JP6012168B2 - 内装壁面角部の仕上げ構造、および、内装壁面角部の施工方法 - Google Patents

内装壁面角部の仕上げ構造、および、内装壁面角部の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、内装壁面角部の仕上げ構造、および、内装壁面角部の施工方法に関するものである。
建物の内装壁面の仕上げは、石膏ボード等の内装用面材の表面に壁紙、合成樹脂クロス等を張り付ける乾式仕上げ方法や、珪藻土、モルタル等を塗り付ける湿式仕上げ方法により行われている。
内装壁面の中でも、内装用面材の端部を突き合わせて形成される角部(出入隅部)は、物がぶつかりやすい為、仕上げにおいては、紙、ガラスネットのテープ、プラスチック及び金属製のコーナー材を使用して保護することが必要とされている。
このため、図1に示すように、内装用面材11の端部を突き合せて形成された角部(出入隅部)を、合成樹脂、金属などでできたコーナー材12で補強する。そして、さらにコーナー材の表面及びその周辺部を厚さ0.5mm程度以下のパテ材で下地処理13(パテ処理)を行った後に、下地処理13部分およびその周辺に仕上げ塗材14(内装クロス仕上げや塗装仕上げなど)による仕上げ塗りを行う方法が一般的に用いられている。なお、図1中では、角部の構造が分かり易いように、コーナー材12、下地処理13、仕上げ塗材14は角部の高さ方向の途中までしか記載していないが、実際には角部の高さ方向全体に実施される。
ここで、下地処理は、仕上げ塗材との接着性の増強や、色むらの防止、不陸調整(表面に凹凸部がないように処理すること)等のために行われるものである。
コーナー材は合成樹脂製や金属製のものが一般的に使用されており、その表面は撥水性を有している。このため、コーナー材の上に仕上げ塗材を直接塗布すると、水引(吸水性)が悪く、コーナー材を介した部分と、それ以外の部分とで色むらを生じる場合がある。また、コーナー材と仕上げ塗材との接着性も不十分となり、養生中や施工後に極めて軽微な力が加えられただけで容易に剥離してしまう場合があり、これらの問題を解決するために、従来、下地処理は必須の工程であった。
具体的には、例えば、特許文献1には、合成樹脂を薄板状に成形した基材(コーナー材)の表面に表面改質層を塗布した後、パテによる下地処理を行う例が記載されている。
また、特許文献2には、突き合せ部分に紙製の補強テープを貼り付け、さらにその表面に石膏系薄塗り下地材、仕上げ材を塗る例が記載されている。
これらの従来技術においては、合成樹脂または紙製の下地材(コーナー材)の上にさらに、パテ材による下地処理工程を行う必要があったため、工程が多く作業が煩雑になる、パテ材の乾燥に時間を要する、必要な材料の数が増えるという問題があった。
さらに、コーナー材、パテ材と仕上げ塗材(仕上げ材)の組み合わせによっては、馴染みが悪くなり表面状態の差などにより表面むらが生じる場合や、各部材間の界面で剥離もしくはクラックが発生する場合があった。これは、各材料の材料特性(強度、乾燥速度、寸法変化等)の違いにより生じるものであり、これを避けるためには、最適な組み合わせを選択する必要があるが、その組み合わせは多数あり、材料の選定が非常に煩雑であった。
また、特許文献2においては、上記従来技術の問題に加えて、下地材として紙製の補強テープが使用されているため施工はし易くなるものの、合成樹脂等と比較すると強度が低く、補強テープが吸水するため、強度の低下、膨れや反りを生じる等の問題もあった。
特開平10−140780号公報 特開2001−59324号公報
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、コーナー材で補強した後パテ材による下地処理を行うことなく、仕上げ塗材で施工可能であり、強度が高く、吸水による変形や強度の低下が生じにくい内装壁面角部の仕上げ構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明は、
内装用面材の端部を突き合わせて形成した角部に、
横断面がL字形状のコーナー材が接着層を介して接着、固定され、
前記コーナー材の接着層を設けた面と反対側の面には、平均粒径が1nm以上0.2μm以下の樹脂ポリマーを含む溶液系または分散液系プライマーを、前記プライマーの塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下になるように塗布することにより、プライマー層が形成され、前記プライマー層が形成されたコーナー材、および、前記内装用面材の表面に仕上げ塗材塗布されたことを特徴とする内装壁面角部の仕上げ構造を提供する。
本発明によれば、内装壁面角部の仕上げ構造として、内装用面材により形成された角部にコーナー材による補強を行った後、パテ材による下地処理を行うことなく、仕上げ塗材での施工が可能となる。このため、従来と比較して、必要な材料が少なくなり、作業工程が少なくできる。さらには、パテ材の乾燥時間等により作業が中断されることないため、作業時間を短縮することが可能になる。
また、得られた内装壁面角部の仕上げ構造は従来のものと比較して同等以上の接着強度、せん断強度を有し、外観上も膨れや反り、色むらがなく直角性の良好なものとすることができる。
従来の内装壁面角部の仕上げ構造の説明図 本発明の第1の実施形態に係る内装壁面角部の仕上げ構造の説明図 本発明の第1の実施形態に係る内装壁面角部の仕上げ構造に用いるコーナー材の説明図 実施例、比較例における接着試験の試験装置の説明図 実施例、比較例におけるせん断強度試験の試験装置の説明図
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[第1の実施形態]
本実施形態では、本発明の内装壁面角部の仕上げ構造について説明する。
本発明の内装壁面角部(以下単に「角部」とも記載する)の仕上げ構造は、まず、内装用面材の端部を突き合わせて形成した角部に、横断面がL字形状のコーナー材が接着層を介して接着、固定されている。ここで、前記コーナー材の接着層とは反対側の面には、平均径が1nm以上0.2μm以下の溶液系または分散液系プライマーを、前記プライマーの塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下になるように塗布することにより、プライマー層が形成されている。
そして、前記プライマー層が形成されたコーナー材及び前記内装用面材の表面に仕上げ塗材を塗布したものである。
具体的な内装壁面角部の仕上げ構造および詳細を図2、図3により説明する。
図2は、本発明の内装壁面角部の仕上げ構造の斜視図である。図1と同じ部材については同じ番号を付している。
まず、構造について説明すると、2枚の内装用面材11は、その端部が直角になるように突き合せてあり、角部を形成している。なお、角部としては、入り隅(凹状の角部)、出隅(凸状の角部)いずれであっても良い。
そして、内装用面材11により形成された角部には、コーナー材12が図示しない接着層を介して装着、固定されている。コーナー材12の接着層が設けられた面とは反対側の面には、プライマーが塗布され図示しないプライマー層が形成されている。
さらに、コーナー材表面に設けられた前記プライマー層の表面、及び、(コーナー材によって覆われていない)コーナー材の周辺の内装用面材11の表面には仕上げ塗材14が塗布されている。
なお、角部の構造を示すために図中、コーナー材12、仕上げ塗材14は高さ方向(図中で矢印aで示す方向)の途中までしか記載していないが、実際には高さ方向全体に渡って設けてある。
次に、各部材について説明する。
まず、内装用面材11としては、特に限定されるものではなく、各種建材を用いることができる。具体的には、石膏ボード、ガラス繊維不織布入り石膏板、スラグ石膏板、繊維混入石膏板、ALC板、珪酸カルシウム板、合板、セメント板、グラスマット石膏ボード又は押出し成型板等を用いることができる。
コーナー材12について図3を用いて説明する。
図3(a)は、コーナー材の斜視図であり、図3(b)は図3(a)において、上面側からみた(図中の矢印Aの方向にみた)構造を示している。
図3に示すようにコーナー材12はその横断面がL字形状であり、内装用面材が形成する角部(内装壁面角部)に対応した形状となっている。なお、L字形状の角度は、80度以上110度以下からなることが好ましく、87度以上93度以下からなることがより好ましい。
コーナー材の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、各種樹脂(合成樹脂)や、各種金属、合金を用いることができる。
特に、コーナー材12は内装壁面角部を補強するものであるため、耐久性、強度を有するものであることが好ましい。このため、樹脂または金属の一体成型品からなることが好ましい。
コーナー材として好ましく使用できる樹脂の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ―4―メチルペンテンー1(PMP)、アイオノマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ABS樹脂(アクリロ二トリルブタジエンスチレン樹脂)、ポリスチレン(PS)、セルロース系プラスチック、テフロン(登録商標)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、メタクリル酸樹脂などのいわゆる汎用プラスチックや、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドなどのいわゆるエンジニアリング・プラスチックのうち少なくても1つもしくは2つ以上組み合わせた樹脂が挙げられる。
また、好ましく使用できる金属の例としては鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、マグネシウム、ニッケル、チタン、亜鉛等の各種金属や、超硬合金、ステンレス、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の各種合金のうち1つもしくは2つ以上組み合わせた金属が挙げられる。
なお、金属、樹脂いずれか一方のみからなるものである必要はなく、金属表面を樹脂でコートしたもののように複合したものであっても良い。
コーナー材のサイズについては、角部の形状や、要求される強度等に応じて選択されるものであり、限定されるものではない。
例えば、コーナー材の幅(図3中Lで表わされる部分)、すなわち、コーナー材の片側1辺の長さは、角部の強度を高め、これを保護するためには、角部を形成する内装用面材11の板厚以上であることが好ましい。しかし、必要以上に長くして角部以外の部分を覆っても角部の強度に対しては効果がない。
一般的に内装用面材の板厚は、6mm以上25mm以下のものが用いられ、9.5mm以上15mm以下の範囲のものが特に良く用いられている。このため、一般的に用いられている内装用面材の板厚を考慮すると、コーナー材の幅としては、6mm以上60mm以下とすることが好ましく、6mm以上25mm以下とすることがより好ましく、9.5mm以上15mm以下とすることが特に好ましい。
コーナー材12の厚さ(図3中Tで表わされる部分)すなわち板厚は、コーナー材の両側縁部は、外側の厚みが次第に薄くなるように傾斜面として形成することもできるが、コーナー材全体で均一であることが好ましい。その厚さは厚すぎると、仕上げ塗材を塗布した後でも凹凸が生じ外観を損ね、薄すぎると強度が低下する恐れがあることから、0.05mm以上2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがより好ましく、0.2mm以上0.3mm以下であることが特に好ましい。
そして、内装壁面角部が出隅部(凸状)の場合、これに対応するコーナー材の内側の面(図中Xで示す面)には接着層31が設けられ、内装壁面角部に接着される。
接着層31の材質については限定されるものではなく、内装用面材とコーナー材とが少なくとも剥離しない強度で接着できるものであれば良い。具体的には、両面テープ、接着剤等各種接着用の材料を用いることができる。なお、コーナー材の内側の面全面に接着層を設ける必要はなく、コーナー材と内装用面材とが接着できる程度に接着層を設けてあればよい。また、接着層はコーナー材の表面に予め設けておくこともできるし、角部に接着する際、現場で該コーナー材および/または対応する角部に設けてもよい。
そして、この場合、コーナー材の外側の面(図3中Yで示す面)には、プライマー処理が施され、プライマー層32が形成される。
プライマー処理に用いるプライマーとしては、例えば、一般的に建築資材など工業用途で用いられている各種プライマーを好ましく使用することができる。
そして、プライマーに含まれる樹脂ポリマーが、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなることが好ましく、該樹脂ポリマーを溶媒中に含むプライマーを好ましく用いることができる。
前記樹脂ポリマーとしては、アクリル変性ウレタン、変性ポリアミド、ユリア、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、ウレタン、構造用アクリル、ポリエステル、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールなどのいわゆる熱硬化性樹脂または酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン・酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル、ポリアミド、セルロース、α−オレフィン、水性高分子−イソシアネートなどのいわゆる熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。
より好ましくは、アクリル変性ウレタン、アクリルが挙げられる。
溶媒については、一般的にプライマーで用いられる溶媒であれば特に限定されることなく使用することができる。例えば、溶媒種類としては、水、エタノールなどのアルコール類を用いることができる。
また、プライマー液の固形分濃度は、30質量%以上70質量%以下からなることが好ましく、40質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。
さらに、前記プライマーの樹脂ポリマーの平均粒径は、1nm以上0.2μm以下であることが好ましい。これは、粒径が0.2μmより大きいと、仕上げ塗材とコーナー材との接着強度が低下する場合があるためである。また、1nmよりも小さいと、凝集し易くなり取り扱いが困難になるためである。
なお、本発明における平均粒径とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径を意味している。
そして、前記コーナー材に塗布したプライマーの塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下であることが好ましい。これは、プライマーの塗布量が純分換算で1g/m未満であると、コーナー材と仕上げ塗材との接着強度が低下し、仕上げ塗材の表面にひび割れや色むらを生じる恐れがあるためである。また、過剰に塗布しても効果がなく、コスト上問題であるため、1000g/m以下であることが好ましい。さらに、上記純分換算でのプライマー塗布量は30g/m以上100g/m以下であることがより好ましい。
なお、純分換算とは、以下の換算式により算出されるもので、式中プライマー純分とは、プライマー溶液中に含まれる樹脂ポリマーの濃度(重量%)を示している。
純分換算(g/m)=プライマー塗布量(g/m)×プライマー純分÷100
前記コーナー材に行うプライマー処理は、予め該コーナー材に塗布しても、角部(出入り隅部)を処理する際、現場で該コーナー材に塗布してもよい。
さらに、前記プライマー層上に(仕上げ塗材を塗布する前に)ガラステープが貼付けられていることが好ましい。これは、コーナー材の表面にさらにガラステープを貼り付けることにより強度を高めることができるためである。この場合、前記プライマー層が形成され、前記ガラステープが貼付けられたコーナー材、および、前記内装用面材の表面に仕上げ塗材を塗布することとなる。
用いるガラステープのサイズ、種類は限定されるものではないが、厚さが厚くなりすぎると外観に影響を与え、薄すぎると効果がないことから、厚さ0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。
なお、ここまで、角部が出隅部(凸状)の場合を例に説明してきたが、角部が入隅部(凹状)の場合についても同様に本発明を適用できる。ただし、角部が入り隅部(凹状)の場合は、コーナー材の外側の面(図3でのY面)が内装用面材(角部)と接着される面となり、内側の面(図3でのX面)が仕上げ塗材が塗布される面となる。このため、接着層が図3でのY面、プライマー層が図3でのX面に形成される、すなわち、図3(b)において、接着層が32、プライマー層が31となる。係る構成以外はこれまで説明したものと同様の構成となる。
次に仕上げ塗材14について説明する。まず、仕上げ塗材としては、例えばセメント系、石膏系、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系、樹脂系等の仕上げ塗材が知られている。具体的な成分としては、焼き石膏、または、炭酸カルシウムを主原料とし、結合材、さらには、必要に応じて混和材料、増粘剤、凝結遅延剤、水など混入した塗り壁材料である(JIS A 6909)。
そして、セメント系仕上げ塗材とは、結合材としてセメント又はこれにセメント混和用ポリマーディスパージョンを混合した仕上げ塗材をいう。
また、石膏系とは、結合材として石膏を、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系については、結合材として消石灰及び/又はドロマイトを、樹脂系とは結合材として合成樹脂や、合成樹脂エマルション、水溶性樹脂又は水溶性樹脂に合成樹脂エマルションを混合したものをそれぞれ使用した仕上げ塗材をいう。
本発明において仕上げ塗材は、セメント系仕上げ塗材、石膏系仕上げ塗材、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系仕上げ塗材、樹脂系仕上げ塗材の中から選択された一種を用いることが好ましい。
仕上げ塗材中の各種成分の比率は限定されるものではなく、要求される強度や、外観等により選択することができる。
例えば、石膏系仕上げ塗材を用いる場合、100重量部の焼石膏当たり13重量部以上20重量部以下の無機質混和材、および、(100重量部の焼石膏当たり)1重量部以上3重量部以下の添加材を含有することができる。
また、例えば、樹脂系仕上げ塗材を用いている場合は、100重量部の炭酸カルシウム当たり10重量部以上30重量部以下の無機質混和材、および、(100重量部の炭酸カルシウム当たり)1重量部以上5重量部以下の添加材を含有することができる。
ここで、無機質混和材として、軽量骨材、又は、クレー材料の少なくとも一方を用いていることが好ましい。軽量骨材としては、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、ガラスバルーンを好ましく用いることができる。また、クレー材料としては、珪藻土、珪砂、炭酸カルシウムを含むものを好ましく用いることができる。
そして、添加材としては、粉末状又は顆粒状の水溶性樹脂、繊維状物質、無機または有機顔料、有機酸の中から選択された少なくとも一種を好ましく使用できる。
水溶性樹脂としては例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、アクリル酸樹脂を好ましく用いることができる。繊維状物質としては、ガラス繊維やナイロン繊維を、無機もしくは有機顔料としては、酸化チタンやカーボンをそれぞれ好ましく用いることができる。有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸又はコハク酸等を好ましく用いることができる。
そして、内装壁面角部の仕上げ構造は、要求される外観とするために、仕上げ塗材の上にさらに、ペイント、クロス、湿式塗材から選択される少なくとも一種の仕上げ材を設けることもできる。
以上に説明してきた本発明の内装壁面角部の仕上げ構造においては、内装壁面角部にコーナー材による補強を行った後、パテ材による下地処理を行うことなく、仕上げ塗材一材での施工が可能となる。このため、従来と比較して、必要な材料が少なくなり、作業工程が少なくなる。また、パテ材の乾燥時間等により作業が中断されることなく施工を行うことが可能になり、工期を短縮することができる。
さらに、得られた内装壁面角部の仕上げ構造は従来のものと比較して同等以上の接着強度、せん断強度を有し、外観上も膨れや反り、色むらがなく直角性の良好なものとすることができる。
[第2の実施形態]
本発明の実施形態においては、内装壁面角部の施工方法について説明する。
本発明の内装壁面角部の施工方法とは、以下の工程を有するものである。
内装用面材の端部を突き合わせて形成した角部の施工方法であって、
少なくとも2枚の内装用面材の端部を突き合わせることにより角部を形成する工程、前記角部に接着層を介して横断面がL字形状のコーナー材を接着、固定する工程、コーナー材の、前記角部に接着する面とは反対側の面に、平均粒径が1nm以上0.2μm以下の樹脂ポリマーを含むプライマーを、塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下になるように塗布し、プライマー層を形成する工程、前記プライマー層が形成されたコーナー材及び前記内装用面材の表面に仕上げ塗材を塗布する工程。
上記した各工程は、その順に行う必要はなく、例えば、プライマー層を形成する工程はコーナー材を角部に接着する前に、予め、コーナー材の表面にプライマーを塗布して形成しておいてもよい。
上記施工方法により得られる内装壁面角部の構造としては第1の実施形態で説明した内装壁面角部の仕上げ構造と同様のものとなる。すなわち、図2に示した構造となる。
上記施工方法によれば、従来は内装壁面角部を施工する際には、角部にコーナー材を接着したあと、パテ材による下地処理が必要であったが、係る工程を省略しコーナー材表面に形成したプライマー層に直接仕上げ塗材を塗布することができる。
このため、従来の施工方法よりも作業工程が少なく、簡便に施工することが可能になる。また、パテ材を塗布、乾燥する時間を省略することが可能になり、工期の短縮にもつながる。さらに、コーナー材を接着した後、仕上げ塗材一材によって施工することが可能であることから、必要な材料数が少なくなる。そして、このように作業工程が短縮できるにもかかわらず、得られた内装壁面角部は従来のものと比較して同等以上の接着強度、せん断強度を有し、外観上も膨れや反り、色むらがなく直角性の良好なものとすることができる。
各部材について以下に説明する。
まず、コーナー材としては、第1の実施形態でも記載のように、その横断面がL字形状である部材である(図3を参照)。
その材料、サイズ等については特定されるものではないが、耐久性、強度を備えたものであることが好ましいことから、樹脂又は金属の一体成型品からなることが好ましい。
また、コーナー材の幅(図3中Lで表わされる部分)、すなわち、コーナー材の片側1辺の長さは、角部の強度を高め、これを保護するためには、内装用面材の板厚以上であることが好ましい。しかし、必要以上に長くして角部以外の部分を覆っても角部の強度に対しては効果がない。このため、例えば、一般的に用いられている内装用面材の板厚(6mm以上25mm以下、特に9.5mm以上15mm以下)を考慮すると、コーナー材の幅としては、6mm以上60mm以下とすることが好ましく、6mm以上25mm以下とすることがより好ましく、9.5mm以上15mm以下とすることが特に好ましい。
コーナー材12の厚さ(図3中Tで表わされる部分)としては、厚すぎると、仕上げ塗材を塗布した後でも凹凸が生じ外観を損ね、薄すぎると強度が低下する恐れがある。このため、その厚さは、0.05mm以上2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがより好ましく、0.2mm以上0.3mm以下であることが特に好ましい。
次に、プライマー層を形成する際に用いるプライマーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、建築資材など工業用途で用いられている各種プライマーを好ましく使用することができる。
プライマーに含まれる樹脂ポリマーとしては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなることが好ましく、該樹脂ポリマーを溶媒中に含むプライマーを好ましく用いることができる。
プライマーに含まれる樹脂ポリマーとしては、例えば、アクリル変性ウレタン、変性ポリアミド、ユリア、メラミン、フェノール、レゾルシノール、エポキシ、ウレタン、構造用アクリル、ポリエステル、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールなどのいわゆる熱硬化性樹脂または酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、エチレン・酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル、ポリアミド、セルロース、α−オレフィン、水性高分子−イソシアネートなどのいわゆる熱可塑性樹脂を好ましく用いることができる。
溶媒については、一般的にプライマーで用いられる溶媒であれば特に限定されることなく使用することができる。
前記プライマーの樹脂ポリマーの平均粒径は、1nm以上0.2μm以下であることが好ましい。これは、粒径が0.2μmより大きいと、仕上げ塗材とコーナー材との接着強度が低下する場合があるためである。また、1nmよりも小さいと、凝集し易くなり取り扱いが困難になるためである。
前記コーナー材に塗布する前記プライマーの塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下であることが好ましい。これは、プライマーの塗布量が純分換算で1g/m未満であると、コーナー材と仕上げ塗材との接着強度が低下する恐れがあるためである。また、過剰に塗布した場合プライマー層が厚くなり、層内で剥離を生じる恐れがあるため、1000g/m以下であることが好ましい。さらに、上記純分換算でのプライマー塗布量は30g/m以上100g/m以下であることがより好ましい。
そして、仕上げ塗材をプライマー層等の表面に塗布する工程の前に、前記プライマー層の表面にガラステープを貼付ける工程を設けることもできる。係る工程を行うことによって、出入り隅部(角部)の強度がより高くなるため好ましい。
コーナー材を角部に貼り付ける前に予めプライマー層を形成する工程を行っている場合には、あわせてガラステープを貼り付ける工程を予め行ってもよいし、コーナー材を角部に貼り付けた後、プライマー層形成工程を行った後に係る工程を行っても良い。
用いるガラステープのサイズ、種類は限定されるものではないが、厚さが厚くなりすぎると外観に影響を与え、薄すぎると効果がないことから、厚さ0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。
次に、仕上げ塗材としては、セメント系仕上げ塗材、石膏系仕上げ塗材、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系仕上げ塗材、樹脂系仕上げ塗材の中から選択された一種を用いることが好ましい。
仕上げ塗材中の各種成分の比率は限定されるものではなく、要求される強度や、外観等により選択することができる。
例えば、石膏系の仕上げ塗材を用いる場合、100重量部の焼石膏当たり13重量部以上20重量部以下の無機質混和材、および、(100重量部の焼石膏当たり)1重量部以上3重量部以下の添加材を含有することができる。
また、例えば、樹脂系の仕上げ塗材を用いている場合は、100重量部の炭酸カルシウム当たり10重量部以上30重量部以下の無機質混和材、および、(100重量部の炭酸カルシウム当たり)1重量部以上5重量部以下の添加材を含有することができる。
ここで、無機質混和材として、軽量骨材、又は、クレー材料の少なくとも一方を用いていることが好ましい。軽量骨材としては、パーライト、バーミキュライト、シラスバルーン、ガラスバルーンを好ましく用いることができる。また、クレー材料としては、珪藻土、珪砂、炭酸カルシウムを含むものを好ましく用いることができる。
そして、添加材としては、粉末状又は顆粒状の水溶性樹脂、繊維状物質、無機または有機顔料、有機酸の中から選択された少なくとも一種を好ましく使用できる。
水溶性樹脂としては例えば、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、アクリル酸樹脂を好ましく用いることができる。繊維状物質としては、ガラス繊維やナイロン繊維を、無機もしくは有機顔料としては、酸化チタンやカーボンをそれぞれ好ましく用いることができる。有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸又はコハク酸等好ましく用いることができる。
本実施形態の内装壁面角部の仕上げ構造においては、要求される外観とするために、前記仕上げ塗材を塗布する工程の後に、前記仕上げ塗材の上にペイント、クロス、湿式塗材から選択される少なくとも一種の仕上げ材を施工する工程を行うこともできる。
なお、内装用面材、コーナー材、接着層、プライマー層、仕上げ塗材等の各部材についてのその他の規定は第1の実施形態で説明したものと同様であるためここでは記載を省略する。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に説明する各試験方法の条件、および、以下の実施例、比較例に記載した条件に沿って試験体を作製し、性能評価を行った。
コーナー材種類、コーナー材の表面処理、下地処理(パテ処理)は、各実施例、比較例により異なるため、以下にまとめて記載した。
なお、各試験により試験体のサイズ、条件が異なることから、(同じ実施例、比較例であっても)試験ごとに試験体を作製し、各性能試験に供した。
(接着強度試験)
JIS A 6909「付着強さ試験」に準拠してコーナー材と仕上げ塗材との間の接着強度を測定した。
試験体および測定方法について図4を用いて説明する。
試験体として、コーナー材42表面に仕上げ塗材43を塗布、乾燥したものを準備した。
コーナー材42は以下の各実施例、比較例に示す各条件に沿って、表面処理、および/または、パテ処理を行った後、同様に実施例、比較例に記載された条件により仕上げ塗材43を塗布、乾燥している。
そして、コーナー材42、仕上げ塗材43を含む試験体の上下面に、アタッチメント(冶具)41を接着剤によりにセット、固定し、上下方向に引っ張り、最大引っ張り荷重を測定した。
この時、0.4N/mm以上のものを合格とし、0.4N/mm未満のものを不合格とした。
また、接着強度試験後の破断状況を調べ、界面剥離、材料破断の比率についても調べた。
接着強度試験後に上側のアタッチメントに残った(付着したままの)仕上げ塗材の面積によって、界面剥離、材料破断の比率を規定した。具体的には、全仕上げ塗材の面積のうち、コーナー材と仕上げ塗材との界面で剥離し、試験後上側のアタッチメントに付着した仕上げ塗材部分の面積比率が界面剥離、残りが材料破断の比率となる。
界面剥離は、コーナー材と仕上げ塗材との界面での剥離であり、両者の接着強度が低いほど界面剥離が発生しやすいこととなる。このため、界面剥離の比率が低いほどコーナー材と仕上げ塗材とが強力に接着していたことを示している。
(せん断強度試験)
コーナー材と仕上げ塗材との間のせん断強度は、以下の方法により測定した。
まず、試験体50の作製手順について図5(a)を用いて説明する。縁長さ200mm×幅100mm×厚さ9.5mmの2枚の石膏ボード51の縁部を突きあわせ(図5(a)中52で示される部分)、全体の大きさを長さ200mm×幅200mmにする。
次いで、長さ200mm×幅100mmのコーナー材53の裏面のうち半分(図5(a)中の54で示される部分)にエポキシ樹脂を塗布し、石膏ボードの片側に張り付けた。なお、本試験では試験装置の都合上、平板状のコーナー材を用いた。また、ここでのコーナー材の材質は以下の実施例、比較例に記載された材質のものをそれぞれ用いている。
その後、以下の実施例、比較例に記載された条件に沿って、表面処理及び/又は下地処理(パテ処理)を行った後、コーナー材及び石膏ボードの全面(コーナー材を設けた面全面)に実施例、比較例に記載された条件により石膏系仕上げ塗材を塗布、乾燥させて試験体50を作製した。
得られた試験体50を試験装置にセットし、せん断強度を測定した。
試験装置の模式図を図5(b)に示す。図5(b)は試験装置の正面図、横断面図を示している。
試験装置は上下方向へ力を印加するための引張り部と、試験体を固定するための試験体保持部をそれぞれ有する2つ部材55、56からなっている。前記試験装置の試験体保持部に、前述の工程により作製した試験体50を、石膏ボードの突合せ部52が試験装置の中央部に来るようにセットし、固定部材57により試験装置に固定する。次いで試験装置の引張り部を図中の矢印方向に引張り、せん断強度を測定した。15N/cm以上のものを合格とし、15N/cm未満のものを不合格とした。
(表面状態評価)
表面状態については、実際に内装壁材角部の仕上げ構造を作製し、外観について評価を行った。
具体的には、まず、縁長さ200mm×幅100mm×厚さ9.5mmの2枚の石膏ボードを組み合わせ出隅部を作製した。
そして、出隅部に以下の実施例、比較例の条件に沿ってコーナー材を両面テープで貼り付け、さらに、各実施例、比較例の条件に沿って、表面処理及び/又はパテ処理を施した。
その後、以下の各実施例、比較例に記載された条件により、仕上げ塗材を塗布、乾燥させて試験体を作製した。
仕上がった試験体の表面状態を観察し、膨れ、反り、表面ムラについて目視により確認、評価した。
(総合判定)
総合判定は、上記接着強度試験、せん断強度試験、膨れ・反りの判定、表面色むらの判定、直角性の判定において、いずれも不合格がない試験体については、合格とし、一つでも不合格があるものについては、不合格とした。
以下に、各実施例、比較例におけるコーナー材、コーナー材表面の処理方法、仕上げ塗材の塗布条件について説明する。
(実施例1)
厚さ0.8mmのポリ塩化ビニル製のコーナー材を使用し、その表面に樹脂ポリマーとして平均粒径が0.05μmの変性ウレタンを含むプライマーで処理を行い、プライマー層を形成した。この際のプライマー塗布量は純分換算で75g/mであった。
そして、プライマー層上に石膏系仕上げ塗材(吉野石膏(株)製 商品名:ケンコートα)を3mm塗り付け24時間室内放置後、40℃の乾燥機で恒量になるまで乾燥させた。
得られた試験体について上記性能試験を行った。結果を表1に示す。
表1によれば、十分な接着性を有し、色ムラや反りなど外観上の意匠性も問題なく出隅に必要となる直角性の基準も満たしていた。
(実施例2)
樹脂ポリマーとして、平均粒径が0.05μmのアクリルを含むプライマーを用いた以外は実施例1の場合と同様にして試験体を作製した。なお、プライマー層を形成する際のプライマー塗布量は純分換算で75g/mであった。
得られた試験体について、上記性能評価を行った。結果を表1に示す。
表1によれば、実施例1同様全ての項目で良好な結果が得られた。
(実施例3)
実施例1と同じポリ塩化ビニル製のコーナー材上に、厚さ0.3mmのガラスメッシュを貼り付け、その上に実施例1と同様に、樹脂ポリマーとして平均粒径が0.05μmの変性ウレタンを含むプライマーを塗布してプライマー層を形成した。この際のプライマー塗布量は純分換算で75g/mであった。
そして、プライマー層上に実施例1と同様の手順により、仕上げ塗材を塗布、乾燥させ、得られた試験体について上記性能試験を行った。結果を表1に示す。
表1によれば、十分な接着性を有し、さらに高いせん断強度が得られた。また色ムラや反りなど外観上の意匠性も問題なく出隅に必要となる直角性の基準も満たしていた。
(比較例1)
実施例1と同じポリ塩化ビニル製のコーナー材を使用したが、プライマー層は形成せず、また、下地処理は行わずに、実施例と同様の条件で仕上げ塗材を直接塗布、乾燥させた。性能試験の結果を表1に示す。
表1によると、界面剥離の比率が85%と高く、大部分はコーナー材と仕上げ材の界面で剥離し、接着性は不十分であった。
(比較例2)
コーナー材としては、実施例1と同じポリ塩化ビニル製のものを用いた。そして、市販の石膏系パテ材(吉野石膏(株)製 商品名:GLパテ)にて下地処理した後、実施例1と同様に仕上げ塗材を塗布、乾燥させた。性能評価の結果を表1に示す。
表1によると、ある程度の接着強度はあるが、界面剥離の比率が高く、部分的に界面で剥離していることが分かる。また、パテ材の部分によって吸水の差が生じ仕上げ材表面に色ムラが発生した。
(比較例3)
コーナー材としては、実施例1と同じポリ塩化ビニル製のものを用い、実施例1と同様に、樹脂ポリマーとして平均粒径が0.05μmの変性ウレタンを含むプライマーを塗布してプライマー層を形成した。その後、市販の石膏系パテ材(吉野石膏(株)製 商品名:GLパテ)にて下地処理を行った。
次いで、仕上げ塗材の塗布、乾燥は実施例1と同じ条件で行った。性能評価の結果を表1に示す。
表1によると、接着性は問題ないものの吸水の差により仕上げ材表面に色ムラが発生した。また、仕上げ塗材とは別材料でパテ処理を行っているため十分なせん断強度が得られなかった。
(比較例4)
コーナー材として、厚さ0.3mmの紙テープ(吉野石膏(株)製 タイガージョイントテープ)を用いた。表面処理、下地処理は行わず、仕上げ塗材を実施例1と同じ条件で直接塗布、乾燥させた。性能評価の結果を表1に示す。
表1によると、接着性は問題ないものの、紙の吸水による膨れ、反りなどの不具合が発生した。
(比較例5)
コーナー材として、厚さ0.2mmのメッシュ状のガラステープ(吉野石膏(株)製 タイガーGファイバーテープ)を用いた。表面処理、下地処理は行わず、仕上げ塗材を実施例1と同じ条件で直接塗布、乾燥させた。性能評価の結果を表1に示す。
コーナー材としてメッシュ状のガラステープを用いているため、出隅部を完全に覆うことはできない。このため、角部に石膏ボードの切断面が施工された際に、石膏ボードの切断面にあたる部分とそれ以外の面との間で吸水の差による色ムラが発生し易い。
また、コーナー材が柔軟性のある素材なので下地の形状を反映してしまい出隅に必要となる直角形状を成形することが困難となる。
(比較例6)
樹脂ポリマーとして平均粒径が0.3μmのアクリルを含むプライマーを用いてプライマー層を形成した以外は実施例1の場合と同様にして試験体を作製し、上記性能試験を行った。結果を表1に示す。なお、プライマー層を形成する際のプライマー塗布量は純分換算で75g/mであった。
プライマーに含まれる樹脂ポリマーの平均粒径が0.3μmと大きいため、接着強度が基準値以下となり、せん断強度も不十分であった。
(比較例7)
実施例1と同じポリ塩化ビニル製のコーナー材を使用した。そして、プライマーとして、平均粒径が0.1μmのアクリルを用いてプライマー層を形成した。この際のプライマー塗布量は純分換算で75g/mであった。
次いで、市販の石膏系パテ材(吉野石膏(株)製 商品名:GLパテ)にて下地処理した後、実施例1と同様の条件で仕上げ塗材を塗布、乾燥させた。性能評価の結果を表1に示す。
表1によると、接着強度は基準値以上であるが、せん断強度が不十分であり、また吸水の差により仕上げ材表面に色ムラが発生した。
Figure 0006012168
11 内装用面材
12 コーナー材
14 仕上げ塗材

Claims (18)

  1. 内装用面材の端部を突き合わせて形成した角部に、
    横断面がL字形状のコーナー材が接着層を介して接着、固定され、
    前記コーナー材の接着層を設けた面と反対側の面には、平均粒径が1nm以上0.2μm以下の樹脂ポリマーを含む溶液系または分散液系プライマーを、前記プライマーの塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下になるように塗布することにより、プライマー層が形成され、
    前記プライマー層が形成されたコーナー材、および、前記内装用面材の表面に仕上げ塗材塗布されたことを特徴とする内装壁面角部の仕上げ構造。
  2. 前記コーナー材は、樹脂または金属の一体成型品からなることを特徴とする請求項1に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  3. 前記コーナー材の厚さは0.05mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項1又は2いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  4. 前記樹脂ポリマーが、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  5. 前記仕上げ塗材は、セメント系仕上げ塗材、石膏系仕上げ塗材、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系仕上げ塗材、樹脂系仕上げ塗材の中から選択された一種であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  6. 前記石膏系仕上げ塗材は、100重量部の焼石膏当たり13重量部以上20重量部以下の無機質混和材、および、1重量部以上3重量部以下の添加材を含有することを特徴とする請求項5に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  7. 前記樹脂系仕上げ塗材は、100重量部の炭酸カルシウム当たり10重量部以上30重量部以下の無機質混和材、および、1重量部以上5重量部以下の添加材を含有することを特徴とする請求項5に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  8. 前記無機質混和材として、軽量骨材、又は、クレー材料の少なくとも一方を用いていることを特徴とする請求項6又は7に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  9. 前記添加材は、粉末状又は顆粒状の水溶性樹脂、繊維状物質、無機または有機顔料、有機酸の中から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項6乃至8いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  10. 前記プライマー層上にガラステープが貼付けられており、
    前記プライマー層が形成され、前記ガラステープが貼付けられたコーナー材、および、前記内装用面材の表面に仕上げ塗材塗布されたことを特徴とする請求項1乃至9いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  11. 前記仕上げ塗材の上に、ペイント、クロス、湿式塗材から選択される少なくとも一種の仕上げ材を設けることを特徴とする請求項1乃至10いずれか一項に記載の内装壁面角部の仕上げ構造。
  12. 内装用面材の端部を突き合わせて形成した角部の施工方法であって
    少なくとも2枚の内装用面材の端部を突き合わせることにより角部を形成する工程、
    前記角部に接着層を介して横断面がL字形状のコーナー材を接着、固定する工程、
    コーナー材の、前記角部に接着する面とは反対側の面に、平均粒径が1nm以上0.2μm以下の樹脂ポリマーを含むプライマーを、塗布量が純分換算で、1g/m以上1000g/m以下になるように塗布し、プライマー層を形成する工程、
    前記プライマー層が形成されたコーナー材及び前記内装用面材の表面に仕上げ塗材を塗布する工程を有することを特徴とする内装壁面角部の施工方法
  13. 前記コーナー材は、樹脂又は金属の一体成型品からなることを特徴とする請求項12に記載の内装壁面角部の施工方法。
  14. 前記コーナー材の厚さは0.05mm以上2mm以下であることを特徴とする請求項12又は13いずれか一項に記載の内装壁面角部の施工方法。
  15. 前記樹脂ポリマーが、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項12乃至14いずれか一項に記載の内装壁面角部の施工方法。
  16. 前記仕上げ塗材は、セメント系仕上げ塗材、石膏系仕上げ塗材、消石灰(漆喰)・ドロマイトプラスター系仕上げ塗材、樹脂系仕上げ塗材の中から選択された一種であることを特徴とする請求項12乃至15いずれか一項に記載の内装壁面角部の施工方法。
  17. 前記仕上げ塗材を塗布する工程の前に、前記プライマー層上にガラステープを貼付ける工程を有することを特徴とする請求項12乃至16いずれか一項に記載の内装壁面角部の施工方法。
  18. 前記仕上げ塗材を塗布する工程の後に、前記仕上げ塗材の上にペイント、クロス、湿式塗材から選択される少なくとも一種の仕上げ材を施工する工程を有することを特徴とする請求項12乃至17いずれか一項に記載の内装壁面角部の施工方法。
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