JP4190895B2 - 電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装備される電動格納式ミラー装置用の電源供給制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両に装備されるドアミラーをモータの駆動により格納・復帰方向へ動作させる電動格納式ミラー装置が従来一般に知られている。そして、この種の電動格納式ミラー装置として、ドアミラーの動作方向を切り換えるように車載バッテリに対する接続極性を切り換える切換スイッチ回路と、コンデンサへの充電電流によりリレーコイルを励磁させてリレー接点をオン状態に自己保持させるリレースイッチ回路と、前記切換スイッチ回路およびリレースイッチ回路を介して車載バッテリに接続されることによりモータを駆動するモータ駆動回路とを備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような電動格納式ミラー装置では、例えばドアミラーが復帰動作するように切換スイッチ回路が切り換えられると、車載バッテリからの電流がリレースイッチ回路のリレーコイルを介して瞬時にコンデンサに充電される。その際、コンデンサへ流れる充電電流によりリレーコイルが瞬時に励磁されてリレー接点がオンし、以後、リレー接点を介してリレーコイルに電流が供給されることで、リレー接点がオン状態に自己保持される。その結果、モータへの通電がオンとなり、モータがドアミラーを復帰動作させるように回転制御されてドアミラーが復帰動作する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−40146号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に記載の従来例では、前述のようにドアミラーが復帰動作している間に車両のエンジンがスタータモータにより始動操作されて車載バッテリの電源電圧が一時的に所定値以下に低下すると、リレースイッチ回路のリレーコイルに流れる電流値が所定値以下に低下してリレース接点の自己保持状態が解除されてしまうことがある。そして、この場合には、スタータモータの作動が停止されて車載バッテリの電源電圧が定常値まで復帰しても、コンデンサに電荷が残っているため、コンデンサへの充電電流が小さくなってリレーコイルを十分に励磁させることができず、リレー接点を再びオンさせることができなくなる恐れがある。すなわち、ドアミラーの復帰動作が途中で終了してしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することを課題とし、車載バッテリの電源電圧が一時的に低下しても、電動格納式ミラーの格納・復帰の動作を最後まで継続させることができる電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路は、車載バッテリに対する接続極性を切り換える切換スイッチ回路と、コンデンサへの充電電流によりリレーコイルを励磁させてリレー接点をオン状態に自己保持させるリレースイッチ回路と、前記切換スイッチ回路およびリレースイッチ回路を介して車載バッテリに接続されることによりモータを駆動してミラーを格納・復帰方向へ動作させるモータ駆動回路とを備えた電動格納式ミラー装置の前記切換スイッチ回路とリレースイッチ回路との間に介設される電源供給制御回路であって、前記切換スイッチ回路により接続極性が切り換えられる車載バッテリからの電流を整流して一定の極性の電源電圧を取り出す整流部と、この整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値以上のときにオン信号を出力し、所定の閾値未満ではオフ信号を出力する電源電圧検出部と、この電源電圧検出部の出力信号に応じて前記切換スイッチ回路から前記リレースイッチ回路への通電をオン・オフする通電部とを備えて構成されていることを特徴とし、この構成を前記課題の解決手段とする。
【0008】
本発明に係る電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路では、車載バッテリから電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路を介して供給される電流を整流部が整流して一定の極性の電源電圧を取り出す。そして、整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値以上のときには、電源電圧検出部がオン信号を出力して通電部をオンさせ、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路とリレースイッチ回路とを接続する。その結果、前記リレースイッチ回路は車載バッテリからコンデンサへ流れる充電電流によりリレーコイルが励磁されてリレー接点がオン状態に自己保持される。そして、車載バッテリが前記切換スイッチ回路、電源供給制御回路、リレースイッチ回路を介してモータ駆動回路に接続されることにより、電動格納式ミラー装置は、切換スイッチ回路の切り換え状態に応じてミラーを格納・復帰動作させる。
【0009】
一方、車両のエンジンがスタータモータにより始動操作された場合など、車載バッテリの電源電圧が所定値以下に低下すると、整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値未満となるため、電源電圧検出部がオフ信号を出力して通電部をオフさせ、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路とリレースイッチ回路との接続を遮断する。その結果、電動格納式ミラー装置のミラーの格納・復帰動作が停止すると共に、リレースイッチ回路のコンデンサは漸次放電して充電可能な状態となる。
【0010】
ここで、エンジンの始動が完了してスタータモータの作動が停止された場合など、車載バッテリの電源電圧が所定値以上に回復すると、整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値以上となるため、電源電圧検出部がオン信号を出力して通電部をオンさせ、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路とリレースイッチ回路とを接続する。その際、電動格納式ミラー装置のリレースイッチ回路は、コンデンサが十分に放電されて充電可能な状態となっているため、車載バッテリからコンデンサへ流れる充電電流によりリレーコイルが励磁されてリレー接点がオン状態に自己保持される。その結果、車載バッテリが前記切換スイッチ回路、電源供給制御回路、リレースイッチ回路を介してモータ駆動回路に再び接続されることとなり、電動格納式ミラー装置は、切換スイッチ回路の切り換え状態に応じたミラーの格納・復帰動作を継続する。
【0011】
本発明の電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路は、電動格納式ミラー装置の前記切換スイッチ回路側に設けられた2芯の出力コネクタに着脱自在に接続される2芯の入力側コネクタと、前記リレースイッチ回路側に設けられた2芯の入力コネクタに着脱自在に接続される2芯の出力側コネクタとを備えて構成することができる。この場合、既存の電動格納式ミラー装置に対しても、前記切換スイッチ回路側の2芯の出力コネクタに2芯の入力側コネクタを接続し、前記リレースイッチ回路側の2芯の入力コネクタに2芯の出力側コネクタを接続することにより、本発明の電源供給制御回路を電動格納式ミラー装置に簡単に組み込むことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路の実施の形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る電源供給制御回路が付設された電動格納式ミラー装置の概略を示す構成図、図2は図1に示した電源供給制御回路の機能ブロック図、図3は図2に示した電源供給制御回路を詳細に示す回路図である。
【0013】
図1に示すように、一実施形態に係る電動格納式ミラー装置用の電源供給制御回路1は、右側のドアミラーをモータMの駆動により格納・復帰方向へ動作させる右側ミラー制御回路2と、左側のドアミラーをモータMの駆動により格納・復帰方向へ動作させる左側ミラー制御回路3と、左右のドアミラーの格納・復帰動作を同時に切り換えるように車載バッテリ4に対する接続極性を切り換える切換スイッチ回路5とを備えた既存の電動格納式ミラー装置に適用される。
【0014】
ここで、電動格納式ミラー装置の右側ミラー制御回路2は、詳細な回路図は省略するが、コンデンサへの充電電流によりリレーコイルを励磁させてリレー接点をオン状態に自己保持させるリレースイッチ回路と、このリレースイッチ回路を介して車載バッテリ4側に接続されることにより、モータMを駆動して右側のドアミラーを格納・復帰方向に動作させるモータ駆動回路とを備えて構成されている。左側ミラー制御回路3も右側ミラー制御回路2と同様に構成されている。
【0015】
電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路5は、車載バッテリ4のプラス側に接続された一対のプラス接点5A,5Bと、車載バッテリ4のマイナス側に接続された一対のマイナス接点5C,5Dと、2芯の出力コネクタ6に接続された一対の可動接点5E,5Fとを有する。この切換スイッチ回路5は、一方の可動接点5Eがプラス接点5Aからマイナス接点5Cに接続が切り換えられると、これに連動して他方の可動接点5Fがマイナス接点5Dからプラス接点5Bに接続が切り換えられるように構成されている。
【0016】
前記右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3の入力側には、前記切換スイッチ回路5に接続された2芯の出力コネクタ6に着脱自在に接続可能な2芯の入力コネクタ7が設けられている。そして、この2芯の入力コネクタ7に対して右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3が相互に並列に接続されている。なお、右側ミラー制御回路2と入力コネクタ7との間には一組の接続コネクタ8が設けられ、左側ミラー制御回路3と入力コネクタ7との間には一組の接続コネクタ9が設けられている。
【0017】
ここで、一実施形態の電源供給制御回路1には、前記切換スイッチ回路5に接続されている2芯の出力コネクタ6に着脱自在に接続される2芯の入力側コネクタ10と、前記右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3の入力側に設けられている2芯の入力コネクタ7に着脱自在に接続される2芯の出力側コネクタ11とが付設されている。そして、前記切換スイッチ回路5側の2芯の出力コネクタ6に2芯の入力側コネクタ10を接続し、前記右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3の入力側の2芯の入力コネクタ7に2芯の出力側コネクタ11を接続することにより、一実施形態の電源供給制御回路1が既存の電動格納式ミラー装置に組み込まれている。
【0018】
一実施形態の電源供給制御回路1は、図2に示すように、整流部1Aと、電源電圧検出部1Bと、通電部1Cとを備えている。整流部1Aは、図1に示した切換スイッチ回路5により接続極性が切り換えられる車載バッテリ4からの電流を整流して一定の極性の電源電圧を取り出すように、入力側コネクタ10と出力側コネクタ11とを接続する一対の通電ライン1D,1Eに入力端1F,1Gがそれぞれ接続されている。そして、この整流部1Aのプラス側出力端1Hとマイナス側出力端1Jとの間に前記電源電圧検出部1Bおよび通電部1Cが接続されている。
【0019】
電源電圧検出部1Bは、整流部1Aが取り出した電源電圧が所定の閾値以上のとき通電部1Cにオン信号を出力し、所定の閾値未満のときには通電部1Cにオフ信号を出力するように構成されている。また、通電部1Cは、電源電圧検出部1Bが出力するオン・オフ信号に応じて一方の通電ライン1Dをオン・オフすることにより、切換スイッチ回路5から右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3Bへの通電をオン・オフするように構成されている。
【0020】
ここで、前記整流部1A、電源電圧検出部1Bおよび通電部1Cは、例えば図3に示すような回路で構成されている。まず、整流部1Aは、4個のダイオードD1〜D4からなるダイオードブリッジ回路で構成されており、ダイオードD1とダイオードD2との間の一方の入力端1Fが一方の通電ライン1Dに接続され、ダイオードD3とダイオードD4との間の他方の入力端1Gが他方の通電ライン1Eに接続されている。そして、ダイオードD2とダイオードD4との間のプラス側出力端1Hと、ダイオードD1とダイオードD3との間のマイナス側出力端1Jとの間に整流された電源電圧を取り出すように構成されている。
【0021】
電源電圧検出部1Bは、通電部1Cにオン・オフ信号を出力する手段としてのスイッチングトランジスタQ1を備えている。このスイッチングトランジスタQ1は、コレクタが前記通電部1Cの出力側に接続され、エミッタが整流部1Aのマイナス側出力端1Jに接続されている。そして、スイッチングトランジスタQ1のベースは、抵抗R1およびツェナーダイオードD5を介して整流部1Aのプラス側出力端1Hに接続されている。
【0022】
なお、前記スイッチングトランジスタQ1のベースとエミッタとの間には、ベース電圧の瞬断を吸収してスイッチングトランジスタQ1のオン状態を安定化するためのコンデンサC1と、ベース電圧が0Vとのときにベース−エミッタ間の電圧を0VにしてスイッチングトランジスタQ1のオフ状態を安定化するための抵抗R2とが相互に並列に接続されている。
【0023】
通電部1Cは、入力側コネクタ10と出力側コネクタ11とを接続する一方の通電ライン1Dに介設されたリレー接点RSと、このリレー接点RSをオン・オフさせるリレーコイルRL1と、このリレーコイルRL1の逆起電圧を吸収するようにリレーコイルRL1に並列に接続されたダイオードD6とを備えている。そして、リレーコイルRL1は、その一端が前記整流部1Aのプラス側出力端1Hに接続され、その他端が電源電圧検出部1BのスイッチングトランジスタQ1のコレクタに接続されている。
【0024】
ここで、図3に示す通電ライン1D,1E間の電源電圧が所定の閾値V(S)未満のときに電源電圧検出部1BのスイッチングトランジスタQ1がオフするように、ダイオードD1〜D4の順方向電圧V(D1)〜V(D4)と、ツェナーダイオードD5のツェナー電圧V(D5)と、スイッチングトランジスタQ1のベース−エミッタ間の飽和電圧V(BE)とが設定される。
【0025】
すなわち、車両のエンジンがスタータモータにより始動操作される際に一時的に低下する車載バッテリ4の電源電圧V(L)より高い値で、かつ、通常時の車載バッテリ4の電源電圧V(M)より低い値を閾値V(S)として、
V(S)=V(D2)+V(D5)+V(BE)+V(D3)および
V(S)=V(D4)+V(D5)+V(BE)+V(D1)を満足するように、各電圧が選択される。
【0026】
以上のように構成された一実施形態の電源供給制御回路1が組み込まれた電動格納式ミラー装置では、図4に示すように車載バッテリ4の電源電圧が通常のV(M)にあり、図1に示す切換スイッチ回路5が図示の切換位置にあるとき、図3に示す一方の通電ライン1Dから整流部1AのダイオードD2、電源電圧検出部1BのツェナーダイオードD5、抵抗R1、スイッチングトランジスタQ1、整流部1AのダイオードD3を介して他方の通電ライン1Eに至る回路と、前記ダイオードD2から通電部1CのリレーコイルRL1、前記スイッチングトランジスタQ1を介して前記ダイオードD3に至る回路とが閉成される。
【0027】
その際、車載バッテリ4の通常の電源電圧V(M)はV(D2)+V(D5)+V(BE)+V(D3)からなる閾値V(S)以上であるため(図4参照)、電源電圧検出部1BのスイッチングトランジスタQ1がオンする。これに伴ない、通電部1CのリレーコイルRL1が励磁されてリレー接点RSがオンする。その結果、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路5と右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3とが接続される。
【0028】
ここで、電動格納式ミラー装置の右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3内に構成されているリレースイッチ回路においては、車載バッテリ4からコンデンサへ流れる充電電流によりリレーコイルが励磁されてリレー接点がオン状態に自己保持される。そして、車載バッテリ4が切換スイッチ回路5、電源供給制御回路1、リレースイッチ回路を介してモータ駆動回路に接続されることにより、電動格納式ミラー装置の左右のドアミラーDMが復帰方向に動作する(図4参照)。
【0029】
ここで、車両のエンジンがスタータモータにより始動操作された場合など、車載バッテリ4の電源電圧が閾値V(S)未満のV(L)に低下すると(図4のt1参照)、図3に示す電源電圧検出部1BのスイッチングトランジスタQ1がオフとなり、通電部1CのリレーコイルRL1が消磁されてリレー接点RSがオフする。その結果、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路5と右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3との接続が遮断され、電動格納式ミラー装置のドアミラーDMの復帰動作が停止する(図4参照)。そして、右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3内に構成されているリレースイッチ回路においては、通電が遮断されている間にコンデンサが漸次放電して充電可能な状態に復帰する。
【0030】
ここで、エンジンの始動が完了してスタータモータの作動が停止された場合など、車載バッテリ4の電源電圧が閾値V(S)以上のV(M)に回復すると(図4のt2参照)、図3に示す電源電圧検出部1BのスイッチングトランジスタQ1が再びオンとなり、通電部1CのリレーコイルRL1が励磁されてリレー接点RSがオンする。その結果、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路5と右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3とが再び接続される。
【0031】
その際、電動格納式ミラー装置の右側ミラー制御回路2および左側ミラー制御回路3内に構成されているリレースイッチ回路においては、コンデンサが十分に放電されて充電可能な状態となっているため、車載バッテリ4からコンデンサへ流れる充電電流によりリレーコイルが励磁されてリレー接点がオン状態に自己保持される。そして、車載バッテリ4が切換スイッチ回路5、電源供給制御回路1、リレースイッチ回路を介してモータ駆動回路に再び接続されることにより、電動格納式ミラー装置の左右のドアミラーDMが再び復帰方向に動作する(図4参照)。
【0032】
従って、一実施形態に係る電源供給制御回路1によれば、車載バッテリ4の電源電圧が一時的にV(L)まで低下しても、電動格納式ミラー装置によるドアミラーDMの格納・復帰の動作を最後まで継続させることができる。
【0033】
本発明に係る電動格納式ミラー装置の電源供給制御回路は、前述した一実施形態に限らず、適宜変更することができる。例えば、新規の電動格納式ミラー装置を製造する際に、本発明の電源供給制御回路をリレースイッチ回路の前段の回路として予め組み込んでおいてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路によれば、車載バッテリの電源電圧が所定値以下に低下すると、整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値未満となり、電源電圧検出部がオフ信号を出力して通電部をオフさせるため、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路とリレースイッチ回路との接続が遮断され、その間、リレースイッチ回路のコンデンサが漸次放電して充電可能な状態となる。そして、車載バッテリの電源電圧が所定値以上に回復すると、整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値以上となり、電源電圧検出部がオン信号を出力して通電部をオンさせるため、電動格納式ミラー装置の切換スイッチ回路とリレースイッチ回路とが接続され、リレースイッチ回路はコンデンサへの充電電流によりリレーコイルが励磁されてリレー接点がオン状態に自己保持される。従って、本発明によれば、車載バッテリの電源電圧が一時的に低下しても、電動格納式ミラー装置によるミラーの格納・復帰の動作を最後まで継続させることができる。
【0035】
本発明の電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路は、切換スイッチ回路およびリレースイッチ回路を備える既存の電動格納式ミラー装置に対しても、前記切換スイッチ回路側の2芯の出力コネクタに2芯の入力側コネクタを接続し、前記リレースイッチ回路側の2芯の入力コネクタに2芯の出力側コネクタを接続することにより簡単に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路が付設された電動格納式ミラー装置の概略を示す構成図である。
【図2】図1に示した電源供給制御回路の機能ブロック図である。
【図3】図2に示した電源供給制御回路を詳細に示す回路図である。
【図4】一実施形態に係る電源供給制御回路を介して電動格納式ミラー装置のリレースイッチ回路へ供給される電源電圧の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 :電源供給制御回路
1A:整流部
1B:電源電圧検出部
1C:通電部
1D:一方の通電ライン
1E:他方の通電ライン
1F:一方の入力端
1G:他方の入力端
1H:プラス側出力端
1J:マイナス側出力端
2 :右側ミラー制御回路
3 :左側ミラー制御回路
4 :車載バッテリ
5 :切換スイッチ回路
6 :出力コネクタ
7 :入力コネクタ
8 :接続コネクタ
9 :接続コネクタ
10:入力側コネクタ
11:出力側コネクタ
DM:ドアミラー
Claims (2)
- 車載バッテリに対する接続極性を切り換える切換スイッチ回路と、コンデンサへの充電電流によりリレーコイルを励磁させてリレー接点をオン状態に自己保持させるリレースイッチ回路と、前記切換スイッチ回路およびリレースイッチ回路を介して車載バッテリに接続されることによりモータを駆動してミラーを格納・復帰方向へ動作させるモータ駆動回路とを備えた電動格納式ミラー装置の前記切換スイッチ回路とリレースイッチ回路との間に介設される電源供給制御回路であって、
前記切換スイッチ回路により接続極性が切り換えられる車載バッテリからの電流を整流して一定の極性の電源電圧を取り出す整流部と、この整流部が取り出した電源電圧が所定の閾値以上のときにオン信号を出力し、所定の閾値未満のときにはオフ信号を出力する電源電圧検出部と、この電源電圧検出部の出力信号に応じて前記切換スイッチ回路から前記リレースイッチ回路への通電をオン・オフする通電部とを備えて構成されていることを特徴とする電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路。 - 電動格納式ミラー装置の前記切換スイッチ回路側に設けられた2芯の出力コネクタに着脱自在に接続される2芯の入力側コネクタと、前記リレースイッチ回路側に設けられた2芯の入力コネクタに着脱自在に接続される2芯の出力側コネクタとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電動格納式ミラー装置用電源供給制御回路。
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