合する場合、その含有量は、該等張化剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、該水性組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。等張化剤の含有量としては、例えば、本実施形態に係る水性組成物の総量を基準として、該等張化剤の総含有量が0.01〜10w/v%であることが好ましく、0.05〜5w/v%であることがより好ましく、0.1〜3w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物は、さらに粘稠剤を含有することができる。これにより、本実施形態に係る水性組成物の粘度を調整できる。
粘稠剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90等)、カルボキシビニルポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(BASF Wyandotte Coproration、プルロニック、テトロニック等)、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910等)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ニトロセルロース又はそれらの塩等]、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000等)、コンドロイチン硫酸ナトリウム、アラビアゴム、トラガント、デキストラン(40、70等)、ブドウ糖、ソルビトール等が例示でき、好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90)、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩等)、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000等)、デキストラン(70)であり、さらに好ましくはポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90)、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ポリエチレングリコール(マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール4000、マクロゴール6000)、デキストラン(70)である。
これらの粘稠剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る水性組成物は、さらに、テルペノイドを含有することができる。本実施形態に係る水性組成物に用いられるテルペノイドは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。本実施形態に係る水性組成物に用いられるテルペノイドとして、例えば、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、これらの誘導体等を用いることができる。これらの化合物はd体、l体及びdl体のいずれであってもよい。また、本実施形態に係る水性組成物において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等が挙げられる。
これらのテルペノイドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。テルペノイドとして、メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオールが好ましく、メントール、カンフルが更に好ましく、l−メントール、dl−メントール等のメントールが特に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物のpHについては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。水性組成物のpHとしては、例えば、4.0〜9.5であることが好ましく、5.0〜9.0であることがより好ましく、5.5〜8.5であることが更に好ましい。
また、本実施形態に係る水性組成物の浸透圧については、生体に許容される範囲内であれば、特に制限されない。水性組成物の浸透圧比としては、例えば、0.5〜5.0であることが好ましく、0.6〜3.0であることがより好ましく、0.7〜2.0であることが更に好ましく、0.9〜1.55であることが特に好ましい。浸透圧の調整は、無機塩、多価アルコール、糖アルコール、糖等を用いて、当該技術分野で既知の方法で行うことができる。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(氷点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)については、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500〜650℃で40〜50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る水性組成物の粘度については、生体に許容される範囲内であれば特に制限されない。回転粘度計(RE550型粘度計、東機産業社製、ローター:1°34’xR24)で測定した25℃における粘度が、例えば、0.01〜1000mPa・sであることが好ましく、0.05〜100mPa・sであることがより好ましく、0.1〜10mPa・sであることが更に好ましい。
本実施形態に係る水性組成物は、本発明の効果を妨げない限り、上記成分の他に、種々の薬理活性成分や生理活性成分を組み合わせて適当量含有してもよい。かかる成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造(輸入)承認基準2000年版(薬事審査研究会監修)に記載された各種医薬における有効成分が例示できる。具体的には、眼科用薬において用いられる成分としては、次のような成分が挙げられる。
抗ヒスタミン剤又は抗アレルギー剤:例えば、ケトチフェン、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、ペミロラストカリウム、クロモグリク酸ナトリウム等。
充血除去剤:テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピン等。
殺菌剤:例えば、アクリノール、セチルピリジニウム、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド等。
ビタミン類:フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、酢酸トコフェロール等。
アミノ酸類:アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、アミノエチルスルホン酸等。
消炎剤:例えば、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アラントイン、トラネキサム酸、ベルベリン、リゾチーム、甘草等。
その他:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、スルファメトキサゾール、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、紫根、セイヨウトチノキ、及びこれらの塩等。
本実施形態に係る水性組成物には、発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途や製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。それらの添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性担体。
増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等。これらはD体、L体及びDL体のいずれでもよい。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
安定化剤:トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、ジブチルヒドロキシトルエン等。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
本実施形態に係る水性組成物は、所望量の上記(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように担体に添加することにより調製される。例えば、眼科用組成物の場合、精製水で前記成分を溶解又は懸濁させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。上記(A)成分、(B)成分、及びその他疎水性の高い成分の溶解に関しては、予め界面活性剤等の溶解補助作用のある成分とあわせて攪拌を行なってから、さらに精製水を加えて溶解又は懸濁させてもよい。
本実施形態は、別の観点から、(A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、アズレンスルホン酸及びその塩、並びに、塩化亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種と、を含む、水性組成物に防腐力を付与する方法を提供するものである。
本実施形態において水性組成物とは、水の含有量が、該水性組成物の総量に対して、85w/v%以上の組成物を意味する。該水性組成物における水の含有量は、90w/v%以上であることが好ましく、92w/v%以上であることがより好ましく、94w/v%以上であることが更に好ましく、96w/v%以上であることが特に好ましい。本実施形態に係る水性組成物に用いられる水としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される水を使用すればよく、このような水として、具体的には、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水、注射用蒸留水等が例示できる。また本実施形態における水性組成物の剤型については、特に制限されないが、液剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられ、液状であることが好ましい。これらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る水性組成物は、オロパタジン又はその塩に基づく薬理作用のみならず、イプシロン−アミノカプロン酸もしくはその塩、アズレンスルホン酸もしくはその塩、又は、塩化亜鉛に基づく薬理作用をも発現できるため、抗炎症、抗アレルギー等の用途に有効であり、とりわけ、外眼部及び前眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)の対症療法、並びに、アレルギー性結膜炎及び春季カタルの治療等の用途で、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用できる。
本実施形態に係る水性組成物は、医薬品及び医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、粘膜適用組成物(眼科用組成物及び鼻腔用組成物等)、経口用組成物、点耳用組成物、皮下投与用組成物、及び皮膚外用組成物等の様々な用途で使用することができる。
本実施形態に係る水性組成物は、角膜及び結膜等の眼粘膜、口腔粘膜、鼻腔粘膜、並びに咽頭部粘膜等に適用される粘膜適用組成物として有用である。
本実施形態に係る水性組成物は、具体的には、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、人工涙液、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、眼軟膏剤等の眼科用組成物;コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等];点鼻剤、鼻洗浄液等の鼻腔用組成物;口腔咽頭薬、含嗽薬(含嗽用剤)等の口腔用組成物;点耳薬等として用いることができる。この中でも、(A)成分、(B)成分の薬理作用を鑑みれば、本実施形態に係る水性組成物が、粘膜適用組成物であることが好ましく、眼科用組成物であることがより好ましく、点眼剤であることが更に好ましい。
なお、上記コンタクトレンズ用組成物は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズを含むあらゆるコンタクトレンズに適用可能である。また、ソフトコンタクトレンズとは、イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(以下、SHCLと略記することもある。)及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(シリコーンハイドロゲルレンズでは無いソフトコンタクトレンズ)の双方を包含する。
本実施形態に係る水性組成物は、防腐力に優れており、従来から使用されてきた塩化ベンザルコニウム等の防腐剤を減らすことができるため、その吸着が懸念されるコンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズ用組成物として好適に用いられる。
本実施形態に係る水性組成物は、防腐力に優れている。このため、本実施形態に係る水性組成物は、マルチドーズ型の水性組成物、即ち製品を一旦開封した後、数回以上に亘り使用される水性組成物として好適に用いられ、該水性組成物を数日、あるいは数週間以上、安定して保存することができる。
本実施形態に係る水性組成物は、医薬分野で一般的に使用されている容器に収容して医薬製品として提供される。本実施形態に係る水性組成物を収容する容器としては、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。また、本実施形態に係る水性組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本実施形態に係る水性組成物を収容する容器として、プラスチック製の容器を使用する場合、該プラスチック容器の構成材質としては、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミドのいずれか1種、これらの共重合体、または2種以上の混合体が挙げられる。また、上記共重合体としては、エチレン−2,6−ナフタレート単位、アリレート単位、エチレンテレフタレート単位、プロピレン単位、エチレン単位、イミド単位のいずれか1種を主体として、他のポリエステル単位、イミド単位を含む共重合体が挙げられる。本実施形態に係る水性組成物を収容する容器としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器が特に好ましい。なお、本明細書中、特に記載の無い限り、ポリエチレンテレフタレート製容器と記載する場合は、容器の構成材質全体の重量に対し、ポリエチレンテレフタレートが50w/w%以上であるものを意味する。
以下に、実施例及び試験例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されるものではない。
試験例1 防腐力に関する試験(1)
下記表1に示す組成の水性組成物を常法により調製し、次いで、調製した水性組成物(試験液)の防腐力試験を、第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験法に従って実施した。具体的には、まず、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で、24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、15mLコニカルチューブ(CORNING製:PET)に、ろ過滅菌した各水性組成物を10mLずつ充填した。この水性組成物に、生菌数(最終濃度)が約10CFU/mLとなるよう、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。試料を遮光下25℃で保存した。接種24、72時間後に菌を含む試料を計数に適切な濃度となるよう調製し、レシチン・ポリソルベート80加・ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・寒天培地(SCDLP寒天培地)上に播種した。33℃にて一晩培養後、観察されたコロニー数を生菌数としてカウントした。下記式[式I]に従って、菌数の対数減少値を算出した。対数減少値が大きいほど、菌の減少が顕著であったことを示す。算出の結果を表1に併せて示す。
[式I] 対数減少値=LOG10(試験液添加前の生菌数)−LOG10(試験液添加後の生菌数)
Figure 0006027866
表1に示す通り、塩酸オロパタジン及びイプシロン−アミノカプロン酸を含有しない水性組成物(比較例1)、並びに、塩酸オロパタジン(比較例2)又はイプシロン−アミノカプロン酸(比較例3)を単独で含有する水性組成物と比較して、塩酸オロパタジンと共に、イプシロン−アミノカプロン酸を含有する水性組成物(実施例1)においては、顕著に菌数の対数減少値が増加し、防腐力が増強された。
試験例2 防腐力に関する試験(2)
下記表2に示す組成の水性組成物を常法により調製し、次いで、調製した水性組成物(試験液)の防腐力試験を、試験例1と同様に第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験法に従って実施し、接種72時間後の生菌数をカウントした。上記式[式I]に従って、菌数の対数減少値を算出した結果を表2に併せて示す。
Figure 0006027866
表2に示す通り、塩酸オロパタジン及びイプシロン−アミノカプロン酸を含有しない水性組成物(比較例4)、並びに、塩酸オロパタジンを単独で含有する水性組成物(比較例5)と比較して、塩酸オロパタジンと共に、イプシロン−アミノカプロン酸を含有する水性組成物(実施例2)においては、顕著に菌数の対数減少値が増加し、防腐力が増強された。
試験例3 防腐力に関する試験(3)
下記表3に示す組成の水性組成物を常法により調製し、防腐力を評価した。次いで、調製した水性組成物(試験液)の防腐力試験を、試験例1と同様に第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験法に従って実施し、接種72時間後の生菌数をカウントした。上記式[式I]に従って、菌数の対数減少値を算出した結果を表3に併せて示す。
Figure 0006027866
表3に示す通り、塩酸オロパタジン及びアズレンスルホン酸ナトリウムを含有しない水性組成物(比較例6)、並びに、塩酸オロパタジン(比較例7)又はアズレンスルホン酸ナトリウム(比較例8)を単独で含有する水性組成物と比較して、塩酸オロパタジンと共に、アズレンスルホン酸ナトリウムを含有する水性組成物(実施例3)においては、顕著に菌数の対数減少値が増加し、防腐力が増強された。
[試験例4 防腐力に関する試験(4)]
下記表4に示す組成の水性組成物を常法により調製し、防腐力を評価した。次いで、調製した水性組成物(試験液)の防腐力試験を、試験例1と同様に第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験法に従って実施し、接種24時間後の生菌数をカウントした。上記式[式I]に従って、菌数の対数減少値を算出した結果を表4に併せて示す。
Figure 0006027866
表4に示す通り、塩酸オロパタジン及び塩化亜鉛を含有しない水性組成物(比較例9)に、塩酸オロパタジンを含有させた場合(比較例10)では菌数が殆ど変化しなかったが、塩化亜鉛と共に塩酸オロパタジンを含有させた場合(実施例4)は、塩化亜鉛のみを含有させた場合(比較例11)と比較して、菌の減少が加速され、防腐力が増強されていた。また、ホウ酸緩衝剤を用いた場合(比較例12)においても、塩酸オロパタジン(比較例13)又は塩化亜鉛(比較例14)をそれぞれ単独で含有させた水性組成物と比較して、塩化亜鉛と共に塩酸オロパタジンを含有させた場合(実施例5)は、防腐力が増強された。
試験例5 防腐力に関する試験
下記表5に示す組成の水性組成物を常法により調製し、防腐力を評価した。次いで、調製した水性組成物(試験液)の防腐力試験を、試験例1と同様に第十六改正日本薬局方参考情報保存効力試験法に従って実施し、接種72時間後の生菌数をカウントした。上記式[式I]に従って、菌数の対数減少値を算出した。結果を表5に併せて示す。
Figure 0006027866
表5に示す通り、塩酸オロパタジン及び塩化亜鉛を含有しない水性組成物(比較例15)に、塩酸オロパタジンのみを含有させた水性組成物(比較例16)では菌数がほとんど変化しなかったが、塩化亜鉛と共に塩酸オロパタジンを含有させた場合(実施例6)は、塩化亜鉛のみを含有させた場合(比較例17)と比較して、菌の減少が加速され、防腐力が増強された。
[製剤例]
表6〜9に記載の処方で、点眼剤(製剤例1−7、9−18、20−22)、洗眼剤(製剤例8、19)が調製される。
Figure 0006027866

Figure 0006027866
Figure 0006027866

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Figure 0006027866
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Figure 0006027866

Claims (9)

  1. (A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、並びに、アズレンスルホン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、を含有する、水性組成物。
  2. (A)成分が塩酸オロパタジンである、請求項1に記載の水性組成物。
  3. アズレンスルホン酸の塩がアズレンスルホン酸ナトリウムである、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  4. (A)成分の総含有量1質量部に対して、イプシロン−アミノカプロン酸及び/又はその塩の総含有量が0.01〜5000質量部である、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  5. (A)成分の総含有量1質量部に対して、アズレンスルホン酸及び/又はその塩の総含有量が0.005〜50質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. さらに、ホウ酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤及び塩化ナトリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の水性組成物。
  7. 粘膜適用組成物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の水性組成物。
  8. 粘膜適用組成物が眼科用組成物である、請求項に記載の水性組成物。
  9. (A)オロパタジン及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、(B)イプシロン−アミノカプロン酸及びその塩、並びに、アズレンスルホン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも一種と、を配合することを特徴とする、水性組成物に防腐力を付与する方法。
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