JP2023008962A - 眼科組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンドロイチン硫酸又はその塩を含有する新たな眼科組成物を提供すること。【解決手段】重量平均分子量が3万~5万であるコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、メントールと、を含有する、眼科組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、眼科組成物に関する。
コンドロイチン硫酸又はその塩は酸性ムコ多糖の一種で、エネルギー代謝を促進させること、新陳代謝や細胞呼吸を促進して目の疲れを解消させること、涙液成分を補給すること等を目的として眼科製剤に配合されている(例えば、特許文献1)。
本発明は、コンドロイチン硫酸又はその塩を含有する新たな眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、メントールを配合した眼科組成物においては眼における不快な刺激や灼熱感が感じられることがあるのに対し、重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムにメントールを含有した眼科組成物では、意外にもこれらが顕著に抑制されることを見出した。
本発明は、例えば、以下の各発明を提供する。
[1]
重量平均分子量が3万~5万であるコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、メントールと、を含有する、眼科組成物。
[2]
ホウ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
クロロブタノールを更に含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[4]
充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンE類、アミノ酸及びその塩、並びにセルロース系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[1]
重量平均分子量が3万~5万であるコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、メントールと、を含有する、眼科組成物。
[2]
ホウ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
クロロブタノールを更に含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[4]
充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンE類、アミノ酸及びその塩、並びにセルロース系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
本発明によれば、メントールを含有しながら不快な刺激感が抑制された眼科組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、特に記載のない限り、含有量の単位「%」は「w/v%」を意味し、「g/100mL」と同義である。
本実施形態に係る眼科組成物は、重量平均分子量が3万~5万であるコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(単に「(A)成分」とも表記する。)と、メントール(単に「(B)成分」とも表記する。)とを含有する。
〔コンドロイチン硫酸及びその塩〕
コンドロイチン硫酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
コンドロイチン硫酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
コンドロイチン硫酸の塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられる。
コンドロイチン硫酸及びその塩としては、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸のアルカリ金属塩が好ましく、コンドロイチン硫酸及びコンドロイチン硫酸ナトリウムがより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウムが更に好ましい。
コンドロイチン硫酸及びその塩は、天然物であっても合成物であってもよいが、一般的に天然物である動物(好ましくは哺乳類、魚類、軟体動物等;より好ましくはウシ、サメ、イカ等;更に好ましくはサメ)に由来するコンドロイチン硫酸及びその塩が好適に用いられ、とりわけサメ由来のコンドロイチン硫酸が好適に用いられる。
コンドロイチン硫酸及びその塩は、市販のものを用いることもできる。コンドロイチン硫酸及びその塩は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本明細書において「重量平均分子量」とは、コンドロイチン硫酸及びその塩の極限粘度を元に後述の計算式にて算出した値を意味する(Biol. Rev(1967),42, 499-551)。また、極限粘度は第十七改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法にて測定することができる。上記の方法で算出されたコンドロイチン硫酸及びその塩の重量平均分子量は、3万~5万の範囲であれば特に制限されないが、31000~49000であることが好ましく、32000~48000であることがより好ましい。
<重量平均分子量の計算式>
コンドロイチン硫酸Cの場合:
[η]=5.8×10-4M-7.4
コンドロイチン硫酸A又はBの場合:
[η]=3.1×10-4M-7.4
なお、上記式において、ηは極限粘度、Mは重量平均分子量をそれぞれ表す。
<重量平均分子量の計算式>
コンドロイチン硫酸Cの場合:
[η]=5.8×10-4M-7.4
コンドロイチン硫酸A又はBの場合:
[η]=3.1×10-4M-7.4
なお、上記式において、ηは極限粘度、Mは重量平均分子量をそれぞれ表す。
本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分の含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、例えば、0.001~5w/v%、0.005~5w/v%、0.008~4w/v%、0.01~3w/v%、0.05~2w/v%、0.1~1w/v%、又は0.3~1w/v%であってもよい。
〔メントール〕
メントールは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
メントールは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
メントールはd体、l体及びdl体のいずれでもよく、l-メントール、d-メントール、dl-メントールが例示される。また、(B)成分として、メントールを含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ハッカ油、クールミント油、スペアミント油、ペパーミント油等が挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物における(B)成分の含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。メントールの含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.00001~0.5w/v%、0.0001~0.1w/v%、又は0.001~0.05w/v%であってもよい。なお、(B)成分として、メントールを含有する精油を使用する場合は、当該精油の配合割合は、配合される精油中のメントール含有量が上記配合割合を満たすように設定される。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(B)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B)成分の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.00001~10質量部、0.0001~1質量部、又は0.001~0.1質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、(A)成分及び(B)成分に加えて、ホウ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(単に「(C)成分」とも表記する。)を更に含有してもよい。眼科組成物が(C)成分を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。(C)成分は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されない。
ホウ酸及びその塩の具体例としては、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂が挙げられる。ホウ酸及びその塩としては、ホウ酸とホウ砂の組み合わせが好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)成分の含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(C)成分の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.01~5w/v%、0.05~3w/v%、又は0.1~2w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(C)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(C)成分の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.001~50質量部、0.01~10質量部、又は0.1~5質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、(A)成分、(B)成分及び必要に応じて(C)成分に加えて、クロロブタノール(単に「(D)成分」とも表記する。)を更に含有してもよい。眼科組成物が(D)成分を更に含有することで、本発明による効果がより一層顕著に奏される。(D)成分は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されない。
本実施形態に係る眼科組成物における(D)成分の含有量は特に限定されず、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(D)成分の含有量は、メントールによる不快な刺激感、灼熱感をより顕著に抑制する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0005~1w/v%、0.001~0.5w/v%、0.005~0.3w/v%、又は0.01~0.1w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(D)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(D)成分の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、(D)成分の総含有量が、0.0001~5質量部、0.001~1質量部、又は0.01~0.5質量部であってもよい。
本発明に係る眼科組成物の別の実施形態は、(A)成分及び(B)成分に加えて、充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、水溶性ビタミン及びアミノ酸類からなる群より選択される少なくとも1種(単に「(E)成分」とも表記する。)を更に含有してもよい。眼科組成物が(E)成分を更に含有することで、後述の試験例において確認されているとおり、使用後の容器への液残りを低減させる効果、目に製剤を入れた時の粘度によらず(高粘度製剤であっても)瞬きをしやすくする効果、紫外線による粘度変化を抑制する効果、及び/又は瞬き時の違和感を抑制する効果が奏される。
〔充血除去剤〕
充血除去剤は、目の充血を除去する作用を有する化合物、及びその塩である。充血除去剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
充血除去剤は、目の充血を除去する作用を有する化合物、及びその塩である。充血除去剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
充血除去剤の具体例としては、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン等のイミダゾリン化合物及びその塩(例えば、塩酸塩、硝酸塩);、エピネフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン、フェニレフリン及びそれらの塩(例えば、塩酸塩)が挙げられる。充血除去剤としては、イミダゾリン化合物及びその塩が好ましく、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン及びそれらの塩がより好ましく、テトラヒドロゾリン及びその塩が更に好ましく、テトラヒドロゾリン塩酸塩(塩酸テトラヒドロゾリン)が特に好ましい。
充血除去剤は、市販されているものを使用することもできる。充血除去剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分として充血除去剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における充血除去剤の含有量は特に限定されず、充血除去剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。充血除去剤の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.5w/v%、0.0006~0.1w/v%、又は0.0015~0.05w/v%であってもよい。
(E)成分としてテトラヒドロゾリン及びその塩を用いる場合、(E)成分の含有量としては、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.01~0.05w/v%、又は0.025~0.05w/v%であってもよい。
(E)成分として充血除去剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する充血除去剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び充血除去剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する充血除去剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、充血除去剤の総含有量が、0.0005~1質量部、0.0015~0.5質量部、又は0.025~0.25質量部であってもよい。
〔眼筋調節剤〕
眼筋調節剤は、眼筋(毛様体筋)を緊張又は弛緩させてピントを調節する作用を有する化合物、及びその塩である。眼筋調節剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
眼筋調節剤は、眼筋(毛様体筋)を緊張又は弛緩させてピントを調節する作用を有する化合物、及びその塩である。眼筋調節剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
眼筋調節剤の具体例としては、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤が挙げられ、より具体的には、ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、アトロピン及びその塩(例えば、硫酸塩、メチル硫酸塩)が挙げられる。眼筋調節剤としては、ネオスチグミン及びその塩が好ましく、メチル硫酸ネオスチグミンがより好ましい。
眼筋調節剤は、市販されているものを使用することもできる。眼筋調節剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分として眼筋調節剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における眼筋調節剤の含有量は特に限定されず、眼筋調節剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。眼筋調節剤の含有量は、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.05w/v%、0.0005~0.01w/v%、又は0.001~0.005w/v%であってもよい。
(E)成分として眼筋調節剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する眼筋調節剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び眼筋調節剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する眼筋調節剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、眼筋調節剤の総含有量が、0.0001~0.5質量部、0.0005~0.1質量部、又は0.001~0.05質量部であってもよい。
〔抗炎症剤〕
抗炎症剤は、抗炎症作用又は消炎作用を有する化合物、及びその塩である。抗炎症剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗炎症剤は、抗炎症作用又は消炎作用を有する化合物、及びその塩である。抗炎症剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗炎症剤の具体例としては、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、ベルベリン、アズレン類(アズレン、アズレンスルホン酸、カマアズレン、グアイアズレン等)、グリチルリチン酸、亜鉛塩、リゾチーム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ブロムフェナク、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチル、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ケトプロフェン、フェルビナク、プラノプロフェン、及びそれらの塩が挙げられる。抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、亜鉛塩が好ましい。グリチルリチン酸及びその塩としては、グリチルリチン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が好ましく、グリチルリチン酸二カリウム及びグリチルリチン酸一アンモニウムがより好ましく、グリチルリチン酸二カリウムが更に好ましい。亜鉛塩としては、硫酸亜鉛又は乳酸亜鉛が好ましく、硫酸亜鉛がより好ましい。また、亜鉛塩は、水和物(例えば、硫酸亜鉛7水和物)であってもよい。
抗炎症剤は、市販されているものを使用することもできる。抗炎症剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分として抗炎症剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における抗炎症剤の含有量は特に限定されず、抗炎症剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。抗炎症剤の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.001~1w/v%、0.005~0.6w/v%、又は0.05~0.3w/v%であってもよい。
(E)成分として抗炎症剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び抗炎症剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する抗炎症剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、抗炎症剤の総含有量が、0.001~10質量部、0.005~6質量部、又は0.05~3質量部であってもよい。
〔抗ヒスタミン剤〕
抗ヒスタミン剤は、抗ヒスタミン作用を有する化合物、及びその塩である。抗ヒスタミン剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗ヒスタミン剤は、抗ヒスタミン作用を有する化合物、及びその塩である。抗ヒスタミン剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗ヒスタミン剤の具体例としては、クロルフェニラミン、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、ケトチフェン、オロパタジン、レボカバスチン、及びそれらの塩が挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、クロルフェニラミン及びその塩が好ましく、クロルフェニラミンマレイン酸塩がより好ましい。
抗ヒスタミン剤は、市販されているものを使用することもできる。抗ヒスタミン剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分として抗ヒスタミン剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における抗ヒスタミン剤の含有量は特に限定されず、抗ヒスタミン剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。抗ヒスタミン剤の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.05w/v%、0.0006~0.05w/v%、0.006~0.04w/v%、又は0.015~0.03w/v%であってもよい。
(E)成分として抗ヒスタミン剤を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び抗ヒスタミン剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する抗ヒスタミン剤の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、抗ヒスタミン剤の総含有量が、0.0001~0.5質量部、0.0006~0.5質量部、0.006~0.4質量部、又は0.015~0.3質量部であってもよい。
〔ビタミンA類〕
ビタミンA類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンA類として具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。
ビタミンA類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンA類として具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。
ビタミンA類の誘導体としては、例えば、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、酪酸レチノール、プロピオン酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、オレイン酸レチノール及びリノレン酸レチノール等の1価のカルボン酸とのエステルが挙げられる。
ビタミンA類の塩としては、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]が挙げられる。
ビタミンA類としては、レチノールの誘導体が好ましく、レチノールと1価のカルボン酸とのエステルがより好ましく、パルミチン酸レチノール及び酢酸レチノールが更に好ましく、パルミチン酸レチノールが更により好ましい。
ビタミンA類としては、合成物を使用してもよいし、又は天然物から得られる抽出物(例えば、ビタミンA油など)を使用してもよい。ビタミンA油とは、レチノールを含有する動物の組織等から得られる脂肪油、若しくはその濃縮物、又はそれらに植物油を適宜添加したものである。ビタミンA類は、市販されているものを使用することもできる。ビタミンA類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分としてビタミンA類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるビタミンA類の含有量は、眼科組成物の総量を基準として、0.1万~10万IU/100mL、0.5万~7.5万IU/100mL、又は1万~5万IU/100mLであってもよい。
「IU」とは、第十七改正日本薬局方ビタミンA定量法等に記載の手法により求められる国際単位を意味する。例えば、第十七改正日本薬局方の医薬品各条において、酢酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA250万単位以上を含むこと、パルミチン酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA150万単位以上を含むことが記載されている。
(E)成分としてビタミンA類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分に対するビタミンA類の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びビタミンA類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するビタミンA類の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、ビタミンA類の総含有量が、0.01万~100万IU/g、0.05万~75万IU/g、又は1万~50万IU/gであってもよい。
〔ビタミンB類〕
ビタミンB類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
ビタミンB類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
ビタミンB類の具体例としては、フラビンアデニンジヌクレオチド及びその塩(フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム等)、コバラミン類(シアノコバラミン、メチルコバラミン等)、パントテン酸及びその塩(例えば、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カリウム、パントテン酸カルシウム、パントテン酸マグネシウム等)、パンテノール、ピリドキシン又はその塩(ピリドキシン塩酸塩等)、ピリドキサール及びその塩(リン酸ピリドキサール等)が挙げられる。ビタミンB類としては、パンテノール、ピリドキシン又はその塩がより好ましい。
ビタミンB類として、市販されているものを使用することもできる。ビタミンB類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分としてビタミンB類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるビタミンB類の含有量は特に限定されず、ビタミンB類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。ビタミンB類の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0005~0.5w/v%、0.001~0.25w/v%、又は0.01~0.1w/v%であってもよい。
(E)成分としてビタミンB類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分に対する水溶性ビタミンの含有比率は特に限定されず、(A)成分及びビタミンB類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するビタミンB類の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、ビタミンB類の総含有量が、0.0005~5質量部、0.001~2.5質量部、又は0.01~1質量部であってもよい。
〔ビタミンE類〕
ビタミンE類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンE類の具体例としては、例えば、トコフェロール、トコトリエノール及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。トコフェロール及びトコトリエノールは、α-、β-、γ-、及びδ-のいずれであってもよく、またd体及びdl体のいずれであってもよい。
ビタミンE類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンE類の具体例としては、例えば、トコフェロール、トコトリエノール及びこれらの誘導体、並びにこれらの塩が挙げられる。トコフェロール及びトコトリエノールは、α-、β-、γ-、及びδ-のいずれであってもよく、またd体及びdl体のいずれであってもよい。
ビタミンE類の誘導体としては、例えば、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、リノレン酸トコフェロール等の有機酸とのエステルが挙げられる。
ビタミンE類の塩としては、例えば、有機酸塩(乳酸塩、酢酸塩、酪酸塩、トリフルオロ酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、アミノ酸、トリピリジン、ピコリンなどの有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩等)が挙げられる。
ビタミンE類としては、d-α-トコフェロール、dl-α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、ビタミンE酢酸エステル(例えば、酢酸トコフェロール)、ビタミンEニコチン酸エステル、ビタミンEコハク酸エステル、ビタミンEリノレン酸エステルが好ましく、酢酸トコフェロール(例えば、酢酸d-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール等)がより好ましい。
ビタミンE類は、天然品、合成品のいずれであってもよい。ビタミンE類は、市販されているものを使用することもできる。ビタミンE類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分としてビタミンE類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるビタミンE類の含有量は特に限定されず、ビタミンE類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。ビタミンE類の含有量は、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.5w/v%、0.0005~0.1w/v%、又は0.005~0.05w/v%であってもよい。
(E)成分としてビタミンE類を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対するビタミンE類の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びビタミンE類の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するビタミンE類の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、ビタミンE類の総含有量が、0.0001~5質量部、0.0005~1質量部、又は0.005~0.5質量部であってもよい。
〔アミノ酸及びその塩〕
アミノ酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
アミノ酸及びその塩は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
アミノ酸及びその塩としては、例えば、L-アスパラギン酸又はその塩(例えば、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-アスパラギン酸カルシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(L-アスパラギン酸マグネシウムとL-アスパラギン酸カリウムとの等量混合物))、アミノエチルスルホン酸又はその塩、L-アルギニン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、リジン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ吉草酸、トリメチルグリシン及びそれらの塩等が挙げられる。アミノ酸及びその塩は、市販のものを用いることもできる。アミノ酸及びその塩としては、L体、D体、DL体のいずれであってもよく、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム及びL-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム等量混合物等が例示される。アミノ酸及びその塩の中でも、本発明による効果をより一層高める観点から、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸及びそれらの塩が好ましく、アミノエチルスルホン酸が特に好ましい。
(E)成分としてアミノ酸及びその塩を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるアミノ酸及びその塩の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.001~5w/v%、0.01~3w/v%、又は0.1~2w/v%であってもよい。
(E)成分としてアミノ酸及びその塩を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分に対するアミノ酸及びその塩の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びアミノ酸及びその塩の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するアミノ酸及びその塩の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、アミノ酸及びその塩の総含有量が、0.001~50質量部、0.01~30質量部、又は0.1~20質量部であってもよい。
〔セルロース系高分子化合物〕
セルロース系高分子化合物は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
セルロース系高分子化合物は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
セルロース系高分子化合物としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、及びそれらの塩が挙げられる。セルロース系高分子化合物としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びそれらの塩が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びその塩がより好ましい。このような塩としては、例えば有機塩基との塩(アミン塩、アルギニン等の塩基性アンモニウム塩等)、無機塩基との塩(アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩等)等が挙げられ、中でもナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
セルロース系高分子化合物として、市販されているものを使用することもできる。セルロース系高分子化合物は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(E)成分としてセルロース系高分子化合物を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物におけるセルロース系高分子化合物の含有量は特に限定されず、セルロース系高分子化合物の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。セルロース系高分子化合物の含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.001~3w/v%、0.005~1w/v%、又は0.01~0.6w/v%であってもよい。
(E)成分としてセルロース系高分子化合物を用いる場合、本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対するセルロース系高分子化合物の含有比率は特に限定されず、(A)成分及びセルロース系高分子化合物の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するセルロース系高分子化合物の含有比率は、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、セルロース系高分子化合物の総含有量が、0.001~30質量部、0.005~10質量部、又は0.01~6質量部であってもよい。
本発明に係る眼科組成物の別の実施形態は、(A)成分、(B)成分、(E)成分に加えて(C)成分(ホウ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種)を更に含有してもよい。眼科組成物が(C)成分を更に含有することで、使用後の容器への液残りを低減させる効果、紫外線による粘度変化を抑制する効果、目に製剤を入れた時の粘度によらず(高粘度製剤であっても)瞬きをしやすくする効果及び/又は瞬き時の違和感を抑制する効果がより顕著に奏される。なお、本実施形態における(C)成分の種類及び含有量等については、上記で説明したとおりである。
本実施形態に係る眼科組成物は、界面活性剤を更に含有してもよい。眼科組成物が界面活性剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば特に制限されず、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル;POE(40)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40)、POE(60)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60)等のPOE硬化ヒマシ油;POE(3)硬化ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油3)、POE(10)ヒマシ油(ポリオキシエチレンヒマシ油10)等のPOEヒマシ油;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル;POE(196)POP(67)グリコール(ポロクサマー407、プルロニックF127)、POE(200)POP(70)グリコール等のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、上記で例示する化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数をそれぞれ示す。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジアミノエチルグリシン又はその塩(例えば、塩酸塩等)等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、脂肪族α-スルホメチルエステル、α-オレフィンスルホン酸等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
これらの界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤が好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POPブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルがより好ましく、POEソルビタン脂肪酸エステル、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE・POPブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルがさらに好ましい。界面活性剤は、市販のものを用いることもできる。界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における界面活性剤の含有量は特に限定されず、界面活性剤の種類、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。界面活性剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.001~3w/v%、0.005~1w/v%、又は0.01~0.5w/v%であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する界面活性剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する界面活性剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1質量部に対して、界面活性剤の総含有量が、0.001~30質量部、0.005~10質量部、又は0.01~5質量部であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0~9.5であってよく、4.0~9.0であることが好ましく、4.5~9.0であることがより好ましく、4.5~8.5であることが更に好ましく、5.0~8.5であることが更により好ましく、5.0~8.0であることが特に好ましく、5.3~7.5であることがさらに特に好ましく、5.5~7.0であることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0.4~5.0とすることができ、0.6~3.0とすることが好ましく、0.8~2.2とすることがより好ましく、0.8~2.0とすることが更に好ましい。浸透圧比は、第十七改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(TV-20型粘度計、東機産業社製、ローター;1°34’×R24)で測定した20℃における粘度が1~10000mPa・sであることが好ましく、1~8000mPa・sであることがより好ましく、1~1000mPa・sであることが更に好ましく、1~100mPa・sであることが更により好ましく、1~20mPa・sであることが特に好ましく、1.5~10mPa・sであることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分に加えて種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、要指導・一般用医薬品製造販売承認基準2017年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
ビタミン類:例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等。
収斂剤:例えば、亜鉛華等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びそれらの塩等。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
ビタミン類:例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム等。
収斂剤:例えば、亜鉛華等。
その他:例えば、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン及びそれらの塩等。
本実施形態に係る眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2016(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
(B)成分以外の香料又は清涼化剤:例えば、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。
セルロース系高分子化合物以外の増粘剤:例えば、グアーガム;ヒドロキシプロピルグアーガム;アラビアゴム;カラヤガム;キサンタンガム;寒天;アルギン酸及びその塩(ナトリウム塩等);ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸及びその塩(ナトリウム塩等)の((A)成分以外の))ムコ多糖類;デンプン;キチン及びその誘導体;キトサン及びその誘導体;カラギーナン;ブドウ糖等の単糖類等。
(C)成分以外の緩衝剤:例えば、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等。
安定化剤:例えば、エデト酸、エデト酸塩類(エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等。
防腐剤:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン類第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ポリドロニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)、アレキシジン等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
等張化剤:例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油;スクワラン等の動物油;流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
(B)成分以外の香料又は清涼化剤:例えば、メントン、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、シトロネロール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、チモール、シメン、テルピネオール、ピネン、カンフェン、イソボルネオール、フェンチェン、ネロール、ミルセン、ミルセノール、酢酸リナロール、ラバンジュロール、ユーカリ油、ベルガモット油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油、樟脳油等。これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。
セルロース系高分子化合物以外の増粘剤:例えば、グアーガム;ヒドロキシプロピルグアーガム;アラビアゴム;カラヤガム;キサンタンガム;寒天;アルギン酸及びその塩(ナトリウム塩等);ヘパリン類似物質、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリノイド、ヒアルロン酸及びその塩(ナトリウム塩等)の((A)成分以外の))ムコ多糖類;デンプン;キチン及びその誘導体;キトサン及びその誘導体;カラギーナン;ブドウ糖等の単糖類等。
(C)成分以外の緩衝剤:例えば、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等。
安定化剤:例えば、エデト酸、エデト酸塩類(エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム)、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等。
防腐剤:例えば、アルキルポリアミノエチルグリシン類第四級アンモニウム塩(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ポリドロニウム、安息香酸ナトリウム、エタノール、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド(ポリヘキサメチレンビグアニド)、アレキシジン等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
等張化剤:例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
油類:例えば、ゴマ油、ヒマシ油、ダイズ油、オリーブ油等の植物油;スクワラン等の動物油;流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油等。
本実施形態に係る眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満であることが好ましく、85w/v%以上99.5w/v%以下であることがより好ましく、90w/v%以上99.2w/v%以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物に使用される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。それらの定義は第十七改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る眼科組成物は、所望量の(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加及び混和することにより調製することができる。例えば、精製水でそれらの成分を溶解又は分散させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられ、本発明による効果をより顕著に奏する観点から液剤が好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、人工涙液、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)、コンタクトレンズパッケージ液等]として用いることができる。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)であることが好ましい。本実施形態に係る眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1~3滴、1~2滴、又は2~3滴を1日2~4回、又は5~6回点眼して用いる方法を例示できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、任意の容器に収容して提供される。本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。好ましくは透明容器である。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器には、ノズルが装着されてもよい。ノズルの材質については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。ノズルの材質としては、本発明の効果をより一層高めるという観点から、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、複数回の使用量が収容されるマルチドーズ型であってもよく、単回の使用量が収容されるユニットドーズ型であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、内容積が4~30mLである容器に充填されてなることが好ましく、内容積が5~20mLである容器に充填されてなることがより好ましく、内容積が6~16mLである容器に充填されてなることが更に好ましく、内容積が10~15mLである容器に充填されてなることが更により好ましい。また、内容積が0.1~3mLである容器に充填されてもよく、内容積が0.2~1mLである容器に充填されてもよい。
以下、試験例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、下記試験例で使用されるコンドロイチン硫酸ナトリウムは、全てサメ由来である。
〔試験例1:使用感試験(1)〕
表1に示す組成で常法に従い比較例1-1、1-2及び実施例1-1、1-2の眼科組成物を調製した。表1における各成分の単位はw/v%である。調製した各眼科組成物を0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、滅菌済のPET製点眼容器(容量15mL)に充填して無菌の点眼剤とした。これらの点眼剤を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)法により「不快な刺激感」及び「灼熱感」の評価を行った。具体的には、裸眼の6人の被験者に上記点眼剤を左右眼に1滴ずつ点眼し、点眼時に感じられる「不快な刺激感」及び「灼熱感」について、それぞれ10cmの線が引いてある自覚症状調査シートを用いて、「不快な刺激感」及び「灼熱感」が全く感じられない場合を0cm、非常に強く感じられる場合を10cmとして、被験者が感じた「不快な刺激感」及び「灼熱感」の程度のところにチェックしてもらい、自覚症状の強さの程度としてこの長さ(mm)を測定し、これを各項目のスコアとした。6名の被験者のスコア平均値を算出することにより、各項目についての評価を行った。得られた値をもとに下記式(I)を用いて、VAS値の改善率を算出した。実施例1-1に対応する比較例は比較例1-1であり、実施例1-2に対応する比較例は比較例1-2である。
式(I):VAS改善率(%)={(対応する比較例のVAS値-実施例のVAS値)/対応する比較例のVAS値}×100
結果を表1に併せて示す。
表1に示す組成で常法に従い比較例1-1、1-2及び実施例1-1、1-2の眼科組成物を調製した。表1における各成分の単位はw/v%である。調製した各眼科組成物を0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、滅菌済のPET製点眼容器(容量15mL)に充填して無菌の点眼剤とした。これらの点眼剤を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)法により「不快な刺激感」及び「灼熱感」の評価を行った。具体的には、裸眼の6人の被験者に上記点眼剤を左右眼に1滴ずつ点眼し、点眼時に感じられる「不快な刺激感」及び「灼熱感」について、それぞれ10cmの線が引いてある自覚症状調査シートを用いて、「不快な刺激感」及び「灼熱感」が全く感じられない場合を0cm、非常に強く感じられる場合を10cmとして、被験者が感じた「不快な刺激感」及び「灼熱感」の程度のところにチェックしてもらい、自覚症状の強さの程度としてこの長さ(mm)を測定し、これを各項目のスコアとした。6名の被験者のスコア平均値を算出することにより、各項目についての評価を行った。得られた値をもとに下記式(I)を用いて、VAS値の改善率を算出した。実施例1-1に対応する比較例は比較例1-1であり、実施例1-2に対応する比較例は比較例1-2である。
式(I):VAS改善率(%)={(対応する比較例のVAS値-実施例のVAS値)/対応する比較例のVAS値}×100
結果を表1に併せて示す。
メントール及び重量平均分子量約2万のコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する点眼剤(比較例1-1、比較例1-2)と比較して、重量平均分子量約2万のコンドロイチン硫酸ナトリウムの代わりに重量平均分子量が約4万のコンドロイチン硫酸ナトリウムを組み合わせて配合した点眼剤(実施例1-1、実施例1-2)では、「不快な刺激感」及び「灼熱感」が顕著に改善されることが確認された。なお、ソフトコンタクトレンズ装用者に対して上記と同様の方法で「不快な刺激感」及び「灼熱感」について評価してもらった場合においても裸眼の場合と同様の傾向が確認された。
〔試験例2:点眼瓶内の残液量の測定試験〕
表2及び3に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表2及び3における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。10mL容量のPET製の点眼瓶の風袋の重量を測定し、各試験溶液を5mL充填した。次に充填した各試験溶液を出し切った後の各点眼瓶の重量を測定し、下記式(II)に従って、残液量(g)を算出し、各製剤の残液量について、下記式(III)を用いて試験溶液2-1の残液量に対する残液量の改善率を算出した。
式(II):残液量(g)=試験溶液を出し切った後の点眼瓶の重量(g)-点眼瓶の風袋の重量(g)
式(III)試験溶液2-1に対する残液量改善率(%)=(1-各試験溶液の残液量(g)/試験溶液2-1の残液量(g))×100
結果を表2及び3に併せて示す。
表2及び3に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表2及び3における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。10mL容量のPET製の点眼瓶の風袋の重量を測定し、各試験溶液を5mL充填した。次に充填した各試験溶液を出し切った後の各点眼瓶の重量を測定し、下記式(II)に従って、残液量(g)を算出し、各製剤の残液量について、下記式(III)を用いて試験溶液2-1の残液量に対する残液量の改善率を算出した。
式(II):残液量(g)=試験溶液を出し切った後の点眼瓶の重量(g)-点眼瓶の風袋の重量(g)
式(III)試験溶液2-1に対する残液量改善率(%)=(1-各試験溶液の残液量(g)/試験溶液2-1の残液量(g))×100
結果を表2及び3に併せて示す。
メントールを含有する試験溶液2-1に対して、さらに重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムが共存する場合には、残液量が減少し、点眼瓶中の眼科組成物について使い切りがしやすくなることが確認された(試験溶液2-2)。また、メントール及び重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムを含有する試験溶液2-2に、さらにメチル硫酸ネオスチグミン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、アミノエチルスルホン酸又はヒドロキシエチルセルロースが共存する場合には、残液量がより減少し、点眼瓶中の眼科組成物について使い切りがよりしやすくなることが確認された(試験溶液2-3~2-9)。
〔試験例3:光照射による粘度安定性試験〕
表4及び5に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表4及び5における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。各試験溶液をガラス瓶(10mL)に10mL充填し、35℃において、SUNTESTER XLS+(東洋精機社製、1700W キセノン空冷ランプ光源)を用いて、紫外光照度765(W/m2)、96時間照射した。照射前後の各試験溶液(600μL)について、レオメーター(MCR302(AntonPaar社))にて、コーンプレート型測定治具(CP50-1、d:0.102mm)を用いて、34℃でのせん断速度(1~1000(1/s))に対する粘度を測定した。そして、せん断速度100(1/s)での粘度(mPa・s)を用いて、下記式(IV)に従い、試験前後の粘度低下率を算出した。試験溶液3-2については、試験溶液3-1の粘度低下率を1とした場合の粘度低下率の割合を算出した。試験溶液3-3~3-8については、各処方の粘度低下率について、下記式(V)を用いて、試験溶液3-2に対する粘度低下率の改善率を算出した。
式(IV):粘度低下率(%)={(各試験溶液の光照射前粘度(mPa・s)-各試験溶液の光照射後粘度(mPa・s))/各試験溶液の光照射前粘度(mPa・s)}×100
式(V):粘度低下改善率(%)={(試験溶液3-2の粘度低下率-各処方例の粘度低下率)/試験溶液3-2の粘度低下率}×100
結果を表4及び5に併せて示す。なお、粘度低下率の値が小さい程、光による粘度変化が生じず、眼科組成物が物性的に同等に保たれていることを示す。
表4及び5に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表4及び5における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。各試験溶液をガラス瓶(10mL)に10mL充填し、35℃において、SUNTESTER XLS+(東洋精機社製、1700W キセノン空冷ランプ光源)を用いて、紫外光照度765(W/m2)、96時間照射した。照射前後の各試験溶液(600μL)について、レオメーター(MCR302(AntonPaar社))にて、コーンプレート型測定治具(CP50-1、d:0.102mm)を用いて、34℃でのせん断速度(1~1000(1/s))に対する粘度を測定した。そして、せん断速度100(1/s)での粘度(mPa・s)を用いて、下記式(IV)に従い、試験前後の粘度低下率を算出した。試験溶液3-2については、試験溶液3-1の粘度低下率を1とした場合の粘度低下率の割合を算出した。試験溶液3-3~3-8については、各処方の粘度低下率について、下記式(V)を用いて、試験溶液3-2に対する粘度低下率の改善率を算出した。
式(IV):粘度低下率(%)={(各試験溶液の光照射前粘度(mPa・s)-各試験溶液の光照射後粘度(mPa・s))/各試験溶液の光照射前粘度(mPa・s)}×100
式(V):粘度低下改善率(%)={(試験溶液3-2の粘度低下率-各処方例の粘度低下率)/試験溶液3-2の粘度低下率}×100
結果を表4及び5に併せて示す。なお、粘度低下率の値が小さい程、光による粘度変化が生じず、眼科組成物が物性的に同等に保たれていることを示す。
メントールを含有する試験溶液3-1に対して、さらに重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムが共存する場合には粘度の低下が顕著になる傾向が確認された(試験溶液3-2)。一方、重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムとメントールが共存する試験溶液3-2に、さらにメチル硫酸ネオスチグミン、アラントイン、硫酸亜鉛、パンテノール、アスパラギン酸カリウム又はアミノエチルスルホン酸がそれぞれ共存した試験溶液3-3~3-8では、粘度低下が顕著に改善し、紫外線照射による眼科組成物の安定性が向上することが確認された。
〔試験例4:粘度の測定〕
表6及び7に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表6及び7における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。調製後の各試験溶液(600μL)の粘度について、レオメーター(MCR302(AntonPaar社製))にてコーンプレート型測定治具(CP50-1、d:0.102mm)を用いて、34℃でのせん断速度に対する粘度を測定した。せん断速度10000(1/s)での粘度(mPa・s)に関して、試験溶液4-2については、試験溶液4-1の粘度を1とした場合の粘度の割合を算出した。試験溶液4-3~4-11については、下記式(VI)を用いて試験溶液4-2に対する粘度低下率(%)を算出した。なお、せん断速度10000(1/s)は瞬目速度を想定している。せん断速度10000(1/s)における粘度は、瞬目時における粘度を示しており、この値が低下するということは、瞬目時に違和感を感じにくく、瞬目がしやすいことを表す。
式(VI):粘度低下率(%)=(1-各試験溶液の粘度(mPa・s)/試験溶液4-2の粘度(mPa・s))×100
結果を表6及び7に併せて示す。
表6及び7に示す組成で常法に従い各眼科組成物を調製し、試験溶液とした。表6及び7における各成分の単位は表中に明記したもの以外はw/v%である。調製後の各試験溶液(600μL)の粘度について、レオメーター(MCR302(AntonPaar社製))にてコーンプレート型測定治具(CP50-1、d:0.102mm)を用いて、34℃でのせん断速度に対する粘度を測定した。せん断速度10000(1/s)での粘度(mPa・s)に関して、試験溶液4-2については、試験溶液4-1の粘度を1とした場合の粘度の割合を算出した。試験溶液4-3~4-11については、下記式(VI)を用いて試験溶液4-2に対する粘度低下率(%)を算出した。なお、せん断速度10000(1/s)は瞬目速度を想定している。せん断速度10000(1/s)における粘度は、瞬目時における粘度を示しており、この値が低下するということは、瞬目時に違和感を感じにくく、瞬目がしやすいことを表す。
式(VI):粘度低下率(%)=(1-各試験溶液の粘度(mPa・s)/試験溶液4-2の粘度(mPa・s))×100
結果を表6及び7に併せて示す。
重量平均分子量が約4万のコンドロイチン硫酸ナトリウムのみを含有する試験溶液4-1に対して、メントールが共存する場合には、せん断速度10000(1/s)における粘度が向上することが確認された(試験溶液4-2)。一方、重量平均分子量が約4万であるコンドロイチン硫酸ナトリウムとメントールが共存する試験溶液4-2に、さらに塩酸テトラヒドロゾリン、メチル硫酸ネオスチグミン、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、硫酸亜鉛、マレイン酸クロルフェニラミン、パンテノール、アスパラギン酸カリウム又はアミノエチルスルホン酸が共存する場合には、せん断速度10000(1/s)における粘度が、顕著に低下することが確認された。
〔試験例5:使用感試験(2)〕
表8に示す組成で常法に従い比較例5-1及び実施例5-1の眼科組成物を調製した。表8における各成分の単位はw/v%である。調製した各眼科組成物を0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、滅菌済のPET製点眼容器(容量15mL)に充填して無菌の点眼剤とした。これらの点眼剤を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)法により「不快な刺激感」及び「灼熱感」の評価を行った。具体的には、裸眼の3人の被験者に上記点眼剤を左右眼に1滴ずつ点眼し、点眼時に感じられる「不快な刺激感」及び「灼熱感」について、それぞれ10cmの線が引いてある自覚症状調査シートを用いて、「不快な刺激感」及び「灼熱感」が全く感じられない場合を0cm、非常に強く感じられる場合を10cmとして、被験者が感じた「不快な刺激感」及び「灼熱感」の程度のところにチェックしてもらい、自覚症状の強さの程度としてこの長さ(mm)を測定し、これを各項目のスコアとした。3名の被験者のスコア平均値を算出することにより、各項目についての評価を行った。得られた値をもとに試験例1における式(I)を用いて、VAS値の改善率を算出した。実施例5-1に対応する比較例は比較例5-1である。
結果を表8に併せて示す。
表8に示す組成で常法に従い比較例5-1及び実施例5-1の眼科組成物を調製した。表8における各成分の単位はw/v%である。調製した各眼科組成物を0.2μmメンブランフィルターにてろ過し、滅菌済のPET製点眼容器(容量15mL)に充填して無菌の点眼剤とした。これらの点眼剤を用いてビジュアルアナログスケール(VAS)法により「不快な刺激感」及び「灼熱感」の評価を行った。具体的には、裸眼の3人の被験者に上記点眼剤を左右眼に1滴ずつ点眼し、点眼時に感じられる「不快な刺激感」及び「灼熱感」について、それぞれ10cmの線が引いてある自覚症状調査シートを用いて、「不快な刺激感」及び「灼熱感」が全く感じられない場合を0cm、非常に強く感じられる場合を10cmとして、被験者が感じた「不快な刺激感」及び「灼熱感」の程度のところにチェックしてもらい、自覚症状の強さの程度としてこの長さ(mm)を測定し、これを各項目のスコアとした。3名の被験者のスコア平均値を算出することにより、各項目についての評価を行った。得られた値をもとに試験例1における式(I)を用いて、VAS値の改善率を算出した。実施例5-1に対応する比較例は比較例5-1である。
結果を表8に併せて示す。
表8に示す眼科組成物についても、試験例1と同様の傾向が確認された。
〔製剤例〕
下記表9~15に記載の処方で、常法により点眼剤及び人工涙液が調製される。なお、下記表9~15における各成分量の単位は、表中に明記したもの以外はw/v%であり、製剤例1~10及び17~63は点眼剤、製剤例11~16は人工涙液である。また、製剤例1~63を、ポリエチレンテレフタレート製の容器(容量15mL)に充填し、ポリエチレン製のノズルを装着したものを製剤例1´~63´、最内層がポリブチレンテレフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1´´~63´´、最内層がポリエチレンナフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1´´´~63´´´とした。さらに、製剤例24~29、36、37、42、45~48及び51~63と同じ組成で、ソフトコンタクトレンズ装用時に使用可能な点眼剤を別途調製した。
下記表9~15に記載の処方で、常法により点眼剤及び人工涙液が調製される。なお、下記表9~15における各成分量の単位は、表中に明記したもの以外はw/v%であり、製剤例1~10及び17~63は点眼剤、製剤例11~16は人工涙液である。また、製剤例1~63を、ポリエチレンテレフタレート製の容器(容量15mL)に充填し、ポリエチレン製のノズルを装着したものを製剤例1´~63´、最内層がポリブチレンテレフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1´´~63´´、最内層がポリエチレンナフタレート製のノズルを装着したものを製剤例1´´´~63´´´とした。さらに、製剤例24~29、36、37、42、45~48及び51~63と同じ組成で、ソフトコンタクトレンズ装用時に使用可能な点眼剤を別途調製した。
Claims (4)
- 重量平均分子量が3万~5万であるコンドロイチン硫酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、メントールと、を含有する、眼科組成物。
- ホウ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、請求項1に記載の眼科組成物。
- クロロブタノールを更に含有する、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
- 充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンE類、アミノ酸及びその塩、並びにセルロース系高分子化合物からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、請求項1又は2に記載の眼科組成物。
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