JP6011375B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、気液分離器を備える冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1には、冷房モードの冷媒回路と暖房モードの冷媒回路とに切り替え可能な冷凍サイクルを備える車両用空調装置が記載されている。
この従来技術では、冷房モードの冷媒回路では、室内蒸発器にて吸熱した熱量を室外熱交換器にて放熱させて車室内への送風空気を冷却する。一方、暖房モードの冷媒回路では、室外熱交換器にて吸熱した熱量を室内凝縮器にて放熱させて車室内への送風空気を加熱する。
この従来技術では、圧縮機の吸入側にアキュムレータが配置されており、冷房モードの冷媒回路および暖房モードの冷媒回路がアキュムレータサイクルとして構成されている。
アキュムレータとは、蒸発器から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、分離された気相冷媒を圧縮機側へ流出させる気液分離器のことである。アキュムレータサイクルとは、蒸発器の出口側かつ圧縮機の吸入側にアキュムレータが配置された冷凍サイクルのことである。
特開2011−5981号公報
しかしながら、上記従来技術によると、冷房モードの冷媒回路がアキュムレータサイクルとして構成されているので、冷房モード時にアキュムレータにおいて冷媒温度が外気温度よりも低くなって放熱ロスが発生し、ひいては冷房性能が低下するという問題がある。
この対策として、冷房モードの冷媒回路をレシーバサイクルとして構成すれば、アキュムレータが不要となるのでアキュムレータにおける放熱ロスが発生しない。
レシーバとは、凝縮器から流出した気液2相冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して、分離された液相冷媒を膨張弁側に流出させる気液分離器のことである。レシーバサイクルとは、凝縮器と膨張弁との間にレシーバが配置された冷凍サイクルのことである。
しかしながら、上記従来技術では、冷房モードの冷媒回路では室外熱交換器が凝縮器として機能し、暖房モードの冷媒回路では室外熱交換器が蒸発器として機能する。そのため、上記従来技術の冷媒回路にレシーバを単純に配置しただけでは、冷房モードの冷媒回路をレシーバサイクルとして構成することはできても暖房モードの冷媒回路が成立しない。
本発明は上記点に鑑みて、空調対象空間への送風空気が蒸発器で冷却される第1モードと、空調対象空間への送風空気が放熱器で加熱される第2モードとを切り替え可能な冷凍サイクル装置において、第1モードにおける放熱ロスを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
冷媒を吸入して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機(11)から吐出された冷媒が持つ熱を空調対象空間への送風空気に放熱させる放熱器(12、13)と、
絞り開度を変更可能に構成され、放熱器(12、13)から流出した冷媒を減圧させる第1減圧手段(15)と、
第1減圧手段(15)から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(16)と、
室外熱交換器(16)から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、気相冷媒と液相冷媒とを別々に流出させることが可能な気液分離器(17)と、
気液分離器(17)で分離された液相冷媒を減圧させる第2減圧手段(21)と、
第2減圧手段(21)から流出した液相冷媒と送風空気とを熱交換させて液相冷媒を蒸発させる蒸発器(22)と、
気液分離器(17)から液相冷媒を流出させて第2減圧手段(21)および蒸発器(22)に流入させ更に圧縮機(11)に吸入させる第1モードの冷媒回路と、気液分離器(17)から気相冷媒を流出させて圧縮機(11)に吸入させる第2モードの冷媒回路とを切り替える切替手段(18、20)とを備えることを特徴とする。
これによると、第1モードでは、空調対象空間への送風空気が蒸発器(22)で冷却されるとともに気液分離器(17)がレシーバとして機能し、第2モードでは、空調対象空間への送風空気が放熱器(12、13)で加熱されるとともに気液分離器(17)がアキュムレータとして機能する。
そのため、第1モードの冷媒回路をレシーバサイクルとして構成して放熱ロスを抑制することができるとともに、第2モードの冷却回路をアキュムレータサイクルとして成立させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両用空調装置の全体構成図である。 第1実施形態における貯蔵容器を示す模式図である。 第1実施形態における室外熱交換器、気液分離器および過冷却器を示す模式図である。 第1実施形態の車両用空調装置の冷房モードにおける作動を示す説明図である。 第1実施形態の車両用空調装置の冷房モードにおける気液分離器の作動を示す説明図である。 第1実施形態の車両用空調装置の暖房モードにおける作動を示す説明図である。 第1実施形態の車両用空調装置の暖房モードにおける気液分離器の作動を示す説明図である。 第1実施形態の車両用空調装置の除湿暖房モードにおける作動を示す説明図である。 第1実施形態の車両用空調装置の除湿暖房モードの第1モードにおけるモリエル線図である。 第1実施形態の車両用空調装置の除湿暖房モードの第2モードにおけるモリエル線図である。
以下、一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。本実施形態では、蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10を、内燃機関(エンジン)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1に適用している。冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を加熱あるいは冷却する機能を果たす。
冷凍サイクル装置10は、送風空気を冷却して車室内を冷房する冷房モード(第1モード)の冷媒回路、送風空気を加熱して車室内を暖房する暖房モード(第2モード)の冷媒回路、冷却して除湿された送風空気を加熱して車室内の除湿暖房を行う除湿暖房モード(第1モード)の冷媒回路に切替可能に構成されている。
冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、HFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。さらに、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
圧縮機11は、エンジンルーム内に配置されて、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機として構成されている。圧縮機構としては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動モータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機構の冷媒吐出能力が変更される。
圧縮機11の吐出口側には、凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された吐出冷媒(高圧冷媒)を放熱させて、冷却水を加熱する放熱器である。
冷却水は、凝縮器12とヒータコア13との間を循環するようになっている。ヒータコア13は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されて、凝縮器12で加熱された冷却水(熱媒体)を放熱させて、蒸発器22を通過した送風空気を加熱する加熱用熱交換器(冷媒熱媒体熱交換器)である。
凝縮器12およびヒータコア13は、圧縮機11から吐出された冷媒が持つ熱を車室内への送風空気に放熱させる放熱器を構成している。
凝縮器12の冷媒出口側には、凝縮器12で凝縮された液相冷媒を貯蔵することのできる貯蔵容器14が接続されている。図2に示すように、貯蔵容器14は、冷媒配管の一部を太くすることによって形成されている。貯蔵容器14の内部には、液相冷媒に含まれる水分を吸着する吸着材が収容されている。吸着材は、ゼオライト、シリカゲル等である。
貯蔵容器14の冷媒出口側には、第1膨張弁15の入口側が接続されている。第1膨張弁15は、暖房モード時および除湿暖房モード時に、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を減圧させる減圧手段(第1減圧手段)であり、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体を変位させて絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。
第1膨張弁15は、絞り開度を全開にすることで冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能付きの可変絞り機構で構成されている。第1膨張弁15は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
第1膨張弁15の出口側には、室外熱交換器16の冷媒入口側が接続されている。室外熱交換器16は、エンジンルーム内の車両前方側に配置されて、内部を流通する凝縮器12下流側の冷媒と送風ファン(図示せず)から送風された車室外空気(外気)とを熱交換させる冷媒外気熱交換器である。送風ファンは、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風能力)が制御される電動送風機である。
室外熱交換器16の冷媒出口側には、気液分離器17が接続されている。気液分離器17は、室外熱交換器16から流出した冷媒の気液を分離して、分離された気相冷媒と液相冷媒とを別々に流出させることが可能になっている。すなわち、気液分離器17は、冷媒入口17a、気相冷媒出口17bおよび液相冷媒出口17cとを有している。
図3に示すように、気液分離器17は、縦長のタンク本体171とパイプ状部材172とを有している。パイプ状部材172は、U字状に屈曲する形状に形成され、屈曲部が下方側に位置し、両端開口部が上方側に位置するようにタンク本体171の内部に配置されている。
気液分離器17の液相冷媒出口17cは、タンク本体171の下部に形成されている。気液分離器17の冷媒入口17aは、タンク本体171のうち気相冷媒出口17bよりも上方側に形成されている。気液分離器17の気相冷媒出口17bは、パイプ状部材172の一端開口部によって構成されている。
気液分離器17は、パイプ状部材172の他端開口部からガス冷媒を吸入し、このガス冷媒をパイプ状部材172の下端部にてUターンさせてパイプ状部材172の内部を上昇させる。
パイプ状部材172の下端部には微小なオイル戻し穴172aが形成されている。これにより、タンク本体171内の底部に溜まったオイルと液相冷媒をオイル戻し穴172aからパイプ状部材172の下端部に吸い込み、このオイルと液相冷媒を、パイプ状部材172を流れるガス冷媒に混合して気相冷媒出口17bから流出させる。
図1に示すように、気液分離器17の気相冷媒出口17b側には、第1開閉弁18を介して、圧縮機11が接続されている。従って、気液分離器17は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機11における液圧縮を防止する機能を果たす。
第1開閉弁18は、空調制御装置50から出力される制御信号により、その作動が制御される電磁弁である。第1開閉弁18は、気液分離器17の気相冷媒出口17bから圧縮機11へ向かう気相冷媒の流れを断続する弁手段である。
気液分離器17の液相冷媒出口17c側には、過冷却器19が接続されている。過冷却器19は、気液分離器17で分離された液相冷媒と外気とを熱交換することによって液相冷媒を更に冷却して冷媒の過冷却度を高める熱交換器である。
図3に示すように、室外熱交換器16、気液分離器17および過冷却器19は一体化されている。
図1に示すように、過冷却器19の冷媒出口側には、第2開閉弁20を介して第2膨張弁21が接続されている。第2開閉弁20は、空調制御装置50から出力される制御信号により、その作動が制御される電磁弁である。第2開閉弁20は、気液分離器17の液相冷媒出口17cから第2膨張弁21へ向かう液相冷媒の流れを断続する弁手段である。
第2膨張弁21は、冷房モード時に、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を減圧させる減圧手段(第2減圧手段)である。第2膨張弁21は、蒸発器22出口側冷媒の温度および圧力に基づいて蒸発器22出口側冷媒の過熱度を検出する感温部を有し、蒸発器22出口側冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲となるように機械的機構によって絞り通路面積を調整する温度式膨張弁である。第2膨張弁21は、第1膨張弁15と同様の電気式の可変絞り機構であってもよい。
第2膨張弁21の冷媒出口側には、蒸発器22が接続されている。蒸発器22は、室内空調ユニット30のケーシング31内のうち、ヒータコア13よりも送風空気流れ上流側に配置されている。蒸発器22は、冷房モード時および除湿暖房モード時に、その内部を流通する冷媒をヒータコア13通過前の送風空気と熱交換させて蒸発させることによって送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
第1開閉弁18および第2開閉弁20は、冷房モードの冷媒回路、暖房モードの冷媒回路および除湿暖房モードの冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段(切替手段)を構成している。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すためのもので、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に送風機(図示せず)、蒸発器22、ヒータコア13等を収容して構成されている。
ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
ケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング31内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替手段としての内外気切替装置が配置されている。
内外気切替装置は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させるものである。
内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風手段としての送風機(図示せず)が配置されている。送風機は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機の送風空気流れ下流側には、蒸発器22およびヒータコア13が、送風空気の流れに対して、この順に配置されている。また、ケーシング31内には、蒸発器22を通過した送風空気を、ヒータコア13を迂回させて下流側へ流す冷風バイパス通路32が形成されている。
ケーシング31内において、蒸発器22の送風空気流れ下流側かつヒータコア13の送風空気流れ上流側には、蒸発器22通過後の送風空気のうちヒータコア13を通過させる風量割合を調整するエアミックスドア33が配置されている。
ヒータコア13の送風空気流れ下流側には、ヒータコア13にて加熱された送風空気と、冷風バイパス通路32を通過してヒータコア13にて加熱されていない送風空気とを混合させる混合空間が設けられている。
ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(空調風)を、空調対象空間である車室内へ吹き出す開口穴が配置されている。具体的には、この開口穴としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス開口穴、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット開口穴、および車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。
フェイス開口穴、フット開口穴およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
エアミックスドア33が、ヒータコア13を通過させる風量と冷風バイパス通路32を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整されて、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気(空調風)の温度が調整されることになる。
したがって、エアミックスドア33は、車室内へ送風される空調風の温度を調整する温度調整手段を構成している。エアミックスドア33は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
フェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、開口穴モードを切り替える開口穴モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータも、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
吹出口モード切替手段によって切り替えられる吹出口モードとしては、フェイス吹出口を全開してフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口を全開するとともにデフロスタ吹出口を小開度だけ開口して、フット吹出口から主に空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口およびデフロスタ吹出口を同程度開口して、フット吹出口およびデフロスタ吹出口の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
乗員が操作パネルに設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。
空調制御装置50は、ROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算および処理を行い、その出力側に接続された圧縮機11用のインバータ、流量調整手段を構成する第1膨張弁15、第1開閉弁18、第2開閉弁20、送風機および各種電動アクチュエータといった各種空調制御機器の作動を制御する。
空調制御装置50の入力側には、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出手段としての内気センサ、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出手段としての外気センサ、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出手段としての日射センサ、凝縮器12と第1膨張弁15との間における冷媒の圧力(高圧側冷媒圧力)Pdを検出する高圧側冷媒圧力センサ、凝縮器12と第1膨張弁15との間における冷媒の温度(高圧側冷媒温度)Tdを検出する高圧側冷媒温度センサ、蒸発器22における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度センサ、混合空間から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する送風空気温度センサ、室外熱交換器16の室外器温度Tsを検出する室外熱交換器温度センサ等の空調制御用のセンサ群の検出信号が入力される。
本実施形態では、送風空気温度TAVを検出する送風空気温度センサを設けているが、この送風空気温度TAVとして、蒸発器温度Tefin、高圧側冷媒温度Td等に基づいて算出された値を採用してもよい。
本実施形態の蒸発器温度センサは、蒸発器22の空気通路に配置された熱交換フィンの温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサとして、蒸発器22のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器22から吹き出された送風空気の温度を検出する温度検出手段を採用してもよい。このことは、室外熱交換器温度センサについても同様である。
空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。この操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、車両用空調装置1の自動制御運転を設定あるいは解除するオートスイッチ、送風空気の冷却を行うA/Cスイッチ(エアコンスイッチ)、送風機の風量をマニュアル設定する風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tsetを設定する目標温度設定手段としての温度設定スイッチ、吹出モードをマニュアル設定する吹出モード切替スイッチ等がある。
空調制御装置50は、その出力側に接続された各種空調用構成機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの空調用構成機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの空調用構成機器の作動を制御する制御手段を構成している。
例えば、本実施形態では、冷媒回路切替手段を構成する第1開閉弁18および第2開閉弁の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が冷媒回路切替制御手段を構成し、流量調整手段を構成する第1膨張弁15の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が冷媒流量制御手段を構成している。もちろん、冷媒回路切替制御手段、冷媒流量制御手段等を空調制御装置50に対して別体の制御装置として構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。本実施形態の車両用空調装置1では、冷房モード、暖房モードおよび除湿暖房モードでの運転に切り替えることができる。これらの各運転モードの切り替えは、空調制御プログラムが実行されることによって行われる。この空調制御プログラムは、操作パネルのオートスイッチが投入(ON)されると実行される。
より具体的には、空調制御プログラムのメインルーチンでは、上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および各種空調操作スイッチからの操作信号を読み込む。そして、読み込んだ検出信号および操作信号の値に基づいて、車室内へ吹き出される送風空気の目標温度である目標吹出温度TAOを、以下の数式F1に基づいて算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
但し、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサによって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサによって検出された外気温、Asは日射センサによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
操作パネルのA/Cスイッチが投入されており、かつ目標吹出温度TAOが予め定めた冷房基準温度α(例えば、25℃)よりも低くなっている場合には、冷房モードでの運転を実行する。
A/Cスイッチが投入された状態において、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっている場合には、除湿暖房モードでの運転を実行する。A/Cスイッチが投入されていない場合には、暖房モードでの運転を実行する。以下に各運転モードにおける作動を説明する。
(a)冷房モード
図4に示す冷房モードでは、空調制御装置50が、第1開閉弁18を閉じて第2開閉弁20を開けるとともに、第1膨張弁15の絞り開度を全開とする。これにより、冷房モードでは、図4の矢印に示すように、圧縮機11→凝縮器12→全開状態の第1膨張弁15→室外熱交換器16→気液分離器17→過冷却器19→第2膨張弁21→蒸発器22→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
したがって、図5に示すように、気液分離器17では、気相冷媒出口17bから気相冷媒が流出せず、液相冷媒出口17cから液相冷媒が流出する。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置50が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、各種空調制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータに出力される制御信号については、次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、蒸発器22の目標蒸発器吹出温度TEOを決定する。
そして、この目標蒸発器吹出温度TEOと蒸発器温度センサによって検出された蒸発器温度Tefinとの偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて蒸発器温度Tefinが目標蒸発器吹出温度TEOに近づくように、さらに、蒸発器22に着霜(フロスト)が生じないように、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号が決定される。
エアミックスドア33のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア33がヒータコア13側の空気通路を閉塞し、蒸発器22通過後の送風空気の全流量が冷風バイパス通路32側を通過するように決定される。
そして、上記のように決定された制御信号等を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モード時にも同様に行われる。
従って、冷房モード時の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が凝縮器12に流入する。そのため、凝縮器12で加熱された冷却水がヒータコア13に流入する。この際、エアミックスドア33がヒータコア13側の空気通路を閉塞しているので、ヒータコア13に流入した冷却水は、殆ど送風空気と熱交換することなく、ヒータコア13から流出する。
凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15に流入する。この際、第1膨張弁15が全開となっているので、凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15にて減圧されることなく、室外熱交換器16に流入する。そして、室外熱交換器16に流入した冷媒は、室外熱交換器16にて送風ファンから送風された外気へ放熱する。
室外熱交換器16から流出した冷媒は、気液分離器17に流入して気液分離される。第1開閉弁18が閉じて第2開閉弁20が開いているので、気液分離器17にて分離された液相冷媒が過冷却器19に流入して過冷却された後、第2膨張弁21に流入し、第2膨張弁21にて低圧冷媒となるまで減圧される。
第2膨張弁21では、蒸発器22出口側冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲となるように機械的機構によって絞り通路面積が調整される。第2膨張弁21にて減圧された低圧冷媒は、蒸発器22に流入して蒸発する。これにより、送風機から送風された送風空気が冷却される。
蒸発器22から流出した冷媒は、圧縮機11の吸入側から吸入されて再び圧縮機11にて圧縮される。以上のように、冷房モードでは、蒸発器22にて冷却された送風空気を車室内へ吹き出して車室内の冷房を実現することができる。
(b)暖房モード
図6に示す暖房モードでは、空調制御装置50が、第1開閉弁18を開き第2開閉弁20を閉じるとともに、第1膨張弁15を、減圧作用を発揮する絞り状態とする。これにより、暖房モードでは、図6の矢印に示すように、圧縮機11→凝縮器12→第1膨張弁15→室外熱交換器16→気液分離器17→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
したがって、図7に示すように、気液分離器17では、気相冷媒出口17bから気相冷媒が流出し、液相冷媒出口17cから液相冷媒が流出しない。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置50が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、各種空調制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータに出力される制御信号については、次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して、凝縮器12の目標凝縮器温度TCOを決定する。
そして、この目標凝縮器温度TCOと実際の凝縮器温度との偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて実際の凝縮器温度が目標凝縮器温度TCOに近づくように、さらに、高圧側冷媒圧力Pdの異常上昇が抑制されるように、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号が決定される。
また、第1膨張弁15へ出力される制御信号については、凝縮器12から流出して第1膨張弁15に流入する冷媒の過冷却度が、サイクルの成績係数(COP)が略最大値となるように定められた目標過冷却度に近づくように決定される。
なお、実際の凝縮器温度、および膨張弁15に流入する冷媒の過冷却度は、高圧側冷媒圧力センサによって検出された高圧側冷媒圧力Pd、および高圧側冷媒温度センサによって検出された高圧側冷媒温度Tdから算出される。
また、エアミックスドア33のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア33が冷風バイパス通路32を閉塞し、蒸発器22通過後の送風空気の全流量がヒータコア13側の空気通路を通過するように決定される。
従って、暖房モード時の冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が凝縮器12に流入する。そのため、凝縮器12で加熱された冷却水がヒータコア13に流入する。ヒータコア13に流入した冷却水は、送風機から送風されて蒸発器22を通過した送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が加熱される。
凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15に流入し、第1膨張弁15にて低圧冷媒となるまで減圧される。そして、第1膨張弁15にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器16に流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱する。
室外熱交換器16から流出した冷媒は、気液分離器17に流入して気液分離される。第1開閉弁18が開き、第2開閉弁20が閉じているので、気液分離器17にて分離された気相冷媒が圧縮機11の吸入側から吸入されて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上のように、暖房モードでは、凝縮器12にて加熱された送風空気を車室内へ吹き出して車室内の暖房を実現することができる。
(c)除湿暖房モード
図8に示す除湿暖房モードでは、空調制御装置50が、第1開閉弁18を閉じ、第2開閉弁20を開けるとともに、第1膨張弁15を減圧作用を発揮する絞り状態とする、または第1膨張弁15の絞り開度を全開とする。
これにより、除湿暖房モードでは、図8の矢印に示すように、圧縮機11→凝縮器12→第1膨張弁15→室外熱交換器16→気液分離器17→過冷却器19→第2膨張弁21→蒸発器22→圧縮機11の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
したがって、図5に示すように、気液分離器17では、気相冷媒出口17bから気相冷媒が流出せず、液相冷媒出口17cから液相冷媒が流出する。
第2膨張弁21では、蒸発器22出口側冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲となるように機械的機構によって絞り通路面積が調整される。
さらに、この冷媒回路の構成で、空調制御装置50が、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、空調制御装置50に接続された各種制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号については、冷房モードと同様に決定される。また、エアミックスドア33のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア33がヒータコア13側の空気通路および冷風バイパス通路32の両方を開けて、蒸発器22通過後の送風空気がヒータコア13側の空気通路および冷風バイパス通路32の両方を通過するように決定される。
さらに、エアミックスドア33の開度が目標吹出温度TAOに応じて決定されることによって、車室内へ送風される空調風の温度が目標吹出温度TAOに応じて調整される。
また、第1膨張弁15については、空調制御装置50は、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、第1膨張弁15の絞り開度を減少させる。これにより、除湿暖房モードでは、低吹出温度モードまたは高吹出温度モードを実行する。
(c−1)低吹出温度モード
低吹出温度モードは、除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上、かつ予め定めた第1基準温度以下となっている場合に実行される。
低吹出温度モードでは、空調制御装置50が、第1膨張弁15の絞り開度を全開とし、第2膨張弁21を絞り状態とする。従って、低吹出温度モードでは、サイクル構成は冷房モードと全く同様となるものの、エアミックスドア33がヒータコア13側の空気通路を開けているので、図9のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図9に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(a1点)は、凝縮器12に流入して、蒸発器22にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図9のa1点→a2点)。これにより、送風空気が加熱される。凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15に流入する。この際、第1膨張弁15が全開となっているので、凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15にて減圧されることなく、室外熱交換器16に流入する。
そして、室外熱交換器16に流入した冷媒は、室外熱交換器16にて送風ファンから送風された外気と熱交換して放熱して気液分離器17に流入し、さらに過冷却器19に流入して過冷却される(図9のa2点→a3点)。
すなわち、第1開閉弁18が閉じて第2開閉弁20が開いているので、室外熱交換器16から気液分離器17に流入した冷媒のうち液相冷媒が過冷却器19に流入して過冷却される。
過冷却器19から流出した冷媒は第2膨張弁21にて低圧冷媒となるまで減圧される(図9のa3点→a4点)。第2膨張弁21にて減圧された低圧冷媒は、蒸発器22に流入して蒸発する(図9のa4点→a5点)。
これにより、送風機から送風された送風空気が冷却される。そして、蒸発器22から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上のように、低吹出温度モード時には、蒸発器22にて冷却されて除湿された送風空気を、凝縮器12にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
(c−2)高吹出温度モード
高吹出温度モードは、除湿暖房モード時に、目標吹出温度TAOが第1基準温度より高く、かつ予め定めた第2基準温度以下となった場合に実行される。高吹出温度モードでは、空調制御装置50が、第1膨張弁15を絞り状態とし、第2膨張弁21の絞り開度を低吹出温度モード時よりも増加させる。従って、高吹出温度モードでは、図10のモリエル線図に示すようにサイクルを循環する冷媒の状態が変化する。
すなわち、図10に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒(b1点)は、凝縮器12に流入して、蒸発器22にて冷却されて除湿された送風空気と熱交換して放熱する(図10のb1点→b2点)。これにより、送風空気が加熱される。凝縮器12から流出した冷媒は、第1膨張弁15に流入し、中間圧冷媒となるまで減圧される(図10のb2点→b3点)。
そして、第1膨張弁15にて減圧された中間圧冷媒は、室外熱交換器16に流入して、送風ファンから送風された外気と熱交換して放熱して気液分離器17に流入し、さらに過冷却器19に流入して過冷却される(図10のb3点→b4点)。
すなわち、第1開閉弁18が閉じて第2開閉弁20が開いているので、室外熱交換器16から気液分離器17に流入した冷媒のうち液相冷媒が過冷却器19に流入して過冷却される。
過冷却器19から流出した冷媒は、第2膨張弁21にて低圧冷媒となるまで減圧される(図10のb4点→b5点)。第2膨張弁21にて減圧された低圧冷媒は、蒸発器22に流入して蒸発する(図10のb5点→b6点)。
これにより、送風機から送風された送風空気が冷却される。そして、蒸発器22から流出した冷媒は、冷房モードと同様に、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。
以上のように、高吹出温度モード時には、低吹出温度モードと同様に、蒸発器22にて冷却されて除湿された送風空気を、ヒータコア13にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。
この際、高吹出温度モードでは、第1膨張弁15を絞り状態としているので、低吹出温度モードに対して、室外熱交換器16に流入する冷媒の温度を低下させることができる。従って、室外熱交換器16における冷媒の温度と外気温との温度差を縮小して、室外熱交換器16における冷媒の放熱量を低減できる。
その結果、低吹出温度モードに対してサイクルを循環する冷媒循環流量を増加させることなく、凝縮器12における冷媒圧力を上昇させることができ、低吹出温度モードよりもヒータコア13から吹き出される温度を上昇させることができる。
上記のように、本実施形態の車両用空調装置1によれば、冷房モード、暖房モードおよび除湿暖房モードでの運転を切り替えることによって、車室内の適切な空調を実現することができる。
本実施形態の車両用空調装置1によれば、冷房モードおよび除湿暖房モードでは、車室内への送風空気が蒸発器22で冷却されるとともに気液分離器17がレシーバとして機能し、暖房モードでは、車室内への送風空気がヒータコア13で加熱されるとともに気液分離器17がアキュムレータとして機能する。
そのため、冷房モードおよび除湿暖房モードの冷媒回路をレシーバサイクルとして構成して放熱ロスを抑制することができるとともに、暖房モードの冷却回路をアキュムレータサイクルとして成立させることができる。
本実施形態の車両用空調装置1によれば、除湿暖房モードにおいて、第1膨張弁15の絞り開度を空調負荷(具体的には目標吹出温度TAO)に応じて調整するので、空調負荷に応じてヒータコア13から吹き出される温度を調整することができる。
本実施形態の車両用空調装置1によれば、冷房モードおよび除湿暖房モードにおいて室外熱交換器16で蒸発した凝縮された液相冷媒を過冷却器19で過冷却することができるので、サイクル効率を向上できる。
暖房モードでは、凝縮器12および室外熱交換器16が気液2相冷媒となるのに対し、冷房モードでは室外熱交換器16および蒸発器22が気液2相冷媒となる。一般的には蒸発器22の容積は凝縮器12の容積よりも大きくなる。そのため、暖房モード時の必要冷媒量は冷房モード時の必要冷媒量に比べ少なくなるので、暖房モードでは余剰液相冷媒が発生する。
本実施形態の車両用空調装置1によれば、凝縮器12と第1膨張弁15との間に貯蔵容器14が配置されているので、暖房モードにおける余剰液相冷媒を貯蔵容器14で貯えることができる。
そのため、暖房モードにおける余剰液相冷媒を気液分離器17で貯える場合と比較して気液分離器17の体格を小型化でき、ひいては冷凍サイクル装置10の車両への搭載性を向上できる。
本実施形態の車両用空調装置1によれば、貯蔵容器14は、液相冷媒に含まれる水分を吸着する吸着材を収容しているので、気液分離器17に吸着剤を収容する場合と比較して気液分離器17の体格を小型化でき、ひいては冷凍サイクル装置10の車両への搭載性を向上できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態に限定されることなく、例えば以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10を、ハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1に適用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、冷凍サイクル装置10を、車両走行用の駆動力を内燃機関(エンジン)から得る通常の車両用の空調装置に適用してもよいし、車両走行用の駆動力を走行用電動モータから得る電気自動車(燃料電池車両等を含む)用の空調装置に適用してもよい。
内燃機関を有する車両に適用する場合には、エンジン冷却水を熱源として送風空気を加熱する補助加熱手段を室内空調ユニット30内に配置してもよい。電気自動車においては、バッテリや電気機器を冷却する冷却水を熱源として送風空気を加熱する補助加熱手段を室内空調ユニット30内に配置してもよい。
また、補助加熱手段としては、冷却水を熱源として送風空気を加熱する補助加熱用熱交換器(ヒータコア)に限定されることなく、PTCヒータやニクロム線からなる電気ヒータを採用してもよい。また、冷凍サイクル装置10は、車両用に限定されることなく、据え置き型の空調装置に適用してもよい。
(2)上述の実施形態では、暖房モード、冷房モードおよび除湿暖房モードの各運転モード時に、空調制御装置50が、ヒータコア12側の空気通路、および冷風バイパス通路32のいずれか一方を閉塞するようにエアミックスドア33を作動させる例について説明したが、エアミックスドア33の作動はこれに限定されない。
例えば、エアミックスドア33がヒータコア12側の空気通路、および冷風バイパス通路32の双方を開くようにしてもよい。そして、室内凝縮器12側の空気通路を通過させる風量と冷風バイパス通路32を通過させる風量との風量割合を調整することで、車室内への吹出空気の温度を調整するようにしてもよい。このような、温度調整は、送風空気の温度を微調整し易い点で有効である。
エアミックスドア33の代わりに、ヒータコア12を流れる冷却水の流量を調整する流量調整弁(流量調整手段)を用いてもよい。
(3)上述の実施形態では、空調制御プログラムを実行することによって、各運転モードを切り替えた例を説明したが、各運転モードの切り替えはこれに限定されない。例えば、操作パネルに各運転モードを設定する運転モード設定スイッチを設け、当該運転モード設定スイッチの操作信号に応じて、暖房モードと冷房モードおよび除湿暖房モードを切り替えるようにしてもよい。
(4)上述の実施形態では、室内空調ユニット30のケーシング31内にヒータコア13を配置し、ヒータコア13において、凝縮器12で加熱された冷却水と車室内への送風空気とを熱交換させるようになっているが、室内空調ユニット30のケーシング31内に凝縮器12を配置し、凝縮器12において、冷媒と車室内への送風空気とを熱交換させるようにしてもよい。
(5)上述の実施形態では、気液分離器17において、気相冷媒用のパイプ状部材172にオイル戻し穴172aを形成しているが、気相冷媒用のパイプ状部材172とは別個にオイル戻し用のパイプ状部材を設け、気相冷媒用のパイプ状部材172とオイル戻し用のパイプ状部材とを第1開閉弁18の上流側で合流させるようにしてもよい。
(6)上述の実施形態において、冷房モードの冷媒回路では、圧縮機11から吐出された冷媒が凝縮器12および貯蔵容器14をバイパスして流れるようになっていてもよい。
(7)上述の実施形態では、第1膨張弁15は全開機能付きの可変絞り機構で構成されているが、第1膨張弁15の代わりに、固定絞りと、固定絞りを迂回する迂回流路と、冷媒が固定絞りを流れる場合と迂回流路とを流れる場合とを切り替える電磁弁とが配置されていてもよい。
(8)上述の実施形態では、暖房モードにおける余剰液相冷媒を貯蔵容器14で貯えるようになっているが、暖房モードにおける余剰液相冷媒を気液分離器17で貯えるようになっていてもよい。
(9)上述の実施形態では、貯蔵容器14の内部に吸着材が収容されているが、気液分離器17の内部に吸着材が収容されていてもよい。
11 圧縮機
12 凝縮器(放熱器)
13 ヒータコア(放熱器)
14 貯蔵容器
15 第1膨張弁(第1減圧手段)
17 気液分離器
18 第1開閉弁(切替手段)
19 過冷却器
20 第2開閉弁(切替手段)
21 第2膨張弁(第2減圧手段)

Claims (9)

  1. 冷媒を吸入して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒が持つ熱を空調対象空間への送風空気に放熱させる放熱器(12、13)と、
    絞り開度を変更可能に構成され、前記放熱器(12、13)から流出した前記冷媒を減圧させる第1減圧手段(15)と、
    前記第1減圧手段(15)から流出した前記冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(16)と、
    前記室外熱交換器(16)から流出した前記冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、前記気相冷媒と前記液相冷媒とを別々に流出させることが可能な気液分離器(17)と、
    前記気液分離器(17)で分離された前記液相冷媒を減圧させる第2減圧手段(21)と、
    前記第2減圧手段(21)から流出した前記液相冷媒と前記送風空気とを熱交換させて前記液相冷媒を蒸発させる蒸発器(22)と、
    前記気液分離器(17)から前記液相冷媒を流出させて前記第2減圧手段(21)および前記蒸発器(22)に流入させ更に前記圧縮機(11)に吸入させる第1モードの冷媒回路と、前記気液分離器(17)から前記気相冷媒を流出させて前記圧縮機(11)に吸入させる第2モードの冷媒回路とを切り替える切替手段(18、20)とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記第1モードの冷媒回路に切り替えられた場合、前記第1減圧手段(15)は、前記室外熱交換器(16)において前記冷媒が前記外気に放熱するように前記絞り開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記第2モードの冷媒回路に切り替えられた場合、前記第1減圧手段(15)は、前記室外熱交換器(16)において前記冷媒が前記外気から吸熱するように前記絞り開度を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記第1モードの冷媒回路に切り替えられた場合、前記第1減圧手段(15)は、空調負荷(TAO)に応じて前記絞り開度を調整することを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記気液分離器(17)で分離された前記液相冷媒を過冷却する過冷却器(19)を備え、
    前記第2減圧手段(21)には、前記過冷却器(19)で過冷却された前記液相冷媒が流入することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記放熱器(12)と前記第1減圧手段(15)との間に配置され、前記液相冷媒を貯蔵することが可能な貯蔵容器(14)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記貯蔵容器(14)は、前記液相冷媒に含まれる水分を吸着する吸着材を収容していることを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記切替手段(18、20)は、前記気液分離器(17)から前記圧縮機(11)へ向かう前記気相冷媒の流れを断続するとともに、前記気液分離器(17)から前記第2減圧手段(21)へ向かう前記液相冷媒の流れを断続する弁手段であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記放熱器(12、13)は、前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒と熱媒体とを熱交換させる冷媒熱媒体熱交換器(12)と、前記冷媒熱媒体熱交換器(12)で熱交換された前記熱媒体と前記送風空気とを熱交換させるヒータコア(13)とを有していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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