JP6011315B2 - 熱交換器 - Google Patents

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ここに開示する技術は、熱交換器に関し、特に熱交換効率を高めた熱交換器に関する。
特許文献1には、流路内に配設した波形のインナーフィンに、三角形状の、複数の突出片を切り起こして設けることで伝熱性を高めた熱交換器が記載されている。具体的に、この三角形状の突出片は、その頂角側が流体の流れ方向の上流側に位置することで、流れ方向に対して対向する向きで切り起こされており、突出片の両側縁において渦が発生することにより、突出片の後方の流れを乱して伝熱性を高めるようにしている。
実開昭62−39183号公報
ところが、特許文献1に記載されている熱交換器では、突出片が切り起こされている表面付近においては、流れの乱流化により伝熱性が高まるものの、突出片が設けられていない表面付近においては、流れの乱れが大きくならないため、伝熱性は余り高まらない。従って、特許文献1に記載されている熱交換器は、熱交換効率を向上させる上で改善の余地がある。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱交換効率の高い熱交換器を提供することにある。
本願発明者らは、流体が通過する各通路内において、主流方向に直交する方向の速度成分を有しかつ、通路を区画する区画壁に沿って流れるような大きな2次流れを発生させることで、各々の区画壁での伝熱性を高める点に着目し、各通路内に、特定の区画壁から所定の角度で傾斜するように起立したフィンを、主流方向に所定ピッチで並設することにした。各フィンは、基端に対し起立端が主流方向の下流側となる向きで、流体の主流方向に沿うように傾斜しており、通路内を主流方向に流れる流体の一部は、この傾斜したフィンに沿って流れることで、主流方向とは異なる速度成分をもつようになる。こうして流れ方向が変更された流れは、フィンを起立して設けた区画壁に対して向かい合う区画壁に向かって流れ、その後、当該区画壁に沿うように、フィンを間に挟んだ両側方に分流する。そうして、2つの分流はそれぞれ、フィンの両側方に位置する区画壁に沿うように流れることになる。このように、フィンを間に挟んだ両側位置のそれぞれにおいて、区画壁に沿うような大きな2次流れを形成することで、特定の区画壁だけでなく、通路を区画する各区画壁における伝熱性が高まり、熱交換器の熱交換効率が向上する。
具体的に、ここに開示する技術は熱交換器に係り、この熱交換器は、区画プレートと波形プレートとを積層して一体化されると共に、互いに積層された、第1流体が流れる流路と第2流体が流れる流路とを有しかつ、前記第1流体と第2流体との間で熱交換を行うコアを備え、前記第1流体が流れる流路内は、前記波形プレートによって複数の通路に区画されていると共に、当該第1流体が流れる各通路内には、前記第1流体が流れる流路と第2流体が流れる流路とを区画する区画壁から起立するように、前記波形プレートに設けられたフィンが、流体の主流方向に沿って所定ピッチで複数、配設されている。
前記各フィンは、基端に対して起立端が前記主流方向の下流側に位置するように、所定の角度で傾斜しており、前記各フィンはまた、前記主流方向に直交する投影面に投影した形状が、当該投影面上の前記通路の中心線に対して対称な形状でかつ、前記基端から前記起立端に向かって同じ幅か、又は、次第に幅狭となる形状に、形成されている。
そして、前記投影面上における、前記通路の面積に対する前記フィンの面積の比は、前記各通路内を流れる前記第1流体が、傾斜した前記フィンに沿って流れることで、前記フィンを起立して設けた区画壁に対して向かい合う区画壁に向かって流れ、その後、当該区画壁に沿うように、前記フィンを間に挟んだ両側方に分流するように、0.1125〜0.1625に設定されている。
この構成によると、通路内に起立するように設けられた各フィンは、その起立端が、基端に対して主流方向の下流側に位置するような向きで傾斜しているため、通路内を流れる流体の一部は、フィンの基端から起立端に向かって、フィンに沿って流れるようになる。こうして流れ方向を変更した流れは、フィンが起立する区画壁に向かい合う別の区画壁に向かって流れた後、当該別の区画壁に沿うように分流する。つまり、フィンを挟んだ両側方のそれぞれに流れる2つの流れに分流し、各分流は、その後、フィンを挟んだ両側方の区画壁に沿って、フィンを設けた前記の区画壁に戻るように流れる。こうして、フィンを挟んだ両側位置のそれぞれにおいて、各区画壁に沿うような大きな2次流れを形成することで、通路を区画する各区画壁における伝熱性が高まり、熱交換器の熱交換効率が向上する。
ここで、各フィンは、主流方向に直交する投影面上において、当該投影面上の通路の中心線に対して対称な形状でかつ、基端から起立端に向かって同じ幅か、又は、次第に幅狭となる形状に、形成されている。これによって、通路の中心線上に配置された各フィンの起立端側の両側に、比較的大きな空きスペースが均等に設けられるから、前述した2次流れの形成が阻害されず、フィンを挟んだ両側のそれぞれで、2次流れをほぼ均等に形成することが可能になる。このことは、熱交換器の熱交換効率の向上に有利になる。
また、前記投影面上における、前記通路の面積に対する前記フィンの面積の比が大きすぎると、実質的な通路断面積が縮小して通路抵抗が高まるようになり、圧力損失が増大する。一方、前記の面積比が小さすぎると、フィンによる2次流れの形成機能が得られ難くなる。
従って、投影面上における、通路の面積に対するフィンの面積の比を0.1125〜0.1625に設定することで、圧力損失の増大を回避しつつ、2次流れを十分に形成して、熱交換効率の向上に有利になる。
前記フィンの傾斜角度は、35〜55°に設定されている、としてもよい。
フィンの傾斜角度が大きすぎると、通路内を主流方向に流れる流れがこのフィンに衝突して流速の低下を招き、2次流れが形成され難くなると共に、2次流れの流速が低下する。本願発明者等の検討によれば、フィンの傾斜角度は55°以下が好ましい。
一方、フィンの傾斜角度が小さすぎると、フィンによる流れ方向の変更機能がほとんど得られなくなり、2次流れが形成され難くなる。本願発明者等の検討によれば、フィンの傾斜角度は35°以上が好ましい。
つまり、フィンの傾斜角度を35〜55°に設定することにより、2次流れを十分に形成し、熱交換効率の向上が図られる。
前記フィンのピッチは、2.0〜3.0mmに設定されている、としてもよい。
フィンピッチが狭すぎると、主流方向に並んだフィンとフィンとの間に流れが入り込まず、フィンを挟んだ両側位置を流体が流れることになる。つまり、フィンによる2次流れの形成機能が発揮されなくなる、又は、発揮され難くなる。一方、フィンピッチが広すぎると、通路内に配置されるフィンの数が減ることになるため、フィンによる2次流れの形成機能が得られ難くなる。
つまり、フィンのピッチを2.0〜3.0mmに設定することは、通路内の入口から出口までの全域に亘って2次流れを十分に形成して、熱交換効率の向上に有利になる。
前記第1流体はエンジンの排気ガスであり、前記第2流体は当該エンジンの冷却水であり、前記コアは、前記排気ガスを前記エンジンの吸気側に還流させるEGR通路の途中において、前記排気ガスを前記冷却水によって冷却するように構成されている、としてもよい。
前述した熱交換器は、熱交換効率が高いため、小型化が図られる。そのため、狭小のエンジンルーム内に配置する熱交換器として、有利になる。
以上説明したように、前記の熱交換器によると、通路内に設けたフィンによって、当該フィンを挟んだ両側位置のそれぞれにおいて、区画壁に沿うような大きな2次流れを形成するようにしたから、通路を区画する各区画壁における伝熱性が高まり、熱交換器の熱交換効率を向上させることができる。
ディーゼルエンジンの全体構成を示す概略図である。 低圧EGRシステムにおけるEGRクーラー及びEGR制御弁の配置を示す、一部破断の平面図である。 EGRクーラーにおける排気ガスの流路内に配置された波形プレートの構成を示す、(a)平面図、(b)正面図、(c)断面図である。 (a)投影面上でのフィンの形状と、通路内の流れとを模式的に示す図、(b)フィンの変形例、(c)フィンのさらに別の変形例である。 フィンの傾斜角と冷却性能との関係を示す図である。 フィンの投影面積比と冷却性能との関係を示す図である。 フィンピッチと冷却性能及び2次流れの流速との関係を示す図である。
以下、実施形態に係る熱交換器を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態は例示である。図1は、実施形態に係る熱交換器が、EGRクーラーとして用いられたエンジン1の構成を概念的に示す図である。このエンジン1は、車両に搭載されると共に、軽油を主成分とした燃料が供給されるディーゼルエンジンであって、複数の気筒11a(1つのみ図示)が設けられたシリンダブロック11と、このシリンダブロック11上に配設されたシリンダヘッド12と、シリンダブロック11の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン13とを有している。エンジン1は、例えば4つの気筒11aが、クランクシャフト15に沿うように(つまり、図1の紙面に直交する方向に)一列に配置された直列4気筒エンジンであり、図示を省略するエンジンルーム内において、横置きに配置される。各気筒11a内には、ピストン14が往復動可能にそれぞれ嵌挿されていて、ピストン14は、コンロッド14bを介してクランクシャフト15と連結されている。
シリンダヘッド12には、気筒11a毎に吸気ポート16及び排気ポート17が形成されているとともに、これら吸気ポート16及び排気ポート17の気筒11a側の開口を開閉する吸気弁21及び排気弁22がそれぞれ配設されている。
エンジン1の一側面には、各気筒11aの吸気ポート16に連通するように吸気通路30が接続されている。一方、エンジン1の他側面には、各気筒11aの燃焼室からの既燃ガス(排気ガス)を排出する排気通路40が接続されている。これら吸気通路30及び排気通路40には、詳しくは後述するが、吸入空気の過給を行うターボ過給機61が配設されている。
吸気通路30の上流端部には、吸入空気を濾過するエアクリーナ31が配設されている。吸気通路30におけるエアクリーナ31の下流側に、ターボ過給機61のコンプレッサ61aと、該コンプレッサ61aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ35と、前記各気筒11aへの吸入空気量を調節するスロットル弁36とが、この順番に配設されている。
前記排気通路40の上流側の部分は、気筒11a毎に分岐して排気ポート17の外側端に接続された独立通路と該各独立通路が集合する集合部とを有する排気マニホールドによって構成されている。この排気通路40における排気マニホールドよりも下流側には、上流側から順に、ターボ過給機61のタービン61bと、排気ガス中の有害成分を浄化する排気ガス処理装置41と、サイレンサ42とが配設されている。尚、排気通路40には、タービン61bをバイパスする排気バイパス通路65が接続されており、この排気バイパス通路65には、該排気バイパス通路65へ流れる排気量を調整するためのウエストゲートバルブ65aが配設されている。
排気ガス処理装置41は、酸化触媒41aと、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)41bとを有しており、上流側から、この順に並んでいる。酸化触媒41aは、白金又は白金にパラジウムを加えたもの等を担持した酸化触媒を有していて、排気ガス中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOが生成する反応を促すものである。また、DPF41bは、エンジン1の排気ガス中に含まれる煤等の粒子状物質を捕集するものである。尚、DPF41bに酸化触媒をコーティングしてもよい。
前記吸気通路30におけるスロットル弁36よりも下流側の部分(つまりターボ過給機61のコンプレッサ61aよりも下流側部分)と、前記排気通路40におけるターボ過給機61のタービン61bよりも上流側部分とは、排気ガスの一部を吸気通路30に還流するための排気ガス還流通路50によって接続されている(つまり、高圧EGRシステム)。この排気ガス還流通路50は、排気ガスの吸気通路30への還流量を調整するための排気ガス還流弁51a及び排気ガスをエンジン冷却水によって冷却するためのEGRクーラー52が配設された主通路51と、EGRクーラー52をバイパスするためのクーラバイパス通路53と、を含んで構成されている。このクーラバイパス通路53には、クーラバイパス通路53を流通する排気ガスの流量を調整するためのクーラバイパス弁53aが配設されている。
この高圧EGRシステムとは別に、低圧EGRシステムとして、吸気通路30におけるコンプレッサ61aよりも上流側部分と、排気通路40におけるDPF41bよりも下流側部分とは、排気ガスの一部を吸気通路30に還流するための排気ガス還流通路54によって接続されている。この排気ガス還流通路54は、排気ガスの吸気通路30への還流量を調整するためのEGR制御弁54a及び排気ガスを冷却するためのEGRクーラー7が配設されて構成されている。
(低圧EGRシステムのEGRクーラーの構成)
図2は、低圧EGRシステムのEGRクーラー7の構成を示しており、図2は、エンジンルーム内に配置されたEGRクーラー7を、上から視た平面図に相当する。EGRクーラー7は、コア71と、コア71を収容するケース8とを備えて構成されている。コア71は、詳細な図示は省略するが、それぞれ排気ガスが通過する複数の第1流路と、それぞれエンジン冷却水が通過する複数の第2流路とを、車幅方向に交互に積層して構成された積層型である。第1流路内には、伝熱面積を拡大するための波形プレートが配置されており、コア71は、第1流路と第2流路とを区画する区画プレートと、波形プレートとを、所定の順番で積層し、それらをろう付けによって一体化することで構成されている。このコア71において、第1流路の流入部(つまり、排気ガスがコア内に流入する部分)は、車両前後方向の前端面側(つまり、図2における紙面上側)に設定される一方、第1流路の流出部(つまり、コア71を通過した排気ガスが流出する部分)は、車両前後方向の後端面側(つまり、図2における紙面下側)に設定される。また、このコア71において、エンジン冷却水が通過する第2流路の開口は、コア71の上端面及び下端面(図2における紙面に直交する方向の端面に対応する)に設けられている。こうしてこのコア71は、排気ガスとエンジン冷却水とが直交するように流れる直交流型に構成されている。
ケース8は、ケース本体81と、ケース本体81の上端開口を閉塞する蓋体82と、を備えて構成されている。ケース本体81は、図2から明らかなように、車両前後方向の中央部にコア71を収容する収容空間を有すると共に、この収容空間を挟んで、コア71の第1流路の流入側に隣接する第1の空間部811と、第1流路の流出側に隣接する第2の空間部812とを有している。第1の空間部811は、ケース8内に導入された排気ガスを分散してコア71に流入するための流入側ヘッダタンクの機能を有し、第2の空間部812は、コア71から流出した排気ガスを集合してケース8から導出するための流出側ヘッダタンクの機能を有している。
ケース本体81の底部には、第2の空間部812に連通するように、出口部813が貫通して設けられており、このケース本体81の出口部813に対して、EGR制御弁54aが直接取り付けられている。
ケース本体81の底部にはまた、詳細な図示は省略するが、コア71の収容空間に連通するように、エンジン冷却水の入口開口と出口開口とが、それぞれ貫通して設けられており、入口開口にはエンジン冷却水の流入管85が、出口開口にはエンジン冷却水の流出管86がそれぞれ接続されている(図2の破線の矢印も参照)。
蓋体82は、ケース本体81の上端開口を覆うように、このケース本体81に取り付けられる。蓋体82には、ケース本体81内の第1の空間部811に対応する位置に、この第1の空間部811に連通する入口部821が設けられている。入口部821は、排気ガスがケース8内に流入するための口であり、入口部821には、筒状のフィルタ822が取り付けられている。フィルタ822は、排気ガス中の異物を捕捉することにより、コア71内に異物が堆積してしまうことを防止すると共に、吸気側のコンプレッサ61aに異物が流入してしまうことを防止する機能を有する。フィルタ822は、円筒状の金網の一端開口を潰して閉じたような形状を有しており、入口部821から挿入されて第1の空間部811内に配置されている。フィルタ822は、蓋体82の入口部821に固定される取付ブラケット83に対して、固定されており、フィルタ822は、取付ブラケット83と共に、蓋体82に取り付けられるようになる。
蓋体82にはまた、車両前後方向の前側に位置する取付ブラケット83とは別に、車両前後方向の後側に位置する第2の取付ブラケット84が、取り付けられている。
こうして、このEGRクーラー7では、図2に実線の矢印で示すように、蓋体82に設けた入口部821から、ケース8内の第1の空間部811内に導入された排気ガスは、フィルタ822を通過した後に、コア71における第1流路の流入部からコア71内に流入する。排気ガスは、コア71内を車両前後方向に通過する間に、エンジン冷却水との間で熱交換を行い、それによって冷却された排気ガスは、第2の空間部812及び出口部813を介して、ケース8の外に導出されることになる。
ここで、第1の空間部811においては、排気ガスの流れ方向が車幅方向から車両前後方向に変更されることから、排気ガスの流れをスムースにして圧力損失を低減する観点から、ケース本体81の底部に、排気ガスの流れを案内する湾曲部816が設けられている。
EGRクーラー7は、図2に示すように、蓋体82の入口部821に取り付けた取付ブラケット83をDPF41bの側面(この側面は、図2に白抜きの矢印で示す排気ガスの流れ方向についての下流側に対応する)における前側に、ボルトにより固定すると共に、蓋体82の後側に取り付けた第2の取付ブラケット84を、DPF41bの後側の側面に対してボルトにより固定する。こうして低圧EGRシステムのEGRクーラー7は、DPF41bに対し、車幅方向の側方に隣接して配置される。尚、DPF41bの側面には、図示は省略するが、EGRクーラー7の排気ガスの入口部821に連通する開口が形成されていると共に、DPFの後側の側面には、排気ガスの主流方向となる排気管401が接続されている。
(EGRクーラーにおける排気ガス通路の構成)
次に、低圧EGRシステムのEGRクーラー7において、排気ガスの通路である第1流路の構成について、図を参照しながら説明する。図3は、第1通路内に配置される波形プレート91の構成を示しており、同図(a)は波形プレート91の平面図、(b)は波形プレート91の正面図、(c)は波形プレート91の断面図((a)のc−c断面図)である。波形プレート91は、図3(b)から明らかなように、波形を有しており、第1流路と第2流路とを区画する区画プレート(図3(b)の仮想線参照)92、92の間に挟まれることにより、第1流路内を複数の通路93に区画する。各通路93の横断面は、ほぼ矩形状を有しており、各通路93の両側壁913、913、並びに、天井壁911及び底壁912の一方が波形プレート91によって構成されると共に、天井壁911及び底壁912の他方が区画プレート92によって構成される。
波形プレート91において、天井壁911及び底壁912を構成する箇所には、複数のフィン94が切り起こしにより構成されている。複数のフィン94は、排気ガスの主流方向に、所定のピッチFを開けて、通路93の入口から出口までの全域に亘って配置されている(尚、図3では紙面の制約上、流れ方向に並んだ2つのフィン94のみを図示している)。各フィン94は、概略三角形状を有していると共に、図3(c)から明らかなように、基端に対して起立端の位置が、主流方向の下流側位置となるように傾斜角αで傾斜して立設している。また、各フィン94は、図3に一点鎖線で示す通路93の中心線上に配置されていると共に、各フィン94の基端と、通路中心線とのなす角度である迎え角βは90°に設定されている。
図4(a)は、通路93における主流方向に直交する投影面上に、フィン94を投影した状態を示している。同図においては、底壁912に、前述したような構成のフィン94を設けており、図3(c)及び図4(a)に白抜きの矢印で示すように、通路93内を流れる排気ガスの一部は、主流方向に沿うように傾斜したフィン94に沿って、図における上向きに流れ方向を変更させる。フィン94によって向きを変えた流れは、図においては天井壁911に向かって流れた後に、天井壁911付近で天井壁911に沿うように左右に分流される。そして、左右に分流された2つの流れは、通路93の各側壁913に沿うように、図における下向き流れるようになる。こうしてフィン94は、当該フィン94を挟んだ両側それぞれに、天井壁911から側壁913、913に沿うように流れる2次流れを形成する。この2次流れは、各壁を通じた伝熱性を高め、EGRクーラー7における熱交換効率を高める。
ここで、フィン94の形状は、図4(a)に示すように、概略三角形状となるようにしてもよい。また、同図(b)に示すように、概略台形状となるようにしてもよい。さらに、同図(c)に示すように、概略長方形状となるようにしてもよい。このようにフィン94の形状は、投影面上において、通路93の中心線に対して対称な形状でかつ、基端から起立端に向かって幅狭となるか、又は、同じ幅となることが好ましい。こうすることで、フィン94の起立端側の両側に十分な空きスペースが確保されるから、2次流れの形成に有利になる。例えば図示は省略するが、基端から起立端に向かって幅広となる逆三角乃至逆台形状のようなフィンは、フィンの起立端側の両側のスペースを小さくするから、2次流れの形成に不利になる。
また、投影面上において、通路93の中心線に対して非対称なフィン形状は、フィンを挟んだ両側において2次流れを不均一にし、壁に沿う大きな2次流れを形成し難くなる。尚、投影面上において、通路93の中心線に対して非対称なフィン形状は、フィンの形状そのものが、中心線に対して非対称である結果、投影面上においても非対称となる場合の他にも、フィンの形状は線対称であるものの、通路93の中心線からずれて配置されることで、投影面上において中心線に対し非対称となる場合や、フィンの形状は線対称でありかつ、通路93の中心線上に配置されるものの、迎え角βが90°からずれているため、投影面上においては中心線に対し非対称となる場合が含まれる。
次に、フィンの形状及び配置に関する各種のパラメータについて、図を参照しながら説明する。図5は、シミュレーションにより得られた、フィン94の傾斜角αと、熱交換器の冷却性能との関係を示している。同図によると、フィン94の傾斜角αを40°にしたときに冷却性能が最大となり、傾斜角αが40°よりも小さくなっても、大きくなっても冷却性能は低下する。これは、傾斜角αが小さくなる(フィン94が倒れるようになる)ことにより、フィン94によって流れの向きを変更する機能が得られ難くなり、2次流れが十分に形成されなくなると考えられる。一方、傾斜角αが大きくなる(フィン94が立ち上がるようになる)ことにより、主流方向に流れる流れがフィンに衝突して流速が低下するようになる結果、2次流れが生じ難くなると考えられる。同図によると、EGRクーラー7に要求される冷却性能の基準値(例えば質量流量20g/sにおいて冷却効率90%)を満足させようとすれば、傾斜角αは、35°以上55°以下が好ましい。
次に、図6は、シミュレーションにより得られた、フィン94の投影面積比と、冷却損失及び圧力損失との関係を示している。ここで、フィン94の投影面積比とは、図4(b)に示すように、主流方向に直交する投影面上での、通路93の面積Scellに対する、フィン94の面積S_VGとの比(S_VG/Scell)である。図6の黒四角と黒菱形のプロットは、フィン94の迎え角βを90°で一定にしつつ、フィン94の形状を相似形でかつ、その大きさを変えている。図6に示すように、投影面積比を大きくすることによって、フィン94による2次流れの形成機能が十分に得られるようになるから、冷却性能が高まる一方で、投影面積比が大きくなることに伴い実質的な通路断面積は縮小するため、圧力損失も次第に高くなる。そのため、圧力損失が高まらないように、圧力損失の特性曲線における変曲点以下でかつ、所定以上の冷却性能(前記と同じ基準値)が得られる投影面積比として、0.1125以上0.1625以下とすることが好ましい。
ここで、図6において白三角及び白丸のプロットは、フィン94の迎え角βを変更することにより、投影面積比を変えた結果を示している。つまり、フィン94の形状を一定にしつつ、迎え角βを90°よりも小さくしたり、又は、大きくしたりしたときには、その分だけ、フィン94の投影面積は小さくなるものの、これらのプロットは全て、フィン94の迎え角を90°に設定して、フィン94の投影面積比を変更した相関線上に載っている。従って、ここで言う「投影面積比を0.1125以上0.1625以下に設定すること」には、フィン94の迎え角βを変更する場合も含まれる。
次に、図7は、シミュレーションにより得られた、フィン94のピッチFと、冷却性能及び2次流れの流速との関係を示している。同図によると、フィンピッチFが狭くなるほど、2次流れの流速が低下している。これは、フィンピッチFが狭いときには、主流方向に並んだフィン94とフィン94との間に流れが流入せずに、フィン94を挟んだ両側位置を流体が主流方向に流れることになる結果、フィン94による2次流れの形成機能が発揮されない、または、発揮され難くなるためである。一方、フィンピッチFが広くなるほど、冷却性能が低下している。これは、フィンピッチFが広くなるに従い、フィン94の数が減る分、フィン94による2次流れの形成機能が得られ難くなるためである。従って、2次流れを十分に形成しかつ、所望の冷却性能を得る上で、フィンピッチFは、2.0mm以上3.0mm以下に設定することが好ましい。
以上説明したように、EGRクーラー(熱交換器)7は、排気ガスが流れる第1流路内において、波形プレート91によって区画される各通路93内にフィン94を設けて、通路93を区画する区画壁に沿うような大きな2次流れを形成するようにしたから、各区画壁における伝熱性が高まり、EGRクーラー7の熱交換効率を向上させることができる。このことは、EGRクーラー7を小型化して、狭小なエンジンルーム内に配置する上で、有利になる。
尚、ここに開示する技術は、低圧EGRシステムのEGRクーラー7に最適であるが、高圧EGRシステムのEGRクーラーに適用することも可能である。また、ここに開示する熱交換器は、エンジンシステムのEGRクーラーとして用いる以外にも、様々な用途に用いることが可能である。
1 ディーゼルエンジン(エンジン)
54 EGR通路
94 フィン
911 天井壁(区画壁)
912 底壁(区画壁)
913 側壁(区画壁)

Claims (4)

  1. 区画プレートと波形プレートとを積層して一体化されると共に、互いに積層された、第1流体が流れる流路と第2流体が流れる流路とを有しかつ、前記第1流体と第2流体との間で熱交換を行うコアを備え、
    前記第1流体が流れる流路内は、前記波形プレートによって複数の通路に区画されていると共に、当該第1流体が流れる各通路内には、前記第1流体が流れる流路と第2流体が流れる流路とを区画する区画壁から起立するように、前記波形プレートに設けられたフィンが、流体の主流方向に沿って所定ピッチで複数、配設されており、
    前記各フィンは、基端に対して起立端が前記主流方向の下流側に位置するように、所定の角度で傾斜しており、
    前記各フィンはまた、前記主流方向に直交する投影面に投影した形状が、当該投影面上の前記通路の中心線に対して対称な形状でかつ、前記基端から前記起立端に向かって同じ幅か、又は、次第に幅狭となる形状に、形成され
    前記投影面上における、前記通路の面積に対する前記フィンの面積の比は、前記各通路内を流れる前記第1流体が、傾斜した前記フィンに沿って流れることで、前記フィンを起立して設けた区画壁に対して向かい合う区画壁に向かって流れ、その後、当該区画壁に沿うように、前記フィンを間に挟んだ両側方に分流するように、0.1125〜0.1625に設定されている熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器において、
    前記フィンの傾斜の角度は、35〜55°に設定されている熱交換器。
  3. 請求項1又は2に記載の熱交換器において、
    前記フィンのピッチは、2.0〜3.0mmに設定されている熱交換器。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱交換器において、
    前記第1流体はエンジンの排気ガスであり、前記第2流体は当該エンジンの冷却水であり、
    前記コアは、前記排気ガスを前記エンジンの吸気側に還流させるEGR通路の途中において、前記排気ガスを前記冷却水によって冷却するように構成されている熱交換器。
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