JP2012194265A - レンズ固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの増加を招くことなく、樹脂レンズを用いても光学性能の低減を防止することのできるレンズ固定構造を提供する。
【解決手段】レンズ保持枠41の保持孔72にレンズ(61)を固定するレンズ固定構造60である。レンズは、外周面63aから径方向へと突出する3つの突出部64を有し、保持孔72の内周壁部72aは、回転方向A5で見て中心軸線CAからの距離を漸減させる3つの係合面76を有し、各係合面76では、中心軸線CAから最も離れた箇所が、突出部64のレンズ光軸LAからの大きさ寸法よりも大きく設定され、各係合面76では、中心軸線CAに最も近接した箇所が、突出部64のレンズ光軸LAからの大きさ寸法よりも小さくかつ外周面63aのレンズ光軸LAからの大きさ寸法よりも大きく設定され、レンズは、各突出部64を対応する各係合面76に係合させることにより、レンズ保持枠に固定されている。
【選択図】図13

Description

本発明は、樹脂製レンズを固定するのに好適なレンズ固定構造に関する。
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)等の撮像装置では、ズーム機能の高変倍化に伴いレンズ枚数が増えていく傾向にある中、コスト低減の要望が高まっている。このため、コストの安い樹脂(アクリルやポリカードネートなどのプラスチック)で形成したレンズを搭載することが考えられている。このような樹脂製レンズは、近年、高屈折率の樹脂や光学特性の安定性が良い材料が開発されてきていることから、偏心感度の高いレンズとしても用いることが考えられている。
ところが、樹脂製レンズは、ガラスレンズと比較して剛性が低いことから、ガラスレンズをレンズ保持枠の保持孔に固定する方法として従来から採用されている圧入方式を、そのまま採用することが困難である。これは、樹脂製レンズでは、圧入により負荷がかかると、レンズの曲率が変化したり、面精度が変化したり、屈折率が変化したりすることによる。また、樹脂製レンズでは、その熱膨張率とレンズ保持枠の材料の熱膨張率との差異により、温度の変化に伴って負荷がかかり、変形してしまう虞もある。このため、樹脂製レンズを搭載する場合、それを保持するレンズ保持枠の保持孔の内径寸法に対して、樹脂製レンズの外径寸法を圧入とはならない寸法(負荷のかからない寸法)とし、レンズ保持枠に樹脂製レンズを挿入した状態で接着剤等を用いて固定することが考えられている。
しかしながら、例えば、樹脂製レンズを採用する撮像装置を大量生産すべく、レンズ保持枠も樹脂材料により形成した場合、樹脂製レンズとレンズ保持枠との双方に成型に起因するばらつきいわゆる公差が生じてしまう。ここで、樹脂製レンズとレンズ保持枠とでは、最も小さな内径寸法の保持孔(レンズ保持枠)に、最も大きな外径寸法の樹脂製レンズを組み付けた場合であっても、上述したように圧入状態となることを防止することができるように公差を設定する必要がある。ところが、このような設定とすると、最も大きな内径寸法の保持孔(レンズ保持枠)に、最も小さな外径寸法の樹脂製レンズを組み付けた場合、双方の間に大きな隙間が生じてしまうこととなり、樹脂製レンズの偏芯の原因となる。このため、樹脂製レンズでは、上述したように偏心感度の高い位置に配置することが困難となってしまう。そこで、複数の樹脂製レンズと複数のレンズ保持枠(その保持孔)とを、内径寸法と外径寸法との大きさ寸法に応じて分別し、双方の間に隙間が生じないように組み合わせて組み付けることが考えられるが、コストの増加を招いてしまう。
そこで、レンズ保持枠(その保持孔)とプラスティックレンズとの隙間に起因する偏心を解消するために、弾性変形可能なラジアル梁およびストラス梁を設けるレンズ保持装置が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
また、似たような技術として、ばねでレンズを付勢して片寄せすることにより、当該レンズのがたつきを防止しつつ当該レンズを保持するホルダが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記した従来のレンズ保持機構では、弾性部材でレンズを付勢することにより、当該レンズの位置を安定させる構成であることから、樹脂製レンズに負荷がかかることに起因する問題を解決することが困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、コストの増加を招くことなく、樹脂レンズを用いても光学性能の低減を防止することのできるレンズ固定構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載のレンズ鏡胴は、レンズ保持枠の保持孔にレンズを固定するレンズ固定構造であって、前記レンズは、外周面から、レンズ光軸を基準とする径方向へと突出する3つの突出部を有し、前記保持孔を規定する内周壁部は、前記保持孔の中心軸線を中心とする一方の回転方向で見て、前記中心軸線からの距離を漸減させる3つの係合面を有し、前記各突出部は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において、前記回転方向で見て、前記係合面の中間位置に当接可能に該各係合面に対応して設けられ、該各係合面では、前記中心軸線から最も離れた箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、前記各係合面では、前記中心軸線に最も近接した箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも小さくかつ前記外周面の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、前記レンズは、前記各突出部を対応する前記各係合面に係合させることにより、前記レンズ保持枠に固定されていることを特徴とするレンズ固定構造。
請求項2に記載のレンズ固定構造は、請求項1に記載のレンズ固定構造であって、前記内周壁部は、前記各係合面に対して前記回転方向とは反対の逆転方向側に、前記各係合面における前記中心軸線から最も離れた箇所に連続しつつ対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きい内径寸法を規定する内周壁面を有し、該内周壁面は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において前記各突出部に干渉することのない最小の内径寸法を規定することを特徴とする。
請求項3に記載のレンズ固定構造は、請求項1または請求項2に記載のレンズ固定構造であって、前記レンズは、前記保持孔に収容された状態において、前記レンズ保持枠に対して相対的に前記回転方向へと回転されることにより、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合されることを特徴とする。
請求項4に記載のレンズ固定構造は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ固定構造であって、さらに、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合された状態において、前記レンズと前記レンズ保持枠とを結合する少なくとも1つの接着層を備え、該接着層は、前記各係合面のいずれか1つに対して、前記回転方向で見て前記係合面の前記中心軸線に最も近接する箇所側に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載のレンズ固定構造は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズ固定構造であって、前記レンズは、光学面部と、該光学面部を取り巻きつつ前記外周面を規定するフランジ部と、を有し、前記レンズ保持枠は、前記フランジ部と前記中心軸線方向で係合可能な位置決め面を有し、前記レンズ保持枠には、前記フランジ部を前記位置決め面へと押圧すべく前記フランジ部を付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の撮像装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする。
請求項7に記載のデジタルカメラは、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする。
請求項8に記載の携帯型情報端末装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする。
請求項9に記載の画像入力装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする。
本発明に係るレンズ固定構造では、レンズの外周面から径方向に突出する各突出部を、レンズ保持枠の保持孔の内周壁部の一部を構成する各係合面に係合させることにより、保持孔でレンズを保持するものであることから、レンズの外周面とレンズ保持枠の保持孔の内周壁部との間に隙間を形成しつつ中心軸線とレンズ光軸とが一致した状態でレンズをレンズ保持枠(その保持孔)に固定することができる。このため、レンズに負荷をかけることなく当該レンズの偏芯を防止することができるので、ガラスレンズに比較して剛性の低い樹脂性レンズであっても、光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
また、レンズ保持枠の中心軸線を中心とする一方の回転方向で見て保持孔の内径寸法を漸減させる3つの係合面と、レンズに設けられた3つの突出部と、を回転方向で係合させることにより、レンズをレンズ保持枠(その保持孔)で保持することから、レンズ(その各突出部を含む外径寸法)およびレンズ保持枠の保持孔(その内径寸法)にばらつきが生じた場合であっても、そのばらつきを各突出部に対する各係合面での係合位置の変化により吸収することができるので、各係合面と各突出部とを確実に係合させることができ、中心軸線に直交する方向で見たレンズ保持枠(その保持孔)でのレンズの位置を設定することができる。このため、ばらつきに応じた組み合わせ作業を行うことなくレンズをレンズ保持枠に組み付けても、中心軸線に直交する方向で見たレンズ保持枠(その保持孔)でのレンズの位置を設定することができるので、公差に起因する隙間を設定する必要がある樹脂性レンズであっても、コストの増加を防止しつつ光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
さらに、レンズ固定構造では、レンズ保持枠の3つの係合面とレンズの3つの突出部との係合により、中心軸線に直交する方向で見てレンズ保持枠(その保持孔)に対してレンズを位置決めする構成であることから、従来のばねでレンズを付勢して片寄せする構成とは異なり、位置決めのためにレンズに負荷がかかることを防止することができる。このため、ガラスレンズに比較して剛性の低い樹脂性レンズであっても、光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
上記した構成に加えて、前記内周壁部は、前記各係合面に対して前記回転方向とは反対の逆転方向側に、前記各係合面における前記中心軸線から最も離れた箇所に連続しつつ対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きい内径寸法を規定する内周壁面を有し、該内周壁面は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において前記各突出部に干渉することのない最小の内径寸法を規定することとすると、レンズ(その各突出部を含む外径寸法)およびレンズ保持枠(その保持孔の内径寸法)の公差内でのばらつきに拘らず、レンズを確実にレンズ保持枠の保持孔に収容させることができ、中心軸線に直交する方向での位置決めすることができる。
また、レンズ(その外径寸法)およびレンズ保持枠(その保持孔の内径寸法)の公差内でのばらつきに拘らず、レンズを確実にレンズ保持枠の保持孔に収容させた状態におけるレンズ(その外周面)とレンズ保持枠(その保持孔の内周壁部)との間の隙間を必要最低限なものとすることができるので、たとえ不測の事態が生じることにより各係合面と各突出部とが適切に係合しなかった場合であっても、レンズの偏心量を最小に抑えることができる。
上記した構成に加えて、前記レンズは、前記保持孔に収容された状態において、前記レンズ保持枠に対して相対的に前記回転方向へと回転されることにより、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合されることとすると、簡易な作業で3つの突出部をそれぞれが対応する係合面に確実に当接させることができ、中心軸線とレンズ光軸とが一致した状態でレンズをレンズ保持枠(その保持孔)に固定することができる。
上記した構成に加えて、さらに、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合された状態において、前記レンズと前記レンズ保持枠とを結合する少なくとも1つの接着層を備え、該接着層は、前記各係合面のいずれか1つに対して、前記回転方向で見て前記係合面の前記中心軸線に最も近接する箇所側に設けられていることとすると、接着層を形成する接着剤が硬化時に収縮した場合(硬化収縮)であっても、その硬化収縮によるレンズ保持枠に対するレンズへの引張力を、突出部を係合面に押し当てる方向に作用させることができる。このため、より確実にレンズを中心軸線に直交する方向で位置決めした状態でレンズ保持枠の保持孔に固定することができる。
上記した構成に加えて、前記レンズは、光学面部と、該光学面部を取り巻きつつ前記外周面を規定するフランジ部と、を有し、前記レンズ保持枠は、前記フランジ部と前記中心軸線方向で係合可能な位置決め面を有し、前記レンズ保持枠には、前記フランジ部を前記位置決め面へと押圧すべく前記フランジ部を付勢する付勢手段が設けられていることとすると、付勢手段の付勢力を、レンズにおいて光学面部の中心軸線に直交する方向で見た外方位置に設けられたフランジ部に中心軸線方向で作用させることができることから、光学面部では、付勢手段の付勢力に起因して径方向での圧力がかかることを防止することができるため、光学性能に影響するような負荷がかかることを防止することができる。
本発明に係るレンズ固定構造の一実施例としてのレンズ固定構造60を搭載するレンズ鏡胴10が沈胴状態とされた様子を示す模式的な断面図である。 最大繰り出し位置におけるレンズ鏡胴10を模式的に示す断面図である。 第3レンズ群13および第4レンズ群14の撮影光軸OA上からの退避と撮影光軸OA上への配置とを可能とする構成を示す模式的な斜視図である。 第3レンズ群13および第4レンズ群14の撮影光軸OA上からの退避と撮影光軸OA上への配置とを可能とする構成を示す図3とは異なる模式的な斜視図である。 第4レンズ群14の撮影光軸OA上からの退避と撮影光軸OA上への配置とを可能とする構成を示す模式的な斜視図である。 第4レンズ群14の回動基部41aの周辺構成を拡大して模式的に示す斜視図である。 第3レンズ群13の回動基部31aの周辺構成を拡大して模式的に示す斜視図である。 レンズ固定構造60の構成を示す模式的な斜視図である。 樹脂性レンズ61の構成を示す物体側から見た模式的な斜視図である。 樹脂性レンズ61の構成を示す像面側から見た模式的な正面図である。 第4レンズ保持枠41のレンズ保持部71の構成を示す像面側から見た模式的な斜視図である。 レンズ保持部71の構成を示す像面側から見た模式的な正面図である。 レンズ保持部71に樹脂性レンズ61が固定された様子を、板ばね82を省略して示す像面側から見た模式的な正面図である。 図13のI−I線に沿って得られた断面図である。 図13に一点鎖線で示す円の箇所を拡大して示す説明図である。 本発明に係るレンズ固定構造60を搭載するレンズ鏡胴10が用いられたカメラ100の外観構成を模式的に示す物体側から見た斜視図であり、(a)は撮影レンズをカメラのボディ内に沈胴収納している状態、(b)は撮影レンズがカメラのボディから突出している状態を示している。 撮影者側である背面側から見たカメラ100の外観を示す模式的な斜視図である。 カメラ100の機能構成を示すブロック図である。
以下に、本発明に係るレンズ固定構造およびそれを有する撮像装置の実施例について図面を参照しつつ説明する。
先ず、本発明に係るレンズ固定構造の一実施例としてのレンズ固定構造60を搭載するレンズ鏡胴10の概略的な構成を、図1から図7を用いて説明する。なお、図1および図2では、理解容易のために固体撮像素子16や鏡胴ベース19等を除く光学部材を、撮影光軸OAから上方のみを記載して示している。
レンズ鏡胴10を含む光学装置は、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13、第4レンズ群14、シャッタ/絞りユニット15、固体撮像素子16、第1レンズ保持枠17、第2レンズ保持枠18、鏡胴ベース19、固定枠21、第1の回転筒22、第1のライナー23、第2の回転筒24、第2のライナー25、回転カム筒26、直進筒27、撮像素子駆動部28、レンズバリア29を具備している。なお、第1の回転筒22、第2の回転筒24および直進筒27は、可動レンズ鏡筒として機能する。
この光学装置(撮影レンズ系)は、撮影状態(図2参照)について説明すると、物体(被写体)側から、第1レンズ群11、第2レンズ群12、第3レンズ群13および第4レンズ群14が順次配列されるとともに、第2レンズ群12と第3レンズ群13との間に、シャッタ/絞りユニット15が挿入配置され、第4レンズ群14の像面側には、CCD(電荷結合素子)等を用いて構成される固体撮像素子16が配置される。これら第1レンズ群11から第4レンズ群14は、焦点距離可変のズームレンズを構成する。この明細書では、撮影レンズ系における光学的な軸線、すなわち撮影状態とされた光学素子群の中心軸位置となる回転対称軸を、撮影光軸OAとする。
その撮影レンズ系により被写体像が形成される固体撮像素子16は、図1から図3に示すように、固定枠21に設けられた鏡胴ベース19上において、撮像素子駆動部28により撮影光軸OAに直交する面に沿って移動可能に設けられている。この撮像素子駆動部28は、手ぶれ補正のために、生じた手ぶれを打ち消すように直交面に沿って固体撮像素子16を移動させる。
第1レンズ群11は、正のパワーを持ち、図1および図2に示すように、それらを一体的に保持する第1レンズ保持枠17を介して直進筒27に固定保持されている。その第1レンズ群11の物体側には、公知のレンズバリア29が設けられている。このレンズバリア29は、撮影状態では撮影レンズ系の光路を開放し(図2参照)、沈胴状態では当該光路を遮断するように(図1参照)構成されている。第2レンズ群12は、負のパワーを持ち、それらを一体的に保持する第2レンズ保持枠18を介して、回転カム筒26および第2のライナー25により支持されている。
第3レンズ群13は、正のパワーを持ち、第3レンズ保持枠31により一体的に保持されており、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避される(図3参照)とともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置される(図2参照)。この構成については、後に説明する。第4レンズ群14は、正のパワーを持ち、第4レンズ保持枠41により一体的に保持されており、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避される(図3参照)とともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置される(図2参照)。この構成については、後に説明する。この第4レンズ群14は、本実施例では、主にピント合わせ、つまり合焦を行うフォーカスレンズとして用いられる。シャッタ/絞りユニット15は、シャッタおよび開口絞りを含むものである。このシャッタ/絞りユニット15は、回転カム筒26および第2のライナー25により支持されている。
固定枠21は、内方に円筒形状の固定筒部21aを有する。この固定筒部21aの内方に、第1の回転筒22が嵌合され、その内方に第1のライナー23が嵌合されている。この第1の回転筒22と第1のライナー23とは、固定筒部21a(固定枠21)に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。
第1のライナー23の内方には、第2の回転筒24が嵌合され、その内方に第2のライナー25が嵌合されている。この第2のライナー25と第2の回転筒24とは、第1のライナー23に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。
第2のライナー25の内方には、回転カム筒26が嵌合されている。その回転カム筒26と第2のライナー25とは、第1のライナー23に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向に一体的に移動するとともに、撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされている。
その第2のライナー25と第2の回転筒24との間には、直進筒27の基端部側が挿入されている。この直進筒27は、第2のライナー25に対して、撮影光軸OA(撮影光路)方向の移動が可能とされている。
レンズ鏡胴10では、図示は略すが、第1の回転筒22が、そのギア部に螺合されたギアを介して、ズームモータの駆動力が適宜ギア伝達されて回動される。これにより、第1レンズ群11、第2レンズ群12およびシャッタ/絞りユニット15が、所定のごとくズーミング動作する。また、第3レンズ保持枠31により一体的に保持された第3レンズ群13は、撮影光軸OA(撮影光路)上に配置されるとともに、所定のごとくズーミング動作する。さらに、第4レンズ保持枠41(図3等参照)により一体的に保持された第4レンズ群14は、撮影光軸OA(撮影光路)上に配置されるとともに、所定のごとく合焦動作する。
次に、レンズ鏡胴10において、退避レンズ保持枠としての第3レンズ群13および第4レンズ群14が、沈胴収納状態で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避するとともに、撮影状態で撮影光軸OA(撮影光路)上に配置する構成を、図3から図7を用いて説明する。
レンズ鏡胴10では、図3に示すように、固定枠21(図1、図2参照)に設けられた鏡胴ベース19の縦辺部に第3レンズ保持枠31が設けられているとともに、鏡胴ベース19の上辺部に第4レンズ保持枠41が設けられている。この固定枠21の一隅の角部には、第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とが収容される退避位置としての収容空間21Qが形成されている。この収容空間21Qは、固定枠21の固定筒部21a(図1、図2参照)の外方位置に設けられており、その固定筒部21aに設けられた切り欠き部(図示せず)により固定筒部21aの内方位置との間での、第3レンズ保持枠31および第4レンズ保持枠41の移動が可能とされている。このため、第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、沈胴状態における可動レンズ鏡筒の最大外径(ここでは、第1の回転筒22の最大外径)よりも外側に退避可能である。そして、第3レンズ群13と第4レンズ群14とは、その収容空間21Qにおいて、撮影光軸OA方向に重なった状態で収容される。
この第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、撮影状態において、図2に示すように、シャッタ/絞りユニット15と固体撮像素子16との間に配設されている。本実施例では、第3レンズ保持枠31がシャッタ/絞りユニット15に最も近接して配設され、第4レンズ保持枠41が固体撮像素子16に最も近接して配設されている。第3レンズ保持枠31と第4レンズ保持枠41とは、それぞれに対応して設けられた進退駆動機構(30、40(図3等参照))により、可動レンズ鏡筒(回転筒22、24、直進筒27)の固定枠21への沈胴状態(図1参照)で撮影光軸OA(撮影光路)上から退避されて収容空間21Qに収納され(退避位置)、可動レンズ鏡筒の固定枠21からの進出状態(図2参照)で撮影光軸OA(撮影光路)上に進入され(撮影位置)、その撮影光軸OA方向(繰り出し方向)への移動が可能とされている。
先ず、第4レンズ保持枠41およびその進退駆動機構40の構成について説明する。第4レンズ保持枠41(第4レンズ群14)における進退駆動機構40は、図3から図6に示すように、第4レンズ群14を保持する第4レンズ保持枠41に対応して、第4群主ガイド軸42、第4群副ガイド軸43、第4群リードスクリュー44、第4群螺合部材(ナット)45、圧縮トーションスプリング46、第4群モータ47およびギア群48を有する。
第4レンズ保持枠41は、一端(後述するレンズ保持部71)に第4レンズ群14(後述する樹脂性レンズ61)を保持しかつ他端が回動可能にかつスライド移動可能に第4群主ガイド軸42に挿通されるものである。その第4レンズ保持枠41の他端には、図示は略すが、第4群主ガイド軸42との相対的な移動を可能としつつ当該第4群主ガイド軸42の挿通を許す貫通孔を有する回動基部41aが設けられている。その回動基部41aには、外周面にカム斜面形状を為すカム面を有するカム壁部41bが設けられている。この第4レンズ保持枠41は、回動基部41aにより、第4群主ガイド軸42の軸線回りに回転可能にかつその軸線方向に移動可能に、当該第4群主ガイド軸42に支承される。
この第4群主ガイド軸42は、固定筒部21a(図1、図2参照)の外方位置において、固定枠21に固定された鏡胴ベース19と押え板(図示せず)とに狭持されて、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行に設けられている。このため、第4レンズ保持枠41は、第4群主ガイド軸42回りに適宜回動されることにより、第4レンズ群14を固定枠21の固定筒部21aの外部に退避して収容空間21Qに収容した収納位置(沈胴収納状態)と、撮影光軸OA(撮影光路)上に第4レンズ群14を挿入した撮影位置(撮影状態(図2参照))と、の間で移動(回転移動)可能とされている。また、第4レンズ保持枠41は、撮影位置において第4群主ガイド軸42に沿って適宜移動されることにより、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した第4レンズ群14を当該撮影光軸OA上で移動(直進移動)可能とされている。
この第4レンズ保持枠41では、延在方向で見た中間位置にストッパ(図示せず)と遮光片41c(図5参照)とが突設されている。第4レンズ保持枠41は、ストッパ(図示せず)を第4群副ガイド軸43に当接させることにより、第4レンズ保持枠41に保持された第4レンズ群14を撮影光軸OA上(撮影位置)に位置させるように位置設定されている。その第4群副ガイド軸43は、棒状を呈し、撮影光軸OA方向に延在するように、すなわち第4群主ガイド軸42と実質的に平行に鏡胴ベース19に設けられている。この第4群副ガイド軸43およびストッパ(図示せず)は、圧縮トーションスプリング46との協働により、第4レンズ群14(第4レンズ保持枠41)を撮影光軸OA上(撮影位置)とする位置決めの機能を有する。
また、遮光片41cは、第4レンズ保持枠41が収納位置(退避位置)にあると、第4レンズ群14の位置検出装置としてのフォトインタラプタ49の検出部を遮光し、第4レンズ保持枠41が撮影位置にあると、そのフォトインタラプタ49の検出部から外れるものとされている。このフォトインタラプタ49は、検出部が遮光片41cにより遮光されるとL(低レベル)の基準信号を出力し、検出部が遮光されていないとH(高レベル)の基準信号を出力する。この第4レンズ保持枠41は、第4群リードスクリュー44からの駆動力を受けて回転移動および直進移動される。
第4群リードスクリュー44は、外周面にネジ溝が設けられた棒状を呈し、結像面側端部にギア44aが一体固定されている。この第4群リードスクリュー44は、図示は略すが、固定筒部21a(図1、図2参照)の外方位置において、押え板(図示せず)と固定枠21との間で、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行とされて回転可能に狭持されている。第4群リードスクリュー44は、第4群モータ47の出力軸に設けられたギア47a(図5参照)からの回転駆動力が、ギア群48を介してギア44aへと伝達されることにより、回転駆動される。この回転駆動力の第4レンズ保持枠41への伝達のために、第4群螺合部材45が設けられている。
第4群螺合部材(ナット)45は、第4群リードスクリュー44のネジ溝と螺合可能な螺合穴を有する挿通基部45aと、そこから延出された当接部45b(図6参照)と、を有する。その挿通基部45aは、第4群リードスクリュー44が螺合されるとともに、図示は略すが鏡胴ベース19に設けられた係合溝に嵌合されている。このため、第4群螺合部材45は、第4群リードスクリュー44の回転に伴って、当該第4群リードスクリュー44上を撮影光軸OA方向に移動することが可能とされている。その第4群螺合部材45の当接部45bは、第4レンズ保持枠41の回動基部41aに設けられたカム壁部41b(そのカム面)に係合される(図6参照)。その第4レンズ保持枠41の回動基部41aに、圧縮トーションスプリング46が設けられている。
圧縮トーションスプリング46は、第4レンズ保持枠41の回動基部41aと押え板(図示せず)との間で、第4群主ガイド軸42を取り巻きつつ回動基部41aにおけるカム壁部41bの内側に配設されている。この圧縮トーションスプリング46は、図示は略すが、一方が第4レンズ保持枠41に固定されており、他方が固定枠21に固定された押え板に固定されている。このため、圧縮トーションスプリング46は、第4レンズ保持枠41(回動基部41a)を、第4群主ガイド軸42上(撮影光軸OA方向)で物体側から像面側へと向かう方向(図6の矢印A1参照)に常時付勢(以下、直進付勢ともいう)しているとともに、第4群主ガイド軸42を中心とする回動方向で収納位置から撮影光軸OA上位置(撮影位置(撮影状態))へ向かう方向(図6の矢印A2参照)に常時付勢(以下、回動付勢ともいう)している。このことから、圧縮トーションスプリング46は、退避レンズ保持枠である第4レンズ保持枠41の回動筒体としての回動基部41aへの付勢力を付与する筒体付勢手段として機能する。
次に、このように構成された第4レンズ保持枠41が、上述した進退駆動機構40により、第4レンズ群14を固定枠21の固定筒部21a(図1、図2参照)から外部に退避した収納位置(沈胴収納状態(図3参照))と、撮影光軸OA上に第4レンズ群14を挿入した撮影位置(撮影状態(図2参照))との間で回動する際の作用について説明する。
第4レンズ保持枠41(その進退駆動機構40)では、回動基部41aが、そこを取り巻くカム壁部41b(そのカム面)とそこに係合された第4群螺合部材45の当接部45bとの摺動により、前後方向(撮影光軸OA方向)に直線運動される第4群螺合部材45の押圧力を受けて回動されるとともに、前後方向に直線運動される第4群螺合部材45の押圧力を受けて直進される。この直進の際、第4レンズ保持枠41は、圧縮トーションスプリング46の回動付勢と第4群副ガイド軸43の規制とにより、第4レンズ群14が撮影光軸OA(撮影光路)上に位置決めされた状態を維持しつつ像面側から物体側へと漸次移動する。このため、カム壁部41b(そのカム面)がカム溝として機能し、第4群螺合部材45の当接部45bがカムピンとして機能することとなる。これにより、カム壁部41b(そのカム面)と当接部45bとは、直線運動される第4群螺合部材45の移動を、第4レンズ保持枠41における、第4群主ガイド軸42回りの回動運動と、第4群主ガイド軸42に沿う直進運動と、に変換する変換機構を構成している。
次に、第3レンズ保持枠31およびその退避枠駆動機構としての進退駆動機構30の構成について説明する。第3レンズ保持枠31(第3レンズ群13)における進退駆動機構30は、図3、図4および図7に示すように、第3レンズ群13を保持する第3レンズ保持枠31に対応して、第3群主ガイド軸32、第3群副ガイド軸33、第3群リードスクリュー34、第3群螺合部材(ナット)35、圧縮トーションスプリング36、第3群モータ37およびギア群38を有する。
第3レンズ保持枠31は、一端に第3レンズ群13を保持しかつ他端が回動可能にかつスライド移動可能に第3群主ガイド軸32に挿通されるものである。その第3レンズ保持枠31の他端には、図示は略すが、第3群主ガイド軸32との相対的な移動を可能としつつ当該第3群主ガイド軸32の挿通を許す貫通孔を有する回動基部31aが設けられている。その回動基部31aには、外周面にカム斜面形状を為すカム面を有するカム壁部31bが設けられている。この第3レンズ保持枠31は、回動基部31aにより、第3群主ガイド軸32の軸線回りに回転可能にかつその軸線方向に移動可能に、当該第3群主ガイド軸32に支承される。
この第3群主ガイド軸32は、固定筒部21a(図1、図2参照)の外方位置において、固定枠21に固定された鏡胴ベース19と押え板(図示せず)とに狭持されて、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行に設けられている。このため、第3レンズ保持枠31は、第3群主ガイド軸32回りに適宜回動されることにより、第3レンズ群13を固定枠21の固定筒部21aの外部に退避して収容空間21Qに収容した収納位置(沈胴収納状態(図3参照))と、撮影光軸OA(撮影光路)上に第3レンズ群13を挿入した撮影位置(撮影状態(図2参照))と、の間で移動(回転移動)可能とされている。また、第3レンズ保持枠31は、撮影位置(撮影状態)において第3群主ガイド軸32に沿って適宜移動されることにより、撮影光軸OA(撮影光路)上に挿入した第3レンズ群13を当該撮影光軸OA上で移動(直進移動)可能とされている。
この第3レンズ保持枠31では、延在方向で見た中間位置にストッパ31cと遮光片31dとが突設されている。第3レンズ保持枠31は、ストッパ31cを第3群副ガイド軸33に当接させることにより、第3レンズ保持枠31に保持された第3レンズ群13を撮影光軸OA上(撮影位置)に位置させるように位置設定されている(図1参照)。その第3群副ガイド軸33は、棒状を呈し、撮影光軸OA方向に延在するように、すなわち第3群主ガイド軸32と実質的に平行に鏡胴ベース19に設けられている。この第3群副ガイド軸33およびストッパ31cは、圧縮トーションスプリング36との協働により、第3レンズ群13(第3レンズ保持枠31)を撮影光軸OA上(撮影位置)とする位置決めの機能を有する。
また、遮光片31dは、第3レンズ保持枠31が収納位置(退避位置)にあると、第3レンズ群13の位置検出装置としてのフォトインタラプタ39の検出部を遮光し、第3レンズ保持枠31が撮影位置にあると、そのフォトインタラプタ39の検出部から外れるものとされている。このフォトインタラプタ39は、検出部が遮光片31dにより遮光されるとL(低レベル)の基準信号を出力し、検出部が遮光されていないとH(高レベル)の基準信号を出力する。この第3レンズ保持枠31は、第3群リードスクリュー34からの駆動力を受けて回転移動および直進移動される。
第3群リードスクリュー34は、外周面にネジ溝が設けられた棒状を呈し、結像面側端部にギア34aが一体固定されている。この第3群リードスクリュー34は、図示は略すが、固定筒部21a(図1、図2参照)の外方位置において、押え板(図示せず)と固定枠21との間で、撮影光軸OA(撮影光路)と実質的に平行とされて回転可能に狭持されている。第3群リードスクリュー34は、第3群モータ37の出力軸に設けられたギア37a(図3参照)からの回転駆動力が、ギア群38を介してギア34aへと伝達されることにより、回転駆動される。この回転駆動力の第3レンズ保持枠31への伝達のために、第3群螺合部材35が設けられている。
第3群螺合部材(ナット)35は、第3群リードスクリュー34のネジ溝と螺合可能な螺合穴を有する挿通基部35aと、そこから延出された当接部35bと、を有する。その挿通基部35aは、第3群リードスクリュー34が螺合されるとともに、図示は略すが鏡胴ベース19に設けられた係合溝に嵌合されている。このため、第3群螺合部材35は、第3群リードスクリュー34の回転に伴って、当該第3群リードスクリュー34上を撮影光軸OA方向に移動することが可能とされている。その第3群螺合部材35の当接部35bは、第3レンズ保持枠31の回動基部31aに設けられたカム壁部31b(そのカム面)に係合される(図7参照)。その第3レンズ保持枠31の回動基部31aに、圧縮トーションスプリング36が設けられている。
圧縮トーションスプリング36は、第3レンズ保持枠31の回動基部31aと押え板(図示せず)との間で、第3群主ガイド軸32を取り巻きつつ回動基部31aにおけるカム壁部31bの内側に配設されている。この圧縮トーションスプリング36は、図示は略すが、一方が第3レンズ保持枠31に固定されており、他方が固定枠21(図1、図2参照)に固定された押え板に固定されている。このため、圧縮トーションスプリング36は、第3レンズ保持枠31(回動基部31a)を、第3群主ガイド軸32上(撮影光軸OA方向)で物体側から像面側へと向かう方向(図7の矢印A3参照)に常時付勢(以下、直進付勢ともいう)しているとともに、第3群主ガイド軸32を中心とする回動方向で収納位置から撮影光軸OA上位置(撮影位置(撮影状態))へ向かう方向(図7の矢印A4参照)に常時付勢(以下、回動付勢ともいう)している。このことから、圧縮トーションスプリング36は、退避レンズ保持枠である第3レンズ保持枠31の回動筒体としての回動基部31aへの付勢力を付与する筒体付勢手段として機能する。
次に、このように構成された第3レンズ保持枠31が、上述した進退駆動機構30により、第3レンズ群13を固定枠21の固定筒部21aから外部に退避した収納位置(沈胴収納状態(図3参照))と、撮影光軸OA上に第3レンズ群13を挿入した撮影位置(撮影状態(図2参照))との間で回動する際の作用について説明する。
第3レンズ保持枠31(その進退駆動機構30)では、回動基部31aが、そこを取り巻くカム壁部31b(そのカム面)とそこに係合された第3群螺合部材35の当接部35bとの摺動により、前後方向(撮影光軸OA方向)に直線運動される第3群螺合部材35の押圧力を受けて回動されるとともに、前後方向に直線運動される第3群螺合部材35の押圧力を受けて直進される。この直進の際、第3レンズ保持枠31は、圧縮トーションスプリング36の回動付勢と第3群副ガイド軸33の規制とにより、第3レンズ群13が撮影光軸OA(撮影光路)上に位置決めされた状態を維持しつつ像面側から物体側へと漸次移動する(図2参照)。このため、カム壁部31b(そのカム面)がカム溝として機能し、第3群螺合部材35の当接部35bがカムピンとして機能することとなる。これにより、カム壁部31b(そのカム面)と当接部35bとは、直線運動される第3群螺合部材35の移動を、第3レンズ保持枠31における、第3群主ガイド軸32回りの回動運動と、第3群主ガイド軸32に沿う直進運動と、に変換する変換機構を構成している。
次に、本願発明の特徴部分であるレンズ固定構造60について、図8から図15を用いて説明する。本実施例では、レンズ固定構造60は、第4レンズ群14を保持する第4レンズ保持枠41に用いられている。このレンズ固定構造60により固定される第4レンズ群14は、本実施例では、単一の樹脂性レンズ61(図9、図10等参照)により構成されている。レンズ固定構造60は、基本的には、樹脂性レンズ61が挿入された第4レンズ保持枠41の一端に設けられたレンズ保持部71に、接着層81を形成するとともに板ばね82を装着することにより、樹脂性レンズ61を固定するものである。このとき、樹脂性レンズ61に負荷がかかることを抑制しつつ、レンズ光軸LAに直交する方向で見たレンズ保持部71での樹脂性レンズ61の位置ずれを防止するために、レンズ固定構造60では、樹脂性レンズ61およびレンズ保持部71が、以下で述べる構成となっている。
樹脂性レンズ61は、樹脂材料から形成されており、本実施例では、金型成型により作成されている。この樹脂性レンズ61は、図9および図10に示すように、全体に円板形状を呈し、光学面部62とフランジ部63と3つの突出部64とを有する。光学面部62は、樹脂性レンズ61すなわち第4レンズ群14としての光学性能を発揮するための領域(有効エリア)を構成する。この明細書では、光学面部62における光学的な軸線、すなわち樹脂性レンズ61(第4レンズ群14)の中心軸位置となる回転対称軸を、レンズ光軸LAとする。また、以下の説明では、レンズ光軸LAから、そこに直交する平面に沿って外側へと向かう方向を樹脂性レンズ61の径方向という。
フランジ部63は、レンズ光軸LAを中心とする回転方向で光学面部62を取り巻くように設けられている。このフランジ部63は、一定の幅および厚さ寸法の帯状を呈し、その外周面63aがレンズ光軸LAから等距離の環状とされている。この外周面63aは、樹脂性レンズ61の外周面を規定している。このフランジ部63は、物体側(図9を正面視して上側)が枠側当接面63bとされ、像面側がばね側当接面63c(図10参照)とされている。この枠側当接面63bとばね側当接面63cとは、図14に示すように、それぞれレンズ光軸LAに直交して設けられており、互いに平行とされている。その枠側当接面63bは、本実施例では、光学面部62における物体側の光学面の周縁部よりも物体側へと突出して形成されている。また、ばね側当接面63cは、本実施例では、光学面部62における像面側の光学面の周縁部よりも像面側へと突出して形成されている。
樹脂性レンズ61では、図9および図10に示すように、レンズ光軸LAを中心とする回転方向で見て、互いに等しい間隔で3つの突出部64が設けられている。各突出部64は、フランジ部63の外周面63aすなわち樹脂性レンズ61の外周面から、樹脂性レンズ61の径方向に突出して形成されている。この3つの突出部64は、本実施例では、フランジ部63の外周面63a(樹脂性レンズ61の外周面)からの突出量、すなわちレンズ光軸LAから突出端位置までの大きさ寸法(符号Lr参照)が互いに等しいものとされている。各突出部64は、本実施例では、外周面63aよりも大きな曲率とされた円柱の一部で形成されており、レンズ光軸LAから見た突出端の位置(当該円柱の中心軸線の位置)がレンズ光軸LAを中心とする回転方向で互いに等しい間隔とされている。このため、樹脂性レンズ61では、レンズ光軸LA方向から見ると、フランジ部63の外周面63aで規定される円形の外周面から、そこよりも小さな円弧の一部(各突出部64)が径方向に突出している(図10参照)。この樹脂性レンズ61は、第4レンズ保持枠41のレンズ保持部71に挿入される。
そのレンズ保持部71は、第4レンズ保持枠41の一端に設けられており(図8参照)、図11および図12に示すように、樹脂性レンズ61のレンズ光軸LA方向での挿入(図8参照)を可能とする保持孔72が設けられて全体に環状を呈する。以下の説明では、保持孔72の軸線をレンズ保持部71(保持孔72)の中心軸線CAとする。また、中心軸線CAから、そこに直交する平面に沿って外側へと向かう方向をレンズ保持部71(保持孔72)の径方向という。このレンズ保持部71すなわち第4レンズ保持枠41は、樹脂材料から形成されており、本実施例では、金型成型により作成されている。保持孔72では、中心軸線CA方向で見た物体側(図11を正面視して上側)に、内周壁部72aから内方へと突出された環状の内方突出部73が設けられている。保持孔72は、内方突出部73が設けられることにより、レンズ保持部71において、像面側(図11を正面視して下側)から見て同心状の2つの円形状を呈する段付きの貫通孔を形成している。
この内方突出部73は、中心軸線CA方向で見た像面側が、中心軸線CAに直交するレンズ受面73aとされている。このレンズ受面73aは、樹脂性レンズ61のフランジ部63の枠側当接面63bに、中心軸線CA方向で当接可能とされている(図14参照)。レンズ受面73aは、レンズ保持部71(保持孔72)における中心軸線CA方向での樹脂性レンズ61の位置を設定する位置決め面として機能する。このレンズ受面73aは、後述するようにレンズ光軸LAと中心軸線CAとが一致されて樹脂性レンズ61が保持孔72(レンズ保持部71)に挿入された状態において、樹脂性レンズ61のフランジ部63の枠側当接面63b(図9参照)に当接した際、樹脂性レンズ61における光学面部62に対する枠側当接面63bの構成との関係により、樹脂性レンズ61の光学面部62の物体側の光学面に当接することのない大きさ寸法とされている(図14参照)。詳細には、レンズ受面73aは、樹脂性レンズ61のフランジ部63の枠側当接面63bに当接した際、樹脂性レンズ61における、枠側当接面63bと光学面部62の物体側の光学面の周縁部との段差により形成された空間に位置して、当該光学面部62の物体側の光学面とは接触することのない大きさ寸法とされている(図14参照)。
その保持孔72の内周壁部72aには、3つの大径内周壁面74と、3つの小径内周壁面75と、3つの係合面76と、3つの接着凹所77と、が設けられている。各大径内周壁面74は、中心軸線CAを中心とする第1半径R1に沿って形成された円形の湾曲面である。この第1半径R1は、基本的に、各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法よりも大きく設定されている。すなわち、第1半径R1は、樹脂性レンズ61におけるレンズ光軸LAから3つの突出部64の突出端位置までの大きさ寸法(Prとする(図10参照))よりも大きく設定されている。加えて、第1半径R1は、樹脂材料から金型成型により形成される樹脂性レンズ61の各突出部64において許容される範囲(±γとする)のうちの最も大きな各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法(Pr+γ)に対して、樹脂材料から金型成型により形成されるレンズ保持部71の各大径内周壁面74(第4レンズ保持枠41)における許容範囲(±αとする)のうちの最も小さな各大径内周壁面74の内径寸法(R1−α)を大きくするように設定されている[(R1−α)>(Pr+γ)]。また、第1半径R1は、レンズ保持部71における許容範囲のうちの最も小さな内径寸法の各大径内周壁面74であっても、樹脂性レンズ61における許容範囲のうちの最も大きな外径寸法の樹脂性レンズ61の各突出部64との干渉を防止することができる最小の値に設定されている。すなわち、干渉を防止する観点から必要最低限の遊びの間隔をλとすると、[(R1−α)=(Pr+γ+λ)]とされている。
各小径内周壁面75は、中心軸線CAを中心とする第2半径R2に沿って形成された円形の湾曲面である。この第2半径R2は、基本的に、各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法よりも小さく、かつ各突出部64を除く樹脂性レンズ61の外周面の外径寸法よりも大きく設定されている。すなわち、第2半径R2は、樹脂性レンズ61におけるレンズ光軸LAから3つの突出部64の突出端位置までの大きさ寸法よりも小さく、かつ樹脂性レンズ61のフランジ部63の外周面63aの外径寸法(Lrとする(図10参照))よりも大きく設定されている。加えて、第2半径R2は、レンズ保持部71の各小径内周壁面75における許容範囲(±βとする)のうちの最も大きな各小径内周壁面75の内径寸法(R2+β)よりも、樹脂性レンズ61の各突出部64において許容される範囲のうちの最も小さな各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法(Pr−γ)を大きくするように設定されている[(R2+β)<(Pr−γ)]。また、第2半径R2は、レンズ保持部71の各小径内周壁面75における許容範囲のうちの最も小さな各小径内周壁面75の内径寸法(R2−β)よりも、樹脂性レンズ61の外周面(外周面63a)の外径寸法における許容範囲(±δとする)のうちの最も大きな樹脂性レンズ61の外周面(外周面63a)の外径寸法(Lr+δ)を小さくするように設定されている[(R2−β)>(Lr+δ)]。
3つの係合面76は、大径内周壁面74と小径内周壁面75とを架け渡す平面であり、中心軸線CAと平行とされている。この各係合面76は、本実施例では、樹脂性レンズ61における3つの突出部64が互いに等しいものとされていることに対応して、互いに等しい大きさ寸法および角度設定とされている。各係合面76は、中心軸線CAを中心とする一方の回転方向(図12の矢印A5参照)で見て、大径内周壁面74の後ろ側であって小径内周壁面75の手前側に設けられている。このため、各係合面76は、回転方向A5で見て、保持孔72(その内周壁部72a)の内径寸法を、第1半径R1から第2半径R2まで漸減させている。各係合面76は、保持孔72(レンズ保持部71)に挿入された樹脂性レンズ61が回転方向A5へと相対的に回転された際、当該樹脂性レンズ61の各突出部64と係合することを可能とする観点から、各突出部64の形状および大きさ寸法に応じて、回転方向A5(その接線方向)に対する傾斜が設定されている。本実施例では、樹脂性レンズ61とレンズ保持部71とがともに設計値(公差の中心となる寸法)である場合、3つの係合面76は、それぞれが中間位置で、保持孔72(レンズ保持部71)に挿入された樹脂性レンズ61の突出部64を当接させるように、設定されている。この中間位置は、中心軸線CAに直交する面で見て各係合面76が延在する方向における中心位置であってもよく、レンズ保持部71の径方向で見た中心位置であってもよい。
3つの接着凹所77は、保持孔72(レンズ保持部71)に樹脂性レンズ61が挿入された状態において、樹脂性レンズ61の外周面(フランジ部63の外周面63a)と保持孔72の内周壁部72aとの間に接着剤の注入を容易とするものである。各接着凹所77は、回転方向A5で見て、後ろ側に位置する係合面76までの間隔よりも、手前側に位置する係合面76までの間隔の方が小さくなる位置に設けられている。この各接着凹所77は、本実施例では、回転方向A5で見て、小径内周壁面75の後ろ側であって大径内周壁面74の手前側に設けられており、小径内周壁面75の長さ寸法が大径内周壁面74の長さ寸法よりも小さいものとされている。各接着凹所77は、本実施例では、小径内周壁面75と大径内周壁面74とを架け渡しつつ、その大径内周壁面74(第1半径R1)よりも保持孔72(内周壁部72a)をレンズ保持部71の径方向外側へ向けて拡張するように切り欠かれた凹所とされている。このため、各接着凹所77は、回転方向A5で見て、手前側が小径内周壁面75に連続して保持孔72(その内周壁部72a)の内径寸法を第2半径R2とするとともに、後ろ側が大径内周壁面74に連続して保持孔72(その内周壁部72a)の内径寸法を第1半径R1としている。この各接着凹所77は、本実施例では、3つの係合面76および樹脂性レンズ61における3つの突出部64が互いに等しいものとされていることに対応して、互いに等しい大きさ寸法および位置設定とされている。各接着凹所77では、後述するように、保持孔72(レンズ保持部71)に樹脂性レンズ61が挿入された状態において、樹脂性レンズ61の外周面(フランジ部63の外周面63a)と保持孔72の内周壁部72aとの間に接着剤が注入されることにより、樹脂性レンズ61(その外周面)とレンズ保持部71(その保持孔72の内周壁部72a)とを結合する接着層81(図13、図14参照)が形成される。
板ばね82は、図8に示すように、保持孔72(レンズ保持部71)に挿入された樹脂性レンズ61を、当該保持孔72(レンズ保持部71)に固定するものである。この板ばね82は、押圧環部83と、そこから延出された3つの保持脚部84と、を有する。押圧環部83は、平板状でかつ環状とされており、樹脂性レンズ61のフランジ部63(そのばね側当接面63c(図10参照))を覆うことが可能とされている。この押圧環部83では、物体側が平坦な押圧面83a(図14参照)とされている。この押圧面83aは、図14に示すように、フランジ部63のばね側当接面63cに面当接が可能とされている。なお、本実施例では、押圧環部83は、レンズ保持部71の保持孔72に挿入された樹脂性レンズ61のフランジ部63のばね側当接面63cに、押圧面83aを面当接させた状態において、レンズ保持部71を中心軸線CA方向の像面側から見て、少なくとも各接着凹所77の一部を露出させることが可能な大きさ寸法とされている。
3つの保持脚部84は、図8に示すように、押圧環部83の外周縁部から外方へと延出された後に当該押圧環部83の延在方向に直交する方向へと折り曲げられ、さらにその先端部分が内側へと折り曲げられて形成されている。この各保持脚部84は、レンズ保持部71の保持孔72に樹脂性レンズ61が挿入された状態において、レンズ保持部71の像面側(図8を正面視して下側)から樹脂性レンズ61のフランジ部63(そのばね側当接面63c)に押圧環部83(その押圧面83a)が押し当てられると、レンズ保持部71の外周面に沿って中心軸線CA方向に延在しつつ先端部分が当該レンズ保持部71における物体側の面に係合させて、その先端部分と押圧環部83とでレンズ保持部71を挟持することができる大きさ寸法とされている。
次に、このレンズ固定構造60が用いられた第4レンズ保持枠41(レンズ保持部71)における樹脂性レンズ61の組み付け手順(方法)の一例について説明する。なお、以下の説明は、あくまで組み付け手順(方法)の一例であり、この手順(方法)に限定されるものではない。
第4レンズ保持枠41のレンズ保持部71では、樹脂性レンズ61のフランジ部63の枠側当接面63bを、保持孔72の内方突出部73のレンズ受面73aに対向させて、中心軸線CA方向の像面側から樹脂性レンズ61を保持孔72へと挿通する。このとき、樹脂性レンズ61の各突出部64を、保持孔72(その内周壁部72a)において大径内周壁面74により第1半径R1とされた箇所に位置させる。その樹脂性レンズ61の枠側当接面63bを保持孔72のレンズ受面73aに中心軸線CA方向で当接(係合)させる。
その後、樹脂性レンズ61のフランジ部63のばね側当接面63cに、押圧環部83の押圧面83aを面当接させつつ各保持脚部84の先端部分をレンズ保持部71における物体側の面に係合させて、板ばね82をレンズ保持部71に取り付ける。このため、板ばね82の各保持脚部84の先端部分と押圧環部83とで、樹脂性レンズ61を介在させてレンズ保持部71が挟持される(図8、図14参照)。この状態において、フランジ部63のばね側当接面63cが板ばね82の押圧環部83の押圧面83aで押圧されることにより、保持孔72で樹脂性レンズ61が物体側へと付勢されて、フランジ部63の枠側当接面63bがレンズ保持部71のレンズ受面73aに押圧されている。このため、樹脂性レンズ61は、レンズ保持部71の保持孔72において、中心軸線CA方向での位置が決められる。このことから、レンズ受面73aは、レンズ保持部71(その保持孔72)における中心軸線CA方向での樹脂性レンズ61の位置を設定する位置決め面として機能し、板ばね82は、樹脂性レンズ61の中心軸線CA(レンズ光軸LA)方向での位置決めのために当該樹脂性レンズ61のフランジ部63(そのばね側当接面63c)を付勢する付勢手段として機能する。
その後、板ばね82により中心軸線CA方向で位置決めされた樹脂性レンズ61を回転方向A5(図12参照)に回転させて、当該樹脂性レンズ61の各突出部64を、保持孔72の内周壁部72aの各係合面76に回転方向A5で係合(当接)させる(図13参照)。このように、各突出部64と各係合面76との回転方向A5で係合されることにより、中心軸線CAとレンズ光軸LAとが一致した状態で、レンズ保持部71の保持孔72に樹脂性レンズ61が収容されることとなる。このとき、樹脂性レンズ61が、板ばね82によりレンズ保持部71(その保持孔72)に保持されていることから、樹脂性レンズ61の回転作業を容易なものとすることができる。
その後、各接着凹所77と、樹脂性レンズ61の外周面(フランジ部63の外周面63a)と、の間を充填するように接着剤を注入して接着層81(図8、図13、図14参照)を形成する。このため、レンズ保持部71(その保持孔72)では、各接着層81により、樹脂性レンズ61(その外周面)と、各接着凹所77すなわちレンズ保持部71(その保持孔72の内周壁部72a)と、が結合されて固定される。
このレンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72の内周壁部72aに設けられた3つの係合面76が、レンズ保持部71の中心軸線CAを中心とする一方の回転方向A5で見て漸減させる構成とされていることから、レンズ保持部71の保持孔72において樹脂性レンズ61を回転方向A5に回転させて、その樹脂性レンズ61に設けられた3つの突出部64を3つの係合面76に係合させることにより、中心軸線CAとレンズ光軸LAとが一致した状態で樹脂性レンズ61をレンズ保持部71(その保持孔72)に固定することができる(図13参照)。このとき、レンズ保持部71では、保持孔72における最も小さな径寸法となる各小径内周壁面75の内径寸法(第2半径R2)が、樹脂性レンズ61のフランジ部63の外周面63aの外径寸法(Lr)のよりも大きなものとされていることから、3つの突出部64と3つの係合面76との係合箇所のみで樹脂性レンズ61を保持することができる。レンズ固定構造60では、この3点での保持状態において、板ばね82で樹脂性レンズ61を押圧しつつ、各接着層81により樹脂性レンズ61(その外周面)とレンズ保持部71(その各接着凹所77)とを接合することにより、中心軸線CAとレンズ光軸LAとが一致しかつ中心軸線CA方向での位置が決められた状態で、レンズ保持部71の保持孔72に樹脂性レンズ61を固定することができる。
次に、上述の実施例に示したレンズ鏡胴10を含む光学系装置を、撮影光学系として採用してカメラ(撮像装置)100を構成した例について図16から図18を用いて説明する。図16は、物体、すなわち被写体側である前面側から見たカメラ100の外観を示す斜視図であり、図17は、撮影者側である背面側から見たカメラ100の外観を示す斜視図であり、図18は、カメラ100の機能構成を示すブロック図である。
なお、ここでは、カメラ100について説明しているが、いわゆるPDA(personal data assistant)や携帯電話機等の携帯型情報端末装置にカメラ機能を組み込んだものが近年登場している。このような携帯型情報端末装置も外観は若干異にするもののカメラ100と実質的に全く同様の機能・構成を含んでいるものが多く、このような携帯型情報端末装置に本発明に係るレンズ固定構造60が用いられて構成されたレンズ鏡胴10を含む光学系装置を採用してもよい。また、同様に、本発明に係るレンズ固定構造60が用いられて構成されたレンズ鏡胴10を含む光学系装置を画像入力装置に採用してもよい。
図16および図17に示すように、カメラ100は、撮影レンズ101、シャッタボタン102、ズームレバー103、ファインダ104、ストロボ105、液晶モニタ106、操作ボタン107、電源スイッチ108、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等を備えている。さらに、図18に示すように、カメラ100は、受光素子201、信号処理装置202、画像処理装置203、中央演算装置(CPU)204、半導体メモリ205および通信カード206等も備えている。また、明確には図示されていないが、これら各部は、駆動電源としてのバッテリにより給電されて動作する。
カメラ100は、撮影レンズ101と、CCD(電荷結合素子)撮像素子等のエリアセンサとしての受光素子201と、を有しており、撮影光学系である撮影レンズ101により形成される撮影対象となる物体、つまり被写体の像を受光素子201により読み取るべく構成されている。この撮影レンズ101としては、本実施例において説明したような本発明に係るレンズ固定構造60が用いられて構成されたレンズ鏡胴10を含む光学系装置を用いる。具体的には、レンズ鏡胴10を構成する光学要素であるレンズ等を用いて光学系装置を構成する(例えば、レンズ固定構造60により樹脂性レンズ61が固定された第4レンズ保持枠41を用いて撮影レンズ101の一部を構成する)。レンズ鏡胴10は、各レンズ等を、少なくともレンズ群毎に移動操作し得るように保持する機構を有する。カメラ100に組み込まれる撮影レンズ101は、通常の場合、この光学系装置の形で組み込まれる。
受光素子201の出力は、中央演算装置204により制御される信号処理装置202によって処理され、デジタル画像情報に変換される。信号処理装置202によりデジタル化された画像情報は、中央演算装置204によって制御される画像処理装置203において所定の画像処理が施された後、不揮発性メモリ等の半導体メモリ205に記録される。この半導体メモリ205は、メモリカードスロット109に装填されたメモリカードでもよく、カメラ本体に内蔵された半導体メモリでもよい。液晶モニタ106には、撮影中の画像を表示することもできるし、半導体メモリ205に記録されている画像を表示することもできる。また、半導体メモリ205に記録した画像は、通信カードスロット110に装填した通信カード等206を介して外部へ送信することも可能である。
撮影レンズ101は、カメラ100の携帯時には図16(a)に示すように沈胴状態(図1参照)にあってカメラ100のボディ内に埋没している。ユーザーが電源スイッチ108を操作すると、電源が投入され、図16(b)に示すように鏡胴が繰り出され、カメラ100のボディから突出して撮影状態(図2参照)となる構成とする。このとき、第1レンズ群11から第4レンズ群14が焦点距離可変のズームレンズを構成する場合、撮影レンズ101のレンズ鏡胴10の内部では、ズームレンズを構成する各群の光学系が、例えば広角位置に配置されており、ズームレバー103を操作することによって、各群光学系の配置が変更されて、望遠端への変倍動作を行うことができる。なお、ファインダ104の光学系も撮影レンズ101の画角の変化に連動して変倍するようにすることが望ましい。
多くの場合、シャッタボタン102の半押し操作により、フォーカシングがなされる。シャッタボタン102をさらに押し込み全押し状態とすると撮影が行なわれ、その後に上述した通りの処理がなされる。
半導体メモリ205に記録した画像を液晶モニタ106に表示させたり、通信カード等206を介して外部へ送信させたりする際には、操作ボタン107を所定のごとく操作する。半導体メモリ205および通信カード等206は、メモリカードスロット109および通信カードスロット110等のような、それぞれ専用または汎用のスロットに装填して使用される。
本発明に係るレンズ固定構造60では、樹脂性レンズ61の外周面(フランジ部63の外周面63a)から当該樹脂性レンズ61の径方向に突出する各突出部64を、レンズ保持部71の保持孔72の内周壁部72aの一部を構成する各係合面76に係合させることにより、レンズ保持部71の保持孔72で樹脂性レンズ61を保持するものであることから、樹脂性レンズ61の外周面(外周面63a)とレンズ保持部71の保持孔72の内周壁部72aとの間に隙間を形成しつつ中心軸線CAとレンズ光軸LAとが一致した状態で樹脂性レンズ61をレンズ保持部71(その保持孔72)に固定することができる。このため、樹脂性レンズ61に負荷をかけることなく当該樹脂性レンズ61の偏芯を防止することができるので、ガラスレンズに比較して剛性の低い樹脂性レンズ61であっても、光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
また、レンズ保持部71の中心軸線CAを中心とする一方の回転方向A5で見て保持孔72の内径寸法を漸減させる3つの係合面76と、樹脂性レンズ61に設けられた3つの突出部64と、を回転方向A5で係合させることにより、樹脂性レンズ61をレンズ保持部71(その保持孔72)で保持することから、樹脂性レンズ61(各突出部64の突出端位置までの外径寸法)およびレンズ保持部71の保持孔72(その内径寸法)にばらつきが生じた場合であっても、そのばらつきを各突出部64に対する各係合面76での係合位置の変化により吸収することができるので、各係合面76と各突出部64とを確実に係合させることができ、中心軸線CAに直交する方向で見たレンズ保持部71(その保持孔72)での樹脂性レンズ61の位置を設定することができる。このため、ばらつきに応じた組み合わせ作業を行うことなく樹脂性レンズ61をレンズ保持部71に組み付けても、中心軸線CAに直交する方向で見たレンズ保持部71(その保持孔72)での樹脂性レンズ61の位置を設定することができるので、公差に起因する隙間を設定する必要がある樹脂性レンズ61であっても、コストの増加を防止しつつ光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
さらに、レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の3つの係合面76と樹脂性レンズ61の3つの突出部64との回転方向A5での係合により、中心軸線CAに直交する方向で見てレンズ保持部71(その保持孔72)に対して樹脂性レンズ61を位置決めする構成であることから、従来のばねでレンズを付勢して片寄せする構成とは異なり、位置決めのために樹脂性レンズ61に負荷がかかることを防止することができる。このため、ガラスレンズに比較して剛性の低い樹脂性レンズ61であっても、光学性能の低減を招くことなく用いることができる。
レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72において、樹脂性レンズ61を回転方向A5に回転させることにより、当該樹脂性レンズ61の各突出部64を、保持孔72の内周壁部72aの各係合面76に回転方向A5で係合(当接)させることができるので、簡易な作業で3つの突出部64をそれぞれが対応する係合面76に確実に当接させることができ、中心軸線CAとレンズ光軸LAとが一致した状態で樹脂性レンズ61をレンズ保持部71(その保持孔72)に固定することができる。
レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72の3つの大径内周壁面74が第1半径R1とされていることから、樹脂性レンズ61(その各突出部64を含む外径寸法)およびレンズ保持部71(その保持孔72の内径寸法)の公差内でのばらつきに拘らず、樹脂性レンズ61を確実にレンズ保持部71の保持孔72に収容させることができ、中心軸線CAに直交する方向での位置決めすることができる。これは、第1半径R1が、レンズ保持部71(第4レンズ保持枠41)において許容される範囲のうちの最も小さな各大径内周壁面74の内径寸法よりも、樹脂性レンズ61における許容範囲のうちの最も大きな各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法を、小さくするように設定されていることによる。
レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72の3つの小径内周壁面75が第2半径R2とされていることから、樹脂性レンズ61(その外径寸法)およびレンズ保持部71(その保持孔72の内径寸法)の公差内でのばらつきに拘らず、各小径内周壁面75が樹脂性レンズ61のフランジ部63の外周面63aに干渉することを確実に防止すること、すなわち樹脂性レンズ61の外周面(外周面63a)とレンズ保持部71の保持孔72の内周壁部72aとの間に確実に隙間を形成することができ、3つの突出部64と3つの係合面76との係合箇所のみでレンズ保持部71(その保持孔72)で樹脂性レンズ61を保持することができる。これは、第2半径R2が、レンズ保持部71(第4レンズ保持枠41)において許容される範囲のうちの最も小さな各小径内周壁面75の内径寸法よりも、樹脂性レンズ61における許容範囲のうちの最も大きな各突出部64を除く樹脂性レンズ61(その外周面63a)の外径寸法を、小さくするように設定されていることによる。このため、樹脂性レンズ61とレンズ保持部71とでは、双方の熱膨張率の差に起因して、双方の大きさ寸法の関係が当初の関係から相対的に樹脂性レンズ61が大きくなってしまった場合であっても、この相対的な膨張に起因する押圧力を各係合面76の傾斜方向の外側へと逃がすことができるので、樹脂性レンズ61に負荷がかかることを抑制することができる。
レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72の3つの係合面76が第1半径R1とされた大径内周壁面74と第2半径R2とされた小径内周壁面75とを架け渡す平面であることから、樹脂性レンズ61(その各突出部64の突出端位置)およびレンズ保持部71(その保持孔72の内径寸法)の公差内でのばらつきを、各突出部64に対する各係合面76での係合位置の変化により確実に吸収することができるので、各突出部64と各係合面76とを回転方向A5で確実に係合させることができる。これは、第1半径R1の各突出部64に対する設定とともに、第2半径R2が、レンズ保持部71(第4レンズ保持枠41)における公差のうちの最も大きな各小径内周壁面75の内径寸法よりも、樹脂性レンズ61における公差のうちの最も小さな各突出部64を含む樹脂性レンズ61の外径寸法が、大きくなるように設定されていることによる。
レンズ固定構造60では、レンズ保持部71の保持孔72の3つの大径内周壁面74が第1半径R1とされていることから、樹脂性レンズ61(その外径寸法)およびレンズ保持部71(その保持孔72の内径寸法)の公差内でのばらつきに拘らず、樹脂性レンズ61を確実にレンズ保持部71の保持孔72に収容させた状態における樹脂性レンズ61(その外周面)とレンズ保持部71(その保持孔72の内周壁部72a)との間の隙間を必要最低限なものとすることができる。これは、第1半径R1が、レンズ保持部71における許容範囲のうちの最も小さな内径寸法の各大径内周壁面74であっても、樹脂性レンズ61における許容範囲のうちの最も大きな外径寸法の樹脂性レンズ61の各突出部64との干渉を防止することができる最小の値に設定されていることによる。このため、たとえ不測の事態が生じることにより各係合面76と各突出部64とが適切に係合しなかった場合であっても、樹脂性レンズ61の偏心量を最小に抑えることができる。
レンズ固定構造60では、板ばね82による押圧により、そのフランジ部63の枠側当接面63bがレンズ保持部71のレンズ受面73aに押しあてられていることから、そのレンズ受面73aを基準としてレンズ保持部71の保持孔72での樹脂性レンズ61の中心軸線CA方向での位置を決めることができる。
レンズ固定構造60では、板ばね82が樹脂性レンズ61のフランジ部63のばね側当接面63cを付勢するとともに、レンズ保持部71のレンズ受面73aが樹脂性レンズ61のフランジ部63の枠側当接面63bを受ける構成であることから、中心軸線CA方向での位置決めのための板ばね82の付勢力を、樹脂性レンズ61において光学面部62の中心軸線CAに直交する方向で見た外方位置に設けられたフランジ部63に中心軸線CA方向で作用させることができる。このため、光学面部62では、中心軸線CA方向での位置決めのための板ばね82の付勢力に起因して、径方向での圧力がかかることを防止することができることから、変形により曲率が変化したり、面精度が変化したり、応力により屈折率が変化したりすることを防止することができ、樹脂性レンズ61の光学面部62に光学性能に影響するような負荷がかかることを防止することができる。
レンズ固定構造60では、各係合面76と各突出部64との係合により中心軸線CAとレンズ光軸LAとを一致させた状態で、接着層81により樹脂性レンズ61をレンズ保持部71(その保持孔72)に固定するものであることから、より確実に樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向での位置決めした状態でレンズ保持部71の保持孔72に固定することができる。
レンズ固定構造60では、板ばね82の押圧環部83が、その押圧面83aをレンズ保持部71の保持孔72に挿入された樹脂性レンズ61のフランジ部63のばね側当接面63cに面当接させた状態において、レンズ保持部71を中心軸線CA方向の像面側から見て、少なくとも各接着凹所77の一部を露出させることが可能な大きさ寸法とされていることから、各係合面76と各突出部64とを係合させかつ板ばね82により付勢された状態で各接着凹所77に接着剤を注入して接着層81を形成することができる。このため、より確実に樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向および中心軸線CA方向での位置決めした状態でレンズ保持部71の保持孔72に固定することができる。
レンズ固定構造60では、接着剤を注入される各接着凹所77が、回転方向A5で見て、後ろ側に位置する係合面76までの間隔よりも、手前側に位置する係合面76までの間隔の方が小さくなる位置に設けられていることから、各接着剤(各接着層81)が硬化時に収縮した場合(硬化収縮という)であっても、硬化収縮によるレンズ保持部71に対する樹脂性レンズ61への引張力を、各突出部64を各係合面76に押し当てる方向に作用させることができる。このため、より確実に樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向で位置決めした状態でレンズ保持部71の保持孔72に固定することができる。
レンズ固定構造60では、中心軸線CAからレンズ保持部71の径方向で見て、3対の突出部64と係合面76とが互いに等しい位置で係合する構成とされていることから、レンズ保持部71(その保持孔72)での樹脂性レンズ61の保持状態に偏りが生じることを抑制しつつレンズ保持部71(その保持孔72)に対する樹脂性レンズ61の回転方向での組み付けの自由度を高めることができる。
レンズ固定構造60では、樹脂性レンズ61に3つの突出部64を設けるとともに、レンズ保持部71の保持孔72の内周壁部72aに大径内周壁面74と小径内周壁面75と3つの係合面76とを設けることにより、樹脂性レンズ61とレンズ保持部71(その保持孔72)との間に隙間を形成しつつ樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向で位置決めした状態でレンズ保持部71の保持孔72に固定することを可能とするものであることから、簡易な構成とすることができ、コストの増加を抑制することができる。
レンズ固定構造60が用いられた第4レンズ保持枠41(レンズ保持部71)を有するレンズ鏡胴10およびそれを搭載したカメラ100(撮像装置)では、撮影光学系において偏心感度の高いレンズ(撮影光軸OAからの偏心の性能劣化に与える影響が大きいレンズ)となる第4レンズ群14として樹脂性レンズ61を用いた場合であっても、適切な光学性能を得ることができるので、性能を維持しつつコスト低減を図ることができる。
したがって、本発明に係るレンズ固定構造60では、コストの増加を招くことなく、樹脂レンズを用いても光学性能の低減を防止することができる。
なお、上記した実施例では、本発明に係るレンズ固定構造の一例としてのレンズ固定構造60について説明したが、レンズ保持枠の保持孔にレンズを固定するレンズ固定構造であって、前記レンズは、外周面から、レンズ光軸を基準とする径方向へと突出する3つの突出部を有し、前記保持孔を規定する内周壁部は、前記保持孔の中心軸線を中心とする一方の回転方向で見て、前記中心軸線からの距離を漸減させる3つの係合面を有し、前記各突出部は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において、前記回転方向で見て、前記係合面の中間位置に当接可能に該各係合面に対応して設けられ、該各係合面では、前記中心軸線から最も離れた箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、前記各係合面では、前記中心軸線に最も近接した箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも小さくかつ前記外周面の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、前記レンズは、前記各突出部を対応する前記各係合面に係合させることにより、前記レンズ保持枠に固定されているレンズ固定構造であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
また、上記した実施例では、第4レンズ群14を樹脂性レンズ61として第4レンズ保持枠41にレンズ固定構造60を用いていたが、他のレンズ群を樹脂性レンズとして当該他のレンズ群を保持するレンズ保持枠にレンズ固定構造60を用いてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例では、3対の突出部64と係合面76とが、中心軸線CAからレンズ保持部71の径方向で見て互いに等しい位置で係合する構成とされていたが、回転方向A5での回転角度に対するレンズ保持部71の径方向での係合位置の変化量(係合面76による保持孔72(その内周壁部72a)の内径寸法の漸減量)が等しいものであれば、径方向で見た係合位置は異なるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、3対の突出部64と係合面76とが設けられていたが、レンズ保持部71の中心軸線CAを中心とする一方の回転方向A5での係合により、樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向で位置決めするものであれば、3対以上設けられていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、3対の突出部64と係合面76とが、中心軸線CA(レンズ光軸LA)を中心とする回転方向で見て、互いに等しい位置に設けられていたが、レンズ保持部71の中心軸線CAを中心とする一方の回転方向A5での係合により、樹脂性レンズ61を中心軸線CAに直交する方向で位置決めするものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、付勢手段として板ばね82が用いられていたが、樹脂性レンズ61の中心軸線CA方向での位置決めのためにその樹脂性レンズ61のフランジ部63(そのばね側当接面63c)を付勢するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した実施例では、3つの接着層81(接着凹所77)が設けられていたが、3対の突出部64と係合面76との係合による中心軸線CAに直交する方向で位置決めされた状態を維持すべく、各係合面76のいずれか1つに対して、回転方向A5で見て係合面76の中心軸線CAに最も近接する箇所側に設けられていれば、1つであっても複数であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
以上、本発明のレンズ固定構造を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
14 (レンズとしての)第4レンズ群
41 (レンズ保持枠としての)第4レンズ保持枠
60 レンズ固定構造
61 (レンズとしての)樹脂性レンズ
62 光学面部
63 フランジ部
63a (レンズの外周面としての)外周面
64 突出部
71 (レンズ保持枠としての)レンズ保持部
72 保持孔
72a 内周壁部
73a (位置決め面としての)レンズ受面
74 (内周壁面としての)大径内周壁面
76 係合面
81 接着層
82 (付勢部材としての)板ばね
100 カメラ
A5 (一方の回転方向としての)回転方向
CA 中心軸線
LA レンズ光軸
特公昭63−15565号公報 特許4005224号公報

Claims (9)

  1. レンズ保持枠の保持孔にレンズを固定するレンズ固定構造であって、
    前記レンズは、外周面から、レンズ光軸を基準とする径方向へと突出する3つの突出部を有し、
    前記保持孔を規定する内周壁部は、前記保持孔の中心軸線を中心とする一方の回転方向で見て、前記中心軸線からの距離を漸減させる3つの係合面を有し、
    前記各突出部は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において、前記回転方向で見て、前記係合面の中間位置に当接可能に該各係合面に対応して設けられ、
    該各係合面では、前記中心軸線から最も離れた箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、
    前記各係合面では、前記中心軸線に最も近接した箇所が、対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも小さくかつ前記外周面の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きく設定され、
    前記レンズは、前記各突出部を対応する前記各係合面に係合させることにより、前記レンズ保持枠に固定されていることを特徴とするレンズ固定構造。
  2. 前記内周壁部は、前記各係合面に対して前記回転方向とは反対の逆転方向側に、前記各係合面における前記中心軸線から最も離れた箇所に連続しつつ対応する前記突出部の前記レンズにおける径方向へのレンズ光軸からの大きさ寸法よりも大きい内径寸法を規定する内周壁面を有し、
    該内周壁面は、前記レンズを前記保持孔に収容した状態において前記各突出部に干渉することのない最小の内径寸法を規定することを特徴とする請求項1に記載のレンズ固定構造。
  3. 前記レンズは、前記保持孔に収容された状態において、前記レンズ保持枠に対して相対的に前記回転方向へと回転されることにより、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ固定構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズ固定構造であって、
    さらに、前記各突出部が対応する前記各係合面に係合された状態において、前記レンズと前記レンズ保持枠とを結合する少なくとも1つの接着層を備え、
    該接着層は、前記各係合面のいずれか1つに対して、前記回転方向で見て前記係合面の前記中心軸線に最も近接する箇所側に設けられていることを特徴とするレンズ固定構造。
  5. 前記レンズは、光学面部と、該光学面部を取り巻きつつ前記外周面を規定するフランジ部と、を有し、
    前記レンズ保持枠は、前記フランジ部と前記中心軸線方向で係合可能な位置決め面を有し、
    前記レンズ保持枠には、前記フランジ部を前記位置決め面へと押圧すべく前記フランジ部を付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズ固定構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とするデジタルカメラ。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする携帯型情報端末装置。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレンズ固定構造を用いることを特徴とする画像入力装置。
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