JP6020938B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒 Download PDF

Info

Publication number
JP6020938B2
JP6020938B2 JP2014525701A JP2014525701A JP6020938B2 JP 6020938 B2 JP6020938 B2 JP 6020938B2 JP 2014525701 A JP2014525701 A JP 2014525701A JP 2014525701 A JP2014525701 A JP 2014525701A JP 6020938 B2 JP6020938 B2 JP 6020938B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
groove
cam
frame
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014525701A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014013678A1 (ja
Inventor
広康 藤中
広康 藤中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JPWO2014013678A1 publication Critical patent/JPWO2014013678A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6020938B2 publication Critical patent/JP6020938B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • G02B7/10Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification by relative axial movement of several lenses, e.g. of varifocal objective lens
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/64Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image
    • G02B27/646Imaging systems using optical elements for stabilisation of the lateral and angular position of the image compensating for small deviations, e.g. due to vibration or shake
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/022Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses lens and mount having complementary engagement means, e.g. screw/thread
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/02Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses
    • G02B7/04Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification
    • G02B7/10Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification by relative axial movement of several lenses, e.g. of varifocal objective lens
    • G02B7/102Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for lenses with mechanism for focusing or varying magnification by relative axial movement of several lenses, e.g. of varifocal objective lens controlled by a microcomputer

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Lens Barrels (AREA)

Description

本開示は、レンズ鏡筒に関する。
特許文献1は、カム溝が形成された枠体と、カム溝に係合するカムフォロアが形成された枠体とを備えるレンズ鏡筒が記載されている。カム溝は、枠体の端部から光軸方向に入り込んだ部分に形成されている。そして、枠体には、その端部からカム溝まで延びる導入用の溝が形成されている。2つの枠体を組み立てるときには、カムフォロアを導入用の溝を通してカム溝に進入させる。
特開2002−55268号公報
本開示は、小型化に有効なレンズ鏡筒を提供する。
ここに開示されたレンズ鏡筒は、カム枠と、前記カム枠を光軸回りに回転駆動する第1駆動部と、カムフォロアを有し、該カムフォロアを介して前記カム枠と係合し、該カム枠が回転することによって光軸方向へ移動する第1光学ユニットとを備え、前記カム枠には、前記第1駆動部が係合するギア部と前記カムフォロアが係合するカム溝とが設けられており、前記ギア部は、前記光軸回りの周方向に並ぶ複数の歯を有しており、前記カム溝は、隣り合う2つの前記歯の間に形成された歯溝と連続して形成されており、前記カムフォロアは、前記歯溝よりも小さく、該歯溝を通過可能に構成されている。
本開示におけるレンズ鏡筒は、小型化に有効である。
図1は、実施の形態1におけるレンズ鏡筒の分解斜視図である。 図2は、カム枠の内周面の展開図である。 図3は、中枠の外周面の展開図である。 図4は、3群ユニットの分解斜視図である。 図5は、収納状態におけるレンズ鏡筒の側面図である。 図6は、最大望遠状態(望遠端)におけるレンズ鏡筒の側面図である。 図7は、図2における二点鎖線VIIで囲んだ部分の拡大図である。 図8は、インターナルギア及び5群カム溝の拡大斜視図である。 図9は、5群ユニットとカム枠との斜視図である。 図10は、5群ユニットをカム枠に挿入した状態の背面図及び部分拡大図である。 図11は、図2のA−A線における2群カム溝の断面図である。 図12は、図2のB−B線におけるヘリコイド溝の断面図である。 図13は、図2のC−C線における3群カム溝の断面図である。 図14は、図3のD−D線におけるヘリコイド突起の断面図である。 図15は、図3のE−E線におけるヘリコイド突起の断面図である。 図16は、4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットを離間して並べた状態の斜視図である。 図17は、4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットを離間して並べた状態の側面図である。 図18は、収納状態における4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットの斜視図である。 図19は、収納状態における4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットの側面図である。 図20は、望遠状態における4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットの斜視図である。 図21は、望遠状態における4群ユニット、5群ユニット及びズームモータユニットの側面図である。 図22は、後側から光軸方向を向いて見た像ブレ補正装置の配置図である。 図23は、3群レンズがX軸方向の正側に移動したときのX駆動コイル等の配置図である。 図24は、3群レンズがX軸方向の負側に移動したときのX駆動コイル等の配置図である。 図25は、3群レンズがY軸方向の正側に移動したときのX駆動コイル等の配置図である。 図26は、3群レンズがY軸方向の負側に移動したときのX駆動コイル等の配置図である。 図27は、3群レンズのX軸方向への移動量と第1センサの出力との関係を示すグラフである。 図28は、3群レンズのY軸方向への移動量と第2センサの出力との関係を示すグラフである。 図29は、撮像素子ユニットの分解斜視図である。 図30は、レンズ鏡筒の背面図である。 図31は、実施の形態2に係る5群ユニットの斜視図および第1の5群カムフォロアの拡大斜視図である。 図32は、5群ユニットの斜視図および第2の5群カムフォロアの拡大斜視図である。 図33は、5群ユニットをカム枠に挿入した状態の背面図及び部分拡大図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
《実施の形態1》
[1.レンズ鏡筒の構成]
図1は、レンズ鏡筒100の分解斜視図である。本実施形態では、説明の便宜上、レンズ鏡筒100がカメラ本体に取り付けられた場合において、レンズ鏡筒100の光軸AXの方向における被写体側を「前」又は「Z軸方向の正」とし、光軸方向におけるカメラ本体側を「後」又は「Z軸方向の負」とする。光軸方向に被写体側から見て右側を「右」又は「X軸方向の正」とし、光軸方向に被写体側から見て左側を「左」又は「X軸方向の負」とする。光軸方向へ被写体側から見て上側を「上」又は「Y軸方向の正」とし、光軸方向へ被写体側から見て下側を「下」又は「Y軸方向の負」とする。
また、特段の説明が無い限り、光軸AXに平行な方向を「光軸方向」、光軸方向に垂直な方向を「径方向」、光軸AXを中心とする円に沿った方向を「周方向」と称する。光軸AXは、レンズ鏡筒100を構成する各枠の軸心と略一致する。
さらに、光軸方向の移動に関し、特段の説明が無い限り、「直進」とは、周方向に回転することなく光軸方向に移動することを意味し、「移動」とは、直進だけでなく、周方向に回転しながら光軸方向に移動することも意味する。
レンズ鏡筒100は、1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、4群ユニット40、フォーカスモータユニット49、5群ユニット50、カム枠60、中枠70、マスターフランジ80、ズームモータユニット81、及び撮像素子ユニット90を備える。1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、4群ユニット40及び5群ユニット50は、対応するレンズを保持している。これらのレンズにより光学系が形成される。つまり、レンズ鏡筒100は、光学系を保持している。
カム枠60は、ズームモータユニット81により回転駆動される。1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、及び5群ユニット50は、カム枠60と係合しており、カム枠60が回転することにより駆動され、光軸方向に移動する。
4群ユニット40は、中枠70内に設けられたシャフトに保持されており、フォーカスモータユニット49により駆動され、光軸方向へ移動する。
撮像素子ユニット90は、撮像素子91とフレキシブルプリント基板92とを備える。撮像素子91は、撮像面に入射した光を電気信号に変換する。フレキシブルプリント基板92は、撮像素子91と本体回路(図示省略)とを接続する。
マスターフランジ80は、カメラ本体(図示省略)に取り付けられる部材である。マスターフランジ80は、円筒壁と、該円筒壁の内部に設けられた底壁とを有している。底壁の中央には開口が設けられている。底壁の後面には、撮像素子ユニット90が取り付けられる。底壁の前面には、ズームモータユニット81が取り付けられている。ズームモータユニット81は、駆動ギア82と、駆動ギア82を回転駆動するズームモータ83とを有している。ズームモータユニット81は、第1駆動部の一例である。
カム枠60は、略円筒状に形成されている。カム枠60の外周面には、1群カム溝61が形成されている。1群カム溝61は、外周面の前端縁から後端部まで形成されている。1群カム溝61には、1群ユニット10の後述する1群カムフォロアが係合する。
図2に、カム枠60の内周面の展開図を示す。カム枠60の内周面には、3本の2群カム溝62、3本の3群カム溝63、3本のヘリコイド溝64、3本の5群カム溝65及び1つのインターナルギア66が形成されている。
ヘリコイド溝64は、カム枠60の前部に設けられている。ヘリコイド溝64は、カム枠60の前端縁から斜め後方へ内周面に沿って螺旋状に延びている。
2群カム溝62は、カム枠60の前部に設けられ、ヘリコイド溝64と交差している。2群カム溝62は、カム枠60の前端縁から後方に延びる導入部62aと、導入部62aに連続し且つ所定の形状に延びる案内部62bとを有している。案内部62bには、収納位置P21と広角位置P22と望遠位置P23とが含まれている。本明細書において、カム溝の収納位置とは、レンズ鏡筒100が収納状態のときに対応するカムフォロアが位置する位置である。カム溝の広角位置とは、レンズ鏡筒100が最大広角状態(焦点距離が最短)のときに対応するカムフォロアが位置する位置である。カム溝の望遠位置とは、レンズ鏡筒100が最大望遠状態(焦点距離が最長)のときに対応するカムフォロアが位置する位置である。案内部62bのうち、導入部62aが連結された端部が収納位置P21であり、案内部62bのうち、導入部62aと反対側の端部が望遠位置P23である。案内部62bにおいて、収納位置P21と望遠位置P23との間に広角位置P22が位置している。2群カム溝62には、後述する2群ユニット20の2群カムフォロア22が係合する。
3群カム溝63は、内周面における光軸方向の中間付近に形成されている。3群カム溝63は、連結溝67を介してヘリコイド溝64に連結されている。3群カム溝63には、収納位置P31と広角位置P32と望遠位置P33とが含まれている。連結溝67は、望遠位置P33の近傍に連結されている。3群カム溝63のうち、連結溝67と反対側の端部が収納位置P31である。3群カム溝63において、収納位置P31と望遠位置P33との間に広角位置P32が位置している。3群カム溝63には、3群ユニット30の後述する3群カムフォロア32が係合する。
インターナルギア66は、カム枠60の後端部において周方向に延びるように形成されている。インターナルギア66は、カム枠60の内周面の全周ではなく、一部にだけ形成されている。インターナルギア66は、カム枠60の後端縁まで形成されている。インターナルギア66は、周方向に並ぶ複数の歯を有している。インターナルギア66は、ズームモータユニット81の駆動ギア82と噛み合う。カム枠60は、ズームモータユニット81により回転駆動される。インターナルギア66は、ギア部の一例である。
5群カム溝65は、カム枠60の後部に設けられている。5群カム溝65は、カム枠60の後端縁からインターナルギア66よりも前方まで延びている。5群カム溝65は、カム枠60の後端縁から前方に延びる導入部65aと、導入部65aに連続し且つ所定の形状に延びる案内部65bとを有している。案内部65bには、収納位置P51と広角位置P52と望遠位置P53とが含まれている。案内部65bのうち、導入部65aが連結された端部が望遠位置P53であり、案内部65bのうち、導入部65aと反対側の端部が収納位置P51である。案内部65bにおいて、収納位置P51と望遠位置P53との間に広角位置P52が位置している。5群カム溝65には、5群カムフォロア52が係合する。5群カム溝65は、カム溝の一例であり、5群カムフォロア52は、カムフォロアの一例である。
中枠70は、図1に示すように、略円筒状に形成されている。中枠70は、マスターフランジ80に固定されている。中枠70の前端縁には、半径方向外側に突出するフランジ部74が設けられている。フランジ部74には、半径方向外側に突出する直進突起75が形成されている。直進突起75は、1群ユニット10の内周面に形成された直進溝に係合する。中枠70は、詳しくは後述するが、4群ユニット40を光軸方向に移動可能に支持し、カム枠60の内側に収容される。中枠70は、支持枠の一例である。
図3に、中枠70の外周面の展開図を示す。中枠70の前端部の外周面には、半径方向外側に突出し且つ外周面に沿って螺旋状に延びる3本のヘリコイド突起73が設けられている。ヘリコイド突起73は、カム枠60のヘリコイド溝64と係合する。カム枠60と中枠70とはヘリコイド溝64及びヘリコイド突起73を介して係合しているので、カム枠60が回転すると、カム枠60は、中枠70に対して光軸方向へ移動する。
中枠70には、光軸方向に延びる3本の第1直進溝71及び3本の第2直進溝72が設けられている。第1直進溝71は、中枠70の前端縁から後方に延び、ヘリコイド突起73と交差して、ヘリコイド突起73よりも後方まで延びている。第2直進溝72は、中枠70の後端縁から前方に延びている。第2直進溝72の前端は、ヘリコイド突起73に達している。第1直進溝71及び第2直進溝72は、中枠70を厚み方向に貫通している。第1直進溝71には、後述する2群ユニット20の2群カムフォロア22が係合する。第2直進溝72には、3群ユニット30の後述する3群カムフォロア32及び5群ユニット50の後述する5群カムフォロア52が係合する。
中枠70の後部には、フォーカスモータユニット49が取り付けられている。フォーカスモータユニット49は、リードスクリュと、リードスクリュを回転駆動するフォーカスモータとを有する。リードスクリュは、フォーカスモータのモータ軸に連結されている。リードスクリュは、中枠70の内側に露出している。フォーカスモータユニット49は、第2駆動部の一例である。
4群ユニット40は、図1に示すように、レンズ枠41と、該レンズ枠41に保持された、フォーカス調整を行うための4群レンズL4とを有している。4群ユニット40は、第2光学ユニットの一例である。カム枠60内には、図示は省略するが、光軸方向に延びる2本のシャフトが設けられている。レンズ枠41は、これらのシャフトに光軸方向に移動可能に保持されている。4群ユニット40は、フォーカスモータユニット49により駆動され、光軸方向へ直進する。
1群ユニット10は、図1に示すように、略円筒状に形成されたレンズ枠11と、該レンズ枠11の前端部に保持された、ズームを行うための1群レンズL1とを有している。1群ユニット10の内周面には、図示は省略するが、光軸方向に延びる直進溝と、半径方向内側に突出する1群カムフォロアとが設けられている。直進溝には、中枠70の直進突起75が係合する。これにより、1群ユニット10は、中枠70に対して光軸方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。1群カムフォロアは、カム枠60の1群カム溝61に係合する。カム枠60が回転すると、1群ユニット10の直進溝に中枠70の直進突起75が係合した状態で、1群カムフォロアがカム枠60の1群カム溝61内を相対的に移動する。その結果、1群ユニット10は、中枠70に対して光軸方向に直進する。
2群ユニット20は、図1に示すように、略円筒状に形成されたレンズ枠21と、該レンズ枠21の前端部に保持された、ズームを行うための2群レンズL2とを有している。レンズ枠21には、半径方向外側に突出する2群カムフォロア22が設けられている。2群カムフォロア22は、中枠70の第1直進溝71を貫通して、カム枠60の2群カム溝62に係合する。2群カムフォロア22の基端部は、第1直進溝71に係合する形状をしている。これにより、2群ユニット20は、中枠70に対して光軸方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。カム枠60が回転すると、2群カムフォロア22は、2群カム溝62の形状に従って第1直進溝71内を移動する。その結果、2群ユニット20は、中枠70に対して光軸方向に直進する。
図4に、3群ユニット30の分解斜視図を示す。3群ユニット30は、3群枠31と、OIS(Optical image Stabilization)レンズ枠35と、該OISレンズ枠35に保持された、像ブレ補正を行うための3群レンズL3と、OISレンズ枠35を駆動する像ブレ補正装置とを有している。
3群枠31には、半径方向外側に突出する3群カムフォロア32が設けられている。3群カムフォロア32は、中枠70の第2直進溝72を貫通して、カム枠60の3群カム溝63に係合する。3群カムフォロア32の基端部は、第2直進溝72に係合する形状をしている。これにより、3群枠31は、中枠70に対して光軸方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。カム枠60が回転すると、3群カムフォロア32は、3群カム溝63の形状に従って第2直進溝72内を移動する。その結果、3群ユニット30は、中枠70に対して光軸方向に直進する。
3群枠31は、OISレンズ枠35を光軸方向に直交する面内で移動可能に保持する。OISレンズ枠35は、像ブレ補正装置によって、光軸方向に直交する面内で移動する。像ブレ補正装置については後述する。OISレンズ枠35の前端部には、遮光キャップ39が取り付けられている。遮光キャップ39は、3群レンズL3の外周部分における不要光を遮光し、フレア及びゴーストの発生を抑制する。3群レンズL3は、複数枚で構成されているが、1枚であってもよい。
5群ユニット50は、レンズ枠51と、レンズ枠51に保持された、ズームを行うための5群レンズL5とを有している。5群ユニット50は、第1光学ユニットの一例である。5群ユニット50のレンズ枠51には、半径方向外側に突出した5群カムフォロア52が設けられている。5群カムフォロア52は、中枠70の第2直進溝72を貫通して、カム枠60の5群カム溝65に係合する。5群カムフォロア52の基端部は、第2直進溝72に係合する形状をしている。これにより、5群ユニット50は、中枠70に対して光軸方向に移動可能である一方、周方向には回転不能となっている。カム枠60が回転すると、5群カムフォロア52は、5群カム溝65の形状に従って第2直進溝72内を移動する。その結果、5群ユニット50は、中枠70に対して光軸方向に直進する。尚、5群ユニット50は、レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構によって駆動される光学ユニットの中で最も軽い。すなわち、5群ユニット50は、1群ユニット10、2群ユニット20及び3群ユニット30よりも軽い。尚、5群ユニット50は、4群ユニット40よりも軽い。
このように構成されたレンズ鏡筒100において、カム枠60は、少なくとも収納位置から広角位置を経て、望遠位置まで回転可能に構成されている。カム枠60の回転に応じて、1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30及び5群ユニット50が光軸方向に移動する。
図5に、収納状態におけるレンズ鏡筒100の側面図を、図6に、望遠位置におけるレンズ鏡筒100の側面図を示す。図5,6においては、1群ユニット10、マスターフランジ80及び撮像素子ユニット90の図示を省略している。レンズ鏡筒100の収納状態において、カム枠60は、中枠70の比較的後側の部分に位置している。詳しくは、カム枠60の後端縁と中枠70の後端縁とが略一致している。このとき、1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、及び5群ユニット50は、カム枠60及び中枠70の内側においてそれぞれの収納位置に位置する。レンズ鏡筒100の撮影状態においては、1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、及び5群ユニット50は、カム枠60の回転角に応じて、広角位置と望遠位置との間の対応する位置に位置する。1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30及び5群ユニット50が広角位置と望遠位置との間で移動することによって、ズーミングが行われる。レンズ鏡筒100の望遠位置において、カム枠60は、中枠70の比較的前側の部分に位置している。
4群ユニット40は、ズーミングの間、中枠70と一体的に光軸方向に移動すると共に、フォーカスモータユニット49の駆動によって中枠70に対して相対的に光軸方向に移動する。これにより、フォーカスが調整される。
[2.レンズ鏡筒の組立]
次に、レンズ鏡筒100の組み立てについて簡単に説明する。
まず、3群ユニット30及び4群ユニット40を中枠70内に収納する。詳しくは、3群カムフォロア32が第2直進溝72に係合するようにして、3群ユニット30を中枠70内に収納する。次に、4群ユニット40を、中枠70内に設けられたシャフトに係合させるようにして、中枠70内に収納する。4群ユニット40を中枠70に収納した状態でフォーカスモータユニット49を中枠70の外周面に取り付ける。このとき、フォーカスモータユニット49のリードスクリュを4群ユニット40の後述するラック45に係合させる。
次に、3群ユニット30及び4群ユニット40を収納した状態の中枠70を、前側からカム枠60に収納する。詳しくは、3群カムフォロア32が第2直進溝72の最も前側に位置する状態で、中枠70をカム枠60内に収納する。このとき、中枠70のヘリコイド突起73とカム枠60のヘリコイド溝64とが係合するようにカム枠60と中枠70とを相対的に回転させながら、中枠70をカム枠60内に収納する。このとき、3群カムフォロア32は、ヘリコイド突起73と共にヘリコイド溝64内を移動する。
続いて、中枠70がカム枠60の最も奥深くに入り込むまでカム枠60と中枠70とを相対的に回転させた後、3群ユニット30を後方へ押し込む。中枠70がカム枠60の最も奥深くに入り込んだ状態では、3群カムフォロア32は、ヘリコイド溝64の望遠位置を越えて、連結溝67との連結部に達している。この状態から3群ユニット30を光軸方向の後側へ押し込むことにより、3群カムフォロア32を連結溝67へ進入させ、3群カム溝63まで到達させる。
次に、カム枠60と中枠70とを相対的に回転させ、周方向においてカム枠60の2群カム溝62の導入部62aと中枠70の第1直進溝71とを一致させる。この状態で、2群カムフォロア22が第1直進溝71に係合するように、2群ユニット20を中枠70内に収納する。このとき、2群カムフォロア22は、2群カム溝62にも挿入される。
そして、カム枠60と中枠70とを相対的に回転させ、周方向においてカム枠60の5群カム溝65の導入部65aと中枠70の第2直進溝72とを一致させる。この状態で、5群カムフォロア52が第2直進溝72に係合するように、5群ユニット50を中枠70内に収納する。このとき、5群カムフォロア52は、5群カム溝65にも挿入される。このように、5群ユニット50(レンズ枠51)は、組立時に4群ユニット40(レンズ枠41)及び中枠70よりも後にカム枠60内に組み込まれる。
次に、カム枠60の1群カム溝61に1群カムフォロアが係合し、中枠70の直進突起に直進溝が係合するように、1群ユニット10をカム枠60の外周に嵌める。
こうして、1群ユニット10、2群ユニット20、3群ユニット30、4群ユニット40、5群ユニット50、カム枠60及び中枠70が一体的に組み込まれた状態において、中枠70をマスターフランジ80に取り付ける。マスターフランジ80には、ズームモータユニット81が予め取り付けられている。ズームモータユニット81の駆動ギア82を、カム枠60のインターナルギア66に噛合させる。
最後に、撮像素子ユニット90をマスターフランジ80に取り付ける。
このようにして、レンズ鏡筒100が組み立てられる。カム枠60と中枠70とをヘリコイド溝64及びヘリコイド突起73によるヘリコイド機構で係合させたことよって、レンズ鏡筒100の組立性を向上させつつ、レンズ鏡筒100の強度を向上させることができる。
尚、以上の組み立ては一例であり、レンズ鏡筒100の組み立ては、これに限られるものではない。組み立てが可能である限り、上記の組み立て順序を変更してもよい。
[3.詳細構成]
[3−1.カム枠60]
[3−1−1.5群カム溝65及びインターナルギア66]
図7に、図2における二点鎖線VIIで囲んだ部分の拡大図を示す。図8に、インターナルギア66及び5群カム溝65の拡大斜視図を示す。図9に、5群ユニット50とカム枠60との斜視図を示す。図10に、5群ユニット50をカム枠60に挿入した状態の背面図及び部分拡大図を示す。尚、図9,10においては、中枠70の図示を省略している。
図4に示すように、5群カム溝65は、5群カムフォロア52の収納位置P51、広角位置P52及び望遠位置P53を含む案内部65bと、案内部65bに連続する導入部65aとを有している。導入部65aは、カム枠60の後端縁に開口している。5群ユニット50をカム枠60内に収納するときには、5群ユニット50は、カム枠60の後端からカム枠60内に挿入される。このとき、5群カムフォロア52が、カム枠60の後端縁から5群カム溝65の導入部65aに挿通される。
ここで、カム枠60の内周面の後端部には、周方向における一部にインターナルギア66が設けられている。カム枠60の内周面の後端部のうちインターナルギア66が設けられていない部分においては、導入部65aがカム枠60の後端縁まで延びている。しかし、インターナルギア66が設けられている部分においては、導入部65aをカム枠60の後端縁まで延ばすためには、導入部65aがインターナルギア66を横切る必要がある。導入部65aにインターナルギア66を横切らせるためにインターナルギア66の一部を導入部65aによって切り欠くと、インターナルギア66とズームモータユニット81の駆動ギア82との間にガタツキが生じてしまったり、インターナルギア66の強度が低下してしまったりする。
そこで、導入部65aをインターナルギア66の1つの歯溝66bと連続させている。詳しくは、インターナルギア66は、周方向に並ぶ複数の歯66aを有している。隣り合う2つの歯66aの間には光軸方向に延びる歯溝66bが形成されている。導入部65aの周方向位置は、1つの歯溝66bの周方向位置と一致している。こうして、導入部65aは、該歯溝66bと連続している。つまり、インターナルギア66の歯溝66bは、5群カム溝65の一部として機能する。換言すれば、インターナルギア66の歯溝66bが5群カム溝65の一部を構成している。インターナルギア66が設けられた部分においては、5群カムフォロア52は、インターナルギア66の歯溝66bを通って導入部65aへ進入する。
このような構成を実現するために、5群カムフォロア52は、歯溝66bよりも小さく、歯溝66bを通過する寸法に形成されている。つまり、5群カムフォロア52が通過する方向、即ち、光軸方向に直交する平面で切断した場合に、5群カムフォロア52の断面は、歯溝66bの断面よりも小さい。具体的には、5群カムフォロア52の長さは、歯溝66bの歯底に到達しない長さになっている。また、5群カムフォロア52の幅は、歯溝66bの深さ方向の全域に亘って歯溝66bよりも小さくなっている。
この構成によれば、カム枠60にインターナルギア66が設けられていても、インターナルギア66を横切るようにして、5群カムフォロア52を5群カム溝65の案内部65bへ挿通させることができる。その結果、5群カム溝65の位置をインターナルギア66からずらす必要がないので、5群カム溝65の設計自由度を向上させることができると共に、レンズ鏡筒100の小型化を図ることができる。
また、5群カムフォロア52がインターナルギア66を横切ることができない場合には、5群カム溝65の導入部65aをカム枠60の前端縁まで延ばし、5群ユニット50を前側からカム枠60に挿入する必要がある。導入部65aを形成する場所が限定されてしまうと、5群カム溝65の設計自由度だけでなく、カム枠60に形成する他のカム溝等の設計自由度も低下してしまう。また、5群ユニット50をカム枠60に挿入する方向が限定されてしまうと、レンズ鏡筒100の組み立て順序が制限され、場合によってはレンズ鏡筒100の設計自由度が低下してしまう。特に、本実施形態においては、5群ユニット50は、カム枠60内に収容される光学ユニットの中で最も後方に位置する光学ユニットである。そのため、5群ユニット50は、後方からカム枠60内に挿入する方が組立性が高い。また、5群カムフォロア52は、カム枠60の5群カム溝65に挿通されるのと同時に、中枠70の第2直進溝72に挿通される。そのため、5群ユニット50をカム枠60に挿入する際には、先に中枠70がカム枠60内に収容されている必要がある。中枠70をカム枠60内に収容する前に、カム機構とは独立して移動可能なフォーカスユニットである4群ユニット40を中枠70に予め収容しておく必要がある。つまり、5群ユニット50をカム枠60に挿入するときには、カム枠60には中枠70が収容されており、中枠70には4群ユニット40が収容されている。そのため、5群ユニット50は、カム枠60に対して後方からしか挿入することができない。5群ユニット50をカム枠60に対して後方から挿入可能とすることによって、このような配置のレンズ鏡筒100の実現を可能にしている。
また、5群カムフォロア52にインターナルギア66を横切らせる構成であっても、5群カムフォロア52をインターナルギア66の歯溝66bよりも小さくすることによって、インターナルギア66には変更を加えていない。つまり、インターナルギア66のうち5群カム溝65と連続する歯溝66bは、それ以外の歯溝66bと同じ形状をしている。そのため、インターナルギア66と駆動ギア82とのガタツキを低減することができ、インターナルギア66の強度も確保することができる。また、インターナルギア66を、5群カム溝65とは無関係に、駆動ギア82との関係等に基づいて設計することができる。
さらに、5群カムフォロア52が通過する方向、即ち、光軸方向を向いてみたときに、導入部65aをインターナルギア66の歯溝66bよりも小さくしている。すなわち、光軸AXに直交する平面で切断したときの断面において導入部65aを歯溝66bよりも小さくしている。例えば、導入部65aの深さは、歯溝66bよりも浅く、導入部65aの幅は、導入部65aの深さ方向の全域に亘って歯溝66bよりも狭くなっている。つまり、5群カムフォロア52が歯溝66bよりも小さいのと同様に、5群カム溝65も歯溝66bよりも小さくなっている。これにより、5群カムフォロア52をインターナルギア66の歯溝66bよりも小さくした場合であっても、5群カムフォロア52と5群カム溝65とを適切に係合させることができ、5群カムフォロア52を5群カム溝65で案内する際のガタツキを低減することができる。
さらに、5群カムフォロア52の基端部(根元)の横断面積(5群カムフォロア52の軸心に直交する平面で切断したときの断面積)は、レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構によって駆動される光学ユニット(例えば、レンズユニット及び絞りユニット)のカムフォロアの中で最も小さく形成されている。具体的には、5群カムフォロア52の基端部の横断面積は、1群カムフォロア、2群カムフォロア22及び3群カムフォロア32よりも小さい。
ここで、5群ユニット50の重量は、レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構によって駆動される光学ユニット(例えば、レンズユニット及び絞りユニット)の中で最も軽い。具体的には、5群ユニット50は、1群ユニット10、2群ユニット20及び3群ユニット30の中で最も軽い。
5群ユニット50は軽いので、5群カムフォロア52を細くしても、5群ユニット50が衝撃を受けたときに5群カムフォロア52が破損することを防止することができる。つまり、レンズ鏡筒100が落下等により衝撃を受けたときには、5群カムフォロア52には、5群ユニット50の慣性力等によって衝撃が作用する。しかしながら、5群ユニット50は軽いので、5群カムフォロア52に作用する衝撃が小さい。そのため、5群カムフォロア52にインターナルギア66の歯溝66bを通過させるべく5群カムフォロア52を細くしても、5群カムフォロア52の破損を防止することができる。
さらに、5群カム溝65は、望遠位置P53から広角位置P52に向かって、カム枠60の後端縁からの距離が単調に増加する。また、5群カム溝65のうち周方向に対する傾斜角度が最も大きくなる部分の該傾斜角度(「最大傾斜角」ともいう)は、レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットのカム溝の中で最も小さい。すなわち、5群カム溝65は、周方向に対する傾斜が最も緩やかである。また、5群カム溝65は、広角位置P52から望遠位置P53までの間において、周方向の変位量に対する光軸方向の変位量で表される、周方向に対する傾斜角度の変化量が最も大きくなる部分の該変化量(「最大変化量」ともいう)は、レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットのカム溝の中で最も小さい。
つまり、カム枠60の回転量に対する5群カムフォロア52の光軸方向への移動量は小さく、その変化量も小さい。つまり、カム駆動時に5群カム溝65から5群カムフォロア52に作用する力は小さい。そのため、5群カムフォロア52を細くしても、5群カムフォロア52を破損すること無く、レンズ枠51をカム駆動することができる。
また、5群カムフォロア52は、円錐台形状であって、先細のテーパ状に形成されている。一方、歯66aの歯面は、インボリュート曲線によって形成されており、歯溝66bは、底に向かって幅が狭くなるように形成されている。径方向に対する5群カムフォロア52のテーパ面の傾斜角度は、径方向に対する歯溝66bの傾斜角度、即ち、歯66aの基準圧力角(例えば、20°)と略一致する。
つまり、5群カムフォロア52が歯溝66bよりも小さい構成であっても、5群カムフォロア52の縦断面積(5群カムフォロア52の軸心を含む平面で切断したときの断面積)を大きくすることができ、5群カムフォロア52の破損を防止することができる。
[3−1−2.2群カム溝62]
2群カム溝62は、図2に示すように、収納位置P21から広角位置P22に向かって斜め前方へ延び、広角位置P22から望遠位置P23に向かって斜め後方へ延びている。収納位置P21の光軸方向位置は、望遠位置P23の光軸方向位置と略同じである。ただし、収納位置P21は、広角位置P22と望遠位置P23との間に存在する。すなわち、収納位置P21は、光軸方向において望遠位置P23よりも前方に位置する。また、2群カム溝62の一部、具体的には、望遠位置P23の近傍部分は、隣り合う2群カム溝62の収納位置P21の後側を通過している。つまり、収納位置P21が望遠位置P23よりも光軸方向において前側に位置するので、隣り合う2つの2群カム溝62は、交差すること無く、部分的に前後方向に並ぶことができる。
レンズ鏡筒100においては、収納状態における2群ユニット20の光軸方向位置と望遠位置における2群ユニット20の光軸方向位置とが略同じである。ここで、カム枠60が光軸方向に進退しない場合には、2群カム溝62が長いと、隣り合う2群カム溝62同士が互いに交差してしまう可能性がある。その場合には、2群カムフォロア22がこの交差区間を通過する際に、2群カム溝62の沿って正常に移動できない虞がある。これを回避するためには、2群カム溝62を短くすることが考えられる。しかし、その場合には、広角位置から望遠位置までのカム枠60の回転角度を小さくなり、ひいては、周方向に対する2群カム溝62の傾斜角度が大きくなる。その結果、ズームモータ83の出力トルクを大きくしなければならない。
それに対し、カム枠60を回転時に光軸方向へ移動させることによって、収納状態における2群ユニット20の光軸方向位置と望遠位置における2群ユニット20の光軸方向位置とが略同じであっても、2群カム溝62同士が交差することを回避しつつ、2群カム溝62を長くして、カム枠60の回転角度を大きくすることができる。その結果、ズームモータ83の出力トルクを小さくすることができる。それに伴い、ズームモータユニット81を小型化することができ、ひいては、レンズ鏡筒100を小型化することができる。
[3−1−3.2群カム溝62及びヘリコイド溝64]
図11に、図2のA−A線における2群カム溝62の断面図を示す。図12に、図2のB−B線におけるヘリコイド溝64の断面図を示す。尚、図12においては、2群カムフォロア22の断面図も図示している。
図2に示すように、カム枠60において、ヘリコイド溝64と2群カム溝62とは交差している。2群カム溝62は、連結溝67とも交差している。ここで、図11,12に示すように、2群カム溝62の深さD2を、ヘリコイド溝64の深さD4よりも深くしている。そして、2群カムフォロア22は、2群カム溝62のうちヘリコイド溝64よりも深い部分と係合する。これにより、2群カムフォロア22と2群カム溝62とのガタツキを低減することができる。
詳しくは、一のカム溝が他のカム溝と交差する構成においては、交差する部分では2つのカム溝が互いに分断し合い、カム溝の側壁が存在しない。そのため、交差する部分では、カムフォロアとカム溝との間にガタツキが生じてしまう。それに対し、2群カム溝62がヘリコイド溝64よりも深い構成においては、2群カム溝62とヘリコイド溝64とが交差する部分においても、2群カム溝62は、ヘリコイド溝64及び連結溝67によって完全には分断されず、2群カム溝62の底近傍部分においては側壁が存在する。そのため、2群カム溝62とヘリコイド溝64とが交差する部分においても2群カムフォロア22を2群カム溝62により案内することができる。
それに加えて、2群カムフォロア22は、段差状に形成され、2群カム溝62のうちヘリコイド溝64よりも深い部分とだけ摺接するように構成されている。詳しくは、2群カム溝62の側壁は、底に向かって溝幅が小さくなるように傾斜している。2群カムフォロア22は、基本的には、先細状の略円錐台に形成されている。2群カムフォロア22の側面は、第1側面21aと、第1側面21aよりも先端側に位置する第2側面21bとを有する。第1側面21a及び第2側面21bは、2群カム溝62の側壁と実質的に同じ傾斜角度で傾斜している。ただし、第1側面21aと第2側面21bとの連結部においては、第2側面21bが第1側面21aよりも外側に拡大されている。すなわち、第1側面21aと第2側面21bとの連結部には段差が形成されている。第2側面21bは、2群カム溝62のうちヘリコイド溝64よりも深い部分と摺接し、ヘリコイド溝64と同じ深さの部分とは摺接しない。第1側面21aは、2群カム溝62のうちヘリコイド溝64と同じ深さの部分と隙間を空けて対向している。つまり、2群カムフォロア22の先端側の第2側面21bと2群カム溝62の底側のヘリコイド溝64よりも深い部分とだけが摺接している。2群カム溝62のうちヘリコイド溝64との交差部分では、2群カム溝62の側壁がヘリコイド溝64により切り欠かれて存在していない。そのため、2群カムフォロア22が2群カム溝62のうちヘリコイド溝64と同じ深さの部分と摺接する場合、2群カムフォロア22が、2群カム溝62とヘリコイド溝64との交差部において、2群カム溝62とヘリコイド溝64とで形成される稜部に引っ掛かる虞がある。その結果、ズーミング時に不必要な振動や画像ブレが生じてしまう。それに対し、2群カムフォロア22を2群カム溝62のうちヘリコイド溝64と同じ深さの部分とは摺接させず、ヘリコイド溝64よりも深い部分とだけ摺接させることによって、2群カムフォロア22が、2群カム溝62とヘリコイド溝64とで形成される稜部に引っ掛かることを防止することができる。その結果、ズーミング時に不必要な振動や画像ブレを低減することができる。
尚、2群カムフォロア22の先端には、突起21cが設けられている。突起21cは、2群カム溝62の底壁に摺接する。これにより、2群カムフォロア22と2群カム溝62と摺動抵抗を低減している。
一方、浅い方の溝を傾斜角度が一定のヘリコイド溝64で構成し、ヘリコイド溝64と係合する部分をヘリコイド溝64の長手方向に延びるヘリコイド突起73とすることによって、ヘリコイド溝64の一部が2群カム溝62により分断されている構成であっても、ヘリコイド溝64とヘリコイド突起73との間のガタツキを低減することができる。詳しくは、ヘリコイド突起73は、ヘリコイド溝64の長手方向に延びている。より詳しくは、ヘリコイド突起73の、ヘリコイド溝64の長手方向の寸法は、2群カム溝62の、ヘリコイド溝64の長手方向の幅よりも長く形成されている。そのため、ヘリコイド突起73がヘリコイド溝64のうち2群カム溝62と交差する部分を通過する際には、ヘリコイド突起73の少なくとも一部がヘリコイド溝64と必ず係合している。つまり、ヘリコイド突起73は、常にヘリコイド溝64に案内されている。これにより、ヘリコイド溝64とヘリコイド突起73との間のガタツキを低減することができる。
また、2群カム溝62と連結溝67との関係も、上述の2群カム溝62とヘリコイド溝64との関係と同様である。2群カム溝62の深さD2は、連結溝67の深さよりも深くなっている。2群カムフォロア22は、2群カム溝62のうち連結溝67よりも深い部分とだけ摺接し、連結溝67と同じ深さの部分とは摺接しない。
尚、連結溝67も2群カム溝62に分断されているが、連結溝67は、レンズ鏡筒100の組立時にのみ3群カムフォロア32が通過する溝であるため、3群カムフォロア32と連結溝67との間にガタツキが生じたとしても、レンズ鏡筒100の使用上は問題がない。
このように、2群カム溝62とヘリコイド溝64及び連結溝67とを交差させることによって、カム枠60の面積を有効に活用して、カム溝等を配置することができる。特に、カム枠60の光軸方向の長さを有効に活用することができる。カム枠60の光軸方向の長さが同じであっても、各カムのストロークを十分に確保しつつ、収納状態におけるレンズ鏡筒100の光軸方向寸法を小さくすることができる。
[3−1−4.3群カム溝63及びヘリコイド溝64]
3群カム溝63とヘリコイド溝64とは、連結溝67を介して連結されている。これによって、ヘリコイド溝64を利用して、3群カムフォロア32を3群カム溝63へ導入することができる。つまり、3群カムフォロア32を3群カム溝63まで導くための導入部を省略することができる。これにより、カム枠60におけるカム溝等の設計自由度を向上させることができる。また、レンズ鏡筒100を小型化することができる。
ここで、3群カム溝63及びヘリコイド溝64は共に、3群カムフォロア32が通過するものの、3群カム溝63の形状とヘリコイド溝64の形状とは異なっている。
詳しくは、図13に、図2のC−C線における3群カム溝63の断面図を示す。ヘリコイド溝64の、カム枠60の表面における溝幅W4は、3群カム溝63の、カム枠60の表面における溝幅W3よりも大きくなっている。また、ヘリコイド溝64の側壁及び3群カム溝63の側壁は傾斜している。ヘリコイド溝64の2つの側壁のなす角A4は、3群カム溝63の2つの側壁のなす角A3よりも小さくなっている。尚、3群カム溝63の深さD3は、ヘリコイド溝64の深さD4と同じ深さになっている。
カム溝の2つの側壁のなす角が小さいほど、カムフォロアの光軸方向へガタツキを抑え易く、かつ、外力が加わった場合にもカムフォロアがカム溝からはずれ難くなる。したがって、ガタツキを抑制し、外力に対する耐性を向上させるために、2つの側壁のなす角を小さくすることが好ましい。
一方、カム枠60を樹脂射出成形等で作成する場合、カム溝の2つの側壁のなす角が小さすぎると、成形が難しくなる。ヘリコイド溝64のように、周方向に対する傾斜角が小さく且つその変化が小さいカム溝は、2つの側壁のなす角が小さくても成形は難しくない。しかし、3群カム溝63のように、周方向に対する傾斜角が大きく変化するカム溝は、2つの側壁のなす角が小さいと成形が難しい。
そこで、大きな衝撃を受け易いヘリコイド溝64の2つの側壁のなす角を比較的小さくする一方、より複雑な形状をした3群カム溝63の2つの側壁のなす角を比較的大きくしている。
詳しくは、落下等によりレンズ鏡筒100に衝撃が加わったときには、最も外側に配置される1群ユニット10に外力が作用することが多い。1群ユニット10は、カム枠60及び中枠70に直接連結されているので、ヘリコイド溝64及びヘリコイド突起73には、比較的大きな衝撃が加わる。また、カム枠60及び中枠70は比較的重いので、ヘリコイド溝64及びヘリコイド突起73に作用する、カム枠60及び中枠70の慣性力に起因する衝撃も比較的大きい。そこで、ヘリコイド溝64の2つの側壁のなす角A4を比較的小さくすることによって、外力に対するヘリコイド溝64及びヘリコイド突起73の強度を向上させている。
一方、3群ユニット30はレンズ鏡筒100の比較的内部に位置するので、1群ユニット10に作用する外力は、3群ユニット30には直接には作用しない。また、3群ユニット30は比較的軽いため、3群カム溝63及び3群カムフォロア32に作用する、3群ユニット30の慣性力に起因する衝撃も比較的小さい。そのため、3群カム溝63の2つの側壁のなす角A3を小さくする必要性はそれほど高くない。そこで、3群カム溝63については、3群カムフォロア32の抜け難さよりも成形しやすさを重視して、3群カム溝63の2つの側壁のなす角A3を比較的大きくしている。これにより、3群カム溝63の成形を容易にしている。
それに加えて、ヘリコイド溝64の溝幅W4を、3群カム溝63の溝幅W3よりも大きくしている。ヘリコイド溝64の2つの側壁のなす角A4が3群カム溝63の2つの側壁のなす角A3よりも小さいので、ヘリコイド溝64の底部における溝幅も、3群カム溝63の底部における溝幅よりも大きくなっている。つまり、ヘリコイド溝64は、カム枠60の表面から溝底に亘る深さ方向の全域において、3群カム溝63よりも広く形成されている。そのため、3群カム溝63に係合するように形成された3群カムフォロア32は、ヘリコイド溝64を経て3群カム溝63へ導入される際にヘリコイド溝64内を円滑に通過することができる。
また、図2に示すように、3群カム溝63の周方向の寸法は、2群カム溝62の周方向の寸法よりも大きく設定されている。すなわち、3群カムフォロア32が3群カム溝63の収納位置P31から連結溝67との連結部まで移動するときのカム枠60の回転角R3は、2群カムフォロア22が2群カム溝62の収納位置P21から望遠位置P23まで移動するときのカム枠60の回転角R2よりも大きい。詳しくは、3群カム溝63は、収納位置P31から望遠位置P33まで延び、さらに望遠位置P33を越えて延長されている。そして、3群カム溝63の延長された端部に連結溝67が連結されている。そのため、カム枠60を望遠位置まで回転させても、3群カムフォロア32は、3群カム溝63の望遠位置P33に留まり、連結溝67に到達しない。つまり、3群カムフォロア32がヘリコイド溝64に戻ってしまうことを防止することができる。
[3−2.中枠70]
図14に、図3のD−D線におけるヘリコイド突起73の断面図を示す。図15に、図3のE−E線におけるヘリコイド突起73の断面図を示す。ヘリコイド突起73は、ヘリコイド溝64の溝壁と当接する当接部73aと、当接部73aを補強する補強部73bとを有している。
当接部73aは、補強部73bよりも幅広で且つ外径方向へ突出している。すなわち、当接部73aの高さH73aは、補強部73bの高さH73bより高い。当接部73aの幅W73aは、補強部73bの幅W73bより広い。そのため、カム枠60が中枠70に対して回転するときには、補強部73bはヘリコイド溝64とは係合せず、当接部73aがヘリコイド溝64と係合する。ただし、レンズ鏡筒100の落下等によりレンズ鏡筒100に外力が加わったときには、補強部73bは、ヘリコイド溝64と係合し得る。これにより、ヘリコイド突起73の破損を防止することができる。また、この構成によれば、基本的には補強部73bをヘリコイド溝64に係合させる必要がなく、当接部73aだけをヘリコイド溝64に係合させればよいので、設計精度を向上させることができる。
[3−3.4群ユニット40及び5群ユニット50]
以下に、4群ユニット40及び5群ユニット50の詳細な構成を説明する。特に、4群ユニット40及び5群ユニット50とズームモータユニット81との関係について説明する。
図16に、4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81を離間して並べた状態の斜視図を示す。図17に、4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81を離間して並べた状態の側面図を示す。
ズームモータユニット81は、概ねL字状に形成されている。ズームモータユニット81は、駆動ギア82を収容するハウジング84を有している。駆動ギア82の一部は、ハウジングから露出している。ハウジング84のうち駆動ギア82と反対側の部分にズームモータ83が設けられている。
5群ユニット50のレンズ枠51は、前記5群カムフォロア52と、第1平板部53と、第2平板部54と、湾曲部55と、これらを囲む周壁部56とを有している。第1平板部53は、光軸AXに直交しており、5群レンズL5を保持している。第2平板部54は、光軸AXに直交しており、第1平板部53よりも前方に配置されている。第2平板部54は、5群ユニット50が最もズームモータユニット81に近づいたときに、ハウジング84との干渉を回避するように前方へ配置されている。湾曲部55は、第1平板部53の下部に連結され、湾曲しながら前方へ膨出している。湾曲部55は、5群ユニット50が最もズームモータユニット81に近づいたときに、ズームモータ83との干渉を回避するようにズームモータ83の外形に沿って湾曲している。周壁部56の一部も、ズームモータ83との干渉を回避するようにズームモータ83の外形に沿って切り欠かれている。湾曲部55の一方の側方には、周壁部56と湾曲部55とで囲まれた第1開口部57が形成されている。湾曲部55の他方の側方には、第1平板部53と第2平板部54と湾曲部55とで囲まれた第2開口部58が形成されている。周壁部56の外周面には、5群カムフォロア52が設けられている。
4群ユニット40のレンズ枠41は、平板部42と、湾曲部43と、軸受部44と、ラック45とを有している。平板部42は、光軸AXに直交しており、4群レンズL4を保持している。湾曲部43は、平板部42の下部に連結され、湾曲しながら前方へ膨出している。湾曲部43には、開口部46が形成されている。開口部46は、レンズ枠51の湾曲部55が嵌まり込む形状をしている。つまり、湾曲部55は、開口部46を実質的に塞ぐ形状をしている。一方、湾曲部43は、レンズ枠51の第1開口部57及び第2開口部58に嵌まり込む形状をしている。つまり、湾曲部43は、第1開口部57及び第2開口部58を実質的に塞ぐ形状をしている。湾曲部43は、4群ユニット40が最もズームモータユニット81に近づいたときに、ズームモータ83との干渉を回避するようにズームモータ83の外形に沿って湾曲している。軸受部44は、平板部42の上部に設けられている。軸受部44には、中枠70に設けられたシャフトが挿通される。また、湾曲部43のうち平板部42と反対側の部分には、中枠70に設けられた別のシャフトに係合する切欠部47が形成されている。ラック45は、軸受部44の近傍に設けられている。
図18に、収納状態における4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81の斜視図を示す。図19に、収納状態における4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81の側面図を示す。図20に、望遠状態における4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81の斜視図を示す。図21に、望遠状態における4群ユニット40、5群ユニット50及びズームモータユニット81の側面図を示す。
4群ユニット40は、収納状態のときにズームモータユニット81に最も接近する。このとき、4群ユニット40の湾曲部43は、5群ユニット50の第1開口部57及び第2開口部58に嵌まり込んでいると共に、5群ユニット50の湾曲部55は、4群ユニット40の開口部46に嵌まり込んでいる。4群ユニット40と5群ユニット50とを接近させることができ、レンズ鏡筒100をコンパクトにすることができる。
それに加えて、湾曲部55は開口部46を実質的に塞ぐ形状をし、湾曲部43は第1開口部57及び第2開口部58を実質的に塞ぐ形状をしているので、レンズ枠41とレンズ枠51との隙間をできる限り低減して、湾曲部43及び湾曲部55によりズームモータ83を覆うことができる。これにより、ズームモータ83による不要光の反射を低減し、フレア及びゴーストを低減できる。
[3−4.像ブレ補正装置]
以下、像ブレ補正装置の構成について、図4,22を参照して説明する。図22に、後側から光軸方向を向いて見た像ブレ補正装置の配置図を示す。
像ブレ補正装置は、図4に示すように、X駆動コイル33aと、Y駆動コイル33bと、第1センサ34aと、第2センサ34bと、X駆動マグネット36aと、Y駆動マグネット36bと、Xセンサマグネット37aと、Yセンサマグネット37bと、Xヨーク38aと、Yヨーク38bとを有している。
X駆動コイル33a、Y駆動コイル33b、第1センサ34a及び第2センサ34bは、3群枠31に固定されている。X駆動マグネット36a、Y駆動マグネット36b、Xセンサマグネット37a、Yセンサマグネット37b、Xヨーク38a及びYヨーク38bは、OISレンズ枠35に固定されている。3群枠31には、光軸方向に延びる回動軸BXが設けられている(図22参照)。OISレンズ枠35は、光軸AXに直交する平面内で移動可能且つ回転軸BX周りに回転可能な状態で3群枠31に支持されている。
X駆動マグネット36a、Y駆動マグネット36b、Xセンサマグネット37a及びYセンサマグネット37bは、それぞれ少なくとも2極着磁されている。Xヨーク38aは、強磁性材料で形成され、X駆動マグネット36a及びXセンサマグネット37aのバックヨークとなっている。Xヨーク38a、X駆動マグネット36a及びXセンサマグネット37aは、一体となって、OISレンズ枠35に接着固定されている。Yヨーク38bも、強磁性材料で形成され、Y駆動マグネット36b及びYセンサマグネット37bのバックヨークとなっている。Yヨーク38b、Y駆動マグネット36b及びYセンサマグネット37bは、一体となって、OISレンズ枠35に接着固定されている。
図22に示すように、X駆動マグネット36aは、X駆動コイル33aと対向している。X駆動マグネット36a及びX駆動コイル33aは、OISレンズ枠35をX軸方向へ移動させるX軸駆動アクチュエータを構成する。3群レンズL3の中心LXと回動軸BXとは、実質的にX軸方向に並んでいる。X駆動コイル33aに通電すると、X駆動コイル33aとX駆動マグネット36aとの相互作用により、OISレンズ枠35をX軸方向(第1直線D1の方向)へ移動させる推力が発生する。Xセンサマグネット37aは、第1センサ34aと対向している。第1センサ34aは、磁束密度の変化に基づいて、OISレンズ枠35のX軸方向への移動を検出する。
Y駆動マグネット36bは、Y駆動コイル33bと対向している。Y駆動マグネット36b及びY駆動コイル33bは、OISレンズ枠35をY軸方向へ移動させるY軸駆動アクチュエータを構成する。Y駆動コイル33bに通電すると、Y駆動コイル33bとY駆動マグネット36bとの相互作用により、OISレンズ枠35をY軸方向へ移動させる推力が発生する。Yセンサマグネット37bは、第2センサ34bと対向している。第2センサ34bは、磁束密度の変化に基づいて、OISレンズ枠35のY軸方向への移動を検出する。
ここで、X駆動コイル33a等の配置についてさらに詳細に説明する。Xセンサマグネット37aは、その磁極分極線Dm1(磁極のN、Sが切り替わる境界線)がX軸方向及びY軸方向に対して傾くように配置されている。具体的には、Xセンサマグネット37aは、磁極分極線Dm1が第1センサ34aの中心(検出中心)CXと回動軸BXとを結ぶ第2直線D2と直交するように配置されている。第1センサ34aの中心CXと回動軸BXとを結ぶ第2直線D2と、Xセンサマグネット37aの磁極分極線Dm1と、回動軸BXと3群レンズL3の中心とを結ぶ第1直線D1とは、三角形を形成する。一方、Yセンサマグネット37bの磁極分極線Dm2は、第1直線D1と略平行となっている。
図23に、3群レンズL3がX軸方向の正側に移動したときのX駆動コイル33a等の配置図を示す。図24に、3群レンズL3がX軸方向の負側に移動したときのX駆動コイル33a等の配置図を示す。図25に、3群レンズL3がY軸方向の正側に移動したときのX駆動コイル33a等の配置図を示す。図26に、3群レンズL3がY軸方向の負側に移動したときのX駆動コイル33a等の配置図を示す。
図23,24に示すように、3群レンズL3がX軸方向に移動するときには、第1センサ34aに対する、Xセンサマグネット37aの磁極分極線Dm1の位置関係は、変化しているものの、第2センサ34bに対する、Yセンサマグネット37bの磁極分極線Dm2の位置関係は、ほとんど変化していない。このように、第1センサ34aの出力に基づいて3群レンズL3のX軸方向への移動を検出することができる。
図25,26に示すように、3群レンズL3がY軸方向に移動するときには、第1センサ34aに対する、Xセンサマグネット37aの磁極分極線Dm1の位置関係は、ほとんど変化していないものの、第2センサ34bに対する、Yセンサマグネット37bの磁極分極線Dm2の位置関係は、変化している。このように、第2センサ34bの出力に基づいて3群レンズL3のY軸方向への移動を検出することができる。
つまり、3群レンズL3のX軸方向の移動とY軸方向の移動とをそれぞれ第1センサ34aと第2センサ34bにより独立に検出することができる。
図27に、3群レンズL3のX軸方向への移動量と第1センサ34aの出力との関係を示すグラフを示す。3群レンズL3のY軸方向位置を固定し、3群レンズL3のX軸方向の位置だけを変えている。3群レンズL3のY軸方向位置は、Y軸方向の基準位置(y=0)、Y軸方向の正側へ一定量シフトさせた位置、及びY軸方向の負側へ一定量シフトさせた位置のそれぞれで固定している。図27に示すように、3群レンズL3のX軸方向の移動量と第1センサ34aの出力とは略比例している。また、3群レンズL3のX軸方向位置に対する第1センサ34aの出力は、3群レンズL3のY軸方向位置によってほとんど変わらない。
図28に、3群レンズL3のY軸方向への移動量と第2センサ34bの出力との関係を示すグラフを示す。3群レンズL3のX軸方向位置を固定し、3群レンズL3のY軸方向の位置だけを変えている。3群レンズL3のX軸方向位置は、X軸方向の基準位置(x=0)、X軸方向の正側へ一定量シフトさせた位置、及びX軸方向の負側へ一定量シフトさせた位置のそれぞれで固定している。図28に示すように、3群レンズL3のY軸方向の移動量と第2センサ34bの出力とは略比例している。また、3群レンズL3のY軸方向位置に対する第2センサ34bの出力は、3群レンズL3のX軸方向位置によってほとんど変わらない。
このように、3群レンズL3のX軸方向の移動量及びY軸方向の移動量をそれぞれ第1センサ34a及び第2センサ34bにより独立して検出可能である。そのため、3群レンズL3の位置を求める際に特別な演算等を行う必要がなく、3群レンズL3の位置検出及び3群レンズL3の駆動制御が容易となる。ひいては、制御回路を単純にして小型化することができ、レンズ鏡筒100の小型化及び低価格化が可能となる。
なお、3群レンズL3のX軸方向の移動量及びY軸方向の移動量をそれぞれ独立したセンサで検出可能な方法としては、本願と同一出願人の先願である国際公開第2008/155906号に記載の技術が挙げられる。しかし、当該技術の方法では回動軸と像ブレ補正用のレンズを結ぶ直線上に、少なくとも一方のセンサを配置する必要があるのに対し、上述の構成では、回動軸BXと3群レンズL3の中心LXを結ぶ直線上にセンサを配置する必要がない。つまり、本実施形態の構成では、センサの配置の制約がない分、X駆動コイル33aを大型化することができ、像ブレ補正装置全体の寸法が同じでも、アクチュエータの推力を高めることができる。逆に、アクチュエータの推力に余裕がある場合には、像ブレ補正装置全体の寸法を小型化することができ、レンズ鏡筒100を小型化することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、レンズ鏡筒100及び、レンズ鏡筒100を含むカメラの小型化が可能となる。
[3−5.撮像素子ユニット90]
以下、撮像素子ユニット90について、図29,30を参照して説明する。図29に、撮像素子ユニット90の分解斜視図を示す。図30に、レンズ鏡筒100の背面図を示す。
撮像素子ユニット90は、図29に示すように、撮像素子91と、フレキシブルプリント基板92と、フィルタ93と、遮光シート94と、板金95とを有する。
撮像素子91は、フレキシブルプリント基板92に実装されている。撮像素子91の被写体側には遮光シート94を介してフィルタ93が固定されている。フィルタ93は、撮像素子91に不要な波長の光線をカットする。
遮光シート94は、略方形の枠状に形成されており、中央に開口部を有する。遮光シート94の開口部からは、撮像素子91が露出している。遮光シート94は、撮像素子91の外周部への不要光の入射を防止する。また、撮像素子91がマスターフランジ80に取り付けられる際には、遮光シート94の外周部は、マスターフランジ80の開口部に押し付けられる。これにより、遮光シート94は、マスターフランジ80の開口部と撮像素子91との間の隙間を塞ぎ、埃や塵等の異物がレンズ鏡筒100内部に入り込むのを防止することができる。
板金95は、撮像素子91をマスターフランジ80に取り付けるための部材である。板金95は、撮像素子91及びフレキシブルプリント基板92の後側に接着されている。板金95は、マスターフランジ80に固定される固定部95aと、撮像素子91を保持し撮像素子91の傾きを調整する調整部95bと、固定部95aと調整部95bとを連結する橋部(連結部)95cとを有する。
撮像素子91及びフレキシブルプリント基板92は、板金95の調整部95bに取り付けられている。固定部95aとフレキシブルプリント基板92との間には、隙間が設けられている。
板金95は、図30に示すように、2本の固定ビス96と2本の調整ビス97との合計4本のビスでマスターフランジ80に固定されている。固定ビス96は、板金95の固定部95aとマスターフランジ80とが完全に密着するまで締め付けられている。調整ビス97には、チルト調整バネ98が挿入されている。チルト調整バネ98は、調整部95bとマスターフランジ80との間に位置する。調整ビス97を一旦締め付けた後に緩めることにより、調整部95bとマスターフランジ80との間には隙間が形成される。調整ビス97のねじ込み量を調整することにより、光軸に対する撮像素子91の傾きが調整される。例えば、解像性能が最も高くなるように、撮像素子91の傾きが調整される。
さらに、固定部95aと調整部95bとは、固定部95a及び調整部95bよりも変形しやすい橋部95cによって連結されている。撮像素子91の傾きを調整する際には、固定部95a及び調整部95bに比べて橋部95cが大きく変形する。これにより、固定部95aをマスターフランジ80に固定した状態において調整部95bを容易に変位させることができる。
また、橋部95cを撮像素子91の撮像面の中心の近くに配置している。例えば、橋部95cを、光軸方向を向いて見たときに撮像素子91と重なる位置に配置している。これにより、撮像素子91の傾きを調整する際の撮像素子91の光軸方向への変位を低減することができる。
詳しくは、傾き調整時には板金95は橋部95cを中心に変形するので、橋部95cから離れるほど、傾きを調整する際の撮像素子91の光軸方向への変位が大きくなる。例えば、本願発明と同一出願人の先願である国際公開第2010/007745号に開示された構成のように、取付用の板金を1箇所で固定し、2箇所に設けられたビスで傾き調整を行う構成の場合、板金のうち変形する部分は、固定部の近くに配置され、撮像素子91の撮像面の中心から離れてしまう。それに対し、橋部95cが撮像素子91の撮像面の中心に近い場合には、傾き調整時における撮像素子91の中心の光軸方向への変位を低減することができる。
また、フレキシブルプリント基板92は、2本の固定ビス96の間から引き出されている。このように固定ビス96の間からフレキシブルプリント基板92を引き出すことにより、フレキシブルプリント基板92に外力が作用したとしても、撮像素子91への影響を低減することができる。つまり、撮像素子91の傾き調整後に、フレキシブルプリント基板92に作用する外力に起因して撮像素子91の傾きが変化することを抑制することができる。
さらに、固定部95aには、調整部95bの方へ突出する複数の第1突起部95dが設けられている。調整部95bには、固定部95aの方へ突出する複数の第2突起部95eが設けられている。第1突起部95dと第2突起部95eは、固定部95aと調整部95bとの間の隙間において交互に配列されている。第1突起部95dは、隣り合う第2突起部95eの間に入り込んでいる。第2突起部95eは、隣り合う第1突起部95dの間に入り込んでいる。このように第1突起部95d及び第2突起部95eを設けることにより、板金95を複数まとめて搬送する際等に、複数の板金95が絡み付いて変形したり、取り出し難くなったりすることを防止することができる。
[4.効果]
以上のように、レンズ鏡筒100は、カム枠60と、前記カム枠60を光軸AX回りに回転駆動するズームモータユニット81と、5群カムフォロア52を有し、該5群カムフォロア52を介して前記カム枠60と係合し、該カム枠60が回転することによって光軸方向へ移動する5群ユニット50とを備え、前記カム枠60には、前記ズームモータユニット81が係合するインターナルギア66と前記5群カムフォロア52が係合する5群カム溝65とが設けられており、前記インターナルギア66は、前記光軸AX回りの周方向に並ぶ複数の歯66aを有しており、前記5群カム溝65は、隣り合う2つの前記歯66aの間に形成された歯溝66bと連続して形成されており、前記5群カムフォロア52は、前記歯溝66bよりも小さく、該歯溝66bを通過可能に構成されている。
この構成によれば、5群カムフォロア52をインターナルギア66を横切らせて、5群カム溝65の案内部65bへ進入させることができる。その結果、5群カム溝65の位置をインターナルギア66に対して周方向へずらす必要がないので、5群カム溝65の設計自由度を向上させることができると共に、レンズ鏡筒100の小型化を図ることができる。
また、前記インターナルギア66は、前記カム枠60の光軸方向における後端部に設けられており、前記5群カム溝65の少なくとも一部は、前記光軸方向において、前記インターナルギア66よりも後端部と反対側に形成されている。尚、5群カム溝65の一部が、光軸方向においてインターナルギア66よりも後端部側に形成されていてもよい。
この構成によれば、インターナルギア66がカム枠60の後端部に設けられた構成であっても、5群カムフォロア52を後端から5群カム溝65に進入させることができる。つまり、5群カムフォロア52の進入方向及び5群カム溝65の形状がインターナルギア66に制約を受けることを回避することができる。これにより、レンズ鏡筒100の設計自由度及び組立性を向上させることができる。
また、前記5群カムフォロア52は、先細のテーパ状に形成され、前記歯溝66bは、溝幅が歯底に向かって狭くなるように形成されており、前記5群カムフォロア52の傾斜角度と前記歯溝66bの傾斜角度とは、略同じである。
この構成によれば、5群カムフォロア52が歯溝66bよりも小さい構成であっても、5群カムフォロア52の縦断面積を大きくすることができ、5群カムフォロア52の破損を防止することができる。
また、前記5群カム溝65の溝幅は、前記歯溝66bの溝幅よりも狭い。
この構成によれば、5群カムフォロア52が歯溝66bよりも小さいのと同様に、5群カム溝65も歯溝66bよりも小さくなっている。これにより、5群カムフォロア52をインターナルギア66の歯溝66bよりも小さくした場合であっても、5群カムフォロア52と5群カム溝65とを適切に係合させることができ、5群カムフォロア52を5群カム溝65で案内する際のガタツキを低減することができる。
また、前記5群カムフォロア52の基端部の横断面積は、前記レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットに設けられたカムフォロアの中で最も小さい。
前記の構成によれば、5群カムフォロア52は小さいので、5群カムフォロア52に歯溝66bを通過させる構成を容易に実現することができる。また、5群カムフォロア52は小さいので、歯溝66bの幅が大きくなり過ぎることを防止することができる。
さらに、前記5群ユニット50は、前記レンズ鏡筒100に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットの中で最も軽い。
この構成によれば、5群ユニット50は軽いので、5群カムフォロア52を細くしても、5群カムフォロア52の破損の可能性が低い。その結果、5群カムフォロア52に歯溝66bを通過させる構成を容易に実現することができる。
また、レンズ鏡筒100は、前記カム枠60の内部に位置する4群ユニット40と、前記4群ユニット40を光軸方向に移動可能に支持し、前記カム枠60の内側に収容される中枠70と、前記中枠70に設けられ、前記4群ユニット40を駆動するフォーカスモータユニット49とをさらに備え、前記5群カム溝65の少なくとも一部は、前記光軸方向において、前記インターナルギア66よりも前記4群ユニット40側に形成されている。尚、5群カム溝65の一部が、光軸方向においてインターナルギア66よりも後端部側に形成されていてもよい。
この構成によれば、4群ユニット40を支持した状態の中枠70をカム枠60内に収容した状態においては、5群ユニット50は、4群ユニット40の側からカム枠60内に挿入することはできず、インターナルギア66の側からカム枠60内に挿入させなければならない。ここで、5群カムフォロア52はインターナルギア66の歯溝66bを通過可能であるため、5群ユニット50をインターナルギア66の側からカム枠60内に挿入させることができる。
また、レンズ鏡筒100は、3群カムフォロア32が外周面に形成された3群ユニット30と、3群カムフォロア32が挿通される第2直進溝72が径方向に貫通して形成され、ヘリコイド突起73が外周面に形成された中枠70と、ヘリコイド突起73が係合するヘリコイド溝64及び3群カムフォロア32が係合する3群カム溝63が内周面に形成され、中枠70に対して回転することで3群ユニット30を中枠70に対して光軸方向へ移動させるカム枠60とを備え、ヘリコイド溝64と3群カム溝63とは連結されている。
これにより、3群カムフォロア32をヘリコイド溝64を介して3群カム溝63に進入させることができる。その結果、カム溝の設計自由度を向上させることができ、レンズ鏡筒100の小型化にも有効である。また、ヘリコイド突起73及びヘリコイド溝64による連結は落下等により外力がレンズ鏡筒100に加わったときに、衝撃を受け止める面を広くことができる。そのため、レンズ鏡筒100の落下強度を向上させることができる。
また、ヘリコイド溝64の溝幅W4は、3群カム溝63の溝幅W3と同一又はそれより大きくなっている。
3群カムフォロア32は3群カム溝63と係合するので、ヘリコイド溝64が3群カム溝63よりも幅広であれば、3群カムフォロア32はヘリコイド溝64をスムーズに通過することができる。
また、ヘリコイド溝64における対向する2つの側壁のなす角A4は、3群カム溝63における対向する2つの側壁のなす角A3と同一又はそれより小さくなっている。
3群カムフォロア32は3群カム溝63と係合するので、ヘリコイド溝64の2つの側壁のなす角A4が3群カム溝63の2つの側壁のなす角A3よりも小さければ、3群カムフォロア32はヘリコイド溝64をスムーズに通過することができる。また、ヘリコイド溝64における対向する2つの側壁のなす角A4を小さくすることにより、ヘリコイド突起73をヘリコイド溝64から外れ難くすることができる。そのため、落下等による衝撃がレンズ鏡筒100に加わったときの強度を向上させることができる。
また、ヘリコイド溝64の径方向の深さD4は、3群カム溝63の径方向の深さD3と同一又はそれより深くなっている。
3群カムフォロア32は3群カム溝63と係合するので、ヘリコイド溝64の深さD4が3群カム溝63の深さD3よりも深ければ、3群カムフォロア32はヘリコイド溝64をスムーズに通過することができる。
また、レンズ鏡筒100は、2群カムフォロア22が外周面に形成された2群ユニット20をさらに備え、カム枠60の内周面には、2群カムフォロア22と係合する2群カム溝62がヘリコイド溝64と交差するように形成されている。
これにより、カム枠60の光軸方向の長さを有効に使用することができる。そのため、レンズ鏡筒100の光軸方向の寸法を小さくすることができる。
さらに、2群カム溝62の径方向の深さD2は、ヘリコイド溝64の径方向の深さD4よりも深くなっており、2群カムフォロア22は、少なくともヘリコイド溝64よりも深い位置で2群カム溝62と係合している。
これにより、2群カム溝62に係合する2群カムフォロア22が、2群カム溝62とヘリコイド溝64との交差する部分でヘリコイド溝64へ落ち込むことが抑制される。そのため、2群カムフォロア22が2群カム溝62により案内される際のガタツキを低減することができる。
また、2群カム溝62は、収納状態のときに2群カムフォロア22が存在する収納位置P21と、最大広角状態のときに2群カムフォロア22が存在する広角位置P22と、最大望遠状態のときに2群カムフォロア22が存在する望遠位置P23とを有し、光軸方向において、収納位置P21は、広角位置P22と望遠位置P23との間に位置する、又は、望遠位置P23と略同じ位置に位置する。
これにより、カム枠60の回転角度を大きくすることが可能である。そのため、ズームモータユニット81およびレンズ鏡筒100全体を小型化することが可能である。
また、像ブレ補正装置は、少なくとも1枚の像ブレ補正用の3群レンズL3と、3群レンズL3の回転中心となる回動軸BXと、3群レンズL3のレンズ中心LXと回動軸BXとを結ぶ第1直線D1の方向へ移動させるX駆動コイル33a及びX駆動マグネット36aと、3群レンズL3の第1直線D1の方向への移動を検出するセンサ34aと、センサ34aと対向配置された少なくとも2極着磁されたXセンサマグネット37aとを備える。センサ34aの検出中心CXと回動軸BXとを結ぶ第2直線D2とXセンサマグネット37aの磁極分極線Dm1と第1直線D1とは、三角形を構成し、かつ、磁極分極線Dm1と第2直線D2とがなす角度は、略直角である。
これにより、像ブレ補正の性能を低下させずに、アクチュエータおよび磁気検出素子の配置の自由度を向上させることができる。そのため、像ブレ補正装置は、レンズ鏡筒の小型化に有効である。
《実施の形態2》
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、5群ユニット250及びカム枠260の構成が、実施の形態1と異なる。具体的には、5群カムフォロア及び5群カム溝の構成が実施の形態1と実施の形態2とで異なる。
図31に、実施の形態2に係る5群ユニット250の斜視図および第1の5群カムフォロア252Aの拡大斜視図を示す。図32に、5群ユニット250の斜視図および第2の5群カムフォロア252Bの拡大斜視図を示す。図33に、5群ユニット250をカム枠260に挿入した状態の背面図及び部分拡大図を示す。
5群ユニット250は、図31、図32に示すように、1つの第1の5群カムフォロア252Aと、2つの第2の5群カムフォロア252Bとを有する。第1の5群カムフォロア252Aは、2つの突起部252aを周方向に並べて形成されている。第2の5群カムフォロア252Bは、1つの突起部で形成されている。第2の5群カムフォロア252Bの周方向寸法は、第1の5群カムフォロア252Aの2つの突起部の周方向寸法と略等しくなっている。5群ユニット250は、第1光学ユニットの一例である。
換言すると、第1の5群カムフォロア252Aは、第2の5群カムフォロア252Bの周方向中央部をインターナルギア66の歯66aに対応する形状で切り欠いて形成されている。あるいは、第2の5群カムフォロア252Bは、第1の5群カムフォロア252Aの2つの突起部252aを繋いだ形状をしている。
カム枠260には、図33に示すように、第1の5群カムフォロア252Aに対応する第1の5群カム溝265Aと、第2の5群カムフォロア252Bに対応する第2の5群カム溝265Bとが形成されている。第2の5群カム溝265Bは、第2の5群カムフォロア252Bに対応する1条の溝で形成されている。第1の5群カム溝265Aの導入部265aは、2つの突起部252aに対応する2条の溝で形成されている。2条の導入部265aは、インターナルギア66の隣り合う2つの歯溝66bと連続している。
5群ユニット250をカム枠260内に組み込むときには、第1の5群カムフォロア252Aの2つの突起部252aは、隣り合う2つの歯溝66bを通って、5群カム溝265Aの導入部265aへ進入する。2つの歯溝66bに連続する、各突起部252a及び各導入部は、歯溝66bよりも小さく形成されている。つまり、各突起部252a及び各導入部の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、インターナルギア66の歯溝66bを大きくすることなく、第1の5群カムフォロア252Aの強度を向上させることができる。その結果、レンズ鏡筒100の落下時等による外力に対するレンズ鏡筒100の強度を向上させることができる。また、歯溝66bを大きくしなくてもよいので、インターナルギア66が厚くなること、ひいては、カム枠60が厚くなることに起因してレンズ鏡筒100が大型化してしまうことを防止することができる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。上記実施の形態は、本開示に限定されず、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、適宜、省略、置き換え、変更、代替えなどを行うことができる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
本開示は、焦点距離を変倍可能なレンズ鏡筒に適用可能である。また、そのレンズ鏡筒を備えた撮像装置、カメラ、交換レンズ、カメラ機能付携帯端末などに、本開示は適用可能である。
100 レンズ鏡筒
10 1群ユニット
11 レンズ枠
20 2群ユニット
21 レンズ枠
22 2群カムフォロア
30 3群ユニット
31 3群枠
32 3群カムフォロア
33a X駆動コイル
33b Y駆動コイル
34a 第1センサ
34b 第2センサ
35 OISレンズ枠
36a X駆動マグネット
36b Y駆動マグネット
37a Xセンサマグネット
37b Yセンサマグネット
38a Xヨーク
38b Yヨーク
39 遮光キャップ
40 4群ユニット(第2光学ユニット)
41 レンズ枠
42 平板部
43 湾曲部
44 軸受部
45 ラック
46 開口部
47 切欠部
49 フォーカスモータユニット(第2駆動部)
50 5群ユニット(第1光学ユニット)
51 レンズ枠
52 5群カムフォロア(カムフォロア)
53 第1平板部
54 第2平板部
55 湾曲部
56 周壁部
57 第1開口部
58 第2開口部
60 カム枠
61 1群カム溝
62 2群カム溝
63 3群カム溝
64 ヘリコイド溝
65 5群カム溝(カム溝)
66 インターナルギア(ギア部)
66a 歯
66b 歯溝
70 中枠(支持枠)
71 第1直進溝
72 第2直進溝
73 ヘリコイド突起
73a 当接部
73b 補強部
74 フランジ部
75 直進突起
80 マスターフランジ
81 ズームモータユニット(第1駆動部)
82 駆動ギア
83 ズームモータ
84 ハウジング
90 撮像素子ユニット
91 撮像素子
92 フレキシブルプリント基板
93 フィルタ
94 遮光シート
95 板金
95a 固定部
95b 調整部
95c 橋部
95d 第1突起部
95e 第2突起部
96 固定ビス
97 調整ビス
98 チルト調整バネ
250 5群ユニット(第1光学ユニット)
252A 5群カムフォロア(カムフォロア)
252B 5群カムフォロア
252a 突起部
260 カム枠
265A 5群カム溝(カム溝)
265B 5群カム溝
265a 導入部

Claims (7)

  1. カム枠と、
    前記カム枠を光軸回りに回転駆動する第1駆動部と、
    カムフォロアを有し、該カムフォロアを介して前記カム枠と係合し、該カム枠が回転することによって光軸方向へ移動する第1光学ユニットとを備え、
    前記カム枠には、前記第1駆動部が係合するギア部と前記カムフォロアが係合するカム溝とが設けられており、
    前記ギア部は、前記光軸回りの周方向に並ぶ複数の歯を有しており、
    前記カム溝は、隣り合う2つの前記歯の間に形成された歯溝と連続して形成されており、
    前記カムフォロアは、前記歯溝よりも小さく、該歯溝を通過可能に構成されているレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ギア部は、前記カム枠の光軸方向における端部に設けられており、
    前記カム溝の少なくとも一部は、前記光軸方向において、前記ギア部よりも前記端部と反対側に形成されているレンズ鏡筒。
  3. 請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒において、
    前記カムフォロアは、先細のテーパ状に形成され、
    前記歯溝は、溝幅が歯底に向かって狭くなるように形成されており、
    前記カムフォロアの傾斜角度と前記歯溝の傾斜角度とは、略同じであるレンズ鏡筒。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載のレンズ鏡筒において、
    前記カム溝の溝幅は、前記歯溝の溝幅よりも狭いレンズ鏡筒。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載のレンズ鏡筒において、
    前記カムフォロアの基端部の横断面積は、前記レンズ鏡筒に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットに設けられたカムフォロアの中で最も小さいレンズ鏡筒。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つに記載のレンズ鏡筒において、
    前記第1光学ユニットは、前記レンズ鏡筒に含まれる、カム機構により駆動される光学ユニットの中で最も軽いレンズ鏡筒。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つに記載のレンズ鏡筒において、
    前記カム枠の内部に位置する第2光学ユニットと、
    前記第2光学ユニットを光軸方向に移動可能に支持し、前記カム枠の内側に収容される支持枠と、
    前記支持枠に設けられ、前記第2光学ユニットを駆動する第2駆動部とをさらに備え、
    前記カム溝の少なくとも一部は、前記光軸方向において、前記ギア部よりも前記第2光学ユニット側に形成されているレンズ鏡筒。
JP2014525701A 2012-07-17 2013-06-25 レンズ鏡筒 Active JP6020938B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012158506 2012-07-17
JP2012158507 2012-07-17
JP2012158506 2012-07-17
JP2012158507 2012-07-17
JP2012158505 2012-07-17
JP2012158505 2012-07-17
PCT/JP2013/003967 WO2014013678A1 (ja) 2012-07-17 2013-06-25 レンズ鏡筒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014013678A1 JPWO2014013678A1 (ja) 2016-06-30
JP6020938B2 true JP6020938B2 (ja) 2016-11-02

Family

ID=49948522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014525701A Active JP6020938B2 (ja) 2012-07-17 2013-06-25 レンズ鏡筒

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9513461B2 (ja)
JP (1) JP6020938B2 (ja)
WO (1) WO2014013678A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9659700B2 (en) * 2015-09-21 2017-05-23 Microsoft Technology Licensing, Llc Neutralizing external magnetic forces on an OIS module
JP6883467B2 (ja) * 2017-05-08 2021-06-09 日本電産サンキョー株式会社 振れ補正機能付き光学ユニット
JP6596740B2 (ja) * 2017-09-11 2019-10-30 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド レンズ装置、撮像システム、移動体
JP6547980B2 (ja) 2017-12-19 2019-07-24 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd レンズ装置、撮像装置、移動体
CN112823504B (zh) * 2018-12-17 2023-08-11 Oppo广东移动通信有限公司 摄像头安装模组、摄像头组合件及移动终端
US11428896B2 (en) * 2019-10-07 2022-08-30 Hand Held Products, Inc. Housing of an image capturing device

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000111781A (ja) 1998-10-05 2000-04-21 Fuji Photo Optical Co Ltd カメラのレンズ鏡胴
JP2000147355A (ja) 1998-11-11 2000-05-26 Nikon Corp 可変焦点距離レンズ鏡筒
JP2002055268A (ja) 2000-08-11 2002-02-20 Chinontec Kk レンズ鏡筒およびその組立方法
JP2002350703A (ja) 2001-05-22 2002-12-04 Olympus Optical Co Ltd 鏡 筒
JP3496665B2 (ja) * 2001-08-01 2004-02-16 ミノルタ株式会社 ズームレンズ鏡胴
JP2003295031A (ja) 2002-03-29 2003-10-15 Fuji Photo Optical Co Ltd レンズ装置
JP2004198499A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Canon Inc 光学機器
JP4181896B2 (ja) 2003-02-26 2008-11-19 キヤノン株式会社 レンズ鏡筒および撮像装置
CN101017309B (zh) 2006-02-08 2010-10-27 松下电器产业株式会社 图像抖动补正装置以及照相机
JP5188722B2 (ja) 2006-02-08 2013-04-24 パナソニック株式会社 像振れ補正装置およびカメラ
CN102338970A (zh) 2007-06-20 2012-02-01 松下电器产业株式会社 成像模糊校正装置以及摄影装置
JP2011154365A (ja) 2009-12-28 2011-08-11 Panasonic Corp レンズ駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20150124331A1 (en) 2015-05-07
US9513461B2 (en) 2016-12-06
JPWO2014013678A1 (ja) 2016-06-30
WO2014013678A1 (ja) 2014-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6020938B2 (ja) レンズ鏡筒
JP6814954B2 (ja) レンズ鏡筒
JP5342465B2 (ja) レンズ鏡筒
JP4635550B2 (ja) カメラ
JP5788203B2 (ja) レンズ鏡筒
JP5011793B2 (ja) レンズ鏡筒及び撮像装置
JP5172376B2 (ja) 光学装置の遮光構造
US9116283B2 (en) Lens barrel
JP7484982B2 (ja) レンズ鏡筒及び撮像装置
JP2006235020A (ja) レンズ鏡筒
WO2013114518A1 (ja) レンズ鏡筒
JP2015083999A (ja) レンズ鏡筒
JP2011209652A (ja) レンズ鏡筒
WO2013114902A1 (ja) レンズ鏡筒
JP2012150368A (ja) レンズ鏡胴、撮像装置および電子機器
JP6393896B2 (ja) レンズ鏡筒
KR102712628B1 (ko) 반사모듈 및 이를 포함하는 카메라 모듈
JP5854255B2 (ja) レンズ鏡胴、撮像装置および情報装置
JP2012194265A (ja) レンズ固定構造
JP2006215421A (ja) レンズ鏡筒
JP2010181684A (ja) レンズ鏡筒
JP5941346B2 (ja) レンズ鏡筒およびそれを用いた光学撮像装置
JP5587012B2 (ja) 光学要素の位置制御装置
JP6099119B2 (ja) レンズ鏡筒およびそれを用いた光学撮像装置
JP2013104944A (ja) 撮像ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6020938

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151