JP4922067B2 - 電子写真感光体の特性評価装置 - Google Patents
電子写真感光体の特性評価装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4922067B2 JP4922067B2 JP2007137152A JP2007137152A JP4922067B2 JP 4922067 B2 JP4922067 B2 JP 4922067B2 JP 2007137152 A JP2007137152 A JP 2007137152A JP 2007137152 A JP2007137152 A JP 2007137152A JP 4922067 B2 JP4922067 B2 JP 4922067B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- photosensitive member
- electrophotographic photosensitive
- exposure
- charging
- drum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
- Cleaning In Electrography (AREA)
Description
また、特許文献3には、電子写真感光体を高速で回転させる工程と、該電子写真感光体の感光面を帯電させる静電気帯電工程と、該電子写真感光体の感光面に光放電させる光放電工程とを有し、該電子写真感光体に流れ込む電流の電流信号を検出してA/D変換し、算出される該電子写真感光体の充電電荷量と、該電子写真感光体の表面電位の電位信号を検出してA/D変換し、求められる電子写真感光体の帯電電位とから該電子写真感光体の静電容量を求める電子写真感光体の静電容量算出方法が提案されている。この提案には、前記電子写真感光体の充電電荷量が、電流値を時間で積分した値に補正値を加えた値として静電容量を算出方法することが記載されている。
また、特許文献4には、光に反応する物体にパルス化した光を照射し、動作指令信号に応じてその光応答性を計測する装置が記載されている。
電子写真感光体にコロナ放電を施すとその表面電位は、通常、図3中の上段のグラフで示されるように立ち上がっていく。この間、感光体の充電電荷量は、図3中の中段のグラフで示されるように推移する。つまり、充電電荷量(Q)は、各時間(Δt)あたりの各充電電荷量(q1)、(q2)、(q3)、・・・(qn)の積算値で表され、増大していく。各充電電荷量(q1)、(q2)、(q3)、・・・(qn)は、それぞれ時間(Δt)と電流(I)との積で表される積分値であり、電流(I)は実測の試料充電電流値/S(Sは帯電される試料の面積)で定まる。求められた充電電荷量(Q)とこれに対応する表面電位(V)をプロットして直線を引き、この傾きから静電容量(C)を算出する。先行技術文献に記載されているように、この算出方法では、徐々に帯電する状況を作り出して、測定するため、高速回転させて静電容量を算出する必要がある。
しかし、ドラム直径が大きく、支持体に厚みの不均一な部分がある場合には、重量バランスの悪さにより、回転時に非常に大きな振れとなる。それによって感光体周りに配置された帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段との距離が安定化しないため、正確な計測ができない状況が発生することがある。更に、振れが大きい場合には、感光体周りに配置された帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段に接触してこれらの装置の損傷や感光体へのダメージが生じる。
そのため、振れを抑える方法として、重量バランスの悪い位置を確認し、その位置におもりを付けることで振れ量を抑え計測する方法がある。しかし、バランスの悪い部分を測定するための機構及び装置等が必要となり、また、計測する場合には、測定者の手間になるという問題もあり、低速回転で静電容量を算出することができる電子写真感光体の特性評価装置が要望されていた。
<1> 少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を有する電子写真感光体の特性評価装置であって、
前記表面電位検出手段が、ガラス基材上に導電性材料を塗布してなる透明プローブであり、
前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを有し、
前記露光・検出ユニットが、前記電子写真感光体周りに複数個配置されており、かつ
前記透明プローブと前記露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有することを特徴とする電子写真感光体の特性評価装置である。
<2> 補正部材が、透明プローブと同材質である前記<1>に記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<3> 透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されている前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<4> 電子写真感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<5> コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有し、該帯電手段を評価する特性に応じて切り替えて電子写真感光体の特性を評価する前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<6> 複数箇所における電子写真感光体の特性の評価結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定する機能を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
<7> 電子写真感光体がドラム状であり、200rpm以下の低速回転で評価を行う前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置である。
本願明細書において、「放電電流」とは、帯電手段の放電条件を決めるための値であり、測定する感光体と同形状(直径、全長、肉厚が同じ)のアルミニウム素管(感光層を塗布していない)に放電させ、その際にアルミニウム素管側に流れる電流を意味する。この放電電流によって帯電手段の出力を予め設定する。
また、本願明細書において、「高速」とは1,000rpm以上の速度を意味し、「低速」とは200rpm以下の速度を意味する。
前記帯電手段としては、前記電子写真感光体の表面に電圧を印加して帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた接触帯電手段;コロトロン帯電器、スコロトロン帯電器等のコロナ放電を利用した非接触帯電手段、などが挙げられる。
これらの中でも、感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器が好ましい。
また、前記帯電手段として、コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有しており、これら帯電手段を容易に切り替えることができるので、例えば静電容量算出時にはコロトロン帯電器を使用し、抵抗測定時にはスコロトロン帯電器を使用することが可能となり、評価する特性に応じて、適した帯電手段を使用することが可能になる。
前記露光手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するため、例えばシャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもでき、照度を下げるために、ニュートラルデンシティフィルターを用いることもできる。
前記表面電位検出手段は、ガラス基材と、該ガラス基材上に導電性材料を塗布した透明プローブが用いられる。
前記ガラス基材は、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、例えば円板状、平板状などが挙げられる。また、前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記導電性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばIndium−Tin−Oxide(ITO)、酸化スズ、などが挙げられる。
前記透明プローブと前記露光手段との一体化の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば露光ガイドボックスを介して露光手段と透明プローブとを結合させる方法、などが挙げられる。
前記透明プローブと前記露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有することが好ましい。
前記補正部材としては、透明プローブと同材質であることが好ましく、前記透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されていることが好ましい。
前記露光・検出ユニットは、前記電子写真感光体周りに複数個配置されており、2個以上配置することが好ましく、2〜4個がより好ましい。
これにより、複数箇所における電子写真感光体の特性の結果を得ることができ、これらの結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定することができる。
本発明の電子写真感光体の特性評価装置に用いる電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記形状としては、例えば、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。前記構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、前記大きさとしては、前記画像形成装置の大きさ、仕様等に応じて適宜選択することができる。前記材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体;ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。
前記単層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、の他の層を有してなる。
静電容量を算出する方法に関しては、上述した図3で示したように電子写真感光体をコンデンサと考えるモデルで、コロナ帯電により感光体試料に流れる電流と、この時の表面電位を計測し、通過電流は時間で積算され図3中の下段のグラフで示されるように、Q=C・V(ただし、Qは充電電荷量、Vは感光体の帯電電位、Cは感光体の静電容量をそれぞれ表す)の関係より静電容量(C)を求める。ただし、電子写真感光体の特性評価装置では、低速回転で測定するため、帯電手段と電位計測の場所の違いが影響を受ける。
ここで、図4に電位の推移グラフ、図5に電流の推移グラフを示す。その影響で、電位と電荷量の対応が一致するタイミングは、回転周期のタイミングしかなく、1回転周期でしか充電電荷量(Q)とこれに対応する表面電位をプロットすることができない。例えば、200rpmであれば、0.3sec間隔となる。更に、電位や電流は信号経路中の、ノイズフィルタ、アンプ等で信号の遅れが生じることもあり、それを補正する必要がある。その補正方法は、プロットするタイミングでの電流値に補正係数を乗じた物を充電電荷量へ足し合わせることで可能となる。これらによって求めた充電電荷量(Q)と、これに対応する表面電位(V)をプロットして直線を引き、この傾きから静電容量(C)を算出する。図6に充電電荷量と表面電位の対応結果のグラフを示す。
この静電容量の算出自体は、コントローラの記憶領域に記憶された、表面電位と電流のデータを使用して、コントローラで処理が実施され、静電容量が算出できる。
前記電子写真感光体の抵抗を算出する方法については、帯電手段で感光体を所定の電位に帯電にさせ、その後の自然放電により減衰する電位(暗減衰)を一定時間サンプリングする。この帯電手段による帯電を停止してから暗減衰する電子写真感光体の帯電電位は、感光体を抵抗Rと、静電容量Cで並列した等価回路とに置き換え、暗減衰開始電位をV0とすると、V=V0e−t/RCとなる。
そこで、コントローラにより暗減衰開始電位V0と一定時間経過後の帯電電位Vより1/RCを算出し、先に算出した静電容量Cから感光体の単位面積あたりの暗抵抗Rを算出することができる。
前記光減衰特性を調べるための感度は、電位が予め意図した所定の電位レベルに減衰するまでに要した時間(s)と、露光光量(単色光:μW/cm2、白色光:lx)を乗じて算出した露光量(単色光:μJ/cm2、白色光:lx・s)で評価する。
前記電子写真感光体の特性評価装置は、光を透過しない暗箱、又は暗幕等で覆われている、暗箱又は暗幕で覆われていないと、試験時に外部環境(風、光、温度)の影響を受け、正確な特性評価が困難となる。ただし、コントローラ及び信号処理回路等、感光体ドラムの評価に影響の無い物に関しては、暗箱又は暗幕で覆う必要はない。
また、コロナ帯電手段6とは別に、スコロトロン帯電器16を使用しており、スコロトロンへ電圧を供給する電源17、電源17のスイッチ18を有しており、グリッドには電源14と電源14のスイッチ15を有している。
図1では、感光体を一様に帯電可能な帯電制御装置として、スコロトロン帯電器を用いているが、帯電制御装置として、接触方式の帯電ローラを用いることもできるが、非接触帯電手段として、スコロトロン帯電器の方が好ましい。
その後、A/D変換器によってデジタル信号に変換されコントローラ13に送られデジタル信号が演算処理される。
ドラム直径の違う4種類(30mm、100mm、178mm、262mm)のドラム状基体を用いて、以下のようにして各電子写真感光体を作製した。
<電子写真感光体の作製>
まず、前記ドラム状基体上に下記組成の下引き層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次に、下記組成の電荷発生層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記組成の電荷輸送層用塗工液を用いて浸漬塗布した後、130℃にて20分間乾燥を行い、厚み27μmの電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体を作製した。
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・50質量部
・アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、固形分50質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・15質量部
・メラミン樹脂(L−145−60、固形分60質量%、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・8質量部
・2−ブタノン・・・120質量部
・下記構造式で表される非対称ビスアゾ顔料・・・2.5質量部
・メチルエチルケトン・・・110質量部
・シクロヘキサノン・・・260質量部
・ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で示される電荷輸送物質・・・7質量部
・下記構造式で示される硫黄系酸化防止剤・・・0.5質量部
なお、画像はハーフトーン画像を出力した際に、目視で濃淡ムラが許容範囲内であるか否かについて判断した。
表1の結果から、画像検査で発覚する濃淡ムラは、ドラム直径が大きいほど目視の外観検査で検出することが困難となっていることが分かった。そのため、感光体のドラム直径が大きい場合に、濃淡ムラを画像出力無しで確認可能な評価装置が必要であることが分かった。
〔判断基準〕
1,000rpmで高速回転させた時の振れが0.4mm以下を「OK」とし、振れが0.4mmを超える場合を「NG」とした。
なお、振れ計測には、非接触の変位センサ(渦電流式変位センサ)を使用した。センサ部は、キーエンス社製、ANLOG SENSOR AH−416(アルミニウム仕様)を使用した。
−感度の測定−
ドラム直径262mm、ドラム全長530mm、ドラムの肉厚5mmのドラムに、株式会社リコー製IPSIO CX8000用感光体と同じ材料、及び処方構成の感光層を形成した感光体ドラムを使用して、下記の条件で感度測定を行った。
・ドラム回転数:200rpm
・表面電位・通過電流サンプリング間隔:0.01sec
・図1に示す電子写真感光体の特性評価装置(自社で設計製作した評価装置を使用)を使用し、感度測定を実施した。
・測定方法は、まず、低速回転(200rpm)で、スコロトロン帯電器により、感光体を均一に−800Vまで帯電させ、ドラムの回転を停止した。ドラム停止後に露光し、感度測定を実施した。
・特性評価装置としては、露光手段にはシャープ社製のGH06550B2BのLDを使用し、スコロトロン帯電器に使用する電源は、グリッド及びワイヤともTREK社製の高圧電源Model1610E、表面電位計はTREK社製のModel370、表面電位計プローブ(透明プローブ)はTREK社製のModel3629A、コロトロン帯電器に使用する電源は、TREK社製の高圧電源Model610E、帯電手段はスコロトロン帯電器及びコロトロン帯電器とも内製品、除電用光源には林時計工業株式会社製の特注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製のモーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル社製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製した電子写真感光体の特性評価装置を使用した。
なお、表面電位計プローブ(透明プローブ)は、露光ガイドボックスを介して露光手段と一体化されている。
−感度の測定−
実施例1において、図2に示す従来の電子写真感光体の特性評価装置(自社で設計製作した評価装置)を使用した以外は、実施例1と同様にして、以下のようにして感度測定を実施した。
なお、図2の特性評価装置は、図1の特性評価装置と違い、スコロトロン帯電器は配置しておらず、露光手段はコロトロン帯電器6が1つしか配置されていない。また、表面電位プローブ3は露光部先端には配置しておらず、感光体1の真下に取り付けられている。更に表面電位プローブ3としては通常のプローブ(透明プローブではない)を使用している。
・測定方法は、まず、低速回転(200rpm)で、コロトロン帯電器により、感光体を複数回回転させ−800Vになるまで帯電させる。その後、低速回転のまま露光し、感度測定を実施した。
・特性評価装置としては、露光手段にはシャープ社製のGH06550B2BのLDを使用し、コロトロン帯電器に使用する電源は、グリッド及びワイヤともTREK社製の高圧電源Model 1610E、表面電位計はTREK社製のModel344、表面電位計プローブはTREK社製のModel6000B−7C、帯電手段は内製したコロトロン帯電器とも内製品、除電用光源には林時計工業株式会社製の特注ラインLED(波長660nm)、モーターはオリエンタル社製のモーターユニットDX6150SD、コントローラは、デル社製のPC(Optiplex GX270)、A/D変換には、ナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6025E、デジタル出力はナショナルインスツルメンツ社製のPCI−6503、それ以外の信号処理回路等は全て内製して製作した特性評価装置を使用した。
図7及び図8の結果から、図7のように時間と共に電位が徐々に低下する状況を正確に把握できているため、感度が正確に計算できる。一方、図8では、電位の時間変化は階段状となっており、正確に把握できておらず、感度を正確に計算できない。
したがって、露光手段と表面電位プローブの位置が離れている状態で、低速回転で計測を実施する方法(比較例1)では、感度を正確に計測できないことが分かった。これに対し、露光手段と表面電位プローブの位置が同じ位置であり、かつ停止状態で感度測定を実施する方法(実施例1)では、感度を精度良く測定可能であることが分かった。実施例1では、露光・検出ユニットが複数個配置されているため、複数箇所の感度測定も可能となることが分かった。
−照度の測定−
実施例1と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、透明プローブの背面には、図11に示す形状の透明プローブと同材質のガラスを貼り付けた。その状態で照度分布を計測した。
図11のガラスは、ガラス全体のサイズはプローブと同サイズ(21.89mm×21.89mm)であり、振動電極19と同サイズ分カットされているが、開口部21サイズ領域分(直径4.978mm)はガラスが残された形状となっている。また、2枚の振動電極の間で、かつ開口部領域と重なる部分には、ガラスをもう1枚貼り付けた構造となっている。
−照度の測定−
実施例1と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用して照度分布を計測した。ただし、追加のガラス貼り付けは無かった。
実施例2での照度分布の結果を図14、実施例2aでの照度分布の結果を図13にそれぞれ示す。
図13及び図14の結果から、精度の良い計測を行うためには透明プローブを使用して計測する場合は、透明プローブと露光手段との間に透明プローブの透過分をカバーするように同材質の補正部材を取り付ける必要があることが分かった。
−抵抗の測定−
実施例2と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして抵抗測定を実施した。感光体の帯電は、スコロトロン帯電器を使用した(グリッド電圧:−810V、ワイヤ印可電圧:−5.7kV)。
実施例2と同じ電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして抵抗測定を実施した。ただし、スコロトロン帯電器は配置されておらず、感光体の帯電は、コロトロン帯電器を使用した(ワイヤ印可電圧:−5.2kV)。
抵抗の測定は、低速(200rpm)で回転し、所定の電位に到達するまで帯電を実施した。その後、回転を停止させ、下記の抵抗測定方法で抵抗を算出した。実施例3及び実施例3aとも、−810Vから−790Vに減衰するまでの時間から、抵抗を算出するため、−810Vを超えた時点で帯電を切り測定した。抵抗測定開始電圧と、抵抗算出結果を表4に示す。
−抵抗測定方法−
帯電手段で感光体を所定の電位に帯電にさせ、その後の自然放電により減衰する電位(暗減衰)を一定時間サンプリングした。この帯電手段による帯電を停止してから暗減衰する電子写真感光体の帯電電位は、感光体を抵抗Rと、静電容量Cで並列した等価回路とに置き換え、暗減衰開始電位をV0とすると、V=V0e−t/RCとなる。そこで、コントローラにより暗減衰開始電位V0と一定時間経過後の帯電電位Vより1/RCを算出し、先に算出した静電容量Cから感光体の単位面積あたりの暗抵抗Rを算出した。
−感度の測定−
実験例1の表1のドラム直径262mmの感光体ドラム20本の内、画像検査でムラが判明した4本と、画像検査でムラが判明しなかった4本について図1の電子写真感光体の特性評価装置を使用し、以下のようにして感度を計測した。結果を表5に示す。
<感度の測定方法>
感度の測定は、低速(200rpm)で回転させた状態で、スコロトロン帯電器16で感光体を−800Vに帯電した。その後、回転を停止させ、感光体周りに配置された4つの露光・検出ユニットで感度を計測した。なお、感度は、−800Vから−150Vまで光減衰させたときの感度を算出した。
実施例4の電子写真感光体の特性評価装置を使用した。この特性評価装置は、露光・検出ユニット間の感度バラツキを計測可能な機能と、露光・検出ユニット間のバラツキをコントローラに接続されたモニターへ表示させて、電子写真感光体の良否を判定する機能とを有している。
実施例4の電子写真感光体の特性評価装置を使用した。この特性評価装置は、各露光・検出ユニットの感度結果を出力する機能のみを有している。
電子写真感光体について、実験例1と同様にして画像検査を行い評価した。結果を表6に示す。
2 露光ガイドボックス
3 表面電位計プローブ(透明プローブ)
4 表面電位計
5 信号処理回路
6 コロナ帯電手段
7 電源
8 除電用光源
9 信号処理回路
10 露光手段
11 電源スイッチ
12 モーター
13 コントローラ
14 電源
15 電源スイッチ
16 スコロトロン帯電器
17 電源
18 電源スイッチ
19 振動電極
20 導電性材料でコーティングされたガラス
21 開口部
22 ガラス基材
Claims (7)
- 少なくとも帯電手段、露光手段、及び表面電位検出手段を有する電子写真感光体の特性評価装置であって、
前記表面電位検出手段が、ガラス基材上に導電性材料を塗布してなる透明プローブであり、
前記透明プローブと前記露光手段とが一体化した露光・検出ユニットを有し、
前記露光・検出ユニットが、前記電子写真感光体周りに複数個配置されており、かつ
前記透明プローブと前記露光手段との間に、透過率分布を補正する機能を持つ補正部材を有することを特徴とする電子写真感光体の特性評価装置。 - 補正部材が、透明プローブと同材質である請求項1に記載の電子写真感光体の特性評価装置。
- 透明プローブの光の透過方向に、該透明プローブと同材質のガラスが同じ枚数配置されている請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
- 電子写真感光体を一様に帯電可能な帯電制御機能を持つスコロトロン帯電器を有する請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
- コロトロン帯電器と、スコロトロン帯電器とを有し、該帯電手段を評価する特性に応じて切り替えて電子写真感光体の特性を評価する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
- 複数箇所における電子写真感光体の特性の評価結果に基づき、電子写真感光体の良否を判定する機能を有する請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
- 電子写真感光体がドラム状であり、200rpm以下の低速回転で評価を行う請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体の特性評価装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007137152A JP4922067B2 (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | 電子写真感光体の特性評価装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007137152A JP4922067B2 (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | 電子写真感光体の特性評価装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008292258A JP2008292258A (ja) | 2008-12-04 |
JP4922067B2 true JP4922067B2 (ja) | 2012-04-25 |
Family
ID=40167142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007137152A Expired - Fee Related JP4922067B2 (ja) | 2007-05-23 | 2007-05-23 | 電子写真感光体の特性評価装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4922067B2 (ja) |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0238852A (ja) * | 1988-07-28 | 1990-02-08 | Fujitsu Ltd | 感光体劣化測定装置 |
JP3136320B2 (ja) * | 1990-06-05 | 2001-02-19 | 松下電器産業株式会社 | 光応答性測定装置 |
JPH0588524A (ja) * | 1991-09-30 | 1993-04-09 | Mita Ind Co Ltd | 感光体の帯電特性検査用露光装置 |
JPH07128291A (ja) * | 1993-11-04 | 1995-05-19 | Fuji Xerox Co Ltd | 感光体ドラムの検査装置 |
JPH09211044A (ja) * | 1996-02-05 | 1997-08-15 | Hitachi Ltd | 静電気放電監視装置 |
JP3644788B2 (ja) * | 1997-04-04 | 2005-05-11 | 株式会社リコー | 電子写真用感光体の静電容量測定装置 |
JP2002082572A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Canon Inc | 感光体特性評価方法 |
JP2003005389A (ja) * | 2001-06-21 | 2003-01-08 | Canon Inc | 感光体特性評価装置及び感光体特性評価方法 |
JP2003029572A (ja) * | 2001-07-12 | 2003-01-31 | Canon Inc | 感光体特性の評価方法 |
JP2003035735A (ja) * | 2001-07-24 | 2003-02-07 | Toshiba Corp | 帯電量の測定方法、荷電ビームの変位量測定方法、帯電量の測定装置および荷電ビームの変位量測定装置 |
JP2003279608A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-10-02 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体の静電容量算出方法及び特性評価装置 |
-
2007
- 2007-05-23 JP JP2007137152A patent/JP4922067B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008292258A (ja) | 2008-12-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH09196893A (ja) | 電子写真画像形成部材の電荷不足スポット発生の検出方法 | |
JPH09218164A (ja) | 電子写真画像形成部材の暗減衰量増分比較方法 | |
US8019239B2 (en) | Device and method for detecting life of organic photoreceptor and image forming apparatus | |
JP4922067B2 (ja) | 電子写真感光体の特性評価装置 | |
JP2003029572A (ja) | 感光体特性の評価方法 | |
JP4914250B2 (ja) | 電子写真用感光体の特性評価方法及び装置 | |
JP4726738B2 (ja) | 電子写真用感光体の特性評価装置 | |
JP2010117580A (ja) | 電子写真感光体の特性評価方法及び特性評価装置 | |
JP2002082572A (ja) | 感光体特性評価方法 | |
JP2003005389A (ja) | 感光体特性評価装置及び感光体特性評価方法 | |
JP4964702B2 (ja) | 電子写真感光体の特性評価装置 | |
JP5821224B2 (ja) | 電子写真感光体の特性評価装置および特性評価方法 | |
JP2008070789A (ja) | 電子写真用感光体の特性評価装置 | |
US5929640A (en) | Automated stationary/portable test system for photoconductive drums | |
JP2010286612A (ja) | 電子写真感光体の特性評価装置 | |
JP2003005578A (ja) | 感光体の特性評価装置及び特性評価方法 | |
JP5967476B2 (ja) | 潜像担持体の特性評価装置及び特性評価方法 | |
US6469513B1 (en) | Automated stationary/portable test system for applying a current signal to a dielectric material being tested | |
JP2014026160A (ja) | 感光体の評価装置及び感光体の評価方法 | |
JP2012098659A (ja) | 電子写真用感光体の特性評価方法および特性評価装置 | |
JP2009115701A (ja) | 電位計プローブ、感光体感度測定装置 | |
JP2005352176A (ja) | 感光体劣化加速試験方法及び加速試験装置 | |
JP5447838B2 (ja) | 電子写真用感光体特性評価装置 | |
JP2013064909A (ja) | 電子写真用感光体の特性評価方法及び特性評価装置 | |
JP5078465B2 (ja) | 電子写真感光体の検査方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111025 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111216 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120117 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4922067 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |