以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.背景
1.2.構成例
2.まとめ
<1.本開示の一実施形態>
[1.1.背景]
本開示の実施の形態について詳細に説明する前に、本開示の実施の形態の背景について説明する。
直流電源または交流電源からの電力の供給と遮断とを切り替えるために、ソリッドステートリレー(SSR)を用いる技術がある。SSRを用いて電源からの電力の供給と遮断との切り替えを行うと、SSRがオン状態のときに電圧降下が発生する。例えばSSRがオン状態の場合に、SSRによっておよそ1.6Vの電圧降下が発生するときに、仮に50Aの負荷を動作させ続けると、1.6V×50A=80Wの電力消費がSSRで発生する。そしてSSRは、この電力消費によって発熱する。SSRが発する熱を放出するためにはヒートシンクなどの放熱機構を備える必要があり、その放熱機構によって装置が大型化してしまう。
そこで、SSRによる電力消費、及び電力消費に伴うSSRの発熱を抑えるため、SSRに機械式リレーを並列に接続する技術が提案されている。しかし機械式リレーは、接点の切り替えの際にチャタリングが生じる。そこで特許文献1には、機械式リレーで発生するチャタリングの影響を抑えるために、機械式リレーの切り替えを所定時間遅延させている技術が開示されている。しかし、機械式リレーの切り替えを所定時間遅延させることで切り替えに冗長な時間がかかり、SSRによる発熱もその分多くなる。
そこで本件開示者は、上述した背景に鑑み、電力源からの電力の供給と遮断とを切り替えるためにSSRに機械式リレーを並列に接続した場合に、機械式リレーの接点の切り替えの際に生じるチャタリングの影響を切り替えに及ぼさないための技術について鋭意検討を行った。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、電力源からの電力の供給と遮断とを切り替えるためにSSRに機械式リレーを並列に接続した場合に、機械式リレーの接点の切り替えに連携してSSRのオン、オフを切り替えることで、機械式リレーの接点の切り替えの際に生じるチャタリングの影響を切り替えに及ぼさないための技術を考案するに至った。
以上、本開示の実施の形態の背景について説明した。続いて、本開示の一実施形態について説明する。
[1.2.構成例]
図1は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図1に示したスイッチング装置100は、電源(例えば直流の電力を出力する直流電源)からの電力の供給と遮断とを切り替える装置である。図1に示したように、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100は、ソリッドステートリレー(SSR)101と、機械式リレーRY1と、スイッチSW1と、を含んで構成される。
SSR101は、半導体を用いた無接点リレーである。図1に示したスイッチング装置100においては、SSR101は、電源から出力端子への電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
機械式リレーRY1は、2つの接点1a、1bを有するリレーである。機械式リレーRY1は、スイッチSW1がオン状態(クローズ状態)になると、内部に設けられるコイルに電流が流れ、その電流による電磁力によって接点1aと接続するよう切り替わる。また機械式リレーRY1は、スイッチSW1がオフ状態(オープン状態)になると、内部に設けられるコイルに電流が流れなくなり、電磁力が失われることで自動的に接点1bと接続するよう切り替わる。すなわち機械式リレーRY1は自動復帰型リレーであり、スイッチSW1がオン状態となって接点1aと接続すると、SSR101をバイパスして電源から出力端子へ電流を流す。
スイッチSW1は、機械式リレーRY1の動作を制御するスイッチである。スイッチSW1がオン状態となると、電源Vssからの電流が機械式リレーRY1に流れ、機械式リレーRY1のコイルに電流を流す。機械式リレーRY1のコイルに電流に電流が流れると、機械式リレーRY1は、その電流による電磁力によって接点1aと接続するよう切り替わる。機械式リレーRY1が接点1aと接続するよう切り替わると、電源Vssによるハイ状態の電位が抵抗R1を通じてSSR101の制御端子に印加される、電源Vssによるハイ状態の電位がSSR101の制御端子に印加されると、SSR101はオン状態になる。
一方、スイッチSW1がオフ状態となると、電源Vssからの電流が機械式リレーRY1に流れなくなり、機械式リレーRY1のコイルに電流が流れなくなる。機械式リレーRY1のコイルに電流に電流が流れなくなると、機械式リレーRY1は、その電流による電磁力を失い、接点1bと接続するよう切り替わる。機械式リレーRY1が接点1bと接続するよう切り替わると、SSR101の制御端子にはロー状態の電位が印加される、SSR101の制御端子にはロー状態の電位が印加されると、SSR101はオフ状態になる。
図2は、図1に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。上述したように、スイッチSW1がオフ状態の場合は、機械式リレーRY1に電流が流れていないので、機械式リレーRY1は接点1bと接続している。従って機械式リレーRY1の接点1bはクローズ状態であり、接点1aはオープン状態である。
スイッチSW1がオフ状態からオン状態に切り替わると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY1は接点1bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY1は接点1aと接続する。なお、機械式リレーRY1は接点1aとの接続の際にチャタリングが生じる。機械式リレーRY1が接点1aと接続するよう切り替わると、電源Vssによるハイ状態の電位が抵抗R1を通じてSSR101の制御端子に印加される、電源Vssによるハイ状態の電位がSSR101の制御端子に印加されると、SSR101はオン状態になる。
一方、スイッチSW1がオン状態からオフ状態に切り替わると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
ここで機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除すると、本来はアークが発生する。しかし、スイッチング装置100はSSR101と機械式リレーRY1とを並列に接続しており、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除した直後は、SSR101は未だオン状態を維持している。従って、図1に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1がオン状態からオフ状態に切り替わり、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑えることが出来る。
図1に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑えることが出来る。しかし、機械式リレーRY1が接点1a、1bと接続する際にはチャタリングが生じる。機械式リレーRY1が接点1aと接続する際のチャタリングには特段の問題は生じないが、機械式リレーRY1が接点1bと接続する際のチャタリングには、そのチャタリングがSSR101の制御端子に印加される電位のチャタリングとなり、SSR101のオン、オフの切り替わりが短時間で繰り返されるチャタリングにも繋がってしまう。
そこで、図1に示したスイッチング装置を改良し、機械式リレーRY1が接点1bと接続する際のチャタリングの影響を排除したスイッチング装置100の構成例を以下で説明する。
図3は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図3に示したスイッチング装置100は、電源(例えば直流の電力を出力する直流電源)からの電力の供給と遮断とを切り替える装置であり、機械式リレーRY1の接点の数が3つに増えていると共に、機械式リレーRY1とスイッチSW1との間にRSフリップフロップ回路RSFF1を接続し、機械式リレーRY1とSSR101との間にRSフリップフロップ回路RSFF2を接続していることを特徴としている。
図3に示したスイッチング装置100の機械式リレーRY1は、3つの接点1a、2a、2bを有している。機械式リレーRY1は、コイルに電流が流れると、その電流による電磁力によって接点1a、2aと接続するよう切り替わり、コイルに電流が流れなくなると、電磁力が失われることによって自動的に接点2bに接続するよう切り替わるよう動作する自動復帰型リレーである。
RSフリップフロップ回路RSFF1は、機械式リレーRY1の動作を制御する、RS型のフリップフロップ回路である。スイッチSW1と機械式リレーRY1との間に設けられているRSフリップフロップ回路RSFF1は、スイッチSW1のチャタリングを吸収するためのものである。またRSフリップフロップ回路RSFF2は、SSR101の動作を制御する回路である。
図4は、図3に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。以下、図4のタイミングチャートを用いて図3に示したスイッチング装置100の動作を説明する。
スイッチSW1が接点bに接続されている状態では、RSフリップフロップ回路RSFF1はロー状態の電位を出力するので、機械式リレーRY1に電流が流れない。機械式リレーRY1に電流が流れていないので、機械式リレーRY1は接点2bと接続している。従って機械式リレーRY1の接点2bはクローズ状態であり、接点1a、2aはオープン状態である。
スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1はハイ状態の電位を機械式リレーRY1に出力して、機械式リレーRY1に電流を流す。機械式リレーRY1はRSフリップフロップ回路RSFF1から出力される電流によって徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY1は接点2bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY1は接点1a、2aと接続するが、その接点1a、2aとの接続の際にはチャタリングが生じる。
機械式リレーRY1が接点2aと接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF2からハイ状態の電位がSSR101の制御端子に印加される、電源Vssによるハイ状態の電位がSSR101の制御端子に印加されると、SSR101はオン状態になる。SSR101がオン状態になることで、電源1からの電力が出力端子から出力される。上述したように機械式リレーRY1は接点1a、2aと接続する際にチャタリングが発生するが、SSR101がオン状態となっているために、電力の出力が遮断されることは無い。また、オン状態となっているSSR101は、機械式リレーRY1が接点1aと接触していることでショートされており、発熱が抑えられている。
一方、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するように切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1はロー状態の電位を出力するので、機械式リレーRY1に電流が流れなくなる。RSフリップフロップ回路RSFF1が機械式リレーRY1に電流を流さなくなることで、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が電磁力の減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1a、2aとの接続を解除する。さらに機械式リレーRY1が電磁力を減少させると、機械式リレーRY1は接点2bと接続するが、その接点2bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
ここで機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除すると、本来はアークが発生する。しかし、スイッチング装置100はSSR101と機械式リレーRY1とを並列に接続しており、機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除した直後は、SSR101は未だオン状態を維持している。従って、図3に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するように切り替わり、機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除してもアークの発生を抑えることが出来る。
図5は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図5に示したスイッチング装置100は、電源(例えば直流の電力を出力する直流電源)からの電力の供給と遮断とを切り替える装置であり、図3に示したスイッチング装置100と同様に、機械式リレーRY1の接点の数が3つに増えていると共に、機械式リレーRY1とスイッチSW1との間にRSフリップフロップ回路RSFF1を接続し、機械式リレーRY1とSSR101との間にRSフリップフロップ回路RSFF2を接続していることを特徴としている。さらに、図5に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に入力している。RSフリップフロップ回路RSFF1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に入力することで、スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するように切り替わる際に、SSR101をオンさせるタイミングを早めることが出来る。
すなわち、図5に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するように切り替わる際に、機械式リレーRY1の接点1a、接点2aの接続タイミングがずれた場合であっても、予めSSR101をオン状態とさせておく装置である。スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するように切り替わる際に予めSSR101をオン状態とすることで、図5に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1の接点1a、接点2aとの接触時のスパークの発生を抑えることが可能になる。
ここまで示してきたのは、1つの電源からの電力の出力と遮断とを切り替えるスイッチング装置100の構成例であった。続いて、2つの電源のいずれか一方から電力を出力するよう切り替えるスイッチング装置100の構成例について説明する。
図6は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図6に示したスイッチング装置100は、2つの電源1、2のうち、いずれか一方からの電力を出力するよう切り替える装置である。
図6に示したスイッチング装置100は、SSR101、102と、機械式リレーRY1、R2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2と、インバータ111、112と、を備える。
図6のスイッチSW1は、スイッチング装置100から電力を出力する電源を切り替えるためのスイッチである。スイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aに接続されている状態では電源1からの電力を出力し、スイッチSW1が接点bに接続されている状態では電源2からの電力を出力する。電源1、電源2は、いずれも、例えば直流の電力を供給する直流電源であるとする。
スイッチSW1と機械式リレーRY1、R2との間に設けられるRSフリップフロップ回路RSFF1は、スイッチSW1のチャタリングを吸収するためのものである。RSフリップフロップ回路RSFF1は、機械式リレーRY1、R2へ電流を出力して、機械式リレーRY1、R2を駆動させる。また機械式リレーRY1、R2の後段に設けられるRSフリップフロップ回路RSFF2は、SSR101、102の動作を制御する回路である。
図6に示したスイッチング装置100の機械式リレーRY1、R2の切り替え特性は、メーク、ブレークともにほぼ同じ時間で切り替わるものとする。
図7は、図6に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。以下、図7のタイミングチャートを用いて図6に示したスイッチング装置100の動作を説明する。
スイッチSW1が接点aに接続されている状態では、RSフリップフロップ回路RSFF1のa側の出力がハイ状態であり、RSフリップフロップ回路RSFF1のb側の出力がロー状態となっている。RSフリップフロップ回路RSFF1のa側の出力がハイ状態となっていることで機械式リレーRY1には電流が流れ、機械式リレーRY2には電流が流れていない状態になっている。
機械式リレーRY1に電流が流れているので、機械式リレーRY1は接点1aと接続している。また機械式リレーRY2に電流が流れているので、機械式リレーRY2は接点1aと接続している。機械式リレーRY1は接点1aと接続しているため、接点1bは接地されていない。従って機械式リレーRY1の接点1bからはハイ状態の電位がRSフリップフロップ回路RSFF2に出力される。機械式リレーRY2は接点1bと接続しているため、接点1bは接地されている。従って機械式リレーRY2の接点1bからはロー状態の電位がRSフリップフロップ回路RSFF2に出力される。
RSフリップフロップ回路RSFF2は、a側からはロー状態、b側からはハイ状態を出力する。RSフリップフロップ回路RSFF2の後段にはインバータ111、112が設けられているので、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力はそれぞれ反転されてSSR101、102に供給される。従ってSSR101にはハイ状態の電位が、SSR102にはロー状態の電位が、それぞれ供給される。SSR101はオン状態になり、SSR102はオフ状態になっているので、図6に示したスイッチング装置100は、電源1からの電力を出力している。
この状態から、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY2に電流を流し、機械式リレーRY2はRSフリップフロップ回路RSFF1から出力される電流によって徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY2が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY2は接点1bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY2は接点1aと接続するが、その接点1aとの接続の際にはチャタリングが生じる。しかし、機械式リレーRY2が接点1aと接続するときには、SSR102を介した電力の出力は既に始まっているので、機械式リレーRY2の接点1aとの接続の際にチャタリングが生じても、出力側が不安定になることはない。
一方、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY1に電流を流さなくなり、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
機械式リレーの特徴として、接点の復帰時間は駆動時間よりも短い。従って、図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、まず機械式リレーRY1が接点1bに接続し、その後に機械式リレーRY2が接点1aと接続するよう動作する。すなわち、図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、電源2からの電力を出力するように切り替わる。
機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除すると、本来はアークが発生する。しかし、図6に示したスイッチング装置100はSSR101と機械式リレーRY1とを並列に接続しており、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除した直後は、SSR101は未だオン状態を維持している。従って、図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するように切り替わり、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を防ぐことが出来る。
スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するよう切り替わる場合も、スイッチング装置100は同様の動作を行う。すなわち、図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するよう切り替わると、まず機械式リレーRY2が接点1bに接続し、その後に機械式リレーRY1が接点1aと接続するよう動作する。
機械式リレーRY2が接点1aとの接続を解除すると、本来はアークが発生する。しかし、図6に示したスイッチング装置100はSSR102と機械式リレーRY2とを並列に接続しており、機械式リレーRY2が接点1aとの接続を解除した直後は、SSR102は未だオン状態を維持している。従って、図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点bから離れて接点aに接続するように切り替わり、機械式リレーRY2が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑えることが出来る。
図6に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1の接続が接点aと接点bとで切り替えられても、機械式リレーRY1、RY2でのチャタリングを吸収して安定した電力の出力を継続することが出来ると共に、機械式リレーRY1、RY2でのアークの発生を抑えることができる。
図8は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図8に示したスイッチング装置100は、電源1、2のいずれか一方から電力を出力するよう切り替える装置である。
図8に示したスイッチング装置100は、SSR101、102と、機械式リレーRY1、RY2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2と、インバータ121、122と、を備える。
図8に示したRSフリップフロップ回路RSFF1は、スイッチSW1からの出力、相対するNANDゲートの出力、及び相対するリレーのブレーク接点からの信号が入力される構成となっており、これらの入力の状態によって出力が切り替わる。図8に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、R2の動作信号をスイッチSW1の切り替えに連携させている。図8に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF1に相対するリレーのブレーク接点からの信号を入力することで、機械式リレーRY1、R2の動作時間に大幅なずれが生じた場合であっても、確実な切り替えシーケンスを実現させたものである。
図9は、図8に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。以下、図9のタイミングチャートを用いて図8に示したスイッチング装置100の動作を説明する。
図8に示したスイッチSW1が接点aに接続されていると、スイッチング装置100は、機械式リレーRY1の接点1bがオープンのため、RSフリップフロップ回路RSFF2のa側の出力がハイ状態となることでSSR101をオン状態にする。スイッチング装置100は、機械式リレーRY2の接点1bがクローズのため、RSフリップフロップ回路RSFF2のb側の出力がロー状態となることでSSR102をオフ状態にする。スイッチング装置100は、図8に示したスイッチSW1が接点aに接続されていると、機械式リレーRY1に電流を流すと共にSSR101をオン状態にすることで、電源1からの電力を出力する。
この状態から、図8に示したスイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY2に電流を流し、機械式リレーRY2はRSフリップフロップ回路RSFF1から出力される電流によって徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY2が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY2は接点1bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY2は接点1aと接続するが、その接点1aとの接続の際にはチャタリングが生じる。しかし、機械式リレーRY2が接点1aと接続するときには、SSR102を介した電力の出力は既に始まっているので、機械式リレーRY2の接点1aとの接続の際にチャタリングが生じても、出力側が不安定になることはない。
一方、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY1に電流を流さなくなり、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
機械式リレーRY1、RY2が接点を切り替える際には、接触する側の接点との間でチャタリングが発生するが、解離する側の接点ではチャタリングは発生しない。そこで図8に示したスイッチング装置100は、先に解離動作を行う接点からの信号によりRSフリップフロップ回路RSFF1の出力状態が切り替わるよう構成されている。機械式リレーRY1、RY2の接触によるチャタリングは、SSR101、102の起動時間の中に含まれるので、図8に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2のチャタリングが電力の出力に影響を及ぼさないようにしている。
同様に、機械式リレーRY1、RY2の接点の解離時に本来発生するアークもSSR101、102の動作時間内に吸収されるので、図8に示したスイッチング装置100は、アークの発生を防ぐことが出来る。
さらに、経年変化により機械式リレーRY1、RY2の動作時間が変化しても、機械式リレーRY1、RY2の動作に基づいてRSフリップフロップ回路RSFF1を動作させているため、図8に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2の経年変化の影響が生じない。
図10は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図10に示したスイッチング装置100は、電源1、2のいずれか一方から電力を出力するよう切り替える装置である。
図10に示したスイッチング装置100は、SSR101、102と、機械式リレーRY1、RY2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2と、インバータ131、132と、ANDゲート133と、NANDゲート141、142と、を備える。
図10に示したRSフリップフロップ回路RSFF1は、スイッチSW1からの出力、相対するNANDゲートの出力、及びRSフリップフロップ回路RSFF2からの信号が入力される構成となっており、これらの入力の状態によって出力が切り替わる。インバータ131、132は、それぞれ機械式リレーRY1、RY2の接点1bの出力を反転させる。インバータ131、132を通じて出力される機械式リレーRY1、RY2の接点1bの出力がANDゲート133を通過することで、図10に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態、すなわち接点1bに接続されている状態でRSフリップフロップ回路RSFF2の状態の切り替えを行うので、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力が両方ともハイ状態とならないようにRSフリップフロップ回路RSFF2の動作を制御することが出来る。
図11は、図10に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。以下、図11のタイミングチャートを用いて図10に示したスイッチング装置100の動作を説明する。
図10に示したスイッチSW1が接点aに接続されていると、スイッチング装置100は、機械式リレーRY1の接点1bがオープンのため、ANDゲート133の出力(図10の構成のe点の状態)はロー状態であり、NANDゲート141、142の出力はハイ状態になる。その結果、図10に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のa側の出力がハイ状態となることでSSR101をオン状態にする。また図10に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のb側の出力がロー状態となることでSSR102をオフ状態にする。スイッチング装置100は、図10に示したスイッチSW1が接点aに接続されていると、機械式リレーRY1に電流を流すと共にSSR101をオン状態にすることで、電源1からの電力を出力する。
この状態から、図10に示したスイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY2に電流を流し、機械式リレーRY2はRSフリップフロップ回路RSFF1から出力される電流によって徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY2が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY2は接点1bとの接続を解除する。
一方、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY1に電流を流さなくなり、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続する。
ここで、図10のスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態、すなわち接点1bに接続されている状態が発生し、そのタイミングでANDゲート133の出力はハイ状態になる。その結果、図10に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のa側の出力がロー状態となることでSSR101をオフ状態にする。そして図10に示したスイッチング装置100は、SSR101がオフ状態になった後に、RSフリップフロップ回路RSFF2のb側の出力がハイ状態となることでSSR102をオン状態にする。
そして、機械式リレーRY1だけがオフ状態、すなわち接点1bに接続された状態になると、ANDゲート133の出力がロー状態となる。
図10に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1の接続が接点aと接点bとで切り替えられても、機械式リレーRY1、RY2でのチャタリングを吸収して安定した電力の出力を継続することが出来ると共に、機械式リレーRY1、RY2でのアークの発生を抑えることができる。
また図10に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態になっていることを確認してからスイッチSW1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に伝えているので、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力が両方ともハイ状態とならないようにRSフリップフロップ回路RSFF2の動作を制御することが出来る。すなわち、図10に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態になっていることを確認してからスイッチSW1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に伝えることで、2つの電源1、電源2から同時に電力が出力されることを防ぐことができる。
図12は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図12に示したスイッチング装置100は、AC(交流)電源1、2のいずれか一方から電力を出力するよう切り替える装置である。
図12に示したスイッチング装置100は、SSR101、102と、機械式リレーRY1、RY2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2と、インバータ131、132と、ANDゲート133と、NANDゲート141、142と、トリガ信号生成部(EDG)151、152と、を備える。なお、図12のSSR101、102はゼロクロス制御リレーである。
トリガ信号生成部151、152は、AC電源1、2を入力してエッジパルスを生成する。図13は、トリガ信号生成部151、152の動作を説明する説明図である。トリガ信号生成部151、152は、AC電源1、2の電圧が閾値th1、th2(th2<th1とする)を超えている期間の排他的論理和を取り、すなわちAC電源1、2の電圧が閾値th2からth1の間にある期間がハイ状態になるパルスを生成する。そしてトリガ信号生成部151、152は、このパルスの立ち上がりと立ち下がりの時点でそれぞれエッジパルスを生成する。このトリガ信号生成部151、152が生成するエッジパルスが、RSフリップフロップ回路RSFF2の状態を切り替えるトリガ信号となる。トリガ信号生成部151、152が出力するトリガ信号は、それぞれNANDゲート141、142に入力される。
すなわち図13に示したように、AC電源1、2の電圧が閾値th2を超えたタイミング、及び閾値th1を下回ったタイミングで立ち上がりエッジを出力し、AC電源1、2の電圧が閾値th1を超えたタイミング、及び閾値th2を下回ったタイミングで立ち下がりエッジを出力する。
図12に示したスイッチSW1が接点aに接続されていると、スイッチング装置100は、機械式リレーRY1の接点1bがオープンのため、ANDゲート133の出力はロー状態である。またNANDゲート141、142の出力はハイ状態になる。その結果、図12に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のa側の出力がハイ状態となることでSSR101をオン状態にする。また図12に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のb側の出力がロー状態となることでSSR102をオフ状態にする。図12に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aに接続されていると、機械式リレーRY1に電流を流すと共にSSR101をオン状態にすることで、電源1からの電力を出力する。
この状態から、図12に示したスイッチSW1が接点aから離れて接点bに接続するよう切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY2に電流を流し、機械式リレーRY2はRSフリップフロップ回路RSFF1から出力される電流によって徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY2が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY2は接点1bとの接続を解除する。
一方、RSフリップフロップ回路RSFF1は徐々に機械式リレーRY1に電流を流さなくなり、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続する。
ここで、図12のスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態、すなわち接点1bに接続されている状態が発生し、そのタイミングでANDゲート133の出力はハイ状態になる。その結果、図12に示したスイッチング装置100は、RSフリップフロップ回路RSFF2のa側の出力がロー状態となることでSSR101をオフ状態にする。そして図12に示したスイッチング装置100は、SSR101がオフ状態になった後に、RSフリップフロップ回路RSFF2のb側の出力がハイ状態となることでSSR102をオン状態にする。
図12に示したスイッチング装置100は、トリガ信号生成部151、152の出力は、それぞれNANDゲート141、142に入力している。トリガ信号生成部151、152の出力をそれぞれNANDゲート141、142に入力していることで、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態になっている間に、トリガ信号生成部151、152が出力するトリガ信号でRSフリップフロップ回路RSFF2の出力を切り替える。RSフリップフロップ回路RSFF2の出力が切り替わることでSSR101がオン状態からオフ状態に、SSR102がオフ状態からオン状態に、それぞれ切り替わる。その後、機械式リレーRY2がオンするようにRSフリップフロップ回路RSFF1のゲートが切り替わる。
図12に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1の接続が接点aと接点bとで切り替えられても、機械式リレーRY1、RY2でのチャタリングを吸収して安定した電力の出力を継続することが出来ると共に、機械式リレーRY1、RY2でのアークの発生を抑えることができる。
また図12に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態になっていることを確認してからスイッチSW1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に伝えているので、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力が両方ともハイ状態とならないようにRSフリップフロップ回路RSFF2の動作を制御することが出来る。すなわち、図12に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1、RY2が同時にオフ状態になっていることを確認してからスイッチSW1の出力をRSフリップフロップ回路RSFF2に伝えることで、2つの電源1、電源2から同時に電力が出力されることを防ぐことができる。
また図12に示したスイッチング装置100は、トリガ信号生成部151、152を設けて、電源1、2の電圧が所定の閾値t2を超えたタイミング、及び閾値t1を下回ったタイミングでトリガ信号を出力することで、ゼロクロス制御リレーであるSSR101、102のオンオフ切り替えを電源1、2の電圧が0V付近で行うことが出来る。
図14は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図14に示したスイッチング装置100は、AC(交流)電源1、2のいずれか一方から電力を出力するよう切り替える装置である。
図14に示したスイッチング装置100は、SSR101、102と、機械式リレーRY1、RY2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2と、インバータ131、132と、ANDゲート133と、NANDゲート141、142、153、154と、トリガ信号生成部151、152と、を備える。なお、図12のSSR101、102はゼロクロス制御リレーである。
図14に示したトリガ信号生成部151、152は、図13に示した立ち上がりエッジと、立ち下がりエッジと、を出力する。トリガ信号生成部151、152は、立ち上がりエッジをNANDゲート141、142に、立ち下がりエッジをNANDゲート153、154に、それぞれ出力する。NANDゲート153、154は、それぞれ、トリガ信号生成部151、152が出力する立ち下がりエッジと、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力とを入力し、入力に応じた出力をRSフリップフロップ回路RSFF1に供給する。
トリガ信号生成部151、152が立ち下がりエッジをNANDゲート153、154に出力することで、図14に示したスイッチング装置100は、トリガ信号生成部151、152が出力する立ち下がりエッジをRSフリップフロップ回路RSFF1の切り替わりのトリガにすることができる。トリガ信号生成部151、152が出力する立ち下がりエッジをRSフリップフロップ回路RSFF1の切り替わりのトリガにすることで、スイッチング装置100は、SSR101、102のオンオフ切り替えを行う期間を、図12に示した構成に比べて伸ばすことができる。
ここで、SSR101、102の構成例について説明する。図15は、スイッチング装置100が直流電源からの電力を出力する際のSSRの構成例であり、絶縁方式にMOSFETドライバを用いたSSRの構成例である。また図16は、図15に示したSSRの動作を説明する説明図である。図15に示したSSRは、図16に示したように、入力信号がオンの状態に限って負荷電流を出力する。
図17は、極性を持たないSSRの構成例であり、スイッチング装置100が直流電源からの電力を出力する場合にも、交流電源からの電力を出力する場合にも適用可能なSSRの構成例である。
図18は、スイッチング装置100が直流電源からの電力を出力する際のSSRの構成例であり、絶縁方式にフォトトライアックを用いたSSRの構成例である。また図19は、図18に示した、絶縁方式にフォトトライアックを用いたSSRの動作を説明する説明図である。図18に示したSSRは、ゼロクロス回路を用いているので、図19に示したように、入力信号がオンの状態に限って負荷電流を出力するが、交流電源から出力される電圧が0Vに達した時点で負荷電流の出力を開始及び終了する。
もちろん、SSR101、102の構成は上述したものに限定されるものでは無い。
今まで説明してきたスイッチング装置100では、機械式リレーRY1、RY2に自動復帰型リレーを用いた場合を示してきたが、本開示は係る例に限定されるものでは無い。スイッチング装置100は、電力の供給と遮断にラッチング型リレーを用いてもよい。
図20は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図20に示したスイッチング装置100の構成例は、機械式リレーRY1にラッチング型リレーを用いた場合の例である。
図20に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、スイッチSW1と、抵抗R1と、を備える。図20に示したスイッチング装置100におけるスイッチSW1はモーメンタリースイッチである。図20に示したスイッチSW1が接点aと接続している間は機械式リレーRY1のリセットコイル(R−Coil)に電流が流れる。機械式リレーRY1のリセットコイル(R−Coil)に電流が流れると、機械式リレーRY1は接点1rと接続する。機械式リレーRY1が接点1rと接続すると、接地電位がSSR101に供給されるので、SSR101はオフ状態となる。従って20に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点aと接続している間、電源からの電力を遮断する。
一方、図20に示したスイッチSW1が接点bと接続している間は機械式リレーRY1のセットコイル(S−Coil)に電流が流れる。機械式リレーRY1のセットコイル(S−Coil)に電流が流れると、機械式リレーRY1は接点1sと接続する。機械式リレーRY1が接点1sと接続すると、所定の電位VccがSSR101に供給されるので、SSR101はオン状態となる。また機械式リレーRY1が接点1sと接続すると、SSR101を迂回して電源からの電力を出力することができる。従って図20に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点bと接続している間、電源からの電力を遮断せずに出力する。
ここまで説明してきたスイッチング装置100は、電源入力、出力、リレー用の電源、グランド、スイッチSW1の入力の5つの端子が少なくとも必要であった。以下では、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたスイッチング装置を説明する。
図21は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図21に示したスイッチング装置100の構成例は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にした場合の例である。
図21に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、ダイオードD1、D2、D3と、キャパシタC1、C2と、抵抗R1と、を備える。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ流れる電流によって発生する電磁力を用いて接点を切り替えるよう動作する。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は接点1bと接続し、端子V+から端子V−へ電流が流れている場合は電磁力を用いて接点1aと接続する。SSR101は、端子Aから端子Bへの電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
図22は、図21に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。上述したように、端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は、機械式リレーRY1に電流が流れていないので、機械式リレーRY1は接点1bと接続している。従って機械式リレーRY1の接点1bはクローズ状態であり、接点1aはオープン状態である。
その後、端子V+に電圧が印加されて端子V+から端子V−へ電流が流れると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY1は接点1bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY1は接点1aと接続するが、その接点1aとの接続の際にはチャタリングが生じる。また端子V+に電圧が印加されると、その電圧がSSR101の制御端子に印加される、SSR101はオン状態になる。そして端子V+から端子V−へ電流が流れると、ダイオードD1を通じてキャパシタC1に電荷が蓄積される。
さらにその後、端子V+に電圧が印加されなくなり、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
この際、キャパシタC1は、機械式リレーRY1は接点1bと接続するまでの間、SSR101をオン状態とさせるだけの電力を蓄積できることが望ましい。またこの際、ダイオードD2が逆バイアスから解放されて導通し、キャパシタC2が機械式リレーRY1のコイルを通して動作する。すなわち、キャパシタC2は、機械式リレーRY1が接点1bと接続する際のチャタリングを吸収する。またキャパシタC2は、ダイオードD3を通してキャパシタC1の放電回路も形成するとともに機械式リレーRY1のサージを吸収させている。
従って図21に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなり、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑え、サージを吸収することが出来る。また図21に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
図23は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図23に示したスイッチング装置100の構成例は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にした場合の例である。
図23に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、ダイオードD1、D3と、キャパシタC1と、RSフリップフロップ回路RSFF2と、を備える。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ流れる電流によって発生する電磁力を用いて接点を切り替えるよう動作する。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は接点1bと接続し、端子V+から端子V−へ電流が流れている場合は電磁力を用いて接点1a、2aと接続する。SSR101は、端子Aから端子Bへの電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
RSフリップフロップ回路RSFF2は、RSフリップフロップ回路RSFF2は、SSR101の動作を制御する回路であるとともに、図21に示したスイッチング装置100のキャパシタC1の役割を果たす回路である。
図23に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は、機械式リレーRY1に電流が流れていないので、機械式リレーRY1は接点1bと接続している。
その後、端子V+に電圧が印加されて端子V+から端子V−へ電流が流れると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY1は接点1bとの接続を解除する。さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY1は接点1a、2aと接続するが、その接点1a、2aとの接続の際にはチャタリングが生じる。また端子V+に電圧が印加されると、その電圧がRSフリップフロップ回路RSFF2を通じてSSR101の制御端子に印加され、SSR101はオン状態になる。そして端子V+から端子V−へ電流が流れると、ダイオードD1を通じてキャパシタC1に電荷が蓄積される。
さらにその後、端子V+に電圧が印加されなくなり、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1a、2aとの接続を解除する。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。この際、キャパシタC1に蓄積した電力が、Vccを介して、RSフリップフロップ回路RSFF2を通じたSSR101のオン状態の継続を可能にする。
従って図23に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなり、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑えることが可能になる。また図23に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
ここまで説明してきたスイッチング装置100は、電源からの電力の遮断にリレーコイルを用いた機械式リレーを用いていた。以下では、電源からの電力の遮断に手動のスイッチを用いたスイッチング装置を説明する。
図24は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図24に示したスイッチング装置100の構成例は、端子の数を4つにして一般的なリレーと同じような接続を可能にし、さらに電源からの電力の遮断に手動のスイッチを用いた場合の例である。
図24に示したスイッチング装置100は、SSR101と、スイッチSW1と、ダイオードD1、D2、D3とツェナーダイオードDz1と、キャパシタC1、C2と、抵抗R1、R2と、MOSFET T1と、を備える。スイッチSW1は、例えばプッシュ式のスイッチであり、押し込まれていない状態では接点1bと接続し、押し込まれている状態では接点1aと接続するよう構成されたものである。SSR101は、端子Aから端子Bへの電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
図25は、図24に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。上述したように、スイッチSW1が押し込まれていない状態では、スイッチSW1は接点1bと接続している。従ってスイッチSW1の接点1bはクローズ状態であり、接点1aはオープン状態である。
その後、スイッチSW1が押し込まれると、スイッチSW1は接点1bとの接続を解除する。なお、スイッチSW1が押し込まれ、接点1bとの接続を解除した際にはキャパシタC1に電荷が蓄積されていないので、SSR101をオン状態にすることができない。さらにスイッチSW1が押し込まれると、スイッチSW1は接点1aと接続するが、その接点1aとの接続の際にはチャタリングが生じる。スイッチSW1が接点1aと接続すると、キャパシタC1は、MOSFET T1とダイオードD2とを介して充電される。キャパシタC1が充電されると、キャパシタC1の電圧で抵抗R1を介してSSR101をオン状態にすることができる。
さらにその後、スイッチSW1が接点1aとの接続を解除すると、接点1aが遮断される。スイッチSW1が接点1aとの接続を解除すると、キャパシタC1に充電された電荷が抵抗R1を介してSSR101をオン状態にし続ける。従って、スイッチSW1が接点1aとの接続を解除した際の電極間電圧は、SSR101がオン状態になっていることで、アークが発生する条件(14V)以下となる。
さらにその後、スイッチSW1が接点1bと接続すると、SSR101はオフ状態となり、さらにMOSFET T1もオフ状態となる。スイッチSW1が接点1bと接続すると、MOSFET T1が有する逆方向ダイオードと、ダイオードD2、D3の逆バイアス電圧が無くなり、抵抗R1とキャパシタC2によるフィルタ回路が構成される。抵抗R1とキャパシタC2によるフィルタ回路は、スイッチSW1が接点1bと接続する際のチャタリングを軽減させる効果を有する。
従って図24に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点1a、2aとの接続を解除しても、アークの発生を抑えることが可能になる。また図24に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
図26は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図26に示したスイッチング装置100の構成例は、端子の数を4つにして一般的なリレーと同じような接続を可能にし、さらに電源からの電力の遮断に手動のスイッチを用いた場合の例である。
図26に示したスイッチング装置100は、SSR101と、スイッチSW1と、ダイオードD1と、ツェナーダイオードDz1と、キャパシタC1と、抵抗R1と、MOSFET T1と、RSフリップフロップ回路RSFF2と、を備える。スイッチSW1は、例えばプッシュ式のスイッチであり、押し込まれていない状態では接点2bと接続し、押し込まれている状態では接点1a、2aと接続するよう構成されたものである。SSR101は、端子Aから端子Bへの電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
RSフリップフロップ回路RSFF2は、RSフリップフロップ回路RSFF2は、SSR101の動作を制御する回路であるとともに、図24に示したスイッチング装置100のキャパシタC1の役割を果たす回路である。
図26に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が押し込まれていない状態では接点2bと接続している。
その後、スイッチSW1が押し込まれると、スイッチSW1は接点1bとの接続を解除する。さらにスイッチSW1が押し込まれると、スイッチSW1は接点1a、2aと接続するが、その接点1aとの接続の際にはチャタリングが生じる。スイッチSW1は接点1a、2aと接続すると、RSフリップフロップ回路RSFF2を通じてSSR101の制御端子にハイ状態の電位が印加され、SSR101はオン状態になる。そして端子Aから端子Bへ電流が流れると、MOSFET T1がオン状態になり、MOSFET T1、ダイオードD1を通じてキャパシタC1に電荷が蓄積される。
さらにその後、スイッチSW1が接点1a、2aとの接続を解除して、接点2bと接続すると、その接点2bとの接続の際にはチャタリングが生じる。この際、キャパシタC1に蓄積した電力が、Vccを介して、RSフリップフロップ回路RSFF2を通じたSSR101のオン状態の継続を可能にする。
従って図26に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点1a、2aとの接続を解除しても、アークの発生を抑えることが可能になる。また図26に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
図27は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図27に示したスイッチング装置100の構成例は、端子の数を4つにして一般的なリレーと同じような接続を可能にした場合の例である。
図27に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、ダイオードD1、D2、D3と、キャパシタC1、C2と、抵抗R1と、を備える。図27に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1の切り替わり時のみSSR101を駆動し、その後は機械式リレーRY1を通じて通電する方式としたものである。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ流れる電流によって発生する電磁力を用いて接点を切り替えるよう動作する。機械式リレーRY1は、端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は接点1bと接続し、端子V+から端子V−へ電流が流れている場合は電磁力を用いて接点1a、2aと接続する。SSR101は、端子Aから端子Bへの電力供給経路上に設けられている。本実施形態では、SSR101は、制御端子にハイ状態の電圧が印加されるとオン状態になり、制御端子にロー状態の電圧が印加されるとオフ状態となるように構成されている。
図28は、図27に示したスイッチング装置100の動作を説明するタイミングチャートである。端子V+から端子V−へ電流が流れていない場合は、機械式リレーRY1に電流が流れていないので、機械式リレーRY1は接点1bと接続している。従って機械式リレーRY1の接点1bはクローズ状態であり、接点1a、2aはオープン状態である。
その後、端子V+に電圧が印加されて端子V+から端子V−へ電流が流れると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を発生させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力がある程度まで達すると、機械式リレーRY1は接点1bとの接続を解除する。機械式リレーRY1が接点1bとの接続を解除すると、電流i1はSSR101から流れる電流ISSRとなる。
さらに電磁力が上昇すると、機械式リレーRY1は接点1a、2aと接続するが、その接点1a、2aとの接続の際にはチャタリングが生じる。また端子V+に電圧が印加されると、その電圧がSSR101の制御端子に印加される、SSR101はオン状態になる。そして端子V+から端子V−へ電流が流れると、ダイオードD1を通じてキャパシタC1に電荷が蓄積される。なお機械式リレーRY1が接点1a、2aと接続すると、電流i1は機械式リレーRY1の接点2aを通じて流れる電流IRYとなる。
さらにその後、端子V+に電圧が印加されなくなり、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなると、機械式リレーRY1は徐々に電磁力を減少させる。機械式リレーRY1が発生させた電磁力が減少を始めると、機械式リレーRY1は接点1a、2aとの接続を解除する。機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除すると、電流i1はSSR101から流れる電流ISSRとなる。さらに電磁力が減少すると、機械式リレーRY1は接点1bと接続するが、その接点1bとの接続の際にはチャタリングが生じる。
この際、キャパシタC1は、機械式リレーRY1は接点1bと接続するまでの間、SSR101をオン状態とさせるだけの電力を蓄積できることが望ましい。またこの際、ダイオードD2が逆バイアスから解放されて導通し、キャパシタC2が機械式リレーRY1のコイルを通して動作する。すなわち、キャパシタC2は、機械式リレーRY1が接点1bと接続する際のチャタリングを吸収する。またキャパシタC2は、ダイオードD3を通してキャパシタC1の放電回路も形成するとともに機械式リレーRY1のサージを吸収させている。
従って図27に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなり、機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除してもアークの発生を抑え、サージを吸収することが出来る。また図27に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
また図27に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1が駆動して接点が接点1a、2aと接続するように切り替わった後は、機械式リレーRY1の接点2aの接触のみによる通電となる。この際、機械式リレーRY1の接点2aが酸化被膜などにより劣化したとしても、その被膜を破壊する一時的なスパークが接点2aに発生することで、機械式リレーRY1のセルフクリーニング効果を発揮させる効果を奏する。
図29は、スイッチング装置100を備えた移動体200の機能構成例を示す説明図である。移動体200は、例えば、ガソリン車のようにガソリンを動力源とする移動体であってもよく、電気自動車、ハイブリッド車、電気オートバイ等の、充放電可能なバッテリを主な動力源とする移動体であってもよい。図27には、移動体200に、バッテリ210と、バッテリから供給される電力により駆動する駆動部220と、が備えられた場合の例が示されている。駆動部220には、例えばワイパー、パワーウィンドウ、ライト、カーナビゲーションシステム、エアーコンディショナのような車両に備えられる装備品や、モーター等の移動体200を駆動させる装置などが含まれうる。
そして図29に示した移動体200には、バッテリ210から駆動部220へ直流電力が供給される経路の途中に、スイッチング装置100が設けられている。図29に示した移動体200は、バッテリ210から駆動部220へ直流電力が供給される経路上に、電流制限回路30が設けられることで、例えばバッテリ210を一時着脱させる際等にアーク放電の発生を抑えることが出来る。
なお図29には、スイッチング装置100が1つだけ備えられている移動体200の例を示したが、本開示は係る例に限定されるものではない。すなわち、スイッチング装置100は直流電力が供給される経路の途中に複数設けられても良い。またスイッチング装置100は、バッテリ210から駆動部220へ直流電力が供給される経路の途中だけでなく、他の場所、例えばバッテリ210を直流電力で充電する際の経路の途中に設けられても良い。移動体200は、バッテリ210を直流電力で充電する際の経路の途中に電流制限回路30を設けることで、安全にバッテリ210を直流電力で充電することができる。
図30は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置1000の構成例を示す説明図である。図30に示したスイッチング装置1000は、両切りの複合型継電器であり、2個の自己保持型機械式継電器MC1、MC2の一方にSSR1020を組み合わせて、アーク放電及び機械式リレーのチャタリングによる電流遮断を抑えたものである。図30に示したスイッチング装置1000は、1つのSSR1020を用いて、二線電源を切り離す際に、アークを抑制して確実に電源を切り離すことが出来るよう構成されたものである。
図30に示したスイッチング装置1000は、自己保持型機械式継電器MC1、MC2と、スイッチSW1と、RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2、RSFF3と、ANDゲート1001、1002、1003、1004、1005、1006と、NANDゲート1011、1012、1013、1014と、SSR1020と、ダイオードD9〜D12と、キャパシタC1〜C4と、抵抗R1〜R8と、を備える。RSフリップフロップ回路RSFF1、RSFF2、RSFF3と、ANDゲート1001〜1006と、NANDゲート1011、1012、1013、1014とは、本開示のタイミング調整回路の一例として機能する。
以下において、図30に示したスイッチング装置1000の動作を説明する。図31は、図30に示したスイッチング装置1000の動作を説明するタイミングチャートである。
2つの電源1p、1mから電力が出力されていない状態を初期状態とする。初期状態は、スイッチSW1がOFFで、自己保持型機械式継電器MC1はRESET状態である。初期状態では、自己保持型機械式継電器MC1の接点1bがショートし、電位はLow(L)状態である。初期状態では、自己保持型機械式継電器MC2もRESET状態であり、その接点2bがショートし、電位はLow(L)となっている。
初期状態からスイッチSW1がONに切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力a2がHigh(H)となる。RSフリップフロップ回路RSFF1の出力a2がHになると、NANDゲート1014の出力d2がLとなり、自己保持型機械式継電器MC2のSETコイルが動作する。
自己保持型機械式継電器MC2のSETコイルが動作すると、接点2bが離れ始めてLからHとなる。このとき、キャパシタC3への抵抗R4を通じた充電が始まるが、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力a2及び自己保持型機械式継電器MC2の接点2aの状態は共にHなので、ANDゲート1006の出力がHとなる。ANDゲート1006の出力がHとなると、ダイオードD12を通じて抵抗R8が加わり、抵抗R3と共に並列回路が構成される。従って、抵抗R3とキャパシタC3との積である時定数が小さくなる。抵抗R3とキャパシタC3との積である時定数が小さくなることで、自己保持型機械式継電器MC2の接点2bの電圧立ち上がりが速くなる。
その後、自己保持型機械式継電器MC2の接点2aがLとなるが、接点2aがLとなる時にチャタリングが発生するが、その接点2aのチャタリングによる電圧変化は、キャパシタC4と抵抗R4とによる充放電回路で抑制される。その後、NANDゲート1014の出力d2がHとなり、自己保持型機械式継電器MC2のSETコイルが駆動されなくなり、かつRSフリップフロップ回路RSFF3の出力e2がLからHに切り替わる。
RSフリップフロップ回路RSFF3の出力e2がHとなると、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力a2もHになっているので、ANDゲート1001の出力a1がHとなり、かつ、自己保持型機械式継電器MC1の接点1aがHなので、自己保持型機械式継電器MC1のSETコイルが動作する。
自己保持型機械式継電器MC1のSETコイルが動作すると、自己保持型機械式継電器MC1の接点1bが離れ始めHとなり、キャパシタC1への抵抗R1からの充電が始まるが、ANDゲート1001の出力a1及び自己保持型機械式継電器MC1の接点1aの状態は共にHなので、ANDゲート1004の出力がHとなる。ANDゲート1004の出力がHとなると、ダイオードD10を通じて抵抗R6が加わり、抵抗R1と共に並列回路が構成される。従って、抵抗R1とキャパシタC1との積である時定数が小さくなる。抵抗R1とキャパシタC1との積である時定数が小さくなることで、自己保持型機械式継電器MC1の接点1bの電圧立ち上がりが速くなる。
その後、自己保持型機械式継電器MC1の接点1aがLとなり、接点1aがLとなる時にチャタリングが発生し、そのチャタリングによる電圧変化はキャパシタC2と抵抗R2とによる充放電回路で抑制される。その後、NANDゲート1012の出力d1がHとなり、自己保持型機械式継電器MC1のSETコイルが駆動されなくなり、かつ、自己保持型機械式継電器MC1の接点1aがLとなることで、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力e1がHからLに切り替わる。
RSフリップフロップ回路RSFF2の出力e1がHからLに切り替わるとき、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力b1はLのままであり、ANDゲート1003を介して接続されたダイオードD9はオフ状態となる。ダイオードD9はオフ状態となると抵抗R5は機能せず、キャパシタC1と抵抗R1との積による時定数で、自己保持型機械式継電器MC1のチャタリングが抑制される。以上で一連のオンシーケンスが終わる。
スイッチSW1がONからOFFに切り替わると、RSフリップフロップ回路RSFF1の出力b1がHとなる。自己保持型機械式継電器MC1の接点1bがHなので、NANDゲート1011の出力c1がLとなり、自己保持型機械式継電器MC1のRESETコイルが動作する。自己保持型機械式継電器MC1のRESETコイルが動作すると、接点1aが離れ始めHとなり、その後接点1bがショートしLとなると、NANDゲート1011の出力c1がHとなる。NANDゲート1011の出力c1がHとなると、自己保持型機械式継電器MC1のRESETコイルは駆動されなくなり、かつ、RSフリップフロップ回路RSFF2の出力e1がLからHとなる。
RSフリップフロップ回路RSFF2の出力e1がHとなる時点で、既にRSフリップフロップ回路RSFF1の出力b1はHなので、ANDゲート1002の出力b2がHとなる。ANDゲート1002の出力b2がHとなる時点で、自己保持型機械式継電器MC2の接点2bは既にHなので、NANDゲート1013の出力c2がLとなり、自己保持型機械式継電器MC2のRESETコイルが動作する。
自己保持型機械式継電器MC2のRESETコイルが動作すると、自己保持型機械式継電器MC2の接点2aが離れ始めてHとなり、その後接点2bがLとなることで、NANDゲート1013の出力c2がHになり、自己保持型機械式継電器MC2のRESETコイルが駆動されなくなり、かつ、RSフリップフロップ回路RSFF3の出力e2がLからHに切り替わることで、一連のオフシーケンスが終わる。ここでチャタリング抑制回路は上記オンシーケンスの場合同様に時定数が切り替わり、適切に機能する。
上記各シーケンスの中で、自己保持型機械式継電器MC1の接点1bの電圧は、SSR1020に伝えられる。オンシーケンスでは自己保持型機械式継電器MC2がオンし、SSR1020がオンし、自己保持型機械式継電器MC1がオンする。オフシーケンスでは自己保持型機械式継電器MC1がオフし、SSR1020がオフし、自己保持型機械式継電器MC2がオフする。
このため、自己保持型機械式継電器MC2の接点2cは、自己保持型機械式継電器MC1の接点1cが切り離された状態でショートするため電流は流れない。自己保持型機械式継電器MC1の接点1cは、SSR1020でショートされた状態でショートするため、チャタリングがあっても回路電流には影響を与えない。オフシーケンス時は、自己保持型機械式継電器MC1の接点1cは、SSR1020がオンの時に切り離されるため、接点間電圧は低く、切り離し時にアークは発生しない。そしてSSR1020がオフし、その後に自己保持型機械式継電器MC2の2c接点が切り離されるため、自己保持型機械式継電器MC2の遮断時も接点2cに電圧が発生していないので、アークは発生しない。
図30に示したスイッチング装置1000は、二線電源を切り離す際に、アークを抑制して確実に電源を切り離すためのSSRを1つだけ用いていることで、コストを抑えながらも確実に供給電源を切り離すことができる。
図32は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図32に示したスイッチング装置100の構成例は、図21に示したスイッチング装置100の構成を変形したものである。なお、図32に示したスイッチング装置100は、図22に示したタイミングチャートと同様に動作する。
図32に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、ダイオードD1、D2、D3、D4と、キャパシタC1、C2、C3と、抵抗R1、R2と、を備える。図32に示したダイオードD2は、機械式リレーRY1のサージを吸収するために設けられている。図32に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1への電力供給がなくなると、キャパシタC2と抵抗R1に加えて、ダイオードD4を介して抵抗R2が追加されることで、SSR101に設けられるRC回路の時定数を短くすることができる。ダイオードD4及びキャパシタC3は、機械式リレーRY1への電力供給が無くなった時の電力を蓄えておく回路となっている。
従って図32に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなり、機械式リレーRY1が接点1aとの接続を解除してもアークの発生を抑え、サージを吸収することが出来る。また図32に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
図33は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図33に示したスイッチング装置100の構成例は、図24に示したスイッチング装置100の構成を変形したものである。なお、図33に示したスイッチング装置100は、図25に示したタイミングチャートと同様に動作する。
図33に示したスイッチング装置100は、SSR101と、スイッチSW1と、ダイオードD1、D2、D3と、ツェナーダイオードDz1と、キャパシタC1、C2と、抵抗R1、R2、R3と、MOSFET T1と、を備える。図33に示したダイオードD3は、スイッチSW1の接点1bが離れる時に、SSR101に設けられるRC回路の時定数を切り替える役割を果たしている。すなわち、ダイオードD3は、スイッチSW1の接点1bが離れる時に、抵抗R1とキャパシタC2とのフィルタに抵抗R3を加えて、時定数を短くする働きをしている。ダイオードD2及びキャパシタC3は、スイッチSW1の接点1bが離れる時に電力を供給するための回路となっている。
従って図33に示したスイッチング装置100は、スイッチSW1が接点1a、2aとの接続を解除しても、アークの発生を抑えることが可能になる。また図33に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
図34は、本開示の一実施形態に係るスイッチング装置100の構成例を示す説明図である。図34に示したスイッチング装置100の構成例は、図27に示したスイッチング装置100の構成を変形したものである。なお、図34に示したスイッチング装置100は、図28に示したタイミングチャートと同様に動作する。
図34に示したスイッチング装置100は、SSR101と、機械式リレーRY1と、ダイオードD1、D2、D3、D4と、キャパシタC1、C2、C3と、抵抗R1、R2と、を備える。図34に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1への電力供給がなくなると、キャパシタC2と抵抗R1に加え、抵抗R1とキャパシタC2とのフィルタに抵抗R2を加えて、SSR101に設けられるRC回路の時定数を切り替えている。すなわち図34に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1への電力供給がなくなると、キャパシタC2と抵抗R1に加え、抵抗R1とキャパシタC2とのフィルタに抵抗R2を加えて、RC回路の時定数を短くしている。ダイオードD2及びキャパシタC3は、スイッチSW1の接点1bが離れる時に電力を供給するための回路となっている。ダイオードD4及びキャパシタC3は、機械式リレーRY1への電力供給が無くなった時の電力を蓄えておく回路となっている。
従って図34に示したスイッチング装置100は、端子V+から端子V−へ電流が流れなくなり、機械式リレーRY1が接点1a、2aとの接続を解除してもアークの発生を抑え、サージを吸収することが出来る。また図34に示したスイッチング装置100は、端子の数を4つにして、一般的なリレーと同じような接続を可能にしたことで、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
また図34に示したスイッチング装置100は、機械式リレーRY1が駆動して接点が接点1a、2aと接続するように切り替わった後は、機械式リレーRY1の接点2aの接触のみによる通電となる。この際、機械式リレーRY1の接点2aが酸化被膜などにより劣化したとしても、その被膜を破壊する一時的なスパークが接点2aに発生することで、機械式リレーRY1のセルフクリーニング効果を発揮させる効果を奏する。
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の一実施形態によれば、電力の供給と遮断とを切り替える際にSSRと機械式リレーとを並列に接続した際に、アークの発生を抑えたスイッチング装置が提供される。
例えば本開示の一実施形態によれば、機械式リレーにSSRを並列に接続したスイッチング装置が提供される。本開示の一実施形態に係るスイッチング装置は、機械式リレーにSSRを並列に接続することで、機械式リレーの接点の接続時に発生するチャタリングが電力の出力に影響せず、また機械式リレーの接点の解離時にアークの発生を抑えることができる。
また本開示の一実施形態に係るスイッチング装置は、機械式リレーにSSRを並列に接続して、SSRの状態の切り替わりのタイミングを、フリップフロップ回路やキャパシタ等を用いて適切に制御することで、動作の不安定化の要因となる遅延回路などを設けずに、機械式リレーの接点の解離時にアークの発生を抑えることができる。
また本開示の一実施形態に係るスイッチング装置は、既存のリレーと同じく4端子での動作を可能にすることもできる。4端子での動作を可能にしつつ、電力の切断時のアークの発生を抑えていることで、4端子での動作を可能にするスイッチング装置は、既存のリレーから置き換えて使用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
電源からの電力の供給及び遮断を切り替える半導体リレーと、
前記半導体リレーと並列に接続されて前記電源からの電力の供給及び遮断を切り替えるとともに、一端が前記半導体リレーの制御端子に接続される機械式リレーと、
前記半導体リレーへの電流の供給及び遮断を切り替えるスイッチと、
を備え、
前記半導体リレーは、前記機械式リレーのコイルに電流が流れて接点が切り替わった後で前記制御端子にハイ状態の電圧が印加されることでオン状態になり、前記機械式リレーのコイルに電流が流れなくなって接点が切り替わった後で前記制御端子にロー状態の電圧が印加されることでオフ状態となる、スイッチング装置。
(2)
前記機械式リレーの動作を制御する第1のフリップフロップ回路と、
前記半導体リレーの制御端子にハイ状態またはロー状態の電圧を出力する第2のフリップフロップ回路と、
をさらに備え、
前記第2のフリップフロップ回路は、前記第1のフリップフロップ回路によって前記機械式リレーのコイルに電流が流れなくなった後に、前記半導体リレーの制御端子への出力を反転させる、前記(1)に記載のスイッチング装置。
(3)
前記第1のフリップフロップ回路の反転出力を前記第2のフリップフロップ回路へ出力する、前記(2)に記載のスイッチング装置。
(4)
前記電源は、直流電源である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のスイッチング装置。
(5)
前記機械式リレーは自動復帰型リレーである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のスイッチング装置。
(6)
前記機械式リレーはラッチング型リレーである、前記(1)〜(4)のいずれかに記載のスイッチング装置。
(7)
第1の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第1の半導体リレーと、
第2の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第2の半導体リレーと、
前記第1の半導体リレーと並列に接続されて前記第1の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第1の機械式リレーと、
前記第2の半導体リレーと並列に接続されて前記第2の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第2の機械式リレーと、
前記第1の機械式リレー及び前記第2の機械式リレーの動作を制御する第1のフリップフロップ回路と、
前記第1の半導体リレーの制御端子及び前記第2の半導体リレーの制御端子にハイ状態またはロー状態の電圧を出力する第2のフリップフロップ回路と、
を備え、
前記第1のフリップフロップ回路は、前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーの一方に電流が流れなくなった後で他方に電流を流し、前記第2のフリップフロップ回路は、前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーの一方に電流が流れなくなった後に、前記第1の半導体リレーの制御端子及び前記第2の半導体リレーの制御端子への出力を反転させる、スイッチング装置。
(8)
前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーがオフ状態の場合に、前記第1のフリップフロップ回路へ相対するブレーク接点からの信号を入力する、前記(7)に記載のスイッチング装置。
(9)
前記第2のフリップフロップ回路は、出力を前記第1のフリップフロップ回路の出力にフィードバックさせて、前記第1のフリップフロップ回路は、前記第2のフリップフロップ回路の出力を受けて、前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーの電流が流れなくなった方の他方に電流を流す、前記(7)または(8)に記載のスイッチング装置。
(10)
第1の交流電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第1の半導体リレーと、
第2の交流電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第2の半導体リレーと、
前記第1の半導体リレーと並列に接続されて前記第1の交流電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第1の機械式リレーと、
前記第2の半導体リレーと並列に接続されて前記第2の交流電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第2の機械式リレーと、
前記第1の機械式リレー及び前記第2の機械式リレーの動作を制御する第1のフリップフロップ回路と、
前記第1の半導体リレーの制御端子及び前記第2の半導体リレーの制御端子にハイ状態またはロー状態の電圧を出力する第2のフリップフロップ回路と、
前記第1の交流電源の出力を用いて第1のトリガ信号を生成する第1のトリガ回路と、
前記第2の交流電源の出力を用いて第2のトリガ信号を生成する第2のトリガ回路と、
を備え、
前記第1のフリップフロップ回路は、前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーの一方に電流が流れなくなった後で他方に電流を流し、
前記第2のフリップフロップ回路は、出力を前記第1のフリップフロップ回路の出力にフィードバックさせると共に、前記第1の機械式リレーまたは前記第2の機械式リレーの一方に電流が流れなくなり、他方に電流が流れた後に、前記第1のトリガ信号または前記第2のトリガ信号に基づいて前記第1の半導体リレーの制御端子及び前記第2の半導体リレーの制御端子への出力を反転させる、スイッチング装置。
(11)
前記第1のトリガ回路及び前記第2のトリガ回路は、前記第1の交流電源及び前記第2の交流電源が所定の第1の閾値電圧以下になったタイミング及び前記第1の閾値電圧より低い第2の閾値電圧を超えたタイミングで、それぞれ前記第1のトリガ信号及び前記第2のトリガ信号を生成する、前記(10)に記載のスイッチング装置。
(12)
前記第1のトリガ回路及び前記第2のトリガ信号は、さらに、前記第1の交流電源及び前記第2の交流電源が前記第1の閾値電圧を超えたタイミング及び前記第2の閾値電圧以下になったタイミングで、それぞれ第3のトリガ信号及び第4のトリガ信号を生成し、
前記第2のフリップフロップ回路の出力と、前記第3のトリガ信号及び前記第4のトリガ信号との否定論理積をそれぞれ前記第1のフリップフロップ回路へ出力する第1のNANDゲート及び第2のNANDゲートをさらに備える、前記(11)に記載のスイッチング装置。
(13)
電源からの電力の供給及び遮断を切り替える半導体リレーと、
前記半導体リレーと並列に接続されて前記電源からの電力の供給及び遮断を切り替える機械式リレーと、
前記機械式リレーと並列に接続されるとともに前記半導体リレーの制御端子に一端が接続されるキャパシタと、
を備え、
前記半導体リレーは、前記機械式リレーがオフ状態からオン状態に切り替わる前に前記制御端子にハイ状態の電圧が印加されることでオン状態になり、前記機械式リレーがオン状態からオフ状態に切り替わった後で前記制御端子にロー状態の電圧が印加されることでオフ状態となり、
前記キャパシタは、前記機械式リレーがオン状態になっている間に蓄電し、前記機械式リレーがオフ状態に切り替わった後に前記半導体リレーをオン状態に維持するための電力を出力する、スイッチング装置。
(14)
前記半導体リレーの制御端子にハイ状態またはロー状態の電圧を出力するフリップフロップ回路をさらに備える、前記(13)に記載のスイッチング装置。
(15)
前記機械式リレーは自動復帰型リレーである、前記(13)または(14)に記載のスイッチング装置。
(16)
前記機械式リレーは手動復帰型リレーである、前記(13)または(14)に記載のスイッチング装置。
(17)
前記機械式リレーがオフ状態を解除すると前記半導体リレーを通じた通電を開始し、前記機械式リレーがオフ状態を解除してから所定時間経過後にオン状態に切り替わると前記機械式リレーを通じた通電のみに切り替わる、前記(13)に記載のスイッチング装置。
(18)
前記機械式リレーの状態が切り替わると、前記半導体リレーの前段に設けられるRC回路の時定数を変化させる、前記(13)〜(17)のいずれかに記載のスイッチング装置。
(19)
第1の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える半導体リレーと、
前記半導体リレーと並列に接続されて前記第1の電源からの電力の供給及び遮断を切り替えるとともに、一端が前記半導体リレーの制御端子に接続される第1の自己保持型機械式リレーと、
第2の電源からの電力の供給及び遮断を切り替える第2の自己保持型機械式リレーと、
前記第1の自己保持型機械式リレー及び第2の自己保持型機械式リレーへの電流の供給及び遮断を制御するスイッチと、
前記スイッチと、前記第1の自己保持型機械式リレー及び前記第2の自己保持型機械式リレーとの間に設けられるタイミング調整回路と、
を備え、
前記タイミング調整回路は、前記スイッチの操作により前記第1の電源及び前記第2の電源からの電力の供給を開始する場合には、前記第2の自己保持型機械式リレー、前記半導体リレー、前記第1の自己保持型機械式リレーでオン状態となり、前記スイッチの操作により前記第1の電源及び前記第2の電源からの電力の供給を停止する場合には、前記第1の自己保持型機械式リレー、前記半導体リレー、前記第2の自己保持型機械式リレーでオフ状態となるようタイミングを調整する、スイッチング装置。
(20)
前記タイミング調整回路は、前記スイッチの操作により前記第1の電源及び前記第2の電源からの電力の供給を開始または停止する際に、前記第1の自己保持型機械式リレーの前段に設けられる第1のRC回路及び前記第2の自己保持型機械式リレーの前段に設けられる第2のRC回路の時定数の切り替えを行う、前記(18)に記載のスイッチング装置。
(21)
前記(1)〜(20)のいずれかに記載のスイッチング装置を備える、移動体。
(22)
直流電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから供給される直流電力による駆動する駆動部と、
前記バッテリと前記駆動部との間に設けられる、少なくとも1つの、前記(1)〜(20)のいずれかに記載のスイッチング装置と、
を備える、電力供給システム。