JP2009115701A - 電位計プローブ、感光体感度測定装置 - Google Patents

電位計プローブ、感光体感度測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電性を備える透明ガラスに露光光を透過させる光透過型の電位計プローブで、導電性を備える透明ガラスが通常のガラスよりも透過率が低いことに起因する不具合を抑制することができる電位計プローブ、及びこの電位計プローブを備えた感光体感度測定装置を提供する。
【解決手段】 光透過型の電位計プローブ3は、感光体の露光光Lが照射された領域の電位を測定する電位検出手段である電位検出電極34を有し、露光光源から感光体に向けて照射された露光光Lが透過する導電性を備えた透明ガラスである導電性ガラスを入射面ガラス31、出射面ガラス32、及び電位検出電極34に有し、これらの導電性ガラスは、その表面をメッシュ状にコーティングする透明導電性膜を有し、この透明導電性膜によって導電性を発揮する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、帯電されて露光された感光体の表面電位の測定に用いる光透過型の電位計プローブ、及びこの電位計プローブを備えた感光体感度測定装置に関するものである。
電子写真感光体(以下、「感光体」、「静電潜像担持体」と称することもある)は、複写機、レーザープリンタなどの電子写真プロセスを応用した画像形成装置において、最も重要な構成要素の一つである。そのため、感光体は出荷前に電子写真に関る様々な特性の検査が行われている。また、新規の電子写真装置用として、新規の感光体を開発する場合には、開発過程において試作した感光体の電子写真に関る様々な特性についての評価が行われている。この感光体の特性の一つとして、帯電された感光体に露光光を当てて、露光による感光体表面電位の変化の特性である感光体感度がある。この感光体感度を求めるときに、感光体表面電位を測定する表面電位計として、光透過型の電位計プローブを備えたものがある。
このように光透過型の電位計プローブを備えた表面電位計として、非特許文献1の電子学会第三部会「白色光感度測定の標準化作業に伴う調査・計測報告」には、サイドビュウ型電位計とNESA振動容量型電位計とが記載されている。図8は、非特許文献1に記載のサイドビュウ型電位計の電位計プローブの説明図であり、図9は、非特許文献1に記載のNESA振動容量型電位計の電位計プローブの説明図である。
図8に示すサイドビュウ型電位計の電位計プローブ3では、露光光Lは、電位計プローブ3の筺体35の上壁に設けられた開口部αを通過して、筺体35の下壁に設けられた開口部βから感光体1の表面に照射される。また、この電位計プローブ3は、筺体35の光照射部βの淵に電位検出電極34を備え、光照射部βから露光光Lを照射された感光体1の表面の電位を露光と同時に検出可能となっている。
図9に示すNESA振動容量型電位計の電位計プローブ3では、入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34は、酸化スズ(SnO)の透明導電性膜をガラス表面にコーティングしたNESAガラスを用いている。図9に示す電位計プローブ3においても、露光光Lは、筺体35の上壁に設けられた開口部αを通過して、筺体35の下壁に設けられた開口部βから感光体1の表面に照射される。開口部α及びβは円形状であり、入射面ガラス31は開口部αを塞ぐ円形ガラスである。また、出射面ガラス32は中央部に円形の孔部をそなえ、外径が入射面ガラス31と同じ大きさのドーナツ状のガラスであり、開口部βを塞ぐように配置されている。電位検出電極34は、二本の長方形のガラスが出射面ガラス32の孔部を介して感光体1表面と対向するように配置されている。この電位計プローブ3を備えた表面電位計では、入射面ガラス31及び出射面ガラス32の透明導電性膜に電圧を印加する電源を備え、透明導電性膜の電位が電位検出電極34によって検出された電位と同電位となるようにフィードバック制御を行う。このように、入射面ガラス31及び出射面ガラス32に電圧を印加することにより、出射面ガラス32の孔部以外の周囲に対して、電位検出電極34が電気的にシールドされた状態となる。このシールドされた状態により、出射面ガラス32の孔部で電位検出電極34と対向する感光体1の表面電位を検出することができる。また、出射面ガラス32の孔部は開口部βの中央に設けられているため、電位検出電極34は、開口部βから出射する露光光Lを照射された感光体1の表面の電位を、露光と同時に検出可能となっている。
このように、図8及び図9に示す光透過型の電位計プローブ3では、一様帯電された感光体1表面に露光光Lを照射すると同時に感光体1の表面電位を検出することができる。
このような表面電位計であれば、表面移動する感光体1の露光に対する表面電位の変化の特性だけでなく、一様帯電させた感光体1を停止させた状態で、一定強度の露光光Lを連続して照射して表面電位の減衰特性を測定することもできる。
また、図8に示すサイドビュウ型電位計の電位計プローブ3では、NESA振動容量型電位計の電位計プローブ3とは異なり、露光光Lが感光体1表面に到達するまでの間に露光光Lが透過するガラスがない。このため、詳細は後述するが、NESA振動容量型電位計の電位計プローブ3のように通常のガラスよりも透過率が低い導電性のガラスを透過させることによる不具合は生じない。
しかし、図8に示すように、電位計プローブ3の筺体35の開口部βの端部に電位検出電極34を配置しているため、感光体1の表面上の露光がなされた領域の中央部の電位を中心として電位を測定することができない。また、電位計プローブ3の筺体35と対向し、露光光Lが照射されない影部βは露光による除電が行われないため、感光体1表面上に電荷Eが残った状態である。そして、電位検出電極34はこの影部γに近い位置である開口部βの端部で電位を検出するため、影部γの電位の影響を受け、露光された領域の電位を正しく測定することが困難となる不具合が生じる。
図9に示すNESA振動容量型電位計の電位計プローブ3では、先に述べたように感光体1の表面上の露光がなされた領域の中央部の電位を検出することができる。露光がなされた領域の中央部であれば影部γから離れているため、サイドビュウ型電位計の電位計プローブ3のように影部γの電位が電位検出電極34での電位の検出に影響を及ぼしにくい。このため、影部γの電位の影響を受けること無く、露光された領域の電位を測定することができる。
なお、ガラスをコーティングする透明導電性膜は、酸化スズからなるものに限るものではない。例えば、酸化イリジウム(In)が主成分で、これに、スズ(Sn)を数[wt%]添加したものからなる透明導電性膜(ITO膜)であっても良い。また、これ以外のものでも使用可能である。以下、透明導電性膜でコーティングされたガラスを導電性ガラスと呼ぶ。
しかし、NESA振動容量型電位計のように導電性ガラスを用いた表面電位計の電位計プローブ3では、入射面ガラス31に入射した露光光Lが感光体1表面に到達するまでに透過した導電性ガラスの枚数が開口部β内の位置によって異なってくる。詳しくは、入射面ガラス31を透過して他のガラスを透過せずに出射面ガラス32の孔部から感光体1表面に照射された光は導電性ガラスを一枚のみ透過した光である。また、入射面ガラス31を透過して電位検出電極34を透過して出射面ガラス32の孔部から感光体1表面に照射された光、及び、入射面ガラス31を透過して電位検出電極34を透過せずに出射面ガラス32を透過して感光体1表面に照射された光は、二枚の導電性ガラスを透過した光である。また、入射面ガラス31を透過して、電位検出電極34及び出射面ガラス32を透過して感光体1表面に照射された光は三枚の導電性ガラスを透過した光である。
導電性膜でコーティングした導電性ガラスは、通常のガラスよりも光の透過率が低いため、一枚の導電性ガラスを透過した光と三枚の導電性ガラスを透過した光とでは光の強さが異なり、電位計プローブ3を透過して照射される光の強さ(照度)が均一な分布にならないという問題がある。
電子写真学会誌 第31巻 第3号別刷(1992)
本出願人は、特願2007−137152において、図9に示すような導電性ガラスを用いた電位計プローブ3で開口部βから照射される露光光Lの照度が均一になる構成として、露光光Lが透過する導電性ガラスの枚数がどの位置でも三枚となる構成を提案している。詳しくは、導電性ガラスと同じ層厚で導電性膜のコーティングがなされたガラスの小片を複数用意して、入射面ガラス31の表面上で透過する光が、その後、導電性ガラスを一枚だけ透過する領域にはこのガラスの小片が二枚重なるように固定する。また、入射面ガラス31の表面上で透過する光が、その後、導電性ガラスを二枚透過する領域にはこのガラスの小片を一枚固定する。このように、電位計プローブ3の開口部βから感光体1表面上に照射される露光光Lが、必ず三枚の導電性ガラスを透過するように構成することによって、開口部βから照射される光の強さ(照度)が均一な分布となる。
しかし、三枚の導電性ガラスを透過すると、開口部αに入射する露光光Lの照度に対する開口部βから照射される露光光Lの照度は、導電性ガラスの透過率(<1.0)の三乗を乗じたものとなる。その値は、透明導電性膜の透過率によって異なるが、導電性ガラスは通常のガラスよりも透過率が低いため、三枚の導電性ガラスを透過させると、感光体1に到達する光を大きく弱めることになる。
また、本発明者らが、透明導電性膜として一般的に使用されているITO膜でコーティングした導電性ガラスを用いて分光透過率を測定したところ、図6中のグラフ(1)(詳細は後述する)のように、分光透過率が500[nm]以下の短波長域で急激に低下することがわかった。短波長域での透過率が低下すると、感光体1の分光感度測定を行うときに短波長域の光量が不足し、短波長域での感度を適切に測定することができなくなるなど、感光体感度測定への影響は大きくなる。
このように、導電性ガラスに露光光Lを透過させる電位計プローブ3では、導電性ガラスが通常のガラスよりも透過率が低いことに起因して、感光体1に照射される光の照度の不均一や、照度の不足が発生する。
なお、少なくとも光が導電性ガラスを透過することによる照度の低下の不具合は、導電性ガラスに光を透過させる電位計プローブであれば生じ得る問題である。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、導電性を備える透明ガラスに露光光を透過させる光透過型の電位計プローブで、導電性を備える透明ガラスが通常のガラスよりも透過率が低いことに起因する不具合を抑制することができる電位計プローブ、及びこの電位計プローブを備えた感光体感度測定装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、露光手段から被帯電体に向けて照射された露光光が透過する導電性を備えた透明ガラスと、該被帯電体の露光光が照射された領域の電位を測定する電位検出手段とを有する光透過型の電位計プローブにおいて、該透明ガラスは表面をメッシュ状にコーティングする透明導電性膜を有し、該透明導電性膜によって上記導電性を発揮することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の電位計プローブにおいて、導電性部材からなり、光が透過する筒状の空間を形成する筺体と、該筒状の空間の光が入射する側の開口部を塞ぐように配置された導電性を備えた入射面ガラスと、該筒状の空間の光が出射する側の開口部を塞ぐよう配置され、その一部が孔部となっている導電性を備えた出射面ガラスと、該入射面ガラスと該出射面ガラスとの間に、且つ、その一部が該孔部と対向するように配置された上記電位検出手段である電位検出電極とを有し、該入射面ガラス及び該出射面ガラスは該電位検出電極で検出された電位と同電位となるように制御がなされるもので、該入射面ガラス、該出射面ガラス、及び該電位検出電極は、その表面をメッシュ状にコーティングする上記透明導電性膜を有する上記透明ガラスからなることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の電位計プローブにおいて、波長域が400[nm]から500[nm]の光に対する上記透明導電性膜の透過率が50[%]以上であり、その表面をメッシュ状にコーティングする該透明導電性膜を有する上記透明ガラスは、ガラスのみの部分の面積Saと該透明導電性膜がコーティングする部分の面積Sbとの面積比Sb/Saが、1/9≦Sb/Sa≦2/8の関係を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、測定対象の感光体を保持して回転させる感光体保持部と、該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該感光体表面に露光光を照射し露光する露光手段と、該露光手段が照射する光を透過するように配置され、露光された該感光体の電位を検出する電位検出部を備えた電位計プローブとを有する感光体感度測定装置において、該電位計プローブとして請求項1、2または3の電位計プローブを備えることを特徴とするものである。
上記請求項1乃至4の発明においては、露光光を透過する透明ガラスは、導電性を発揮するための透明導電性膜がガラス表面をメッシュ状にコーティングしているため、透明ガラス全面を透明導電性膜でコーティングする構成に比べて、透明ガラスの光を透過する領域での透過率の平均値を上げることができる。
請求項1乃至4の発明によれば、導電性を備える透明ガラスの光を透過する領域での透過率の平均値を上げることで、導電性を備える透明ガラスが通常のガラスよりも透過率が低いことに起因する不具合を抑制することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した感光体感度測定装置として、電子写真感光体特性評価装置(以下、特性評価装置100と呼ぶ)の一形態について説明する。
図1は、本実施形態の特性評価装置100の概略説明図である。図2は、測定対象であるドラム状の感光体1を保持して回転させる感光体保持部200の説明図である。
図1に示すように、特性評価装置100は、感光体1を露光する露光手段である露光光源10、感光体1の表面電位を測定する電位計プローブ3、及び、感光体1の表面を帯電する帯電手段としてのスコロトロン帯電器6を備えている。また、スコロトロン帯電器6のワイヤへ電圧を供給するためのワイヤ印加電圧調整用電源7、ワイヤ印加電圧調整用電源7のワイヤ印加電圧調整用電源スイッチ15を備えている。また、スコロトロン帯電器6のグリッドへ電圧を供給するためのグリッド用電源11、グリッド用電源11のグリッド用電源スイッチ12、感光体1を除電する除電用光源8を有している。また、露光光源10、電位計プローブ3、及び、露光光源10から電位計プローブ3まで露光光をガイドする露光ガイドボックス2を一体として、露光ユニット30を形成している。
スコロトロン帯電器6、除電用光源8、及び露光ユニット30は、感光体1の表面と一定の間隔をもって配置できるように、感光体1表面の径方向に進退可能な構造となっており、様々な外径の感光体1に対応可能である。
また、露光ユニット30は、感光体1表面の周方向に移動可能な構造となっており、帯電から露光までの時間変化や、帯電から表面電位計測までの時間を変化させる事が可能である。
特性評価装置100の感光体保持部200では、感光体1は両端にドラムチャック治具20でドラムを保持され、主軸18がチャック治具20の中心を通っている。主軸18は、図2における感光体1の右側に配置された右面板21と感光体1の左側に配置された左面板22が主軸18の軸受け機能となっている。主軸18はモーター16に繋がったベルト19によって回転する機構となっており、モーター16が駆動することにより、感光体1が図1の矢印の方向に回転する。
ワイヤ印加電圧調整用電源7から高電圧が出力され、スコロトロン帯電器6によって感光体1が帯電される。その後、感光体1中の通過電流は、信号処理回路5に送られる。その後、A/D変換器23によってデジタル信号に変換されコントローラ17に送られてデジタル信号が演算処理される。
また、感光体1の表面電位は、電位計プローブ3からモニター部である表面電位計4に送られモニターされ、信号処理回路9に送られる。その後A/D変換器23によって変換され、次にコントローラ17に送られ演算処理される。コントローラ17は、感光体1を回転させるモーター16内のモータードライバに接続されている。モータードライバでは、回転数を出力する機能、位置検出機能、回転数をリモート制御可能な機能も付加されており、回転数制御と回転数の認識や、設定した角度でドラムを停止する事も可能である。
感光体1周りの各ユニットは、デジタルリレー出力24によってON/OFF制御されている。また、感光体1の露光後電位は、露光光源10を使用することによって、測定ができ、感光体1の表面電位を取り除く場合は、除電用光源8を使用し取り除くことが可能であり、感光体1の帯電特性、光減衰特性等の特性評価が可能である。
また、コントローラ17はスコロトロン帯電器6のワイヤに電圧を供給するためのワイヤ印加電圧調整用電源7の出力電圧制御や、スコロトロン帯電器6のグリッドに電圧を供給するためのグリッド用電源11の出力電圧制御が可能である。
ワイヤ印加電圧調整用電源7とグリッド用電源11の出力条件は、感光体1を回転させた状態で、少なくとも2回以上放電状態のスコロトロン帯電器6直下を通過させた後、感光体1の表面電位が所定の電位へ到達する条件にする事が好ましい。
露光光源10には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもでき、照度を下げるために、ニュートラルデンシティフィルターを用いることもできる。
電位計プローブ3は、詳細は後述するが、ガラス基材と、ガラス基材上に導電性材料を塗布した光透過型の電位計プローブが用いられる。ガラス基材は、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、その形状としては、例えば円盤状、平板状などが挙げられる。また、導電性膜の構造としては、単層構造であっても良いし、積層構造であっても良い。導電性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばIndium−Tin−Oxide(ITO)が挙げられる。
被試験試料である感光体1の表面を帯電処理するための、グリッド用電源11及びグリッド用電源スイッチ12、ワイヤ印加電圧調整用電源7及びワイヤ印加電圧調整用電源スイッチ15等の帯電装置用電源回路の制御手段は図示されていない。また、感光体1に露光光を照射する露光光源10の光源用電源回路の制御手段も図示されていない。このような帯電装置用電源回路の制御手段、及び、光源用電源回路の制御手段は、図示されてないが、これらとしては、従来公知のものをそのまま用いることができる。
また、特性評価装置100は、光を透過しない暗箱、あるいは暗幕等で覆われている。暗箱あるいは暗幕で覆われていないと、試験時に外部環境(風・光・温度)の影響を受け、正確な特性評価が困難となる。但し、コントローラ・信号処理回路等、感光体1の評価に影響の無いものに関しては、暗箱あるいは暗幕で覆う必要はない。
特性評価装置100で評価する感光体1は、導電性支持体の上に電荷発生層、電荷輸送層が形成されたもの、更に電荷輸送層の上に保護層が形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷発生層、電荷輸送層としては、公知のものを使用することができる。
感光体1における特性としては、帯電特性:静電容量・抵抗、光減衰特性:感度等が挙げられる。これらの特性のうち、本願と関係する光減衰特性:感度は、例えば以下のようにして測定する。
−光減衰特性の測定−
光減衰特性を調べるための感度は、電位が予め意図した第1の所定の電位レベルから、第2の所定の電位レベルに減衰するまでに要した時間(s)と、露光光量(単色光:μW/cm、白色光:lx)を乗じて算出した露光量(単色光:μJ/cm、白色光:lx・s)で評価する。
次に、特性評価装置100が備える電位計プローブ3について説明する。
本実施形態の電位計プローブ3は本発明の特徴部以外の主要な構成は図8を用いて説明したNESA振動容量型電位計の電位計プローブ3と同様である。
図3は、電位計プローブ3を露光光源10側から見た電位計プローブ3の上面図であり、図4は、図3に示す電位計プローブ3を図3中の右側から見た電位計プローブ3の側方断面図である。図3では電位計プローブ3に対して紙面奥側に感光体1の表面があり、図4では、電位計プローブ3に対して図中下方に感光体1の表面がある状態となる。
図3及び図4に示す電位計プローブ3は、筺体35、筺体支持部36、入射面ガラス31、出射面ガラス32、及び電位検出電極34を備える。筺体35及び筺体支持部36は導電性部材として鉄製の材料からなり、筺体35は露光光Lが透過する円筒状の空間である筺体内空間39を形成する。入射面ガラス31は、筺体内空間39の露光光Lが入射する側の開口部αを塞ぐように配置されている。また、出射面ガラス32は、入射面ガラス31の反対側の露光光Lが筺体内空間39から出射する側の開口部βを塞ぐように配置され、その中央部に円状の孔部33が設けられている。
電位検出電極34は、入射面ガラス31と出射面ガラス32との間に、且つ、その一部が孔部33と対向するように配置されている。この、電位検出電極34の孔部33と対向する部分が、出射面ガラス32を挟まずに感光体1の表面と対向する部分となる。また、入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34は、詳細は後述するが、表面に透明導電性膜が成膜されて導電性を備えた透明ガラスからなる。
入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34は透明ガラスであるので、開口部αから電位計プローブ3に入射した露光光Lは開口部βと対向する感光体1の表面に照射される。
また、入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34は、不図示のフィードバック制御装置に接続されている。電位検出電極34は、フィードバック制御装置の電位計に接続されており、入射面ガラス31及び出射面ガラス32の表面上に成膜された透明導電性膜は導電性の筺体35と接触している。フィードバック制御装置は筺体支持部36に電圧を印加し、さらに印加する電圧の大きさを調節可能な電圧印加電源を備えている。そして、この電圧印加電源が筺体支持部36に電圧を印加することにより、筺体支持部36及び筺体35を介して入射面ガラス31及び出射面ガラス32の透明導電性膜に電圧を印加することができる。このように、筺体35、入射面ガラス31及び出射面ガラス32に電圧を印加することにより、筺体内空間39を電気的にシールドすることができ、シールドがなされていない出射面ガラス32の孔部33で電位検出電極34と対向する感光体1の表面電位を検出することができる。
フィードバック制御装置は、電位検出電極34の検出結果に基づいて電位計によって算出される電位検出電極34での電位と、入射面ガラス31及び出射面ガラス32の電位とが同電位となるように、電圧印加電源を制御する。このような、電位検出電極34における電位を測定し、測定結果と同電位となるように入射面ガラス31及び出射面ガラス32の電位の調節する制御を、短周期で繰り返すことにより、入射面ガラス31及び出射面ガラス32の電位と電位検出電極34で検出される電位とが一致する。このように調節した入射面ガラス31及び出射面ガラス32の電位と、電位検出電極34で検出した電位とが一致したときの電位を感光体1の表面電位として算出する。
フィードバック制御装置としては、図1中の表面電位計4、信号処理回路9、A/D変換器23及びコントローラ17が、フィードバック制御装置としての機能を兼ね備える構成でも良いが、フィードバック制御装置を別に設け、調節した入射面ガラス31及び出射面ガラス32の電位と電位検出電極34で検出した電位とが一致したときの電位を感光体1の表面電位として、その情報をコントローラ17に送信する構成であっても良い。
次に、入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34で用いる導電性を備えた透明ガラスについて説明する。
光が透過する部分に透明導電成膜をコーティングした導電性ガラスを配置するタイプの電位計プローブでは、透明導電成膜として、ネサ(NESA)やITOが使われるのが一般的である。ネサ膜はSnO(酸化スズ)膜で、ITO膜はIn(酸化インジウム)が主成分で、これに、Snを数[wt%]添加したものである(インジウム−スズ酸化物)。
導電性ガラスの透過率の一例として、ITO膜を石英ガラスの全面にコーティングしたものの分光透過率を図6中のグラフ(1)に示す。図6のグラフ(1)よりITO膜は500[nm]以下の短波長域で透過率が急激に落ちていることが分かる。ここで、透過する光の波長が405[nm]とすると、透過率は約65[%]である。
本実施形態の電位計プローブ3では、NESA振動容量型電位計の電位計プローブと同様に、露光光Lが入射面ガラス31に入射する位置によって、感光体1の表面に照射されるまでに透過する導電性ガラスの枚数が異なる。詳しくは、入射面ガラス31のみを透過した光は、感光体1表面に到達するまでに透過した導電性ガラスは一枚であり、入射面ガラス31を透過した後に、出射面ガラス32または電位検出電極34の何れか一方のみを透過した光は、感光体1表面に到達するまでに透過した導電性ガラスは二枚である。また、入射面ガラス31、電位検出電極34及び出射面ガラス32の全てを透過した光は、感光体1表面に到達するまでに透過した導電性ガラスは三枚である。
ここで、仮に電位計プローブ3の各導電性ガラスとして、従来のように全面にITO膜をコーティングした導電性ガラスを用いて、波長が405[nm]の光が入射する場合、開口部αに入射する前の光の強度を1とすると、開口部βから出射される光の強度は計算上では次のようになる。
すなわち、光の強度1の光が一枚の導電性ガラスを透過したときの光の強度は0.65、二枚の導電性ガラスを透過したときの光の強度は0.42、三枚の導電性ガラスを透過したときの光の強度は0.27となる。
このように、電位計プローブ3から出射するときの露光光Lの強さは開口部βの仮想平面上の位置により、最大で約60[%](算出方法:(0.65−0.27)/0.65×100)の照度差が生じて、感光体1上の光の照射面で大きな照度ムラが生じる。
また、三枚の導電性ガラスを通過したときの光の強度は、0.27であるので、光の強度が、最大で70[%]以上低下することがわかる。
ここで、波長405[nm]の光に対する導電性ガラスの透過率が、仮に90[%]であったとして、開口部αに入射する前の光の強度を1とすると、開口部βから出射される光の強度は計算上では次のようになる。すなわち、透過する導電性ガラスの枚数が、一枚、二枚、及び三枚の場合、それぞれ、0.9、0.81、及び0.73となる。このとき、電位計プローブ3から出射するときの露光光Lの強さは開口部βの仮想平面上の位置による照度差は、最大で20[%]程度の照度差になり、照度分布は大幅に改善されることになる。
また、光量も、透過率65[%]では位置により最大70[%]程度の落ち込みだったものが、透過率90[%]では、最大30[%]程度の落ち込みに変わるため、光量不足への改善になることが分かる。
なお、波長405[nm]は、実用化されているブルーレイの波長の一例である。このため、露光光源としてブルーレイを備える画像形成装置に用いる感光体の特性評価を行う場合は、波長405[nm]近傍の短波長の光の照度分布の改善及び光量不足の改善は特に重要である。
このような、導電性ガラスの透過率のアップは、透明ガラスに透明導電性膜をメッシュ状にコーティング(成膜)することで達成される。ここで透明導電性膜がコーティングされていない透明ガラスの透過率として、石英ガラスの分光透過率を図6中のグラフ(4)に示す。石英ガラスのみの透過率は、図6中のグラフ(4)で示すように、波長が400[nm]〜900[nm]の全域に渡って平均的で、約94[%]である。
透明導電性膜をメッシュ状にコーティングしても透明導電成膜の持つ分光透過率の特性は変わらない。しかし、導電性ガラスの光が透過する領域内でガラス上に透明導電成膜がメッシュ状にコーティングされていれば、透過する光は透明導電性膜を成膜した部分とガラスのみのガラス部分を透過した光の混合となる。このため、導電性ガラスの光が透過する領域全体で平均すると、透過率は上がることになる。
この透明導電性膜の成膜部分とガラス部分の面積比率を変えると、特にガラス部分の面積比率が大きくなるように変えると平均としての透過率は大きくなる。透明導電性膜メッシュ状に成膜したことによるこの効果は、透明導電成膜の分光透過率が低い、短波長域で顕著となる。
次に、本実施形態の入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34で用いる導電性を備えた透明ガラスについて説明する。
図5は、本実施形態で用いる導電性を備えた透明ガラスである導電性ガラス40の一例の拡大説明図である。図5に示す導電性ガラス40は、図中の40bがガラスの表面に透明導電性膜が形成された成膜部分であり、図中40aは表面が透明導電性膜で覆われていないガラス部分である。図5に示すように、本実施形態の導電性ガラス40は、メッシュ状にコーティングされた透明導電性膜の成膜部分40bを備えている。なお、メッシュパターンとしては、メッシュのサイズ、形状ともに図5に示すものに限るものではない。
導電性ガラス40では成膜部分40bの透明導電性膜はITO膜であり、メッシュ形状としては、0.1[mm]の線幅で、縦/横ともに1[mm]ピッチと成る等間隔で作成した。
ITO膜の作成手順としては、成膜方法としてRF−IP法を用いて、最初にガラス表面の全面に成膜する。このときの平均膜厚は、35.83[nm]であり、表面抵抗は、71.16[Ω/□]であった。ガラス表面に全面成膜した後、図5に示すメッシュパターンと同じメッシュパターンのマスクを使って、ブランク部分(図中40aの部分)のITO膜を除去して、成膜部分40bがメッシュのパターンとなる透明導電性膜とした。
図5に示すメッシュ状にコーティングされた石英ガラスの透過率を分光高度計UV−3100(島津製作所(株)製)で測定した結果を図6中のグラフ(2)に示す。
なお、先に説明した、図6中のグラフ(4)で示す石英ガラスの分光透過率、及び、グラフ(1)で示すITO全面コーティング時の分光透過率も分光高度計UV−3100(島津製作所(株)製)で測定したものである。
図6に示すように、波長405[nm]の光に対する透過率は、グラフ(1)で示す全面成膜後では64.7[%]、グラフ(2)で示すメッシュ形成後では88.9[%]となっている。
先に述べたように、本実施形態の電位計プローブ3では、露光光Lが入射面ガラス31に入射する位置によって、感光体1の表面に照射されるまでに透過する導電性ガラスの枚数が異なる。
ここで、本実施形態のメッシュ形成後の導電性ガラス40を用いたときに、波長が405[nm]の光が入射する場合、開口部αに入射する前の光の強度を1とすると、開口部βから出射される光の強度は計算上では次のようになる。
すなわち、光の強度1の光が一枚の導電性ガラス40を透過したときの光の強度は0.889、二枚の導電性ガラス40を透過したときの光の強度は0.79、三枚の導電性ガラス40を透過したときの光の強度は0.709となる。
このように、三枚の導電性ガラスを通過したときの光の強度は、0.709であるので、本実施形態の電位計プローブ3であれば、露光光Lの照度の落ち込みは、最大でも30[%]の低下であることが分かる。
また、電位計プローブ3から出射するときの露光光Lの強さは開口部βの仮想平面上の位置による照度差は、最大で約20[%](算出方法:(0.889−0.709)/0.889×100)である。
上述した、ITO膜を全面にコーティングした導電性ガラスを用いた電位計プローブ3では、露光光Lの照度が最大で70[%]低下し、照度差は最大で約60[%]生じていた。
これと比較すると、本実施形態の電位計プローブ3であれば、露光光Lの照度の落ち込み、及び、照度差ともに改善していることが分かる。
次に、図5に示す導電性ガラス40の分光透過率を測定したときのガラス部分40aと成膜部分40bとの面積比を求める。
上述した分光高度計での透過率を測定する領域のサイズは、2.0[mm]×13[mm]の領域だったため、この領域におけるガラス部分40aの面積と成膜部分40bの面積との比率は次のように算出することができる。
・ガラス部分40aの面積:
図5より、
一マスのガラス部分40aの面積A=(1−0.1)(1−0.1)
A=0.81[mm
ここで、2.0[mm]×13[mm]の領域中には、26個のマスがあるので、ガラス部分40aの面積の総和は、
26A=21.06[mm
となる。
・成膜部分40bの面積:
成膜部分40bの面積は2.0[mm]×13[mm]の領域の、ガラス部分40a以外の面積なので、
2.0[mm]×13[mm]−26A[mm]となり、
4.94[mm
となる。
・各部分の全体に対する比率:
ガラス部分40aの全体に対する面積の比率は、
21.06[mm]/26[mm]×100
=81[%]
となる。
また、成膜部分40bの全体に対する面積の比率は、
4.94[mm]/26[mm]×100
=19[%]
となる。
ここで、ガラス表面の全面をITO膜でコーティングしたデータ(図6中のグラフ(1))及び、コーティング(石英ガラスのみ)のデータ(図6中のグラフ(1))と、上記で求めた、ガラス部分40a及び成膜部分40bの面積の比率とを用いて計算によって分光透過率を求めた結果を図6中のグラフ(3)に示す。図6のグラフ(2)とグラフ(3)とを比較すると、計算結果と、実測データとがよく一致していることがわかる。
なお、図6中のグラフ(3)の各波長域におけるデータは以下の計算式によって算出することができる。
メッシュ形成後の透過率=[ITO膜全面成膜後の透過率データ]×(成膜部分40bの面積の比率)+[石英ガラスの透過率]×(ガラス部分40aの面積の比率)
なお、上記の計算式では、
(成膜部分40bの面積の比率)+(ガラス部分40aの面積の比率)=1
で求めている。
次に、成膜部分40bとガラス部分40aとの面積の比率の適正な範囲について検討する。
図6のグラフ(2)とグラフ(3)とを用いて述べたように、成膜部分40bがメッシュ状にコーティングされた石英ガラスの分光透過率は、計算結果と実測データとが良く一致していた。このため、グラフ(3)を算出した計算と同様の計算を行い、成膜部分40bとガラス部分40aとの面積の比率を変えて分光透過率を計算した。なお、比率の変更は、メッシュのピッチは1[mm]で固定して、ITO膜の線幅を変更することで成膜部分40bとガラス部分40aとの面積の比率の変更を行った。
分光透過率の計算結果を図7に示す。
なお、図7では、「成膜部分40bの面積:ガラス部分40aの面積」の比率が、グラフ(5)では「1:9」、グラフ(6)では「2:8」、グラフ(7)では「3:7」、グラフ(8)では「4:6」、グラフ(9)では「5:5」、グラフ(10)では「6:4」のときの分光透過率の計算結果である。
また、計算結果に基づいた、波長405[nm]の光に対する平均透過率と、そのときの照度分布、及び、光量分布を評価したものを表1に示す。
Figure 2009115701
表1中の「照度分布及び光量不足の評価」は、「照度分布の均一さ、及び、光量不足に対する影響」を評価したものであり、波長405[nm]の光が3枚の導電性ガラスを透過したときに、照度の落ち込みが30[%]以内までを判断基準とした。
一方、線幅を細くし、ガラス部分の面積比率を高めると、平均の透過率はあがるが、光の入射面ガラス31、出射面ガラス32、および電位検出電極34の平均の導電率が低下し、電位計測に影響がでるため上限は存在する。成膜部分40bとガラス部分40aとの面積比は整数値で、「成膜部分40bの面積:ガラス部分40aの面積」=「1:9」となる割合をガラス部分40aの面積の上限とした。
ある程度の導電率が必要なことは、入射面ガラス31及び出射面ガラス32が電位検出電極34をシールドする効果と、感光体1に対向する面が、透明導電成膜をコーティングした出射面ガラス32にあけられた孔を通して検知した電位を導電性面である入射面ガラス31及び出射面ガラス32にフィードバックし、感光体1表面の電位とガラス面が等電位になって、電位検知電極が感光体表面の電位を検知しなくなることで感光体表面の電位を知る、自己校正型電位計の動作原理から要求されることによる。
以上、本実施形態によれば、光透過型の電位計プローブ3は、露光手段である露光光源10から被帯電体である感光体1に向けて照射された露光光Lが透過する導電性を備えた透明ガラスである導電性ガラス40を入射面ガラス31、出射面ガラス32、及び電位検出電極34に有する。また、感光体1の露光光Lが照射された領域の電位を測定する電位検出手段である電位検出電極34とを有する。そして、導電性ガラス40は図5に示すように表面をメッシュ状にコーティングする透明導電性膜を有し、この透明導電性膜によって、導電性を発揮している。導電性を発揮するための透明導電性膜がメッシュ状にコーティングされているため、透明ガラス全面を透明導電性膜でコーティングする構成に比べて、透明ガラスの光を透過する領域での透過率の平均値を上げることができる。このため、透明導電性膜でコーティングした導電性ガラスが通常のガラスよりも透過率が低いことに起因する、露光光Lの照度の落ち込み、及び、照度差などの不具合を抑制することができる。
また、電位計プローブ3は、導電性部材として鉄からなり、露光光Lが透過する筒状の空間である筺体内空間39を形成する筺体35を有する。また、筺体内空間39の光が入射する側の開口部αを塞ぐように配置された導電性を備えた入射面ガラス31と、筺体内空間39の光が出射する側の開口部βを塞ぐよう配置され、その一部が孔部33となっている導電性を備えた出射面ガラス32とを有する。また、入射面ガラス31と出射面ガラス32との間に、且つ、その一部が孔部33と対向するように配置された電位検出手段である電位検出電極34を有する。また、電位計プローブ3は、入射面ガラス31及び出射面ガラス32が電位検出電極34で検出された電位と同電位となるようにフィードバック制御がなされる自己校正型電位計の電位計プローブである。そして、入射面ガラス31、出射面ガラス32、及び電位検出電極34は、その表面をメッシュ状にコーティングする透明導電性膜を有する図5に示すような導電性ガラス40である。このように、本実施形態の電位計プローブ3のような自己校正型電位計の電位計プローブにメッシュ状にコーティングされた透明導電性膜を有する導電性ガラス40を用いることにより、導電性の透明ガラスに露光光Lを透過する構成を備える、NESA振動容量型電位計などの自己校正型電位計の問題点であった露光光Lの照度の落ち込み、及び、透過するガラスの枚数の違いによる照度差などの不具合を抑制することができる。
また、波長域が400[nm]から500[nm]の光に対する透明導電性膜の透過率が50[%]以上である。また、メッシュ状にコーティングされた透明導電性膜を有する導電性ガラス40は、ガラスのみのガラス部分40aの面積Saと透明導電性膜が形成された成膜部分40bの面積Sbとの面積比Sb/Saが、1/9≦Sb/Sa≦2/8の関係を満たす。Sb/Sa≦2/8であることにより、透明導電成膜の短波長光に対する透過率が最小50[%]程度であっても、感光体1面における照度分布を抑え、光量の不足を改善することができる。また、1/9≦Sb/Saであることにより、導電性ガラス40を用いる入射面ガラス31、出射面ガラス32及び電位検出電極34の導電性を確保することができる。
また、本実施形態の感光体感度測定装置である特性評価装置100は、測定対象の感光体1を保持して回転させる感光体保持部200と、感光体1の表面を帯電させる帯電手段であるスコロトロン帯電器6とを有する。また、スコロトロン帯電器6によって帯電された感光体1表面に露光光Lを照射し露光する露光手段である露光光源10とを有する。また、露光光源10が照射する露光光Lを透過するように配置され、露光された感光体1の電位を検出する電位検出部を備えた電位計プローブ3として、電位計プローブ3を有する。電位計プローブ3は、短波長域の露光光Lの感光体面における照度分布を抑え、光量の不足が生じにくいため、短波長域での感光体感度の測定を改善することができる。
実施形態の特性評価装置の概略説明図。 特性評価装置の感光体保持部の説明図。 本実施形態の特性評価装置が備える電位計プローブの上面図。 電位計プローブの側方断面図。 本実施形態の電位計プローブに用いる導電性ガラスの拡大説明図。 分光透過率を示すグラフ。 成膜部分とガラス部分との面積比を異ならせたときの分光透過率を示すグラフ。 サイドビュウ型電位計の電位計プローブの説明図。 NESA振動容量型電位計の電位計プローブの説明図。
符号の説明
1 感光体
2 露光ガイドボックス
3 電位計プローブ
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 スコロトロン帯電器
7 ワイヤ印加電圧調整用電源
8 除電用光源
9 信号処理回路
10 露光光源
11 グリッド用電源
12 グリッド用電源スイッチ
15 ワイヤ印加電圧調整用電源スイッチ
16 モーター
17 コントローラ
18 主軸
19 ベルト
20 チャック治具
21 右面板
22 左面板
23 A/D変換器
24 デジタルリレー出力
30 露光ユニット
31 入射面ガラス
32 出射面ガラス
33 孔部
34 電位検出電極
35 筺体
36 筺体支持部
39 筺体内空間
40 導電性ガラス
40a ガラス部分
40b 成膜部分
100 特性評価装置
200 感光体保持部

Claims (4)

  1. 露光手段から被帯電体に向けて照射された露光光が透過する導電性を備えた透明ガラスと、
    該被帯電体の露光光が照射された領域の電位を測定する電位検出手段とを有する光透過型の電位計プローブにおいて、
    該透明ガラスは表面をメッシュ状にコーティングする透明導電性膜を有し、該透明導電性膜によって上記導電性を発揮することを特徴とする電位計プローブ。
  2. 請求項1の電位計プローブにおいて、
    導電性部材からなり、光が透過する筒状の空間を形成する筺体と、
    該筒状の空間の光が入射する側の開口部を塞ぐように配置された導電性を備えた入射面ガラスと、
    該筒状の空間の光が出射する側の開口部を塞ぐよう配置され、その一部が孔部となっている導電性を備えた出射面ガラスと、
    該入射面ガラスと該出射面ガラスとの間に、且つ、その一部が該孔部と対向するように配置された上記電位検出手段である電位検出電極とを有し、
    該入射面ガラス及び該出射面ガラスは該電位検出電極で検出された電位と同電位となるように制御がなされるもので、
    該入射面ガラス、該出射面ガラス、及び該電位検出電極は、その表面をメッシュ状にコーティングする上記透明導電性膜を有する上記透明ガラスからなることを特徴とする電位計プローブ。
  3. 請求項1または2の電位計プローブにおいて、
    波長域が400[nm]から500[nm]の光に対する上記透明導電性膜の透過率が50[%]以上であり、
    その表面をメッシュ状にコーティングする該透明導電性膜を有する上記透明ガラスは、ガラスのみの部分の面積Saと該透明導電性膜がコーティングする部分の面積Sbとの面積比Sb/Saが、
    1/9≦Sb/Sa≦2/8
    の関係を満たすことを特徴とする電位計プローブ。
  4. 測定対象の感光体を保持して回転させる感光体保持部と、
    該感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
    該帯電手段によって帯電された該感光体表面に露光光を照射し露光する露光手段と、
    該露光手段が照射する光を透過するように配置され、露光された該感光体の電位を検出する電位検出部を備えた電位計プローブとを有する感光体感度測定装置において、
    該電位計プローブとして請求項1、2または3の電位計プローブを備えることを特徴とする感光体感度測定装置。
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