(第1実施形態)
以下、図面を用いて、本発明に係る第1実施形態の冷凍サイクル装置10について説明する。第1実施形態の冷凍サイクル装置10は、空調装置1に適用されている。空調装置1は、空調対象空間である室内へ送風される送風空気を冷却する。図1に示すように、空調装置1は、冷凍サイクル装置10、送風機39、制御部80等を有している。
冷凍サイクル装置10では、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力Pdが冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。もちろん、冷媒としてHFO系冷媒(例えば、R1234yf)等を採用してもよい。更に、冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されている。冷凍機油は、液相冷媒に相溶性を有するPAGオイル(ポリアルキレングリコールオイル)である。冷凍機油の一部は、冷媒とともにサイクルを循環している。
冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、熱交換部60、冷房用減圧部17、蒸発器18等を有している。
圧縮機11は、冷媒を圧縮して、高圧冷媒として吐出する。圧縮機11は、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を交流モータにて駆動する電動式圧縮機である。圧縮機構としては、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。そして、制御部80が交流モータの回転数を制御することによって、圧縮機11の冷媒吐出能力が調整される。
圧縮機11の吐出口には、熱交換部60の冷媒流入口68i側が接続されている。本実施形態の熱交換部60は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と外気とを熱交換させて、高圧冷媒を凝縮させる凝縮用の熱交換器である。熱交換部60は、第1熱交換部61、第2熱交換部62、第3熱交換部63、第1受液部64、及び第2受液部65を有している。
第1熱交換部61は、圧縮機11から吐出された冷媒と熱交換対象流体である外気とを熱交換させる。本実施形態の第1熱交換部61は、冷媒の有する熱を外気へ放熱させて、冷媒を凝縮させる凝縮部として機能する。
第1熱交換部61の冷媒出口には、第1受液部64の入口側が接続されている。第1受液部64は、第1熱交換部61から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離する。第1受液部64は、分離した液相冷媒の一部をサイクル内の余剰冷媒として一時的に貯えることができる。第1受液部64に貯えられる液相冷媒の量は、冷凍サイクル装置10の負荷変動によって変化する。第1受液部64は、分離した液相冷媒を気相冷媒よりも優先的に出口から流出させる。
第1受液部64の出口には、第2熱交換部62の入口側が接続されている。第2熱交換部62は、第1受液部64から流出した冷媒と外気とを熱交換させる。第2熱交換部62は、冷凍サイクル装置10の熱負荷に応じて、凝縮部あるいは過冷却部として機能する。具体的には、本実施形態の第2熱交換部62は、熱交換部60における冷媒の凝縮温度から熱交換部60に流入する外気の温度を減算した温度差ΔTに応じて、凝縮部あるいは過冷却部として機能する。
より詳細には、温度差ΔTが予め定めた基準温度差Ta以上である場合には、第2熱交換部62の少なくとも一部は、第1受液部64から流出した液相冷媒と外気とを熱交換させて、液相冷媒を過冷却する過冷却部として機能する。一方、温度差ΔTが基準温度差Taよりも小さい場合には、第2熱交換部62は、第1受液部64から流出した気相冷媒と外気とを熱交換させて、気相冷媒を凝縮させる凝縮部として機能する。
第2熱交換部62の冷媒出口には、第2受液部65の入口側が接続されている。第2受液部65は、第2熱交換部62から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離する。第2受液部65は、分離した液相冷媒の一部をサイクル内の余剰冷媒として一時的に貯えることができる。第2受液部65に貯えられる液相冷媒の量は、冷凍サイクル装置10の負荷変動によって変化する。第2受液部65は、分離した液相冷媒を気相冷媒よりも優先的に出口から流出させる。
第2受液部65の出口には、第3熱交換部63の入口側が接続されている。第3熱交換部63は、第2受液部65から流出した液相冷媒と外気とを熱交換させる。第3熱交換部63は、液相冷媒の有する熱を外気へ放熱させて、液相冷媒を過冷却する過冷却部として機能する。第3熱交換部63の出口(すなわち、熱交換部60の冷媒流出口68h)には、冷房用減圧部17の入口側が接続されている。
本実施形態の熱交換部60では、第1熱交換部61、第2熱交換部62、第3熱交換部63、第1受液部64、及び第2受液部65が、一体に形成されている。ここで、図2を用いて、熱交換部60の具体的構造について説明する。図2に示すように、熱交換部60は、複数のチューブ66、複数のフィン67、第1タンク68、第2タンク69、一対のサイドプレート70、第1受液部64、及び第2受液部65を有している。
熱交換部60を構成するチューブ66、フィン67、第1タンク68、第2タンク69、サイドプレート70、第1受液部64、及び第2受液部65は、伝熱製に優れる同種類の金属(例えば、アルミニウム合金)で形成されている。複数のチューブ66、複数のフィン67、第1タンク68、第2タンク69、一対のサイドプレート70、第1受液部64、及び第2受液部65は、ロウ付けにより一体に接合されている。
チューブ66は、冷媒が流通する管である。本実施形態では、チューブ66として、長手方向に垂直な断面形状が扁平形状に形成された扁平チューブを採用している。複数のチューブ66は、長手方向が略水平方向と一致するように配置されている。複数のチューブ66は、外表面の平坦面(扁平面)同士が互いに並行となるように、一定の間隔を空けて略鉛直方向に積層配置されている。これにより、隣り合うチューブ66同士の間に、外気が流通する空気通路が形成されている。
なお、以下の説明では、チューブ66の長手方向をチューブ長手方向と記載する。また、チューブ66が積層されている方向をチューブ積層方向と記載する。チューブ積層方向は、略上下方向に一致している。
隣り合うチューブ66同士の間に形成される空気通路には、フィン67が配置されている。フィン67は、空気の伝熱面積を増大させて、冷媒と送風空気との熱交換を促進する伝熱部材である。フィン67は、板状部材を波状に折り曲げることによって成形されたコルゲートフィンである。フィン67の頂部は、隣り合うチューブ66の扁平面に接合されている。
なお、以下の説明において、複数のチューブ66及び複数のフィン67によって形成される略矩形状の熱交換部をコア部75と呼ぶ。本実施形態のコア部75は、図2の上方側から下方側に順番に、上述した第1熱交換部61、第2熱交換部62、第3熱交換部63に分けられている。
第1タンク68は、両端が閉塞された有底筒状部材である。第1タンク68は、チューブ積層方向に延びる形状に形成されている。第1タンク68には、複数のチューブ66の長手方向の一端部が接続されている。
第1タンク68の内部には、第1セパレータ68a、第2セパレータ68b、第3セパレータ68cが配置されている。第1セパレータ68a~第3セパレータ68cは、第1タンク68の内部空間を上下に仕切る仕切部材である。第1セパレータ68a、第2セパレータ68b、第3セパレータ68cは、上方から下方へ、この順番で配置されている。これにより、第1タンク68の内部空間は、上方から下方に順番に、第1内部空間68d、第2内部空間68e、第3内部空間68f、第4内部空間68gに仕切られている。
第1内部空間68dは、第1熱交換部61を形成する各チューブ66のうち、上下方向の中央よりも上側の各チューブ66に連通している。第1タンク68の第1内部空間68dを形成する部位には、入口側コネクタ681が接合されている。入口側コネクタ681は、第1内部空間68dへ冷媒を流入させる冷媒流入口68iが形成されている。冷媒流入口68iには圧縮機11の吐出口側が接続されている。
従って、第1内部空間68dは、圧縮機11から吐出された冷媒を第1熱交換部61を形成する各チューブ66に分配する空間である。
第2内部空間68eは、第1熱交換部61を形成する各チューブ66のうち、上下方向の中央よりも下側の各チューブ66に連通している。第2内部空間68eは、第1熱交換部61の各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。第1タンク68の第2内部空間68eを形成する部位には、第1受液部64の内部空間である第1冷媒貯留空間64aの上方側に連通する第2連通口68jが形成されている。
第3内部空間68fは、第2熱交換部62を形成する各チューブ66に連通している。第3内部空間68fは、第1受液部64から流出した冷媒を、第2熱交換部62を形成する各チューブ66に分配する空間である。第1タンク68の第3内部空間68fを形成する部位には、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64aの下方側に連通する第3連通口68kが形成されている。第3連通口68kは、第2連通口68jよりも下方側に形成されている。
第4内部空間68gは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に連通している。第4内部空間68gは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。第1タンク68の第4内部空間68gを形成する部位には、出口側コネクタ682が接合されている。出口側コネクタ682には、第4内部空間68gから冷媒を流出させる冷媒流出口68hが形成されている。冷媒流出口68hには、冷房用減圧部17の入口側が接続されている。
第2タンク69は、両端が閉塞された有底筒状部材である。第2タンク69は、チューブ積層方向に延びる形状に形成されている。第2タンク69には、複数のチューブ66の長手方向の他端部が接続されている。
第2タンク69の内部には、第4セパレータ69a及び第5セパレータ69bが配置されている。第4セパレータ69a及び第5セパレータ69bは、第2タンク69の内部空間を上下に仕切る仕切り部材である。第4セパレータ69a及び第5セパレータ69bは、上方から下方へ、この順番に配置されている。これにより、第2タンク69の内部空間は、上方から下方に順番に、第5内部空間69c、第6内部空間69d、第7内部空間69eに仕切られている。
第5内部空間69cは、第1熱交換部61を形成する各チューブ66に連通している。第5内部空間69cの上下方向の中央よりも上側は、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも上側の各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。また、第5内部空間69cの上下方向の中央よりも下側は、上側に集合した冷媒の流れ方向を転向させて、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも下側の各チューブ66に冷媒を分配する空間である。
第6内部空間69dは、第2熱交換部62を形成する各チューブ66に連通している。第6内部空間69dは、第2熱交換部62の各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。第2タンク69の第6内部空間69dを形成する部位には、第2受液部65の内部空間である第2冷媒貯留空間65aの上方側に連通する第4連通口69fが形成されている。
第7内部空間69eは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に連通している。第7内部空間69eは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に冷媒を分配する空間である。第2タンク69の第7内部空間69eを形成する部位には、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65aの下方側に連通する第5連通口69gが形成されている。第5連通口69gは、第4連通口69fよりも下方側に形成されている。
サイドプレート70は、コア部75を補強する補強部である。チューブ長手方向と略平行に形成された板状部材である。サイドプレート70は、コア部75のチューブ積層方向の両端部に、1つずつ配置されている。サイドプレート70の両端部は、第1タンク68及び第2タンク69に接合されている。
第1受液部64は、両端が閉塞された有底筒状部材である。第1受液部64は、チューブ積層方向に延びる形状に形成されている。第1受液部64は、第1タンク68に隣接して配置されている。第1受液部64は、第1タンク68に接合されている。
第1受液部64の内部には、第1冷媒貯留空間64aが形成されている。第1冷媒貯留空間64aは、内部へ流入した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒を貯留可能に形成された空間である。
第1冷媒貯留空間64aの上方側は、第1タンク68の第2連通口68jを介して、第2内部空間68eに連通している。また、第1冷媒貯留空間64aの下方側は、第1タンク68の第3連通口68kを介して、第3内部空間68fに連通している。
第2受液部65は、両端が閉塞された有底筒状部材である。第2受液部65は、チューブ積層方向に延びる形状に形成されている。第2受液部65は、第2タンク69に隣接して配置されている。第2受液部65は、第2タンク69に接合されている。
第2受液部65の内部には、第2冷媒貯留空間65aが形成されている。第2冷媒貯留空間65aは、内部へ流入した冷媒の気液を分離して、分離された液相冷媒を貯留可能に形成された空間である。
第2受液部65には、冷媒導入口65b及び冷媒導出口65cが形成されている。冷媒導入口65bは、第2受液部65内へ冷媒を流入させる。冷媒導入口65bは、第2タンク69の第4連通口69fに接続されている。冷媒導出口65cは、第2受液部65内から冷媒を流出させる。冷媒導出口65cは、第2タンク69の第5連通口69gに接続されている。冷媒導出口65cは、冷媒導入口65bよりも下方側に形成されている。
従って、第2冷媒貯留空間65aは、第4連通口69f及び冷媒導入口65bを介して第2タンク69の第6内部空間69dと連通している。第2冷媒貯留空間65aは、冷媒導出口65c及び第5連通口69gを介して第7内部空間69eと連通している。
次に、図1に示す冷房用減圧部17は、熱交換部60の第3熱交換部63から流出した冷媒を減圧させる。更に、冷房用減圧部17は、蒸発器18へ流入する冷媒流量を調整する流量調整部である。本実施形態では、冷房用減圧部17として、温度式膨張弁を採用している。冷房用減圧部17は、蒸発器18の出口側冷媒の過熱度が予め定めた基準過熱度に近づくように、機械的機構によって絞り開度を変化させる。
冷房用減圧部17の出口には、蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。蒸発器18は、冷房用減圧部17によって減圧された低圧冷媒と、送風機39から室内へ送風された送風空気とを熱交換させる。蒸発器18は、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることによって、送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。蒸発器18の冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。
送風機39は、室内へ向けて空気を送風する送風部である。送風機39は、送風ファンを電動モータで駆動する電動送風機である。そして、制御部80が電動送風機の電動モータの回転数を制御することによって、電動送風機の送風能力が調整される。
ここで、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量について説明する。本実施形態では、熱交換部60における冷媒の凝縮温度から熱交換部60に流入する外気の温度を減算した値を温度差ΔTと定義する。そして、温度差ΔTが基準温度差Ta以上である場合(すなわち、後述する第1運転モード時または第3運転モード時)に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量が設定されている。
冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量は、第1運転モード時または第3運転モード時に蒸発器18に保持されている液相冷媒の量、及び第2受液部65の容量が考慮される。具体的には、第2受液部65の容量が大きくなるに伴って、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量は多くなる。
冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量は、少なくとも、第2受液部65の容積、第1運転モード時または第3運転モード時に冷凍サイクルの運転に必要な冷媒の量を合算した量以上の量である。但し、冷凍サイクルの運転に必要な冷媒の量には、第1運転モード時または第3運転モード時に蒸発器18に保持されている液相冷媒の量が含まれる。
更に、本実施形態では、冷凍サイクル装置10の熱負荷に関わらず、第1受液部64に液相冷媒が満たされないように、第1受液部64の容積及び冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。換言すると、冷凍サイクル装置10が高負荷運転となっても、第1受液部64から液相冷媒が第1熱交換部61へ溢れ出ないように冷媒の封入量が設定されている。
次に、図1に示す制御部80は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御部80は、ROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、39等の作動を制御する。制御部80の入力側には、図示しない各種空調制御用のセンサ群が接続されている。制御部80には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
更に、制御部80の入力側には、操作部81が有線または無線で接続されている。制御部80には、操作部81に設けられた各種操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作部81に設けられた各種操作スイッチとしては、具体的に、空調作動スイッチ、風量設定スイッチ、温度設定スイッチ等がある。空調作動スイッチは、ユーザが室内の空調を行うことを要求するための空調作動要求部である。風量設定スイッチは、ユーザが送風機39の風量を設定するための風量設定部である。温度設定スイッチは、ユーザが室内の設定温度を設定するための温度設定部である。
なお、本実施形態の制御部80は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部が一体に構成されたものである。従って、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェア及びソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御部を構成している。例えば、制御部80のうち、圧縮機11の作動を制御する構成が、圧縮機制御部となる。
また、図1の全体構成図では、図示の明確化のため、制御部80と各種制御対象機器とを接続する信号線及び電力線、並びに、制御部80とセンサ群とを接続する信号線の図示を省略している。このことは、以下の実施形態の全体構成図においても同様である。
次に、上記構成における本実施形態の空調装置1の作動について説明する。操作部81の空調作動スイッチが投入(ON)されると、制御部80は、予め記憶回路に記憶されている冷房制御プログラムを実行する。冷房制御プログラムでは、制御用のセンサ群によって検出された検出信号、及び操作部81から出力される操作信号に基づいて、各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。
冷房制御プログラムが実行されて、圧縮機11が作動すると、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が熱交換部60へ流入する。熱交換部60へ流入した冷媒は、熱交換部60にて外気へ放熱して凝縮する。熱交換部60から流出した冷媒は、冷房用減圧部17にて減圧される。
冷房用減圧部17にて減圧された低圧冷媒は、蒸発器18へ流入し、送風機39から送風された送風空気と熱交換する。蒸発器18では、低圧冷媒が送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、送風空気が冷却される。蒸発器18から流出した冷媒は、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
この際、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、熱交換部60にて冷媒と外気とを熱交換させる運転モードとして、冷凍サイクル装置10の熱負荷に応じて、第1運転モード、第2運転モード、第3運転モードの3つの運転モードを実行することができる。
ここで、本実施形態では、冷凍サイクル装置10の熱負荷を判定するパラメータとして、熱交換部60における冷媒の凝縮温度から熱交換部60に流入する外気の温度を減算した温度差ΔTを採用している。例えば、高負荷運転時のように、圧縮機11の回転数が増加する運転モードでは、高圧冷媒の温度が上昇する。従って、温度差ΔTは、冷凍サイクル装置10の熱負荷が高くなるに伴って増加するパラメータとなる。
さらに、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、前述の如く、温度差ΔTが基準温度差Ta以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量が設定されている。このことは、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍サイクル装置10の熱負荷が予め定めた基準熱負荷以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量が設定されていることを意味している。
このため、本実施形態では、温度差ΔTが基準温度差Ta以上となる高負荷時には、冷凍サイクル装置10は第1運転モードまたは第3運転モードで運転される。一方で、温度差ΔTが基準温度差Taよりも小さい低負荷時には、冷凍サイクル装置10は第2運転モードで運転される。以下に各運転モードについて説明する。
〈第1運転モード〉
第1運転モードは、高負荷時に実行される運転モードである。高負荷時には、蒸発器18における液相冷媒の保持量が減少する。このため、第1運転モードでは、図3に示すように、熱交換部60における液相冷媒の保持量が増大する。
従って、第1運転モードでは、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65a内が液相冷媒で満たされる。また、第1運転モードでは、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64a内の一部に液相冷媒が貯えられる。このように、第1受液部64に液相冷媒が貯液されるので、第2熱交換部62は過冷却部として機能する。なお、図3~図5において、斜線は液相冷媒を表す。
第1運転モードでは、第1熱交換部61にて冷媒が凝縮される。第2熱交換部62にて第1受液部64にて分離された液相冷媒が過冷却される。第3熱交換部63にて第2受液部65にて分離された液相冷媒が更に過冷却される。従って、第1運転モードでは、熱交換部60から流出する冷媒の過冷却度が比較的高い値となる。
〈第2運転モード〉
第2運転モードは、低負荷運転時に実行される運転モードである。従って、蒸発器18における液相冷媒の保持量が増大する。このため、第2運転モードでは、図4に示すように、熱交換部60における液相冷媒の保持量が、第1運転モードと比較して減少する。
従って、第2運転モードでは、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65a内の一部に液相冷媒が貯えられるものの、第2冷媒貯留空間65a内が液相冷媒で満たされることはない。また、第2運転モードでは、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64a内には液相冷媒が貯えられない。このように、第1受液部64は液相冷媒を貯液していないので、第2熱交換部62は凝縮部として機能する。
第2運転モードでは、第1熱交換部61及び第2熱交換部62にて冷媒が凝縮される。第3熱交換部63にて第2受液部65にて分離された液相冷媒が過冷却される。従って、第2運転モードでは、第1運転モードよりも熱交換部60から流出する冷媒の過冷却度が低い値となる。
〈第3運転モード〉
第3運転モードは、第1運転モードと第2運転モードとの間の中間負荷となる際に実行される運転モードである。第3運転モードでは、図5に示すように、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65a内が液相冷媒で満たされる。また、第3運転モードでは、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64a内には液相冷媒が貯えられない。このため、第2熱交換部62の一部が凝縮部として機能し、第2熱交換部62の残余の部位が過冷却部として機能する。
第3運転モードでは、第1熱交換部61及び第2熱交換部62の一部にて冷媒が凝縮される。第2熱交換部62の残余の部位にて液相冷媒が過冷却される。第3熱交換部63にて第2受液部65にて分離された液相冷媒が過冷却される。従って、第3運転モードでは、熱交換部60から流出する冷媒の過冷却度が、第1運転モードよりも低く、第2運転モードよりも高い値となる。
ここで、図3~図5では、理想的な状態の液相冷媒を斜線で表している。実際の熱交換部60では、例えば、図3、図5において、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65a内に気泡(すなわち、気相冷媒)が残っていることがある。あるいは、熱害等によって、第2冷媒貯留空間65aの上部に気相冷媒が残っていることがある。なお、熱害とは、他の装置が発する熱等によって、第2受液部65が加熱されて、第2受液部65の上部等に気相冷媒が滞留している状態を言う。
このように、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65a内に僅かな気相冷媒が残っていても、第2受液部65から液相冷媒が第2熱交換部62に溢れ出せば、第2熱交換部62の少なくとも一部を過冷却部として機能させることができる。従って、第2受液部65の内部に僅かな気相冷媒が残っていても、第1運転モード及び第3運転モードのように、第2熱交換部62の少なくとも一部が過冷却部として機能している場合は、第2受液部65が液相冷媒で満たされているものとする。
以上の如く、本実施形態の空調装置1では、蒸発器18にて冷却された送風空気を、空調対象空間である室内へ吹き出すことによって、室内の冷房を行うことができる。
更に、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、第1運転モードでは、第1熱交換部61にて冷媒を凝縮させる。第2熱交換部62にて第1受液部64にて分離された液相冷媒を過冷却する。第3熱交換部63にて第2受液部65にて分離された液相冷媒を過冷却する。また、第2運転モードでは、第1熱交換部61及び第2熱交換部62にて冷媒を凝縮させる。第3熱交換部63にて第2受液部65にて分離された液相冷媒を過冷却する。
つまり、第1運転モードでは、第2熱交換部62を過冷却部として機能させ、第2運転モードでは、第2熱交換部62を凝縮部として機能させることができる。このため、熱交換部60のうち過冷却部として機能する部位の熱交換面積を、冷凍サイクル装置10の熱負荷に応じて変化させることができる。
従って、冷凍サイクル装置10の熱負荷に応じて運転モードを変化させることによって、熱交換部60から流出する液相冷媒の過冷却度をより適切な値に近づけることができる。その結果、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
より具体的には、本実施形態では、冷凍サイクル装置10の熱負荷が高くなる高負荷時に、第1運転モードにて運転される。また、冷凍サイクル装置10の熱負荷が低くなる低負荷時に、第2運転モードにて運転される。
従って、第1運転モードでは、第2運転モードよりも、熱交換部60のうち過冷却部として機能する部位の熱交換面積を大きくすることができる。その結果、冷媒を確実に過冷却させるとともに、熱交換部60から流出する液相冷媒の過冷却度を増加させて、サイクル効率を向上させることができる。
また、第2運転モードでは、第1運転モードよりも、熱交換部60のうち過冷却部として機能する部位の熱交換面積を小さくすることができる。これにより、熱交換部60のうち凝縮部として機能する部位の熱交換面積を大きくすることができる。その結果、冷凍サイクル装置10の高圧側冷媒圧力を低下させて、サイクル効率を向上させることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、第3運転モードを実行することができる。第3運転モードでは、第1熱交換部61にて冷媒を凝縮させる。第2受液部65を液相冷媒で満たすことにより、第2熱交換部62の一部にて液相冷媒を過冷却する。第3熱交換部63にて第2受液部65から流出した液相冷媒を過冷却する。
これによれば、冷凍サイクル装置10の熱負荷が、第1運転モードと第2運転モードの間の中間負荷となる場合に、第2熱交換部62の一部を過冷却部として機能させることができる。このため、冷凍サイクル装置10の熱負荷が中間負荷となる場合であっても、熱交換部60から流出する液相冷媒の過冷却度をより一層適切な値に近づけることができる。その結果、負荷変動が生じた際に、より一層サイクル効率を向上させやすい。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷凍サイクル装置10の熱負荷が予め定めた基準熱負荷以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量が設定されている。具体的には、温度差ΔTが基準温度差Ta以上である場合に、第2受液部65に液相冷媒が満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。
これによれば、冷凍サイクル装置10において、特別な運転制御を行わなくても、温度差ΔTが基準温度差Ta以上である場合には、冷凍サイクル装置10を第1運転モードまたは第3運転モードで運転させることができる。一方で、温度差ΔTが基準温度差Taよりも小さい場合には、冷凍サイクル装置10を第2運転モードで運転させることができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、熱負荷に関わらず、第1受液部64に液相冷媒が満たされないように、第1受液部64の容積及び冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。
これによれば、冷凍サイクル装置10が、高負荷であり、第1運転モードで運転されている場合であっても、第1受液部64に液相冷媒が満たされない。このため、第1運転モード時に、液相冷媒が第1熱交換部61溢れ出ることがなく、第1熱交換部61の全ての領域を凝縮部とすることができる。この結果、第1運転モード時に、第1熱交換部61に液相冷媒が滞留することに起因する冷凍サイクルの高圧側の圧力の上昇を防止することができ、サイクル効率の悪化を防止することができる。
(第2実施形態)
以下、図6を用いて、第2実施形態の冷凍サイクル装置10aについて説明する。第2実施形態の空調装置1の全体構成を示す図6では、第1実施形態と同一もしくは均等部分については、第1実施形態の冷凍サイクル装置10と同じ符号を付して、その説明を省略する。このことは、以下の実施形態でも同様である。
第2実施形態の熱交換部60は、水冷式のコンデンサである。第2実施形態の第1熱交換部61は、第1冷媒通路61aと第1水通路61bを有している。第1熱交換部61は、第1冷媒通路61aを流通する高圧冷媒と第1水通路61bを流通する熱交換対象流体である冷却水とを熱交換させる熱交換器である。第1冷媒通路61aの入口には、圧縮機11の吐出口側が接続されている。第1冷媒通路61aの出口には、第1受液部64の入口側が接続されている。
第2熱交換部62は、第2冷媒通路62aと第2水通路62bを有している。第2熱交換部62は、第2冷媒通路62aを流通する高圧冷媒と第2水通路62bを流通する冷却水とを熱交換させる熱交換器である。第2冷媒通路62aの入口には、第1受液部64の出口側が接続されている。第2冷媒通路62aの出口には、第2受液部65の入口側が接続されている。
第3熱交換部63は、第3冷媒通路63aと第3水通路63bを有している。第3熱交換部63は、第3冷媒通路63aを流通する高圧冷媒と第3水通路63bを流通する冷却水とを熱交換させる熱交換器である。第3冷媒通路63aの入口には、第2受液部65の出口側が接続されている。第3冷媒通路63aの出口には、冷房用減圧部17の入口側が接続されている。
また、第3水通路63bの出口には、第2水通路62bの入口側が接続されている。第2水通路62bの出口には、第1水通路61bの入口側が接続されている。
更に、第2実施形態の空調装置1は、冷却水を循環させる熱交換対象流体流路91を有している。熱交換対象流体流路91には、ラジエータ93、熱交換対象流体ポンプ92、熱交換部60の第1水通路61b~第3水通路63bが配置されている。
熱交換対象流体ポンプ92は、冷却水を吸入して、熱交換部60の第3水通路63bに吐出する水圧送装置である。熱交換対象流体ポンプ92は、インペラ(すなわち、羽根車)を電動モータにて駆動する電動式の羽根車ポンプである。そして、制御部80が電動モータの回転数を制御することによって、熱交換対象流体ポンプ92の冷却水圧送能力が調整される。
ラジエータ93は、冷却水と外気とを熱交換させる室外熱交換器である。ラジエータ93は、冷却水の有する熱を外気に放熱させて、冷却水を冷却する放熱用の熱交換器である。ラジエータ93の冷却水入口には、熱交換部60の第1水通路61bの出口側が接続されている。ラジエータ93の冷却水出口には、熱交換対象流体ポンプ92の吸入口側が接続されている。
従って、制御部80が熱交換対象流体ポンプ92を作動させると、冷却水は、熱交換部60の第3水通路63b、第2水通路62b、第1水通路61b、ラジエータ93、熱交換対象流体ポンプ92の吸入口側の順に循環する。このため、第2実施形態の熱交換部60では、冷媒の流れ方向と冷却水の流れ方向が反対方向になる。つまり、第2実施形態の熱交換部60は、いわゆる対向流型の熱交換器である。
本実施形態の冷凍サイクル装置10aでは、熱交換部60における冷媒の凝縮温度から熱交換部60(具体的には、第3水通路63b)へ流入する冷却水の温度を減算した値を温度差ΔTと定義する。そして、温度差ΔTが、基準温度差Ta以上である場合に、第2受液部65に液相冷媒が満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。
つまり、本実施形態の冷凍サイクル装置10aにおいても、冷凍サイクル装置10の熱負荷が予め定めた基準熱負荷以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量が設定されている。その他の構成及び作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10aにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、冷凍サイクル装置10aでは、特別な運転制御を行うことなく、温度差ΔTに応じて第1運転モードから第3運転モードを切り替えることができる。これにより、冷凍サイクル装置10aの負荷変動によらず、熱交換部60から流出する液相冷媒の過冷却度を適切な値に近づけることができる。その結果、冷凍サイクル装置10aでは、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
(第3実施形態)
以下、図7~図9を用いて、第3実施形態の冷凍サイクル装置10bについて説明する。第3実施形態の冷凍サイクル装置10bは、車室内の空調を行う車両用空調装置2に適用されている。
車両用空調装置2は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両に搭載される。ハイブリッド自動車は、内燃機関及びモータージェネレータから出力された駆動力によって走行する車両である。電気自動車は、モータージェネレータから出力された駆動力によって走行する車両である。
車両用空調装置2は、車室内の空調を行う空調運転モードとして、冷房モード及び暖房モードの運転を行うことができる。冷房モードは、車室内へ送風される送風空気を冷却して車室内へ吹き出す運転モードである。暖房モードは、送風空気を加熱して車室内へ吹き出す運転モードである。
図7に示すように、車両用空調装置2は、冷凍サイクル装置10b、室内空調ユニット30、冷却水回路40、及び制御部80等を有している。
第3実施形態の冷凍サイクル装置10bは、車両用空調装置2において、車室内へ送風される送風空気の温度調整を行う。冷凍サイクル装置10bは、冷房モードの冷媒回路、及び暖房モードの冷媒回路を切り替え可能に構成されている。
冷凍サイクル装置10bは、圧縮機11、凝縮器12、レシーバ13、暖房用減圧部51、熱交換部60、流路切替部52、冷房用減圧部17、及び蒸発器18を有している。
圧縮機11の吐出口には、凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12aの入口側が接続されている。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を流通させる凝縮器用冷媒通路12aと、冷却水回路40を循環する冷却水を流通させる凝縮器用水通路12bとを有している。
凝縮器12は、凝縮器用冷媒通路12aを流通する高圧冷媒を、凝縮器用水通路12bを流通する冷却水と熱交換させる。凝縮器12は、圧縮機11から吐出された冷媒の有する熱を冷却水に放熱させて、冷却水を加熱する加熱用の水-冷媒熱交換器である。
凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12aの出口側には、レシーバ13の入口側が接続されている。レシーバ13は、凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12aから流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離する。レシーバ13は、分離した液相冷媒の一部を一時的に貯えることのできる受液部である。
レシーバ13の出口には、第1冷媒流路14aを介して、暖房用減圧部51の冷媒入口側が接続されている。第1冷媒流路14aは、レシーバ13から流出した高圧冷媒を、暖房用減圧部51の冷媒入口側へ導く。
暖房用減圧部51は、図8に示すように、後述する流路切替部52とともに、熱交換部60の第1受液部64内の第1冷媒貯留空間64aの上方側に配置されている。図8は、本実施形態の熱交換部60の模式的な断面図であり、第1実施形態で説明した図2に対応する図面である。
本実施形態の熱交換部60の基本的構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の熱交換部60は、駆動用装置室内の前方側に配置されている。駆動用装置室は、車室の前方に配置されて、モータージェネレータや内燃機関等の駆動用装置が収容される空間である。このため、車両走行時には、グリルを介して駆動装置室へ流入した走行風を熱交換部60に当てることができる。
更に、本実施形態の熱交換部60の第1熱交換部61は、内部を流通する冷媒の温度と熱交換部60に流入する外気の温度との温度差に応じて、冷媒を蒸発させる蒸発部、あるいは、冷媒を凝縮させる凝縮部として機能する。具体的には、第1熱交換部61は、冷房モード時に、冷媒を有する熱を外気へ放熱させて、冷媒を凝縮させる凝縮部として機能する。第1熱交換部61は、暖房モード時に、冷媒に外気から熱を吸熱させて蒸発させる蒸発部として機能する。
また、熱交換部60の第2熱交換部62は、冷房モード時に、第1実施形態と同様に、凝縮部あるいは過冷却部として機能する。また、熱交換部60の第3熱交換部63は、第1実施形態と同様に、冷房モード時に、過冷却部として機能する。
第1受液部64内に配置された暖房用減圧部51は、少なくとも暖房モード時に、凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12aから流出した冷媒であって、熱交換部60の第1熱交換部61へ流入する冷媒を減圧させる減圧部である。暖房用減圧部51は、絞り開度を全開にすることによって、冷媒減圧作用を殆ど発揮することなく単なる冷媒通路として機能する全開機能を有している。
暖房用減圧部51は、電気式の膨張弁である。電気式の膨張弁は、弁体と電動アクチュエータとを有する電気式の可変絞り装置である。弁体は、暖房用減圧部51の絞り開度を変化させる。電動アクチュエータは、弁体を変位させる。暖房用減圧部51の作動は、制御部80から出力される制御信号によって制御される。暖房用減圧部51の出口は、第1タンク68の第1内部空間68dに連通している。
流路切替部52は、熱交換部側入口52a、受液部側出口52b、及び圧縮機側出口52cを有している。流路切替部52は、熱交換部側入口52aから流入した冷媒を、受液部側出口52b及び圧縮機側出口52cのいずれか一方から流出させる流路を切り替える三方弁である。つまり、流路切替部52は、第1熱交換部61から流出した冷媒を、第1受液部64を介して第2熱交換部62に流入させる流路と、第1熱交換部61から流出する冷媒を、圧縮機11へ吸入させる流路とを切り替える。
本実施形態の流路切替部52は、電気式の三方流路切替弁である。流路切替部52は、流路切替用の弁体部と電動アクチュエータとを有する。弁体部は冷媒流路を切り替える。電動アクチュエータは、流路切替弁体部を変位させる。流路切替部52の作動は、制御部80から出力される制御信号によって制御される。
流路切替部52の熱交換部側入口52aには、第1タンク68の第2連通口68j側が接続されている。流路切替部52の受液部側出口52bは、第1冷媒貯留空間64a内に開口している。従って、受液部側出口52bは、第1熱交換部61から流した冷媒を第1冷媒貯留空間64a内に流出させる。流路切替部52の圧縮機側出口52cには、第2冷媒流路14bが接続されている。第2冷媒流路14bは、流路切替部52の圧縮機側出口52cから流出した冷媒を、後述する合流部14e側へ導く。
第1タンク68の冷媒流出口68hには、第3冷媒流路14cが接続されている。第3冷媒流路14cは、熱交換部60の第3熱交換部63から流出した冷媒を冷房用減圧部17側へ導く。
図7に示す冷房用減圧部17の基本的構成は、第1実施形態と同様である。冷房用減圧部17は、冷房モード時に、熱交換部60の第3熱交換部63から流出して蒸発器18へ流入する冷媒を減圧膨張させるものである。
冷房用減圧部17の冷媒出口側には、蒸発器18の冷媒入口側が接続されている。蒸発器18の基本的構成は、第1実施形態と同様である。蒸発器18は、冷房モード時に、冷房用減圧部17によって減圧された低圧冷媒と、後述する室内送風機32から室内へ送風された送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却用の熱交換器である。
蒸発器18の冷媒出口には、蒸発器18から流出した冷媒を、圧縮機11の吸入口に導く第4冷媒流路14dが接続されている。第4冷媒流路14dには、合流部14eが配置されている。合流部14eは、三方継手で構成されている。合流部14eは、流路切替部52の圧縮機側出口52cから流出した冷媒、及び蒸発器18から流出した冷媒を圧縮機11の吸入口に導くことができる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10bにおいても、第1実施形態と同様に、冷凍サイクル装置10bに封入される冷媒の封入量が設定されている。すなわち、冷房モード時に、温度差ΔTが基準温度差Ta以上である場合に、第2受液部65に液相冷媒が満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。
次に、冷却水回路40について説明する。冷却水回路40は、冷却水を循環させる回路である。冷却水としては、エチレングリコールを含む溶液、不凍液等を採用することができる。冷却水回路40には、冷却水ポンプ41、凝縮器12の凝縮器用水通路12b、ヒータコア42が、配置されている。
冷却水ポンプ41は、冷却水を凝縮器12の凝縮器用水通路12bの入口側へ圧送する水ポンプである。冷却水ポンプ41としては、第2実施形態で説明した熱交換対象流体ポンプ92と同様の電動式の羽根車ポンプを採用することができる。冷却水ポンプ41は、制御部80から出力される制御電圧によって、回転数(すなわち、圧送能力)が制御される。
ヒータコア42は、凝縮器12の凝縮器用水通路12bから流出した冷却水と蒸発器18を通過した送風空気とを熱交換させる。ヒータコア42は、冷却水を熱源として送風空気を加熱する加熱用の熱交換器である。ヒータコア42は、室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されている。ヒータコア42の冷却水出口には、冷却水ポンプ41の吸入口側が接続されている。
従って、制御部80が冷却水ポンプ41を作動させると、冷却水は、冷却水ポンプ41の吐出口、熱交換部60の凝縮器用水通路12b、ヒータコア42、冷却水ポンプ41の吸入口の順で循環する。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、冷凍サイクル装置10bによって温度調整された送風空気を空調対象空間である車室内へ吹き出すためのユニットである。室内空調ユニット30は、車室内の車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に室内送風機32、蒸発器18、ヒータコア42等を収容することによって構成されている。
ケーシング31は、空調対象空間である車室内に送風される送風空気の空気通路を形成する空気通路形成部である。ケーシング31は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング31内へ内気(車室内の空気)と外気(車室外の空気)とを切替導入する内外気切替部としての内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33の送風空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を空調対象空間内へ向けて送風する室内送風機(ブロワ)32が配置されている。室内送風機32は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機である。室内送風機32は、制御部80から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
ケーシング31内に形成された空気通路のうち、室内送風機32の送風空気流れ下流側には蒸発器18が配置されている。更に、ケーシング31内に形成された空気通路の蒸発器18の下流側は、二股に分岐されていて、ヒータコア通路35と冷風バイパス通路36とが並列に形成されている。
ヒータコア通路35内には、ヒータコア42が配置されている。つまり、ヒータコア通路35は、ヒータコア42にて冷却水と熱交換する送風空気が流通する通風路である。
冷風バイパス通路36は、蒸発器18を通過した送風空気を、ヒータコア42を迂回させて下流側へ流す通風路である。
蒸発器18の送風空気流れ下流側であって、且つ、ヒータコア42の送風空気流れ上流側には、エアミックスドア34が配置されている。エアミックスドア34は、蒸発器18通過後の送風空気のうちヒータコア42を通過させる風量割合を調整する。エアミックスドア34は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータは、制御部80から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ヒータコア通路35及び冷風バイパス通路36の下流側には、混合空間37が設けられている。混合空間37は、ヒータコア通路35を通過して加熱された送風空気と冷風バイパス通路36を通過して加熱されていない送風空気とを混合させる空間である。更に、ケーシング31の送風空気流れ最下流部には、混合空間37にて混合された送風空気(空調風)を、車室内へ吹き出す図示しない開口穴が配置されている。
従って、エアミックスドア34が、ヒータコア通路35を通過させる風量と冷風バイパス通路36を通過させる風量との風量割合を調整することによって、混合空間37にて混合される空調風の温度を調整することができる。そして、各開口穴から車室内へ吹き出される送風空気の温度を調整することができる。
次に、図9に示すブロック図を用いて、本実施形態の電気制御部の概要について説明する。本実施形態の制御部80は、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器11、32、33、34、41、51、52等の作動を制御する。
また、制御部80の入力側には、内気温センサ82a、外気温センサ82b、日射センサ82c、高圧センサ82d、蒸発器温度センサ82e、空調風温度センサ82f等の制御用のセンサ群が接続されている。制御部80には、これらのセンサ群の検出信号が入力される。
内気温センサ82aは、車室内温度(内気温)Trを検出する内気温検出部である。外気温センサ82bは、車室外温度(外気温)Tamを検出する外気温検出部である。日射センサ82cは、車室内へ照射される日射量Asを検出する日射量検出部である。高圧センサ82dは、圧縮機11の吐出口側から暖房用減圧部51の入口側へ至る第1冷媒流路14a内の高圧側冷媒圧力Pdを検出する冷媒圧力検出部である。
蒸発器温度センサ82eは、蒸発器18における冷媒蒸発温度(蒸発器温度)Tefinを検出する蒸発器温度検出部である。空調風温度センサ82fは、混合空間37から車室内へ送風される送風空気温度TAVを検出する空調風温度検出部である。その他の電気制御部の基本的構成は、第1実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置2の作動について説明する。上述の如く、本実施形態の車両用空調装置2では、空調運転モードを切り替えることができる。空調運転モードは、予め制御部80に記憶された空調制御プログラムが実行されることによって決定される。
空調制御プログラムは、車両システムが起動している状態で、操作部81の空調作動スイッチが投入(ON)されると実行される。空調制御プログラムでは、制御用のセンサ群によって検出された検出信号、及び操作部81から出力される操作信号に基づいて、車室内へ送風される送風空気の目標吹出温度TAOを算出する。
目標吹出温度TAOは、以下数式F1によって算出される。
TAO=Kset×Tset-Kr×Tr-Kam×Tam-Ks×As+C…(F1)
なお、Tsetは、温度設定スイッチによって設定された設定温度である。Trは、内気温センサ82aによって検出された内気温である。Tamは、外気温センサ82bによって検出された外気温である。Asは、日射センサ82cによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
さらに、空調制御プログラムでは、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号、及び操作部81の操作信号に基づいて、空調運転モードを適宜切り替える。以下に、各空調運転モードの作動を説明する。
(a)冷房モード
冷房モードでは、制御部80が、暖房用減圧部51を全開とする。また、制御部80は、熱交換部側入口52aと受液部側出口52bとを接続するように、流路切替部52の作動を制御する。また、制御部80は、圧縮機11を作動させる。また、制御部80は、冷却水ポンプ41を作動させる。
これにより、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、図7の白抜き矢印に示すように、圧縮機11吐出口、凝縮器12の凝縮器用水通路12b、レシーバ13、暖房用減圧部51、熱交換部60の第1熱交換部61、第1受液部64、第2熱交換部62、第2受液部65、第3熱交換部63、冷房用減圧部17、蒸発器18、圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
つまり、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、凝縮器12及び熱交換部60を放熱器として機能させ、蒸発器18を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、実質的に、第1実施形態と同様に冷媒が循環する冷凍サイクルが構成される。
そして、このサイクル構成で、制御部80は、車室内へ吹き出される送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、各種制御対象機器へ出力される制御信号等を決定する。
例えば、制御部80は、蒸発器温度センサ82eによって検出された冷媒蒸発温度Tefinが目標蒸発温度TEOとなるように圧縮機11へ出力される制御信号を決定する。目標蒸発温度TEOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御部80に記憶された冷房モード用の制御マップを参照して決定される。
具体的には、この制御マップでは、空調風温度センサ82fによって検出された送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、目標吹出温度TAOの上昇に伴って目標蒸発温度TEOを上昇させる。更に、目標蒸発温度TEOは、蒸発器18の着霜を抑制可能な範囲(具体的には、1℃以上)の値に決定される。
また、制御部80は、予め定めた冷房モードの用の水圧送能力を発揮するように、冷却水ポンプ41の作動を制御する。また、制御部80は、車室内に吹き出される送風空気の温度が目標吹出温度TAOに近づくように、エアミックスドア34の開度を決定する。そして、制御部80は、決定された開度となるように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータの作動を制御する。
更に、制御部80は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。そして、制御部80は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
その後、車室内の空調の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号及び操作信号の読み込み、目標吹出温度TAOの算出、各種制御対象機器へ出力される制御信号等の決定、制御信号等の出力といった制御ルーチンが繰り返される。なお、このような制御ルーチンの繰り返しは、暖房モード時にも同様に行われる。
従って、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を熱源として、凝縮器12にてヒータコア42へ流入する冷却水を加熱することができる。更に、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、蒸発器18にて車室内へ送風される送風空気を冷却することができる。
また、冷房モードの冷却水回路40では、凝縮器12にて加熱された冷却水が、ヒータコア42へ流入する。ヒータコア42へ流入した冷却水は、蒸発器18を通過した送風空気の一部と熱交換して放熱する。これにより、送風空気の一部が加熱されて、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づく。
また、冷房モードの室内空調ユニット30では、エアミックスドア34の開度を調整することによって、蒸発器18にて冷却された送風空気を所望の温度となるように再加熱することができる。そして、所望の温度となるように再加熱された空調風を車室内へ吹き出すことによって、車室内の冷房を行うことができる。
更に、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、第1実施形態と同様に、温度差ΔTに応じて、第1運転モード~第3運転モードの3つの運転モードを実行することができる。
(b)暖房モード
暖房モードでは、制御部80が、暖房用減圧部51を絞り状態とする。また、制御部80は、熱交換部側入口52aと圧縮機側出口52cとを接続するように、流路切替部52の作動を制御する。また、制御部80は、圧縮機11を作動させる。また、制御部80は、冷却水ポンプ41を作動させる。
これにより、暖房モードの冷凍サイクル装置10bでは、図7の黒塗り矢印に示すように、圧縮機11の吐出口、凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12a、レシーバ13、暖房用減圧部51、熱交換部60の第1熱交換部61、圧縮機11の吸入口の順に冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
つまり、暖房モードの冷凍サイクル装置10bでは、凝縮器12を放熱器として機能させ、熱交換部60を蒸発器として機能させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが構成される。
そして、このサイクル構成で、制御部80は、車室内へ吹き出される送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づくように、各種制御対象機器へ出力される制御信号等を決定する。
例えば、制御部80は、高圧センサ82dによって検出された高圧側冷媒圧力Pdが目標高圧PDOとなるように圧縮機11へ出力される制御信号を決定する目標高圧PDOは、目標吹出温度TAOに基づいて、予め制御部80に記憶された冷房モード用の制御マップを参照して決定される。また、制御部80は、目標吹出温度TAO等に基づいて、予め制御部80に記憶された暖房モード用の制御マップを参照して、暖房用減圧部51へ出力される制御信号を決定する。
また、制御部80は、予め定めた暖房冷房モードの用の水圧送能力を発揮するように、冷却水ポンプ41の作動を制御する。また、制御部80は、ヒータコア通路35を全開として冷風バイパス通路36を閉塞するように、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータへ出力される制御信号を決定する。
更に、制御部80は、その他の各種制御対象機器へ出力される制御信号等を適宜決定する。そして、制御部80は、上記の如く決定された制御信号等を各種制御対象機器へ出力する。
従って、暖房モードの冷凍サイクル装置10bでは、圧縮機11から吐出された高圧冷媒が、凝縮器12の凝縮器用冷媒通路12aへ流入する。凝縮器用冷媒通路12aへ流入した冷媒は、冷却水ポンプ41が作動しているので、凝縮器12の凝縮器用水通路12bへ流入した冷却水と熱交換して凝縮する。凝縮器12から流出した冷媒は、レシーバ13を介して、暖房用減圧部51へ流入して減圧される。
暖房用減圧部51にて減圧された低圧冷媒は、熱交換部60の第1熱交換部61へ流入して、外気から吸熱する。熱交換部60の第1熱交換部61から流出した冷媒は、流路切替部52及び第2冷媒流路14bを介して、圧縮機11へ吸入されて再び圧縮される。
また、暖房モードの冷却水回路40では、凝縮器12にて加熱された冷却水が、ヒータコア42へ流入する。ヒータコア42へ流入した冷却水は、エアミックスドア34がヒータコア通路35を開としているので、蒸発器18を通過した全風量の送風空気と熱交換して放熱する。これにより、送風空気が加熱されて、送風空気温度TAVが目標吹出温度TAOに近づく。
また、暖房モードの室内空調ユニットでは、ヒータコア42にて加熱された空調風を車室内へ吹き出すことによって、車室内の暖房を行うことができる。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置2では、冷房モードと暖房モードとを切り替えて、車室内の快適な空調を実現することができる。更に、本実施形態の冷凍サイクル装置10bでは、冷房モード時に実質的に第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10と同様に作動する。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10bにおいても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
すなわち、冷凍サイクル装置10bの冷房モードでは、特別な運転制御を行うことなく、温度差ΔTに応じて第1運転モードから第3運転モードを切り替えることができる。これにより、冷凍サイクル装置10bの負荷変動によらず、熱交換部60から流出する液相冷媒の過冷却度を適切な値に近づけることができる。その結果、冷凍サイクル装置10bでは、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
また、第1受液部64には、暖房用減圧部51及び流路切替部52が収納されている。これによれば、冷凍サイクル装置10bを構成する暖房用減圧部51、流路切替部52、及び第1受液部64が、それぞれ別体である構成と比較して、冷凍サイクル装置10bを小型化することができる。このため、冷凍サイクル装置10bの車両への搭載性を向上させることができる。
(第4実施形態)
以下、図10を用いて、第4実施形態の熱交換部60について説明する。第4実施形態の熱交換部60は、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10に適用されている。
第4実施形態の熱交換部60では、コア部75は、図10の上方側から下方側に順番に、第3熱交換部63、第1熱交換部61、第2熱交換部62に分けられている。
このため、第4実施形態では、第1タンク68の上方側の第1内部空間68dは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に連通している。第1内部空間68dは、第3熱交換部63の各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。第1タンク68の第1内部空間68dを形成する部位には、冷媒流出口68hが形成された出口側コネクタ682が接合されている。
第2内部空間68eは、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも上側の各チューブ66に連通している。第1タンク68の第2内部空間68eを形成する部位には、冷媒流入口68iが形成された入口側コネクタ681が接合されている。第2内部空間68eは、圧縮機11から吐出された冷媒を第1熱交換部61の上下方向の中央よりも上側の各チューブ66に分配する空間である。
第3内部空間68fは、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも下側の各チューブ66に連通している。第3内部空間68fは、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも下側の各チューブから流出した冷媒を集合させる空間である。第1タンク68の第3内部空間68fを形成する部位には、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64aの上方側に連通する第2連通口68jが形成されている。
第4内部空間68gは、第2熱交換部62を形成する各チューブ66に連通している。第4内部空間68gは、第1受液部64から流出した冷媒を第2熱交換部62を形成する各チューブ66に冷媒を分配する空間である。第1タンク68の第4内部空間68gを形成する部位には、第1受液部64の第1冷媒貯留空間64aの下方側に連通する第3連通口68kが形成されている。
さらに、第2タンク69の上方側の第5内部空間69cは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に連通している。第5内部空間69cは、第3熱交換部63を形成する各チューブ66に冷媒を分配する空間である。第2タンク69の第5内部空間69cを形成する部位には、第2受液部65の第2冷媒貯留空間65aの上方側に連通する第5連通口69gが形成されている。
第6内部空間69dは、第1熱交換部61を形成する各チューブ66に連通している。第6内部空間69dの上下方向の中央よりも上側は、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも上側を形成する各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。また、第6内部空間69dの上下方向の中央よりも下側は、上側に集合した冷媒の流れ方向を転向させて、第1熱交換部61の上下方向の中央よりも下側を形成する各チューブ66に冷媒を分配する空間である。
第7内部空間69eは、第2熱交換部62を形成するの各チューブ66に連通している。第7内部空間69eは、第2熱交換部62を形成する各チューブ66から流出した冷媒を集合させる空間である。第2タンク69の第7内部空間69eを形成する部位には第2受液部65の第2冷媒貯留空間65aの下方側に連通する第4連通口69fが形成されている。本実施形態では、第2熱交換部62が第3熱交換部63よりも下方側に配置されているので、第4連通口69fは、第5連通口69gよりも下方側に形成されている。
第1受液部64の第1冷媒貯留空間64aの上方側は、第2連通口68jを介して、第1タンク68の第3内部空間68fに連通している。また、第1冷媒貯留空間64aの下方側は、第3連通口68kを介して、第4内部空間68gに連通している。
第2受液部65の第2冷媒貯留空間65aの内部には、管状部材で形成されたパイプ65fが配置されている。パイプ65fの上方側端部は、冷媒導出口65cを形成している。パイプ65fの上方側端部は、第2タンク69に形成された第5連通口69gに接続されている。パイプ65fの下方側の始端は、第2冷媒貯留空間65aの下方側で開口している。第2冷媒貯留空間65aの下方側に貯まった液相冷媒は、パイプ65fを流通して、第2タンク69の第5内部空間69cへ流入する。
第2受液部65の下方側には、冷媒導入口65bが形成されている。冷媒導入口65bは、第2タンク69に形成された第4連通口69fに接続されている。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様に、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。
その他の構成及び作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態で説明した冷凍サイクル装置10と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
また、本実施形態の熱交換部60では、第3熱交換部63と第1熱交換部61とを隣接配置させている。これによれば、熱交換部60に冷媒を流入させる入口側の冷媒流路と、熱交換部60から流出した冷媒が流通する出口側の冷媒流路とを近づけて配置することができる。
すなわち、冷媒流入口68iが形成された入口側コネクタ681と、冷媒流出口68hが形成された出口側コネクタ682とを近接配置することができる。従って、本実施形態の熱交換部60では、他の構成機器(具体的には、圧縮機11、冷房用減圧部17等)に接続する際に、共通する接続部材等を採用することができ、接続作業が容易となる。
(第5実施形態)
本実施形態の冷凍サイクル装置10では、図11の全体構成図に示すように、熱交換部60aを採用している。本実施形態の熱交換部60aでは、第1実施形態で説明した熱交換部60に対して、第3熱交換部63が廃止されている。
具体的には、熱交換部60aでは、図12に示すように、第1タンク68内の第3セパレータ68cが廃止されている。このため、熱交換部60aの第1タンク68の内部は、第1内部空間68d、第2内部空間68e、及び第3内部空間68fの3つの空間に仕切られている。更に、熱交換部60aの第1タンク68には、第1実施形態で説明した出口側コネクタ682が接合されていない。
また、熱交換部60aでは、第2タンク69内の第5セパレータ69bが廃止されている。このため、熱交換部60aの第2タンク69の内部は、第5内部空間69c、及び第6内部空間69dの2つの空間に仕切られている。更に、熱交換部60aの第2タンク69では、第1実施形態で説明した第5連通口69gが廃止されている。
また、熱交換部60aでは、第2受液部65の下方側に、出口側コネクタ651が接合されている。出口側コネクタ651には、第2冷媒貯留空間65aから冷媒を流出させる流出口65dが形成されている。流出口65dには、冷房用減圧部17の入口側が接続されている。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様に、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されている。その他の空調装置1及び冷凍サイクル装置10の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、上記構成における本実施形態の空調装置1の作動について説明する。本実施形態の空調装置1の基本的作動は、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10も、冷凍サイクル装置10の熱負荷に応じて、第1実施形態と同様の第1運転モード~第3運転モードの3つの運転モードを実行することができる。
高負荷時に実行される第1運転モードでは、蒸発器18における液相冷媒の保持量が減少し、熱交換部60aにおける液相冷媒の保持量が増大する。従って、第1運転モードでは、図13に示すように、第2受液部65は液相冷媒で満たされるとともに、第1受液部64にも液相冷媒が貯液される。このように、第1受液部64に液相冷媒が貯液されるので、第2熱交換部62は過冷却部として機能する。
第1運転モードでは、第1熱交換部61にて冷媒が凝縮される。第2熱交換部62にて第1受液部64にて分離された液相冷媒が過冷却される。従って、第1運転モードでは、熱交換部60aから流出する冷媒の過冷却度が比較的高い値となる。
低負荷時に実行される第2運転モードでは、蒸発器18における液相冷媒の保持量が増大し、熱交換部60aにおける液相冷媒の保持量が減少する。従って、第2運転モードでは、図14に示すように、第2受液部65は液相冷媒で満たされておらず、第1受液部64は液相冷媒を貯液していない。このように、第1受液部64は液相冷媒を貯液していないので、第2熱交換部62は凝縮部として機能する。
第2運転モードでは、第1熱交換部61及び第2熱交換部62にて冷媒が凝縮される。従って、第1運転モードでは、熱交換部60aから流出する冷媒が飽和液相冷媒となる。
中間負荷となる際に実行される第3運転モードでは、図15に示すように、第2受液部65は液相冷媒で満たされており、第1受液部64は液相冷媒を貯液していない。このため、第2熱交換部62の一部が凝縮部として機能し、第2熱交換部62の残余の部位が過冷却部として機能する。
第3運転モードでは、第1熱交換部61及び第2熱交換部62の一部にて冷媒が凝縮される。第2熱交換部62の残余の部位にて液相冷媒が過冷却される。従って、第3運転モードでは、熱交換部60aから流出する冷媒は、第1運転モードよりも低い過冷却度の液相冷媒となる。
ここで、図13~図15は、第1実施形態で説明した図3~図5に対応する図面である。従って、図13~図15では、各運転モードにおける理想的な状態の液相冷媒を斜線で表している。その他の空調装置1及び冷凍サイクル装置10の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の空調装置1では、蒸発器18にて冷却された送風空気を、空調対象空間である室内へ吹き出すことによって、室内の冷房を行うことができる。
さらに、本実施形態の冷凍サイクル装置10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
また、本実施形態の熱交換部60aは、第1実施形態で説明した熱交換部60に対して、第3熱交換部63を有していない。従って、本実施形態の熱交換部60aは、第1実施形態で説明した熱交換部60よりも小型化を狙うことができる。従って、低負荷運転時に、熱交換部60aから流出する冷媒が過冷却度を有していても、サイクル効率向上効果が比較的少ない冷凍サイクル装置に適用して有効である。
(第6実施形態)
本実施形態では、図16の全体構成図に示すように、第5実施形態で説明した熱交換部60aを、第3実施形態で説明した冷凍サイクル装置10bに適用している。その他の車両用空調装置2の構成は、第3実施形態と同様である。
更に、第6実施形態の車両用空調装置2を作動させると、冷房モードの冷凍サイクル装置10bでは、実質的に第5実施形態で説明した冷凍サイクル装置10と同様に作動して、車室内の冷房を行うことができる。また、暖房モードの冷凍サイクル装置10bでは、熱交換部60aの第2熱交換部62に冷媒を流入させないので、第3実施形態と全く同様に作動して、車室内の暖房を行うことができる。
従って、本実施形態の冷凍サイクル装置10bにおいても、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10bによれば、負荷変動が生じても、サイクル効率を充分に向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置を空調装置に適用した例を説明したが、これに限定されない。例えば、液体を冷却する冷却装置(例えば、ウォータークーラー)に適用してもよい。この場合は、蒸発器18に代えて、冷媒と冷却水とを熱交換させて冷却水を冷却するチラーおよび冷却水を循環させる冷却水回路を採用し、送風機39あるいは室内送風機32を廃止すればよい。
また、第3実施形態では、冷凍サイクル装置10bを車両に適用した例を説明したが、本発明の適用は、車両用に限定されない。第1実施形態のように定置型の冷凍サイクル装置10に適用してもよい。
また、冷凍サイクル装置10を構成する各構成機器は、上述の実施形態に開示されたものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、圧縮機11として、電動圧縮機を採用した例を説明したが、エンジン駆動式の圧縮機を採用してもよい。
また、第3実施形態および第6実施形態において、暖房用減圧部51の弁体と流路切替部52の流路切替弁体を共通の電動アクチュエータで駆動させる構成であってもよい。
また、第3実施形態および第6実施形態において、第1受液部64及び第2受液部65の少なくとも一方に、暖房用減圧部51及び流路切替部52の少なくとも一方が収納されていてもよい。例えば、暖房用減圧部51及び流路切替部52を第2受液部65の内部に収納してもよい。
また、上述の実施形態では、冷房用減圧部17として機械的機構で構成された温度式膨張弁を採用した例を説明したが、これに限定されない。第3実施形態で説明した暖房用減圧部51と同様の構成の電気式の膨張弁を採用してもよい。
また、上述の実施形態で採用した熱交換部60に対して、図17の全体構成図に示すように、第1熱交換部61の冷媒流れ上流側に、更に上流側受液部164および上流側熱交換部161を有する熱交換部60bを採用してもよい。そして、例えば、冷凍サイクル装置の熱負荷が基準熱負荷となる運転条件時に、第1受液部64に液相冷媒が満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量が設定されていてもよい。
これによれば、冷凍サイクル装置10の負荷変動に応じて、段階的に過冷却部として機能する熱交換部の面積を段階的に変化させることができる。従って、負荷変動が生じた際に、より精度良くサイクル効率を向上させることができる。もちろん、熱交換部60bが第1熱交換部61の冷媒流れ上流側に、複数の上流側受液部および複数の上流側熱交換部を有していてもよい。このことは、第5実施形態で説明した熱交換部60aについても同様である。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷を判定するパラメータとして、温度差ΔTを採用しているが、これに限定されない。上述の各実施形態において、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷が予め定めた基準熱負荷以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷凍サイクル装置10、10a、10bに封入される冷媒の封入量を設定すればよい。
例えば、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷を判定するパラメータとして、圧縮機11の回転数Ncを採用してもよい。この場合は、熱交換部60、60aにて冷媒を放熱させる運転モード時に、圧縮機11の回転数Ncが基準回転数KNc以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量を設定すればよい。
例えば、冷凍サイクル装置の熱負荷を判定するパラメータとして、高圧側冷媒圧力Pdを採用してもよい。この場合は、熱交換部60、60aにて冷媒を放熱させる運転モード時に、高圧側冷媒圧力Pdが基準高圧KPd以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量を設定すればよい。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置の熱負荷によらず、第1受液部64に液相冷媒が満たされないように、冷凍サイクル装置10に封入される冷媒の封入量等を設定した例を説明したが、これに限定されない。
つまり、高負荷運転時に、第1受液部64に液相冷媒が満たされていてもよい。そして、第1受液部64から液相冷媒が第1熱交換部61へ溢れ出てもよい。この場合は、第1熱交換部61の一部を凝縮部として機能させ、残余の部位を過冷却部として機能させることができればよい。
また、上述の実施形態では、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷が予め定めた基準熱負荷以上である場合に、第2受液部65が液相冷媒で満たされるように、冷媒の封入量を設定した例を説明したが、これに限定されない。
例えば、冷房用減圧部17として電気式の膨張弁を採用する場合は、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷に応じて、制御部80が冷房用減圧部17の作動を制御することによって、過冷却部として機能する部位の面積を調整してもよい。これによれば、冷凍サイクル装置10、10a、10bの熱負荷に応じて、熱交換部60、60aから流出する冷媒の過冷却度を、より一層適切な値に近づけることができる。
また、上記各実施形態に開示された手段は、実施可能な範囲で適宜組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態の冷凍サイクル装置10bに対して、第4実施形態で説明した熱交換部60や第6実施形態で説明した熱交換部60aを適用してもよい。
また、上述の第3実施形態では、凝縮器12として、高圧冷媒と冷却水とを熱交換させて、高圧冷媒を凝縮させる水-冷媒熱交換器を採用して例を説明したが、これに限定されない。例えば、凝縮器12は、高圧冷媒と送風空気とを熱交換させて、高圧冷媒を凝縮させる室内用の熱交換器であってもよい。この場合は、凝縮器12はヒータコア通路35に配置され、冷却水回路40を廃止することができる。
また、上述の各実施形態では、第1熱交換部61、第2熱交換部62、第3熱交換部63、第1受液部64、第2受液部65等が一体に形成された熱交換部60、60bについて説明したがこれに限定されない。第1熱交換部61、第2熱交換部62、第3熱交換部63、第1受液部64、第2受液部65の全部あるいは一部が別体で形成されていてもよい。
また、第3実施形態の流路切替部52は、上述の実施形態に記載されたものに限定されない。例えば、流路切替部52は、第2熱交換部62から流出した冷媒を第2受液部65を介して第3熱交換部63に流入させる流路と、第2熱交換部62から流出する冷媒を圧縮機11に吸入させる流路とを切り替えるようになっていてもよい。この場合は、流路切替部52は、第2受液部65内に収容されていてもよい。同様に、暖房用減圧部51は、第2受液部65内に収容されていてもよい。
また、冷房用減圧部17として、温度式膨張弁の代わりに、電気式膨張弁を採用してもよい。電気式膨張弁は、弁体と電動アクチュエータとを有する。弁体は、電気式膨張弁の絞り開度(換言すれば、冷媒流量)を変化させる。電動アクチュエータは、弁体を変位させる。この場合は、制御部80は、演算された蒸発器18の冷媒出口側の冷媒の過熱度が予め定めた範囲となるように、冷房用減圧部17の絞り開度を調整すればよい。
第3実施形態の冷凍サイクル装置10bにおいて、流路切替部52として、2つの二方弁を用いた実施形態であってもよい。
第2運転モードにおいて、第3熱交換部63の少なくとも一部が凝縮器と機能するとともに、第3熱交換部63の少なくとも一部が過冷却部として機能する実施形態であってもよい。