JP5471177B2 - 電位制御装置及び電子写真用感光体特性評価装置 - Google Patents
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Description
<1> 少なくとも帯電手段及び表面電位検出手段を有し、電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、前記帯電手段への印加電圧と、前記表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出し、前記複数の各位置において、前記算出した前記印加電圧で前記帯電手段により帯電をさせる補正手段を有することを特徴とする電位制御装置である。
<2> 帯電手段が、コロナ帯電方式であり、ワイヤ印加電圧と、電子写真用感光体の帯電電位との関係から1次関数を算出する前記<1>に記載の電位制御装置である。
<3> 帯電手段が、スコロトロン帯電方式であり、グリッド印加電圧と、電子写真用感光体の帯電電位との関係から1次関数を算出する前記<1>に記載の電位制御装置である。
<4> 補正手段により補正が行われた後、電子写真用感光体の1周内の帯電電位の最大値と最小値との差が目標値を超えた場合、前記電子写真用感光体の周方向で補正を行う位置を増やし、再度前記電子写真用感光体の帯電電位の補正が行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の電位制御装置である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の電位制御装置を有することを特徴とする電子写真用感光体特性評価装置である。
<6> 帯電手段を電子写真用感光体の軸方向に移動させる移動手段を有し、補正手段が、前記電子写真用感光体の軸方向の任意の位置において、前記電子写真用感光体における周方向の帯電電位の補正を行う前記<5>に記載の電子写真用感光体特性評価装置である。
<7> 電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、帯電手段への印加電圧と、表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出し、補正手段により、前記複数の各位置において、前記算出した前記印加電圧で前記帯電手段により帯電をさせて補正することを特徴とする電位制御方法である。
本発明の電位制御装置は、少なくとも帯電手段、表面電位検出手段、補正手段を有し、必要に応じて、更にその他の構成を有してなる。
前記帯電手段は、前記電子写真用感光体の表面を帯電する手段である。
前記帯電手段としては、例えば、コロトロン帯電方式、スコロトロン帯電方式等のコロナ帯電方式を利用した非接触帯電手段などが挙げられる。これらの中でも、前記帯電手段は、スコロトロン帯電器が、帯電電位の制御性が高いため好ましい。
前記帯電手段は、前記電子写真用感光体の軸方向に移動可能に設けられている。また、前記帯電手段は、径方向にも単独で進退可能な構造であることが、前記電子写真用感光体との距離を調節でき、様々なドラム径の電子写真用感光体に対応できる点で好ましい。
前記表面電位検出手段は、露光前の前記電子写真用感光体の帯電電位、及び露光後の前記電子写真用感光体の露光後電位の少なくともいずれかを検出する手段である。
前記表面電位検出手段としては、前記電子写真用感光体の帯電電位及び露光後電位の少なくともいずれかをモニタすることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、前記表面電位検出手段には、接触型と非接触型があるが、電子写真用感光体を傷つける恐れがあるため、非接触型が好ましい。
前記電子写真用感光体の帯電電位及び露光後電位の少なくともいずれかをモニタする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電子写真用感光体を、前記帯電手段により帯電した後、若しくは後述する露光手段により露光した後、前記電子写真用感光体の帯電電位及び露光後電位の少なくともいずれかを前記表面電位計プローブで測定し、前記表面電位計に信号を送ることにより前記電子写真用感光体の帯電電位及び露光後電位の少なくともいずれかをモニタする方法などが挙げられる。
前記表面電位検出手段の数としては、前記帯電後の表面電位検出手段及び前記露光後の表面電位検出手段を、それぞれ少なくとも1つ有している必要がある。
前記表面電位検出手段は、前記電子写真用感光体の軸方向に移動可能に設けられている。また、前記表面電位検出手段は、径方向にも単独で進退可能な構造であることが、前記電子写真用感光体との距離を調節でき、様々なドラム径の電子写真用感光体に対応できる点で好ましい。
前記補正手段は、前記電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、前記帯電手段への印加電圧(第1の印加電圧)と、前記表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する前記印加電圧(第2の印加電圧)を算出し、前記複数の各位置において、前記算出した前記印加電圧で前記帯電手段により帯電をさせる手段である。
前記補正手段により、前記電子写真用感光体は、全領域における帯電電位の最大値と最小値との差(帯電電位偏差)を抑制することができる点で好ましい。
前記帯電手段への印加電圧の値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記帯電手段がスコロトロン帯電方式である場合、前記印加電圧としては、ワイヤ印加電圧及びグリッド印加電圧を利用することができ、いずれか一方の印加電圧を任意の値に固定し、他方の印加電圧を前記補正手段に利用することができる。
前記目標値は、前記電子写真用感光体における所望の帯電電位である。前記目標値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記1次関数は、前記電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、前記帯電手段への印加電圧と、前記表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から算出される。
具体的には、任意の印加電圧を印加された前記帯電手段により、前記電子写真用感光体が帯電され、前記表面電位検出手段により、前記電子写真用感光体の周方向の任意の位置の帯電電位が測定される。これにより、測定された前記電子写真用感光体における帯電電位と、前記印加電圧とのプロットが得られる。前記印加電圧を変化させ、同様にして得られたプロットより、前記印加電圧と、前記電子写真用感光体における帯電電位との関係を示す1次関数が算出される。なお、前記プロットが直線上にのらない場合は、最小2乗法により前記1次関数が算出されることも可能である。
前記任意の位置の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多い方が、前記電子写真用感光体の帯電電位の制御性が向上する点で好ましい。
前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出することができる。
前記目標値に対応する印加電圧は、前記電子写真用感光体の1周内の任意の位置における前記1次関数により、前記電子写真用感光体の前記帯電電位の前記目標値から算出された電圧である。前記目標値に対応する印加電圧は、前記電子写真用感光体における周方向の複数の各位置において算出された前記1次関数より、それぞれの位置に対応する前記目標値に対応する印加電圧が算出されることが好ましい。
前記補正手段において、前記1次関数の算出後、前記電子写真用感光体は、後述する除電手段により除電され、前記目標値に対応する印加電圧により再帯電され、これにより、前記電子写真用感光体の帯電電位が目標値へと補正される。これにより、前記電子写真用感光体の全領域における帯電電位偏差を抑制することができる。
前記補正を行う回数としては、特に制限はなく、帯電電位偏差が目標範囲内に収まるまで何度でも行うことができる。
前記その他の構成としては、例えば、除電手段、露光手段、前記帯電手段に電圧を供給するワイヤ電極及びグリッド電極、前記ワイヤの高圧電源、前記グリッドの電源、前記高圧電源及び前電源の電源スイッチなどが挙げられる。
前記除電手段は、前記電子写真用感光体の帯電電位を除電する手段である。前記除電手段としては、前記電子写真用感光体に対し除電バイアスを印加することができれば、特に制限はなく、公知の除電手段の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電手段は、前記電子写真用感光体の軸方向に移動可能に設けられている。また、前記除電手段は、径方向にも単独で進退可能な構造であることが、前記電子写真用感光体との距離を調節でき、様々なドラム径の電子写真用感光体に対応できる点で好ましい。
前記露光手段は、前記電子写真用感光体を露光する手段である。前記露光手段は、前記電子写真用感光体を露光することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記露光手段の光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般などが挙げられる。また、前記露光手段は、所望の波長域の光のみを前記電子写真用感光体ドラムに照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもでき、照度を下げるために、ニュートラルデンシティフィルターを用いることもできる。
前記露光手段は、前記電子写真用感光体の軸方向に移動可能に設けられている。また、前記露光手段は、径方向にも単独で進退可能な構造であることが、前記電子写真用感光体との距離を調節でき、様々なドラム径の電子写真用感光体に対応できる点で好ましい。
前記高圧電源、電源、及び電源スイッチとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記高圧電源、電源、及び電源スイッチの制御手段としては、特に制限はなく、従来公知のものをそのまま用いることができる。
本発明の電子写真用感光体特性評価装置は、前記電位制御装置を有する装置であり、必要に応じて、更にその他の構成を有してなる。
前記その他の構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子写真用感光体、回転角度検出手段、移動手段などが挙げられる。
前記電子写真用感光体としては、その材質、形状、大きさ、構造などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。これらの中でも、ドラム状が好ましい。
前記材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記大きさとしては、前記電子写真用感光体特性評価装置の大きさ、仕様などに応じて適宜選択することができる。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、の他の層を有してなる。
前記回転角度検出手段は、前記電子写真用感光体ドラムの回転角度を測定する手段である。前記回転角度検出手段としては、前記電子写真用感光体ドラムの回転角度を測定することができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロータリーエンコーダなどが挙げられる。このロータリーエンコーダで検出された前記電子写真用感光体ドラムの周方向の位置情報などの回転角度に関する情報がコントローラへと送られる。
前記移動手段は、前記帯電手段を前記電子写真用感光体の軸方向に移動させる手段である。前記移動手段は、前記帯電手段の前記電子写真用感光体の軸方向への移動と対応して、前記表面電位検出手段、前記露光手段、及び前記除電手段を、同一軸方向位置に同時に移動させる設計であることが好ましい。これにより、軸方向の所望の計測位置を適宜選択することができる。
前記移動手段としては、特に制限はなく、公知の移動手段の中から適宜選択することができ、例えば、ステッピングモータなどが挙げられる。
前記スコロトロン帯電器、表面電位計プローブ13、露光手段2、表面電位計プローブ3、前記除電用光源は、電子写真用感光体ドラム1の径方向及び軸方向に進退可能な構造となっており、径方向に関してはそれぞれを個別に移動することができ、個別の位置に配置できる。ただし、軸方向に関しては、これらの全てが同時に移動し、同一軸方向位置に配置される。
なお、ここでは補正手段として、コントローラ17、A/D変換器10、デジタルリレー出力23、除電手段8の除電用光源、及び帯電手段6のスコロトロン帯電器が使用されているが、本発明の効果を奏する手段であれば、これらに限定されるものではない。
従来技術の問題点である、ドラム振れと、VDとの関係について評価した。
電子写真用感光体ドラム1の端部から軸方向に180mmの位置で、電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でのVDを測定した。ワイヤ印加電圧(Vc)は−6.7kV、グリッド印加電圧(Vg)は−800V、電子写真用感光体ドラム1の線速は200mm/秒間に設定した。また、mitutoyo社製のテストインジケータは、電子写真用感光体ドラム1の端部から軸方向に180mmの位置、周方向は帯電器と同位置に設置して、前記8位置での電子写真用感光体ドラム1の振れ幅について測定を行った。図3に測定結果を示す。
電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDの測定は、比較例1、実施例1a及び1bともに、電子写真用感光体ドラム1の端部から軸方向に180mmの位置で行った。また、Vgは−800Vで一定とし、電子写真用感光体ドラム1の線速は200mm/秒間に設定した。電子写真用感光体ドラム1の帯電電位の目標値(VD)は−800Vとした。
比較例1では、印加電圧としてVcを一定にして電子写真用感光体ドラム1を帯電させ、電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDを測定した。
具体的には、Vc=−6.7kVの一定条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。その結果を図4に示す。
実施例1aでは、印加電圧(Vc)を変化させて電子写真用感光体ドラム1を帯電させ、電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDを測定し、電子写真用感光体ドラム1の1周内の位置に応じて、電子写真用感光体ドラム1の帯電電位の目標値をVD=−800Vとするために最適なVcを求め、算出したVcにより電子写真用感光体ドラム1を再帯電した。
具体的には、Vc=−6kV、−6.5kV、及び−7kVの各条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の4位置(40°、120°、200°、及び280°)でそれぞれのVDを測定した。
図5は40°の位置におけるVcとVDとの関係を表す1次関数を求めるためのグラフである。周方向各位置で同様にして、1次関数を求めてVD=−800VとなるようなVcを算出した。求めた1次関数及びVcを表1に示す。
40°以上120°未満の位置では40°の位置で算出したVc=−6.48kV
120°以上200°未満の位置では120°の位置で算出したVc=−6.94kV
200°以上280°未満の位置では200°の位置で算出したVc=−6.41kV
280°以上320°以下の位置では280°の位置で算出したVc=−6.55kV
前記再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図4に示す。
実施例1bでは、実施例1aと同様の方法で最適なVcを求め、算出したVcにより電子写真用感光体ドラム1を再帯電した。この際、最適なVcを求める位置を実施例1aよりも増やすことで、電子写真用感光体ドラム1のΔVDを更に抑制できるか否かを確認した。
具体的には、Vc=−6kV、−6.5kV、及び−7kVの各条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。測定したデータから各位置におけるVcとVDとの関係を表す1次関数を求め、その1次関数からVD=−800VとなるようなVcを算出した。各位置において求めた1次関数及びVcを表2に示す。
40°以上80°未満の位置では40°の位置で算出したVc=−6.48kV
80°以上120°未満の位置では80°の位置で算出したVc=−6.53kV
120°以上160°未満の位置では120°の位置で算出したVc=−6.94kV
160°以上200°未満の位置では160°の位置で算出したVc=−6.56kV
200°以上240°未満の位置では200°の位置で算出したVc=−6.41kV
240°以上280°未満の位置では240°の位置で算出したVc=−6.41kV
280°以上320°未満の位置では280°の位置で算出したVc=−6.55kV
320°の位置では320°の位置で算出したVc=6.42kV
前記再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図4に示す。
電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDの測定は、比較例2、実施例2a及び2bともに、電子写真用感光体ドラム1の端部から軸方向に180mmの位置で行った。また、Vcは−6.5kVで一定とし、電子写真用感光体ドラム1の線速は200mm/秒間に設定した。電子写真用感光体ドラム1の帯電電位の目標値(VD)は−800Vとした。
比較例2では、印加電圧としてVgを一定にして電子写真用感光体ドラム1を帯電させ、電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDを測定した。
具体的には、Vg=−807Vの一定条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。その結果を図6に示す。
実施例2aでは、Vgを変化させて電子写真用感光体ドラム1を帯電させ、電子写真用感光体ドラム1の1周内のVDを測定し、電子写真用感光体ドラム1の1周内の位置に応じて、電子写真用感光体ドラム1の帯電電位の目標値をVD=−800Vとするために最適なVgを求め、算出したVgにより電子写真用感光体ドラム1を再帯電した。
具体的には、Vg=−750V、−800V、及び−850Vの各条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、1周内の4位置(40°、120°、200°、及び280°)でそれぞれのVDを測定した。
図7は40°の位置におけるVgとVDとの関係を表す1次関数を求めるためのグラフである。周方向各位置で同様にして、1次関数を求めてVD=−800VとなるようなVcを算出した。求めた1次関数及びVgを表4に示す。
40°以上120°未満の位置では、40°の位置で算出したVg=−794V
120°以上200°未満の位置では、120°の位置で算出したVg=−799V
200°以上280°未満の位置では、200°の位置で算出したVg=−802V
280°以上320°以下の位置では、280°の位置で算出したVg=−795V
前記再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図6に示す。
実施例2bでは、実施例2aと同様の方法で最適なVgを求め、算出したVgにより電子写真用感光体ドラム1を再帯電した。この際、最適なVgを求める位置を実施例2aよりも増やすことで、電子写真用感光体ドラム1のΔVDを更に抑制できるか否かを確認した。
具体的には、Vg=−750V、−800V、及び−850Vの各条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。測定したデータから各位置におけるVgとVDとの関係を表す1次関数を求め、その1次関数からVD=−800VとなるようなVgを算出した。各位置において求めた1次関数及びVgを表5に示す。
40°以上80°未満の位置では40°の位置で算出したVg=−794V
80°以上120°未満の位置では80°の位置で算出したVg=−797V
120°以上160°未満の位置では120°の位置で算出したVg=−799V
160°以上200°未満の位置では160°の位置で算出したVg=−822V
200°以上240°未満の位置では200°の位置で算出したVg=−802V
240°以上280°未満の位置では240°の位置で算出したVg=−794V
280°以上320°未満の位置では280°の位置で算出したVg=−795V
320°の位置では320°の位置で算出したVg=−801V
前記再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図6に示す。
以下の比較例3、実施例3a及び3bは、電子写真用感光体ドラム1の一方の端部から軸方向に50mmの位置で行った以外は、比較例1、実施例1a及び1bと同様の方法でVDの測定を行い、電子写真用感光体ドラム1内の軸方向の位置によっても、VDを目標値にするのに必要なVcの値が異なるか否か、また、電子写真用感光体ドラム1内の軸方向の位置の違いにより、ΔVDの抑制効果に変化があるか否かを確認した。
Vc=−6.7kVの一定条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。その結果を図8に示す。
実施例1aと同様の手順で、電子写真用感光体ドラム1の1周内の4位置(40°、120°、200°、及び280°)でそれぞれのVDを測定し、表7のような1次関数及びVcを算出し、算出したVcを用いて再帯電した。再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図8に示す。
実施例1bと同様の手順で、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定し、表8のような1次関数及びVcを算出し、算出したVcを用いて再帯電した。再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図8に示す。
以下の比較例4、実施例4a及び4bは、電子写真用感光体ドラム1の一方の端部から軸方向に50mmの位置で行った以外は、比較例2、実施例2a及び2bと同様の方法でVDの測定を行い、電子写真用感光体ドラム1内の軸方向の位置によっても、VDを目標値にするのに必要なVgの値が異なるか否か、また、電子写真用感光体ドラム1内の軸方向の位置の違いにより、ΔVDの抑制効果に変化があるか否かを確認した。
Vg=−810Vの一定条件で電子写真用感光体ドラム1の1周分の帯電を行い、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)でそれぞれのVDを測定した。その結果を図9に示す。
実施例2aと同様の手順で、電子写真用感光体ドラム1の1周内の4位置(40°、120°、200°、及び280°)それぞれのVDを測定し、表10のような1次関数及びVgを算出し、算出したVgを用いて再帯電した。再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図9に示す。
実施例2bと同様の手順で、電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)それぞれのVDを測定し、表11のような1次関数及びVgを算出し、算出したVgを用いて再帯電した。再帯電後に測定した電子写真用感光体ドラム1の1周内の8位置(40°、80°、120°、160°、200°、240°、280°、及び320°)のVDを図9に示す。
また、本発明の電子写真用感光体特性評価装置は、前記電位制御装置を有し、前記電子写真用感光体のドラム振れによる帯電電位偏差を抑制することができ、測定誤差を生じることがなく、露光後電位から前記電子写真用感光体の全体の特性を精度よく評価することができるため、レーザプリンタ、複写機等の画像形成装置、画像形成方法などに使用される電子写真用感光体の特性の評価に好適に利用可能である。
2 露光手段
3 表面電位計プローブ
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 帯電手段
7 高圧電源
8 除電手段
9 信号処理回路
10 AD変換器
11 ロータリーエンコーダ
12 電源
13 表面電位計プローブ
14 表面電位計
15 電源スイッチ
16 モータ
17 コントローラ
18 主軸
19 ベルト
20 ドラムチャック治具
21 手前側(電子写真用感光体ドラム1の一端側)の面板
22 奥側(電子写真用感光体ドラム1の他端側)の面板
23 デジタルリレー出力
Claims (6)
- 少なくとも帯電手段及び表面電位検出手段を有し、
電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、前記帯電手段への印加電圧と、前記表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、
前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出し、
前記複数の各位置において、前記算出した前記印加電圧で前記帯電手段により帯電をさせる補正手段を有し、
前記補正手段により補正が行われた後、前記電子写真用感光体の1周内の帯電電位の最大値と最小値との差が目標値を超えた場合、前記電子写真用感光体の周方向で補正を行う位置を増やし、再度前記電子写真用感光体の帯電電位の補正が行われることを特徴とする電位制御装置。 - 帯電手段が、コロナ帯電方式であり、ワイヤ印加電圧と、電子写真用感光体の帯電電位との関係から1次関数を算出する請求項1に記載の電位制御装置。
- 帯電手段が、スコロトロン帯電方式であり、グリッド印加電圧と、電子写真用感光体の帯電電位との関係から1次関数を算出する請求項1に記載の電位制御装置。
- 請求項1から3のいずれかに記載の電位制御装置を有することを特徴とする電子写真用感光体特性評価装置。
- 電位制御装置を有する電子写真用感光体特性評価装置であって、
前記電子写真用感光体特性評価装置が、帯電手段を電子写真用感光体の軸方向に移動させる移動手段を有し、
前記電位制御装置が、少なくとも前記帯電手段及び表面電位検出手段を有し、前記電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、前記帯電手段への印加電圧と、前記表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出し、前記複数の各位置において、前記算出した前記印加電圧で前記帯電手段により帯電をさせる補正手段を有し、
前記補正手段が、前記電子写真用感光体の軸方向の任意の位置において、前記電子写真用感光体における周方向の帯電電位の補正を行うことを特徴とする電子写真用感光体特性評価装置。 - 電子写真用感光体における周方向の複数の位置において、帯電手段の印加電圧と、表面電位検出手段により検出された前記電子写真用感光体における帯電電位との関係から導かれる1次関数を算出し、
前記1次関数により、前記複数の各位置において、前記帯電電位の目標値に対応する印加電圧を算出し、
補正手段により、前記複数の各位置において、前記算出した前記目標値で前記帯電手段により帯電をさせて補正し、
前記補正手段により補正が行われた後、前記電子写真用感光体の1周内の帯電電位の最大値と最小値との差が目標値を超えた場合、前記電子写真用感光体の周方向で補正を行う位置を増やし、再度前記電子写真用感光体の帯電電位の補正が行われることを特徴とする電位制御方法。
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