JP6020414B2 - アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法、特に高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼を製造する際の一工程である、減圧下で脱炭を行うVOD法による精錬方法に関するものである。ここで、VOD法とは、溶鋼およびスラグを収容した取鍋を減圧容器に収容して、減圧下にて溶鋼中に酸素を供給(酸素吹精)して脱炭する工程を含む、二次精錬プロセスである。
ステンレス鋼の二次精錬プロセスにおいて、脱酸剤としてアルミニウムを投入することが一般的に行われており、その際、鋼中介在物の制御やスラグの改質、アルミニウム原単位の削減などを目的として、アルミニウムの投入方法を改善するための技術が種々提案されている。
とりわけ、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼のVOD法による精錬では、例えばクロム濃度が20質量%以上の溶鋼を100質量ppm以下といった極低炭素領域まで減圧下で脱炭後に、多量のアルミニウムを大気圧下で投入して溶鋼中のアルミニウム含有量を例えば5質量%以上に調節するとともに、溶鋼中の窒素の低減などを目的として、減圧雰囲気で還元処理を行う場合に、還元処理中に取鍋からスラグが溢れ出す突沸の発生頻度が高く、設備の保全や稼働率の観点から問題となっていた。
ここで、突沸とは、溶融スラグ中に気泡が大量に存在して見掛けの体積が著しく増大するフォーミング現象が原因となって、スラグの見掛けの体積が取鍋のフリーボードが許容できる体積を超えたり、更に底吹きガス撹拌による浴の揺動が加わったりして、溶融スラグが取鍋から零れ出る現象を総称するものであり、必ずしも突発的な現象を意味するとは限らない。気体が大量に発生する条件では、程度の差こそあれスラグの見掛けの体積は増大し、種々の要因によってある頻度でこれが限度を超えてスラグが取鍋から零れ出た場合に、突沸として認識される。
この突沸の抑制に関して、特許文献1には、ステンレス鋼を減圧下での酸素供給にて脱炭する際に、アルミニウムを溶鋼に投入して生成したスラグ中の酸化クロムをクロムに還元する、ステンレス溶鋼の還元処理において、スラグ中の酸化クロムと溶鋼中の炭素との反応による一酸化炭素ガスの急激な発生を抑制して、溶鋼やスラグの突沸による操業トラブルを防止する方法が開示されている。具体的には、雰囲気圧力、溶鋼温度、炭素濃度及びクロム濃度が特定の関係を満たす条件にて、還元精錬を行うことが規定されており、特に、アルミニウムの投入速度を100〜600kg/minかつ雰囲気圧力を0.1〜1.0atmとすることが記載されている。
特開平10−237536号公報
上述のとおり、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼のVOD法による精錬では、還元処理中に取鍋からスラグが溢れ出す頻度が高いことが問題となっていた。
すなわち、アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬では、100質量ppm以下の極低炭素濃度の溶鋼に大気圧下でアルミニウムを投入する場合に、上記した特許文献1に記載の方法に従って条件を規制したとしても、還元処理中にスラグが溢れ出す現象を制御することが依然として難しかった。なぜなら、特許文献1に記載の方法では、スラグの見掛け体積の増大を招く原因となる気体として一酸化炭素ガスのみしか考慮されていないため、他種の発生気体を原因とするスラグの溢出の抑制には有効でなかった。
そこで、本発明は、アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬において特にスラグの溢出を確実に防止する方法について提案することを目的とする。
発明者らは、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素ステンレス鋼のVOD法による還元精錬におけるスラグの溢出現象について調査するため、減圧容器の底部にスラグの溢出を検知する装置を設置してスラグの溢出に及ぼす諸条件の影響を調査した結果、特にスラグの溢出が、発生ガスの体積膨張が大きくなる高真空下ではなく、大気圧下でアルミニウムを投入後に減圧を開始してから間のない初期の比較的雰囲気圧力が高い段階において発生していたことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.少なくともクロムを含有する溶鋼に、減圧下にて酸素を供給して脱炭処理を行った後、前記脱炭処理後の溶鋼に金属アルミニウムを添加し、還元処理を行う、アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法であって、
前記脱炭処理後に雰囲気圧力を一旦60kPa以上に上昇して前記金属アルミニウムの添加を行い、次いで雰囲気圧力を7kPa以下まで減少する際に、雰囲気圧力7kPaまでの平均減圧速度を12kPa/min以下とすることを特徴とするアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
2.前記アルミニウム含有ステンレス鋼のアルミニウム含有量が3質量%以上であることを特徴とする前記1に記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
3.前記金属アルミニウムを添加した直後の雰囲気圧力から7kPaまで減圧する際に、不活性ガスの吹き込みによる溶鋼の撹拌を、下記(1)式で計算される撹拌動力密度が30W/t以上300W/t以下となる条件にて行うことを特徴とする前記1または2に記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。

ε=0.0285×Q×T×log10(1+9.8×ρ×h/P)/2 ・・・(1)
ここで、ε:撹拌動力密度(W/t)、
Q:単位溶鋼質量当たりの吹き込みガス速度(Nl/min・t)
T:溶鋼温度(K)
ρ:溶鋼密度(kg/m
h:鋼浴深さ(m)
P:雰囲気圧力(Pa)
4.前記金属アルミニウムを添加後、前記撹拌動力密度が30W/t以上150W/t以下、かつ該撹拌動力密度の時間積分値が20kJ/t以上となる、不活性ガスの吹き込みによる溶鋼の撹拌を行った後、雰囲気圧力を低下させて7kPa以下とすることを特徴とする前記1ないし3のいずれかに記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
5.前記少なくともクロムを含有する溶鋼を収容する減圧容器は、該容器の内張り耐火物のうち、少なくとも精錬中に生成するスラグ層と接触する部位の、内張り耐火物をアルミナ−クロミア質とすることを特徴とする前記1ないし4のいずれかに記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
本発明によれば、VOD法などの減圧下での酸素供給によって脱炭を行って、アルミニウム含有ステンレス鋼を精錬する際に、スラグの溢出トラブルが未然に防止されるため、精錬設備保全のための負荷が軽減され、設備稼働率が向上することにより、製鋼工場全体の生産が向上し、製造コスト(製品質量当りの固定費)の低減が可能となる。
VOD法に用いる減圧容器を示す断面図である。 VOD法に用いる設備を示す模式図である。
以下、図1に示すVOD法による設備を用いて、転炉で脱炭したクロム含有溶鋼を二次精錬して、アルミニウム含有量:約5質量%、クロム含有量:約20質量%、炭素含有量:0.005質量%以下および窒素含有量:0.005質量%以下の高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼を製造する場合を例に、本発明の実施形態について説明する。
まず、転炉あるいは電気炉で溶製した高炭素濃度の含クロム溶鉄を、マグネシア−カーボン煉瓦を内張り耐火物とする上底吹き機能を有する転炉や、マグネシア−クロミア質煉瓦を内張り耐火物とするAOD法による設備を用いて脱炭した。
次いで、図1に示すように、得られたクロムを含有する溶鋼1を、底吹き機能を有する、取鍋2に出鋼した後、この取鍋2内に流出したスラグ3の一部を除去してから、図1に示すVOD法に用いる設備において二次精錬を行った。なお、図1において、符号4はアルミニウムなどの脱酸剤、フェロクロムなどの合金鉄および生石灰などの副原料などの添加物の供給口、5は底吹きガス、6は底吹きガスの吹き込み口、7は減圧時の排気を司る排気管、8は酸素ガスの吹き込みランス、9は酸素ガスおよび10は減圧容器である。
ここで、取鍋2内に流入したスラグを完全に除去して溶鋼1が露出してしまうと大気から溶鋼1への窒素吸収量が増大するため、少量のスラグ3を取鍋2内に残留させるが、この際のスラグ3は主にクロミア濃度およびCaO濃度の高い、転炉などからの脱炭スラグであり、転炉内の付着スラグや耐火物などに起因する少量のMgO、SiO2およびMnOなどを含有する。また、取鍋2の内張り耐火物は、これらのスラグ中の不純物濃度の上昇を防止するため、アルミナ質の耐火物を主として用いるのが通例であるが、スラグに対する耐食性が求められる部位にはアルミナ−クロミア質のものを用いることが、耐火物寿命を向上して取鍋全体の耐火物コストを低減するうえで好ましい。
NおよびSiなどの溶鋼成分の制約があまりない鋼種では、転炉などの脱炭炉において脱炭後にフェロシリコンを投入してスラグを還元する処理を行った後に出鋼してもよく、また取鍋2の内張り耐火物に、高塩基性スラグに対する耐食性が高いマグネシア−クロミア質、マグネシア−カーボン質、マグネシア−ドロマイト質およびマグネシア−ドロマイト−カーボン質などの耐火物あるいはこれらの組み合せが使用されることもあり、これらの条件に応じてスラグ中のSiO2,CaOあるいはMgOの濃度は異なったものとなるが、ここでは特にVOD法での還元処理におけるスラグの溢出頻度の高い、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼を例として、以下に説明する。
VOD法では、スラグ組成調整用に生石灰を添加するとともに、減圧下で上吹きランス8から溶鋼1に酸素を供給して脱炭処理を行い、50質量ppm程度以下に炭素濃度を低下させた後、脱酸およびアルミニウム濃度の調節のため金属アルミニウムを添加する。高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼では、金属アルミニウムの添加量が70kg/t程度と膨大な量となって通常のVOD法に備えられた投入装置では対応が困難であるため、減圧下での処理を一旦中断して減圧容器10の上蓋10aを開放し、投入用の容器に収容された金属アルミニウムを溶鋼および脱炭処理後の取鍋スラグ上から投入する。この際、底吹きガスの流量は大気からの窒素の吸収を防止するため、溶鋼面がほとんど露出しない程度の流量に低下させる。
その後、取鍋1の底部に設けた底吹きガスの吹き込み口6から溶鋼1に不活性ガスを吹き込んで撹拌し、添加した金属アルミニウムの溶鋼への混合を促してから、減圧容器10内を徐々に減圧する。減圧容器内を7kPa以下まで低下しつつ、必要に応じて酸素を供給してアルミニウムの燃焼熱によって温度調節を行った後、必要に応じてアルミニウム濃度の調整を行い、溶鋼の脱窒を促進するためにさらに雰囲気圧力(減圧容器10内圧力)を1kPa以下、望ましくは0.5kPa以下まで減圧して還元処理を所定時間行い、VOD法精錬を終了する。その後、さらに大気圧下の処理で揮発し易い、微量成分の調整を行った後、得られた溶鋼を例えば連続鋳造に供する。
ここで、上記した減圧容器10内の雰囲気圧力の調節(圧力低下)は、例えば図2に示す設備を用いて行うことができる。すなわち、減圧容器10の排気管7に、除塵装置12およびガス冷却装置13を介して蒸気ブースター14、コンデンサー15および蒸気エゼクター16を接続する。そして、蒸気エゼクター16およびコンデンサー15を順次起動させて排気を行い、減圧容器10内を徐々に減圧して減圧容器内を7kPa以下の雰囲気圧力まで低下させる。さらに、溶鋼の脱窒を促進したい場合は、蒸気ブースター14を起動させて排気効率を高めて雰囲気圧力を1kPa以下に低下させる。図2において、残る符号11は水槽および17はミスト・セパレータである。
尚、溶鋼の脱窒を特に必要としない鋼種においても、ガス吹き込みによる撹拌力を増大してスラグの還元等を促進するため、還元処理は7kPa以下の雰囲気圧力で行うことが好ましい。
上記のVOD精錬において、減圧容器の底部にスラグの溢出を検知するために熱電対を周方向に数箇所設置して、スラグが溢出するタイミングを調査した。その結果、発生ガスの体積膨張が大きくなる高真空下ではなく、大気圧下で金属アルミニウムを投入後に減圧を開始してから比較的初期の、雰囲気圧力が60kPa未満7kPa超えの段階において、高い頻度で発生していたことを新たに見出した。
すなわち、スラグの溢出は、溶融スラグ中に微小な気泡が大量に滞留して見掛けの体積が著しく増大する、所謂フォーミング現象によって引き起こされるものであり、一般に減圧下では気体の膨張の影響によってそのリスクが増大すると考えられる。溶鋼の2次精錬において、一般的に注意すべき気体の発生源は、溶鋼から発生する一酸化炭素あるいは窒素であるが、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼の場合には、これらの気体が発生する駆動力は小さいためスラグの溢出の主要な原因とは考えられず、別の原因があるものと考えられる。
そこで、スラグ中の金属酸化物が金属アルミニウムによって還元されて生成した金属蒸気または金属酸化物蒸気がフォーミング現象の原因になっていると推定して、これを効果的に防止する方法について検討した。
これらの蒸気の発生条件には、原因となる金属酸化物や反応生成物であるアルミナのスラグ中での活量や、金属アルミニウムの活量、スラグ温度、雰囲気圧力など様々な要因が影響すると考えられる。問題となる蒸気種の平衡蒸気圧が雰囲気圧力を上回るとスラグの内部から気泡が生成する可能性が生じるとともに、雰囲気圧力が低下すると生成した気体の体積が増すため、雰囲気圧力の影響は特に重要であり、大気圧下で金属アルミニウムを投入して直ちに減圧する際に、60kPa以上の雰囲気圧力ではスラグの溢出が認められなかったことから、60kPa以上の雰囲気圧力、より望ましくは大気圧下で金属アルミニウムの投入を行うことが好適であるとの結論に到った。
ちなみに、図1に示した減圧容器において、例えば7kPa以下の雰囲気圧力を60kPa以上とするには、図2における、蒸気ブースター14及び蒸気エゼクター16の運転を順次停止すると共に排気経路の途中に設けられた図示しない遮断弁を閉止して大気の逆流を防止し、減圧容器10内に吹き込まれるアルゴンガスによって徐々にタンク内圧力を上昇し、タンク内圧力を10〜20kPaを上昇させると共に底吹きガス流量を湯面が露出しない程度に低下させてから、図示しないリーク弁を開放してタンク内に大気を導入し、更にタンク内圧力を短時間で上昇する。底吹きガスの導入によるタンク内雰囲気圧力の変化は緩慢なので、大気圧まで増圧する途中でリーク弁を閉止すれば、例えば60kPa以上といった中間的な雰囲気圧力に制御することも可能である。リーク弁の開放によってタンク内圧力を大気圧程度まで増圧すれば、減圧容器10の上蓋10aを開放して大気雰囲気で処理を行うことが可能となる。
アルミニウム投入時の雰囲気圧力を60kPa以上にすることで、アルミニウム投入時のスラグの溢出を抑制することが可能になるが、その後減圧する際にもスラグの溢出を防止することが必要である。例えば、スラグ量が25kg/t超えと大量になる場合、金属アルミニウムの投入量が2kg/t超えと大量に及ぶと、添加した金属アルミニウムの一部は溶鋼及びスラグとの比重の関係などからスラグ中に混入してしまうため、溶鋼中に希釈されたアルミニウムとスラグとが反応する場合よりも、はるかに問題となる蒸気成分が生成され易い条件となり、減圧時に気体が生成されてスラグの溢出の原因となることが懸念される。特に、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼の場合には、前述のように大気雰囲気下で大量の金属アルミニウムを投入することから、大気からの吸窒を防止するため、溶鋼面がほとんど露出しない程度の底吹きガス流量で撹拌しながら金属アルミニウムを投入するため、大量の金属アルミニウムがスラグ中に混入し、その後の減圧雰囲気下の処理においてスラグ中の金属アルミニウムとスラグとの反応によって、問題となる蒸気成分が大量に生成する。
そこで、金属アルミニウム投入後の減圧条件がスラグの溢出に及ぼす影響を調査した結果、金属アルミニウムを投入後に減圧を開始してから7kPaまで減圧する際に、図2に示した各蒸気エゼクター16及びコンデンサー15の起動タイミングを減圧容器内の雰囲気圧力を参照しながら調節して、平均減圧速度を12kPa/min以下とすることにより、スラグの溢出を確実に抑制できることを見出した。
すなわち、従来の減圧パターンでスラグの溢出頻度が高かった7kPa以上の雰囲気圧力において、減圧速度を低位に制御することにより、単位時間あたりの気体発生速度を低減してスラグのフォーミング高さを低下できるのではないかと考えて試験を行った結果、7kPaまで減圧する間の平均減圧速度を、12kPa/minの閾値以下に低下させることにより、効果的にスラグの溢出を抑制できることを実験的に見出したものである。
なお、金属アルミニウムを投入後に減圧を開始してから7kPaまで減圧する間の平均減圧速度は、より確実にスラグの溢出を防止するために、10kPa/min以下とすることがより好ましい。一方、減圧に掛かる時間が必要以上に長くなると、温度降下のために昇熱コストが増大したり、生産性の低下を招く問題があることから、4kPa/min以上とすることが好ましい。
ここで、例えば図2に示す各蒸気エゼクターを用いて減圧を行う際には、これら蒸気エゼクターを起動した直後には瞬間的に減圧速度が大きくなり、その後、次第に低下する傾向にあり、減圧を開始してから7kPaまで減圧する間の平均減圧速度を12kPa/min以下としても、瞬間的にはこの値を上回る場合もあるため、一度に複数の蒸気エゼクターを起動しないで順次起動するとともに、各蒸気エゼクターを起動する際にその瞬間までの平均減圧速度が12kPa/minを上回らないようにして減圧することが望ましい。
特に、瞬間的な減圧速度としては、微小時間Δt(min)前後での雰囲気圧力の比の自然対数値をΔtで除した、減圧速度定数(ln(P/Pt+Δt)/Δt)を0.9(1/min)以下として減圧することが望ましい。このように平均減圧速度を低減することにより、減圧中に発生する蒸気成分の単位時間当たりの発生速度が抑制されて、スラグ浴から抜けて行く気泡の量と上記蒸気成分とのバランスがはかられる結果、フォーミング発生時のスラグの溢出を確実に抑制することができる。
すなわち、従来一般的に行われていた平均減圧速度15kPa/minの条件では、比較的雰囲気圧力が低下した、蒸気成分が生成され易くスラグの溢出が起こり易い段階まで減圧するのに、十分な時間を確保できないために、スラグ中に混入した金属アルミニウムは、雰囲気圧力が低下した前記段階まで残留して、スラグの溢出を招いていたものと考えられる。これに対して、本発明に従って減圧速度を12kPa/min以下に低下すると、雰囲気圧力を低下させる際の撹拌時間を延長することにより、同じ雰囲気圧力で比較すると、スラグ中に混入した金属アルミニウムをメタル中に移行させて減少させることができ、気体の発生速度を相対的に減少させてスラグの溢出が抑制できる。
上記した減圧操作によって雰囲気圧力が7kPa未満に低下した段階以降は、前記の何れの減圧速度の条件においてもスラグの溢出は認められなかった。これはスラグ中に混入した金属アルミニウムや、蒸気の発生原因となるスラグ中の金属酸化物成分が減少したことによって、問題となる蒸気成分の発生速度が低下したためと考えられる。
また、金属アルミニウム投入後に減圧を開始してから7kPaまで減圧する間に、スラグ及び溶鋼の撹拌を適度に調整して、スラグの溢出を防止しつつ、スラグ中の金属アルミニウム量や、スラグ中の蒸気の発生原因となる金属酸化物量の低減を図ることが好ましい。そのためには、溶鋼の撹拌を、下記(1)式で計算される撹拌動力密度が30W/t以上300W/t以下となる条件にて行うことが好適である。

ε=0.0285×Q×T×log10(1+9.8×ρ×h/P)/2 ・・・(1)
ここで、ε:撹拌動力密度(W/t)、
Q:単位溶鋼質量当たりの吹き込みガス速度(Nl/min・t)
T:溶鋼温度(K)
ρ:溶鋼密度(kg/m
h:鋼浴深さ(m)
P:雰囲気圧力(Pa)
すなわち、減圧中の溶鋼の撹拌はその撹拌動力密度が30W/t以上であれば、スラグ及び溶鋼の撹拌および混合が促進され、スラグ中の金属アルミニウム量や、スラグ中の蒸気の発生原因となる金属酸化物量の低減を効果的に進行させることができる。一方、撹拌動力密度が300W/t以下であれば、過剰なフォーミングや浴振動が抑制されて、スラグの溢出がより確実に防止される。
さらに、金属アルミニウムを投入後、減圧を開始するまでにスラグ及び溶鋼の撹拌を適度に実施して、スラグ中の金属アルミニウム量の低減を図ることも好ましい。すなわち、上記のとおり撹拌動力密度を30W/t以上150W/t以下とし、かつ撹拌動力密度の時間積分値が20kJ/t以上となる、溶鋼の撹拌を行った後、雰囲気圧力を低下して10kPa以下とすることが好適である。
すなわち、撹拌動力密度が30W/t以上で撹拌動力密度の時間積分値が20kJ/t以上となる溶鋼の撹拌を行えば、スラグ及び溶鋼の撹拌および混合が促進されてスラグ中の金属アルミニウム量の低減が効果的に進行し、減圧中のスラグの溢出の抑制に効果が認められる。一方、撹拌動力密度が150W/t以下であれば、雰囲気から溶鋼への窒素吸収が軽微で問題のない範囲に留めることができる。
以上では、主に高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼をVOD法による精錬装置を用いて製造する場合について説明したが、ここで、高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼とは、アルミニウム濃度が1質量%以上10質量%以下、クロム濃度が10質量%以上40質量%以下、炭素及び窒素の濃度が0.001質量%以上0.015質量%以下の合金鋼を意味する。但し、本発明は、溶鋼及びスラグ上から金属アルミニウムを投入するアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬であれば、上記極低炭素および極低窒素のステンレス鋼に限らず適用が可能であり、金属アルミニウムの添加に伴うスラグフォーミングによる操業阻害を抑止できる。スラグ量が25kg/t超えと大量になる場合、金属アルミニウムの投入量が2kg/t超えと大量に及ぶ場合、大気雰囲気などで比較的低撹拌条件で金属アルミニウムの投入を行う場合など、スラグフォーミングによるリスクが高くなる条件で、これを抑制するのに有効であり、特に溶鋼のアルミニウム含有量が3質量%以上の鋼種に対して適用すると特に有効である。また、精錬装置もVOD法に限らず、例えば特許文献1に記載された、浸漬管を利用した減圧二次精錬装置においても、金属アルミニウム投入に伴うスラグフォーミングによる問題を解決することができる。
高炉から出銑した溶銑を、予備処理して脱燐した後、マグネシア−カーボン質煉瓦を内張り耐火物とする上底吹き転炉に装入し、これにフェロクロムを添加してクロム濃度を調整した後、転炉で粗炭して得られた、約140tの高クロム含有溶鋼を、図1および2に示したVOD法精錬装置を用いて2次精錬し、アルミニウム含有量が3〜6質量%、炭素含有量が0.005質量%以下および窒素含有量が0.005質量%以下の高アルミニウム、極低炭素および極低窒素のステンレス鋼を溶製した。
転炉から出鋼した高クロム含有溶鋼1を、スラグラインをアルミナ−クロミア質煉瓦で、その他の部位をアルミニウムナ質煉瓦で内張りした取鍋2に受鋼し、湯面が露出しない程度に余分なスラグを除去した後、減圧容器10に収容した。取鍋2の底部のガス吹き込み口6から溶鋼1にArガスを吹き込んで撹拌し、蒸気エゼクター16を起動させて容器内を減圧しつつ、上吹きランス8から溶鋼1に酸素ガス9を吹き付けて脱炭精錬を開始した。
次に、コンデンサー15及び蒸気ブースター14も順次起動させて容器内の雰囲気圧力を低下させ、スラグ組成調整用の生石灰を添加しつつ所定の炭素濃度まで脱炭した後、送酸を停止し、さらに減圧下での処理を継続して炭素濃度0.005質量%以下まで脱炭した。
その後、排気を停止して容器内を大気圧まで増圧した後、減圧容器10の上蓋10aを開放して、脱炭精錬後の溶鋼1及びスラグ3の上方から、投入用の専用容器に収容された所定量の金属アルミニウムを投入して所定の条件で撹拌した。減圧容器の上蓋を密閉して減圧処理を再開し、必要に応じて送酸してアルミニウムを燃焼させ、溶鋼温度の調節を行った。この際、各段の蒸気エゼクター16及びコンデンサー15の起動タイミングを減圧容器内の雰囲気圧力を参照しながら調節して、大気圧から所定の圧力まで減圧する間の平均減圧速度を所定の値に調節するとともに、底吹きArガスによる撹拌も所定の条件に調節した。その後、蒸気ブースター14を順次起動させ、容器内圧力を所定の雰囲気圧力まで低下させて所定時間還元処理を継続し、0.005質量%以下まで脱窒素を行うと共に、その他の成分調整を行って減圧下での処理を終了した。さらに大気圧下の処理で揮発し易い微量成分の調整を行った後、得られた溶鋼を連続鋳造に供した。また、減圧容器の底部に熱電対を周方向に数箇所設置して、スラグの溢出状況を調査した。
減圧および撹拌等の上記所定とした諸条件と、スラグの溢出の発生状況をまとめて表1に示す。表中の金属アルミニウム投入後の計算スラグ量は、VOD法処理前のスラグ量と、この時点までに投入した副原料の量、及び金属アルミニウム投入量と溶鋼中のアルミニウム含有量の差分から計算されるアルミナ生成量との合計量である。また撹拌動力密度は、撹拌用のArガス吹き込み速度などから前記(1)式を用いて計算したものである。
Figure 0006020414
比較例1は、従来行っていた処理条件に従う例であり、大気下で金属アルミニウムを投入後に、減圧容器の上蓋を密閉するなどの準備を行った後再び減圧を開始するまでの5分間に、湯面が露出しない程度に底吹きArガスによる撹拌を行い、その後容器内圧力が大気圧から7kPaに低下するまでを、平均減圧速度15kPa/minで減圧した後、さらに0.45kPaまで減圧して還元処理を行った例である。比較例1では還元処理中にVOD法の取鍋からスラグが溢れ出す頻度が30%と高く、設備の保全や稼働率の観点から問題となっていた。
比較例2は、金属アルミニウム投入後の撹拌力と撹拌時間を増加させて、減圧前の金属アルミニウムの溶鋼中への溶解を促進した例であり、比較例3は、比較例1に対して、減圧再開後7kPaに低下するまでの平均減圧速度を13kPa/minまで低下させた例である。これらの例ではスラグの溢出頻度が低下する傾向は認められたものの大きな効果は得られなかった。
本発明例1は、減圧再開後7kPaに低下するまでの平均減圧速度を、比較例3よりも更に低下させて12kPa/minとした例であるが、スラグの溢出頻度が大幅に低下することが確認された。この発明例1に対して、金属アルミニウム投入後の撹拌力と撹拌時間および減圧再開後の撹拌力を増加させた発明例2では、更にスラグの溢出頻度が低下し、更に減圧再開後7kPaに低下するまでの平均減圧速度を10kPa/minまで低下させた発明例3では、スラグの溢出を完全に防止することができた。
発明例4は、発明例3よりも減圧再開後の撹拌動力密度を増加させた例であり、撹拌動力密度を7kPaまでの雰囲気圧力の低下にともなって300W/t超えまで増大させた。この場合にもスラグの溢出は概ね抑制できているものの、若干頻度が増加する傾向であり、7kPaまでの減圧中の撹拌動力密度は30〜300W/tの範囲とすることが望ましい。
発明例5は、発明例3よりも大気圧下での金属アルミニウム投入量を2kg/tだけ減少させ、大気圧から減圧を再開して雰囲気圧力が65kPaとなった時点で、金属アルミニウム2kg/tを追加して投入した例だが、スラグの溢出への悪影響は見られず、金属アルミニウム添加時の雰囲気圧力は60kPa以上であれば問題ないことが確認された。
また、発明例6は、アルミニウム及びクロムの目標成分濃度が異なる鋼種の例であるが、他の発明例よりも生成スラグ量が少ないことから、本発明例3よりも、減圧再開までの撹拌エネルギーを低下させ、減圧速度を増大させているが、スラグの溢出を完全に防止できている。
1 溶鋼
2 取鍋
3 スラグ
4 供給口
5 底吹きガス
6 吹き込み口
7 排気管
8 吹き込みランス
9 酸素ガス
10 減圧容器
11 水槽
12 除塵装置
13 ガス冷却装置
14 蒸気ブースター
15 コンデンサー
16 蒸気エゼクター
17 ミスト・セパレーター

Claims (5)

  1. 少なくともクロムを含有する溶鋼に、減圧下にて酸素を供給して脱炭処理を行った後、前記脱炭処理後の溶鋼に金属アルミニウムを添加し、還元処理を行う、アルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法であって、
    前記脱炭処理後に雰囲気圧力を一旦60kPa以上に上昇して前記金属アルミニウムの添加を行い、次いで雰囲気圧力を7kPa以下まで減少する際に、雰囲気圧力7kPaまでの平均減圧速度を12kPa/min以下とすることを特徴とするアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
  2. 前記アルミニウム含有ステンレス鋼のアルミニウム含有量が3質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
  3. 前記金属アルミニウムを添加した直後の雰囲気圧力から7kPaまで減圧する際に、溶鋼の撹拌を、下記(1)式で計算される撹拌動力密度が30W/t以上300W/t以下となる条件にて行うことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。

    ε=0.0285×Q×T×log10(1+9.8×ρ×h/P)/2 ・・・(1)
    ここで、ε:撹拌動力密度(W/t)、
    Q:単位溶鋼質量当たりの吹き込みガス速度(Nl/min・t)
    T:溶鋼温度(K)
    ρ:溶鋼密度(kg/m
    h:鋼浴深さ(m)
    P:雰囲気圧力(Pa)
  4. 前記金属アルミニウムを添加後、前記撹拌動力密度が30W/t以上150W/t以下、かつ該撹拌動力密度の時間積分値が20kJ/t以上となる、溶鋼の撹拌を行った後、雰囲気圧力を低下させて7kPa以下とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
  5. 前記少なくともクロムを含有する溶鋼を収容する減圧容器は、該容器の内張り耐火物のうち、少なくとも精錬中に生成するスラグ層と接触する部位の、内張り耐火物をアルミナ−クロミア質とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアルミニウム含有ステンレス鋼の精錬方法。
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