JP6022827B2 - ポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤 - Google Patents

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本発明は、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを長期にわたり効果的に抑制することが可能であり、しかも環境的にも優れたポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤に関する。
最近、精密濾過、限外濾過、逆浸透などの濾過膜は、例えば、飲料水製造、上下水道処理、あるいは廃液処理など、多くの産業分野で利用されている。
このような濾過膜の中で、逆浸透膜は海水の淡水化、純水の製造などに用いられている。逆浸透膜の材料としては、一般にポリアミドが用いられているが、ファウリングしやすいことが問題となっている。
ファウリングとは原水に含まれるファウラントと呼ばれる原因物質、例えば、難溶性成分、蛋白質、多糖類などの高分子の溶質、コロイド、微小固形物、微生物などが膜に沈着して透過流速を低下させる現象であり、膜劣化の主要原因として知られている。
それらの対策として、定期的に界面活性剤による洗浄や、逆洗と呼ばれる通常とは逆向きに水流を流すなどの方法で逆浸透膜を洗浄してファウリングを除去する方法、ファウリング抑制のための前処理剤などを使用する方法、あるいは、膜の形成方法に手を加えることにより、膜自体にファウリングを低減する効果を付与する方法などが検討されている。これらの方法は、効果的なファウリングを抑制する方法としては一定の効果はあるものの、蛋白質や微生物を原因とするファウリングに対する効果は十分とは言えない。
このような蛋白質や微生物を原因とするファウリングに対する比較的効果の高い方法としては、蛋白質や微生物などのファウラントを吸着抑制できる素材を逆浸透膜表面に共有結合あるいは吸着処理する方法が知られている。蛋白質や微生物などのファウラントを吸着抑制できる素材としては、例えば、細胞膜の構成成分であるリン脂質を模倣したホスホリルコリン類似基を有する単量体を構成単位として含む重合体が知られている(特許文献1等)。また、特許文献1及び2には、前述のホスホリルコリン類似基を有する単量体を構成単位として含む重合体により被覆された逆浸透膜が開示されている。さらに、特許文献4には、ホスホリルコリン類似基を有する単量体を構成単位として含む重合体を含有するファウリング防止材が開示されている。
上記ホスホリルコリン類似基を有する単量体を構成単位として含む共重合体を用いて、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを抑制する方法としては、ホスホリルコリン類似基含有単量体と有機ケイ素含有単量体とを重合させた共重合体を、有機溶剤を含む溶液に溶解し、この溶液と逆浸透膜を接触させる方法が常用されている。しかし、このような有機溶剤を含む溶液を用いる方法は、該有機溶剤を後処理する工程や設備が必要となり、環境的に問題がある。
特開平3−39309号公報 特開平5−177119号公報 国際公開第2002/009857号 特開2006−239636号公報
本発明の課題は、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを長期にわたって効果的に抑制することが可能であり、しかも有機溶剤を実質的に含まず、環境的にも優れたポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤を提供することにある。
本発明によれば、式(1)で表される単量体、及びカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体と、水とを含むポリアミド逆浸透膜用のファウリング抑制用表面処理剤が提供される。
Figure 0006022827
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明の表面処理剤は、上記式(1)で表される単量体とカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体及び水とを含み、実質的に有機溶剤を含まないので、有機溶剤を除去する設備を必要とせず、環境にも安全であり、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを長期にわたり効果的に抑制することができる。
実施例及び比較例においてファウリング抑制効果確認試験を行った試験装置の概略図である。 実施例及び比較例におけるファウリング抑制効果確認試験の結果を示すグラフである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、上記式(1)で表される単量体(以下、単量体(1)と略すことがある)及びカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体と、水とを含み、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを抑制することができる。
式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示す。R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。
単量体(1)としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、3−メタクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチル−2'−トリエチルアンモニオエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2'−トリブチルアンモニオエチルホスフェートが挙げられる。入手性の点からは2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。
カチオン性(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル塩、ジメチルアミノプロピルメタクリレート塩化メチル塩、(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。好ましくは、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドである。
単量体組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記必須の単量体以外のラジカル重合可能な他の単量体を含んでも良い。他の単量体としては、例えば、メタクリル酸n−ブチル等のアルキルメタクリレートが挙げられる。
本発明に用いる共重合体において、単量体(1)の構成単位と、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルの構成単位との割合は、モル比で、好ましくは95〜25:5〜75、特に好ましくは95〜50:5〜50である。単量体(1)の構成単位が95モル%を超え、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルの構成単位が5モル%未満である場合には、表面処理によるファウリング抑制効果維持が低下する恐れがある。単量体(1)の構成単位が25モル%未満で、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルの構成単位が75モル%を超える場合には、十分なファウリング抑制効果を示さない恐れがある。
本発明に用いる共重合体が、上記他の単量体の構成単位を含む場合、該構成単位の割合は、本発明の効果を損なわない範囲であれば良く、通常、構成単位全体中70モル%以下、好ましくは50モル%以下である。
本発明に用いる共重合体の分子量は、溶媒である水に溶解する分子量とする必要がある。該分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量で、好ましくは5000〜150000、特に好ましくは10000〜100000である。該分子量が5000未満の場合には、得られる共重合体が短時間で溶出するおそれがあり、分子量が高すぎる場合には、溶媒である水に溶解せず、ポリアミド逆浸透膜に固定することができないおそれがある。
共重合体の重合方法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の方法を用いることができ、例えば、単量体組成物を溶媒中で開始剤の存在下、重合反応させる方法を採用することができる。
前記重合反応に用いる溶媒としては、単量体組成物が溶解する溶媒であれば良く、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム又はこれら2種以上の混合液が挙げられる。
前記重合反応に用いる開始剤としては、通常の開始剤ならばいずれを用いてもよく、例えば、ラジカル重合の場合は脂肪族アゾ化合物や有機過酸化物を用いることができる。
得られた共重合体は、溶媒が水の場合は精製後、共重合体の濃度を調整することでそのまま表面処理剤として用いることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、アセトンによる再沈あるいは濾過精製することによって共重合体を単離した後、水に溶解させ、共重合体の濃度を調整することで表面処理剤を得ることができる。
本発明に用いる水としては、精製水等を用いることができる。
本発明の表面処理剤において、共重合体の濃度は、通常0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜1質量%である。0.001質量%未満の場合は、ファウリング防止機能が発揮されない恐れがあり、20質量%を超える場合は、ポリアミド逆浸透膜の孔が閉塞され十分な濾過水を得ることができなくなる恐れがある。
本発明の表面処理剤により、ポリアミド逆浸透質膜を表面処理する方法としては、例えば、表面処理剤にポリアミド逆浸透膜を浸漬する方法、ポリアミド膜逆浸透膜がセットされた濾過装置に表面処理剤を流す方法、ポリアミド逆浸透膜に表面処理剤をスプレーコートする方法が挙げられる。
本発明の表面処理剤を適用するポリアミド逆浸透膜としては、市販のポリアミド逆浸透膜が挙げられ、例えば、東レ社製の商品名「SU700」、日東電工社製の商品名「NTR-759」が挙げられる。また、ポリアミド逆浸透膜には、抗菌剤をコートするなどの他の表面処理が施されていても良い。該抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウムなどの界面活性剤、銅、銀、錫などの無機化合物からなる金属系抗菌剤が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下MPCと略す)とメタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩(以下AeMAと略す)との共重合体(モル比9:1)を含む表面処理剤の製造
MPC37.7g、AeMA2.35g及び水166gを300mlの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製のV−50)0.28gと水10gとからなる溶液を添加し、65℃で2時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は37000であった。
次いで、上記で得られた共重合体溶液を入れた透析膜(分画分子量3500)を水中に浸漬し、透析処理し、共重合体を1000ppm含むように水で希釈して表面処理剤を得た。得られた表面処理剤について、以下に示すファウリング抑制効果確認試験を行った。
ファウリング抑制効果確認試験
図1に示す平膜試験装置に、ポリアミド逆浸透膜(RO膜)として、東レ社製の逆浸透膜SU700(膜表面積40cm2)をセットした。次いで、上記で得られた表面処理剤をクロスフロー方式、圧力1.5atm、流速50ml/分で15分間流し続けた。続いて、純水を平膜試験装置に15分間流し続け、ポリアミド逆浸透膜を表面処理した。
次に、タンパク質の一種である牛血清アルブミンをモデルタンパク質としてタンパク質含有液に対するファウリング抑制効果を以下のとおり確認した。
牛血清アルブミン(和光純薬社製)を100ppmとなるように溶解した液(ファウラント原液)をクロスフロー方式、圧力1.5atm、流速50ml/分で48時間試験を行い、所定時間ごとの絶対透水量(L/m2/h/atm)を以下の式に従って測定し、さらに、測定開始直後の絶対透水量で各時間での絶対透水量を除した相対透水量を算出した。結果を表1及び図2に示す。
Figure 0006022827
式中、wは濾過水体積(L)、pは入口圧力(atm)、tは濾過水回収時間(h)、Sは膜表面積(m2)を示す。
実施例2
MPCとAeMAとの共重合体(モル比7:3)を含む表面処理剤の製造
MPCの使用量を32.5g、及びAeMAの使用量を7.81gに変更した以外は、実施例1と同様に表面処理剤を調製した。なお、得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は60000であった。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
実施例3
MPCとAeMAとメタクリル酸n−ブチル(以下BMAと略す)の共重合体(モル比5:4:1)を含む表面処理剤の製造
MPC25.9g、AeMA11.6g、BMA2.5g及び水166gを300mlの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製のV−50)0.28gと水10gとからなる溶液を添加し、65℃で2時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は58000であった。
次に、得られた共重合体溶液を入れた透析膜(分画分子量3500)を水中に浸漬し、透析処理し、共重合体を1000ppm含むように水で希釈して表面処理剤を得た。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
実施例4
MPCとAeMAとの共重合体(モル比3:7)を含む表面処理剤の製造
MPCの使用量を17.4g、及びAeMAの使用量を22.8gに変更した以外は、実施例1と同様に表面処理剤を調製した。なお、得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は72000であった。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
実施例5
MPCと(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(以下TMAMA)の共重合体(モル比7:3)を含む表面処理剤の製造
MPC30.0g、TMAMA104g及び水166gを300mlの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製のV−50)0.20gと水10gとからなる溶液を添加し、70℃で2時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は33000であった。
次に、得られた共重合体溶液を入れた透析膜(分画分子量3500)を水中に浸漬し、透析処理し、共重合体を1000ppm含むように水で希釈して表面処理剤を得た。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
比較例1
MPCとBMAの共重合体(モル比3:7)を含む表面処理剤の製造
MPC8.0g、BMA9.0g及び水とエタノールの混合液153gを300mlの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(日油(株)製、商品名「パーブチルND」)0.06gを添加し、60℃で3時間攪拌後、70℃で152時間攪拌重合し、その後、室温に冷却し、アセトンによる再沈することで共重合体を得た。得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は100000であった。
次に、得られた共重合体を1000ppm含むように水で希釈して表面処理剤を得た。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
比較例2
MPC重合体を含む表面処理剤の製造
MPC20g及び水180gを300mlの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、ジコハク酸パーオキサイド(日油(株)製、商品名「パーロイルSA」)0.9gを添加し、70℃で6時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。得られた共重合体のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は80000であった。
次に、得られた共重合体溶液を入れた透析膜(分画分子量3500)を水中に浸漬し、透析処理し、共重合体を1000ppm含むように水で希釈して表面処理剤を得た。得られた表面処理剤について、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
比較例3
ブランクとして、表面処理剤で表面処理を行わない以外は、実施例1と同様にファウリング抑制効果確認試験を行った。結果を表1及び図2に示す。
Figure 0006022827
実施例及び比較例の数値は、相対等水量(L/m2・h・atm)を示す。
図2の結果より、いずれの実施例の場合も相対透水量は、いずれの比較例と比較しても高かった。相対透水量が高く維持されることはファウリングに対して抵抗性があることを示す。つまり、実施例1〜5の表面処理剤で表面処理したポリアミド逆浸透膜は、比較例3の表面処理剤で処理していないポリアミド逆浸透膜と比較していずれもタンパク質ファウリング抑制効果が認められた。また、実施例1〜5の表面処理剤で表面処理したポリアミド逆浸透膜は、相対透水量が高く維持されたのに対し、比較例1及び2では徐々に透水量が下がる減少が見られた。このことより、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルの単量体成分を持たない式(1)で表される単量体を含む共重合体、あるいは、式(1)で表される単量体の重合体からなる表面処理剤は十分なファウリング抑制効果がないことがわかった。
本発明の表面処理剤は、海水の淡水化、純水の製造などで用いるポリアミド逆浸透膜のファウリングを抑制するため等に利用される。

Claims (3)

  1. 式(1)で表される単量体、及びカチオン性(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体組成物を重合して得た共重合体と、水とを含むポリアミド逆浸透膜用のファウリング抑制用表面処理剤。
    Figure 0006022827
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  2. 式(1)で表される単量体が、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであり、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルが、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩及び/又は(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドである請求項1記載のファウリング抑制用表面処理剤。
  3. 共重合体中の式(1)で表される単量体の構成単位と、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルの構成単位とのモル比が95〜25:5〜75である請求項1又は2記載のファウリング抑制用表面処理剤。
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