JP6017967B2 - 変性ジエン系ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

変性ジエン系ポリマー及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変性ジエン系ポリマー及びその製造方法に関するものである。
ジエン系ポリマーは、例えばゴム組成物におけるゴム成分として用いられる。ゴム組成物、とりわけタイヤ用ゴム組成物においては、低燃費性に関連する転がり抵抗性能と、湿潤路面でのグリップ性能であるウェット性能を改良することが求められる。しかしながら、転がり抵抗性能とウェット性能は二律背反の関係にあるため、同時に改良することは容易ではない。例えば、スチレンブタジエンゴムのスチレン量を変量することでガラス転移点を操作し、これによりウェット性能を改良することができる。しかし、ガラス転移点の操作のみでは、転がり抵抗性能を悪化させることになる。
一方、従来、ジエン系ポリマーを変性することが知られており、ポリマー鎖へのグラフトや末端変性や官能基付加などによる極性の操作により、転がり抵抗性能やウェット性能を改良することが提案されている(例えば、下記特許文献1〜5参照)。しかしながら、転がり抵抗性能とウェット性能を同時に改良することは容易ではない。また、従来、溶液重合、乳化重合にかかわらず、簡易的に主鎖構造に官能基を導入しているものはない。
ところで、下記特許文献6には、接着剤、粘着剤等として有用な解重合天然ゴムについて開示されている。この文献では、有機溶剤に溶解した脱蛋白天然ゴムを、金属系触媒の存在下で空気酸化することにより解重合させて、数平均分子量が2000〜50000の液状の解重合天然ゴムを製造している。この文献には、主鎖が空気酸化によって分解させることで、一方の末端にカルボニル基を他方の末端にホルミル基を持つ分子鎖を生成した後、ホルミル基がアルドール縮合によって再結合する点が開示されている。しかしながら、この文献において解重合は有機溶剤の溶液中で行われており、分解したポリマーを含む系を酸性から塩基性、又は塩基性から酸性に変化させることにより再結合させる点は開示されていない。
特開2000−248014号公報 特開2005−232261号公報 特開2004−359716号公報 特開2005−041960号公報 特開2004−359773号公報 特開平08−081505号公報
本発明者は、先に特願2012−27374号及び特願2012−27376号においてジエン系ポリマーに対する新規な変性方法及び変性したジエン系ポリマーを含むゴム組成物を提案している。本発明は、かかる変性方法の更なる改良に関するものである。
すなわち、本発明は、ジエン系ポリマーの新規な変性方法及び新規な変性ジエン系ポリマーを提供することを目的とするものである。より詳細には、主鎖構造に簡易的に官能基を導入することができる変性ジエン系ポリマーの製造方法を提供すること、また主鎖構造に官能基が導入された新規なジエン系ポリマーを提供することを目的とする。
第1の実施形態は、炭素−炭素二重結合を主鎖に持つジエン系ポリマーを、該炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解して分子量の低下したポリマー断片を得る工程と、前記ポリマー断片を含む系を、酸性の場合は塩基性に、塩基性の場合は酸性になるように酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた中間体ポリマーを得る工程と、前記中間体ポリマーの主鎖の炭素−炭素二重結合部分をエポキシ化して変性ジエン系ポリマーを得る工程と、を含む変性ジエン系ポリマーの製造方法である。
第2の実施形態は、炭素−炭素二重結合を主鎖に持つとともに主鎖の二重結合部分の酸化により生成したエポキシ基を有するエポキシ化ジエン系ポリマーを、前記炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解して分子量の低下したポリマー断片を得る工程と、前記ポリマー断片を含む系を、酸性の場合は塩基性に、塩基性の場合は酸性になるように酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた変性ジエン系ポリマーを得る工程と、を含む変性ジエン系ポリマーの製造方法である。
第3の実施形態は、下記式(1)〜(4)で表される連結基の群から選択された少なくとも1種の連結基を分子内に有し、主鎖の二重結合部分の酸化により生成したエポキシ基を含むジエン系ポリマー鎖が前記連結基を介して連結された構造を持つ変性ジエン系ポリマーである。
Figure 0006017967
本実施形態によれば、主鎖の二重結合を酸化開裂させることによりポリマーを分解して分子量を一旦低下させた後、該ポリマーを含む系の酸塩基性を変化させて再結合させる。該再結合の際に結合点(連結基)に官能基が導入されるので、主鎖構造にカルボニル基などの官能基を簡易的に導入することができる。また、このような連結基への官能基の導入とともに、主鎖の二重結合部分をエポキシ化することで、ガラス転移点を簡易的に高温側にシフトさせることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る変性ジエン系ポリマーの製造方法は、炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることでジエン系ポリマーを分解した後、得られたポリマー断片を含む系の酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた中間体ポリマーを得て、その後、該中間体ポリマーの主鎖の炭素−炭素二重結合部分をエポキシ化して変性ジエン系ポリマーを得るものである。このように第1の実施形態では、ジエン系ポリマーの解離結合を行った後、該ポリマーの主鎖にエポキシ基を導入する。
本実施形態において、変性対象となるポリマーとしては、主鎖の繰り返しユニットに炭素−炭素二重結合を持つジエン系ポリマーが用いられる。ジエン系ポリマーとは、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、又は、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン化合物をモノマーの少なくとも一部として用いて得られるポリマーである。これらの共役ジエン化合物は、いずれか1種で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。ジエン系ポリマーには、共役ジエン化合物と共役ジエン化合物以外の他のモノマーとの共重合体も含まれる。他のモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、エチレン、プロピレン、イソブチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステルなどの各種ビニル化合物が挙げられる。これらのビニル化合物は、いずれか1種でも2種以上を併用してもよい。
ジエン系ポリマーとしては、分子内にイソプレンユニット及び/又はブタジエンユニットを有する各種ジエン系ゴムポリマーが好ましく用いられる。例えば、天然ゴム(NR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、又は、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、又はスチレンブタジエンゴムを用いることが好ましく、特に好ましくは天然ゴム又は合成イソプレンゴムを用いることである。
変性対象となるジエン系ポリマーとしては、数平均分子量が6万以上のものを用いることが好ましい。好ましい実施形態として、常温(23℃)で固形状のポリマーを対象とするためである。例えば、ゴムポリマーをそのまま材料として加工する上で、常温において力を加えない状態で塑性変形しないためには、数平均分子量が6万以上であることが好ましい。ここで、固形状とは、流動性のない状態である。ポリマーの数平均分子量は、6万〜100万であることが好ましく、より好ましくは8万〜80万であり、更に好ましくは10万〜60万である。
変性対象となるジエン系ポリマーとしては、溶媒に溶解したものを用いることができる。好ましくは、プロトン性溶媒である水中にミセル状になった水系エマルション、すなわちラテックスを用いることである。水系エマルションを用いることにより、ポリマーを分解させた後に、その状態のまま、反応場の酸塩基性を変化させることで再結合反応を生じさせることができる。水系エマルションの濃度(ポリマーの固形分濃度)は、特に限定されないが、5〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。固形分濃度が高くなりすぎるとエマルジョン安定性が低下してしまい、反応場のpH変動に対してミセルが壊れやすくなり、反応に適さない。逆に固形分濃度が小さすぎる場合は反応速度が遅くなり、実用性に劣る。
ジエン系ポリマーの炭素−炭素二重結合を酸化開裂させるためには、酸化剤を用いることができ、例えば、ジエン系ポリマーの水系エマルションに酸化剤を添加し攪拌することにより酸化開裂させることができる。酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム、酸化マンガンなどのマンガン化合物、クロム酸、三酸化クロムなどのクロム化合物、過酸化水素などの過酸化物、過ヨウ素酸などの過ハロゲン酸、又は、オゾン、酸素などの酸素類などが挙げられる。これらの中でも、過ヨウ素酸を用いることが好ましい。過ヨウ素酸であれば、反応系を制御しやすく、また、水溶性の塩が生成されるので、変性ポリマーを凝固乾燥させる際に、水中にとどまらせることができ、変性ポリマーへの残留が少ない。なお、酸化開裂に際しては、コバルト、銅、鉄などの金属の、塩化物や有機化合物との塩や錯体などの、金属系酸化触媒を併用してもよく、例えば、該金属系酸化触媒の存在下で空気酸化してもよい。
上記酸化開裂によりジエン系ポリマーが分解し、末端にカルボニル基(>C=O)やホルミル基(−CHO)を持つポリマー(即ち、ポリマー断片)が得られる。一実施形態として、該ポリマー断片は、下記式(5)で表される構造を末端に持つ。
Figure 0006017967
式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、クロロ基である。例えば、イソプレンユニットが開裂した場合、一方の開裂末端ではRがメチル基、他方の開裂末端ではRが水素原子となる。ブタジエンユニットが開裂した場合、開裂末端はともにRが水素原子となる。クロロプレンユニットが開裂した場合、一方の開裂末端ではRがクロロ基、他方の開裂末端ではRが水素原子となる。より詳細には、ポリマー断片は、その分子鎖の少なくとも一方の末端に上記式(5)で表される構造を持ち、すなわち、下記式(6)及び(7)に示すように、ジエン系ポリマー鎖の一方の末端又は両末端に、式(5)で表される基が直接結合したポリマーが生成される。
Figure 0006017967
式(6)及び(7)において、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン基であり、波線で表した部分がジエン系ポリマー鎖である。例えば、天然ゴムを分解した場合、波線で表した部分はイソプレンユニットの繰り返し構造からなるポリイソプレン鎖である。スチレンブタジエンゴムを分解した場合、波線で表した部分はスチレンユニットとブタジエンユニットを含むランダム共重合体鎖である。
上記酸化開裂によってジエン系ポリマーを分解することにより、分子量が低下する。分解後のポリマーの数平均分子量は特に限定されないが、3百〜50万であることが好ましく、より好ましくは5百〜10万であり、更に好ましくは1千〜5万である。なお、分解後の分子量の大きさにより、再結合後の官能基量を調節することができるが、分解時の分子量が小さすぎると、同一分子内での結合反応が生じやすくなる。
以上のようにしてジエン系ポリマーを分解させた後、分解したポリマーを含む反応系の酸塩基性を変化させることにより再結合させる。すなわち、分解後、その状態のまま、反応場の酸塩基性を変化させることにより、開裂とは逆反応である結合反応が優先的に進行するようになる。上記酸化開裂は可逆反応であり、逆反応である結合反応よりも開裂反応が優先的に進行するので、平衡に達するまで分子量は低下していく。その際、反応場の酸塩基性を逆転させると、今度は結合反応が優先的に進行するようになるので、一旦低下した分子量は上昇に転じ、平衡に達するまで分子量が増大する。そのため、所望の分子量を持つ変性ポリマー(中間体ポリマー)が得られる。なお、上記式(5)の構造は2種類の互変異性をとり、元の炭素−炭素二重結合構造に結合するものと、下記式(1)〜(4)で表される連結基を形成するものとに分かれる。本実施形態では、反応場のpHを制御することにより、アルドール縮合反応を優先させて、式(1)〜(4)のいずれか少なくとも1種の連結基を含むポリマーを生成することができる。詳細には、反応系、特に水系エマルションの液中には安定化のためpH調節されているものがあり、分解に使用する方法や薬品の種類や濃度により分解時のpHが酸性か塩基性のどちらかに寄る。そのため分解時の反応系が酸性になっている場合には、反応系を塩基性にする。反対に分解時の反応系が塩基性になっている場合には、反応系を酸性にする。
Figure 0006017967
ここで、Rが水素原子である末端構造を持つポリマー断片同士が結合する場合、アルドール縮合反応により式(3)で表される連結基となり、これから水が脱離することにより式(4)で表される連結基となる。Rが水素原子である末端構造を持つポリマー断片とRがメチル基である末端構造を持つポリマー断片が結合する場合、アルドール縮合反応により式(2)で表される連結基となり、これから水が脱離することにより式(1)で表される連結基となる。なお、例えばRがメチル基である末端構造を持つポリマー断片同士が結合する場合など、上記式(1)〜(4)以外の連結基が生成される場合もあるが、そのような連結基は微量であり、式(1)〜(4)の連結基が主として生成される。
結合反応させる際の反応系のpHは、反応系を塩基性にする場合、7より大きければよく、7.5〜13であることが好ましく、より好ましくは8〜10である。一方、反応系を酸性にする場合、7より小さければよく、4〜6.8であることが好ましく、より好ましくは5〜6である。pHの調整は、反応系に酸や塩基を加えることにより行うことができる。特に限定するものではないが、例えば、酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、又は、リン酸などが挙げられ、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、又は、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
結合反応に際しては、pHを調節するための酸や塩基が結合反応の触媒となり、さらに反応を調節するための触媒としてピロリジン−2−カルボン酸を用いてもよい。
このようにして結合反応させて構造の変化した中間体ポリマーを得た後、中間体ポリマーの主鎖における少なくとも一部の炭素−炭素二重結合部分をエポキシ化する。該エポキシ化は、中間体ポリマーの主鎖に含まれる全ての二重結合部分に対して行ってもよいが、通常は、その一部の二重結合部分をエポキシ化する。なお、中間体ポリマーには、連結基として上記式(1)及び(4)のように炭素−炭素二重結合を含む場合があるが、これらの連結基は水系エマルション中では式(2)及び(3)のように炭素−炭素二重結合を含まない構造となっているため、水系エマルション中でエポキシ化する場合には、通常は連結基以外の部位でエポキシ化される。
エポキシ化の方法としては、特に限定されず、例えば、クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシ法、過酸法などのジエン系ゴムに対する公知の種々のエポキシ化法を用いて行うことができる。好ましくは、上記中間体ポリマーの主鎖の二重結合部分をラテックス中でエポキシ化することである。詳細には、上記で結合反応させた後の中間体ポリマーのラテックス(即ち、水系エマルション)に過酸化物と酸を加えて反応させることにより、主鎖の二重結合部分の酸化により生成したエポキシ基を含む変性ジエン系ゴムが得られる。
以上のようにエポキシ化した後、水系エマルションを凝固乾燥させることにより、常温で固形状の変性ジエン系ポリマーが得られる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る変性ジエン系ポリマーの製造方法は、主鎖にエポキシ基を有するエポキシ化ジエン系ポリマーを、その主鎖の炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解した後、得られたポリマー断片を含む系の酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた変性ジエン系ポリマーを得るものである。このように第2の実施形態は、解離結合を行う対象としてエポキシ基が導入されたジエン系ポリマーを用いるものである。すなわち、ジエン系ポリマーを予めエポキシ化してから解離結合を行うものであり、それ以外の基本的な方法は第1の実施形態と同じである。そのため、以下では主として相違する部分について説明し、特に言及しない事項については同様であるとして説明を省略する。
第2の実施形態においては、ジエン系ポリマーの主鎖にエポキシ基を導入するエポキシ化を行った後に、得られたエポキシ化ジエン系ポリマーを用いて解離結合を行う。かかるエポキシ化ジエン系ポリマーとしては、市販のエポキシ化天然ゴムように、予めエポキシ化された市販のジエン系ポリマーを用いてもよい。エポキシ化の方法としては、上記と同様、公知の種々のエポキシ化法を用いて行うことができる。好ましくは、ジエン系ポリマーの主鎖の一部の二重結合部分をラテックス中でエポキシ化することであり、一例として、天然ゴムラテックスに過酸化物と酸を加えて反応させることにより、エポキシ化天然ゴムを得ることができる。このようにラテックス中でエポキシ化することにより、そのまま次工程の解離結合に進むことができる。もちろんエポキシ化後に、酸を中和してから、解離結合を行うようにしてもよい。
エポキシ化ジエン系ポリマーを用いてその炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで、第1の実施形態と同様、上記式(5)で表される構造を末端に持つポリマー断片が得られる。但し、第2の実施形態では、上記式(6)及び(7)で表される構造において、式(5)で表される基に結合するジエン系ポリマー鎖は、少なくとも一部の炭素−炭素二重結合部分にエポキシ基が導入された構造を持つ。
次いで、得られたポリマー断片を含む系の酸塩基性を変えて再結合させることにより、第1の実施形態と同様、式(1)〜(4)のいずれか少なくとも1種の連結基を含む変性ジエン系ポリマーが得られる。但し、第2の実施形態では、予めエポキシ化したジエン系ポリマーを用いるので、この段階でジエン系ポリマー鎖には既にエポキシ基が導入されている。なお、主鎖にエポキシ基を有するジエン系ポリマーでは、上記酸化開裂の際に、エポキシ基部分も開裂するが、開裂したエポキシ基部分は、酸塩基性を変えても再結合しない。
このように再結合させた後、水系エマルションを凝固乾燥させることにより、常温で固形状の変性ジエン系ポリマーが得られる。
[変性ジエン系ポリマーの構成]
上記実施形態の製造方法によれば、式(1)〜(4)で表される連結基が主鎖中に導入されるとともに、連結基を介して結合されたジエン系ポリマー鎖にエポキシ基が導入された変性ジエン系ポリマーが得られる。すなわち、実施形態に係る変性ジエン系ポリマーは、式(1)〜(4)で表される連結基のうちの少なくとも1種の連結基を分子内に有し、主鎖にエキポシ基を含むジエン系ポリマー鎖が該連結基を介して直接連結された構造を有する。従って、該変性ジエン系ポリマーは、式(1)〜(4)で表されるいずれかの連結基をXとし、エポキシ基を含むジエン系ポリマー鎖をYとして、―Y−X−Y−で表される構造を分子内に含み、通常は連結基Xとポリマー鎖Yが交互に繰り返した構造を持つ。
ここで、ジエン系ポリマー鎖とは、上記変性対象であるジエン系ポリマーの分子鎖のうちの一部の分子鎖である。例えば、共役ジエン化合物の単独重合体の場合、ジエン系ポリマー鎖は、該共役ジエン化合物からなる構成ユニットをAとして、−(A−で表されるAの繰り返し構造である(nは1以上の整数であり、好ましくは10〜10000、更に好ましくは50〜1000である)。また、二元共重合体の場合、ジエン系ポリマー鎖は、各構成ユニットをA及びAとして(AとAの少なくとも一方は共役ジエン化合物からなるユニットであり、それ以外のユニットとしては上記ビニル化合物からなるユニットが挙げられる。)、−(A−(A−で表されるA及びAの繰り返し構造である(これらはランダム型でもブロック型でもよい。n,mはそれぞれ1以上の整数であり、好ましくは10〜10000、更に好ましくは50〜1000である)。また、三元共重合体の場合、ジエン系ポリマー鎖は、各構成ユニットをA、A及びAとして(AとAとAの少なくとも1つは共役ジエン化合物からなるユニットであり、それ以外のユニットとしては上記ビニル化合物からなるユニットが挙げられる。)、−(A−(A−(A−で表されるA、A及びAの繰り返し構造である(これらはランダム型でもブロック型でもよい。n,m,pはそれぞれ1以上の整数であり、好ましくは10〜10000、更に好ましくは50〜1000である)。四元共重合体以上も同様である。本実施形態では、上記構成ユニットのうち、共役ジエン化合物からなる少なくとも一部の構成ユニットにエポキシ基が導入されている。
より詳細には、例えば、変性対象として天然ゴム又は合成イソプレンゴムを用いた場合、ジエン系ポリマー鎖は、下記式(8)で表されるイソプレンユニットと下記式(9)で表されるエポキシ化されたイソプレンユニットとから構成される。
Figure 0006017967
上記連結基は、変性ジエン系ポリマーの1分子中に1つ以上含まれ、通常は1分子中に複数の連結基が含まれる。複数含まれる場合、上記式(1)〜(4)で表される連結基のいずれか1種を複数含んでもよく、2種以上のものが含まれてもよい。連結基の含有量は、特に限定されないが、式(1)〜(4)の連結基の合計で、0.001〜25モル%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15モル%、更に好ましくは0.5〜10モル%、特に好ましくは0.5〜5モル%である。ここで、連結基の含有量(変性率)は、変性ジエン系ポリマーを構成する全構成ユニットのモル数に対する連結基のモル数の比率である。例えば、変性対象が天然ゴムの場合、変性ジエン系ポリマーにおける全イソプレンユニット(エポキシ化されたイソプレンユニットも含む)と連結基のモル数の合計に対する、連結基のモル数の比率である。
式(1)〜(4)で表される各連結基の含有率も特に限定されず、一実施形態として、それぞれ25モル%以下(即ち、0〜25モル%)であることが好ましい。例えば、天然ゴムや合成イソプレンゴムの場合(即ち、ジエン系ポリマー鎖がイソプレンユニットを有する場合)、通常、式(1)〜(4)で表される連結基が全て含まれ得るが、式(1)で表されるα,β−不飽和カルボニル基からなる連結基が主として含まれ、その場合、式(1)で表される連結基の含有率は0.001〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10モル%、更に好ましくは0.5〜5モル%である。
変性ジエン系ポリマーにおけるエポキシ基の含有量も特に限定されないが、5〜25モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜15モル%である。ここで、エポキシ基の含有量(エポキシ化率)は、変性ジエン系ポリマーを構成する全構成ユニットのモル数に対するエポキシ基のモル数の比率であり、例えば、変性対象が天然ゴムの場合、変性ジエン系ポリマーにおける全イソプレンユニット(エポキシ化されたイソプレンユニットも含む)と連結基のモル数の合計に対する、エポキシ化されたイソプレンユニットのモル数の比率である。
実施形態に係る変性ジエン系ポリマーは、常温(23℃)で固形状であることが好ましい。そのため、変性ジエン系ポリマーの数平均分子量は、6万以上であることが好ましく、より好ましくは6万〜100万であり、更に好ましくは8万〜80万であり、更に好ましくは10万〜60万である。変性ジエン系ポリマーの分子量は、上記の通り再結合させることにより、元のポリマーと同等に設定することが好ましい。これにより、分子量を低下させず、従って物性への悪影響を回避しながら、ポリマーの主鎖に官能基を導入することができる。もちろん、元のポリマーよりも分子量が小さなものを得てもよい。なお、変性ジエン系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定しないが、7万以上であることが好ましく、より好ましくは10万〜180万である。
変性ジエン系ポリマーのガラス転移点(Tg)は特に限定されないが、−60℃〜−40℃であることが好ましく、より好ましくは−50℃〜−40℃である。このようなガラス転移点を持つことにより、該変性ジエン系ポリマーをタイヤ用ゴム組成物のゴム成分として用いたときに、転がり抵抗性能とウェット性能の両立効果を高めることができる。
[作用効果]
本実施形態によれば、ポリマー主鎖を分解し再結合させる際に、上記の連結基のような主鎖とは異なる構造が挿入され、主鎖構造のセグメントの結合点が官能基化する。すなわち、反応性の高い構造が分子主鎖中に導入される。このように本実施形態の方法であると、グラフトでも直接付加でもなく開環でもないポリマーの主鎖構造そのものを変化させるものであり、従来の変性方法とは明確に異なり、主鎖構造に簡易的に官能基を導入することができる。また、天然ゴムなどの天然のポリマーに対しても、その主鎖構造を組み替えて新規な構造を持つ変性ポリマーを製造することができ、ポリマーの特性を変化させることができる。
また、ジエン系ポリマーを解離結合させる際に単分散化が図られ、より均一な構造に収束させることができる。すなわち、変性ジエン系ポリマーの分子量分布を元のジエン系ポリマーの分子量分布よりも小さくすることができる。これは、酸化開裂により分解したポリマー断片はより短いものほど反応性が高く、再結合しやすいので、短いポリマーが少なくなることで分子量の均一化が図られると考えられる。
本実施形態によれば、また、二重結合を解離させる薬剤である酸化剤の種類や量、反応時間などを調整することにより酸化開裂させる反応を制御できる。また、再結合させる際のpHや触媒、反応時間などを調整することにより結合反応を制御できる。そして、これらの制御によって変性ジエン系ポリマーの分子量を制御することができる。そのため、変性ジエン系ポリマーの数平均分子量を元のポリマーと同等に設定することができ、また元のポリマーよりも低く設定することもできる。
本実施形態に係る変性ジエン系ポリマーは、各種ポリマー組成物におけるポリマー成分として用いることができ、特に限定されないが、各種ゴム組成物におけるゴム成分として用いることが好ましい。ゴム組成物の用途としても特に限定されず、タイヤ用、防振ゴム用、コンベアベルト用などの各種ゴム部材に用いることができ、好ましくはタイヤ用ゴム組成物に用いることである。
該変性ジエン系ポリマーをゴム組成物に用いる場合、ゴム成分としては、該変性ジエン系ポリマー単独でもよく、他のジエン系ゴムとブレンドして用いてもよい。また、ゴム組成物には、該ゴム成分とともに、シリカやカーボンブラックなどのフィラーを配合することができ、更に、その他の添加剤として、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することもできる。
該変性ジエン系ポリマーであると、フィラーとの間での相互作用(分子間力、極性や反応性)が変化することや、ポリマーの組成が変化することにより、フィラーとの相溶性ないし分散性が向上し、ゴム組成物の特性を改良することができる。より詳細には、上記のようにジエン系ポリマーを解離結合して主鎖構造に官能基を含む上記連結基を導入することにより、60℃付近のtanδを下げる効果があり、タイヤ用ゴム組成物に用いた場合に転がり抵抗性能を改善することができる。また、該連結基の導入により、元のジエン系ポリマーに対して、ガラス転移点の変化を小さくおさえながら、ガラス転移点付近のtanδを向上させる効果がある。かかる連結基が導入されたポリマーに対し、更にそのジエン系ポリマー鎖にエポキシ基を導入することにより、ガラス転移点を高温側にシフトさせることができる。そのため、60℃付近のtanδを小さく維持しながら、より低温の0℃付近のtanδを向上させることができ、よって、転がり抵抗性能を維持しつつ、ウェット性能を効果的に改良することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各測定方法は、以下の通りである。
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)での測定により、ポリスチレン換算のMn、Mw及びMw/Mnを求めた。詳細には、測定試料は0.2mgをTHF1mLに溶解させたものを用いた。(株)島津製作所製「LC−20DA」を使用し、試料をフィルター透過後、温度40℃、流量0.7mL/分でカラム(Polymer Laboratories社製「PL Gel3μm Guard×2」)を通し、Spectra System社製「RI Detector」で検出した。
[連結基及びエポキシ基の含有量]
NMRにより、連結基及びエポキシ基の含有量を測定した。NMRスペクトルは、BRUKER社製「400ULTRASHIELDTM PLUS」によりTMSを標準とし測定した。ポリマー1gを重クロロホルム5mLに溶解し、緩和試薬としてアセチルアセトンクロム塩87mgを加え、NMR10mm管にて測定した。
式(1)の連結基については、13C−NMRにおいてケトン基の付いたカーボンのピークが195ppmにある。式(2)の連結基については、13C−NMRにおいてケトン基の付いたカーボンのピークが205ppmにある。式(3)の連結基については、13C−NMRにおいてケトン基の付いたカーボンのピークが200ppmにある。式(4)の連結基については、13C−NMRにおいてケトン基の付いたカーボンのピークが185ppmにある。そのため、これら各ピークについてベースポリマー成分との比により構造量(モル数)を決定した。なお、式(3)については、末端ケトン(式(5)の構造)が現れる場合、ここのカーボンピーク(200ppm)に重複してしまうので、次の方法で末端ケトン量を定量し、取り除いた。すなわち、H−NMRによりケトン基に付いたプロトンのピークが9.0ppmにでてくるので、ベースポリマー成分との比により残存量を決定した。
ベースポリマー成分におけるイソプレンユニットのモル数については、二重結合を挟んでメチル基と反対側の炭素及びそれに結合した水素(=CH−)のピーク、即ち13C−NMRによる122ppm、H−NMRによる5.2ppmに基づいて算出した。エポキシ基については、エポキシ基結合部のプロトンピーク(二重結合を挟んでメチル基と反対側の炭素に結合した水素のピーク)が2.7ppmにあるため、このピークによりエポキシ化されていないイソプレンユニットとの比より構造量(モル数)を決定した。
[pH]
東亜ディ−ケーケー(株)製のポータブルpH計「HM−30P型」を用いて測定した。
[ガラス転移点]
JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)法により、昇温速度:20℃/分にて(測定温度範囲:−150℃〜50℃)測定した。
[比較例1:未変性ポリマー]
天然ゴムラテックス(レヂテックス社製「HA−NR」、DRC(Dry Rubber Content)=60質量%)を、変性せずにそのまま凝固乾燥させることにより、未変性天然ゴム(未変性ポリマー)を調製した。未変性ポリマーについて、分子量を測定したところ、重量平均分子量が202万、数平均分子量が51万、分子量分布が4.0であり、またガラス転移点が−62℃であった。
[比較例2:変性ポリマーAの合成]
比較例1と同じ天然ゴムラテックスを用い、該天然ゴムラテックスをDRC=30質量%に調整した上で、ラテックス中に含まれるポリマー質量100gに対して、過ヨウ素酸(HIO)1.65gを加え、23℃で3時間攪拌した。このようにエマルジョン状態のポリマー中に過ヨウ素酸を加えて攪拌することにより、ポリマー鎖中の二重結合が酸化分解し、上記式(5)で表される構造を含むポリマー断片が得られた。分解後のポリマーは、重量平均分子量が13500、数平均分子量が5300、分子量分布が2.6であり、また分解後の反応液のpHは6.2であった。
その後、触媒としてピロリジン−2−カルボン酸0.1g加え、1規定の水酸化ナトリウムを反応液のpHが8になるように加え、23℃で24時間攪拌し反応させた後、メタノール中に沈殿させ、水で洗浄後、熱風循環乾燥機により30℃で24時間乾燥させて、常温で固形状の変性ポリマーAを得た。
このように酸化分解した反応系に対し、水酸化ナトリウムを加えて、該反応系を酸性から強制的に塩基性に変化させたことにより、酸化開裂の際に加えた過ヨウ素酸の効果を中和させつつ再結合反応を優先させることができた。そのため、上記式(1)〜(4)で表される連結基を分子内に含む変性天然ゴム(変性ポリマーA)が得られた。なお、ピロリジン−2−カルボン酸を触媒に用いているが、反応を促進させるためのものであり、無くても反応は進む。
得られた変性ポリマーAは、下記表1に示す通り、重量平均分子量Mwが151万、数平均分子量Mnが49万、分子量分布Mw/Mnが3.1、ガラス転移点が−60℃であり、上記連結基の含有量が、式(1)では1.0モル%、式(2)では0.3モル%、式(3)では0.2モル%、式(4)では0.5モル%であり、合計で2.0モル%であった。
[比較例3:変性ポリマーBの合成]
比較例1と同じ天然ゴムラテックスを用い、DRC=30質量%に調整した該天然ゴムラテックス100gに乳化剤:ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)0.9gを加えて乳化状態を安定化させ、100rpmで撹拌しながら、30質量%過酸化水素水8.0g、ギ酸3.05gを滴下し、50℃で24時間反応させた。その後、エタノールを加えて凝固・乾燥させることにより、エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーB)を得た。得られた変性ポリマーBのエポキシ化率は15モル%であり、ガラス転移点は−50℃であった。
[実施例1:変性ポリマーCの合成]
比較例2において酸化開裂及び再結合反応を行った後、エポキシ化反応を行った。すなわち、比較例2において1規定の水酸化ナトリウムを反応液のpHが8になるように加え23℃で24時間攪拌して反応させた後、得られたラテックスをギ酸(10%に水で濃度を薄めたもの)により中和してから、30質量%過酸化水素水8.0g、ギ酸3.05gを滴下し、50℃で24時間反応させた。その後、エタノールを加えて凝固・乾燥させることにより、常温で固形状の変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーC)を得た。
得られた変性ポリマーCは、下記表1に示す通り、重量平均分子量Mwが147万、数平均分子量Mnが45万、分子量分布Mw/Mnが3.3であり、上記連結基の含有量が、式(1)では1.0モル%、式(2)では0.3モル%、式(3)では0.2モル%、式(4)では0.5モル%であり、合計で2.0モル%であった。またエポキシ基の含有量が15モル%であり、ガラス転移点が−48℃であった。
[実施例2:変性ポリマーDの合成]
比較例3においてエポキシ化反応を行った後、比較例2と同様の酸化開裂及び再結合反応を行った。詳細には、比較例3において、過酸化水素水及びギ酸を添加し50℃で24時間反応させた後、得られたエポキシ化天然ゴムのラテックスを1規定水酸化ナトリウムにより中和してから、該ラテックス中に含まれるポリマー質量100gに対し、過ヨウ素酸(HIO)1.65gを加え、23℃で3時間攪拌した。これにより、ポリマー鎖中の二重結合が酸化分解し、上記式(5)で表される構造を含むポリマー断片が得られた。分解後のポリマーは、重量平均分子量が21300、数平均分子量が11200、分子量分布が1.9であり、また分解後の反応液のpHは6.0であった。
その後、触媒としてピロリジン−2−カルボン酸0.1g加え、1規定の水酸化ナトリウムを反応液のpHが8になるように加え、23℃で24時間攪拌し反応させた後、メタノール中に沈殿させ、水で洗浄後、熱風循環乾燥機により30℃で24時間乾燥させて、常温で固形状の変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーD)を得た。
得られた変性ポリマーDは、下記表1に示す通り、重量平均分子量Mwが161万、数平均分子量Mnが43万、分子量分布Mw/Mnが3.7であり、上記連結基の含有量が、式(1)では1.0モル%、式(2)では0.2モル%であり、合計で1.2モル%であった。またエポキシ基の含有量が15モル%であり、ガラス転移点が−48℃であった。表1に示すように、エポキシ化天然ゴムを解離結合させる場合、式(3)及び式(4)で示される連結基は生成されなかった。
[比較例4:変性ポリマーEの合成]
30質量%過酸化水素水を13.3gとし、ギ酸5.08gとして、その他は比較例3と同様にして、エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーE)を得た。得られた変性ポリマーEの分子量、エポキシ基の含有量、及びガラス転移点は表1に示す通りであった。
[実施例3:変性ポリマーFの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を13.3gとし、ギ酸5.08gとして、その他は実施例1と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーF)を得た。得られた変性ポリマーFの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
[実施例4:変性ポリマーGの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を13.3gとし、ギ酸5.08gとして、その他は実施例2と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーG)を得た。得られた変性ポリマーGの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
[比較例5:変性ポリマーHの合成]
30質量%過酸化水素水を2.7gとし、ギ酸1.02gとして、その他は比較例3と同様にして、エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーH)を得た。得られた変性ポリマーHの分子量、エポキシ基の含有量、及びガラス転移点は表1に示す通りであった。
[実施例5:変性ポリマーIの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を2.7gとし、ギ酸1.02gとして、その他は実施例1と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーI)を得た。得られた変性ポリマーIの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
[実施例6:変性ポリマーJの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を2.7gとし、ギ酸1.02gとして、その他は実施例2と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーJ)を得た。得られた変性ポリマーJの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
[比較例6:変性ポリマーKの合成]
30質量%過酸化水素水を5.3gとし、ギ酸2.03gとして、その他は比較例3と同様にして、エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーK)を得た。得られた変性ポリマーKの分子量、エポキシ基の含有量、及びガラス転移点は表1に示す通りであった。
[実施例7:変性ポリマーLの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を5.3gとし、ギ酸2.03gとして、その他は実施例1と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーL)を得た。得られた変性ポリマーLの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
[実施例8:変性ポリマーMの合成]
エポキシ化反応を行う際に30質量%過酸化水素水を5.3gとし、ギ酸2.03gとして、その他は実施例2と同様にして、変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーM)を得た。得られた変性ポリマーMの分子量、連結基及びエポキシ基の含有量、並びにガラス転移点は、下記表1に示す通りであった。
Figure 0006017967
Figure 0006017967
表1に示すように、未変性ポリマーに対して解離結合を行った変性ポリマーAでは、官能基を持つ連結基が導入されているが、ガラス転移点の変化はわずかであった。また、変性ポリマーAでは未変性ポリマーに対して分子量分布が小さかった。実施例に係る変性ポリマーC,D,F,G,I,J,L,Mでは、変性ポリマーAに対してエポキシ基を導入したことによりガラス転移点が高く、エポキシ基の導入量が多いほど、ガラス転移点が高くなっていた。
[参考例]
変性対象のポリマーとして、天然ゴムラテックス(レヂテックス社製「LA−NR」、Mw=151万、Mn=26.9万、Mw/Mn=5.6)を用い、DRC=30質量%に調節した該天然ゴムラテックス中のポリマー質量100gに対して、過ヨウ素酸(HIO)1.1gを加え、23℃で6時間攪拌して、ポリマー鎖中の二重結合を酸化分解させた。得られた分解ポリマーは、Mw=10000、Mn=3000、Mw/Mn=3.4であり、分解後の反応液のpHは8.0であった。その後、触媒としてピロリジン−2−カルボン酸0.1g加え、1規定の塩酸を反応液のpHが6.8になるように加え、23℃で12時間攪拌し反応させた後、メタノール中に再沈させ、水で洗浄後、熱風循環乾燥機により30℃で24時間乾燥させて、常温で固形状の変性ポリマーを得た。得られた変性ポリマーは、Mw=54万、Mn=14.2万、Mw/Mn=3.8であり、連結基の含有率が、式(1)では0.61モル%、式(2)では0.06モル%であり、合計で0.67モル%であった。このようにポリマーの解離結合反応は、解離後の系が塩基性であり、これを酸性に変化させる場合にも行うことができる。そのため、この場合にも結合反応後の該ポリマーをエポキシ化することで、実施形態に係る変性エポキシ化天然ゴムが得られることは容易に理解できるであろう。
[ゴム組成物の評価]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合(質量部)に従って、まず、第一混合段階で、ゴム成分に対し硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して、ゴム組成物を調製した。ゴム成分を除く、表2中の各成分の詳細は、以下の通りである。
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シースト3」
・シランカップリング剤:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニック・デグサ社製「Si69」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」
・プロセスオイル:株式会社ジャパンエナジー製「X−140」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・硫黄:細井化学工業(株)製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ」
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、動的粘弾性試験を行い、tanδ(0℃)とtanδ(60℃)を評価した。各評価方法は次の通りである。
・tanδ(0℃):USM社製レオスペクトロメーターE4000を用いて、周波数50Hz、静歪み10%、動歪み2%、温度0℃の条件で損失係数tanδを測定し、比較試験例1の値を100とした指数で表示した。0℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、湿潤路面に対するグリップ性能(ウェット性能)の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが大きく、ウェット性能に優れることを示す。
・tanδ(60℃):温度を60℃に変え、その他はtanδ(0℃)と同様にして、tanδを測定し、その逆数について、比較試験例1の値を100とした指数で表示した。60℃でのtanδは、タイヤ用ゴム組成物において、低発熱性の指標として一般に用いられているものであり、上記指数が大きいほどtanδが小さく、従って、発熱しにくく、タイヤとしての転がり抵抗性能(低燃費性)に優れることを示す。
Figure 0006017967
結果は、表2に示す通りである。比較試験例2では、天然ゴムを解離結合させて式(1)〜(4)で表される連結基を持つ変性天然ゴム(変性ポリマーA)を用いたため、未変性の天然ゴムを用いた比較試験例1に対して、転がり抵抗性能に優れ、ウェット性能も改善されていた。一方、エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーB,E,H,K)を用いた比較試験例3〜6では、比較試験例1に対して、ウェット性能は改善されたものの、60℃でのtanδが高くなり、転がり抵抗性能に劣るものであった。これに対し、天然ゴムを解離結合させるとともにエポキシ化した変性エポキシ化天然ゴム(変性ポリマーC,D,F,G,I,J,L,M)を用いた試験例1〜8であると、未変性の天然ゴムを用いた比較試験例1に対して転がり抵抗性能とウェット性能が顕著に改善されていた。また、これら試験例1〜8であると、比較試験例2に対して、転がり抵抗性能の低下を抑えながら、ポリマーの高Tg化によりウェット性能が改善されており、低燃費性とウェット性能の両立効果に優れていた。
本発明に係る変性ジエン系ポリマーは、ゴム組成物をはじめとする各種ポリマー組成物に配合するポリマー成分として用いることができる。

Claims (7)

  1. 炭素−炭素二重結合を主鎖に持つジエン系ポリマーを、該炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解して分子量の低下したポリマー断片を得る工程と、
    前記ポリマー断片を含む系を、酸性の場合は塩基性に、塩基性の場合は酸性になるように酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた中間体ポリマーを得る工程と、
    前記中間体ポリマーの主鎖の炭素−炭素二重結合部分をエポキシ化して変性ジエン系ポリマーを得る工程と、
    を含む変性ジエン系ポリマーの製造方法。
  2. 炭素−炭素二重結合を主鎖に持つとともに主鎖の二重結合部分の酸化により生成したエポキシ基を有するエポキシ化ジエン系ポリマーを、前記炭素−炭素二重結合を酸化開裂させることで分解して分子量の低下したポリマー断片を得る工程と、
    前記ポリマー断片を含む系を、酸性の場合は塩基性に、塩基性の場合は酸性になるように酸塩基性を変化させることによりポリマー断片を結合させて、構造を変化させた変性ジエン系ポリマーを得る工程と、
    を含む変性ジエン系ポリマーの製造方法。
  3. 前記酸化開裂により得られたポリマー断片が、下記式(5)で表される構造を末端に含むことを特徴とする請求項1又は2記載の変性ジエン系ポリマーの製造方法。
    Figure 0006017967
    (式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン基である。)
  4. 前記変性ジエン系ポリマーが、下記式(1)〜(4)で表される連結基の群から選択された少なくとも1種の連結基を分子内に有し、主鎖にエポキシ基を含むジエン系ポリマー鎖が該連結基を介して連結された構造を持つ、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性ジエン系ポリマーの製造方法。
    Figure 0006017967
  5. 下記式(1)〜(4)で表される連結基の群から選択された少なくとも1種の連結基を分子内に有し、主鎖の二重結合部分の酸化により生成したエポキシ基を含むジエン系ポリマー鎖が前記連結基を介して連結された構造を持つ変性ジエン系ポリマー。
    Figure 0006017967
  6. ガラス転移点が−60℃〜−40℃であることを特徴とする請求項記載の変性ジエン系ポリマー
  7. エポキシ基の含有量が5〜25モル%であることを特徴とする請求項5又は6記載の変性ジエン系ポリマー。
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