JP2023030691A - 眼科組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユニットドーズ型容器に収容された場合であっても、より少ない力で滴下又は注出することのできる、操作性の良好な眼科組成物を提供すること。【解決手段】抗ヒスタミン剤を含有する眼科組成物であって、ユニットドーズ型容器に収容してなる眼科組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、眼科組成物に関する。
抗ヒスタミン剤は、目のかゆみを抑えることを目的として眼科製剤に配合されている(例えば、特許文献1)。
一方、眼科製剤を収容する容器として、単回の使用量のみ収容されるユニットドーズ型容器が用いられることがある。
特開2005-162747号公報
本発明者らは、眼科組成物がユニットドーズ型容器に収容された場合には、特に高齢者などの握力が弱い方においては、容器材質にかかわらず滴下する際に大きな力が必要とされるという新たな課題を見出した。
本発明は、ユニットドーズ型容器に収容された場合であってもより少ない力で滴下することのできる、操作性の良好な眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、以下の各発明を提供する。
[1]
(A)抗ヒスタミン剤を含有する眼科組成物であって、ユニットドーズ型容器に収容してなる眼科組成物。
[2]
(B)サルファ剤、及びテルペノイドからなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
pHが7.0~9.0である、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
本発明によれば、ユニットドーズ型容器に収容された場合であってもより少ない力で滴下することのできる、操作性の良好な眼科組成物を提供することができる。また、本発明によれば、使用後の容器内の液残りが抑制された眼科組成物、及び1滴量のバラつきが少ない眼科組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、特に記載のない限り、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本実施形態に係る眼科組成物は、抗ヒスタミン剤(単に「(A)成分」とも表記する。)を含有する。
抗ヒスタミン剤は、抗ヒスタミン作用を有する化合物、及びその塩である。抗ヒスタミン剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗ヒスタミン剤の具体例としては、クロルフェニラミン、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、ケトチフェン、オロパタジン、レボカバスチン、及びそれらの塩が挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、クロルフェニラミン及びその塩が好ましく、クロルフェニラミンマレイン酸塩がより好ましい。
抗ヒスタミン剤は、市販されているものを使用してもよい。抗ヒスタミン剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分の含有量は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.1w/v%、又は0.0005~0.05w/v%であってもよい。
(A)成分としてクロルフェニラミン及びその塩を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるクロルフェニラミン及びその塩の含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。クロルフェニラミン及びその塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.1w/v%、0.0006~0.05w/v%、0.006~0.03w/v%、0.01~0.03w/v%、0.015~0.03w/v%、又は0.02~0.03w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、サルファ剤、及びテルペノイドからなる群より選択される少なくとも1種(単に「(B)成分」とも表記する。)を更に含有してもよい。眼科組成物が(B)成分を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。本実施形態に係る眼科組成物は、サルファ剤又はテルペノイドのいずれか一方を含有するものであってもよく、サルファ剤及びテルペノイドの両方を含有するものであってもよいが、本発明による効果をより一層顕著に発揮できる観点から、サルファ剤及びテルペノイドの両方を含有することが好ましい。
サルファ剤は、分子内にスルホンアミド基を有する化合物、及びその塩である。サルファ剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
サルファ剤の具体例としては、スルファメトキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソキサゾール、スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン、スルファジアジン、及びそれらの塩が挙げられる。サルファ剤としては、スルファメトキサゾール及びその塩が好ましく、スルファメトキサゾールナトリウムがより好ましい。
サルファ剤は、市販されているものを使用してもよい。サルファ剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分としてサルファ剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるサルファ剤の含有量は特に限定されず、サルファ剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。サルファ剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.1~10w/v%、又は2~5w/v%であってもよい。
サルファ剤としてスルファメトキサゾール及びその塩を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるスルファメトキサゾールの含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。スルファメトキサゾール及びその塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.1~10w/v%、1~5w/v%、2~4w/v%、又は3~4w/v%であってもよい。
(B)成分としてサルファ剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対するサルファ剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びサルファ剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するサルファ剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、サルファ剤の総含有量が、1~500質量部、50~300質量部、又は100~200質量部であってもよい。
テルペノイドは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
テルペノイドとしては、例えば、環式テルペン及び非環式テルペンが挙げられる。
環式テルペンは、分子内に少なくとも1つの環構造を有するテルペノイドである。環式テルペンとしては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール(「リュウノウ」ともいう)、メントン、シネオール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ピネン、それらの誘導体等が挙げられる。
非環式テルペンは、分子内に環構造を有しないテルペノイドである。非環式テルペンとしては、例えば、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、酢酸リナリル、それらの誘導体等が挙げられる。
本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。
テルペノイドはd体、l体及びdl体のいずれでもよく、dl-メントール、d-メントール、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、l-カンフル、dl-ボルネオール、d-ボルネオール、l-ボルネオール、dl-メントン、d-メントン、l-メントンが例示される。ただし、ゲラニオール及びシネオール等のようにテルペノイドによっては光学異性体が存在しない場合もある。
テルペノイドとしては、メントール、カンフルが好ましく、メントールがより好ましく、l-メントールが更に好ましい。
テルペノイドは、市販されているものを使用してもよい。テルペノイドは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分としてテルペノイドを用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるテルペノイドの含有量は特に限定されず、テルペノイドの種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。テルペノイドの含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.00001~1w/v%、0.0001~0.5w/v%、又は0.0005~0.1w/v%であってもよい。テルペノイドを含有する精油を使用する場合、当該精油の含有量は、精油中のテルペノイド含有量が上記割合を満たすように設定される。
テルペノイドとしてメントールを用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるメントールの含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。メントールの総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.00001~0.1w/v%、0.0001~0.05w/v%、又は0.0005~0.03w/v%であってもよい。
(B)成分としてテルペノイドを用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対するテルペノイドの含有比率は特に限定されず、(A)成分及びテルペノイドの種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するテルペノイドの含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、テルペノイドの総含有量が、0.0001~5質量部、0.001~1質量部、又は0.01~0.1質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、抗炎症剤を更に含有してもよい。眼科組成物が抗炎症剤を更に含有することで、本発明による効果がより一層顕著に奏される。抗炎症剤は、抗炎症作用又は消炎作用を有する化合物、及びその塩である。抗炎症剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗炎症剤の具体例としては、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン、アズレン類(アズレン、アズレンスルホン酸、カマアズレン、グアイアズレン等)、グリチルリチン酸、亜鉛塩、リゾチーム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ブロムフェナク、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチル、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ケトプロフェン、フェルビナク、プラノプロフェン、及びそれらの塩が挙げられる。抗炎症剤としては、イプシロン-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸及びその塩が好ましい。グリチルリチン酸及びその塩としては、グリチルリチン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が好ましく、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸一アンモニウムがより好ましく、グリチルリチン酸二カリウムが更に好ましい。
抗炎症剤は、市販されているものを使用してもよい。抗炎症剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における抗炎症剤の含有量は特に限定されず、抗炎症剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。抗炎症剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.001~10w/v%、0.005~5w/v%、又は0.05~1w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び抗炎症剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、抗炎症剤の総含有量が、0.1~1000質量部、1~500質量部、又は5~100質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、緩衝剤を更に含有してもよい。眼科組成物が緩衝剤を更に含有することで、本発明による効果がより一層顕著に奏される。緩衝剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。緩衝剤としては、例えば、無機酸由来の緩衝剤である無機緩衝剤、及び有機酸又は有機塩基由来の緩衝剤である有機緩衝剤が挙げられる。
無機緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸又はその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸又はその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸又はその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤又は炭酸緩衝剤として、ホウ酸塩、リン酸塩又は炭酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等)などが例示できる。
有機緩衝剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。酢酸緩衝剤としては、酢酸又はその塩(酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。乳酸緩衝剤としては、乳酸又はその塩(乳酸アルカリ金属塩、乳酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。コハク酸緩衝剤としては、コハク酸又はその塩(コハク酸アルカリ金属塩等)が挙げられる。また、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤又はコハク酸緩衝剤として、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩又はコハク酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等);乳酸緩衝剤として、乳酸又はその塩(乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム等);コハク酸緩衝剤としてコハク酸又はその塩(コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム等)などが例示できる。トリス緩衝剤としては、例えば、トロメタモール又はその塩(トロメタモール塩酸塩等)が挙げられる。AMPD緩衝剤としては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール又はその塩が挙げられる。
緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組み合わせ等)が好ましく、ホウ酸及びその塩がより好ましく、ホウ酸とホウ砂の組み合わせが更に好ましい。
緩衝剤は、市販されているものを使用してもよい。緩衝剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における緩衝剤の含有量は特に限定されず、緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。緩衝剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.01~10w/v%、0.05~5w/v%、0.1~3w/v%、又は0.3~2w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する緩衝剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する緩衝剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、緩衝剤の総含有量が、0.1~1000質量部、1~500質量部、又は10~100質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、界面活性剤を更に含有してもよい。眼科組成物が界面活性剤を更に含有することで、本発明による効果がより一層顕著に奏される。界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(3)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油3)、POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)、POE(35)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油35)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数をそれぞれ示す。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩(例えば、塩酸塩等)等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α-スルホメチルエステル、α-オレフィンスルホン酸等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤が好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE・POPブロックコポリマーがより好ましい。
界面活性剤は、市販のものを使用してもよい。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における界面活性剤の含有量は特に限定されず、界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。界面活性剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.001~5w/v%、0.005~1w/v%、0.01~0.5w/v%、又は0.05~0.3w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する界面活性剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する界面活性剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、界面活性剤の総含有量が、0.01~100質量部、0.1~50質量部、又は1~10質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、増粘剤を更に含有してもよい。眼科組成物が増粘剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。増粘剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
増粘剤としては、例えば、セルロース系高分子化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、ポリビニル系高分子化合物(ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等)、カルボキシビニルポリマー、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、アラビアゴム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、寒天、アルギン酸及びその塩(ナトリウム塩等)、ムコ多糖類(例えば、ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸及びその塩(ナトリウム塩等)、コンドロイチン硫酸及びその塩(ナトリウム塩等))、デンプン、キチン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、カラギーナン、単糖類(ブドウ糖等)等が挙げられる。
増粘剤としては、セルロース系高分子化合物、ムコ多糖類、単糖類が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コンドロイチン硫酸及びその塩、ヒアルロン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩がより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸が更に好ましい。
増粘剤は、市販されているものを使用してもよい。増粘剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における増粘剤の含有量は特に限定されず、増粘剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、洗眼剤組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。増粘剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、洗眼剤組成物の総量を基準として、0.0001~5w/v%、0.001~1w/v%、又は0.01~0.5w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する増粘剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び増粘剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する増粘剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、増粘剤の総含有量が、0.01~100質量部、0.1~50質量部、又は1~10質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物のpHとしては、例えば、3.0~9.0であってよく、4.0~8.5であることが好ましく、5.0~8.5であることがより好ましく、5.5~8.5であることが更に好ましい。別の実施形態として、眼科組成物のpHとしては、例えば、7.0~9.0であってよく、7.3~9.0であることが好ましく、7.5~8.5であることがより好ましく、7.7~8.5であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0.4~5.0とすることができ、0.6~3.0とすることが好ましく、0.8~2.2とすることがより好ましく、1.0~1.8とすることが更に好ましい。浸透圧比は、第十七改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(TV-20型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34’×R24)で測定した20℃における粘度が1~10000mPa・sであることが好ましく、1~1000mPa・sであることがより好ましく、1~100mPa・sであることが更に好ましく、1~50mPa・sであることが更により好ましく、1~20mPa・sであることが特に好ましく、1.5~15mPa・sであることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他に種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、要指導・一般用医薬品製造販売承認基準2017年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
充血除去剤:例えば、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
眼筋調節薬剤:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、硫酸アトロピン、塩酸ピロカルピン等。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸トコフェロール、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、ピリドキシン塩酸塩、パンテノール、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等。
アミノ酸類:例えば、L-アルギニン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、リジン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ吉草酸、トリメチルグリシン、タウリン、アスパラギン酸及びそれらの塩等。
収斂剤:例えば、亜鉛華、乳酸亜鉛、硫酸亜鉛等。
本実施形態に係る眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2016(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
安定化剤:例えば、エデト酸、エデト酸塩類(エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等。
防腐剤:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン類第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ポリドロニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)、アレキシジン等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
等張化剤:例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油;スクワラン等の動物油;流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
本実施形態に係る眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満であることが好ましく、85w/v%以上99.5w/v%以下であることがより好ましく、90w/v%以上99.2w/v%以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物に使用される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。それらの定義は第十七改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る眼科組成物は、所望量の(A)成分、及び必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加及び混和することにより調製することができる。例えば、精製水でそれらの成分を溶解又は分散させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。また、後述のように本実施形態に係る眼科組成物は単回の使用量を収容するユニットドーズ型容器に収容されるところ、当該容器に収容された眼科組成物は、例えば、容器の成形、眼科組成物の充填及び容器の密封を連続的に行うブローフィルシール(BFS)法によって製造することができる。
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物は、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、人工涙液、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)、コンタクトレンズパッケージ液等]として用いることができる。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)であることが好ましい。本実施形態に係る眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1~3滴、1~2滴、又は2~3滴を1日2~4回、又は5~6回点眼して用いる方法を例示できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、単回の使用量を収容するユニットドーズ型容器に収容される。
本実施形態に係るユニットドーズ型容器の材質は特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE))、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン(環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC))及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を含むものが挙げられる。容器材質として、好ましくはポリエチレン、環状ポリオレフィン、及びポリエチレンと環状ポリオレフィンとを含むものであり、より好ましくは、ポリエチレン、及びポリエチレン(好ましくはLLDPE)とCOCとを含むものである。なお、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、容器材質はポリブチレンテレフタレート(PBT)を含まないことが好ましい。
本実施形態に係るユニットドーズ型容器に収容された眼科組成物を1滴滴下するのに必要な押圧力は、例えば、1~50N、3~20N、又は4~15Nであってもよい。ここで、眼科組成物を1滴滴下するのに必要な押圧力は、容器に対して10~80%となるように充填した容器を、両面テープ等で注出口が鉛直方向下向きになるように、実験台に対して垂直で堅固な壁面に固定し、フォースゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社、9500シリーズ)で容器の側面(眼科組成物を滴下する際に通常指で把持する部位)を押し出すことで測定することができる。
本実施形態に係るユニットドーズ型容器の容量は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、例えば、常温(例えば、23℃)、常圧(例えば、1.0atm)において0.1~5mL、0.3~3mL、又は0.5~2mLであってもよい。
本実施形態に係るユニットドーズ型容器に充填する眼科組成物の体積は、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、例えば、ユニットドーズ型容器容量の10~80%、20~70%、30~60%、又は50%であってもよい。
本実施形態に係るユニットドーズ型容器の厚みは、本発明の効果をより顕著に奏する観点から、例えば、0.15~1.0mm、0.2~0.8mm、又は0.27~0.6mmであってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、使用回数が単回となるように、1滴あたりの滴下量、中栓の形状、注出口の形状等を適宜設計することができる。
本実施形態に係る眼科組成物は、ユニットドーズ型容器入り眼科組成物としても提供され得る。本発明はまた、ユニットドーズ型容器に本発明の眼科組成物が収容された眼科用製品(点眼剤、洗眼剤、コンタクトレンズ関連製品等)と捉えることもできる。
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験例1:点眼液の押し出しやすさに関する試験(1)〕
表1及び2に示す眼科組成物を調製し、試験液とした。表1及び2における各成分の単位は全てw/v%である。ポリエチレン製のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)の蓋を分離した後、調製した試験液を0.5mLずつシリンジで充填した。試験液を充填した点眼容器を1本ずつ、両面テープで真下に滴下できるよう鉛直方向下向きに実験台に対して垂直で堅固な壁面に固定し、フォースゲージ(アイコーエンジニアリング株式会社、9500シリーズ)で容器の側面を押して、1滴滴下する際に必要となる力(N)を測定した。滴下は点眼液の実使用を想定し、一度の押圧で2滴連続で滴下した場合と、一度の押圧で1滴ずつ滴下した場合に必要な力を算出した。
一度の押圧で2滴連続で滴下した場合は、1滴目と2滴目を連続で滴下し、1滴目及び2滴目の滴下時の力を測定することを3回行い、それらの平均値を算出し(i)として評価した。
一度の押圧で1滴ずつ滴下した場合は、1滴滴下する際に必要な力を3回測定して算出した平均値を(ii)として評価した。なお、(i)の測定においては、一度の押圧ごとに容器の持ち手側を持ち、数回容器を下向きに振り、次の押圧時に吐出口に泡がかまないようにした。(ii)の測定においては、容器を振らず、そのまま次の測定を行った。
(i)の結果を表1、(ii)の結果を表2に併せて示す。なお、各試験液の浸透圧は試験液1-3が129mOsm、試験液1-4が396mOsm、試験液1-5が407mOsm、試験液1-9が133mOsm、試験液1-10が129mOsm、試験液1-12が408mOsm、試験液2-2が129mOsm、試験液2-3が396mOsm、試験液2-6が133mOsm、試験液2-7が129mOsm、試験液2-9が408mOsmであった。
Figure 2023030691000001
Figure 2023030691000002
試験液1-1及び2-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液では小さな力で滴下することができ、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウム又はl-メントールを含有した試験液ではより小さな力で滴下することができ、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウムとl-メントールを含有した試験液ではより一層小さな力で滴下することができた。界面活性剤を含有した試験液(試験液1-6~試験液1-12、試験液2-4~試験液2-9)についても同様の傾向が確認された。また、試験液のpHが高い方が小さな力で滴下できることが確認された。
〔試験例2:点眼液の押し出しやすさに関する試験(2)〕
表3、4及び5に示す眼科用水性組成物を調製し、試験液とした。表3、4及び5における各成分の単位は全てw/v%である。試験液として表3、4及び5に記載記載のものを使用したこと、容器として環状オレフィンコポリマーとポリエチレン混合素材のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)を使用したこと以外は、試験例1と同様の方法で試験を行った。
結果を表3、4及び5に併せて示す。なお、試験液の浸透圧は試験液3-6が396mOsm、試験液3-7が407mOsm、試験液3-10が133mOsm、試験液3-13が129mOsm、試験液3-15が408mOsm、試験液3-17が413mOsm、試験液4-3が129mOsm、試験液4-5が396mOsm、試験液4-6が407mOsm、試験液4-8が133mOsm、試験液4-9が129mOsm、試験液4-12が413mOsmであった。
Figure 2023030691000003
Figure 2023030691000004
Figure 2023030691000005
試験液3-1及び4-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液の方が小さな力で滴下することができ、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウム又はl-メントールを含有した試験液ではより小さな力で滴下することができ、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウムとl-メントールを含有した試験液ではより一層小さな力で滴下することが確認できた。界面活性剤を含有している試験液(試験液3-8~試験液3-17、試験液4-7~試験液4-12)についても同様の傾向が確認された。また、試験液のpHが高い方が小さな力で滴下することが確認された。
〔試験例3:容器内残液量の測定試験(1)〕
表6に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験液とした。表6における各成分の単位は全てw/v%である。蓋を分離したポリエチレン製のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)の1本の空重量を測定し、各試験液をシリンジで0.5mLずつ充填した。次に充填した各試験液を出し切った後の各点眼容器の重量を測定し、下記式(I)に従って、残液量(g)を算出した。
式(I):残液量(g)=試験溶液を出し切った後の点眼容器の重量(g)-点眼容器の空重量(g)
結果を表6に併せて示す。なお、試験液の浸透圧は試験液5-3が125mOsm、試験液5-6が396mOsm、試験液5-10が129mOsm、試験液5-12が408mOsmであった。
Figure 2023030691000006
試験液5-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液では容器内残液量が減少し、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウム又はl-メントールを含有した試験液ではより容器内残液量が減少し、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウムとl-メントールを含有した試験液ではより一層容器内残液量が減少した。界面活性剤を含有している試験液(試験液5-8~試験液5-13)についても同様の傾向が確認された。また、試験液のpHが高い方が容器内残液量が減少し、より使い切りやすくなることが確認された。
〔試験例4:容器内残液量の測定試験(2)〕
表7に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験液とした。表7における各成分の単位は全てw/v%である。蓋を分離した環状オレフィンコポリマーとポリエチレン混合素材のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)の1本の空重量を測定し、各試験液をシリンジで0.5mLずつ充填し、試験例3に準じて残液量(g)を算出した。
結果を表7に併せて示す。なお、試験液の浸透圧は試験液6-3が125mOsm、試験液6-5が396mOsm、試験液6-6が407mOsmであった。
Figure 2023030691000007
試験液6-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液では容器内の残液量が減少し、クロルフェニラミンマレイン酸塩とl-メントール又はスルファメトキサゾールナトリウムを含有した試験液ではより容器内の残液量が減少し、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウムとl-メントールを含有した試験液ではより一層容器内の残液量が減少した。界面活性剤を含有した試験液(試験液6-7~試験液6-12)についても同様の傾向が確認された。また、試験液のpHが高い方が容器内の残液量が減少し、より使い切りやすくなることが確認された。
〔試験例5:滴下量のバラつき試験(1)〕
表8に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験液とした。表8における各成分の単位は全てw/v%である。ポリエチレン製のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)の蓋を分離した後、調製した試験液をシリンジで0.5mLずつ充填した。容器を床面と平行になるように傾けて1滴ずつ滴下し、滴下した各試験液の重量を測定した。計10滴の重量を測定し、1滴量のバラつき(SD:g)を算出した。
結果を表8に併せて示す。なお、試験液の浸透圧は試験液7-4が396mOsmであった。
Figure 2023030691000008
試験液7-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液では1滴量のバラつきが抑制され、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウム又はメントールを含有した試験液ではよりバラつきが抑制され、クロルフェニラミンマレイン酸塩とスルファメトキサゾールナトリウムとl-メントールを含有した試験液ではさらに滴下量が安定することが確認された。また、試験液のpHが高い方が1滴量のバラつきが抑制されることが確認された。
〔試験例6:滴下量のバラつき試験(2)〕
表9に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験液とした。表9における各成分の単位は全てw/v%である。環状オレフィンコポリマーとポリエチレン混合素材のユニットドーズ点眼容器(常温及び常圧にて、収容部分の容積0.8mL、蓋部分の容積0.1mL)の蓋を分離した後、調製した試験液をシリンジで0.5mLずつ充填した。容器を床面と平行になるように傾けて1滴ずつ滴下し、滴下した各試験液の重量を測定した。計10滴の重量を測定し、1滴量のバラつき(SD:g)を算出した。
結果を表9に併せて示す。なお、試験液の浸透圧は試験液8-2が125mOsm、試験液8-5が407mOsm、試験液8-7が129mOsm、試験液8-9が408mOsmであった。
Figure 2023030691000009
試験液8-1に比べ、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有した試験液では1滴量のバラつきが抑制され、クロルフェニラミンマレイン酸塩とl-メントールを含有した試験液ではよりバラつきが抑制され、クロルフェニラミンマレイン酸塩とl-メントールとスルファメトキサゾールナトリウムを含有した試験液ではさらに滴下量が安定することが確認された。界面活性剤を含有する試験液(試験液8-6~試験液8-9)でも同様の傾向が見られた。また、試験液のpHが高い方が1滴量のバラつきが抑制されることが確認された。
〔製剤例〕
下記表10に記載の処方で、常法によりユニットドーズ型点眼容器に収容された点眼剤が調製される。なお、下記表10における各成分量の単位は、表中に明記したもの以外はw/v%である。
Figure 2023030691000010

Claims (3)

  1. (A)抗ヒスタミン剤を含有する眼科組成物であって、ユニットドーズ型容器に収容してなる眼科組成物。
  2. (B)サルファ剤、及びテルペノイドからなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、請求項1に記載の眼科組成物。
  3. pHが7.0~9.0である、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
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