JP6020966B2 - 潜像担持体の特性評価装置及び特性評価方法 - Google Patents
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Description
図1において、本実施形態の特性評価装置は、評価対象である潜像担持体としてのドラム状の電子写真用感光体(以下、「感光体ドラム」という。)1を帯電する帯電手段としてのスコロトロン帯電器6を有する。また、本実施形態の特性評価装置は、スコロトロン帯電器6のワイヤ電極へ電圧を供給する高圧電源7と、スコロトロン帯電器6のグリッド電極へ電圧を供給する電源12とを有する。また、本実施形態の特性評価装置は、高圧電源7及び電源12からの電圧供給のON/OFFを切り替える電源スイッチ15を有する。また、本実施形態の特性評価装置は、感光体ドラム1の帯電電位を測定する表面電位検出手段の第1の検出部としての表面電位計プローブ13と、感光体ドラム1を露光する露光手段としての露光装置2とを有する。また、本実施形態の特性評価装置は、感光体ドラム1の露光後電位を測定する表面電位検出手段の第2の検出部としての表面電位計プローブ3と、感光体ドラム1を除電する除電装置の除電用光源8とを有する。また、本実施形態の特性評価装置は、感光体ドラム1の通過電流を検知するための信号処理回路5と、表面電位計プローブ13,3の信号を処理する信号処理回路9とを有する。更に、本実施形態の特性評価装置は、上記信号処理回路5,9が接続されるA/D変換器10、制御手段としてのコントローラ17、デジタルリレー駆動制御部23等を有している。
以下に示す試験例、比較例及び実施例では、図1及び図2に示した特性評価装置を用いて感光体ドラムの特性評価を行った。特性評価装置において、帯電手段としてのスコロトロン帯電器6は内製した。また、スコロトロン帯電器6のワイヤ電極に電圧を印加する高圧電源7はTREK社製、スコロトロン帯電器6のグリッド電極に電圧を印加する電源12は松定プレシジョン株式会社製をそれぞれ用いた。露光装置2は日本オプネクスト社製の波長655[nm]の半導体レーザとしてのレーザーダイオード(以下、「LD」という。)を搭載したレーザ走査ユニットを内製した。除電手段としての除電用光源8はスタンレー電気社製LED(波長:660[nm])の加工品である。表面電位検出手段である表面電位計プローブ13と表面電位計14はTREK社製である。また、モータ16はオリエンタルモーター株式会社製である。コントローラ17は株式会社キーエンス製のシーケンサと株式会社日立製作所製のPCとを組み合わせて構成したものである。A/D変換器10及びデジタルリレー駆動制御部23はそれぞれ株式会社キーエンス製である。それ以外の信号処理回路5,9などは、全て内製したものを使用した。
本試験例1は、LDを複数回点灯させたときの、LDから発光する光の光量のばらつきを調べる試験である。線速125[mm/s]で回転している直径30[mm]の感光体ドラム1が1周回転するのに要する時間は約0.75[s]である。例えば、感光体ドラム全領域内、感光体ドラム1のドラムの端部から50、110、170、230、290[mm]の位置で、それぞれドラム1周内で36箇所の感光体ドラム1を測定する場合は、約0.75[s]×5回の露光を行う。そこで、本試験例1では、LDを0.75[s]×5回点灯させた時の光モニタ電流(Im)を測定し、測定結果を次の式(1)に代入してImの平均値に対するばらつきを算出した。
〔(Imの最大値−Imの最小値)/2〕/Imの平均値×100・・・式(1)
本試験例2は、LDの複数の設定Imに対して、感光体ドラムAのドラム全領域内における、露光後電位の関係を調べる試験である。本試験例2では、7つの設定Imを設定した。具体的には、LDの設定Imは、334、336、337、339、341、342、344[μA]の7つである。そして、それぞれの設定Imについて、感光体ドラムAのドラム全領域内として、ドラム端部から、50、110、170、230、290[mm]の位置で、ドラム1周内で露光後電位(VL)を測定した。各設定Imで測定された感光体ドラムAのドラム全領域内のImとVLからIm平均値とVL平均値とを算出した。これらの算出結果を表1に示す。
本比較例1では、感光体ドラムAのドラム端部から50[mm]の位置で、ドラム1周内で36箇所のImとVLとを測定した。図4は、感光体ドラムAのドラム端部から50[mm]の位置における、感光体ドラムAのドラム1周内におけるIm及びVLの測定値の分布を示すグラフである。なお、図4には、後述するVLの推定値の分布を示すグラフも図示している。図4に示すように、VL分布はIm分布に近い形状をしており、VL分布がIm分布の影響を受けていることがわかる。VL分布の最大値と最小値との差の絶対値であるVL偏差を求めると、16.5[V]である。
本実施例1では、感光体ドラムAのドラム端部から50[mm]の位置で、5つの設定Im(336、337、339、341、342、344[μA])それぞれについて、ドラム1周内の36箇所についてImとVLとを測定した。各設定Imで測定された感光体ドラムAのドラム1周内のImとVLとからIm平均値とVL平均値とを算出した。これらの算出結果を表2に示す。また、Imを339[μA]を基準とした場合のImの変動(以下、「ΔIm」という。)、Imが339[μA]でのドラム1周内のVL平均値を基準とした場合の各Imのドラム1周内のVL平均値の変動(以下、「ΔVL」という。)を表2に併せて示す。
ΔVL=0.799×ΔIm−0.095・・・式(2)
本比較例2では、感光体ドラムA〜Dそれぞれについて、ドラム端部から50、110、170、230、290[mm]の位置で、前記比較例1と同様にして、ドラム1周内で36箇所のIm及びVLを測定した。測定時の設定Imは339[μA]とした。図6、図7、図8及び図9はそれぞれ、感光体ドラムAのドラム端部から110、170、230、290[mm]の位置における、感光体ドラムAのドラム1周内の36箇所のIm及びVLの測定値並びにVLの推定値の分布を示すグラフである。ドラム端部から50[mm]の位置については、前述した図4に示している。
上記比較例2では、感光体ドラムAのドラム端部から50、110、170、230、290[mm]の位置で、設定Imを339[μA]に設定し、感光体ドラムAのドラム1周内で36箇所のIm及びVLを測定した。
本実施例3では、感光体ドラムA以外の3種類の感光体ドラムB〜Dについて、ドラム全領域内のVL偏差を算出した。つまり、上記実施例2の感光体ドラムAと同様の方法で、感光体ドラムを均一露光させた場合のドラム全領域内のVLの推定値の分布を求め、その推定値からドラム全領域内のVL偏差を算出した。
(態様A)
所定電位に帯電された後に露光されることにより潜像が形成される感光体ドラム1などの潜像担持体の特性評価装置であって、潜像担持体の表面を所定電位に帯電させるスコロトロン帯電器6などの帯電手段と、帯電手段によって帯電された潜像担持体の表面を露光する露光装置2などの露光手段と、露光手段の光量を検出する光量検出器24などの光量検出手段と、露光手段による露光後の潜像担持体の表面の露光後電位を検出する表面電位計プローブ3や表面電位計4などの表面電位検出手段と、潜像担持体の表面を所定電位に帯電した後に露光する光量とその光量で露光された潜像担持体の露光後電位との関係から導かれる関係式を特定し、その特定した関係式と、潜像担持体の表面の複数箇所について光量検出手段で検出された光量及び表面電位検出手段で検出された露光後電位の検出結果とに基づいて、潜像担持体の表面の複数箇所それぞれが所定の光量で均一露光された場合の露光後電位を推定するコントローラ17などの推定手段と、潜像担持体の表面の複数箇所における露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値を算出するコントローラ17などの算出手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、潜像担持体の表面を所定電位に帯電した後に露光する光量と、その光量で露光された潜像担持体の露光後電位との関係から導かれる関係式を特定することにより、潜像担持体の表面を露光する光量がばらついたときの露光後電位の変化を把握することができる。このように特定した関係と、潜像担持体の表面の複数箇所について光量検出手段で検出された光量及び表面電位検出手段で検出された露光後電位の検出結果とに基づいて、潜像担持体の表面の複数箇所それぞれが所定の光量で均一露光された場合の露光後電位を推定する。この推定結果により、潜像担持体の表面の複数箇所で露光ムラが生じている場合でも、その潜像担持体の表面の複数箇所における露光ムラが取り除かれた露光後電位がわかる。さらに、推定された露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値から潜像担持体の特性を評価することができる。よって、潜像担持体の表面を露光する光量がばらついた場合であっても、潜像担持体の特性を精度良く評価することができる。特に、推定された露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値が小さいほど露光後電位ムラが小さく特性の良い潜像担持体と評価することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、潜像担持体の表面が無端移動するように潜像担持体を回転駆動するモータ16などの駆動手段と、表面電位検出手段における露光後電位を検出する検出部を潜像担持体の表面の無端移動方向と直交する幅方向に移動させるステッピングモータなどの移動手段とを更に備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、潜像担持体の表面が無端移動し、しかも露光後電位を検出する検出部が潜像担持体の幅方向に移動するので、潜像担持体の表面の全領域について露光後電位を測定することができ、潜像担持体の表面の全領域について特性を精度良く評価することが可能となる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、露光後電位の推定結果及び露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値の算出結果の少なくとも一つに基づいて、潜像担持体の良否を判定するコントローラ17などの良否判定手段を更に備えた。これによれば、上記実施形態について説明したように、潜像担持体の良否判断を正確に効率よく行うことができ、特性のよい潜像担持体を画像形成装置に組み込んで使用し、高品質な画像を形成することが可能となる。潜像担持体の良否判断としては、例えば、電荷発生層の塗膜ムラなどの品質について精度良く判定することができる。一方、特性の悪い潜像担持体は不良品として再製作やリサイクルに用いることができる。
2 露光装置
3 表面電位計プローブ
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 帯電手段
7 高圧電源
8 除電用光源
9 信号処理回路
10 AD変換器
11 ロータリーエンコーダ
12 電源
13 表面電位計プローブ
14 表面電位計
15 電源スイッチ
16 モータ
17 コントローラ
18 主軸
19 ベルト
20 ドラムチャック治具
21 面板(手前側)
22 面板(奥側)
23 デジタルリレー出力
24 光量検出器(PD)
Claims (6)
- 所定電位に帯電された後に露光されることにより潜像が形成される潜像担持体の特性評価装置であって、
前記潜像担持体の表面を所定電位に帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された前記潜像担持体の表面を露光する露光手段と、
前記露光手段の光量を検出する光量検出手段と、
前記露光手段による露光後の前記潜像担持体の表面の露光後電位を検出する表面電位検出手段と、
前記潜像担持体の表面を所定電位に帯電した後に露光する光量と該光量で露光された該潜像担持体の露光後電位との関係から導かれる関係式を特定し、前記特定した関係式と、前記潜像担持体の表面の複数箇所について前記光量検出手段で検出された光量及び前記表面電位検出手段で検出された露光後電位の検出結果とに基づいて、前記潜像担持体の表面の複数箇所それぞれが所定の光量で均一露光された場合の露光後電位を推定する推定手段と、
前記露光後電位の推定結果に基づいて、前記潜像担持体の表面の複数箇所における露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とする潜像担持体の特性評価装置。 - 請求項1の潜像担持体の特性評価装置において、
前記潜像担持体の表面が無端移動するように該潜像担持体を回転駆動する駆動手段と、
前記表面電位検出手段における前記露光後電位を検出する検出部を前記潜像担持体の表面の無端移動方向と直交する幅方向に移動させる移動手段と、を更に備えたことを特徴とする潜像担持体の特性評価装置。 - 請求項1又は2の潜像担持体の特性評価装置において、
前記露光後電位の推定結果及び前記露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値の算出結果の少なくとも一つに基づいて、前記潜像担持体の良否を判定する良否判定手段を更に備えたことを特徴とする潜像担持体の特性評価装置。 - 所定電位に帯電された後に露光されることにより潜像が形成される潜像担持体の特性評価方法であって、
前記潜像担持体の表面を所定電位に帯電した後に露光する光量と該光量で露光された該潜像担持体の露光後電位との関係から導かれる関係式を特定するステップと、
前記潜像担持体の表面を帯電させ、
前記所定電位に帯電された潜像担持体の表面の複数箇所を露光するステップと、
前記潜像担持体の表面を露光しているときの光量を検出するステップと、
前記露光された潜像担持体の表面の露光後電位を検出するステップと、
前記特定した関係式と、前記潜像担持体の表面の複数箇所について前記光量検出手段で検出された光量及び前記表面電位検出手段で検出された露光後電位の検出結果とに基づいて、前記潜像担持体の表面の複数箇所それぞれが所定の光量で均一露光された場合の露光後電位を推定するステップと、
前記露光後電位の推定結果に基づいて、前記潜像担持体の表面の複数箇所における露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値を算出するステップと、を含むことを特徴とする潜像担持体の特性評価方法。 - 請求項4の潜像担持体の特性評価方法において、
前記潜像担持体の表面が無端移動するように該潜像担持体を回転駆動するステップ
前記帯電電位を検出する検出部と前記露光後電位を検出する検出部とを前記潜像担持体の表面の無端移動方向と直交する幅方向に移動させるステップと、を更に含むことを特徴とする潜像担持体の特性評価方法。 - 請求項4又は5の潜像担持体の特性評価方法において、
前記露光後電位の推定結果及び前記露光後電位の最大値と最小値との差の絶対値の算出結果の少なくとも一つに基づいて、前記潜像担持体の良否を判定するステップを更に含むことを特徴とする潜像担持体の特性評価方法。
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