JP2018165604A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒回路を切替可能に構成されて、熱交換対象流体を充分に冷却あるいは加熱することのできる冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】送風空気を冷却する冷房モード時には、外気熱交換部16aにて外気と熱交換させて凝縮させた液相冷媒をレシーバタンク16bに蓄え、レシーバタンク16bから流出した液相冷媒を過冷却熱交換部16cにて過冷却し、過冷却された冷媒を減圧して室内蒸発部18にて蒸発させるレシーバサイクルを構成する冷媒回路に切り替える。送風空気を加熱する暖房モード時には、加熱部を構成する水−冷媒熱交換器12aにて放熱した冷媒を減圧して、減圧された冷媒を外気熱交換部16aにて外気と熱交換させて蒸発させ、レシーバタンク16bにて気液分離された気相冷媒を圧縮機11に吸入させるアキュムレータサイクルを構成する冷媒回路に切り替える。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒回路を切替可能に構成された冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、冷媒回路を切替可能に構成された蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が開示されている。この特許文献1の冷凍サイクル装置は、車両用空調装置に適用されており、車室内の冷房を行うための冷房モードの冷媒回路、車室内の暖房を行うための暖房モードの冷媒回路等を切り替えることができる。
より具体的には、特許文献1の冷凍サイクル装置は、室内凝縮器、室外熱交換器、室内蒸発器、アキュムレータ等を備えている。アキュムレータは、圧縮機の吸入側に配置されており、蒸発器として機能する熱交換器から流出した低圧冷媒の気液を分離し、分離された低圧液相冷媒をサイクルの余剰冷媒として蓄えるとともに、分離された気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させるものである。
そして、車室内の冷房を行う際には、圧縮機→室外熱交換器→冷房用の減圧装置→室内蒸発器→アキュムレータ→圧縮機の順に冷媒を循環させる冷房モードの冷媒回路に切り替える。冷房モードの冷媒回路では、室内蒸発器にて冷媒が車室内へ送風される送風空気から吸熱した熱を、室外熱交換器にて外気へ放熱させることによって、車室内の冷房を実現している。
一方、車室内の暖房を行う際には、圧縮機→室内凝縮器→暖房用の減圧装置→室外熱交換器→アキュムレータ→圧縮機の順に冷媒を循環させる暖房モードの冷媒回路に切り替える。暖房モードの冷媒回路では、室外熱交換器にて冷媒が外気から吸熱した熱を室内凝縮器にて送風空気に放熱させることによって、車室内の暖房を実現している。
特開2012−225637号公報
ところで、冷房モードの冷凍サイクル装置にて、送風空気の冷却能力を充分に向上させるためには、蒸発器として機能する熱交換器(特許文献1では、室内蒸発器)にて冷媒を完全に蒸発させることが望ましい。より具体的には、室内蒸発器から流出する冷媒が、ある程度(例えば、5℃程度)の過熱度を有する気相冷媒となるように蒸発させることで、送風空気の冷却能力およびサイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
ところが、特許文献1の冷凍サイクル装置では、冷房モードの冷媒回路に切り替えた際に、サイクルの余剰冷媒を圧縮機の吸入側に配置されたアキュムレータに蓄える、いわゆるアキュムレータサイクルが構成される。このため、冷房モード時に室内蒸発器から流出する冷媒を過熱度を有する気相冷媒とすることが難しい。
これに対して、冷房モード時に、放熱器として機能する熱交換器(特許文献1では、室外熱交換器)として、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用する手段が考えられる。
ここで、サブクール型の凝縮器とは、凝縮部、レシーバ部、過冷却部等を有し、冷媒を過冷却液相状態となるまで放熱させる熱交換器である。凝縮部は、冷媒と外気とを熱交換させて冷媒を凝縮させる熱交換部である。レシーバ部は、凝縮部から流出した液相冷媒を蓄える受液部である。過冷却部は、レシーバ部から流出した液相冷媒と外気とを熱交換させて液相冷媒を過冷却する熱交換部である。
これによれば、凝縮部にて凝縮させた高圧液相冷媒をサイクルの余剰冷媒としてレシーバ部に蓄える、いわゆるレシーバサイクルを構成することができる。従って、室内蒸発器から流出する冷媒を過熱度を有する気相冷媒となるまで蒸発させることができる。さらに、過冷却部にて冷媒を過冷却させることで、室内蒸発器の出口側冷媒のエンタルピと入口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差を拡大させることができる。
従って、特許文献1の冷凍サイクル装置の室外熱交換器として、サブクール型の凝縮器を採用することで、冷房モードの冷媒回路に切り替えた際に、送風空気の冷却能力およびサイクルのCOPの向上を狙うことができる。
しかしながら、特許文献1の冷凍サイクル装置の室外熱交換器として、サブクール型の凝縮器を採用すると、暖房モードの冷媒回路に切り替えた際に、室外熱交換器における冷媒の圧力損失が増大してしまう。その理由は、サブクール型の凝縮器では、過冷却部に液相冷媒を流通させることを前提としているので、過冷却部の冷媒通路断面積が比較的小さく設定されているからである。
そして、この圧力損失によって、蒸発器として機能する室外熱交換器から流出する冷媒の圧力が低下してしまうと、圧縮機へ吸入される冷媒の密度が低下してしまう。その結果、暖房モード時にサイクルを循環する循環冷媒流量が減少してしまい、送風空気の加熱能力およびサイクルのCOPが低下してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、冷媒回路を切替可能に構成されて、熱交換対象流体を充分に冷却あるいは加熱することのできる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機から吐出された冷媒を熱源として熱交換対象流体を加熱する加熱部(12、12a〜12d)と、冷媒と外気とを熱交換させる外気熱交換部(16a)と、外気熱交換部から流出した液相冷媒を蓄える受液部(16b)と、受液部から流出した冷媒と外気とを熱交換させる過冷却熱交換部(16c)と、冷媒を熱交換対象流体と熱交換させて蒸発させる蒸発部(18)と、外気熱交換部へ流入する冷媒を減圧させる第1減圧部(14a)と、蒸発部へ流入する冷媒を減圧させる第2減圧部(14b)と、受液部から流出した冷媒を圧縮機の吸入側へ導く迂回通路(21)と、冷媒回路を切り替える冷媒回路切替装置(14c、15)と、を備え、
冷媒回路切替装置は、外気熱交換部にて冷媒を凝縮させる運転条件時に、迂回通路を閉じ、圧縮機→外気熱交換部→受液部→過冷却熱交換部→第2減圧部→蒸発部→圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替え、外気熱交換部にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、迂回通路を開き、圧縮機→加熱部→第1減圧部→外気熱交換部→受液部→迂回通路→圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替える冷凍サイクル装置である。
これによれば、外気熱交換部(16a)にて冷媒を凝縮させる運転条件時に、第2減圧部(14b)にて減圧された冷媒を、蒸発部(18)にて蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、熱交換対象流体を冷却することができる。さらに、外気熱交換部(16a)から流出した高圧液相冷媒を、サイクルの余剰冷媒として受液部(16b)に蓄えるレシーバサイクルを構成することができる。
従って、熱交換対象流体を冷却する運転モードの冷媒回路として、レシーバサイクルを構成することができ、熱交換対象流体を充分に冷却することができる。さらに、外気熱交換部(16a)、受液部(16b)、および過冷却熱交換部(16c)を備えているので、サブクール型の凝縮器と同様に、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
また、外気熱交換部(16a)にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、圧縮機(11)から吐出された高温高圧冷媒を熱源として加熱部(12、12a〜12d)にて熱交換対象流体を加熱することができる。さらに、外気熱交換部(16a)から流出した液相冷媒を圧縮機(11)の吸入側に配置された受液部(16b)に蓄えるアキュムレータサイクルを構成することができる。
従って、熱交換対象流体を加熱する運転モードの冷媒回路として、アキュムレータサイクルを構成することができ、熱交換対象流体を充分に加熱することができる。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、冷媒回路を切替可能に構成されて、熱交換対象流体を充分に冷却あるいは加熱することのできる冷凍サイクル装置を提供することができる。
さらに、冷媒回路切替装置は、外気熱交換部(16a)、過冷却熱交換部(16c)、および蒸発部(18)にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、迂回通路を開き、圧縮機→加熱部→第1減圧部→外気熱交換部→受液部→過冷却熱交換部→第2減圧部→蒸発部→圧縮機の順に冷媒を循環させるとともに、受液部→迂回通路→圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替えるようになっていてもよい。
これによれば、加熱部(12)にて熱交換対象流体を加熱することができると同時に、蒸発部(18)にて熱交換対象流体を冷却することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷房モードおよび第1除湿暖房モードにおける冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第2除湿暖房モードにおける冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第3除湿暖房モードにおける冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の暖房モードにおける冷媒流れを示す全体構成図である。 第1実施形態の室外熱交換器の模式的な断面図である。 第1実施形態の車両用空調装置の電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の冷房モードにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第1除湿暖房モードにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第2除湿暖房モードにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の第3除湿暖房モードにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の暖房モードにおける冷媒の状態の変化を示すモリエル線図である。 第2実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。
(第1実施形態)
図1〜図11を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置10を、内燃機関および走行用電動モータから走行用の駆動力を得るハイブリッド車両に搭載される車両用空調装置1に適用している。この車両用空調装置1は、冷凍サイクル装置10、室内空調ユニット30、空調制御装置40等を備えている。
冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。従って、本実施形態の熱交換対象流体は、送風空気である。
さらに、冷凍サイクル装置10は、車室内の空調を行うために、冷媒回路を切り替えることができる。具体的には、冷凍サイクル装置10は、冷房モードの冷媒回路(図1参照)、第1除湿暖房モードの冷媒回路(図1参照)、第2除湿暖房モードの冷媒回路(図2参照)、第3除湿暖房モードの冷媒回路(図3参照)、暖房モードの冷媒回路(図4参照)を切り替えることができる。なお、図1〜図4では、各運転モードにおける冷媒の流れを太実線矢印で示している。
冷房モードは、冷却された送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の冷房を行う運転モードである。第1〜第3除湿暖房モードは、冷却されて除湿された送風空気を再加熱して車室内へ吹き出すことによって車室内の除湿暖房を行う運転モードである。本実施形態では、第1除湿暖房モードから第3除湿暖房モードの順で、除湿暖房時に送風空気を加熱する加熱能力が高くなる。暖房モードは、加熱された送風空気を車室内へ吹き出すことによって車室内の暖房を行う運転モードである。
また、冷凍サイクル装置10では、HFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、圧縮機11から吐出された吐出冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
冷凍サイクル装置10の構成機器のうち、圧縮機11は、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて回転駆動する電動圧縮機である。圧縮機11は、後述する空調制御装置40から出力される制御信号によって、回転数(すなわち、冷媒吐出能力)が制御される。
圧縮機11の吐出口には、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路の入口側が接続されている。水−冷媒熱交換器12aは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と熱媒体循環回路12を循環する熱媒体(本実施形態では、エチレングリコール水溶液)とを熱交換させて、熱媒体を加熱する熱交換器である。
熱媒体循環回路12は、水−冷媒熱交換器12aとヒータコア12bとの間で熱媒体を循環させる熱媒体回路である。ヒータコア12bは、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。ヒータコア12bは、水−冷媒熱交換器12aにて加熱された熱媒体と後述する室内蒸発器18通過後の送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
熱媒体循環回路12には、ヒータコア12bから流出した熱媒体を水−冷媒熱交換器12aに向けて圧送する水ポンプ12cが配置されている。水ポンプ12cは、空調制御装置40から出力される制御電圧によって、その回転数(水圧送能力)が制御される電動式の水ポンプである。
そして、空調制御装置40が水ポンプ12cを作動させると、図1〜図4の太破線矢印に示すように、熱媒体循環回路12では、水ポンプ12c→水−冷媒熱交換器12aの水通路→ヒータコア12b→水ポンプ12cの順で熱媒体が循環する。これにより、水−冷媒熱交換器12aにて加熱された熱媒体をヒータコア12bへ流入させて、送風空気を加熱することができる。
従って、本実施形態では、熱媒体循環回路12、水−冷媒熱交換器12a、ヒータコア12b、および水ポンプ12cが、圧縮機11から吐出された冷媒を熱源として送風空気を加熱する加熱部を構成している。
水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路の出口には、互いに連通する3つの流入出口を有する第1三方継手13aの流入口側が接続されている。このような三方継手としては、複数の配管を接合して形成されたものや、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けることによって形成されたものを採用することができる。
さらに、冷凍サイクル装置10は、後述するように、第2、第3三方継手13b、13cを備えている。第2、第3三方継手13b、13cの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。
第1三方継手13aの一方の流出口には、第1膨張弁14aの入口側が接続されている。第1三方継手13aの他方の流出口には、第2三方継手13bの一方の流入口側が接続されている。第1三方継手13aの他方の流出口側と第2三方継手13bの一方の流入口側とを接続する冷媒通路には、開閉弁15が配置されている。
開閉弁15は、第1三方継手13aの他方の流出口側と第2三方継手13bの一方の流入口側とを接続する冷媒通路を開閉する電磁弁である。開閉弁15は、冷媒通路を開閉することで、各運転モードの冷媒回路を切り替えることができる。従って、開閉弁15は、冷媒回路切替装置を構成している。開閉弁15は、空調制御装置40から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。
第1膨張弁14aは、少なくとも暖房モード時に、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路から流出して、後述する室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する冷媒を減圧させる第1減圧部である。
第1膨張弁14aは、絞り開度を変化させる弁体、および弁体を変位させる電動アクチュエータ(具体的には、ステッピングモータ)を有する電気式の可変絞り機構である。従って、第1膨張弁14aは、下流側に流出させる冷媒を減圧させる冷媒減圧装置としての機能を果たすとともに、下流側へ流出させる冷媒の流量を調整する流量調整装置としての機能を果たす。
さらに、冷凍サイクル装置10では、後述するように、第2、第3膨張弁14b、14cを備えている。第2、第3膨張弁14b、14cの基本的構成は、第1膨張弁14aと同様である。第1〜第3膨張弁14a〜14cは、弁開度を全開にすることで流量調整作用および冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能、並びに、弁開度を全閉にすることで冷媒通路を閉塞する全閉機能を有している。
そして、この全開機能および全閉機能によって、第1〜第3膨張弁14a〜14cは、上述した各運転モードの冷媒回路を切り替えることができる。従って、第1〜第3膨張弁14a〜14cは、冷媒回路切替装置としての機能も兼ね備えている。第1〜第3膨張弁14a〜14cは、空調制御装置40から出力される制御信号(制御パルス)によって、その作動が制御される。
第1膨張弁14aの出口には、室外熱交換器16の冷媒入口16e側が接続されている。室外熱交換器16は、第1膨張弁14aから流出した冷媒と、外気ファン16dにより送風された外気とを熱交換させる熱交換器である。室外熱交換器16は、少なくとも冷房モード時には、高圧冷媒を放熱させる放熱器として機能し、少なくとも暖房モード時には、低圧冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。
室外熱交換器16は、外気熱交換部16a、レシーバタンク16b、過冷却熱交換部16cを有している。外気熱交換部16aは、第1膨張弁14aから流出した冷媒と外気とを熱交換させる熱交換部である。レシーバタンク16bは、外気熱交換部16aから流出した液相冷媒を蓄える受液部である。過冷却熱交換部16cは、レシーバタンク16bから流出した冷媒と外気とを熱交換させる熱交換部である。
従って、室外熱交換器16は、外気熱交換部16aにて冷媒を凝縮させる運転条件時に、冷媒を過冷却状態となるまで放熱させるサブクール型の凝縮器として用いることができる。また、外気ファン16dは、空調制御装置40から出力される制御電圧によって回転数(すなわち、送風能力)が制御される電動式の送風機である。
室外熱交換器16の詳細構成については、図5を用いて説明する。なお、図5における上下の各矢印は、室外熱交換器16を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。
室外熱交換器16は、レシーバタンク16bに加えて、外気熱交換部16aおよび過冷却熱交換部16cを形成するための複数のチューブ161、入口側タンク162、出口側タンク163等を有している。これらの室外熱交換器16の構成部材は、いずれも伝熱性に優れる金属(本実施形態では、アルミニウム)で形成されており、ろう付け接合により一体化されている。
チューブ161は、内部に冷媒を流通させる冷媒通路を形成するものである。チューブ161は、内部を流通する冷媒の流れ方向に垂直な断面が扁平形状に形成されている。本実施形態では、チューブ161として、内部に複数の冷媒通路が形成された多穴管を採用している。
複数のチューブ161は、一定の方向(本実施形態では、上下方向)に積層配置されている。より具体的には、複数のチューブ161は、隣り合うチューブ161の外表面の平坦面(すなわち、扁平面)同士が互いに平行となるように、一定の間隔を開けて上下方向に積層配置されている。
これにより、隣り合うチューブ161同士の間に、冷媒と熱交換する送風空気が流通する空気通路が形成される。つまり、室外熱交換器16では、複数のチューブ161が間隔を開けて積層配置されていることによって、冷媒と外気とを熱交換させる熱交換部が形成されている。
隣り合うチューブ161同士の間に形成される空気通路には、冷媒と送風空気との熱交換を促進するフィン164が配置されている。フィン164は、チューブ161等と同じ材質の薄板材を波状に曲げ成形することによって形成されたコルゲートフィンである。なお、図5では、図示の明確化のため、フィン164の一部のみを図示しているが、フィン164は熱交換部の全域に亘って配置されている。
入口側タンク162および出口側タンク163は、複数のチューブ161の端部に接続されて、チューブ161を流通する冷媒の集合あるいは分配を行うものである。入口側タンク162および出口側タンク163は、いずれもチューブ161の積層方向(本実施形態では、上下方向)に延びる有底筒状部材で形成されている。
入口側タンク162および出口側タンク163の内部には、内部空間を区画する複数のセパレータ165が配置されている。これにより、入口側タンク162の内部空間は、上方から順に第1〜第3入口側空間162a〜162cに区画され、出口側タンク163の内部空間は、上方から順に第1、第2出口側空間163a、163bに区画されている。
室外熱交換器16の冷媒入口16eは、入口側タンク162の第1入口側空間162aに連通するように設けられている。室外熱交換器16の冷媒出口16fは、出口側タンク163の第2出口側空間163bに連通するように設けられている。
レシーバタンク16bは、チューブ161の積層方向に延びる有底筒状部材で形成されている。レシーバタンク16bは、入口側タンク162に、ろう付け接合されている。
レシーバタンク16bと入口側タンク162との接合部には、レシーバタンク16bの内部空間と第2入口側空間162bとを連通させる入口側連通路16i、およびレシーバタンク16bの内部空間と第3入口側空間162cとを連通させる出口側連通路16jが形成されている。入口側連通路16iは、出口側連通路16jよりも上方側に配置されている。
このため、本実施形態の室外熱交換器16では、冷媒入口16eから入口側タンク162の第1入口側空間162aへ流入した冷媒が、上方側のチューブ161群を流通して出口側タンク163の第1出口側空間163aへ流入する。そして、第1出口側空間163aへ流入した冷媒は、上下方向中間部の別のチューブ161群を流通して入口側タンク162の第2入口側空間162bへ流入する。
さらに、第2入口側空間162bへ流入した冷媒は、レシーバタンク16bを介して、入口側タンク162の第3入口側空間162cへ流入する。第3入口側空間162cへ流入した冷媒は、下方側のさらに別のチューブ161群を流通して出口側タンク163の第2出口側空間163bへ流入する。第2出口側空間163bへ流入した冷媒は、冷媒出口16fから流出する。
以上の説明から明らかなように、室外熱交換器16では、レシーバタンク16bよりも冷媒流れ上流側に形成される熱交換部によって、外気熱交換部16aが構成されている。さらに、レシーバタンク16bよりも冷媒流れ下流側に形成される熱交換部によって、過冷却熱交換部16cが構成されている。
また、本実施形態の室外熱交換器16では、第1入口側空間162aと第1出口側空間163aとを接続する上方側のチューブ161群の本数が、第1出口側空間163aと第2入口側空間162bとを接続する中間部のチューブ161群の本数よりも多くなっている。従って、中間部のチューブ161群の合計通路断面積は、上方側のチューブ161群の合計通路断面積よりも小さくなる。
さらに、第1出口側空間163aと第2入口側空間162bとを接続する中間部のチューブ161群の本数が、第3入口側空間162cと第2出口側空間163bとを接続する下方側のチューブ161群の本数よりも多くなっている。従って、下方側のチューブ161群の合計通路断面積は、中間部のチューブ161群の合計通路断面積よりも小さくなる。
つまり、本実施形態の室外熱交換器16の内部では、冷媒流れ方向に向かって、冷媒流路の通路断面積が縮小している。これによれば、サブクール型の凝縮器として用いた際に、凝縮による冷媒の体積縮小に伴って通路断面積を縮小させることができるので、冷媒の圧力損失を増大させることなく熱交換部を有効に活用することができる。
また、レシーバタンク16bには、気相冷媒出口16gおよび液相冷媒出口16hが形成されている。
気相冷媒出口16gは、レシーバタンク16b内の気相冷媒を液相冷媒よりも優先的に流出させるために、レシーバタンク16bの上方側に形成されている。気相冷媒出口16gには、レシーバタンク16bから流出した冷媒を、圧縮機11の吸入側へ導くための迂回通路21が接続されている。
迂回通路21は、レシーバタンク16bの気相冷媒出口16g側と第3三方継手13cの一方の流入口側とを接続する冷媒通路である。迂回通路21には、第3膨張弁14cが配置されている。第3膨張弁14cは、レシーバタンク16bから流出した冷媒を減圧させる冷媒減圧装置としての機能を果たすとともに、迂回通路21を流通する冷媒の流量を調整する流量調整装置である。
液相冷媒出口16hは、レシーバタンク16b内の冷凍機油が混入した液相冷媒を気相冷媒よりも優先的に流出させるために、レシーバタンク16bの底面に形成されている。液相冷媒出口16hには、冷凍機油が混入した液相冷媒を迂回通路21側へ導くオイル戻し通路21aが接続されている。オイル戻し通路21aとしては、比較的通路断面積の小さいキャピラリチューブを採用することができる。
室外熱交換器16の冷媒出口には、図1〜図4に示すように、逆止弁17を介して、第2三方継手13bの他方の流入口側が接続されている。逆止弁17は、室外熱交換器16側から第2三方継手13b側(すなわち、第2膨張弁14b側)へ冷媒が流れることを許容し、第2三方継手13b側から室外熱交換器16側へ冷媒が流れることを禁止する機能を果たす。
第2三方継手13bの流出口には、第2膨張弁14bの入口側が接続されている。第2膨張弁14bは、少なくとも冷房モード時に、室外熱交換器16から流出した冷媒を減圧させる第2減圧部である。第2膨張弁14bの出口には、室内蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。
室内蒸発器18は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。室内蒸発器18は、少なくとも冷房モード時に、第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒と送風機32から送風された送風空気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させる蒸発部である。そして、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
室内蒸発器18の冷媒出口には、蒸発圧力調整弁19の入口側が接続されている。蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18の着霜を抑制するために、室内蒸発器18における冷媒蒸発圧力を、予め定めた基準圧力以上に維持する機能を果たす。これにより、蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度を、室内蒸発器18の着霜を抑制可能な基準温度(本実施形態では、1℃)以上に維持する機能を果たす。
より具体的には、蒸発圧力調整弁19は、室内蒸発器18出口側冷媒の圧力の上昇に伴って、弁開度を増加させる機械式の可変絞り機構で構成されている。
蒸発圧力調整弁19の出口には、第3三方継手13cの他方の流入口側が接続されている。第3三方継手13cの流出口には、アキュムレータ20の入口側が接続されている。アキュムレータ20は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰液相冷媒を蓄える気液分離器である。アキュムレータ20の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、冷凍サイクル装置10によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すためのものである。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
室内空調ユニット30は、図1〜図4に示すように、その外殻を形成するケーシング31内に形成された空気通路内に送風機32、室内蒸発器18、ヒータコア12b等を収容したものである。
ケーシング31は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング31の送風空気流れ最上流側には、ケーシング31内へ内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33は、ケーシング31内へ内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の導入風量と外気の導入風量との導入割合を変化させるものである。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、空調制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機32が配置されている。送風機32は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機である。送風機32は、空調制御装置40から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、送風能力)が制御される。
送風機32の送風空気流れ下流側には、室内蒸発器18とヒータコア12bが、送風空気流れに対して、この順に配置されている。つまり、室内蒸発器18は、ヒータコア12bよりも、送風空気流れ上流側に配置されている。
ケーシング31内には、室内蒸発器18通過後の送風空気を、ヒータコア12bを迂回して流すバイパス通路35が設けられている。ケーシング31内の室内蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、かつ、ヒータコア12bの送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。
エアミックスドア34は、室内蒸発器18通過後の送風空気のうち、ヒータコア12b側を通過させる送風空気の風量とバイパス通路35を通過させる送風空気の風量との風量割合を調整する風量割合調整部である。エアミックスドア34は、エアミックスドア用の電動アクチュエータによって駆動される。この電動アクチュエータは、空調制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア12bおよびバイパス通路35の送風空気流れ下流側には、ヒータコア12bにて冷媒と熱交換して加熱された送風空気とバイパス通路35を通過して加熱されていない送風空気とを混合させる混合空間が設けられている。さらに、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間にて混合された送風空気(すなわち、空調風)を、空調対象空間である車室内へ吹き出すための開口穴が配置されている。
この開口穴としては、フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴(いずれも図示せず)が設けられている。フェイス開口穴は、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。フット開口穴は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。デフロスタ開口穴は、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すための開口穴である。
これらのフェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたフェイス吹出口、フット吹出口およびデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)に接続されている。
従って、エアミックスドア34が、ヒータコア12bを通過させる風量と冷風バイパス通路35を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間にて混合される空調風の温度が調整される。これにより、各吹出口から車室内へ吹き出される送風空気(空調風)の温度が調整されることになる。
また、フェイス開口穴、フット開口穴、およびデフロスタ開口穴の送風空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス開口穴の開口面積を調整するフェイスドア、フット開口穴の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ開口穴の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替装置を構成するものであって、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータに連結されて連動して回転操作される。なお、この電動アクチュエータも、空調制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
吹出口モード切替装置によって切り替えられる吹出口モードとしては、具体的に、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード等がある。
フェイスモードは、フェイス吹出口を全開としてフェイス吹出口から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。バイレベルモードは、フェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出す吹出口モードである。フットモードは、フット吹出口を全開とするとともにデフロスタ吹出口を小開度だけ開口して、フット吹出口から主に空気を吹き出す吹出口モードである。
さらに、乗員が操作パネル50に設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開としてデフロスタ吹出口から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。空調制御装置40は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、12c、14a〜14c、15、32、その他の各種電動アクチュエータの作動を制御する。
空調制御装置40の入力側には、図6のブロック図に示すように、内気温センサ41、外気温センサ42、日射センサ43、水温センサ44、吐出温度センサ45a、室外器温度センサ45b、蒸発器温度センサ45c、吸入温度センサ45d、吐出圧力センサ46a、タンク圧力センサ46b、室外器圧力センサ46c、吸入圧力センサ46d、空調風温度センサ47等が接続されている。そして、空調制御装置40には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
内気温センサ41は、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ42は、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ43は、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。水温センサ44は、水−冷媒熱交換器12aの水通路から流出してヒータコア12bへ流入する熱媒体の熱媒体温度Twを検出する熱媒体温度検出部である。
吐出温度センサ45aは、圧縮機11から吐出された冷媒の吐出温度Tdを検出する吐出温度検出部である。室外器温度センサ45bは、室外熱交換器16(具体的には、過冷却熱交換部16c)から流出した冷媒の室外器出口温度Toutを検出する室外器出口温度検出部である。蒸発器温度センサ45cは、室内蒸発器18における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。吸入温度センサ45dは、圧縮機11へ吸入される冷媒の吸入温度Tsを検出する吸入温度検出部である。
吐出圧力センサ46aは、圧縮機11の吐出口側から第1膨張弁14aの入口側へ至る冷媒流路を流通する冷媒の吐出圧力Pdを検出する吐出圧力検出部である。タンク圧力センサ46bは、レシーバタンク16b内の冷媒のタンク内圧力Ptkを検出するタンク圧力検出部である。室外器圧力センサ46cは、室外熱交換器16(具体的には、過冷却熱交換部16c)から流出した冷媒の室外器出口圧力Poutを検出する室外器出口温度検出部である。吸入圧力センサ46dは、圧縮機11へ吸入される冷媒の吸入圧力Psを検出する吸入圧力検出部である。
空調風温度センサ47は、混合空間から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。
さらに、空調制御装置40の入力側には、図6に示すように、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル50が接続され、この操作パネル50に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル50に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の自動制御運転を設定あるいは解除するオートスイッチ、車室内の冷房を行うことを要求する冷房スイッチ、送風機32の風量をマニュアル設定する風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tsetを設定する温度設定スイッチ、吹出モードをマニュアル設定する吹出モード切替スイッチ等がある。
なお、本実施形態の空調制御装置40は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。
例えば、空調制御装置40のうち、圧縮機11の冷媒吐出能力(具体的には、圧縮機11の回転数)を制御する構成は、吐出能力制御部40aを構成している。また、流量調整装置である第3膨張弁14cの作動を制御する構成は、流量調整制御部40bを構成している。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。上記の如く、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、車室内の空調を行うために、冷房モード、第1〜第3除湿暖房モード、暖房モードの運転を切り替えることができる。これらの運転モードの切り替えは、空調制御プログラムが実行されることによって行われる。空調制御プログラムは、操作パネル50のオートスイッチが投入(ON)された際に実行される。
より具体的には、空調制御プログラムのメインルーチンでは、上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および各種空調操作スイッチからの操作信号を読み込む。そして、読み込んだ検出信号および操作信号の値に基づいて、車室内へ吹き出す吹出空気の目標温度である目標吹出温度TAOを、以下数式F1に基づいて算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内の目標温度(車室内設定温度)、Trは内気温センサ41によって検出された内気温、Tamは外気温センサ42によって検出された外気温、Asは日射センサ43によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
そして、操作パネル50の冷房スイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが予め定めた冷房基準温度αよりも低くなっている場合には、運転モードが冷房モードに切り替えられる。
また、操作パネル50の冷房スイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっており、かつ、外気温Tamが予め定めた除湿暖房基準温度βよりも高くなっている場合には、運転モードが第1除湿暖房モードに切り替えられる。
また、第1除湿暖房モードでの運転中に、過冷却熱交換部16cにおける圧力損失ΔPが予め定めた第1基準圧力損失KΔP1以上となった際には、運転モードが第2除湿暖房モードに切り替えられる。圧力損失ΔPとしては、タンク圧力センサ46bによって検出されたタンク内圧力Ptkから室外器圧力センサ46cによって検出された室外器出口圧力Poutを減算した値を用いることができる。
ここで、第1基準圧力損失KΔP1は、通常運転時にレシーバタンク16bから過冷却熱交換部16cへ流入する冷媒が気液二相冷媒あるいは気相冷媒となっている際に生じる圧力損失の最低値に相当する値に設定されている。このため、圧力損失ΔPが第1基準圧力損失KΔP1以上となっている際には、過冷却熱交換部16cへ流入する冷媒が気液二相冷媒あるいは気相冷媒となっている。
また、操作パネル50の冷房スイッチが投入された状態で、目標吹出温度TAOが冷房基準温度α以上になっており、かつ、外気温Tamが除湿暖房基準温度β以下になっている場合には、運転モードが第3除湿暖房モードに切り替えられる。
また、操作パネル50の冷房スイッチが投入されていない場合には、運転モードが暖房モードに切り替えられる。
このため、冷房モードは、主に夏季のように比較的外気温が高い場合に実行される。第1〜第3除湿暖房モードは、主に春季あるいは秋季に実行される。暖房モードは、主に冬季の低外気温時に実行される。以下に各運転モードにおける作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、空調制御装置40が、第1膨張弁14aを全開状態とし、第2膨張弁14bを減圧作用を発揮する絞り状態とし、第3膨張弁14cを全閉状態とし、開閉弁15を閉じる。さらに、空調制御装置40は、水ポンプ12cを停止させる。
これにより、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、図1の太実線矢印に示すように、圧縮機11(→水−冷媒熱交換器12a→第1膨張弁14a)→室外熱交換器16の外気熱交換部16a→室外熱交換器16のレシーバタンク16b→室外熱交換器16の過冷却熱交換部16c→逆止弁17→第2膨張弁14b→室内蒸発器18(→蒸発圧力調整弁19→アキュムレータ20)→圧縮機11の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
このサイクル構成で、空調制御装置40は、目標吹出温度TAO、およびセンサ群の検出信号等に基づいて、各種制御対象機器の作動状態(各種制御対象機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータへ出力される制御信号については次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して、室内蒸発器18の目標蒸発器吹出温度TEOを決定する。
具体的には、この制御マップでは、目標吹出温度TAOの低下に伴って、目標蒸発器吹出温度TEOが低下するように決定する。さらに、目標蒸発器吹出温度TEOは、室内蒸発器18の着霜を抑制可能に決定された基準着霜防止温度Tdef(例えば、1℃)以上となるように決定される。
そして、この目標蒸発器吹出温度TEOと蒸発器温度センサ45cによって検出された蒸発器温度Tefinとの偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて、蒸発器温度Tefinが目標蒸発器吹出温度TEOに近づくように、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号が決定される。
また、第2膨張弁14bへ出力される制御信号については、吸入温度センサ45dによって検出された吸入温度Tsおよび吸入圧力センサ46dによって検出された吸入圧力Psから算定された圧縮機11吸入冷媒の過熱度SHが、予め定めた基準過熱度KSH(本実施形態では、5℃)に近づくように決定される。
また、外気ファン16dへ出力される制御電圧については、外気ファン16dが運転モードに応じて予め定めた送風能力を発揮するように決定される。
また、送風機32へ出力される制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して決定される。具体的には、この制御マップでは、目標吹出温度TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)で送風機32の送風量を最大風量とする。
さらに、目標吹出温度TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇するに伴って、目標吹出温度TAOの上昇に応じて送風量を減少させ、目標吹出温度TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下するに伴って、目標吹出温度TAOの低下に応じて送風量を減少させる。また、目標吹出温度TAOが所定の中間温度域内に入ると、送風量を最小風量とする。
また、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が冷風バイパス通路35を全開とし、ヒータコア12b側の通風路が全閉となるように決定される。
そして、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。その後、車両用空調装置1の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種制御対象機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、他の運転モード時にも同様に行われる。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、図7のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図7のa7点)が、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入する。冷房モードでは、水ポンプ12cが停止しているので、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入した冷媒は殆ど放熱することなく、水−冷媒熱交換器12aから流出する。
水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路から流出した冷媒は、全開状態となっている第1膨張弁14aを介して、室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する。室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入した冷媒は、外気ファン16dから送風された外気と熱交換し、放熱して凝縮する(図7のa7点→d7点)。
外気熱交換部16aにて凝縮した冷媒は、レシーバタンク16bへ流入して気液分離される。冷房モードでは、第3膨張弁14cが全閉状態となっているので、レシーバタンク16bの下方側に蓄えられた液相冷媒が、出口側連通路16jを介して過冷却熱交換部16cへ流入する。過冷却熱交換部16cへ流入した液相冷媒は、外気ファン16dから送風された外気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相冷媒となる(図7のd7点→e7点)。
室外熱交換器16の過冷却熱交換部16cから流出した冷媒は、逆止弁17を介して、第2膨張弁14bへ流入して減圧される(図7のe7点→f7点)。この際、第2膨張弁14bの絞り開度は、圧縮機11吸入冷媒(図7のg7点)の過熱度SHが、基準過熱度KSHに近づくように調整される。第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器18へ流入する。
室内蒸発器18へ流入した低圧冷媒は、送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図7のf7点→g7点)。これにより、送風空気が冷却される。室内蒸発器18から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁19、およびアキュムレータ20を介して、圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は再び圧縮される(図7のg7点→a7点)。
以上の如く、冷房モードの冷凍サイクル装置10では、室外熱交換器16を放熱器として機能させ、室内蒸発器18を蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。そして、室内蒸発器18にて冷却された送風空気を車室内に吹き出すことによって、車室内の冷房を実現することができる。
ここで、冷房モードは、外気熱交換部16aにて冷媒を凝縮させる運転条件時である。さらに、冷房モードでは、送風空気を冷却する運転モードの冷媒回路として、外気熱交換部16aから流出した高圧液相冷媒を、サイクルの余剰冷媒としてレシーバタンク16bに蓄えるレシーバサイクルを構成することができる。
従って、室内蒸発器18にて冷媒を完全に蒸発させることができ、アキュムレータ20に余剰冷媒を蓄えるアキュムレータサイクルを構成する場合と比較して、送風空気を充分に冷却することができる。
また、冷房モードの冷媒回路では、レシーバタンク16bから流出した高圧液相冷媒を過冷却熱交換部16cにて過冷却している。従って、いわゆるサブクール型の凝縮器を採用した場合と同様に、室内蒸発器18の出口側冷媒のエンタルピと入口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差を拡大させて、サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
(b)第1除湿暖房モード
第1除湿暖房モードでは、空調制御装置40が、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とし、第3膨張弁14cを全閉状態とし、開閉弁15を閉じる。さらに、空調制御装置40は、予め定めた基準圧送能力を発揮するように水ポンプ12cを作動させる。これにより、第1除湿暖房モードの熱媒体循環回路12では、図1の太破線矢印に示すように、熱媒体が循環する。
さらに、第1除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図1の太実線矢印に示すように、圧縮機11→水−冷媒熱交換器12a→第1膨張弁14a→室外熱交換器16の外気熱交換部16a→室外熱交換器16のレシーバタンク16b→室外熱交換器16の過冷却熱交換部16c→逆止弁17→第2膨張弁14b→室内蒸発器18(→蒸発圧力調整弁19→アキュムレータ20)→圧縮機11の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
このサイクル構成で、空調制御装置40は、冷房モードと同様に、圧縮機11、外気ファン16d、送風機32等の作動を制御する。
また、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bへ出力される制御信号については、吸入冷媒の過熱度SHおよび目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して決定される。
この制御マップでは、圧縮機11吸入冷媒の過熱度SHが、予め定めた基準過熱度KSHに近づくように、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bの合計減圧量を決定する。そして、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、第1膨張弁14aの絞り開度を減少させ、第2膨張弁14bの絞り開度を増加させるように、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bへ出力される制御信号が決定される。
また、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が冷風バイパス通路35を全閉とし、ヒータコア12b側の通風路を全開とするように決定される。
従って、第1除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図8のモリエル線図に示すように、冷媒の状態が変化する。なお、図8では、冷房モードで説明した図7のモリエル線図とサイクル構成上同等の箇所の冷媒の状態を、図7と同一の符号(アルファベット)で示し、添字(数字)のみを変更している。このことは、以下で説明する他のモリエル線図においても同様である。
以上の如く、第1除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、圧縮機11から吐出された冷媒(図8のa8点)が、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入する。水−冷媒熱交換器12aへ流入した冷媒は、水−冷媒熱交換器12aの水通路を流通する熱媒体と熱交換して放熱する(図8のa8点→b8点)。これにより、熱媒体循環回路12を循環する熱媒体が加熱される。
水−冷媒熱交換器12aにて加熱された熱媒体は、ヒータコア12bへ流入する。第1除湿暖房モードでは、エアミックスドア34がヒータコア12b側の通風路を開いているので、ヒータコア12bへ流入した熱媒体と室内蒸発器18通過後の送風空気が熱交換する。これにより、室内蒸発器18にて冷却されて除湿された送風空気の温度が、目標吹出温度TAOに近づくように再加熱される。
水−冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、第1膨張弁14aへ流入して中間圧冷媒となるまで減圧される(図8のb8点→c8点)。第1膨張弁14aにて減圧された中間圧冷媒は、室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する。
ここで、第1除湿暖房モードでは、中間圧冷媒の温度が外気温Tamよりも高くなる。その理由は、中間圧冷媒の温度が外気温Tamよりも低くなっていると、運転モードが第2除湿暖房モードへ切り替えられるからである。
このため、外気熱交換部16aへ流入した冷媒は、外気ファン16dから送風された外気と熱交換し、放熱して凝縮する(図8のc8点→d8点)。外気熱交換部16aにて凝縮した冷媒は、冷房モードと同様に、レシーバタンク16bへ流入して気液分離される。レシーバタンク16bの下方側に蓄えられた液相冷媒は、出口側連通路16jを介して過冷却熱交換部16cへ流入する。
過冷却熱交換部16cへ流入した液相冷媒は、外気ファン16dから送風された外気と熱交換し、さらに放熱して過冷却液相冷媒となる(図8のd8点→e8点)。以降の作動は、冷房モードと同様である。
以上の如く、第1除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、水−冷媒熱交換器12aおよび室外熱交換器16を放熱器として機能させ、室内蒸発器18を蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。そして、室内蒸発器18にて冷却された送風空気をヒータコア12bにて再加熱して車室内に吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を実現することができる。
さらに、第1除湿暖房モードでは、第1膨張弁14aの減圧作用により、冷房モードよりも室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する冷媒(図8のc8点)の温度が低くなる。このため、外気熱交換部16aにおける冷媒の放熱量を減少させて、水−冷媒熱交換器12aにおける冷媒の放熱量を増加させることができる。
従って、第1除湿暖房モードでは、冷房モードと同様の冷媒回路構成で水ポンプ12cを作動させ、エアミックスドア34の開度調整によって送風空気を再加熱することによって、車室内の除湿暖房を行う場合よりも、ヒータコア12bにおける送風空気の加熱能力を向上させることができる。
また、第1除湿暖房モードでは、冷房モードと同様に、レシーバサイクルを構成することができる。従って、冷房モードと同様に、送風空気の冷却能力(第1除湿暖房モードでは、除湿能力)を向上させることができる。さらに、サブクール型の凝縮器を採用した場合と同様に、COPを向上させることができる。
(c)第2除湿暖房モード
第2除湿暖房モードでは、空調制御装置40が、第1〜第3膨張弁14a〜14cを絞り状態とし、開閉弁15を閉じる。さらに、空調制御装置40は、予め定めた基準圧送能力を発揮するように水ポンプ12cを作動させる。これにより、第2除湿暖房モードの熱媒体循環回路12では、図2の太破線矢印に示すように、熱媒体が循環する。
さらに、第2除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図2の太実線矢印に示すように、圧縮機11→水−冷媒熱交換器12a→第1膨張弁14a→外気熱交換部16a→レシーバタンク16b→過冷却熱交換部16c→逆止弁17→第2膨張弁14b→室内蒸発器18(→蒸発圧力調整弁19→アキュムレータ20)→圧縮機11の順に冷媒が循環するとともに、レシーバタンク16b→第3膨張弁14cが配置された迂回通路21(→アキュムレータ20)→圧縮機11の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
このサイクル構成で、空調制御装置40は、第1除湿暖房モードと同様に、圧縮機11、第1膨張弁14a、第2膨張弁14b、外気ファン16d、送風機32、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータ等の作動を制御する。
また、第3膨張弁14cへ出力される制御信号については、外気温Tamから室外器温度センサ45bによって検出された室外器出口温度Toutを減算した温度差ΔT(=Tam−Tout)が予め定めた基準温度差KΔT以下となるように決定される。
これにより、本実施形態では、タンク内圧力Ptkから室外器出口圧力Poutを減算した圧力損失ΔPが、予め定めた第2基準圧力損失KΔP2以下となるようにしている。ここで、第2基準圧力損失KΔP2は、第1基準圧力損失KΔP1よりも大きい値となるものの、第2除湿暖房モード時にサイクルのCOPの低下を抑制できる程度に比較的小さな値に設定されている。
従って、第2除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図9のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図9のa9点)が、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入する。これにより、第1除湿暖房モードと同様に、熱媒体循環回路12を循環する熱媒体が加熱される(図9のa9点→b9点)。そして、加熱された熱媒体を熱源としてヒータコア12bにて室内蒸発器18通過後の送風空気が加熱される。
水−冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、第1膨張弁14aへ流入して中間圧冷媒となるまで減圧される(図9のb9点→c9点)。第1膨張弁14aにて減圧された中間圧冷媒は、室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する。
ここで、第2除湿暖房モードでは、中間圧冷媒の温度が外気温Tamよりも低い温度となる。その理由は、第2除湿暖房モードが実行される運転条件は、過冷却熱交換部16cにおける圧力損失ΔPが第1基準圧力損失KΔP1以上となる運転条件なので、外気熱交換部16aが蒸発器として機能して、レシーバタンク16bから過冷却熱交換部16cへ流入する冷媒が気液二相冷媒あるいは気相冷媒となっているからである。
このため、外気熱交換部16aへ流入した冷媒は、外気ファン16dから送風された外気から吸熱して蒸発する(図9のc9点→d9点)。外気熱交換部16aから流出した冷媒は、レシーバタンク16bへ流入して気液分離される。
レシーバタンク16bにて分離された気相冷媒(図9のdG9点)は、気相冷媒出口16gを介して迂回通路21へ流入する。迂回通路21を流通する冷媒は、第3膨張弁14cによって流量調整されて減圧される(図9のdG9点→g9点)。この際、第3膨張弁14cの絞り開度は、温度差ΔT1が基準温度差KΔT1以下となるように決定される。第3膨張弁14cから流出した冷媒は、アキュムレータ20側へ導かれる。
なお、液相冷媒出口16hからオイル戻し通路21aを経由して冷凍機油が混入した少量の液相冷媒も迂回通路21側に合流してアキュムレータ20側へ導かれる。このことは、後述する第3除湿暖房モード、暖房モードにおいても同様である。
また、レシーバタンク16bの出口側連通路16jから流出した比較的乾き度の低い気液二相冷媒あるいは液相冷媒(図9のdL9点)は、過冷却熱交換部16cへ流入する。過冷却熱交換部16cへ流入した冷媒は、外気から吸熱して蒸発する(図9のdL9点→e9点)。
室外熱交換器16の過冷却熱交換部16cから流出した冷媒は、逆止弁17を介して、第2膨張弁14bへ流入して減圧される(図9のe9点→f9点)。第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器18へ流入する。室内蒸発器18へ流入した低圧冷媒は、送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図9のf9点→g9点)。
室内蒸発器18から流出した冷媒は、迂回通路21から流出した気相冷媒と合流して、圧縮機11に吸入される。圧縮機11に吸入された冷媒は再び圧縮される(図9のg9点→a9点)。
以上の如く、第2除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、水−冷媒熱交換器12aを放熱器として機能させ、室外熱交換器16および室内蒸発器18を蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。そして、室内蒸発器18にて冷却された送風空気をヒータコア12bにて再加熱して車室内に吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を実現することができる。
さらに、第2除湿暖房モードでは、室外熱交換器16を蒸発器として機能させるので、冷媒が室外熱交換器16にて吸熱した熱を水−冷媒熱交換に12aにて熱媒体に放熱させることができる。その結果、第2除湿暖房モードでは、第1除湿暖房モードよりもヒータコア12bにおける送風空気の加熱能力を向上させることができる。
ここで、第2除湿暖房モードは、外気熱交換部16a、過冷却熱交換部16c、および室内蒸発器18にて冷媒を蒸発させる運転条件時である。前述の如く、室外熱交換器16では、冷媒流れ方向に向かって、冷媒流路の通路断面積が縮小している。このため、過冷却熱交換部16cにて冷媒を蒸発させると、冷媒が過冷却熱交換部16cを流通する際の圧力損失が増大して、COPを低下させてしまうおそれがある。
これに対して、第2除湿暖房モードでは、温度差ΔTが基準温度差KΔT以下となるように、第3膨張弁14cを作動させるので、圧力損失ΔPを基準圧力損失KΔP2以下とすることができる。その結果、第2除湿暖房モードでは、サイクルのCOPが大きく低下してしまうことを抑制することができる。
(d)第3除湿暖房モード
第3除湿暖房モードでは、空調制御装置40が、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを絞り状態とし、第3膨張弁14cを全開状態とし、開閉弁15を開く。さらに、空調制御装置40は、予め定めた基準圧送能力を発揮するように水ポンプ12cを作動させる。これにより、第3除湿暖房モードの熱媒体循環回路12では、図3の太破線矢印に示すように、熱媒体が循環する。
さらに、第3除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図3の太実線矢印に示すように、圧縮機11→水−冷媒熱交換器12a→第1膨張弁14a→外気熱交換部16a→レシーバタンク16b→第3膨張弁14cが配置された迂回通路21→アキュムレータ20→圧縮機の順に冷媒が循環するとともに、水−冷媒熱交換器12a(→開閉弁15)→第2膨張弁14b→室内蒸発器18→蒸発圧力調整弁19→アキュムレータ20→圧縮機11の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
このサイクル構成で、空調制御装置40は、第1除湿暖房モードと同様に、圧縮機11、外気ファン16d、送風機32、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータ等の作動を制御する。
また、第1膨張弁14aおよび第2膨張弁14bへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO等に基づいて、予め空調制御装置40に記憶されている制御マップを参照して、サイクルのCOPが極大値に近づくように決定される。具体的には、この制御マップでは、予め定めた基準開度となるように、第2膨張弁14bの絞り開度を決定する。さらに、目標吹出温度TAOの上昇に伴って、第1膨張弁14aの絞り開度を減少させるように決定する。
従って、第3除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図10のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図10のa10点)が、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入する。これにより、第1、第2除湿暖房モードと同様に、熱媒体循環回路12を循環する熱媒体が加熱される(図10のa10点→b10点)。そして、加熱された熱媒体を熱源としてヒータコア12bにて室内蒸発器18通過後の送風空気が加熱される。
水−冷媒熱交換器12aから流出した冷媒の流れは、開閉弁15が開いているので、第1三方継手13aにて分岐される。
第1三方継手13aにて分岐された一方の冷媒は、第1膨張弁14aへ流入して低圧冷媒となるまで減圧される(図10のb10点→c10点)。第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒は、外気熱交換部16aへ流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱して蒸発する(図10のc10点→d10点)。外気熱交換部16aから流出した冷媒は、レシーバタンク16bへ流入して気液分離される。
レシーバタンク16bにて分離された気相冷媒(図10のdG10点)は、気相冷媒出口16gを介して迂回通路21へ流入する。第3除湿暖房モードでは、第3膨張弁14cが全開となっているので、迂回通路21を流通する冷媒は殆ど減圧することなく、アキュムレータ20側へ導かれる。レシーバタンク16bにて分離された液相冷媒は、逆止弁17の作用によって過冷却熱交換部16c側へ流出することはない。
一方、第1三方継手13aにて分岐された他方の冷媒は、開閉弁15および第2三方継手13bを介して、第2膨張弁14bへ流入して低圧冷媒となるまで減圧される(図10のb10点→f10点)。この際、室内蒸発器18の着霜を抑制することができるように、蒸発圧力調整弁19の絞り開度により冷媒蒸発温度を、基準温度(本実施形態では、1℃)以上に維持する。
第2膨張弁14bにて減圧された低圧冷媒は、室内蒸発器18へ流入して、送風機32から送風された送風空気から吸熱して蒸発する(図10のf10点→g10点)。これにより、送風空気が冷却される。室内蒸発器18から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁19を通過する際に減圧されて(図10のg10点→dG10点)、室外熱交換器16のレシーバタンク16bから流出した冷媒と同等の圧力となる。
蒸発圧力調整弁19にて減圧された冷媒は、室外熱交換器16のレシーバタンク16bから流出した冷媒と合流してアキュムレータ20へ流入する。アキュムレータ20から流出した気相冷媒は圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図10のdG10点→a10点)。
以上の如く、第3除湿暖房モードの冷凍サイクル装置10では、水−冷媒熱交換器12aを放熱器として機能させ、室外熱交換器16の外気熱交換部16aおよび室内蒸発器18を蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。そして、室内蒸発器18にて冷却された送風空気をヒータコア12bにて再加熱して車室内に吹き出すことによって、車室内の除湿暖房を実現することができる。
さらに、第3除湿暖房モードでは、外気熱交換部16aにおける冷媒蒸発温度を室内蒸発器18の冷媒蒸発温度よりも低下させることができる。従って、外気熱交換部16aにて冷媒が外気から吸熱する吸熱量を増加させることができ、第2除湿暖房モードよりもヒータコア12bにおける送風空気の加熱能力を向上させることができる。
(e)暖房モード
暖房モードでは、空調制御装置40が、第1膨張弁14aを絞り状態とし、第2膨張弁14bを全閉状態とし、第3膨張弁14cを全開状態とし、開閉弁15を閉じる。さらに、空調制御装置40は、予め定めた基準圧送能力を発揮するように水ポンプ12cを作動させる。これにより、暖房モードの熱媒体循環回路12では、図4の太破線矢印に示すように、熱媒体が循環する。
さらに、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図4の太実線矢印に示すように、圧縮機11→水−冷媒熱交換器12a→第1膨張弁14a→外気熱交換部16a→レシーバタンク16b→第3膨張弁14cが配置された迂回通路21→アキュムレータ20→圧縮機の順に冷媒が循環する蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
このサイクル構成で、空調制御装置40は、各種制御対象機器の作動状態(各種制御対象機器へ出力する制御信号)を決定する。
例えば、圧縮機11の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機11の電動モータへ出力される制御信号については次のように決定される。まず、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して、水−冷媒熱交換器12aにおける目標凝縮圧力PDOを決定する。
具体的には、この制御マップでは、目標吹出温度TAOの上昇に伴って目標凝縮圧力PDOが上昇するように決定する。そして、この目標凝縮圧力PDOと吐出圧力センサ46aによって検出された吐出圧力Pdとの偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて、吐出圧力Pdが目標凝縮圧力PDOに近づくように、圧縮機11の電動モータに出力される制御信号が決定される。
また、第1膨張弁14bへ出力される制御信号については、第1膨張弁14bへ流入する冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCOとなるように決定される。目標過冷却度SCOは、吐出圧力Pdに基づいて、予め空調制御装置40に記憶された制御マップを参照して決定される。具体的には、この制御マップでは、サイクルのCOPが極大値に近づくように暖房用の目標過冷却度SCOを決定する。
また、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号については、エアミックスドア34が冷風バイパス通路35を全閉とし、ヒータコア12b側の通風路を全開とするように決定される。
従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、図11のモリエル線図に示すように、圧縮機11から吐出された冷媒(図11のa11点)が、水−冷媒熱交換器12aの冷媒通路へ流入する。これにより、熱媒体循環回路12を循環する熱媒体が加熱される(図11のa11点→b11点)。そして、加熱された熱媒体を熱源としてヒータコア12bにて室内蒸発器18通過後の送風空気が加熱される。
水−冷媒熱交換器12aから流出した冷媒は、第1膨張弁14aへ流入して低圧冷媒となるまで減圧される(図11のb11点→c11点)。第1膨張弁14aにて減圧された低圧冷媒は、外気熱交換部16aへ流入して、送風ファンから送風された外気から吸熱して蒸発する(図11のc11点→d11点)。外気熱交換部16aから流出した冷媒は、レシーバタンク16bへ流入して気液分離される。
レシーバタンク16bにて分離された気相冷媒(図11のdG11点)は、気相冷媒出口16gを介して迂回通路21へ流入する。第3除湿暖房モードでは、第3膨張弁14cが全開となっているので、迂回通路21を流通する冷媒は殆ど減圧することなく、アキュムレータ20側へ導かれる。レシーバタンク16bにて分離された液相冷媒は、第2膨張弁14bが全閉状態となっているので、過冷却熱交換部16c側へ流出することはない。
アキュムレータ20から流出した気相冷媒は圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される(図11のdG11点→a11点)。
以上の如く、暖房モードの冷凍サイクル装置10では、水−冷媒熱交換器12aを放熱器として機能させ、室外熱交換器16の外気熱交換部16aを蒸発器として機能させる冷凍サイクルが構成される。そして、ヒータコア12bにて加熱された送風空気を車室内に吹き出すことによって、車室内の暖房を実現することができる。
ここで、暖房モードは、外気熱交換部16aにて冷媒を蒸発させる運転条件時である。さらに、暖房モードでは、送風空気を加熱する運転モードの冷媒回路として、外気熱交換部16aから流出した液相冷媒を、サイクルの余剰冷媒として圧縮機11の吸入側に配置されたレシーバタンク16bおよびアキュムレータ20に蓄えるアキュムレータサイクルを構成することができる。従って、送風空気を充分に加熱することができる。
また、本実施形態の暖房モードの冷媒回路では、レシーバタンク16b内の冷媒圧力とアキュムレータ20内の冷媒圧力がほぼ同等となり、レシーバタンク16bおよびアキュムレータ20の双方で、サイクルの余剰冷媒を蓄えるようにしている。
その理由は、暖房モードの冷媒回路に切り替えられた際の冷凍サイクル装置内の容積が、他の運転モードの冷媒回路に切り替えられた際の容積よりも小さくなり、暖房モードにおける余剰冷媒の量が、他の運転モードにおける余剰冷媒の量よりも多くなるからである。従って、暖房モードの冷媒回路に切り替えられた際に、レシーバタンク16bのみで余剰冷媒を蓄えることが可能であれば、アキュムレータ20を廃止してもよい。
従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、送風空気を冷却する冷房モードの冷媒回路として、レシーバサイクルを構成することができ、送風空気を充分に冷却することができる。さらに、室外熱交換器16を、サブクール型の熱交換器として機能させて、サイクルのCOPを向上させることができる。
また、送風空気を加熱する暖房モードの冷媒回路として、アキュムレータサイクルを構成することができ、送風空気を充分に加熱することができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、冷媒回路を切替可能に構成されて、熱交換対象流体である送風空気を充分に冷却あるいは加熱することができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、第2除湿暖房モード時のように、外気熱交換部16a、過冷却熱交換部16c、および室内蒸発器18にて冷媒を蒸発させる冷媒回路を構成することができる。これによれば、ヒータコア12bにて送風空気を加熱することができると同時に、室内蒸発器18にて送風空気を冷却することができる。
この際、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、過冷却熱交換部16cにおける冷媒の圧力損失ΔPが基準圧力損失KΔP2以下となるように、第3膨張弁14cの作動を制御しているので、サイクルのCOPの低下を抑制することができる。さらに、温度差ΔTが基準温度差KΔT以下となるように第3膨張弁14cの作動を制御しているので、温度センサに対して比較的高価なタンク圧力センサ46bを有していない冷凍サイクル装置であっても、容易にサイクルのCOPの低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図12の全体構成図に示すように、熱媒体循環回路12、水−冷媒熱交換器12a、ヒータコア12b、および水ポンプ12cを廃止し、室内凝縮器12dを採用した例を説明する。なお、図12では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。
室内凝縮器12dは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と室内蒸発器18通過後の送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する加熱部である。室内凝縮器12dは、第1実施形態で説明したヒータコア12bと同様に、室内空調ユニット30のケーシング31に配置されている。その他の冷凍サイクル装置10の構成および作動は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の冷凍サイクル装置10のように、熱媒体を介在させることなく、高圧冷媒にて直接的に熱交換対象流体である送風空気を加熱する構成であっても、第1実施形態と同様に、冷媒回路を切り替えても送風空気を充分に冷却あるいは加熱することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10をバイブリッド車両に適用した例を説明したが、本発明に係る冷凍サイクル装置10の適用はこれに限定されない。例えば、内燃機関から走行用の駆動力を得る通常の車両に適用してもよい。内燃機関を有する車両に適用する場合には、第1実施形態で説明した熱媒体循環回路12にエンジン冷却水を流入させるようにしてもよい。さらに、車両用に限定されることなく、定置型の空調装置等に適用してもよい。
(2)各運転モードにおける空調制御装置40の制御態様は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
上述の実施形態では、第1除湿暖房モードでの運転中に、過冷却熱交換部16cにおける圧力損失ΔPが第1基準圧力損失KΔP1以上となった際に第2除湿暖房モードに切り替える例を説明したが、運転モードの切り替えはこれに限定されない。
例えば、第1除湿暖房モードでの運転中に、室外熱交換器16の外気熱交換部16aへ流入する冷媒の温度が外気温Tamよりも低くなった際に第2除湿暖房モードに切り替えるようにしてもよい。これによれば、温度センサに対して比較的高価なタンク圧力センサ46bを有していない冷凍サイクル装置であっても、第1除湿暖房モードと第2除湿暖房モードとの切り替えを行うことができる。
また、第1実施形態では、冷房モード時に空調制御装置40が水ポンプ12cを停止させた例を説明したが、他の運転モードと同様に水ポンプ12cを作動させてもよい。冷房モード時には、エアミックスドア34がヒータコア12b側の通風路を全閉とするので、水ポンプ12cを作動させても送風空気が加熱されてしまうことはない。さらに、水ポンプ12cを作動させて、熱媒体循環回路12内の熱媒体を加熱しておくことで、冷房モードから他の運転モードに切り替えた際に、速やかに送風空気を加熱することができる。
また、上述の実施形態では、冷房モードの基準過熱度KSHを5℃とした例を説明したが、本発明者等の検討によれば、冷房モード時の冷却能力およびサイクルのCOPを向上させるためには、基準過熱度KSHを5℃〜15℃程度に設定すればよいことが判っている。
また、上述の実施形態の第2除湿暖房モードでは、外気温Tamから室外器出口温度Toutを減算した温度差ΔTが基準温度差KΔT以下となるように第3膨張弁14cの作動を制御した例を説明したが、第2除湿暖房モード時の第3膨張弁14cの制御態様はこれに限定されない。
例えば、タンク内圧力Ptkおよび室外器出口圧力Poutの検出値を用いて、圧力損失ΔPが第2基準圧力損失KΔP2以下となるように第3膨張弁14cの作動を制御してもよい。タンク圧力センサ46bを備えていない冷凍サイクル装置10では、レシーバタンク16b内の冷媒のタンク内温度Ttkを検出するタンク温度センサを設けて、タンク内温度Ttkからタンク内圧力Ptkを推定して用いてもよい。
また、上述の実施形態の各運転モードでは、エアミックスドア34の開度を調整しない例を説明したが、冷房モード、第1〜第3除湿暖房モードでは、空調風温度センサ47によって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア34の開度を調整してもよい。
(3)冷凍サイクル装置10の各構成は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、内燃機関を有する車両に適用する場合等には、エンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。さらに、エンジン駆動式の圧縮機としては、吐出容量を変化させることによって冷媒吐出能力を調整可能に構成された可変容量型圧縮機を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、外気熱交換部16a、レシーバタンク16b、および過冷却熱交換部16cを一体的に構成した室外熱交換器16を採用した例を説明したが、もちろん、外気熱交換部16a、レシーバタンク16b、および過冷却熱交換部16cを別体で構成してもよい。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10として、冷媒回路を切替可能に構成されたものを採用した例を説明したが、本発明に係る温度調整装置の効果を得るために、冷媒回路の切り替えは必須ではない。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10の冷媒としてR134aを採用した例を説明したが、冷媒はこれに限定されない。例えば、R1234yf、R600a、R410A、R404A、R32、R407C、等を採用してもよい。または、これらの冷媒のうち複数種を混合させた混合冷媒等を採用してもよい。
11…圧縮機、
12…熱媒体循環回路(加熱部)、12a…水−冷媒熱交換器(加熱部)、
12b…ヒータコア(加熱部)、12c…水ポンプ(加熱部)、
12d…室内凝縮器(加熱部)
14a…第1膨張弁(第1減圧部)、14b…第2膨張弁(第2減圧部)、
14c…第3膨張弁(流量調整装置)、
15…開閉弁(冷媒回路切替装置)、
16…室外熱交換器、
16a…外気熱交換部、16b…レシーバタンク(受液部)、16c…過冷却熱交換部、
18…室内蒸発器(蒸発部)

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を熱源として熱交換対象流体を加熱する加熱部(12、12a〜12d)と、
    冷媒と外気とを熱交換させる外気熱交換部(16a)と、
    前記外気熱交換部から流出した液相冷媒を蓄える受液部(16b)と、
    前記受液部から流出した冷媒と外気とを熱交換させる過冷却熱交換部(16c)と、
    冷媒を前記熱交換対象流体と熱交換させて蒸発させる蒸発部(18)と、
    前記外気熱交換部へ流入する冷媒を減圧させる第1減圧部(14a)と、
    前記蒸発部へ流入する冷媒を減圧させる第2減圧部(14b)と、
    前記受液部から流出した冷媒を前記圧縮機の吸入側へ導く迂回通路(21)と、
    冷媒回路を切り替える冷媒回路切替装置(14c、15)と、を備え、
    前記冷媒回路切替装置は、
    前記外気熱交換部にて冷媒を凝縮させる運転条件時に、前記迂回通路を閉じ、前記圧縮機→前記外気熱交換部→前記受液部→前記過冷却熱交換部→前記第2減圧部→前記蒸発部→前記圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替え、
    前記外気熱交換部にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、前記迂回通路を開き、前記圧縮機→前記加熱部→前記第1減圧部→前記外気熱交換部→前記受液部→前記迂回通路→前記圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替えるものである冷凍サイクル装置。
  2. さらに、前記冷媒回路切替装置は、
    前記外気熱交換部、および前記過冷却熱交換部にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、前記迂回通路を開き、前記圧縮機→前記加熱部→前記第1減圧部→前記外気熱交換部→前記受液部→前記過冷却熱交換部→第2減圧部→前記蒸発部→前記圧縮機の順に冷媒を循環させるとともに、前記受液部→前記迂回通路→前記圧縮機の順に冷媒を循環させる冷媒回路に切り替えるものである請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記冷媒回路切替装置として、前記迂回通路を流通する冷媒の流量を調整する流量調整装置(14c)が含まれている請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記流量調整装置の作動を制御する流量調整制御部(40b)を備え、
    前記流量調整制御部は、前記外気熱交換部、および前記過冷却熱交換部にて冷媒を蒸発させる運転条件時に、前記受液部内の冷媒のタンク内圧力(Ptk)から前記過冷却熱交換部から流出した冷媒の室外器出口圧力(Pout)を減算した圧力損失(ΔP)が予め定めた基準圧力損失(KΔP2)以下となるように、前記流量調整装置の作動を制御するものである請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記流量調整制御部は、外気温(Tam)から前記過冷却熱交換部から流出した冷媒の室外器出口温度(Tout)を減算した温度差(ΔT)が予め定めた基準温度差(KΔT)以下とすることによって、前記圧力損失(ΔP)が前記基準圧力損失(KΔP2)以下となるように、前記流量調整装置の作動を制御するものである請求項4に記載の冷凍サイクル装置。
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