JP4726738B2 - 電子写真用感光体の特性評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザープリンタ、複写機等の画像形成装置に使用される電子写真用感光体の特性評価装置に関するものである。
特許文献1には、着脱可能な感光体ドラムを回転可能に保持するとともに、保持された感光体ドラム表面を軸心方向のほぼ全域にわたって帯電させる帯電装置、及び該帯電装置による帯電位置から感光体ドラムの回転方向下流側位置にて、該感光体ドラムの表面を軸心方向のほぼ全域にわたって露光する光源を有する帯電露光ユニットと、該帯電露光ユニットに保持された感光体ドラムを所定方向に回転させる感光体ドラム回転手段と、該感光体ドラムの軸心方向に移動可能に配置されており、前記光源による露光位置よりも感光体ドラムの回転方向下流側にて該感光体ドラムの表面の電位を測定する電位センサと、該電位センサを感光体ドラムの軸方向へ移動させるセンサ移動手段と、該電位センサによる測定位置よりも感光体ドラムの回転方向下流側位置にて該感光体ドラムの表面を軸方向のほぼ全域にわたって除電する除電装置とを具備する感光体ドラムの感光体特性測定装置が記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも帯電手段、露光手段、表面電位測定手段を取り付けた作動ユニットを円筒形の感光体を母線方向に移動させて諸値を測定する感光体の特性評価方法であって、該感光体はアモルファスシリコンを主成分とする光導電層を有し、該帯電器の有効帯電範囲が2〜15cmであり、該露光手段は、露光量、露光波長が可変である事を特徴とする。これにより、上記の諸特性を総合的、かつ高精度に評価する事が可能となる評価方法が記載されている。
その他の従来技術として、特許文献3には、感光体ドラムに少なくとも帯電と露光を与えて電気特性を測定する特性測定装置において、感光体ドラムに帯電を与えるための帯電手段、露光手段、露光量を変化させて電位減衰量を測定する際、露光光を一部分岐するハーフミラー、分岐された光の光量を測定する光量センサ−、および電位測定手段を設けてなる感光体ドラムの特性測定装置が記載されている。
しかし、被測定物となる感光体ドラムの支持体に厚みの不均一な部分があった場合、回転時に重量バランスが悪く振れが大きくなる事がある。特にドラム径が大きく重量のある感光体ドラムの場合は、重量バランスの悪さにより、回転時に非常に大きな振れとなり、それによって感光体周りに配置された帯電装置・露光装置・表面電位検出装置との距離が安定しない為に、正確な計測が出来ない状況も発生する。また、振れが大きい場合には、感光体周りに配置された帯電装置・露光装置・表面電位検出装置に接触し装置の損傷や感光体へのダメージも起こりえる。しかし、従来の特許文献はこの問題点についての記載や示唆はなく、問題として認識されていなかった。
また、電子写真感光体に要求される特性として、帯電能、電荷保持能、感度等があげられる。これらの電気的・光学的な特性の測定には電子写真プロセスと同様にコロナ帯電・露光を行う事によって上記特性を評価される事が多い。それらの特性を評価する特性値の一つとして、電子写真感光体をコンデンサと考え、静電容量を求め評価する方法がある。電子写真感光体をコンデンサと考えるモデルでは、コロナ帯電により感光体試料に流れる電流と、この時の表面電位を同時計測し、電流は時間で積算され図2中の下部のグラフで示されるように、Q=C・V(Qは充電電荷量、Vは感光体の帯電電位、Cは感光体の静電容量)の関係より静電容量(C)を求める。感光体にコロナ放電を施すとその放電電流
は、通常図2中の上段のグラフで示されるように立ち上がっていく。この間、感光体の充電電荷量は、図2中の中段のグラフで示されるように推移する。つまり、充電電荷量(Q)は、各時間(Δt)あたりの各充電電荷量(q1)、(q2)、(q3)、・・・(qn)の積算値で表され、増大していく。各充電電荷量(q1)、(q2)(q3)、・・・(qn)は、それぞれ、時間(Δt)と電流(I)との積で表される積分値であり、電流(I)は実測の試料充電電流値/S(Sは帯電される試料の面積)で定まる。これらによって求まった充電電荷量(Q)とこれに対応する表面電位(V)をプロットして直線を引き、この傾きから静電容量(C)を算出する。しかし、この算出方法では、徐々に帯電する状況を確認して算出する為、高速回転する必要がある。その為、被測定物の感光体ドラムは高速回転時にも問題なく回転可能となる小さい振れにおさまってなければならない。
特開平4−26852号公報 特開2003−29572号公報 特開平6−236090号公報
本発明の目的は、軽量ドラムから重量ドラムまで計測可能な電子写真用感光体の特性評価装置であって、回転する事で振れが大きくなる感光体であっても特性評価が可能な特性評価装置を提供する事である。
上記課題を解決する為に、本発明では、以下のような特徴を持つ電子写真用感光体の評価装置を提供する。
即ち本発明によれば、第1に、少なくとも帯電装置、露光装置、表面電位検出装置を備えた電子写真用感光体の電気的・光学的な特性評価装置において、感光体の振れを測定する機能を有する装置及び回転時の前記感光体の回転数を認識可能な機能を有する装置が内設されており、回転時の前記感光体と、帯電装置、露光装置及び表面電位検出装置との距離が、何れの装置にも接触しない距離を保持する許容値以下である事を判定する判定機能を有し、且つ回転時の前記感光体の振れと回転数とを対応させる機能を有するコントローラを備えたことにより、感光体と特性評価装置に損傷を及ぼさないで特性評価を可能とし、感光体と特性評価装置に損傷を及ぼさない範囲の回転数を認識させることができる。
第2に、感光体の振れを測定する機能を有する装置が、非接触変位センサによって感光体の振れを測定する事で振れの計測方法を提供する事を特徴とする。
に、感光体の振れが、前記許容値以下となる回転数で特性評価を実施する事により、感光体と特性評価装置に損傷を及ぼさないで特性評価を可能とさせる事を特徴とする。
に、電子写真用感光体特性評価装置において、特性評価に必要な最低回転数以上で特性計測を実施する事により、振れによる影響を受けない特性評価結果を出させ、且つ感光体と特性評価装置に損傷を及ぼさない事を特徴とする。
本発明により、軽量ドラムから重量ドラムまで計測可能な電子写真用感光体の特性評価装置を提供する事が可能となる。特に、本発明により、電子写真用感光体ドラムの静電特性評価において、回転する事で振れが大きくなる感光体であっても特性評価が可能な特性評価装置を提供する事ができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。感光体はドラム形状の物を取り上げて説明するが、これに限定されるわけではない。図1は、本発明にかかる感光体の特性評価装置の概略図である。図1を参照しながら特性評価装置を説明する。
特性評価装置は、感光体ドラム1を露光する露光ランプ11、感光体ドラム1の電位を計測する表面電位計プローブ3、感光体ドラム1を帯電するコロナ帯電器6、コロナ帯電器6へ電圧を供給する為の電源7、電源7のスイッチ15、感光体ドラム1を除電する除電用光源8、露光ランプ11を覆うランプボックス10、露光した光を電子写真用感光体の照射面までガイドする露光ガイドボックス2、照度を調節する絞り12、感光体ドラム1の振れを計測する為の変位センサ13を有している。
この特性評価装置では、感光体ドラム1はモーター16を使用して矢印の方向に回転し、電源7から高電圧が出力され、コロナ帯電器6によって感光体ドラム1が帯電される。その後、感光体ドラム1中の通過電流は、5の信号処理回路に送られる。(信号処理回路の中には図示されていない平滑化回路が組み込まれており、平滑化回路によって通過電流の平滑化が行われる。)その後、A/D変換器によってデジタル信号に変換されコントローラ17に送られデジタル信号が演算処理される。
また、感光体ドラム1の表面電位は、表面電位計プローブ3からモニター部である表面電位計4に送られモニターされ、信号処理回路9に送られる。その後A/D変換器によって変換され、次にコントローラ17に送られ演算処理される。コントローラ17は、感光体ドラム1を回転させるモーター16内のモータードライバに接続されている。モータードライバでは、回転数を出力する機能、回転数をリモート制御可能な機能も付加されているため、回転数制御と回転数の認識も可能である。
感光体ドラム1周りのユニットは、デジタルリレー出力によってON/OFF制御されている。また、感光体の露光後電位は、露光ランプ11を使用する事によって、測定が出来、感光体の表面電位を取り除く場合は、除電用光源8を使用し取り除く事が可能であり、感光体ドラム1の帯電特性、光減衰特性等の特性評価が可能である。
また、変位センサ13に接続されたアンプヘッド14によって、感光体ドラム1の振れがコントローラ17に送られ振れの大小判断が可能となっている。コントローラ17では、感光体の振れ許容値を保持する事や、アンプヘッド14から送られてきた感光体ドラム1の振れと保持している振れ許容値との比較も可能である。更に、コントローラ17では、アンプヘッド14から送られてきた感光体ドラム1の振れと回転数を対応させる事も可能である。
ここで、本発明における光減衰特性を調べる為の白色光感度は、電位が予め意図した所定電位レベルに減衰するまでに要した時間(s)と、露光照度(lx)を乗じて算出した露光量(lx・s)である。
露光装置には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いる事も出来、照度を下げる為に、ニュートラルデンシティフィルターを用いる事も出来る。
変位センサには、接触式・非接触式があるが、回転体の振れを測定する目的から非接触式が好ましい。非接触式には、レーザ変位センサ、渦電流式変位センサを用いる事が出来るが、レーザ変位センサでは、感光体に光をあて感光体特性に影響を与える為、渦電流式
変位センサを使用するのが好ましい。レーザを用いる場合は、感光層への照射がないように、感光体の未塗工部、主軸、回転体に照射するのであれば構わない。
照度を調節する為の絞りには、絞りを使わず照度調整可能なニュートラルデンシティフィルターを用いる事も出来る。
被試験試料の表面を帯電処理するための帯電装置用電源回路の制御手段、該被試験試料を光照射するための光源用電源回路の制御手段は、図示されてないが、これらとしては、従来公知のものをそのまま用いることができる。
特性評価装置は、光を透過しない暗箱あるいは、暗幕等で覆われている、暗箱あるいは暗幕で覆われていないと、試験時に外部環境(風・光・温度)の影響を受け、正確な特性評価が困難となる。但し、コントローラ・信号処理回路等、感光体ドラムの評価に影響の無い物に関しては、暗箱あるいは暗幕で覆う必要はない。
本発明の実施に用いる感光体は、導電性支持体の上に電荷発生層、電荷輸送層が形成されたもの、更に電荷輸送層の上に保護層が形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷発生層、電荷輸送層としては、公知のものならば如何なるものでも使用することができる。
次に、図1の様な特性評価装置で、リコー imagio MF 7070に搭載された感光体ドラム
(ドラム直径100mm、ドラム全長360mm、ドラムの肉厚1.2mm、ドラム重量362g)と、リコー imagio Neo 221用感光体に搭載された感光体ドラム(ドラム直径
30mm、ドラム全長340mm、ドラムの肉厚0.75mm、ドラム重量63g)の2種類を使用して、回転数を変化させて特性評価を行った。特性評価時の帯電時の立ち上がり信号(電位と電流)が、階段状の信号にならずに計測可能であるかを確認した。その確認結果と、その時の白色光感度結果を表1に示す。(特性評価装置としては、露光ランプに富士電球株式会社製 FP8DC 120V 100Wを使用した内製露光装置、電源はTREK社製 高
圧電源Model610E、表面電位計はTREK社製 Model344、表面電位計プローブはTREK社製 Model6000B-7C、帯電器は内製したコロトロン帯電器、除電用光源には林時計工業製特注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製 モーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナルインスツル
メンツ製、PCI-6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ製PCI-6503、それ以
外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用。また、帯電時の立ち上がり信号サンプリング間隔:0.01sec、白色光感度測定時のサンプリング間隔:0.
02sec、である。)
Figure 0004726738
表中の記号についての説明
○:立ち上がり信号が階段状になっていない
×:立ち上がり信号が階段状
表1の結果から、ドラム直径30mmの感光体ドラムは回転数800rpm以上、ドラム直径100mmの感光体ドラムは回転数1000rpm以上でないと、立ち上がり信号が階段状になる問題や、特性値測定結果に影響を及ぼし、好ましくない事が判明した。この事から、感光体ドラムを高速回転させて徐々に帯電する状況や、徐々に光減衰する状況を観察する場合は、必要最低回転数を見極め、それ以上の回転数で特性値評価を実施する必要がある事が分かる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により、何等限定されるものではない。
以下の4種類の感光体ドラムに関して、回転数と振れの関係について調査を行った。
感光体ドラム(1):直径30mm、全長340mm、肉厚:0.75mm、重量63g
感光体ドラム(2):直径100mm、全長360mm、肉厚:1.2mm、重量362g
感光体ドラム(3):直径120mm、全長680mm、肉厚:3mm、重量2024g
感光体ドラム(4):直径210mm、全長520mm、肉厚:6mm、重量5398g
(実施例1)
図1に示す特性評価装置を使用し、回転数と振れの関係を調査した。特性評価装置では、渦電流式変位センサ(非接触変位センサ)を使用し、変位センサに接続されたアンプユニットによって、振れが0.4mmの許容範囲内に収まる回転数を調査した(特性評価装置でのコントローラは、デル製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナル
インスツルメンツ製、PCI-6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ製PCI-6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用。また、使用
したモーターはオリエンタル社製 モーターユニットDX6150SDを使用、渦電流式変位セン
サのセンサ部は、キーエンス製、ANLOG SENSOR AH-416(アルミ仕様)を使用。また、セ
ンサと感光体との距離は2mm離した位置で測定)。測定した結果を表2に示す。
(比較例1)
図1に示す特性評価装置を使用し、変位センサを使用せずに目視で振れ状況を判断し、許容出来る範囲内に収まる回転数を調査した。特性評価装置におけるコントローラとしては、デル製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナルインスツルメンツ製
、PCI-6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ製PCI-6503、それ以外の信号
処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用。また、使用したモーターはオリエンタル社製 モーターユニットDX6150SDを使用した。測定した結果を表2に示す。
Figure 0004726738
測定は、100rpm刻みで実施し、最大2000rpmまで回転数を上げて、振れが許容範囲内に収まる回転数を測定した。
表2の結果は、ドラム径が大きく、かつ重量のあるドラムほど回転した場合の振れが大きくなり、回転数を大きくするほど振れは大きくなる傾向にある事を示している。また、振れが大きくなる事で、評価装置と感光体に損傷の危険性が生じる傾向にあるが、従来は、目視で振れを確認していた為、評価装置と感光体に損傷の危険性に気付かず危険なまま測定していた事が分かった。
又、目視での振れ判断は正確でない事が、変位センサを使用して初めて明確になった。この事から、測定する感光体ドラムの振れを計測する事が重要である事が分かる。また振れを接触式変位センサで計測する事を検討したが、回転時に耐えうる接触式変位センサは無く、例え使えたとしても、感光体表面にキズがつく為、好ましくない。
以上の事から、振れを変位センサで計測する事が正確に振れを計測でき、且つ接触式ではない非接触変位センサを使用する事で、感光体にダメージを与えず計測できる事が分かる。
(実施例2)
直径210mm、全長520mm、肉厚6mm、重量5398gの感光体ドラムを用意した。使用した感光体ドラムは、支持体上に下記組成の下引き層用塗工液を用いて塗布後、13020分間乾燥を行い、約3.5μmの下引き層を形成した。続いて下記組成の電荷発生層用塗工液を用いて塗布後、130℃20分間乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。さらに、下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて塗布後、130℃20分間乾燥を行い、約27μmの電荷輸送層を形成して感光体を作製した。塗布はいずれも浸漬塗工法を用いた。
(下引き層用塗工液)
酸化チタンCR−EL(石原産業社製):50部
アルキッド樹脂ベッコライトM6401−50(固形分50重量%、大日本インキ化学工業社製):15部
メラミン樹脂L−145−60(固形分60重量%、大日本インキ化学工業社製):8

2−ブタノン:120部
(電荷発生層用塗工液)
下記構造式(化1)の非対称ビスアゾ顔料:2.5部
ポリビニルブチラール(「XYHL」UCC製):0.5部
メチルエチルケトン:110部
シクロヘキサノン:260部
Figure 0004726738
(電荷輸送層用塗工液)
ポリカーボネートZポリカ(帝人化成社製):10部
下記構造式(化2)で示される電荷輸送物質:7部
テトラヒドロフラン:80部
下記構造式(化3)で示される硫黄系酸化防止剤:0.5部
シリコーンオイル(100cs、信越化学工業社製):0.002部
Figure 0004726738
Figure 0004726738
この感光体ドラムで、図1に示す特性評価装置を使用し、回転数と振れに関する関係を調査した。(特性評価装置でのコントローラは、デル製のPC(Optiplex GX270)、A/
D変換には、ナショナルインスツルメンツ製、PCI-6025E、デジタル出力はナショナルイ
ンスツルメンツ製PCI-6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用。また、使用したモーターはオリエンタル社製 モーターユニットDX6150SDを使用、渦電流式変位センサのセンサ部は、キーエンス製、ANALOG SENSOR AH-145(アルミ仕様)を使用。また、センサと感光体の距離は2mm離した位置で測定)(調査に使用したドラムは合計4本)
調査した結果を表3に示す。(振れ許容値0.4mm以下と設定)
Figure 0004726738
表中の記号についての説明
○:振れが許容範囲内(振れ0.4mm以下)
×:振れが許容範囲外(振れ0.4mm以上)
−:測定不可(振れが大きすぎる為、計測装置と感光体損傷の危険性有り)
表3の結果から、ドラム寸法(直径・全長・肉厚)が同じであっても、これは平均値であり、場所による感光体ドラムのばらつきがあるため、許容範囲内の振れに収まる回転数は、感光体ドラムによって違う事が分かる。この事からも、振れは常に監視すべきであり
、監視しない事が計測装置と感光体の損傷に繋がる事が分かる。
また、感光体ドラムによって振れが違う為、全ての感光体に関して振れを確認する必要があるが、一般的に多く行われる方法として、特性評価装置外で、感光体ドラムの内径に合ったフランジ状の治具をはめ合い、その中心に感光体ドラムの全長よりも長いシャフトを通し、両サイドをブロックゲージで保持させた状態で、ダイヤルゲージを感光体面にあてて振れを確認する方法は、確認に時間がかかり効率が悪い事や、ドラムに接触させるために、感光体ドラムにキズをつける悪さ等がある。また、感光層を塗っている為に、遮光しなければならないが、遮光したままで振れを確認する方法は困難であり、感光体特性測定装置に振れ測定機能がある事は、効率アップ・感光体へのダメージ低減・特性値の正確さにアップに繋がる事が分かる。
(実施例3)
実施例2で使用した感光体ドラムと同じ構成の感光体ドラムを用意した。使用した感光体ドラムは、振れ許容値0.4mm以下に収まる回転数が、必要回転数の1000rpm以
上である感光体ドラム(9)と、振れ許容値0.4mm以下に収まる回転数が不明である感光体ドラム(10)の計2本の感光体ドラムを、図1に示す特性評価装置を使用して特性評価を実施した。(特性評価装置は、露光ランプに富士電球株式会社製 FP8DC 120V 100Wを使用した内製露光装置、電源はTREK社製 高圧電源Model610E、表面電位計はTREK社製 Model344、表面電位計プローブはTREK社製 Model6000B-7C、帯電器は内製したコロ
トロン帯電器、変位センサはキーエンス製 ANAGLO SENSOR AH-416(アルミ仕様)、アンプユニットはキーエンス製 ANALOG SENGOR AS-440-SO、除電用光源には林時計工業製特
注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製 モーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナルインス
ツルメンツ製、PCI-6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ製PCI-6503、そ
れ以外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用した。)
但し、以下の装置A、Bを用いた。結果を表4に示す。
A:振れを認識でき、且つ振れと回転数の対応を認識する機能がない装置。
B:振れを認識でき、且つ振れと回転数の対応を認識する機能がある装置。
(必要最低回転数とは、帯電時の立ち上がり信号に階段状の信号がなく、且つ感度が正確に測れる回転数)
Figure 0004726738
B装置での「振れ許容値での回転数」は、コントローラ機能を持つPCのモニタに振れ許容値での回転数がモニタされるため、その結果を記載した。
表中の記号についての説明
○:帯電時の立ち上がり信号が階段状ではなく、且つ感度が正確に測れている場合
△:帯電時の立ち上がり信号が階段状になっている、もしくは感度が正確に測れていない場合
※1:振れが許容値となった時にタコメータ(小野測器 デジタルタコメーターHT-430)で測定
表4の結果から、振れが許容値以下であれば感光体と評価装置に損傷無く測定可能である事が分かる。また、振れと回転数の対応を認識する機能がない場合は、タコメータ等で回転数を調べる必要があり効率が悪い。更に、振れ許容値での回転数が必要最低回転数に達していない場合は、評価結果に階段状の信号が表れる為、必要最低回転数以上で計測を実施しないと正確な結果が得られない事が分かる。
本発明に係る特性評価装置の概略図の一例。 帯電特性(静電容量)算出方法
符号の説明
1 感光体ドラム
2 露光ガイドボックス
3 表面電位計プローブ
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 コロナ帯電器
7 電源
8 除電用光源
9 信号処理回路
10 ランプボックス
11 露光ランプ
12 絞り
13 変位センサ
14 アンプユニット
15 電源のスイッチ
16 モーター
17 コントローラ

Claims (4)

  1. 少なくとも帯電装置、露光装置、表面電位検出装置を備えた電子写真用感光体の電気的・光学的な特性評価装置において、感光体の振れを測定する機能を有する装置及び回転時の前記感光体の回転数を認識可能な機能を有する装置が内設されており、回転時の前記感光体と、帯電装置、露光装置及び表面電位検出装置との距離が、何れの装置にも接触しない距離を保持する許容値以下である事を判定する判定機能を有し、且つ回転時の前記感光体の振れと回転数とを対応させる機能を有するコントローラを備えた事を特徴とする電子写真用感光体特性評価装置。
  2. 前記感光体の振れを測定する機能を有する装置が、非接触変位センサによって感光体の振れを測定する事を特徴とする請求項1に記載の電子写真用感光体特性評価装置。
  3. 前記電子写真用感光体特性評価装置において、回転時の前記感光体の振れが、前記許容値以下となる回転数で特性評価を実施する事を特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用感光体特性評価装置。
  4. 前記電子写真用感光体特性評価装置において、特性評価に必要な最低回転数以上で特性計測を実施する事を特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用感光体特性評価装置。
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