JP6017938B2 - 溶接構造物の疲労損傷抑制方法および打撃痕形成用工具 - Google Patents
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Description
鋼橋などの溶接構造物では、割れなどの欠陥が溶接部に生じたり、溶接ビードの形状が不適で応力集中が溶接ビードの止端部に発生したりすると、繰り返し応力による影響と溶接残留応力の影響が重畳して疲労き裂が溶接部に発生しやすくなり、疲労破壊をもたらす場合がある。
特許文献3に記載の方法は、溶接ビードの止端部に圧縮残留応力をハンマーピーニングにより導入する方法であるが、先端の曲率半径が2〜10mmの打撃ピンを母材表面に溶接金属に触れないように押し当てて圧縮残留応力を導入する方法であるため、圧縮残留応力を導入することが難しいという問題点がある。
なお、円形で形成された打撃痕形成面の円形の定義として、長径/短径の比が、1〜1.1であれば、略円形として使用できる。長径の向きは、溶接線に対して特に規定しない。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の溶接構造物の疲労損傷抑制方法において、前記溶接ビードの止端と前記打撃痕との間隔が5mm以下となるように前記打撃痕形成用工具により最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕を前記溶接ビードに沿って連続的に形成することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4に記載の打撃痕形成用工具において、前記打撃痕形成面に向けて円錐状に形成されていることを特徴とする。
このような打撃痕形成用工具6を用いて本発明を実施する場合は、打撃痕形成面7が溶接ビード3の止端4と隣接するように打撃痕形成用工具6の位置を調整した後、打撃痕形成用工具6の打撃痕形成面7を母材1の表面に押し当て、溶接ビード3と隣接する母材1の表面に最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕5を溶接ビード3の止端4と打撃痕5との間隔が5mm以下となるようにハンマー衝撃ピーニング法あるいは超音波衝撃ピーニング法により形成する。
ここで、打撃痕5の最大深さが0.03mm未満では止端4の近傍に十分な圧縮残留応力が導入されず、0.05mmを超えると負荷がかかった際に局部的に応力が集中し、疲労寿命低減の要因となるため、打撃痕5の最大深さを0.03mm以上0.50mm未満とした。
また、溶接ビード3を直角に横切る方向に沿う打撃痕形成面7の幅Bと溶接ビード3に沿う打撃痕形成面7の長さLを3.0mm以上6.0mm以下、つまり打撃痕形成面7の直径Dを3.0mm以上6.0mm以下とした理由は以下の理由からである。すなわち打撃痕形成面7の直径Dが3.0mm未満では、打撃痕5の深さや幅にばらつきが生じやすくなり、安定した形状の打撃痕5を得ることが困難となる。また、打撃痕形成面7の直径Dが6.0mmを超えると打撃痕形成面7の面積が大きくなり過ぎ、最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕5を母材1の表面に形成することが困難となるため、打撃痕形成面7の直径Dを3.0mm以上6.0mm以下とした。
また、表1の実施例5〜8は、溶接ビード3と隣接する母材1の表面に最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕5を打撃痕形成面7の直径Dが3mm、4mm、5mm、6mm、面取り部8の曲率半径rOが0.15mm、0.20mm、0.30mmの打撃痕形成用工具6により溶接ビード3に沿って連続的に形成した形成した場合を示している。
なお、表1のRaは打撃痕5の最大深さ(mm)を示し、実施例1〜8及び比較例1〜5では打撃痕形成用工具によるハンマーピーニングを空気圧:約6kg/cm2、周波数:90Hz、移動速度:0.25mm/秒の条件で行った。
実施例1〜8と比較例1〜5を比較すると、比較例1〜5では打撃痕5により溶接ビード3の止端4の近傍に導入される圧縮残留応力が230MPa〜270MPaであるのに対し、実施例1〜8では打撃痕5により溶接ビード3の止端4の近傍に導入される圧縮残留応力が300MPa〜330MPaとなることがわかる。
さらに、実施例5〜8のように、打撃痕形成面7の周囲に0.15mm以上0.30mm以下の曲率半径で円弧状に湾曲する面取り部8を有する打撃痕形成用工具6を用いることで、打撃痕5の周囲に応力集中が発生することを防止することができる。
2…リブ
3…溶接ビード
4…止端
5…打撃痕
6,10,12…打撃痕形成用工具
7,11,13…打撃痕形成面
8…面取り部
Claims (5)
- 溶接構造物の溶接部に疲労損傷が発生するのを抑制する方法であって、
前記溶接部の溶接ビードと隣接する母材表面に打撃痕をハンマーピーニングまたは超音波衝撃ピーニングによって形成する打撃痕形成用工具として、前記溶接ビードを直角に横切る方向に沿う幅と前記溶接ビードに沿う長さが3mm以上6mm以下、かつ全体形状が円形に形成された平面状の打撃痕形成面を先端に有するとともに、前記打撃痕形成面の周囲に0.15mm以上0.30mm以下の曲率半径で円弧状に湾曲する面取り部を有する打撃痕形成用工具を用い、
該打撃痕形成用工具により最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕を前記溶接ビードに沿って連続的に形成して前記溶接部の疲労損傷を抑制することを特徴とする溶接構造物の疲労損傷抑制方法。 - 前記打撃痕形成用工具として、前記打撃痕形成面に向けて円錐状に形成された打撃痕形成用工具を用いて前記溶接部の疲労損傷を抑制することを特徴とする請求項1に記載の溶接構造物の疲労損傷抑制方法。
- 前記溶接ビードの止端と前記打撃痕との間隔が5mm以下となるように前記打撃痕形成用工具により最大深さが0.03mm以上0.50mm未満の打撃痕を前記溶接ビードに沿って連続的に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接構造物の疲労損傷抑制方法。
- 溶接構造物の溶接ビードと隣接する母材表面に打撃痕をハンマーピーニングまたは超音波衝撃ピーニングによって形成するときに用いられる打撃痕形成用工具であって、
前記溶接ビードを直角に横切る方向に沿う幅と前記溶接ビードに沿う長さが3mm以上6mm以下、かつ全体形状が円形に形成された平面状の打撃痕形成面を先端に有するとともに、前記打撃痕形成面の周囲に0.15mm以上0.30mm以下の曲率半径で円弧状に湾曲する面取り部を有することを特徴とする打撃痕形成用工具。 - 前記打撃痕形成面に向けて円錐状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の打撃痕形成用工具。
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