JP7304168B2 - 点眼剤 - Google Patents
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Description
[1]
(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、点眼剤。
[2]
(B)酸性糖類及びセルロース系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]に記載の点眼剤。
[3]
酸性糖類が、グリチルリチン酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[2]に記載の点眼剤。
[4]
セルロース系高分子化合物が、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[2]又は[3]に記載の点眼剤。
[5]
pHが5.5~8.0である、[1]~[4]のいずれかに記載の点眼剤。
[6]
ソフトコンタクトレンズ装用中の点眼に使用される、[1]~[5]のいずれかに記載の点眼剤。
[7]
(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種の含有量が、点眼剤の全量を基準として、0.000001~0.05w/v%である、[1]~[6]のいずれかに記載の点眼剤。
[8]
点眼剤に(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、該点眼剤の保存効力を増強する方法。
[9]
(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、点眼剤用保存剤。
本実施形態に係る点眼剤は、(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(「(A)成分」ともいう。)を含有する。
(A)成分であるアレキシジン及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
本実施形態に係る点眼剤は、(B)酸性糖類及びセルロース系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも1種(「(B)成分」ともいう。)を更に含有してもよい。これにより、本発明による効果をより高めることができる。(B)成分である酸性糖類及びセルロース系高分子化合物は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等。
抗ヒスタミン剤:例えば、塩酸ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、ペミロラストカリウム、塩酸オロパタジン等。
消炎剤:例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、トラネキサム酸、ベルベリン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、リゾチーム、塩化リゾチーム、アズレンスルホン酸、アズレンスルホン酸ナトリウム、インドメタシン、プラノプロフェン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ケトプロフェン、フェルビナク、ベンダザック、ピロキシカム、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、硫酸亜鉛、イプシロン-アミノカプロン酸等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン等。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム等。
無機塩類:例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属の塩化物;塩化アンモニウム;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム等の金属の硫酸塩等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びそれらの塩等。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
安定化剤:例えば、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
非イオン界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポロクサマー類等。
陰イオン界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N-アシルタウリン塩等。
両性界面活性剤:例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等。
清涼化剤:メントール、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等。
ビニル化合物:例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等。
多価アルコール:例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール;グルコース、ラクトース、マルトース、フルクトース、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコール。
(A)成分以外の防腐剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロルヘキシジン及びその塩(具体的には、塩酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン)、エデト酸ナトリウム、塩化亜鉛、ジブチルヒドロキシトルエン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)等)、グローキル(ローディア社製商品名)等。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油、スクワラン等の動物油、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
本実施形態に係る点眼剤は、(A)成分を含有することにより、保存効力が向上している。したがって、本発明の一実施形態として、点眼剤に(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、該点眼剤の保存効力を増強する方法が提供される。
本実施形態に係る点眼剤は、(A)成分を含有することにより、粘度の低下が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、点眼剤に(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、該点眼剤を安定化させる方法が提供される。また、本発明の一実施形態として、点眼剤に(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、該点眼剤の粘度を安定化させる方法が提供される。
本実施形態に係る点眼剤は、(A)成分を含有することにより、滴下量のばらつきが抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、点眼剤に(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することを含む、該点眼剤における滴下量のばらつきを抑制する方法が提供される。
(A)成分は、点眼剤の保存効力を向上させる効果を奏する。したがって、本発明の一実施形態として、(A)アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、点眼剤用保存剤が提供される。
下記表1に示す点眼剤を、常法に従い調製した。表1における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤を60℃の恒温槽で3週間保管した。その後、以下の方法で各点眼剤の保存効力試験を第十七改正日本薬局方に基づいて実施した。
まず、Staphylococcus aureus(ATCC6538)を、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト斜面培地の表面に接種して、33℃で24時間培養した。培養菌体を白金耳で無菌的に採取し、適量の滅菌生理食塩水に浮遊させて、約1×107CFU/mLの生菌を含む細菌浮遊液を調製した。なお、浮遊液の生菌数は、別途培養して計測した。次に、50mLのCORNINGコニカルチューブ(PET)に、調製した各点眼剤を10mLずつ充填した。これらの各点眼剤に、生菌数(最終濃度)が約105CFU/mLとなるように、Staphylococcus aureus菌液(生理食塩水で懸濁)を接種し、よく攪拌して試料とした。菌を含む試料を遮光下23℃で7日間保存した。その後、菌を含む試料を計数に適切な濃度となるように調整し、トリプトソーヤ寒天培地(SCD寒天培地)上に播種し、33℃にて3日間培養後、観察されたコロニー数をカウントすることにより生菌数を求めた。接種直後の生菌数と、7日間保存後の試料中の生菌数を比較し、菌数の減少量をLog Reductionとして算出した。なお、計数のための菌の培養は、33℃にて3日間実施した。結果を表1に示す。
下記表2に示す点眼剤を、常法に従い調製した。表2における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤を60℃の恒温槽で3週間保管した。保管した各点眼剤について、試験例1と同様の方法で保存効力試験を実施した。結果を表2に示す。
また、ヒアルロン酸ナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースを含む各点眼剤において、アレキシジン二塩酸塩を配合した実施例2-2及び2-3の各点眼剤ではいずれも菌数が検出限界以下(Log Reduction:>4.1)であった。
下記表3に示す点眼剤を、常法に従い調製した。表3における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤を60℃の恒温槽で3週間保管した。保管した各点眼剤について、菌を含む試料を遮光下23℃で14日間保存したこと以外は試験例1と同様の方法で保存効力試験を実施した。結果を表3に示す。
96ウェル培養プレート(コーニング)にウサギ角膜上皮細胞株(SIRC)を1ウェルあたり2.5×104個の密度で播種し、37℃、湿度90%且つ5%CO2の条件下で1日間培養した。次に、Medium199(GIBCO)にウシ胎児血清(第一化学薬品)を10%(v/v)添加して細胞培養培地を調製した。続いて、調製した細胞培養培地にアレキシジン二塩酸塩を溶解して、成分の濃度が下記表4に示す濃度(保存効力を示す濃度)となるように調整した。得られた溶液を各ウェルに0.1mL添加し、24時間培養した。対照にはMedium199を添加した。培養後、上清を除去し、生細胞検出試薬(Cell Counting Kit-8;同仁化学)を10%(v/v)含有するMedium199にウシ胎児血清(第一化学薬品)を10%(v/v)添加して調製した細胞培養培地を添加して、37℃、湿度90%且つ5%CO2の条件で1時間インキュベートした。その後、分光光度計(VersaMax)にて生細胞に反応して発色した色素の吸光度(450nm)を測定した。下記式1を用いて、相対的細胞生存率を算出した。結果を表4に示す。
(式1)相対的細胞生存率(%)={(成分の溶液を添加したウェルにおける吸光度-培地及び生細胞検出試薬の混合液の吸光度)/(対照ウェルにおける吸光度-培地及び生細胞検出試薬の混合液の吸光度)}×100
下記表5に示す点眼剤を、常法に従い調製した。表5における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤の粘度を以下の方法により測定した。さらに、各点眼剤を透明ガラス瓶に10mL充填し密栓して、60℃の恒温槽内にて3週間保管した後、再度各点眼剤の粘度を以下の方法により測定した。
E型粘度計の一種であるTVE-20L形粘度計コーンプレートタイプ(トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本))に付属の標準コーンロータ(α=1°34’、半径(R)=24mm)をフルスケール・トルク6.737×10-5Nmのスプリングを介してモータで回転させた。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置した。各点眼剤1mLをコーンロータの所定の位置(プレート)に載置し、温度が20.0℃になるまで放置した。次いで、装置を各点眼剤の粘度に応じた回転数で回転させ、表示された粘度を読み取った。また、高精度の測定結果を得るために、各点眼剤の粘度測定前に、JIS Z 8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整した。なお、TVE-20L形粘度計コーンプレートタイプ以外の市販の粘度計を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることができる。
60℃での保管前後における粘度から、粘度低下率を下記式2に基づき算出した。結果を表5に示す。
(式2)粘度低下率(%)=100-(60℃で3週間保管後の粘度/60℃で保管前の粘度)×100
下記表6に示す点眼剤を、常法により調製した。表6における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤を内容積10mLのポリエチレンテレフタレート製点眼容器に10mL充填し、この容器にポリエチレン製ノズルを装着した。
ポリエチレン製ノズルとしては、30~50μLの滴下に適したノズルを使用した。この容器入り点眼剤をノズルの滴下口をほぼ垂直に下を向けて滴下し、1滴滴下毎に滴下重量を測定した。この操作を20回繰り返すことによって求めた平均滴下量(AVG:mg)及び標準偏差(SD:mg)から、下記式3によって滴下量のばらつき(変動係数CV:%)を算出した。得られた各変動係数を用いて、比較例に対する実施例の、滴下量のばらつき抑制率を下記式4に基づき算出した。結果を表6に示す。
(式3)滴下量のばらつき(変動係数CV:%)=(SD/AVG)×100
(式4)滴下量のばらつき抑制率(%)
={(比較例の変動係数-実施例の変動係数)/比較例の変動係数}×100
下記表7に示す点眼剤を、常法により調製した。表7における各成分の単位はw/v%である。次に、調製した各点眼剤について、試験例6と同様の方法で、比較例に対する実施例の、滴下量のばらつき抑制率を算出した。結果を表7に示す。
表8に記載の処方で、点眼剤を調製した(製剤例1~12)。表8中の単位は、表中に記載があるもの以外は全て(w/v%)である。
Claims (2)
- アレキシジン及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、
グリチルリチン酸、ヒドロキシエチルセルロース、アミノエチルスルホン酸、コンドロイチン硫酸及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する点眼剤であって、
前記アミノエチルスルホン酸の含有量が、点眼剤の総量を基準として、0.1~5w/v%である、点眼剤(ただし、ジグリシン又はその塩を含有する点眼剤を除く。)。 - ソフトコンタクトレンズ装用中の点眼に使用される、請求項1に記載の点眼剤。
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