JP6015797B2 - 水平多関節型ロボット - Google Patents

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本発明は、複数のアームに跨る接続配線を有する水平多関節型ロボットに関し、特にロボットの関節部への接続配線の配置に関する。
産業用ロボットのひとつとして、複数のアームが順に水平方向に回動可能に連結された水平多関節型ロボット(スカラーロボット)が知られている。スカラーロボットは、各アームを、関節部を介して支持する他のアーム等の支持部に対して適切な角度に変化させる旋回により、同ロボットの先端部を基台に対して相対移動させる。すなわち、対象物への作業に必要なツールなどがこのようなロボットの先端部に取り付けられることにより対象物への作業位置まで相対移動されて、同ツールなどによる対象物への作業が行われるようになる。
ところで、スカラーロボットの複数のアームの幾つかには、駆動用モーターや同モーター用のエンコーダー、各種センサー及びツールなどの各種装置が設置されている。これら装置の設置に伴いスカラーロボットには、それら装置への動力供給や信号伝達に用いられる電気配線や空気配管などの接続配線が、同装置の配置されたアームまでその他のアームなどを介して配置されることとなる。
このような接続配線は、それが接続される装置まで、スカラーロボットの外部に設けられた配線ダクトを介して配置されることも多いが、近年では、スカラーロボットの内部を通り配置される、いわゆる内部配置されることも少なくない。この内部配置によれば、接続配線は、アームの内部に形成された空間を通り配置されることとなるが、2つのアームが旋回可能に連結されるために構造が複雑である関節部においては内部配置用のスペースの確保が容易ではなく同接続配線の内部配置が容易ではない。
そこで、複数のアームの関節部に接続配線を内部配置することのできる構造を備えたスカラーロボットがいくつか提案されている。例えば、特許文献1に記載のスカラーロボットは、関節部の回転中心から外側にずれた位置にモーターの回転を減速する減速機が設けられ、同減速機の外歯歯車が、旋回されるアームに回転中心を中心として設けられたリング状の内歯歯車に噛合されるようにした。これにより、関節部の回転中心に配線を通すための通路としての貫通孔が設けられるようにしている。
また、特許文献2に記載のスカラーロボットは、中心に孔の形成されたプーリーや減速機などをアームの関節部の回転中心に配置し、その孔に接続配線を配置させるためのガイドパイプを設けた。
一方、特許文献3に記載のスカラーロボットは、2つのアームが関節部の回転中心に設けられたベアリングなどの連結部により連結支持され、その連結部よりも外周側に配線が配置され、一方のアームの連結部の周囲には同配線が相対的に移動される範囲に円弧状の配線挿通孔が形成される。
特開2001−353684号公報 実開平6−57583号公報 特開2003−225883号公報
一般的に、スカラーロボットには、広い旋回範囲と高い位置決め精度が求められ、さらにメンテナンスの容易さも求められている。
ところが、特許文献1に記載のスカラーロボットは、リング状の歯車のメンテナンスの際には、その中を通る配線が作業の妨げになるおそれが高く、特に歯車の交換が必要となるような場合には配線を取り外すという煩雑な作業が必要となる。また、この歯車は、位置決め精度に影響を与える最終段に用いられていることからメンテナンスの頻度やレベルの要求も高い。
特許文献2に記載のスカラーロボットも、プーリーや減速機などのメンテナンスの際には、その中を通る配線が作業の妨げになるおそれが高く、特に交換が必要となるような場合には配線を取り外すという煩雑な作業が必要となる。また、内部にガイドパイプが配置されるため大型化されるプーリーや減速機などは、質量の増加や周速の増大などによる磨耗や発熱が生じやすくなり、手厚いメンテナンスが求められるようになるとともに、稼動中には旋回速度が制限されるおそれもある。
特許文献3に記載のスカラーロボットは、一方のアームの連結部の周囲に円弧状の配線挿通孔が形成されるために同連結部の同アームへの剛性の低下が避け難く、これによる位置決め精度の低下が懸念されるとともに、アームの旋回範囲が前記剛性により制約されてしまう問題もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、アームが旋回される関節部に配線を内部配置する場合であれ、ロボットとしての高い位置決め精度と良好なメンテナンス性とが維持される水平多関節型ロボットを提供することにある。
本発明の水平多関節型ロボットは、中空状のアームと、基端部が前記アームに連結固定されるシャフトと、前記シャフトの先端部に連結されて同シャフトを回転駆動させる駆動装置と、前記駆動装置を搭載して前記シャフトを回動可能に支持する中空状の支持部と、前記アームと前記支持部との間に配置される接続配線と、を備える水平多関節型ロボットであって、前記シャフトは、周側面の一部が軸心に向かって切り欠かれた円筒形状に形成され、前記アームの内部に繋がる面である前記基端部の底面から前記先端部の下方まで延びるとともに、前記支持部の内部に位置する周側面に開口を有する貫通孔を備え、前記接続配線は、前記貫通孔に挿通されて前記アーム内と前記支持部内との間に配置され、前記シャフトにて、前記基端部と前記先端部との間に前記開口が挟まれ、前記開口以外の部分として前記基端部と前記先端部とを繋ぐ柱状部を有し、前記柱状部は、前記シャフトの周側面の一部の面である前記基端部および前記先端部の前記軸心を中心とする外周に沿う円弧面を外側面として有し、前記柱状部の延びる方向での中央部で細く、かつ、前記中央部から前記先端部および前記基端部に向けて前記外周に沿って広がり、前記貫通孔の内周面である前記基端部および前記柱状部の内側面は連続面として形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、ロボットの先端側に設置された各種装置用の電気配線や空気配管などの接続配線がアームを回動させるシャフト内に挿通される場合であれ、その接続配線がシャフトの途中から引出されるため、シャフトの先端に連結されるモーターや減速機などの駆動装置には挿通されないようになる。すなわち、稼動部を有し摩擦や発熱を生じるため手厚いメンテナンスが必要とされる駆動装置の内部に接続配線を配置させる必要がないため、アームと支持部との関節部を構成するシャフト内に接続配線が配置されつつも駆動装置のメンテナンス性が変化したり低下したりすることがなく、メンテナンス性は配線が外部に配置されるロボットと同様に維持される。その結果、水平多関節型ロボットに、メンテナンス性を維持しつつ接続配線を内部配置することができる。
また、この接続配線の内部配置は駆動装置への影響がほとんど生じないため、従来からの駆動装置を有するロボットへの適用も容易であり、すなわち、従来と同様の高い位置決め精度がきわめて容易に維持される。さらに、駆動装置への影響がほとんど生じないことから、その設計の自由度が高く維持され、多くの水平多関節型ロボットへの適用可能性が高い。
この水平多関節型ロボットは、前記支持部は、該支持部に固定されたベアリングを介して前記シャフトを回動可能に支持しており、前記貫通孔は、前記ベアリングの内側を通るかたちで前記シャフトに貫通形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、シャフトは貫通孔が内設されている位置にてベアリングを介して回転可能に支持部に支持されるようになる。これにより、アームと支持部とは、円筒形状のシャフトにて直接連結及び支持されるようになり、アームと支持部との間の旋回方向や上下方向の剛性が高く維持されるようになる。
また、アームと支持部との間の回動や剛性が主にベアリングの軸受けにより維持される簡単な構造とされ、これによってもメンテナンス性が向上される。
さらに、アームと支持部はシャフトにより連結されている簡単な構造となることから、アームと支持部とが対向している部分の構造が簡単化されシャフトの周囲の利用可能性が高められ、例えばシャフト周囲の気密性を高めるためのシールの設置が容易に行なえるようにもなる。
この水平多関節型ロボットは、前記駆動装置は、前記シャフトの軸心の延長上に配置されていることを要旨とする。
このような構成によれば、駆動装置からシャフトへの駆動力の伝達経路の構成が簡単化されるようになり、動力伝達の効率が高められるとともに、設計が容易にもなる。
この水平多関節型ロボットは、前記貫通孔は、前記シャフトの中心軸に対する中心角が270度以上となる前記シャフトの周側面の周方向にのびるかたちの開口を前記周側面側に有することを要旨とする。
このような構成によれば、貫通孔から支持部側に引出された接続配線は、同配線の両外側面に広いスペースを有するようになり、シャフトが旋回されるとき、同配線の両外側面が貫通孔の開口部の旋回方向の端部に接触しない中心角が大きくなる。これにより、このような貫通孔により配線が内部配置されるロボットの旋回範囲を広くすることができる。
また、接続配線が開口部の旋回方向の端部に接しない角度が大きくなれば、旋回時に接続配線に応力や張力が印加されるおそれも低減され、接続配線の機械的な信頼性が維持されるようにもなる。
この水平多関節型ロボットは、前記シャフトの軸心の延長上から見た前記柱状部の断面形状うち、前記中心角が最も大きくなる部分にて、前記シャフトの同開口の形成されていない側面を有する前記柱状部の肉厚が同シャフトの軸直径の1/5以上とされることを要旨とする。
このような構成によれば、シャフトがその基端部と先端部との間に大きな開口部を有するような場合であれ、前記シャフトの肉厚を十分に維持することにより、シャフトの先端部に伝達される回転駆動力をシャフトの基端部を介してアームに伝達することができるようになる。
この水平多関節型ロボットは、前記貫通孔の内周面は、連続面として形成されていることを要旨とする。
このような構成によれば、シャフトは、貫通孔が形成された場合であれ応力集中を生じるような角部を有する非連続面などが形成されないことから、その機械的な信頼性が確保されるようになる。
また、接続配線は、貫通孔が連続面であれば同面との間に生じる摩擦力が低く抑えられるようになり、機械的な信頼性の低下が抑制されるようになる。
この水平多関節型ロボットは、前記アームは、前記基端部側の貫通孔の開口に対向するかたちで前記アームの内部と前記貫通孔を結ぶ連結孔を有し、前記接続配線は、前記貫通孔から前記連結孔を介して前記アーム内に配置されることを要旨とする。
このような構成によれば、シャフト内からアーム内まで接続配線を内部配置することができるようになる。また、接続配線がシャフト内及びアーム内を通るためにその対環境性能がより一層高められる。さらに、ロボット内部の気密性が求められるクリーン環境などにおいては、シャフト内及びアーム内を通じてロボット先端までの内部空間を気密することもできるようになる。
この水平多関節型ロボットは、前記支持部は、前記駆動装置の反力により前記アームの回転軸を中心に旋回される先端側のアームであり、前記貫通孔は、前記周側面にて前記先端側のアームの長さ方向後側に開口されていることを要旨とする。
このような構成によれば、回転軸を中心としたときの先端側のアームの前後の質量のバランス均衡がわずかながらも改善される。また通常、先端側のアームの後方部分の利用価値が低いので、後方部分に接続配線を引き回すことにより先端側のアームの前方部分における各種装置の配置の自由度が制約されない。
この水平多関節型ロボットは、前記貫通孔から前記支持部側に延出された前記接続配線は、その端部を配線保持装置に保持されており、同配線保持装置は、前記シャフトの軸心を中心に回動することを要旨とする。
このような構成によれば、貫通孔の開口の周方向端部に接続配線が接触した場合であれ、配線保持装置の可動範囲内にあっては接続配線がさらに回動するので、シャフトから接続配線へ張力や応力の印加が低減されるようになる。これにより接続配線の機械的な信頼性が向上されるようになるとともに、それに伴いアームの旋回可能な角度も大きくなる。
本発明にかかる水平多関節型ロボットを具体化した一実施形態の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態の多関節型ロボットの正面の断面構造を示す部分断面図。 同実施形態に用いられるシャフトの斜視構造を示す斜視図であって、(a)は右前上方向からの図、(b)は左前上方向からの図。 同実施形態の関節部の図1の4−4線における断面構造を示す断面図。 同実施形態の関節部の図1の5−5線における断面構造を示す断面図。 その他の実施形態における接続配線を保持する構造を示す部分断面図。 さらにその他の実施形態における関節部の構造を示す部分断面図。
以下、本発明にかかる水平多関節型ロボットの一実施形態について図面に従って説明する。
図1は、水平多関節型ロボット(ロボット)についての全体の斜視構造を示す斜視図であり、図2は、図1の2−2線における断面構造を示す断面図である。
図1に示すように、ロボットは、基台11と第1のアーム13とが関節部を介して連結され、また、第1のアーム13と第2のアーム15とが関節部を介して連結されることにより構成されている。すなわちロボットは、床面等に設置された基台11を有し、その上端部に回動可能に設けられた回転軸装置12に、第1のアーム13の基端部が連結固定されている。回転軸装置12は、その基端部が、基台11内に設けられた減速機(図示略)などを介して第1モーターM1によって正逆回転されることで、基台11に対して軸心C1を中心にして回動するようになっている。これにより第1のアーム13は、回転軸装置12の軸心C1を中心にして基台11に対して水平方向に回動、すなわち水平旋回する。
第1のアーム13は、アルミニウムなどの金属材料が押し出し成形などにより、高い剛性を有する略角管形状に形成されている。図2に示すように、第1のアーム13は、その管内にはアームの長さ方向(矢印F方向と矢印R方向)に内部空間13cが連続形成されており、その先端部の上面には内部空間13cを外部に連通させる連結孔13aが形成されている。なお本実施形態では、第1のアーム13は、その管の先端(矢印F方向)側及び基端(矢印R方向)側に形成される各開口部が金属材料や樹脂材料からなる蓋(図示略)により閉鎖されている。
図1において、第1のアーム13の先端部に設けられる支持軸装置14は、その上部を第2のアーム15の基端部内に配置させることにより第2のアーム15を回動可能に支持している。第2のアーム15は、その基端部に第2モーターM2が固定されており、同第2モーターM2の出力軸が減速機等を介して支持軸装置14の先端に連結されている。すなわち第2のアーム15は、図2に示すように、鋳物などにより高い剛性を有する箱形状に形成された筐体20と、同筐体20の上部及び側部を覆う樹脂材料などからなるカバー21とを有している。筐体20は、その底面22に周囲が補強部22aにより補強された下軸孔22hが形成され、その上面23に周囲が補強部23aにより補強された上軸孔23hが下軸孔22hと同心となるように形成されている。
上軸孔23hには、円筒形状のモーター保持筒24が筐体20の上方に突出されるように固定され、同モーター保持筒24の上端には、前記第2モーターM2がフランジ25Fを介して固定されている。また、モーター保持筒24の筒内の上部には、減速機26がフランジ26Fを介して固定されている。減速機26は、例えばハーモニックドライブ(登録商標)などであって、その入力軸が第2モーターM2に連結されており、同入力軸に伝達された第2モーターM2からの回転力が低回転かつ高トルクに変換されてその出力軸に出力される。減速機26の出力軸には、支持軸装置14を構成するシャフト50が連結されている。
シャフト50は、鋳物からなり、その軸方向の長さが長さL1に形成された軸体であって、その上部(先端部)には減速機26の出力軸に連結される上部突起50Aが形成され、その下部(基端部)には外形が軸直径としてのシャフト径D1である円筒部59と同円筒部59の下端に接するフランジ50Fとが形成されている。フランジ50Fは、シャフト径D1よりも大きな外径を有しており、筐体20の底面22よりも下方に突出されている。また、本実施形態のシャフト50には、その下部をその軸方向に貫通する貫通孔59hが形成されており、同貫通孔59hはその上方かつシャフト50の上部の手前に形成される開口部57にてアーム後端(矢印R方向)側の外側面に連通されている。すなわち、電気配線や空気配管などの接続配線を内部に配置することが可能である貫通孔59hがシャフト50の内部には断面形状逆L字形に形成されている。
シャフト50の構造について図3〜図5を参照して説明する。
図3は、シャフト50の斜視図であって、(a)は左前を上からみた斜視構造を示す図、(b)は右前を上からみた斜視構造を示す図であり、図4は、図2の4−4線断面構造を示す断面図、図5は、図2の5−5線断面構造を示す断面図である。
詳述すると、上部突起50Aはその上面にねじ孔55が複数形成されており、それらのねじ孔55にそれぞれ螺合されるボルトなどを介して減速機26の出力軸に連結される。上部突起50Aの下部には、天面56が設けられている。
天面56はその直径がシャフト径D1よりも少し小さい略円板形状に形成されており、天面56の下方(反上部突起50A側)には上下方向の長さが長さL2の開口部57が、シャフト50の軸の一部が外周から軸心方向に向かい深く切り欠かれた態様にて形成されている。また、開口部57の下部には円周方向に対して同開口部57を閉じるかたちに天面56と同心の円状の底円部58が形成され、同底円部58が円筒部59に連続するように形成されている。すなわち、天面56と底円部58とは、それらの間に開口部57を挟むとともに、開口部57以外の部分としてシャフト50に残されたかたちの柱状部50Bにより連結されている。柱状部50Bは、天面56や底円部58の外周の円弧に沿う外側面57Fを有し、同外側面57F側から見ると上下の各端部は広がり中央部は細くなる形状に形成されており、また、同外周面とは反対側の面となる軸心C2側の面には外周面との間に所定の厚みを介して内側面57Rを有している。
図4に示すように、柱状部50Bは、その上下方向中央の細い部分では、シャフト50の軸心C2に対する中心角が約90度以下、本実施形態では70〜80度の角度となる中心角θ1となるように形成されている。すなわち柱状部50Bはその周囲が、軸心C2から中心角θ1以外の範囲(中心角θ2)は全て切り欠かれた状態となっている。また、柱状部50Bの上記部分は、外側面57Fと内側面57Rとの間の厚みが柱厚T3として形成されている。なお柱厚T3は、シャフト径D1の1/2以下かつ1/5以上の厚みとされており、本実施形態ではシャフト径D1の約1/3の厚みとされている。このような、中心角θ1及び柱厚T3により、柱状部50Bは、そこに印加される回転力などの力に対して適切な剛性が維持されるようになっており、天面56が軸心C2を中心に回転されたときにその回転が底円部58を介して円筒部59に適切に伝達されるようになっている。なお、柱状部50Bの形状は、ロボットの質量や運動特性、アームの材料などにより適切な形状が異なるものであり、予め行われる同ロボットの運動に関するシミュレーションや実験、試験などにより適切な形状が定められる。
すなわち、柱状部50Bは、その中心角θ1が最も小さい位置から下方には、末広がりする態様でその中心角θ1が360度に向かい徐々に広げられるとともに、その外側面57Fと内側面57Rとの間の厚みが柱厚T3から厚みT2へ徐々に薄くされるように変化されながらその下端が底円部58に連結されている。また、柱状部50Bは、その中心角θ1が最も小さい位置から上方には、これも末広がりする態様でその中心角θ1が360度に向かい徐々に広げられながらその上端を天面56の下部に連結させている。
図5に示すように、円筒部59には、前記貫通孔59hがシャフト50の下部を略軸心C2に沿って貫通形成され、その下端がフランジ50Fの下面に開口されている。貫通孔59hは、円筒部59の剛性が、特に軸が湾曲されるような力への剛性が高く維持されるようにその側壁の肉厚は、一般的な管状部材に比較して厚く形成されており、例えばアーム先端側の肉厚が厚みT2、アーム後端側の肉厚が厚みT1とされている。そして、厚みT1と厚みT2とが加算された値は、シャフト径D1の1/2以下かつ1/5以上の厚みとされている。なお、本実施形態では、厚みT1と厚みT2との和がシャフト径D1の約1/3の厚みとされるとともに、アーム先端側の肉厚(厚みT2)がアーム後端側の肉厚(厚みがT1)よりも大きく形成されている。これにより貫通孔59hは、その内周面の断面形状がアーム先端側を押し潰して扁平された円形状として形成されている。
ところで、シャフト50は上部突起50Aとフランジ50Fとの間で軸心C2を中心とした回転運動を伝達させるが、その回転運動の伝達は開口部57の形成されたシャフト50に複雑な応力を生じさせる。このとき、シャフト50、特に力が狭い範囲に集中される柱状部50Bやそれに連続する部分などに段差などの角部が形成されていると、該角部に力の集中(応力集中)による金属疲労が生じるようになるなど、シャフト50の耐久性を急速に低下させる要因ともなる。そこでこのシャフト50においては、開口部57(天面56の下面、柱状部50B、底円部58)及び貫通孔59hを構成する各表面は、それら表面にそれぞれ段差などの角部を有さず、さらにそれら表面同士も角部を有さない滑らかな一体の連続面として形成されている。
円筒部59には、フランジ50Fに当接するように支持軸装置14を構成するベアリングB2が嵌合配置される。また、円筒部59の外周にはねじ溝(図示略)が形成されており、円筒部59にベアリングB2が嵌合配置された後にそこにナット51が螺合されることにより、ベアリングB2がフランジ50Fとナット51との間に挟まれるようにして同シャフト50に高い剛性にて固定される。
ベアリングB2は、公知のボールベアリングであり、円筒形の内側リングB2aと外側リングB2bとを有し、それら内側リングB2aと外側リングB2bとはそれらの間に配置されたボールなどを介して相互に周方向への回転可能に結合されている。すなわち、内側リングB2aと外側リングB2bとは同じ軸心を有し、該軸心を中心に回転可能になっている。一方、このようなベアリングB2は、内側リングB2aの軸心と外側リングB2bの軸心とは常に同心となるように構成されており、それら軸心がずれる方向への力に対しては高い剛性を有するようになっている。すなわち、内側リングB2aの軸心に直交する平面と、外側リングB2bの軸心に直交する平面とは常に平行するようになっている。
内側リングB2aは、そのリング内の内径がシャフト径D1と略同一の大きさに形成されている。これにより、ベアリングB2はその内側リングB2aに挿通されたシャフト50との間にがたを有さないようになっている。また、ベアリングB2は、その外側リングB2bの上下が筐体20の下軸孔22hの補強部22aと固定具52とにより挟持されることにより、同筐体20に対してがたなどの無い高い剛性にて固定される。
これにより、シャフト50は、第2のアーム15に対してベアリングB2の回転方向以外の方向には高い剛性を有して固定されるとともに、第2モーターM2によって減速機26を介して正逆回転されることで、第2のアーム15に対して軸心C2を中心にして回動するようになっている。
シャフト50のフランジ50Fの下面には、その下面に形成された貫通孔59hの開口と第1のアーム13の先端部の連結孔13aとが対応するように第1のアーム13の先端部が連結固定されている。その結果、第2モーターM2がシャフト50を正逆回転させるときに同シャフト50から同第2モーターM2が受ける反力により、第2のアーム15は軸心C2を中心にして第1のアーム13に対して水平方向に回動、すなわち水平旋回する。また、第2のアーム15は第1のアーム13に対してベアリングB2の回転方向以外の方向への力が印加される場合には、同力に対して高い剛性を有する。
第2のアーム15の先端部には、上下回転軸筒15Aが設けられている。上下回転軸筒15Aは、上下回転軸16を回転可能に、かつ、上下方向に移動可能に支持している。上下回転軸16は、第2のアーム15内に備えられた回転モーターM3の正逆回転によって自らの軸心C3を中心にして正逆回転される。また、上下回転軸16は、第2のアーム15内に備えられた昇降モーターM4の正逆回転によって上下方向に昇降移動され、その昇降移動によりその下端部17を昇降させる。上下回転軸16の下端部17には、ツール、例えば被搬送物を把持するハンドや被加工物を加工するハンド等の取り付けが可能になっている。すなわちツールは、下端部17とともに昇降される。そして、ロボットは、下端部17に取り付けられた各ツールによって、部品を搬送したり、部品を加工したりするようになっている。
すなわち、第2のアーム15は、その先端部にツールの動作により上下方向などへの力(応力や反力)を受け、その力が支持軸装置14に印加されるようになるが、上述のように、回動方向ではない方向に対しては高い剛性を有し第1のアーム13に連結されているので、上下への振動などが抑制される。これにより、下端部17のツールによる上下方向への部品搬送や部品加工などの動作が、第1のアーム13と第2のアーム15とを連結させる支持軸装置14の剛性により所望の精度で行なわれるようになる。
ところで、ロボットの内部には、第2のアーム15に設置された各種機器に接続される各配線を取りまとめている直径Dcの配線ケーブルCBが、基台11内から第1のアーム13内を通りシャフト50内の貫通孔59hを介して、第2のアーム15内まで配置されている。配線ケーブルCBには、第2のアーム15に設置されている各モーターM2〜M4に電力を供給する電力線や、同設置されている各センサーなどの各種装置の信号を伝達する信号線などからなる各種接続配線などが設けられている。すなわち、貫通孔59hの内径や開口部57の上下方向の長さL2や周方向の中心角は、少なくとも直径Dcの配線ケーブルCBが貫通孔59hや開口部57に余裕を有し挿通される大きさにもなっている。そしてこの配線ケーブルCBは、第2モーターM2や減速機26などの駆動装置の軸部を挿通せずに済むようにシャフト50の側面の開口部57から第2のアーム15内に内部配置され、その先端部分が第2モーターM2のフランジ25Fに固定された支持具60に固定具61を介して固定されている。固定具61に固定された配線ケーブルCBの先端部からは各種接続配線が、それらに対応するそれぞれの機器へ向かい分配されるように延出されている。なお図2においては、説明の便宜上、それら各種接続配線についての描画を省略している。
これにより本実施形態では、配線ケーブルCBがロボット内に内部配置された場合であれ、同配線ケーブルCBが、支持軸装置14に駆動力を伝達させる駆動装置には挿通されないようになる。そのため、配線ケーブルCBのロボット内への内部配置に伴い、駆動装置の構造を大きくする必要性や複雑化するような必要性が無くなり、第2モーターM2や減速機26としては従来から採用されているものや、さらに小型のものを採用することができるようにもなる。またそれら第2モーターM2や減速機26の取り付け構造も、モーター保持筒24に各フランジ25F,26Fを介して取り付けられるなど簡単な構造ともなる。それゆえ、稼働部や回動部、歯車などを有し多少なりともメンテナンスが要求される駆動装置のメンテナンス性が低下されるおそれは少なく、メンテナンス性は少なくとも従来と同等程度に維持されるようになる。
また、第1のアーム13と第2のアーム15との間にて回転軸方向以外への方向へ印加される力に対する剛性は、フランジ50Fと円筒部59及びベアリングB2により維持されるようになっている。このことから、シャフト50の柱状部50Bは第2のアーム15の回転方向への駆動力や慣性力に対する剛性のみを有すればよい。すなわち、このようなシャフト50としては、その上部と下部との間に回転方向への剛性を有するような断面を有する柱状部50Bが設けられさえすれば、そこには大きな開口部57を形成することができるようになる。大きな開口部57によればそこに配置される配線ケーブルCBの自由度が大きくなり、配線ケーブルCBに印加されるよじれや張力を抑制することができるようになる。また、開口部57の周方向への開口(中心角θ2)が広くなれば、開口部57の周方向側面(柱状部50Bの側面)が配線ケーブルCBに接しない角度が大きくなり、シャフト50の回転角度が広くなるようになる。
ちなみに、本実施形態では、図4において、柱状部50Bの一側面が配線ケーブルCBに接する位置から、柱状部50Bの他側面が配線ケーブルCBに接する位置まで、シャフト50の回動できる角度は配線ケーブルCBの太さ(直径Dc)の影響などにより約180度となる。しかしながら、配線ケーブルCBが柱状部50Bの一側面や他側面に接した後であっても、内部配線された配線ケーブルCBが貫通孔59hにて有している遊びの長さや柔軟性などにより、さらに大きく回動、例えばそれぞれの回転方向にさらに20度〜30度回動させることができるようになる。
すなわち、このようなシャフト50を用いるロボットは、その関節部において同関節部の剛性が維持され、内部配置された配線ケーブルCBの機械的な信頼性が維持されるとともに広い旋回角度を移動することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態の水平多関節型ロボットによれば以下のような効果を得ることができる。
(1)ロボットの先端側に設置された各種装置用の配線ケーブルCBが第2のアーム15を回動させるシャフト50内に挿通される場合であれ、その配線ケーブルCBがシャフト50の途中の開口部57から第2のアーム15内に引出すようにした。これにより、シャフト50の先端に連結される第2モーターM2や減速機26などの駆動装置には配線ケーブルCBが挿通されないようになる。すなわち、稼動部を有し摩擦や発熱を生じるため手厚いメンテナンスが必要とされる駆動装置の内部に配線ケーブルCBを配置させる必要がなくなる。このことにより、第1のアーム13と第2のアーム15との関節部を構成するシャフト50内に配線ケーブルCBが配置されつつも駆動装置のメンテナンス性が変化したり低下したりすることがなく、メンテナンス性は配線が外部に配置されるロボットと同様に維持される。その結果、水平多関節型ロボットに、メンテナンス性を維持しつつ接続配線を内部配置することができる。
(2)また、この配線ケーブルCBの内部配置は駆動装置への影響がほとんど生じないため、従来からの駆動装置を有するロボットへの適用も容易であり、すなわち、従来と同様の高い位置決め精度がきわめて容易に維持される。さらに、駆動装置への影響がほとんど生じないことから、その設計の自由度が高く維持され、多くの水平多関節型ロボットへの適用可能性が高い。
(3)シャフト50は貫通孔59hが内設されている位置にてベアリングB2を介して回転可能に第2のアーム15の筐体20に支持されるようにした。これにより、第1のアーム13と第2のアーム15とは、円筒形状のシャフト50にて直接連結及び支持されるようになり、第1のアーム13と第2のアーム15との間の旋回方向や上下方向の剛性が高く維持されるようになる。
(4)また、第1のアーム13と第2のアーム15の間の回動や剛性を主にベアリングの軸受けにより維持される簡単な構造としたことにより、メンテナンス性が向上される。
(5)駆動装置とシャフト50との軸心を一直線に配置させた。これにより、駆動装置からシャフト50への駆動力の伝達経路の構成が簡単化されるようになり、動力伝達の効率が高められるとともに、設計が容易にもなる。
(6)開口部57の周方向への開口をシャフト50の中心軸(軸心C2)に対して270度以上にした。これにより、貫通孔59hから第2のアーム15側に引出された配線ケーブルCBは、同配線ケーブルCBの両外側面に広いスペースを有するようになり、シャフト50が旋回されるとき、同配線ケーブルCBの両外側面が貫通孔59hの開口部57の旋回方向の端部に接触しない中心角が大きくなる。これにより、このような貫通孔59hにより配線ケーブルCBが内部配置されるロボットの旋回範囲を広くすることができる。また、配線ケーブルCBが開口部57の旋回方向の端部に接しない角度が大きくなれば、旋回時に配線ケーブルCBに応力や張力が印加されるおそれも低減され、配線ケーブルCBの機械的な信頼性が維持されるようにもなる。
(7)開口部57の中心角が最も大きいときに柱状部50Bの外側面57Fと内側面57Rとの間の肉厚が同シャフト50のシャフト径D1の1/5以上とした。これにより、シャフト50がその基端部と先端部との間に大きな開口部57を有するような場合であれ、シャフト50の肉厚を十分に維持することにより、シャフト50の先端部に伝達される回転駆動力をシャフト50の基端部を介して第1のアーム13に伝達することができるようになる。
(8)シャフト50において、天面56の下面、柱状部50B、底円部58及び貫通孔59hを構成する各表面は、それぞれ段差などの角部を有さない連続面として形成し、さらにそれら連続面同士も角部を有さない滑らかな一体の連続面として形成した。これにより、シャフト50は、貫通孔59hが形成された場合であれ応力集中を生じるような角部を有する非連続面などが形成されないことから、その機械的な信頼性が確保されるようになる。配線ケーブルCBは、貫通孔59hが連続面であれば同面との間に生じる摩擦力が低く抑えられるようになり、機械的な信頼性の低下が抑制されるようになる。
(9)第1のアーム13を中空としたことにより、シャフト50内から第1のアーム13内まで配線ケーブルCBを内部配置することができるようになる。また、配線ケーブルCBがシャフト50内及び第1のアーム13内を通るためにその対環境性能がより一層高められる。さらに、ロボット内部の気密性が求められるクリーン環境などにおいては、シャフト内及びアーム内を通じてロボット先端までの内部空間を気密することもできるようになる。
(10)第2のアーム15において配線ケーブルCBを後端側に引出すようにした。これにより、軸心C2を中心としたとき、第2のアーム15の前後の質量のバランス均衡がわずかながらも改善される。また通常、第2のアーム15の後方部分の利用価値が低いので、後方部分に配線ケーブルCBを引き回すことにより第2のアーム15の前方部分における各種装置の配置の自由度が制約されない。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、配線ケーブルCBの先端部分は第2のアーム15に支持具60及び固定具61により固定された。しかしこれに限らず、配線ケーブルの先端部分はアームに移動可能な態様で保持されてもよい。例えば、図6に示すように、第2モーターM2の周囲に軸心C2を中心に回転可能な回転具65を設け、配線ケーブルの先端部分を支持具66と固定具61とを介して回転具65に連結させてもよい。これにより、配線ケーブルCBはシャフト50の回転により開口部の周方向端部にその外側面が接触するような場合でも、回転具65の回動可能な範囲だけさらにシャフト50の回転につれまわされるようになる。すなわち、配線ケーブルには開口部の周方向端部から高い張力やよじれ等が印加されることが抑制されつつ、シャフトの回転角度すなわちアームの回動角度を大きくすることができるようになる。これにより、アームの旋回角度を広くしつつ、配線ケーブルの機械的な信頼性が維持されるようになる。
・上記実施形態では、配線ケーブルCBの先端部分はフランジ25Fに支持具60及び固定具61により固定された。これに限らず、配線ケーブルは開口部よりももっと上方、例えばモーターの反出力軸側端部に固定されるようにしてもよい。これによれば、開口端から先端部までの配線ケーブルの配置距離が長くなり、配線ケーブルの外側面がシャフトの回転により開口部の周方向端部に接触して引っ張られるような場合であれ、従来に加えて多少の角度例えば5〜6度であれば、配線ケーブルに高い張力やよじれ等が印加されることが抑制されるようにもなる。さらに、予め従来よりも多めの弛み(遊び)を与えておくこともできるようにもなり、これによっても、配線ケーブルに高い張力やよじれ等が印加されることが抑制されるようにもなる。その結果、配線ケーブルの機械的な信頼性が好適に維持されるようにもなる。
・上記実施形態では、開口部57は第2のアーム15の後方に向かって開口された。しかしこれに限らず、開口部はアームのどちら側に向いていてもよい。一般的に、アームの後方はその利用可能性が低く配線の配置には適しているが、アームの仕様に応じてその向きを自由に変更することができることにより、このようなシャフトのロボットへの適用の自由度が大きくなる。
・上記実施形態では、第1のアーム13はアルミニウムなどにより形成されたが、金属材料としては、特にアルミニウムに限定されるものではなく、アームとしての高い剛性を維持することができる材料であれば、例えば、ステンレスや、鉄、鋳物などや、それら金属やアルミニウムの少なくとも1つを含む合金であってもよい。さらには、それらを含む複数の金属や、樹脂材料の組合せにより形成されるものであってもよい。これにより、アームの選択自由度が高められる。
・上記実施形態では、第1のアーム13は金属材料が押し出し材化により形成された。しかしこれに限らず、アームは高い剛性を有しかつ内部空間を有するように形成されるのであれば、鋳物やプレス、溶接加工や穴あけ加工などにより形成されてもよい。これによってもアームの選択自由度が高められる。
・上記実施形態では、柱状部50Bの柱厚T3はシャフト径D1の1/2以下であるとともに1/5以上の厚みであった。しかしこれに限らず、柱状部は、上部突起とシャフト部との間で軸心を中心とした回転運動を伝達可能であれば、柱状部の柱厚がシャフト径D1の1/2よりも厚くても、シャフト径D1の1/5より薄くてもよい。すなわち、この値はロボットの運動特性やアーム材料などにより適切な値が異なるものであり、予め行われる実験や試験などにより適切な値が定められるようにしてもよい。これにより、ロボットの動作に応じたシャフトの形成の自由度が高められる。
・同様に、円筒部59のアーム先端側の肉厚(厚みT2)とアーム後端側の肉厚(厚みT1)の値の和はシャフト径D1の1/2以下であるとともに1/5以上の厚みであった。しかしこれに限らず、円筒部が2つのアームを高い剛性にて連結可能であるならば、各厚みの和の値がシャフト径D1の1/2よりも厚くても、シャフト径D1の1/5より薄くてもよい。また、厚みT1が厚みT2と同じかそれより厚くてもよい。すなわち、この値もロボットの運動特性やアーム材料などにより適切な値が異なるものであり、予め行われる実験や試験などにより適切な値が定められるようにしてもよい。これによっても、ロボットの動作に応じたシャフトの形成の自由度が高められる。
・上記実施形態では、柱状部50Bは、軸心C2からの中心角θ1がおよそ90度以下の角度、本実施形態では70〜80度とされた。しかしこれに限らず、貫通孔に接続配線が適切に配線され、シャフトの回転角度が必要とされる角度だけ回転可能であるのであれば、柱状部の軸心からの中心角θ1は90度よりも大きくてもよい。すなわち、この値についてもロボットの運動特性やアーム材料などにより適切な値が異なるものであり、予め行われる実験や試験などにより適切な値が定められるようにしてもよい。これによっても、シャフトを形成する際の形状の自由度が高められる。
・上記実施形態では、第2モーターM2、減速機26及びシャフト50とがそれら軸心を軸心C2に同心とし、軸心C2上に一列に配置された。しかしこれに限らず、シャフトに回転運動を伝達することができるのであれば、各軸心は全てが一列に並ぶ必要はない。例えば、入力軸と出力軸とが同心でない減速機の各軸に対応するモーターやシャフトの各軸心を対応させるように配置してもよいし、モーターをシャフトに平行に並べてモーターと減速機と間における回転力をプーリーとベルトにて伝達させるようにしてもよい。これにより、モーター、減速機及びシャフトの配置の自由度が高められ、このような関節部の構造の採用可能性が高められる。
・上記実施形態では、ベアリングB2はボールベアリングであったが、これに限らず、ベアリングはその他の構造の軸受け、例えばクロスローラ軸受け、ころ軸受け、すべり軸受けなどであってもよい。これにより、ベアリングの選択自由度が高められるようになる。
・上記実施形態では、第1のアーム13と第2のアーム15はシャフト50により連結されている簡単な構造であることから、第1のアーム13と第2のアーム15とが対向している部分の構造も簡単化されている。このことから、各アーム間におけるシャフトの周囲の利用可能性が高められ、例えば対向するアームの間にシャフト周囲を囲むシールを設置して、シャフト周囲の気密性を高めることなどが容易に行なえるようにもなる。例えばこのような気密性が各アーム間、及びアームと基台間において確保される場合には、ロボット全体としての気密性が高められるようになり、クリーンルームなど、気密性が要求する環境下へのロボットの採用可能性も高められるようになる。
・上記実施形態では、第1のアーム13はシャフト50を介してベアリングB2により第2のアーム15に高い剛性のもとに連結された。しかしこれに限らず、第1のアーム13と第2のアーム15の間の剛性はその他の構成、例えば第1のアーム13と第2のアーム15との剛性を確保するベアリング機構などをシャフトの外周に設ける構成などにより確保されてもよい。これにより、ロボットの関節部の構成の自由度が高められ、このように接続配線を内部配置する構成の利用可能性が高められる。
・上記実施形態では、第1のアーム13と第2のアーム15の関節部にシャフト50が設けられたが、これに限らず、シャフトは基台11と第1のアーム13との関節部の回転軸として設けられてもよい。例えば図7に示されるように、基台11内に第1モーターM1に減速機(図示略)を介して連結されたシャフト70を設けてもよい。この場合、シャフト70には、上記実施形態の開口部57や貫通孔59hと同様の開口部77や貫通孔78を設け、そのフランジ70FにはベアリングB1の内側リングをナット71により固定し、ベアリングB1の外側リングを基台11の上面11aに固定具72により固定する。そして、フランジ70Fに第1のアーム13の基端部を連結固定することにより、第1のアーム13を軸心C1に対して回動可能に基台11に支持することができる。これにより、配線ケーブルCBを、基台11の内部からシャフト70の開口部77と貫通孔78及び第1のアーム13の連結孔13bを通じて第1のアーム13の内部にまで、内部配置させることができるようになる。このことにより、このような構造がロボットの関節部に適用されるようになり、ロボットへの接続配線の内部配置が好適に行われるようになる。
・上記実施形態では、シャフト50は鋳物により形成された。しかしこれに限らず、シャフト50は軸心を中心とした回転に対して必要な剛性を有しかつ貫通孔を有するように形成されるのであれば、例えば穴あけ加工や切削加工、溶接などおよびそれらの組み合わせなどにより形成されてもよい。これによってシャフトの選択自由度が高められる。
11…基台、11a…上面、12…回転軸装置、13…第1のアーム、13a,13b…連結孔、13c…内部空間、14…支持軸装置、15…第2のアーム、15A…上下回転軸筒、16…上下回転軸、17…下端部、20…筐体、21…カバー、22…底面、22a…補強部、22h…下軸孔、23…上面、23a…補強部、23h…上軸孔、24…モーター保持筒、25F…フランジ、26…減速機、26F…フランジ、50…シャフト、50A…上部突起、50B…柱状部、50F…フランジ、51…ナット、52…固定具、55…ねじ孔、56…天面、57…開口部、57F…外側面、57R…内側面、58…底円部、59…円筒部、59h…貫通孔、60,66…配線保持装置を構成する支持具、61…配線保持装置を構成する固定具、65…配線保持装置を構成する回転具、70…シャフト、70F…フランジ、71…ナット、72…固定具、77…開口部、78…貫通孔、B1,B2…ベアリング、C1,C2,C3…軸心、CB…配線ケーブル、M1…第1モーター、M2…第2モーター、M3…回転モーター、M4…昇降モーター、B2a…内側リング、B2b…外側リング。

Claims (4)

  1. 中空部を有する基台と、
    前記基台に第1の回動軸周りに回動可能に接続され、中空部を有する第1の中空軸部材と、
    前記第1の中空軸部材に接続され、中空部を有する第1のアームと、
    前記第1のアームに接続され、中空部を有する第2の中空軸部材と、
    前記第2の中空軸部材に第2の回動軸周りに回動可能に接続され、中空部を有する第2のアームと、
    前記第2のアームを駆動する駆動装置と、
    前記基台の中空部、前記第1の中空軸部材の中空部、前記第1のアームの中空部、前記第2の中空軸部材の中空部及び前記第2のアームの中空部に配置される接続配線と、を備え、
    前記第1の中空軸部材は、前記第1の回動軸に直交する方向から見て、第1の開口部を有し、
    前記第1の開口部は、前記基台の内部に位置し、
    前記第2の中空軸部材は、前記第2の回動軸に直交する方向から見て、第2の開口部を有し、
    前記第2の開口部は、前記第2のアームの内部に位置し、
    前記接続配線は、前記第2のアームの内部において、前記駆動装置よりも前記第2のアームの後端側で固定されている、ことを特徴とする水平多関節型ロボット。
  2. 前記第1の中空軸部材及び前記第2の中空軸部材は、前記第1のアームの内部に位置しないことを特徴とする請求項1に記載の水平多関節型ロボット。
  3. 前記基台は、前記基台に設けられたベアリングを介して前記第1の中空軸部材を回動可能に支持しており、
    前記第1の中空軸部材は、前記ベアリングの内側に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の水平多関節型ロボット。
  4. 前記第1の中空軸部材は、円筒形状であり、
    前記第1の開口部は、前記第1の中空軸部材の側面に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水平多関節型ロボット。
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