JP2000303393A - 複合硬化体および複合建築材料 - Google Patents

複合硬化体および複合建築材料

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JP2000303393A
JP2000303393A JP11308930A JP30893099A JP2000303393A JP 2000303393 A JP2000303393 A JP 2000303393A JP 11308930 A JP11308930 A JP 11308930A JP 30893099 A JP30893099 A JP 30893099A JP 2000303393 A JP2000303393 A JP 2000303393A
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composite cured
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specific gravity
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JP11308930A
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English (en)
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Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Kenji Sato
健司 佐藤
Toshihiro Nomura
敏弘 野村
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性および生産性を損なうことなく、曲げ
強度を向上させた複合硬化体について提案する。 【解決手段】 無機非晶質体中に繊維状物を混在し、そ
の比重を0.2〜2.2.2とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種産業用材料
として使用できる複合硬化体およびこれを用いた複合建
築材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の観点から、種々の
産業廃棄物の有効利用が検討されている。例えば、これ
まで森林資源を大量に消費してきた建築産業において
は、建築資材を新たに産業廃棄物に求めることにより、
森林資源の消費量を抑えるとともに、従来使用していた
無機ボード、例えば、珪酸カルシウム板、パーライト
板、スラグ石膏板、木片セメント板および石膏ボード等
について、その低コスト化並びに高機能化を実現するた
めの提案がなされている。
【0003】例えば、紙の製造後に発生するパルプかす
(スカム)を建築用パネルとして有効に利用すること
が、特開平7−41350号公報に開示されている。こ
の技術は、スカムを焼成して得られるシリカ、アルミナ
などの無機物をセメント、繊維および水と混合し、多孔
の鉄板に圧接するものである。また、特開平10−21
8643号公報には、廃棄物溶融スラグを含むセメント
混和材が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平7−
41350号公報の技術では、鉄板とセメントを使用す
るために加工性に乏しく、さらにセメントは養生が必要
となるから生産性が低下することが問題であった。
【0005】また、特開平10−218643号公報の
技術は、圧縮強度に優れるが曲げ強度が低いことが問題
であり、この技術を建築材料用の柱材や板材等に利用す
るには、曲げ強度を高くする必要がある。
【0006】さらに、いずれの技術でもセメントを使用
するため、釘などを打ちつけることができず、無理に打
ちつけるとクラックの発生をまねく不利がある。
【0007】そこで、この発明は、上記した諸問題を解
消し、産業廃棄物を使用するにあたり、加工性および生
産性を損なうことなく、曲げ強度を向上させた複合硬化
体とこの複合硬化体を用いた複合建築材料について提案
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨構成は、
次のとおりである。 (1)無機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その
比重が0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化
体。
【0009】(2)上記(1)において、無機非晶質体
中にAl、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、T
i、Mn、FeおよびZnから選ばれる少なくとも2種
の元素を含むことを特徴とする複合硬化体。
【0010】(3)上記(1)において、無機非晶質体
が、2種以上の酸化物の系からなり、該酸化物がAl2
3 、SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P2
5 、SO 3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe23
たはZnOから選ばれることを特徴とする複合硬化体。
【0011】(4)Al23 −SiO2 −CaO系の
非無機晶質中に繊維状物が混在してなり、その比重が
0.1〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
【0012】(5)Al23 −SiO2 −CaO−酸
化物系の無機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、そ
の比重が0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬
化体。
【0013】(6)上記(5)において、酸化物がNa
2 O、MgO、P25 、SO3 、K 2 O、TiO2
MnO、Fe23 およびZnOから選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする複合硬化体。
【0014】(7)上記(4)または(5)において、
非晶質体は、それぞれAl23 、SiO2 およびCa
Oに換算して、Al23 :複合硬化体の全重量に対し
て5〜51重量%、SiO2 :複合硬化体の全重量に対
して8〜53重量%およびCaO:複合硬化体の全重量
に対して10〜63重量%でかつ3種の合計が100重
量%を越えない範囲で含有する組成であることを特徴と
する複合硬化体。
【0015】(8)上記(1)ないし(7)のいずれか
において、繊維状物が多糖類からなる有機質繊維状物で
あることを特徴とする複合硬化体。
【0016】(9)上記(1)ないし(8)のいずれか
において、さらにハロゲンを含有することを特徴とする
複合硬化体。
【0017】(10)上記(1)ないし(9)のいずれ
かにおいて、さらに結晶体を有することを特徴とする複
合硬化体。
【0018】(11)産業廃棄物である製紙スラッジを
硬化させて成り、その比重が0.2〜2.2であること
を特徴とする複合硬化体。
【0019】(12)蛍光X線分析によりAl、Si、
Ca、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Feおよ
びZnから選ばれる少なくとも2種の元素の存在が確認
され、X線回折分析において、2θ:15°〜40°の
範囲でハローが見られる無機非晶質体中に繊維状物が混
在してなり、その比重が0.2〜2.2であることを特
徴とする複合硬化体。
【0020】(13)蛍光X線分析によりAl、Siお
よびCaの存在が確認され、X線回折分析のチャートに
おいて、2θ:15°〜40°の範囲でハローが見られ
る無機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その比重
が0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
【0021】(14)蛍光X線分析によりAl、Siお
よびCaの存在が確認され、また、これらに加えて前記
蛍光X線分析によりNa、Mg、P、S、K、Ti、M
n、FeおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素
の存在が確認され、さらにX線回折分析のチャートにお
いて、2θ:15°〜40°の範囲でハローが見られる
無機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その比重が
0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
【0022】(15)上記(13)ないし(14)のい
ずれかにおいて、繊維状物が多糖類からなる有機質繊維
状物であることを特徴とする複合硬化体。
【0023】(16)上記(13)ないし(14)のい
ずれかにおいて、さらにハロゲンを含有することを特徴
とする複合硬化体。
【0024】(17)上記(13)ないし(14)のい
ずれかにおいて、さらに結晶体を有することを特徴とす
る複合硬化体。
【0025】(18)上記(13)ないし(14)のい
ずれかにおいて、非晶質体が産業廃棄物である製紙スラ
ッジを硬化させたものであることを特徴とする複合硬化
体。
【0026】(19)上記(1)ないし(18)のいず
れかにおいて、さらに無機粉末を含むことを特徴とする
複合硬化体。
【0027】(20)上記(1)ないし(18)のいず
れかにおいて、さらに結合剤を含むことを特徴とする複
合硬化体。
【0028】(21)芯材の少なくとも片面に補強層を
形成した複合建築材料であって、該芯材に、上記(1)
ないし(20)のいずれかに記載の複合硬化体を適用し
て成ることを特徴とする複合建築材料。
【0029】(22)芯材の少なくとも片面に化粧層を
形成した複合建築材料であって、該芯材に、上記(1)
ないし(20)のいずれかに記載の複合硬化体を適用し
て成ることを特徴とする複合建築材料。
【0030】(23)芯材の少なくとも片面に電磁波シ
ールド層を形成した複合建築材料であって、該芯材に、
上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の複合硬化
体を適用して成ることを特徴とする複合建築材料。
【0031】(24)芯材の少なくとも片面に耐水紙を
貼付した複合建築材料であって、該芯材に、上記(1)
ないし(20)のいずれかに記載の複合硬化体を適用し
て成ることを特徴とする複合建築材料。
【0032】
【発明の実施の形態】この発明の複合硬化体の構造を、
図1に模式で示す。この複合硬化体1は、無機晶質体2
中に繊維状物3が混在するものであり、その比重が0.
2〜2.2であることを特徴とする。ここに、比重は、
4℃の水の密度を1とした場合の物質の密度をいう。比
重の測定は、硬化体の体積および重量を測定し、(重量
/体積)/0.999973で計算したものである。
【0033】そして、比重が0.2未満では気孔が多す
ぎて複合硬化体の強度が低下し、逆に比重が2.2を越
えると強度に占める無機非晶質体自体の影響が大きくな
りすぎて繊維状物の補強効果が相対的に低下し、やはり
強度が低下してしまう。すなわち、比重が0.2〜2.
2の範囲で実用的な圧縮強度、曲げ強度が得られるので
あり、この範囲は強度を得るための特異的な範囲と言え
る。
【0034】とりわけ、比重は、0.5〜1.8が好ま
しく、0.7〜1.4が最適である。この範囲で特異的
に釘打ちの際のクラックを抑制できるからである。比重
が0.5未満では、気孔が多すぎて気孔がクラックを進
展させてしまい、逆に1.8を越えると無機非晶質体自
体の影響が大きくなりすぎて繊維状物の補強効果が相対
的に低下し破壊靱性値が下がってクラックが生じやすく
なる。従って、0.5〜1.8の範囲に比重を調整して
はじめてクラックを抑制できるのである。
【0035】なお、クラック抑制が可能な比重範囲が、
強度を得るための範囲より狭い理由は、破壊靱性値の方
が曲げ強度などよりも気孔や繊維状物の影響を強く受け
るからであると推定している。
【0036】さらに、この発明の複合硬化体は、気孔率
が5〜60%であることが望ましい。強度向上、クラッ
ク抑制を実現できる範囲だからである。
【0037】また、この発明の無機非晶質体については
特に限定されず、Si、Al、Ca、Na、Mg、P、
S、K、Ti、Mn、FeおよびZnから選ばれる少な
くとも2種の元素を含む各種酸化物の無機非晶質体を使
用することができる。ここでいう2種以上の酸化物の系
からなる無機非晶質体とは、酸化物(1)−酸化物
(2)・・・−酸化物(n)系(但しnは自然数であ
り、酸化物(1)、酸化物(2)、・・・酸化物(n)
は、それぞれ異なる酸化物)の無機非晶質体である。こ
の非晶質体は、正確な定義づけが困難であるが、2種以
上の酸化物を固溶あるいは水和反応等させることにより
生成する、非晶質の化合物であると考えられる。
【0038】このような無機非晶質の化合物は、蛍光X
線分析により、酸化物を構成する元素(Al、Si、C
a、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Fe、Zn
から選ばれる少なくとも2種)が確認され、X線回折に
よる分析のチャートでは2θ:15°〜40°の範囲で
ハローが見られる。ハローはX線の強度の緩やかな起伏
であり、X線チャートでブロードな盛り上がりとして観
察される。ハローは半値幅が2θ:2°以上である。
【0039】この複合硬化体1は、まず無機非晶質体2
が強度発現物質となり、しかも繊維状物3が無機非晶質
体2中に分散して破壊靱性値を改善するため、曲げ強度
値や耐衝撃性を向上することができる。また、非晶質体
の方が結晶質のものより気孔を有しやすく、比重調整し
やすい。さらに、非晶質体は強度に異方性がなく均質な
硬化体が得られるだけでなく、無機非晶質体であるが故
に、低密度で充分な強度が得られるという利点もある。
【0040】なお、上記無機非晶質体が強度発現物質と
なる理由は定かではないが、結晶質の構造に比べてクラ
ックの進展が阻害されるためではないかと推定される。
また、結晶質中に比べて非晶質中の方が繊維状物が均一
に分散しやすいことから、破壊靱性値も向上すると考え
られる。
【0041】ここで、酸化物としては、金属および/ま
たは非金属の酸化物を使用でき、Al23 、SiO
2 、CaO、Na2 O、MgO、P25 、SO3 、K
2 O、TiO2 、MnO、Fe23 およびZnOから
選ばれることが望ましい。とりわけ、Al23 −Si
2 −CaO系またはAl23 −SiO2 −CaO−
酸化物系からなる無機非晶質体、もしくはこれら無機非
晶質体の複合体が最適である。なお、後者の無機非晶質
体における酸化物は、Al23 、SiO2 およびCa
Oを除く金属および/または非金属の酸化物の1種以上
である。
【0042】まず、Al23 −SiO2 −CaO系か
らなる無機非晶質体は、Al23、SiO2 およびC
aOの各成分の全部または一部が互いに固溶あるいは水
和反応などにより生成する非晶質構造を有する化合物で
ある。すなわち、Al23とSiO2 、SiO2 とC
aO、Al23 とCaO、そしてAl23 、SiO
2 およびCaOの組合せで固溶あるいは水和反応等させ
ることにより生成する化合物のいずれかを含むと考えら
れる。このような無機非晶質の化合物は、蛍光X線分析
により、Al、Si、Caが確認され、X線回折による
分析のチャートでは2θ:15°〜40°の範囲でハロ
ーが見られる。ハローはX線の強度の緩やかな起伏であ
り、X線チャートでブロードな盛り上がりとして観察さ
れる。ハローは半値幅が2θ:2°以上である。
【0043】また、Al23 、SiO2 およびCaO
以外に少なくとも1種の酸化物を加えた系、つまりAl
23 −SiO2 −CaO−酸化物系からなる無機非晶
質体は、上記Al23 −SiO2 −CaO系での組み
合わせ以外に、Al23 と酸化物、SiO2 と酸化
物、CaOと酸化物、Al23 、SiO2 および酸化
物、SiO2 、CaOおよび酸化物、Al23 、Ca
Oおよび酸化物、そしてAl23 、SiO2 、CaO
および酸化物の組合せで固溶あるいは水和反応等させる
ことにより生成する化合物のいずれかを含むと考えられ
る。
【0044】なお、前記酸化物が2以上、つまり、Al
23 −SiO2 −CaO−酸化物(1)・・・−酸化
物(n)系(nは2以上の自然数)の無機非晶質体であ
れば、これらの酸化物、例えば酸化物(1)、酸化物
(2)・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数で、酸
化物(n)は、nの値が異なればそれぞれ異なる酸化物
を意味し、かつAl23 、SiO2 、CaOを除いた
ものである)のそれぞれから選ばれる2種以上の組合せ
で固溶あるいは水和反応等させることにより生成する化
合物、Al23 、SiO2 、CaOから選ばれる2種
以上の組合せで固溶あるいは水和反応等させることによ
り生成する化合物、さらに酸化物(1)、酸化物(2)
・・・酸化物(n)(nは2以上の自然数)のそれぞれ
から選ばれる少なくとも1種と、Al23 、SiO
2 、CaOから選ばれる少なくとも1種との組合せで固
溶あるいは水和反応等させることにより生成する化合物
のいずれかを含むと考えられる。
【0045】このような無機非晶質の化合物は、蛍光X
線分析により、Al、Si、Caに加えて、酸化物を構
成する元素(Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、F
e、Znから選ばれる少なくとも1種)が確認され、X
線回折による分析のチャートでは2θ:15°〜40°
の範囲でハローが見られる。ハローはX線の強度の緩や
かな起伏であり、X線チャートでブロードな盛り上がり
として観察される。ハローは半値幅が2θ:2°以上で
ある。
【0046】ここで、Al23 、SiO2 およびCa
Oと組み合わせる酸化物は、1種または2種以上であ
り、Al23 、SiO2 、CaOを除く金属および/
または非金属の酸化物を使用でき、例えばNa2 O、M
gO、P25 、SO3 、K2O、TiO2 、MnO、
Fe23 およびZnOから選ぶことができる。この選
択は、複合硬化体に期待する特性を基準に行うことがで
きる。
【0047】例えば、Na2 OまたはK2 Oは、アルカ
リなどで除去できるため、めっき処理に先立って除去処
理を行えば、複合硬化体表面の被めっき面が粗くなって
めっきのアンカーとして作用させることができる。Mg
Oは、Al23 、SiO2 、CaOと固溶して強度発
現に寄与し、曲げ強度や耐衝撃性を大きく改善する。P
25 は、骨との癒着を助けるため生体材料(人工歯
根、人工骨)に使用する場合は特に有利である。SO3
は、殺菌作用があり抗菌建築材料に適している。TiO
2 は、白系着色材であるとともに、光酸化触媒として作
用することから、付着した有機汚染物質を強制的に酸化
でき、光を照射しただけで洗浄できるという自浄力のあ
る建築材料、あるいは各種フィルター、反応触媒として
使用できるという特異な効果を有する。MnOは暗色系
の着色材、Fe23 は明色系の着色材、ZnOは白系
の着色材として有用である。なお、これらの酸化物は、
無機非晶質体中にそれぞれ単独で存在していてもよい。
【0048】前記無機非晶質体の組成は、それぞれAl
23 、SiO2 およびCaOに換算して、Al2
3 :複合硬化体の全重量に対して5〜51重量%、Si
2 :複合硬化体の全重量に対して8〜53重量%およ
びCaO:複合硬化体の全重量に対して10〜63重量
%で、かつそれら合計が100重量%をこえない範囲に
おいて、含有することが好ましい。
【0049】なぜなら、Al23 の含有量が5重量%
未満あるいは51重量%をこえると、複合硬化体の強度
が低下し、また、SiO2 の含有量が8重量%未満ある
いは53重量%をこえても、複合硬化体の強度が低下す
る。また、CaOの含有量が10重量%未満あるいは6
3重量%をこえてもやはり複合硬化体の強度が低下する
のである。
【0050】さらに、酸化物に換算してCaO/SiO
2 の比率を0.2〜7.9、CaO/Al23 の比率
を0.2〜12.5に調整することが、強度の大きい硬
化体を得るのに有利である。
【0051】また、Al23 、SiO2 およびCaO
以外の酸化物として、Na2 O、MgO、P25 、S
3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe23 およびZ
nOの1種または2種以上を含有する場合、各成分の好
適含有量は次のとおりである。なお、これら酸化物の合
計量は、100重量%を越えないことはいうまでもな
い。 Na2 O :複合硬化体の全重量に対して0.1〜2.4重量% MgO :複合硬化体の全重量に対して0.3〜22.0重量% P25 :複合硬化体の全重量に対して0.1〜14.6重量% SO3 :複合硬化体の全重量に対して0.1〜7.0重量% K2 O :複合硬化体の全重量に対して0.1〜2.4重量% TiO2 :複合硬化体の全重量に対して0.1〜17.4重量% MnO :複合硬化体の全重量に対して0.1〜3.0重量% Fe23 :複合硬化体の全重量に対して0.2〜35.6重量% ZnO :複合硬化体の全重量に対して0.1〜3.6重量% これら酸化物の含有量を上記範囲に限定した理由は、上
記範囲を逸脱すると複合硬化体の強度が低下するからで
ある。
【0052】なお、非晶質構造か否かは、X線回折によ
り確認できる。すなわち、X線回折により2θ:15°
〜40°の領域でハローが観察されれば、非晶質構造を
有していることを確認できる。なお、この発明では、完
全に非晶質構造となっているもの以外に、非晶質構造中
に結晶体を有していてもよく、具体的にはHydrogen Alu
minium Silicate 、Kaolinite 、Zeolite 、Gehlenite,
syn 、Anorthite 、Melitite、Gehlenite-synthetic 、
tobermorite 、xonotlite 、ettringiteや、SiO2
Al 23 、CaO、Na2 O、MgO、P25 、S
3 、K2 O、TiO2 、MnO、Fe23 およびZ
nOなどの酸化物、そしてCaCO3 (Calcite )など
の結晶体が混在していてもよい。これら結晶体は、それ
自体が強度発現物質になるとは考えられないが、例え
ば、硬度および密度を高くして圧縮強度を改善したり、
クラックの進展を抑制するなどの効果があると考えられ
る。結晶体の含有量は、複合硬化体の全重量に対して
0.1〜50重量%であることが望ましい。この理由
は、結晶体が少なすぎると上記効果が得られず、逆に多
すぎると強度低下を招くからである。
【0053】ちなみに、上記Al23 −SiO2 系の
結晶性化合物がHydrogen AluminiumSilicate 、Kaolini
te 、Zeolite 、Al23 −CaO系の結晶性化合物
がCalcium Aluminate 、CaO−SiO2 系の結晶性化
合物がCalcium Silicate、Al23 −SiO2 −Ca
O系の結晶性化合物がGehlenite,syn 、Anorthite であ
り、またAl23 −SiO2 −CaO−MgO系の結
晶性化合物がMelitite、Gehlenite-synthetic である。
【0054】さらに、結晶体としてCaを含むものが望
ましく、Gehlenite,syn (Ca2 Al27 )、Meliti
te-synthetic(Ca2 (Mg0.5 Al0.5 )(Si1.5
Al 0.57 ))、Gehlenite-synthetic (Ca2 (M
0.25Al0.75)(Si1.25Al0.757 ))、Anorth
ite,ordered (Ca2 Al2 Si28 )、炭酸カルシ
ウム(Calcite )を、含有していても良い。
【0055】また、この発明の複合硬化体では、2種以
上の酸化物の系からなる無機非晶質体中に、ハロゲンを
添加してもよい。このハロゲンは、固溶体、水和物の生
成反応の触媒となり、また燃焼抑制物質として作用す
る。その含有量は、0.1〜1.2重量%が望ましい。
なぜなら、0.1重量%未満では強度が低く、1.2重
量%を越えると燃焼により有害物質を発生するからであ
る。ハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素が望まし
い。
【0056】同様に、炭酸カルシウム(Calcite )を添
加していてもよい。炭酸カルシウムそれ自体は強度発現
物質ではないが、炭酸カルシウムの周囲を無機非晶質体
が取り囲むことにより、クラックの進展を阻止するなど
の作用により強度向上に寄与すると考えられる。この炭
酸カルシウムの含有量は、複合硬化体の全重量に対して
48重量%以下が望ましい。この理由は、48重量%を
越えると曲げ強度が低下するからである。また、0.1
重量%以上が望ましい。0.1重量%未満では、強度向
上に寄与しないからである。
【0057】さらに、結合剤を添加することも、強度の
さらなる向上や、耐水性、耐薬品性および耐火性の向上
に、有利である。この結合剤としては、熱硬化性樹脂お
よび無機結合剤のいずれか一方または両方からなること
が望ましい。熱硬化性樹脂としては,フェノール樹脂,
メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユリア樹脂から選ばれる
少なくとも1種の樹脂が望ましい。無機結合剤として
は,珪酸ソーダ,シリカゲル及びアルミナゾルの群から
選ばれる少なくとも1種が望ましい。なお、熱硬化性樹
脂、例えばフェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹
脂,ユリア樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なく
とも1種以上の熱硬化性樹脂は、表面に塗布してもよ
い。
【0058】次に、この発明において無機非晶質体中に
混在させる繊維状物は、有機質および無機質のいずれで
もよい。有機質繊維状物としては、ビニロン、ポリプロ
ピレンおよびポリエチレンなどの化学繊維、そして多糖
類からなる有機質繊維状物から選ばれる少なくとも1種
を使用できるが、多糖類からなる有機質繊維状物である
ことが望ましい。なぜなら、多糖類にはOH基が存在
し、水素結合によりAl 23 、SiO2 またはCaO
の各種化合物と結合しやすいからである。
【0059】この多糖類は、アミノ糖、ウロン酸、デン
プン、グリコーゲン、イヌリン、リケニン、セルロー
ス、キチン、キトサン、ヘミセルロースおよびペクチン
から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが望ま
しい。これら多糖類からなる有機質繊維状物としては、
パルプ、パルプかす、新聞や雑誌などの古紙の粉砕物が
有利に適合する。なお、パルプは、セルロースの他にリ
グニンを10〜30重量%程度含んでいる。
【0060】一方、無機質繊維状物としては、アルミナ
ウイスカー、SiCウイスカー、シリカアルミナ系のセ
ラミックファイバー、ガラスファイバー、カーボンファ
イバー、金属ファイバーから選ばれる少なくとも1種を
使用できる。
【0061】なお、上記繊維状物の含有率は、2〜75
重量%であることが望ましい。この理由は、2重量%未
満では複合硬化体の強度が低下し、一方75重量%を越
えると防火性能、耐水性、寸法安定性などが低下するお
それがあるからである。さらに、繊維状物の平均長さ
は、10〜3000μmが望ましい。平均長さが短すぎ
ると絡み合いが生じず、また長すぎるとが空隙が生じて
無機硬化体の強度が低下しやすいからである。
【0062】以上の複合硬化体は、産業廃棄物を乾燥さ
せて凝集硬化させて得たものが推奨され、とりわけ製紙
スラッジ(スカム)を乾燥させて凝集硬化させたものが
最適である。すなわち、製紙スラッジは、無機物を含む
パルプかすであり、産業廃棄物を原料として使用するた
め低コストであり、環境問題の解決に寄与するからであ
る。しかも、この製紙スラッジは、それ自体がバインダ
ーとしての機能を有しており、他の産業廃棄物と混練す
ることにより、所望の形状に成形できる利点を有する。
【0063】また、製紙スラッジ中には、パルプの他
に、Al、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、T
i、Mn、FeおよびZnの酸化物、水酸化物、炭酸塩
あるいはこれらの複合化合物、もしくはこれらの酸化物
の前駆体であるゾル状物、またはそれらの複合物、ハロ
ゲンおよび炭酸カルシウムから選ばれる少なくとも1
種、そして水を含むのが、一般的である。とりわけ、上
質紙の古紙はカオリンや炭酸カルシウムなどのカルシウ
ム系結晶を多く含むことから、製紙スラッジは古紙を多
く含むものが適している。
【0064】なお、製紙スラッジ中の含水率は、20〜
95重量%であることが望ましい。なぜなら、含水率が
20重量%未満では、硬くなりすぎて成形が難しくな
り、一方95重量%をこえるとスラリー状になって成形
が難しくなるからである。
【0065】ここで、図2に示すように、複合硬化体1
中に、無機粉末4を混在させることが、防火性を向上さ
せたり、無機非晶質体と反応して強度発現物質を形成し
て強度を向上するのに有利であり、この無機粉末量を調
整することにより、複合硬化体の比重を調整することも
できる。
【0066】無機粉末としては、炭酸カルシウム、水酸
化カルシウム、シラス、シラスバルーン、パーライト、
水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸
カルシウム、産業廃棄物粉末から選ばれる少なくとも1
種を使用できる。特に、産業廃棄物粉末としては、製紙
スラッジの焼成粉末、ガラスの研磨屑、および珪砂の粉
砕屑から選ばれる少なくとも1種の産業廃棄物粉末を用
いることが望ましい。なぜなら、これら産業廃棄物粉末
を使用することにより、低コスト化を実現でき、さらに
環境問題の解決に寄与できるからである。
【0067】なお、製紙スラッジを焼成した無機粉末
は、製紙スラッジを300〜1500℃で加熱処理する
ことによって得られる。かくして得られる無機粉末は、
非晶質であり、強度、靱性に優れ、かつ密度も小さいた
め、複合硬化体に分散させることにより軽量化を実現で
きる。また、製紙スラッジを300℃以上800℃未満
で焼成した場合および、300〜1500℃で加熱処理
後、急冷することによって得られる無機粉末は、確実に
無機非晶質体を含むため有利である。無機粉末は、比表
面積が、1.6〜100m2 /gであることが望まし
い。1.6m2 /g未満では、無機非晶質体と無機粉末
の接触面積が小さくなり強度が低下してしまい、逆に1
00m2 /gを越えるとクラック進展や硬度の向上とい
った効果が低下して結果的に強度が低下する。
【0068】さらに、無機粉末中には、シリカ、アルミ
ナ、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化
カリウム、酸化ナトリウム、五酸化リンから選ばれる少
なくとも1種の無機物が含まれるていることが望まし
い。これらは、化学的に安定で耐候性に優れ、建築材料
などの産業材料として望ましい特性をそなえる。
【0069】この無機粉末は、その平均粒子径が小さす
ぎても大きすぎても充分な強度が得られないため、1〜
100μmの範囲にあることが望ましい。無機粉末の含
有量は、10〜90重量%であることが望ましい。すな
わち、無機粉末が多すぎると強度が低下し、逆に無機粉
末の量が多すぎるともろくなり、いずれにしても強度が
低下するからである。
【0070】この発明に従う複合硬化体は、各種産業に
おいて利用され、ケイ酸カルシウム板、パーライトボー
ド、合板、石膏ボードなどに代わる新たな建築材料を始
めとして、義肢、人工骨、人工歯根用の医療材料、プリ
ント配線板のコア基板、層間樹脂絶縁層などの電子材料
に使用することができる。
【0071】そこで、この複合硬化体の一応用例とし
て、複合建築材料について以下に説明する。すなわち、
図3に示すように、芯材5の少なくとも片面に、図示例
では両面に補強層6が形成された複合建築材料におい
て、該芯材5に、この発明の複合硬化体1を適用してな
ることを特徴とする。すなわち、芯材5をこの発明の複
合硬化体1とすることによって、この芯材に引っ張り力
が加わった場合でも、芯材自体が曲げ強度に優れている
ため、しかも芯材の表面に補強層が設けられていること
も相まって、容易に破壊が起きない構成となっている。
また、表面に局所的に圧力が加わっても凹みや窪みが生
じることもない。
【0072】さらに、この発明の複合建築材料は、その
使用に当たり、補強層6の上に塗装、化粧板および化粧
単板などによる化粧層を設けることになるから、耐衝撃
性が向上して、凹みなどの傷が生じにくくなり、化粧面
が傷により歪んで意匠性を低下させることもない。
【0073】また、補強層6は、樹脂6a中に繊維基材
6bを埋設した構造になる。この樹脂6aには、特に熱
硬化性樹脂を用いることが望ましい。すなわち、熱硬化
性樹脂は熱可塑性樹脂と異なり、耐火性に優れ高温下で
も軟化しないため、補強層としての機能が失われないか
らである。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メ
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹
脂などが適合する。そして、補強層に充分な剛性と耐衝
撃性、さらに高い耐火性を付与するには、補強層におけ
る熱硬化性樹脂の含有量を、10重量%〜65重量%の
範囲にすることが望ましい。
【0074】一方、繊維基材6bには、無機質繊維を用
いることが望ましい。なぜなら、補強層6の強度を向上
し、かつ熱膨張率を小さくすることができるからであ
る。無機質繊維には、ガラス繊維、ロックウールおよび
セラミックファイバーを用いることが、低価格でかつ耐
熱性並びに強度に優れる点で好ましい。この繊維基材
は、非連続の繊維をマット状に成形したもの、または連
続した長繊維を3〜7cmに切断してマット状にしたも
の(いわゆるチョップドストランドマット)、水で分散
させてシート状にすきあげたもの、連続した長繊維を渦
巻き状に積層しマット状にしたもの、あるいは連続した
長繊維を織りあげたものが、適用できる。
【0075】さらに、補強層の厚さは、0.2mm〜
3.5mmとすることが望ましい。この範囲に設定する
と、充分な剛性、耐衝撃性などが得られ、かつ高い加工
性を維持できるからである。なお、補強層には、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの難燃化剤、な
らびにシリカゾル、アルミナゾル、水ガラスなど一般に
使用される無機質の結合剤を添加してもよい。前記補強
層は、弾性高分子を含むことが望ましい。釘を打ちつけ
ても釘を起点としてクラックが発生せず、また、弾性高
分子が釘表面との摩擦力を確保して釘の保持力を向上さ
せることができるからである。
【0076】このような樹脂としては、熱硬化性樹脂お
よび弾性高分子からなる釘耐力付与のための樹脂組成物
が望ましい。即ち、未硬化の熱硬化性樹脂液中に弾性高
分子のエマルジョンが分散したものである。このような
樹脂が硬化することにより、熱硬化性樹脂マトリックス
の“海”の中に弾性高分子の“島”が分散した構成にな
り、樹脂の強度を確保し、また靱性を付与できるのであ
る。
【0077】前記弾性高分子は、ゴム系ラテックス、ア
クリル系ラテックス、アクリレート系ラテックス、ウレ
タン系ラテックスであることが望ましい。これらは、未
硬化の熱硬化性樹脂液中に液状で分散させることができ
るからである。熱硬化性樹脂、弾性高分子とも液状であ
るため、多孔質基材や繊維質基材に含浸させやすい。
【0078】前記ゴム系ラテックスは、ニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(S
BR)がよい。前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがよ
い。
【0079】前記熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の
重量比は、95/5〜65/35であることが望まし
い。この理由は、熱硬化性樹脂量が多すぎると靱性が低
下して、クラックが発生しやすくなり、釘の保持力が低
下し、逆に弾性高分子が多すぎると樹脂強度が低下し
て、釘の保持力が低下してしまう。このように、釘の保
持力は、熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の重量比
が、95/5〜65/35が最適である。
【0080】この発明においては、複合硬化体を芯材と
し、その少なくとも片面に化粧層を有していてもよい。
使用される化粧層は、メラミン樹脂塗料、メラミン樹脂
含浸紙、ポリエステル樹脂塗料、ジアリルフタレート樹
脂含浸紙、紫外線硬化樹脂塗料、塩化ビニル樹脂フィル
ム、ウレタン樹脂塗料、ポリアクリルウレタン、ふっ化
ビニル樹脂フィルム、化粧板から選ばれる少なくとも1
種の樹脂系化粧層、天然木単板(ローズ、チーク、マ
ツ、タモ、ナラ、スギ)、天然石、人造石、カーペッ
ト、塩化ビニルタイル、布製カーペット、化粧合板、畳
などを使用することができる。
【0081】前記化粧板は、フェノール樹脂含浸コア
層、メラミン樹脂含浸パターン層、メラミン樹脂含浸オ
ーバーレイ層からなる3層構造の化粧板やメラミン樹脂
含浸バッカー層、フェノール樹脂含浸コア層、メラニン
樹脂含浸パターン層、メラミン樹脂含浸オーバーレイ層
からなる4層構造の化粧板を使用できる。特にコア層と
してフェノール樹脂含浸コア層を持つ化粧板の場合は、
表面強度が著しく高くなるため、床材などへの応用でき
る。この化粧層の厚みは、0.1〜10mmであること
が望ましい。
【0082】なお、この発明の建築材料においては、芯
材と化粧層の間に樹脂および繊維基材からなる補強層が
形成されてなることが望ましい。耐衝撃性をさらに向上
させることができ、過酷な耐久性が要求される床材への
応用も可能だからである。この補強層を構成する樹脂
は、熱硬化性樹脂が望ましい。熱硬化性樹脂は熱可塑性
樹脂と異なり、耐火性に優れ、高温化でも軟化しないた
め、補強層としての機能が失われないからである。さら
に、この発明の複合硬化体は、耐水性、強度を向上させ
るために、少なくとも片面に耐水紙を貼付して複合建築
材料に供してもよい。
【0083】以下に、この発明の複合硬化体および複合
建築材料の製造方法について説明する。まず、複合硬化
体の製造方法は、次のとおりである。すなわち、複合硬
化体の原料には、製紙スラッジを使用する。製紙スラッ
ジとしては、印刷・情報用紙、クラフト紙、チタン紙、
ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生
理用品、タオル用紙、工業用雑種紙、家庭用雑種紙を抄
造した際に排出される製紙スラッジを使用することが望
ましい。市販の製紙スラッジとしては、丸東窯材社が取
扱う「サイクロン灰」「生スラッジ」などを使用でき
る。
【0084】この製紙スラッジを、所望の型枠に流し込
んだり、フィルターを配設した型枠に流し込んだ後、プ
レスして水分を除去したり、あるいは製紙スラッジのス
ラリーを抄造するなどの方法にて、成形を行う。そし
て、成形後、加熱温度20〜160℃で乾燥、硬化させ
ると、複合硬化体が得られる。この加熱温度が高すぎる
と、変形やクラックなどが発生し、一方低すぎると乾燥
に長時間を必要とし、生産性が低下してしまう。
【0085】特に、複合硬化体を板状に成形するには、
製紙スラッジをコンベアで搬送しながら、ロールで押さ
えてシート状の成形体にし、このシート状成形体を加熱
温度80〜160℃で加熱しながら圧締し、板状の芯材
に成形する。その際の圧力は1〜400kgf/cm2
が適当である。圧力を適宜変えることにより、比重を調
整することができる。例えば、350kgf/cm2
概ね比重が1.4となる。なお、圧締とは、圧力をかけ
たまま保持することをいう。そして、圧締時に付与され
る圧力によって、繊維状物は加圧方向と横切る向きに配
向される結果、芯材の曲げ強度を向上することができ
る。また、加圧することにより水分が排除されて結晶化
の進行が抑制されるから、非晶質体の形成に有利であ
る。
【0086】比重の調整方法としては、加圧時の圧力を
変える以外に、無機粉末を添加する方法、あるいは各種
発泡剤を添加して無機非晶質体に気泡を形成する方法な
どがある。
【0087】さらに、製紙スラッジに無機粉末を添加し
て混合した後、加熱硬化させることにより、複合硬化体
中に無機粉末を分散させることができる。
【0088】なお、製紙スラッジ以外にも、原料として
金属アルコキシドや金属水酸化物を使用することができ
る。例えば、Al、Si、Caのアルコキシドや水酸化
物の混合物と故紙を粉砕した粉砕物を混合して、酸また
たアルカリの存在下で加水分解、重合反応させてゾルと
し、このゾルを乾燥硬化させてゲル化してもよい。この
ようなゲルは、結果的にAl23 、SiO2 、Ca
O、Na2 O、MgO、P25 、SO3 、K2 O、T
iO2 、MnO、Fe23 およびZnOなどの酸化物
を固溶あるいは水和反応させて得られる化合物と同一と
なると推定している。
【0089】ちなみに、製紙スラッジを使用した技術が
種々散見されるが、いずれもこの発明とは技術内容が異
なる。すなわち、特開昭49−86438号公報には、
パルプかす(セルロース成分)と石灰かすとを混合して
ホットプレスしたものが開示されているが、パルプかす
はセルロールを意味しており、この発明のように製紙ス
ラッジ中の無機成分を利用するものではなく、無機非晶
質中に繊維が分散したものでもない。このため石灰かす
の粒界で破断したり、クラックの進展を防止できず、曲
げ強度や圧縮強度に問題が残る。しかも、石灰かすは、
製紙パルプ液を燃焼させた結晶質体(酸化カルシウム)
であり、この発明の非晶質体とは明らかに区別されるも
のである。
【0090】また、特開平7−47537号、同7−6
9701号、同6−293546号および同5−270
872号各公報にはセメントと無機補強繊維とを複合し
た技術が、特開平10−15923号公報にはパルプス
ラッジと結晶質である石膏を混合する技術が、特開昭4
9−2880号公報にはパルプ廃棄物中の繊維のみに着
目した技術が、そして特開昭53−81388号公報に
はパルプかす中の繊維(繊維20%、土砂0.01%)
と木屑を混ぜて成形したものが、それぞれ記載されてい
るが、いずれの技術も、この発明のような無機非晶質体
中に繊維状物質を分散させたものとは異なる。
【0091】さらに、特開昭51−30088号公報に
は、パルプ廃棄物の焼成灰と軽量無機材料を成形する技
術で記載されているが、焼成条件等が記載されておら
ず、非晶質の焼成灰を得ることできない。特開平8−2
46400号公報には、製紙スラッジではなく故紙パル
プそのものを使用する技術である。特開昭48−443
49号公報には、有機質と無機質を含むパルプ廃棄物と
高分子エマルジョンなどを混合した技術が示されている
が、無機質とは酸化珪素、酸化アルミニウムおよび酸化
鉄をいい、実質的に各1種類の金属酸化物を指してお
り、この発明のような2種以上の金属酸化物が複雑な非
晶質系を構成するものとは異なる。そして、特開昭49
−99524号公報には、セラミック化(多結晶体)し
た基材が示されているが、この発明のような非晶質系と
は異なる。
【0092】また、複合建築材料は、以下のように製造
する。まず、製紙スラッジを、従来公知の円網抄造、長
網抄造、脱水プレス、押出し成形などの方法にてシート
状に成形した後乾燥したり、混合物をコンベアで搬送し
ながらロールで押さえてシート状成形体とする。一方、
繊維基材に樹脂を含浸させ、25〜70℃で加熱処理し
て、乾燥させて補強シートとする。次いで、シート状成
形体と補強シートを積層し、加熱しながら圧締し、芯材
(複合硬化体)と補強層からなる複合建築材料に成形す
る。ここでの加熱温度は、80〜200℃、圧力は1〜
400kgf/cm2 程度が適当である。この圧締によ
って繊維状物が配向されて曲げ強度を高くすることがで
き、また圧力をかけることにより水分を除去できるか
ら、水を取り込んで結晶化が進行しすぎることを防止で
きる。
【0093】なお、上記製法に代えて、無機質繊維のマ
ットに樹脂組成物を含浸、乾燥した後、加熱プレスし、
熱硬化性樹脂を硬化せしめて成形して補強層とし、この
補強層を接着剤にて予め硬化しておいた芯材に貼付する
方法でもよい。
【0094】また、ガラス繊維、ロックウール、セラミ
ックファイバーの繊維表面にフェノール樹脂などの熱硬
化性樹脂を別構成でコーティングしておき、これらの繊
維からなる繊維基材をシート状成形体上に積層して加熱
プレスする方法も採用できる。この繊維表面に熱硬化性
樹脂を別工程でコーティングしておく方法では、含浸し
た樹脂との密着性が向上し、また繊維同士を接着しやす
く、さらに樹脂の含浸率を改善できるため有利である。
このようなコーティングの方法としては、前記繊維基材
に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸し乾燥せしめる方法、あ
るいはガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバ
ーの原料溶融物をノズルから流出させて、ブローイング
法あるいは遠心法により繊維化し、この繊維化と同時に
フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の溶液を吹きつける
方法がある。
【0095】なお、繊維基材の構成材料として、ガラス
繊維、ロックウール、セラミックファイバーを使用する
場合は、シランカップリング剤をコーティングしておく
とよい。このようにして得られた複合建築材料の表面、
裏面に塗装を施したり、化粧板、化粧単板を接着剤等で
貼りつけることができる。塗装は、各種顔料、インクな
どを印刷、吹きつけすることにより行う。また、化粧板
は、フェノール樹脂含浸コア層、メラミン樹脂含浸パタ
ーン層、メラミン樹脂含浸オーバーレイ層からなる3層
構造の化粧板や、メラミン樹脂含浸バッカー層、フェノ
ール樹脂含浸コア層、メラミン樹脂含浸パターン層、メ
ラミン樹脂含浸オーバーレイ層からなる4層構造の化粧
板を使用できる。特に、コア層としてフェノール樹脂含
浸コア層を持つ化粧板の場合は、表面強度が著しく高く
なるため、床材などへの応用が可能である。また、化粧
単板としては、スギ、ヒノキ等の高級木材を使用でき
る。なお、補強層を形成する代わりに熱硬化性樹脂、例
えばフェノール樹脂,メラミン樹脂,エポキシ樹脂,ユ
リア樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1
種以上の熱硬化性樹脂を複合硬化体の表面に塗布してお
いてもよい。
【0096】
【実施例】(実施例1)未焼成の製紙スラッジ(丸東窯
材社が扱う「生スラッジ」:固形分34重量%水分66
重量%)1512gを用意した。次いで、製紙スラッジ
をコンベアで搬送しながら、350kgf/cm2 の圧
力を加えながら、厚さ10mmのシート状成形体とし
た。このシート状成形体を100℃で加熱して板状の複
合硬化体とした。かくして得られた複合硬化体を、蛍光
X線分析装置(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析した
ところ、酸化物に換算して下記の組成であることが判っ
た。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量減
少量から測定した。 記 パルプ: 50.4重量%, MgO: 1.4 重量% SiO2 : 25.2重量%, SO3 : 0.5 重量% Al23 :14.0重量%, P25 :0.2 重量% CaO: 8.0重量%, Cl: 0.2 重量% TiO2 : 1.0重量%, ZnO: 0.1 重量% その他 微量 また、得られた複合硬化体は長方形の板であるため、各
辺の長さを測定すれば体積が測定され、さらに重量を測
定すれば、比重を計算できる。比重は、1.5であっ
た。なお、複合硬化体の側面を光学顕微鏡(50倍)で
観察したところ、加圧方向に直交する向きに繊維が配向
していた。
【0097】(実施例2)未焼成の製紙スラッジ(丸東
窯材社が扱う「生スラッジ」 固形分34重量%水分6
6重量%)1512gを用意した。次いで、この製紙ス
ラッジをコンベアで搬送しながら、3kgf/cm2
圧力を加えながら、厚さ10mmのシート状成形体とし
た。このシート状成形体を100℃で加熱して板状の複
合硬化体とした。かくして得られた複合硬化体を、蛍光
X線分析装置(Rigaku製 RIX2100 )をを用いて分析し
たところ、酸化物に換算して下記の組成であることが判
った。なお、パルプについては、1100℃で焼成して重量
減少量から測定した。 パルプ: 46.0重量%, TiO2 :1.0 重量% Al23 : 14.0重量%, SO3 : 1.0 重量% Al23 : 14.0重量%, SO3 : 1.0 重量% CaO: 8.0重量%, P25 :0.2 重量% Na2 O: 0.2重量%, Cl: 0.3 重量% K2 O: 0.2重量%, その他: 微量 Fe23 : 0.2重量%, 実施例1と同様に測定した比重は、1.2であった。
【0098】(実施例3)製紙スラッジの焼成物(丸東
窯材社が扱う「サイクロン灰」)103重量部と、実施
例1の未焼成の製紙スラッジ1209重量部とを混練し
た。なお、焼成スラッジの組成は、蛍光X線分析装置
(Rigaku製 RIX2100 )を用いて分析を行い、各酸化物
に換算して次のとおりであった。 (製紙スラッジの焼成物) SiO2 34.1重量% MgO 6.0 重量% Al23 20.7重量% P25 2.7 重量% Fe23 12.4重量% TiO2 1.0 重量% CaO 21.3重量% SO3 0.5 重量% Cl 0.2 重量% ZnO 0.1 重量% その他 微量 平均粒子径 11.0μm 真比重 2.756 比表面積 19.0m2 /g 実施例1と同様に測定した比重は、0.8であった。次
いで、混練物をコンベアで搬送しながら、3kgf/c
2 の圧力を加えながら、厚さ10mmのシート状成形
体とした。このシート状成形体を110℃で加熱して板
状の複合硬化体とした。
【0099】(実施例4)実施例1と同様であるが、圧
力を400kgf/cm2 として、比重を1.9に調整
した。
【0100】(実施例5)実施例2と同様であるが、界
面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)
0.1g添加し攪拌した。攪拌することにより、発生す
る気泡により比重を0.4に調整した。
【0101】(実施例6)シート状ガラス繊維に硬化剤
を添加したフェノール樹脂溶液を含浸(含浸量固形分換
算45%)した後、80℃の温度にて20分間乾燥させ
て、補強シートを得た。さらに、フェノール樹脂を芯材
の表面と裏面に塗布して80℃の温度にて20分間乾燥
させた。次いで、実施例2と同様にシート状成形体を成
形した。そして、補強シートをシート状成形体の表面お
よび裏面に載置し、110℃の温度にて圧力7kgf/
cm2 で20分間プレスし、表裏両面で厚さ1mmの補
強層および厚さ10mmの芯材からなる複合建築材料を
製造した。さらに、この複合建築材料の表面に厚さ0.
2mmの杉板の化粧単板を酢酸ビニル接着剤を介して貼
付した。実施例1と同様に測定した芯材の比重は、1.
8であった。
【0102】(実施例7)実施例1の未焼成の製紙スラ
ッジ1512重量部およびフェノール樹脂378重量部
を混練し混練物を得た。得られた混練物をコンベアで搬
送しながら、3kgf/cm2 の圧力を加えながら、厚
さ10mmのシート状成形体とした。このシート状成形
体を110℃加熱して板状の複合硬化体とした。実施例
1と同様に測定した比重は、1.4であった。この複合
硬化体の両面に厚さ18μmの銅箔を酢酸ビニル接着剤
を介して貼付し、電磁波シールド層とした。
【0103】(実施例8)実施例1の未焼成の製紙スラ
ッジ1200重量部、フェノール樹脂600重量部およ
び製紙スラッジの焼成物(丸東窯材社が扱う「サイクロ
ン灰」)600重量部を混練し混練物を得た。この混練
物をコンベアで搬送しながら、3kgf/cm2 の圧力
で加圧しながら、厚さ10mmのシート状成形とした。
このシート状成形体を110℃加熱して板状の複合硬化
体とした。実施例1と同様に測定した比重は、1.2で
あった。この複合硬化体の両面にフェノール樹脂を塗布
し、この両面に耐水紙を貼付し、100°℃で1時間加
熱硬化させた。
【0104】(実施例9)基本的には、実施例1と同様
であるが、製紙スラッジ(固形分34重量%、水分66
重量%)に水を加えて固形分15重量%のスラリーと
し、このスラリー300kgを脱水プレス法にて95k
gf/cm2 の圧力を加えながら、厚さ10mmのシー
ト状成形体とした。次いで、このシート状成形体を10
0℃で加熱して板状の複合硬化体とした。
【0105】(実施例10)基本的には、実施例2と同
様であるが、製紙スラッジ(固形分34重量%、水分6
6重量%)に水を加えて固形分20重量%のスラリーと
し、このスラリー250kgをコンベアで搬送しながら
65kgf/cm2 (6.37MPaの圧力を加えて、
100℃で加熱乾燥させて厚さ10mmの板状の複合硬
化体とした。
【0106】(比較例1)実施例1と同様であるが、圧
力を500kgf/cm2 として、比重を2.2に調整
した。
【0107】(比較例2)実施例2と同様であるが、界
面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム)
0.1g添加し攪拌した。攪拌することにより、発生す
る気泡により比重を0.4に調整した。
【0108】(比較例3)焼成スカム60重量部、水3
6重量部、セメント100重量部およびビニロン繊維
0.3重量部を強制攪拌ミキサで3分間混合してスラリ
を調製し、このスラリを型に流し込み、150〜180
kgf/cm2 で加圧した後、脱型した。
【0109】(比較例4)石灰系下水汚泥溶融スラグ
(大阪市下水道公社品で主要化学成分が下記のもの)を
ボールミルにて粉砕し、粉末度が比表面積で0.35m
2 /g(プレーン値3500cm2 /g)となるように
粉砕したもの5重量部に、普通ポルトランドセメント
「秩父小野田社品」を95重量部混合し、さらにセメン
ト中のSO3 量が2重量%となるように天然石膏にて調
整して混合セメント組成物を製造した。このセメントと
砂を1:3の割合で混合し、3日間放置した。
【0110】 記 SiO2 : 33.4 重量%, MgO: 2.4 重量% Al23 : 14.2 重量%, P25 : 7.0 重量% Fe23 : 5.0 重量%, NaO: 0.7 重量% CaO: 33.9 重量%, K2 O: 0.7 重量%
【0111】以上の実施例および比較例で得られた複合
硬化体および複合建築材料について曲げ強度、圧縮強
度、加工性および釘打ち性について試験を行った。その
結果を表1に示す。なお、試験方法は、曲げ強度がJI
S A6901に、また圧縮強度がJIS A 541
6に規定された方法に、それぞれ準じて測定した。ま
た、加工性は、木工用丸鋸にて切断加工を行い、加工性
を判断した。さらに、釘打ち性については、直径4m
m、長さ50mmの釘を打ちつけ、クラックの有無を調
べた。
【0112】
【表1】
【0113】また、実施例1および実施例3の複合硬化
体について、X線回折により結晶構造を確認した。その
X線回折のチャートを、図4および図5に、それぞれ示
す。なお、X線回折は、Rigaku製 MiniFlex を使用し、
Cuをターゲットとした。2θ=15°〜30°の領域
にゆるやかな起伏(ハロー)が観察されるとともに、結
晶構造を示すピークも観察され、非晶質構造中に結晶構
造が混在していることが判る。また、ピークからは、炭
酸カルシウムの結晶(Calsite)、Kaolinite 、SiO2
の結晶体が同定された。炭酸カルシウムの含有量は、換
算値で複合硬化体に対して9.8重量%であった。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の複合硬
化体は、加工性および生産性に優れ、かつ高い曲げ強度
を有し、また、産業廃棄物を使用するため、安価な材料
となるため、様々な分野での有利な適用が可能であり、
とりわけ、釘の打ち込みが可能であるところから、建築
材料に最適な素材を低コストで提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図2】 この発明の複合硬化体の断面模式図である。
【図3】 この発明の複合建築材料の断面模式図であ
る。
【図4】 X線回折のチャートである。
【図5】 X線回折のチャートである。
【符号の説明】
1 複合硬化体 2 無機非晶質体 3 繊維状物 4 無機粉末 5 芯材 6 補強層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 健司 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1の1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 (72)発明者 野村 敏弘 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1の1 イビデ ン株式会社大垣北工場内 Fターム(参考) 2E162 CE08 EA18 FA05 FA09 FA13 FA14 FA16 FA19 FA20 FB07 FC01 FC02 FD04 FD06 FD08 4F100 AA00A AA00H AA05A AA09A AA17A AA18A AA19A AA20A AA21A AA25A AJ03A AR00B AR00C AT00B AT00C BA01 BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C BA13 DE01A DE01H DG01A DG10B DG10C DH00A EJ08 GB07 HB00B HB00C JA11A JA12A JA13A JB07B JB07C JD08B JD08C JK04 JL01 JL02 JL16A YY00A 4L055 AA20 AF09 AG01 AG03 AG15 AG16 AG17 AG18 AG19 AG20 AG36 AG79 AG94 AH01 AH29 AH34 AH37 AJ01 AJ02 AJ10 BE14 BF02 BF03 BF04 BG04 EA08 EA32 FA13 FA16 FA30 GA24 GA40 GA47

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機非晶質体中に繊維状物が混在してな
    り、その比重が0.2〜2.2であることを特徴とする
    複合硬化体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、無機非晶質体中にA
    l、Si、Ca、Na、Mg、P、S、K、Ti、M
    n、FeおよびZnから選ばれる少なくとも2種の元素
    を含むことを特徴とする複合硬化体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、無機非晶質体が、2
    種以上の酸化物の系からなり、該酸化物がAl23
    SiO2 、CaO、Na2 O、MgO、P25、SO3
    、K2 O、TiO2 、MnO、Fe23 またはZn
    Oから選ばれることを特徴とする複合硬化体。
  4. 【請求項4】 Al23 −SiO2 −CaO系の非無
    機晶質中に繊維状物が混在してなり、その比重が0.1
    〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
  5. 【請求項5】 Al23 −SiO2 −CaO−酸化物
    系の無機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その比
    重が0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化
    体。
  6. 【請求項6】 請求項5において、酸化物がNa2 O、
    MgO、P25 、SO 3 、K2 O、TiO2 、Mn
    O、Fe23 およびZnOから選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする複合硬化体。
  7. 【請求項7】 請求項4または5において、非晶質体
    は、それぞれAl23 、SiO2 およびCaOに換算
    して、Al23 :複合硬化体の全重量に対して5〜5
    1重量%、SiO2 :複合硬化体の全重量に対して8〜
    53重量%およびCaO:複合硬化体の全重量に対して
    10〜63重量%でかつ3種の合計が100重量%を越
    えない範囲で含有する組成であることを特徴とする複合
    硬化体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    繊維状物が多糖類からなる有機質繊維状物であることを
    特徴とする複合硬化体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    さらにハロゲンを含有することを特徴とする複合硬化
    体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかにおい
    て、さらに結晶体を有することを特徴とする複合硬化
    体。
  11. 【請求項11】 産業廃棄物である製紙スラッジを硬化
    させて成り、その比重が0.2〜2.2であることを特
    徴とする複合硬化体。
  12. 【請求項12】 蛍光X線分析によりAl、Si、C
    a、Na、Mg、P、S、K、Ti、Mn、Feおよび
    Znから選ばれる少なくとも1種の元素の存在が確認さ
    れ、X線回折分析において、2θ:15°〜40°の範
    囲でハローが見られる無機非晶質体中に繊維状物が混在
    してなり、その比重が0.2〜2.2であることを特徴
    とする複合硬化体。
  13. 【請求項13】 蛍光X線分析によりAl、Siおよび
    Caの存在が確認され、X線回折分析のチャートにおい
    て、2θ:15°〜40°の範囲でハローが見られる無
    機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その比重が
    0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
  14. 【請求項14】 蛍光X線分析によりAl、Siおよび
    Caの存在が確認され、また、これらに加えて前記蛍光
    X線分析によりNa、Mg、P、S、K、Ti、Mn、
    FeおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素の存
    在が確認され、さらにX線回折分析のチャートにおい
    て、2θ:15°〜40°の範囲でハローが見られる無
    機非晶質体中に繊維状物が混在してなり、その比重が
    0.2〜2.2であることを特徴とする複合硬化体。
  15. 【請求項15】 請求項12ないし14のいずれかにお
    いて、繊維状物が多糖類からなる有機質繊維状物である
    ことを特徴とする複合硬化体。
  16. 【請求項16】 請求項12ないし14のいずれかにお
    いて、さらにハロゲンを含有することを特徴とする複合
    硬化体。
  17. 【請求項17】 請求項12ないし14のいずれかにお
    いて、さらに結晶体を有することを特徴とする複合硬化
    体。
  18. 【請求項18】 請求項12ないし14のいずれかにお
    いて、非晶質体が産業廃棄物である製紙スラッジを硬化
    させたものであることを特徴とする複合硬化体。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれかにおい
    て、さらに無機粉末を含むことを特徴とする複合硬化
    体。
  20. 【請求項20】 請求項1ないし19のいずれかにおい
    て、さらに結合剤を含むことを特徴とする複合硬化体。
  21. 【請求項21】 芯材の少なくとも片面に補強層を形成
    した複合建築材料であて、該芯材に、請求項1ないし2
    0のいずれかに記載の複合硬化体を適用して成ることを
    特徴とする複合建築材料。
  22. 【請求項22】 芯材の少なくとも片面に化粧層を形成
    した複合建築材料であって、該芯材に、請求項1ないし
    20のいずれかに記載の複合硬化体を適用して成ること
    を特徴とする複合建築材料。
  23. 【請求項23】 芯材の少なくとも片面に電磁波シール
    ド層を形成した複合建築材料であって、該芯材に、請求
    項1ないし20のいずれかに記載の複合硬化体を適用し
    て成ることを特徴とする複合建築材料。
  24. 【請求項24】 芯材の少なくとも片面に耐水紙を貼付
    した複合建築材料であって、該芯材に、請求項1ないし
    20のいずれかに記載の複合硬化体を適用して成ること
    を特徴とする複合建築材料。
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KR101366581B1 (ko) 2013-10-17 2014-02-25 동위기업 (주) 플로어링 보드 제조방법

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