JP6158720B2 - 表面処理剤、表面処理ポリアミド逆浸透膜及びその製造方法 - Google Patents

表面処理剤、表面処理ポリアミド逆浸透膜及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド逆浸透膜のファウリング抑制に効果的な表面処理剤、並びに該表面処理剤で表面処理された表面処理ポリアミド逆浸透膜及びその製造方法に関する。
最近、精密濾過、限外濾過、逆浸透などの濾過膜は、例えば、飲料水製造、上下水道処理、あるいは廃液処理など、多くの産業分野で利用されている。
このような濾過膜の中で、逆浸透膜は海水の淡水化、純水の製造などに用いられている。逆浸透膜の材料としては、一般にポリアミドが用いられているが、ファウリングしやすいことが問題となっている。
ファウリングとは原水に含まれるファウラントと呼ばれる原因物質、例えば、難溶性成分、蛋白質、多糖類などの高分子の溶質、コロイド、微小固形物、微生物などが膜に付着して透過流速を低下させる現象であり、膜劣化の主要原因として知られている。
このようなファウリング対策としては、定期的に界面活性剤や逆洗と呼ばれる通常とは逆向きに水流を流すなどの方法で濾過膜を洗浄して、ファウラントを除去する方法がある。また、ファウリング抑制のための前処理剤などを使用する方法なども検討されてきた。これらの方法は、ファウリングを抑制する方法としては一定の効果はあるものの、蛋白質や微生物を原因とするファウリングに対する効果は十分とは言えなかった。また、前処理剤には、これを使用し続けなければいけないという問題がある。
このような蛋白質や微生物を原因とするファウリングに対する比較的効果の高い方法としては、蛋白質や微生物などのファウラントを吸着抑制できる素材を逆浸透膜表面に吸着処理する方法が知られている。蛋白質や微生物などのファウラントを吸着抑制できる素材としては、例えば、ホスホリルコリン類似基を有するモノマーを構成単位として含む重合体が知られている(特許文献1等)。また、特許文献1及び2には、前述のホスホリルコリン類似基を有するモノマーを構成単位として含む重合体を吸着処理した逆浸透膜が開示されている。さらに、特許文献3には、ホスホリルコリン類似基を有するモノマーを構成単位として含む重合体を含有するファウリング防止剤が開示されている。
上記ホスホリルコリン類似基を有するモノマーを構成単位として含む共重合体を用いて、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを抑制する方法としては、ホスホリルコリン類似基含有モノマーと有機ケイ素含有モノマーとを重合させた共重合体を、有機溶剤を含む溶液に溶解し、この溶液に逆浸透膜を浸漬させ吸着させる方法がある。しかし、このような有機溶剤を含む溶液を用いる方法は、該有機溶剤を後処理する工程や設備が必要となり、環境的に問題がある。
特開平3−39309号公報 特開平5−177119号公報 特開2006−239636号公報
本発明の課題は、ポリアミド逆浸透膜のファウリングを長期にわたって効果的に抑制することが可能であり、しかも有機溶剤を実質的に含まず、環境的にも優れたポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤を提供することにある。さらに、該表面処理剤で処理された表面処理ポリアミド逆浸透膜とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、特定のポリマーでポリアミド逆浸透膜の表面を処理することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、式(1)で表されるモノマー10〜80モル%、及びカチオン性(メタ)アクリルアミド20〜90モル%を含むモノマー組成物の、重量平均分子量が5,000〜150,000の共重合体である、ポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤が提供される。さらに水を含み、水溶液状であることが好ましい。
Figure 0006158720
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
さらに、水溶液状の当該表面処理剤で、表面を処理された表面処理ポリアミド逆浸透膜、及び当該表面処理工程を有するその製造方法が提供される。
本発明の表面処理剤は、上記式(1)で表されるモノマーとカチオン性(メタ)アクリルアミドとを所定の割合で含むモノマー組成物の共重合体を含有するものであり、ポリアミド逆浸透膜の表面を効果的に改質して、ファウリングの発生を長期にわたり効果的に抑制することができる。さらに、実質的に有機溶剤を含まないので、有機溶剤を除去する設備を必要とせず、環境にも安全である。
本発明の表面処理ポリアミド逆浸透膜は、ファウリングが高度に抑制されるので、長期間透水量の低下を防止できる。また、本発明の製造方法により、良透水性と環境安全性を両立できる優れた表面処理ポリアミド逆浸透膜を製造することができる。
実施例及び比較例においてファウリング抑制効果確認試験を行った試験装置の概略図である。 実施例及び比較例におけるファウリング抑制効果確認試験の結果を示すグラフである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理剤は、上記式(1)で表されるモノマー(以下、モノマー(1)と略すことがある)、及びカチオン性(メタ)アクリルアミドを含むモノマー組成物の共重合体からなる表面処理剤であり、水溶液形態でポリアミド逆浸透膜を処理することにより、当該ポリアミド逆浸透膜のファウリングを抑制することができる。
式(1)において、R1は水素原子又はメチル基を示す。R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示す。R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。
モノマー(1)としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略記する)、3−メタクリロイルオキシプロピルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチル−2'−トリエチルアンモニオエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチル−2'−トリブチルアンモニオエチルホスフェートが挙げられる。入手性の点からはMPCが好ましい。
カチオン性(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(以下、AAPTACと略記する)、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(以下、MAPTACと略記する)、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルエチルサルフェート、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムp-トルエンサルフェート等を挙げることができる。
汎用品で安価に入手しやすい点で、好ましくはAAPTAC及び/又はMAPTACが好ましい。
ここで、カチオン性(メタ)アクリルアミドとは、カチオン性アクリルアミド、カチオン性メタクリルアミド、又はこの両者を意味するものとする。
本発明の共重合体を調製するためのモノマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記必須のモノマー以外のモノマーを含んでもよい。必須モノマー以外の使用可能なモノマーとしては、ラジカル重合可能なものが好ましく、例えば、メタクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリレートが挙げられる。
ファウリング抑制効果の点で、不可避的に混入する他モノマーを除いて、実質的にモノマー(1)及びカチオン性(メタ)アクリルアミドからなる共重合体が好ましい。
モノマー組成物中のモノマー(1)の含有量は、10〜80モル%である。すなわち、共重合体中のモノマー(1)由来部(対応部)の構成割合が10〜80モル%である。なお、以後、共重合体中のモノマー由来部、及びその構成割合の説明については便宜上モノマー名で示すものとする。共重合体中のモノマー(1)は、好ましくは30モル%以上、70モル%以下である。
共重合体中のカチオン性(メタ)アクリルアミドは20〜90モル%であり、好ましくは30モル%以上、70モル%以下である。
共重合体中のモノマー(1)の構成割合が80モル%を超え、カチオン性(メタ)アクリルアミドの構成割合が20モル%未満である場合には、ポリアミド逆浸透膜と相互作用するカチオン性(メタ)アクリルアミドの割合が小さくなって、ポリアミド逆浸透膜との相互作用が不十分となり、ファウリング抑制効果が低下するおそれがある。モノマー(1)の構成割合が10モル%未満で、カチオン性(メタ)アクリルアミドの構成割合が90モル%を超える場合には、十分なファウリング抑制効果を示さないおそれがある。
ここで、カチオン性(メタ)アクリルアミドとポリアミド逆浸透膜との相互作用とは、静電相互作用により、当該カチオン性(メタ)アクリルアミド部位がポリアミド逆浸透膜の表面に吸着することを意味する。
本発明に用いる共重合体の分子量は、表面処理剤の溶媒として使用する水に溶解する分子量とする必要がある。該分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量で、5,000〜150,000であり、好ましくは10,000〜100,000である。該分子量が5,000未満の場合には、得られる共重合体がポリアミド逆浸透膜表面に吸着しにくいおそれがあり、該分子量が150,000以上の場合には、溶媒である水に溶解せず、ポリアミド逆浸透膜に吸着することができないおそれがある。
本発明に係る共重合体の重合方法としては、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の公知の方法を用いることができ、例えば、モノマー組成物を溶媒中で開始剤の存在下、重合反応させる方法を採用することができる。
前記重合反応に用いる溶媒としては、モノマー組成物が溶解する溶媒であれば良く、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられ、2種以上を混合してもよい。
前記重合反応に用いる開始剤としては、通常の開始剤ならばいずれを用いてもよく、例えば、ラジカル重合の場合は脂肪族アゾ化合物や有機過酸化物を用いることができる。
当該重合反応により得られる共重合体は、重合溶媒が水の場合は精製後、共重合体の濃度を調整することでそのまま表面処理剤として用いることができる。溶媒が有機溶媒の場合は、アセトンによる再沈あるいは濾過精製することによって共重合体を単離した後、水に溶解させ、共重合体の濃度を調整することで表面処理剤を得ることができる。
本発明の表面処理剤でポリアミド逆浸透膜を処理する場合、該表面処理剤を水溶液形態とし、該水溶液中の共重合体の濃度を、0.001〜10質量%とするのが好ましく、0.01〜1質量%とするのがより好ましい。0.001質量%未満の場合は、ファウリング抑制効果を示さないおそれがあり、10質量%を超える場合は、ポリアミド逆浸透膜の孔が閉塞され十分な濾過水を得ることができなくなるおそれがある。
本発明の表面処理剤用溶媒に使用する水としては、純水、精製水等を用いることができる。
また、ポリアミド逆浸透膜には、抗菌剤をコートするなどの他の表面処理が施されていても良い。該抗菌剤としては、塩化ベンザルコニウムなどの界面活性剤、銅、銀、錫などの無機化合物からなる金属系抗菌剤が挙げられる。
本発明の表面処理剤で表面処理される、表面処理ポリアミド逆浸透質膜は以下の工程を実施することにより製造される。
(1)表面処理工程:ポリアミド逆浸透膜を濾過装置にセットし、5〜35℃、0.05〜30atm、流速3〜100mL/分で、1〜30分間、表面処理剤を通過させて表面処理する工程。このとき、表面処理剤は、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜1質量%の水溶液とする。
(2)水洗工程:表面処理後のポリアミド逆浸透膜を純水で水洗する工程。
なお、工程(1)については、表面処理剤にポリアミド逆浸透膜を浸漬する方法、又はポリアミド逆浸透膜に表面処理剤をスプレーコートする方法を採用することもできる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
各実施例及び比較例に使用した各共重合体及び単独重合体の組成、及び性状を表1に示す。
実施例1−1
<表面処理剤1の製造>
(1)共重合体1;MPC/AAPTAC=70/30(モル比)の合成
MPC(日油株式会社製)36.92g、AAPTAC(MRCユニテック株式会社製)11.08g及び水190.00gを500mLの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。次に、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業株式会社製のV−50)0.36gと水2.00gとからなる溶液を添加し、70℃で2時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。続いて、透析膜(分画分子量3500)に共重合体溶液を入れ水中に浸漬させることにより精製し、共重合体1を得た。
(2)共重合体1の分子量測定
共重合体1のGPCによる、標準ポリエチレングリコールを用いて換算した重量平均分子量は73,000であった。共重合体1の重量平均分子量測定方法を以下に示す。
(分子量測定方法)
共重合体水溶液を1.0w/v%になるよう20mMリン酸バッファー(pH7.4)で希釈し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過して試験溶液とし、GPCにより重量平均分子量を測定・算出した。なお、GPC分析の測定条件は次の通りである。
(GPC分析の測定条件)
カラム;TSKgel PWXL-CP(東ソー株式会社製)、溶離溶媒;20mMリン酸バッファー(pH7.4)、標準物質;ポリエチレングリコール(Polymer Laboratories Ltd.製)、検出;示差屈折計RI−8020(東ソー株式会社製)、流速;0.5mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;45℃。
(3)表面処理剤1の調製
共重合体1をその濃度が0.1質量%となるように水に溶解し、表面処理剤1を調製した。
実施例1−2
<表面処理剤2の製造>
MPCの使用量を28.24g、及びAAPTACの使用量を19.76gに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、共重合体2の合成及び重量平均分子量の測定を実施し、次いで、共重合体2を使用して表面処理剤2を調製した。
実施例1−3
<表面処理剤3の製造>
MPCの使用量を12.15g、及びAAPTACの使用量を34.03gに変更した以外は、実施例1−1と同様にして、共重合体3の合成及び重量平均分子量の測定を実施し、次いで、共重合体3を使用して表面処理剤3を調製した。
実施例1−4
<表面処理剤4の製造>
(1)共重合体4;MPC/MAPTAC=50/50(モル比)の合成
MPC27.47g、MAPTAC(MRCユニテック株式会社製)20.54g及び水166gを500mLの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。次に、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業社製のV−50)0.36gと水2.00gとからなる溶液を添加し、70℃で2時間攪拌重合した後、室温に冷却し、共重合体溶液を得た。続いて、透析膜(分画分子量3500)に共重合体溶液を入れ水中に浸漬させることにより精製し、共重合体4を得た。
(2)共重合体4の分子量測定
実施例1−1と同様にして、共重合体4の重量平均分子量を測定した。
(3)表面処理剤4の調製
共重合体4を使用し、実施例1−1と同様にして表面処理剤4を調製した。
比較例1−1
<表面処理剤5の製造>
(1)共重合体5;MPC/ブチルメタクリレート(BMA)=30/70(モル比)の合成
MPC8.0g、BMA(和光純薬工業社製)9.0g及びエタノール153gを300mLの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。次に、パーブチル−ND(登録商標)(日油株式会社製)0.06gを添加し、60℃で3時間攪拌重合した後、室温に冷却し、アセトンによる再沈することで精製して共重合体5を得た。
(2)共重合体5の分子量測定
実施例1−1と同様にして、共重合体5の重量平均分子量を測定した。
(3)表面処理剤5の調製
共重合体5を使用し、実施例1−1と同様にして表面処理剤5を調製した。
比較例1−2
<表面処理剤6の製造>
(1)単独重合体1;MPCの単独重合体(ホモポリマー)の合成
MPC20g及び水180gを300mLの四つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。次に、パーロイルSA(登録商標)(日油株式会社製)0.9gを添加し、70℃で6時間攪拌重合した後、室温に冷却し、重合体溶液を得た。続いて、透析膜(分画分子量3500)に共重合体溶液を入れ水中に浸漬させることにより精製し、単独重合体1を得た。
(2)単独共重合体1の分子量測定
実施例1−1と同様にして、単独重合体1の重量平均分子量を測定した。
(3)表面処理剤6の調製
単独共重合体1を使用し、実施例1−1と同様にして表面処理剤6を調製した。
上記各実施例1及び各比較例1で調製した表面処理剤を用い、ポリアミド逆浸透膜の表面を処理し、各表面処理ポリアミド逆浸透膜について、ファウリング抑制効果を測定した。詳細について以下に説明する。
実施例2−1
<表面処理ポリアミド逆浸透膜1(以下、処理膜1と略称する)の製造>
(1)表面処理工程
図1に示す平膜試験装置に、ポリアミド逆浸透膜(以下、未処理のポリアミド逆浸透膜をRO膜と称する)として、東レ株式会社製の逆浸透膜SU700(膜表面積40cm2)をセットした。次いで、表面処理剤1をクロスフロー方式、圧力7.5atm、25℃、流速50mL/分で15分間流し続けた。
(2)水洗工程
表面処理剤1をフローした後、純水を平膜試験装置に15分間流し続けることにより水洗し、処理膜1を得た。
次に、処理膜1の表面にMPCが存在することを以下のようにして確認した。
<X線光電子分光測定(XPS測定)>
処理膜1を、カッターで適度な大きさに切った後、両面カーボンテープを用いて試料台に貼り付けた。続いて、処理膜1について、XPS測定装置JPS−9200 (日本電子株式会社製)を用いてMPCに含まれるリン元素の有無を定性分析した。なお、XPS測定条件は以下の通りである。XPS測定の結果、処理膜1にリン元素が検出され、MPCが存在することを確認した。
(XPS測定条件)X線源 :MgKa、X線出力:100W。
当該処理膜1のファウリング抑制効果を次のようにして測定した。
<ファウリング抑制試験>
タンパクの1種である牛血清アルブミン含有液に対するファウリング抑制試験を実施した。ファウリング抑制試験の概略を図1に示す。
具体的には、「処理膜1」2に、牛血清アルブミン(和光純薬株式会社製)を100ppmとなるように溶解した液(ファウラント原液1)をクロスフロー方式、圧力7.5atm、流速50mL/分で48時間送液・通過させた。このとき、測定開始直後、及び所定時間(測定時間;表2に示す0.1hr〜48hr)ごとのろ過水3の体積w(L)を測定し、下記数式1に従って絶対透水量(L/m2/h/atm)を算出した。測定開始直後の絶対透水量は250(L/m2/h/atm)であった。そして次に、この測定開始直後の絶対透水量で、各測定時間での絶対透水量を除した相対透水量を算出した。処理膜1による各測定時間の相対透水量の変化を表2及び図2に示す。
Figure 0006158720
(数式1中、wはろ過水体積(L)、pは入口圧力(atm)、tはろ過水回収時間(h)、Sはポリアミド逆浸透膜の膜表面積(m2)を示す。)
実施例2−2〜実施例2−4
実施例2−1と同様にして、各々、表面処理剤2〜4でRO膜を処理し、表面処理ポリアミド逆浸透膜2〜4(以下、各々、処理膜2〜4と称する)を製造した。続いて、実施例2−1と同様に、XPS測定によって、処理膜2〜4にMPCが存在することを確認した。さらに、実施例2−1と同様にファウリング抑制試験を行った。測定開始直後の絶対透水量は処理膜2が、240(L/m2/h/atm)、処理膜3が、270(L/m2/h/atm)、処理膜4が、260(L/m2/h/atm)であった。相対透水量の変化を表2及び図2に示す。
比較例2−1〜比較例2−2
実施例2−1と同様にして、各々、表面処理剤5及び6でRO膜を処理し、表面処理ポリアミド逆浸透膜5及び6(以下、各々、処理膜5、6と称する)を製造した。続いて、実施例2−1と同様に、XPS測定によって、処理膜5及び6にMPCが存在することを確認した。さらに、実施例2−1と同様にファウリング抑制試験を行った。測定開始直後の絶対透水量はいずれも265(L/m2/h/atm)であった。相対透水量の変化を表2及び図2に示す。
比較例2−3
表面処理剤で表面処理を行わないRO膜を使用した以外は、実施例2−1と同様にファウリング抑制試験を行った。測定開始直後の絶対透水量は280(L/m2/h/atm)であった。相対透水量の変化を表2及び図2に示す。
Figure 0006158720
Figure 0006158720
表2及び図2の結果より、いずれの実施例の場合も、相対透水量はいずれの比較例と比較しても高かった。相対透水量が高く維持されることはファウリングに対して抵抗性があることを示す。つまり、表面処理剤1〜4で表面処理された表面処理ポリアミド逆浸透膜である処理膜1〜4は、比較例2−3のRO膜と比較して、いずれも顕著なファウリング抑制効果が認められた。
また、処理膜1〜4は、相対透水量が高く維持されたのに対し、比較例である表面処理剤5又は6で表面処理された処理膜5及び6は徐々に透水量の減少が見られた。このことより、式(1)で表されるモノマーの例であるMPCを有するが、カチオン性(メタ)アクリルアミドを有さないモノマー組成の共重合体、及びMPCの単独重合体からなる各表面処理剤と比較して、本発明の実施形態例である各実施例の表面処理剤は、ファウリング抑制効果が優れていることが判る。
1:ファウラント原液
2:表面処理ポリアミド逆浸透膜(処理膜1〜6)又はRO膜
3:ろ過水

Claims (5)

  1. 式(1)で表されるモノマー10〜80モル%、及びカチオン性(メタ)アクリルアミド20〜90モル%を含むモノマー組成物の、重量平均分子量が5,000〜150,000の共重合体である、
    ポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤。
    Figure 0006158720
    (1)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2及びR3はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  2. 前記式(1)で表されるモノマーが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであり、前記カチオン性(メタ)アクリルアミドが、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、又はこの両者である、
    請求項1に記載のポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤。
  3. さらに水を含み、前記共重合体の水溶液である、
    請求項1又は2に記載のポリアミド逆浸透膜用の表面処理剤。
  4. 請求項3に記載の表面処理剤で表面を処理された、
    表面処理ポリアミド逆浸透膜。
  5. 請求項3に記載の表面処理剤をポリアミド逆浸透膜に表面処理する工程と
    前記表面処理後のポリアミド逆浸透膜を純水で水洗する工程と、を有する、
    表面処理ポリアミド逆浸透膜の製造方法。
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