JP6018482B2 - Ｗ／ｏ／ｗ型エマルジョン組成物 - Google Patents

Description

本発明は、乳化安定性に優れたＷ／Ｏ／Ｗ型エマルション組成物に関する。

Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルション組成物は、水相中に油中水型エマルションを含む複合エマルション組成物である。このエマルション組成物は、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションの内水相中に様々な有用成分を内包させることにより酸化防止効果を高め、浸透性や徐放性などの効果をもつ機能性エマルション組成物として利用が可能であり、医薬、化粧品、に対して非常に有用である。Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションの乳化安定性は極めて低いため、乳化安定性を改善する方法として、ポリマー及び特定の乳化剤を用いて安定化する方法が報告されているが、より高い乳化安定性が求められているのが現状である。

特開平１１−３３３９１号公報 特開昭６０−１８３０３１号公報 特開昭６０−１９９８３３号公報 特開２００１−２５３６０号公報 特開２００５−１３２７９４号公報

本発明は乳化安定性に優れたＷ／Ｏ／Ｗ型エマルジョン組成物を提供する事を目的とする。

本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ポリエチレングリコールのポリヒドロキシ脂肪酸エステルにリン酸エステルを併用することで、そのＷ／Ｏ／Ｗ型エマルション組成物が長期間の乳化安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。

本発明により、長期間の乳化安定性を維持する事に優れたＷ／Ｏ／Ｗ型エマルジョン組成物が得られる。

以下、本発明について記述する。

本発明のＷ／Ｏ／Ｗ型エマルション組成物は、リン酸エステルとポリエチレングリコールのポリヒドロキシステアリン酸エステルを含有することを特徴とする。

本発明の組成物において、リン酸エステルがポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルリン酸、ジオレイルリン酸、ジセチルリン酸、ジステアリルリン酸、ジベヘニルリン酸であり、１種単独でまたは２種以上を併用して使用することができる。好ましいリン酸エステルは、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸とジセチルリン酸である。

本発明の組成物において、ポリエチレングリコールのポリヒドロキシ脂肪酸エステルは、ポリエチレングリコールの両端または一端に、ポリヒドロキシ脂肪酸がエステル結合した化合物である。ポリエチレングリコールのジポリヒドロキシ脂肪酸エステルはポリエチレングリコールの両端にポリヒドロキシ脂肪酸がエステル結合した化合物であり、ポリエチレングリコールのモノポリヒドロキシ脂肪酸エステルはポリエチレングリコールの一端のみにポリヒドロキシ脂肪酸がエステル結合した化合物である。好ましいのはポリエチレングリコールのジポリヒドロキシ脂肪酸エステルである。

ポリエチレングリコールのポリヒドロキシ脂肪酸エステルは、市販されているものがあり、例えばＰＥＧ−３０ ＤＩＰＯＬＹＨＹＤＲＯＸＹＳＴＥＡＲＡＴＥ（商品名：シスロールＤＰＨＳ、クローダジャパン株式会社製）を使用できる。

本発明のＷ／Ｏ／Ｗ型エマルションは、リン酸エステルと、ポリエチレングリコールのポリヒドロキシ脂肪酸エステルを含有する。リン酸エステルの含有割合は特に制限されないが、好ましくは０．０００１〜１０重量％、より好ましくは０．０１〜２．０重量％である。また、ポリエチレングリコールのポリヒドロキシ脂肪酸エステルの含有割合は特に制限されないが、好ましくは０．００００１〜１０重量％、より好ましくは０．１〜６重量％である。

本発明の組成物には、本発明の損なわない範囲で、前記の必須成分以外に、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合することが出来る。

本発明のＷ／Ｏ／Ｗ型エマルション組成物は、公知の方法で製造することができる。その用途は特に限定されず、酸化染毛剤、酸性染毛料、縮毛矯正剤、パーマ、スキャルプローション、ヘアミルク、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、乳液、ファンデーション、マッサージクリーム、ハンドクリーム、スキンローション、ボディーローション、ボディークリーム、フェイスクリーム、美容液などとして使用することができる。

以下にこの発明の効果を明確にするために、実施例、比較例及び評価例を示す。しかし本発明はこの実施例によって限定される物ではない。なお、実施例及び比較例に示す配合量は重量％である。

（実施例１〜８、参照例１〜４、比較例１〜４）
（１）Ｗ／Ｏ／Ｗ型酸化染毛剤の製造
表１及び表２に示した各成分を所定量秤量しプロペラ型攪拌機を用いて、２５０ｒｐｍで攪拌しながら水相に油相を添加して１分間攪拌する。その後ホモミキサーを用いて２，５００〜３，０００ｒｐｍで２分間攪拌した後、冷却してＷ／Ｏ／Ｗ型酸化染毛剤を製造。
（２）外観安定性試験
（１）で得られたサンプルについて以下の方法で外観安定性試験を行った。試験は各サンプルの製造直後（初期）及び４０℃３ヶ月放置後に行った。結果を表１及び表２に示す。
外観安定性試験
外観安定性試験は、目視による外観の観察（分離）及び顕微鏡観察（エマルション粒子の観察）を行い、以下の基準により評価した。
◎：分離することなく、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションの合一や崩壊が認められない
○：分離することはないが、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションの一部について合一又は崩壊が認められる
△：やや分離を認め、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションの一部について合一について又は崩壊が認められる
×：分離し、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルションのほとんどについて合一又は崩壊が認められる

Claims (2)

1. リン酸エステルとポリエチレングリコールのポリヒドロキシステアリン酸エステルを含有し、前記リン酸エステルがポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸及びジセチルリン酸である、Ｗ／Ｏ／Ｗ型エマルジョン組成物。
2. ポリエチレングリコールのポリヒドロキシステアリン酸エステルがポリエチレングリコールとジポリヒドロキシステアリン酸とのエステルである請求項１に記載の組成物。