JP6010441B2 - ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素を含有する血管新生抑制剤および赤色素の製造方法 - Google Patents

ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素を含有する血管新生抑制剤および赤色素の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素を含む血管新生抑制剤に関する。また、該赤色素の製造方法に関する。
ノコギリヤシは、中国では古くから泌尿器疾病の治療薬(漢方)として利用され、さらに強壮、利尿、前立腺肥大症に対する作用など示唆されている。これらの効果は、果実またはその脂質成分(その80〜90%が脂肪酸である)にある(非特許文献1および2)。
血管新生とは、新しい血管の増殖、成長のことを意味する。血管新生は、様々な生理的、病的な状態で重要な役割を果たしている。
健康体においては、創傷治癒における細胞の増殖期に、受傷後の組織への血流回復のために、そして女性の月経期や妊娠期に血管新生が起こる。
過度な紫外線を浴びた皮膚では、しわ形成に関わるより太い毛細血管が異常に増えることが知られており、しわ予防または改善のための血管新生抑制剤の利用が研究されている(非特許文献3〜6)。
血管新生のコントロールの欠如は、多くの深刻な疾患を引き起こす。いわゆる「血管新生過剰」が引き起こす疾患は数多く知られている。これらの疾患には、乾癬、関節炎、網膜症、緑内障、黄斑変性症、歯周病およびがんなどがある。例えば、がんは、正常な成長や臓器と比べて高い代謝効率を有している。従って、がんはより高い栄養供給を得る為に、より多くの血液を必要とするので、血管形成の抑制は、がんの成長を抑制または制御する1つのメカニズムとなりうる。このように、血管新生抑制因子はこれら疾患の進展を遅延させることができる。
Plosker GL, Brogden RN. Serenoa repens (Permixon). A review of its pharmacology and therapeutic efficacy in benign prostatic hyperplasia. Drugs Aging. 1996 Nov; 9 (5): 379-95. http://www.sawpalmetto.com/lib/datasheet/index.html Chung JH, Eun HC. Angiogenesis in skin aging and photoaging. J Dermatol. 2007; 34 (9): 593-600. Yano K, Kajiya K, Ishiwata M, Hong YK, Miyakawa T, Detmar M. Ultraviolet B-induced skin angiogenesis is associated with a switch in the balance of vascular endothelial growth factor and thrombospondin-1 expression. J Invest Dermatol. 2004; 122 (1): 201-8. Shigeo Kawada, Masaru Ohtani, and Naokata Ishii. Increased oxygen tension attenuates acute ultraviolet-B-induced skin angiogenesis and wrinkle formation. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2010; 299: R694-R701. Kiichiro Yano, Hajimu Oura, and Michael Detmar. Targeted overexpression of the angiogenesis Inhibitor thrombospondin-1 in the epidermis of transgenic mice prevents ultraviolet-B-induced angiogenesis and cutaneous photo-damage. J Invest Dermatol 2002; 118:800-805. J Invest Dermatol 118: 800-805, 2002.
本発明は、エタノール抽出物または赤色素を含む血管新生抑制(抗血管新生)剤を提供することを課題とする。また、本発明は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物からの赤色素の製造方法および該赤色素を含む血管新生抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物に顕著な血管新生抑制作用があることを見出し、さらにエタノール抽出物からのノコギリヤシ果実の赤色素の精製方法を確立し、該赤色素に顕著な血管新生抑制作用があることを見出し、本発明を完成した。
よって、
(1)本発明は、ノコギリヤシ果実の赤色のエタノール抽出物または赤色素を含有する、血管新生抑制剤に関する。
(2)本発明は、上記(1)記載の血管新生抑制剤を含有する、化粧料に関する。
(3)本発明は、上記(1)記載の血管新生抑制剤を含有する、医薬に関する。
(4)本発明は、皮膚のしわを改善または予防するための、上記(2)に記載の化粧料に関する。
(5)本発明は、血管新生を抑制することが有益な疾患もしくは障害を治療または予防するための、上記(3)に記載の医薬に関する。
(6)本発明は、ノコギリヤシ果実をエタノールで抽出することを含む、上記(1)に記載の血管新生抑制剤、上記(2)または(4)に記載の化粧料、または上記(3)または(5)に記載の医薬の製造方法に関する。
(7)本発明は、ノコギリヤシ果実由来の結晶化赤色素に関する。
(8)本発明は、ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出し、抽出物中の赤色素を析出させることにより得られる、上記(7)に記載の結晶化赤色素に関する。
(9)本発明は、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素を含む組成物に関する。
(10)本発明は、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素を含む血管新生抑制剤に関する。
(11)本発明は、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素、上記(9)記載の組成物、または上記(10)記載の血管新生抑制剤を含有する、食品に関する。
(12)本発明は、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素、上記(9)記載の組成物または上記(10)記載の血管新生抑制剤を含有する、化粧料に関する。
(13)本発明は、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素、上記(9)記載の組成物または上記(10)記載の血管新生抑制剤を含有する、医薬に関する。
(14)本発明は、皮膚のしわを改善または予防するための、上記(12)に記載の化粧料に関する。
(15)本発明は、血管新生を抑制することが有益な疾患もしくは障害を治療または予防するための、上記(13)に記載の医薬に関する。
(16)本発明は、
ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出する工程;
抽出液と固体残渣を分離する工程;
抽出液を濃縮する工程;
濃縮物と水を混合する工程;
混合液に超音波を照射し、油層と水相とに分離する工程;および
水相から析出した赤色素を回収する工程;
場合により、赤色素を水で洗浄する工程;
を含む、上記(7)〜(8)のいずれか1つに記載の結晶化赤色素の製造方法に関する。
(17)本発明は、上記(16)に記載の結晶化赤色素の製造方法を含む、上記(9)に記載の組成物、上記(10)に記載の血管新生抑制剤、上記(11)に記載の食品、上記(12)または(14)に記載の化粧料、または上記(13)または(15)に記載の医薬の製造方法に関する。
(18)本発明は、結晶化赤色素が、ノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む、上記(7)または(8)記載の結晶化赤色素に関する。
(19)本発明は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素が、上記(18)記載の結晶化赤色素である、上記(1)記載の血管新生抑制剤に関する。
(20)本発明は、上記(18)記載の結晶化赤色素を含む、組成物に関する。
(21)本発明は、上記(18)記載の結晶化赤色素を含有する、食品に関する。
(22)本発明は、上記(18)記載の結晶化赤色素を含有する、化粧料に関する。
(23)本発明は、上記(18)記載の結晶化赤色素を含有する、医薬に関する。
(24)本発明は、
ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出する工程、
抽出液と固体残渣を分離する工程、
抽出液を濃縮する工程、
濃縮物と水を混合する工程、
混合液に超音波を照射し、油層と水相とに分離する工程、および
水相から析出した赤色素を回収する工程、
を含む、上記(18)記載の結晶化赤色素の製造方法に関する。
(25)本発明は、上記(24)記載の製造方法を含む、上記(20)に記載の組成物、上記(21)に記載の食品、上記(22)に記載の化粧料、または上記(23)に記載の医薬の製造方法に関する。
驚くべきことに、本発明は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物に、顕著な血管新生抑制作用があることを見出し、さらに該エタノール抽出物から精製したノコギリヤシ果実の赤色素に、顕著な血管新生抑制作用があることを見出した。
マトリゲル上のHUVECに対する試験物質の存在下の管形成の写真。(a):100μg/mLの赤色素で処理したときの管形成を示す。管形成がほとんど認められない。(b)、(c)、(d)、(e):10、1、0.1、0.01μg/mLの赤色素で処理したときの管形成を示す。(f):ビヒクルコントロールで処理したときの形成された管を示す。形成された管の全長が写真から測定された。(g):30μMのスクラミンで処理したときの管形成を示す。管形成がほとんど認められない。(h)、(i)、(j)、(k):15、10、3、1μMのスクラミンで処理したときの形成された管を示す。(l):ビヒクルコントロールで処理したときの管形成を示す。形成された管の全長が写真から測定された。 ノコギリヤシ果実赤色素の管形成阻害。(a):ビヒクルコントロールにおける形成された管の全長(図1(f))を100としたときの、各濃度の赤色素で処理した時に形成された管の全長(図1の(a)〜(e))を百分率(%)で示す。100μg/mLの赤色素で処理したときに形成された管の全長は、ビヒクルコントロールで形成された管の全長の約20%である。10μg/mLの赤色素で処理したときに形成された管の全長は、ビヒクルコントロールで形成された管の全長の約80%である。(b):ビヒクルコントロールにおける形成された管の全長(図1(l))を100としたときの、各濃度のスクラミンで処理した時に形成された管の全長(図1の(g)〜(k))を百分率(%)で示す。30μMのスクラミンで処理したときに形成された管の全長は、ビヒクルコントロールで形成された管の全長の約0%である。管形成がほとんど見られない。*:管形成の顕著な阻害。 ノコギリヤシ赤色素の抗腫瘍作用。(A)異種移植ヌードマウスモデルにおけるヒト肝臓がん細胞の腫瘍増殖曲線を示す。「NYG-1 0.1mg/kg」および「NYG-1 1mg/kg」は、それぞれに、生理食塩水を用いてノコギリヤシ色素を体重1kgあたり0.1mgおよび1mgの量で腹腔に投与したことを示す。「Control」は、生理食塩水のみである。「Days post injection」は、最後の投与(0日)後の日数を示す。「Tumor growth(%)」は、投与終了後7日目の測定開始日におけるそれぞれ(Control、NYG-1 0.1mg/kgおよびNYG-1 1mg/kg)の腫瘍サイズを100として計算された。(B)異種移植ヌードマウスモデルにおけるヒト肝臓がん中のVEGFの発現抑制を示す。「VEGF expression(%)」は、腫瘍をそのままホモジナイズし、遠心した後の上清中に含まれる血管内皮増殖因子(VEGF)の量を示す。 精製ノコギリヤシ赤色素のTLC分析。レーン1:精製ノコギリヤシ赤色素の加水分解前、レーン2:精製ノコギリヤシ赤色素の加水分解後、レーン3:シアニジン(標準)、レーン4:デルフィニジン(標準)、レーン5:ペオニジン(標準)、レーン6:ペチュニジン(標準)、レーン7:マルビジン(標準)。密閉容器中、室温において、セルロースのTLCガラスプレート(Merck)上で、酢酸−塩酸−水(30:3:10)を用いてプレート上端まで展開後、可視にて検出した。 プロアントシアニジン(縮合型タンニン)構造の例示としてブドウのプロアントシアニジン(縮合型タンニン)の構造を示す。 代表的なアントシアニジンの構造を示す。
ノコギリヤシ果実とは、ヤシ科(Arecaceae)シュロ属(Trachycarpus)に属する植物の果実を意味する。好ましくはSerenoa serrulataまたはSerenoa repensの果実である。ノコギリヤシ果実は市場より入手することができる。
ノコギリヤシ果実は、乾燥ノコギリヤシ果実が好ましい。乾燥ノコギリヤシ果実は、限定されないが、10重量%以下、好ましくは5重量%以下の水分含量を有する。乾燥ノコギリヤシ果実は、生ノコギリヤシ果実を任意の方法(例えば、天日乾燥、加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等)により脱水・乾燥することにより得ることができる。乾燥ノコギリヤシ果実は、破砕されて破砕物、粉末の形態にあるものが好ましい。
エタノールは、エタノールを含有する溶媒である限り限定されないが、好ましくは30容量%以上エタノールを含有する水性エタノールである。より好ましくは80〜100容量%、さらにより好ましくは90〜95容量%のエタノールを含む。
ノコギリヤシ果実のエタノールによる抽出は、ノコギリヤシ果実にエタノールを加えた後、常温(15℃〜28℃)で又は加熱下で、一定時間攪拌することにより行う。
加熱温度は、エタノールの沸点以下の温度、または、密閉容器中で120℃以下の温度であることもできる。好ましい抽出温度は、90〜110℃である。より好ましくは95〜105℃である。加熱方法は、限定されないが、油浴中で行うことが好ましい。
抽出時間は、限定されないが、5分〜24時間、好ましくは15分〜3時間、より好ましくは30分〜2時間である。
抽出は、限定されないが、1回又は2回以上行うことができる。抽出は、限定されないが、攪拌しながら行うことが好ましい。攪拌方法は、限定されないが、マグネチックスターラーと攪拌子の組合せ、又は、モーター式の撹拌機を用いることが好ましい。攪拌速度は、限定されないが、100〜600rpm、好ましくは、200〜500rpmである。
抽出におけるノコギリヤシ果実に対するエタノールの使用量は、限定されないが、ノコギリヤシ100重量部に対して、エタノールを300重量部以上、好ましくは、500〜2000重量部、より好ましくは750〜1500重量部である。
または、抽出におけるノコギリヤシ果実とエタノールを混合した混合物中の水分含量が、70重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。例えば、水分含量10重量%のノコギリヤシ果実100gを90容量%エタノール1000mL(15℃の90容量%エタノール密度0.8222(国際法定計量機関(OIML)に基づく)で抽出する場合、抽出時の水分含量(%)は、[ノコギリヤシ中の水分重量10g+エタノール中の水分重量100g]/[ノコギリヤシの重量100g+エタノールの重量822g]×100=12%と計算される。
エタノール抽出後、エタノール抽出液と固体残渣とに分離し、エタノール抽出液を得る。分離方法は、限定されないが、ろ過又は遠心分離が好ましい。
エタノール抽出液のろ過は、限定されないが、ろ膜(ナイロンメッシュ、ろ紙など)、ろ過器(ヌッチェろ過器、ブフナー漏斗など)などを用いることが好ましい。粗ろ過と細ろ過を組み合わせることが好ましい。
粗ろ過の孔サイズは、限定されないが、500〜50μm、好ましくは、300〜100μmである。
細ろ過の孔サイズは、10〜1μm、好ましくは、7.5〜2.5μm、より好ましくは6〜4μmである。さらに、セライト(celite, 陶土)あるいはケイソウ土をろ過補助剤としてろ紙の上に敷き詰めて行うことが好ましい。
ろ過方法は、限定されないが、自然落下、加圧ろ過、減圧(吸引)ろ過などが挙げられる。ろ過は、1回以上に行っても良い。
ろ液は、限定されないが、濃縮することが好ましい。減圧下で濃縮することがより好ましい。濃縮は、限定されないが、2倍濃縮〜乾固、好ましくは3〜30倍濃縮、より好ましくは5〜20倍濃縮である。
エタノール抽出物とは、上記の、ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出し、固体残渣を分離して得られる抽出液またはその濃縮物を意味する。分離をろ過で行う場合、ろ過は粗ろ過だけであっても良い。
濃縮物に、水を加えて混合し攪拌する。濃縮物と水の攪拌方法は、限定されないが、マグネチックスターラーと攪拌子の組合せ、又は、モーター式の撹拌機を用いることが好ましい。攪拌速度は、限定されないが、100〜600rpm、好ましくは、200〜500rpmである。攪拌時間は、限定されないが、1〜60分、好ましくは、3〜30分、より好ましくは、5〜15分である。攪拌時の温度は、15〜30℃、好ましくは、20〜25℃である。
濃縮物と水の混合比は、濃縮物100重量部に対して、水100重量部以上、好ましくは、200〜1000重量部、より好ましくは300〜500重量部である。
攪拌後の濃縮物と水の混合液に、超音波を照射する。混合液に超音波が与えられることにより、混合液は油層と水層とに分離し、水層中に赤色の赤色素が結晶化して析出する。よって、超音波の周波数、強度、照射時間、照射方法、超音波発生装置は限定されない。
周波数は、20kHz〜1MHz、好ましくは、20kHz〜100kHz、より好ましくは、25kHz〜50kHzである。照射時間は、10秒〜1時間、好ましくは、20秒〜30分、より好ましくは、30秒〜5分である。強度は、限定されないが、超音波発生装置の初期設定値を用いることができる。
超音波発生装置は、限定されないが、振動子を備えた超音波発振機、超音波洗浄器が挙げられる。超音波発振機を用いる場合、振動子を混合液中に設置し超音波を与えることが好ましい。超音波洗浄器を用いる場合、混合液の入った容器を、水を張った超音波洗浄器に設置し超音波を与えることが好ましい。好ましい照射方法は、超音波洗浄器を用いる方法である。
水層を油層から分離し回収する。分離方法は、限定されないが、分液ロート等を用いて、水層を回収することが好ましい。
水層から結晶を回収する。回収方法は、限定されないが、ろ過または遠心分離が好ましい。
結晶を回収するろ過は、ろ膜(ナイロンメッシュ、ろ紙など)、ろ過器(ヌッチェろ過器、ブフナー漏斗など)を用いて行う。ろ過の孔サイズは、結晶を回収できるサイズであれば限定されないが、10〜1μm、好ましくは、7.5〜2.5μm、より好ましくは6〜4μmである。ろ過方法は、限定されないが、自然落下、加圧ろ過、減圧(吸引)ろ過などが挙げられる。好ましくは、減圧(吸引)ろ過である。
回収した結晶は、ろ過後に残っている油脂を水で洗浄することが好ましい。
結晶化赤色素とは、以上の工程により精製された赤色素をいう。精製された赤色素は、限定されないが、5重量%以上、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%のプロアントシアニジン(縮合型タンニン)を含む。または、結晶化赤色素は、純度5重量%以上、好ましくは10重量%〜70重量%、より好ましくは20重量%〜50重量%のプロアントシアニジン(縮合型タンニン)である。
さらに、好ましくは、結晶化赤色素は、糖(糖鎖)および/またはカロチノイドを実質的には含まない。
結晶化とは、結晶形態を意味する。赤色素とは、ノコギリヤシ果実の赤色物質であれば、精製方法は限定されないが、アントシアンを含む赤色物質、より好ましくはプロアントシアニジン(縮合型タンニン)を含む赤色物質、さらにより好ましくは上記の結晶化赤色素である。
プロアントシアニジンと縮合型タンニンは同義で用いられる。プロアントシアニジン(縮合型タンニン)は、植物に広く含まれる、複数のカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、アフゼレチンなどが炭素と炭素で結合したもの、あるいは、フラバンのオリゴマー(好ましくは2〜10個)からポリマー(11個以上、好ましくは11〜50個)である。プロアントシアニジン(縮合型タンニン)は、塩酸で加水分解するとアントシアニジン(オーランチニジン、シアニジン、デルフィニジン、ヨーロピニジン、ルテオリニジン、ペラルゴニジン、マルビジン、ペオニジン、ペチュニジン、ロシニジンなど)を生成する。
アントシアニジンとは、植物界において広く存在する色素アントシアンのうち、糖や糖鎖以外の部分(アグリコン)を意味する。
本発明におけるプロアントシアニジン(縮合型タンニン)は、塩酸で加水分解するとシアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、ペチュニジン、マルビジンから選択される少なくとも1つを生成する物質を含む。すなわち、プロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペオニジン、プロペチュニジン、プロマルビジンから選択される少なくとも1つを含む。
得られた結晶を乾燥させる。減圧下で加熱乾燥することが好ましい。加熱温度は、限定されないが、室温〜80℃、好ましくは、40〜70℃である。加熱乾燥させることで、結晶はタール状態になる。得られた結晶は、エタノールに容易に溶解し、赤色エタノール溶液を生じる。
ノコギリヤシ果実の赤色素の形態は、限定されないが、結晶状態、加熱乾燥させたオイル状態、エタノールに溶解した状態であってもよい。赤色素は、遮光、4度で保存することが好ましい。ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物の形態は、限定されないが、乾燥させたオイル状態、エタノールに溶解した状態であってもよい。
ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物、または赤色素は、限定されないが、食品、化粧料、医薬であっても良い。また、食品用添加剤、化粧料用添加剤、医薬用添加剤であっても良い。同様に、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物、または赤色素を含む組成物は、限定されないが、食品、化粧料、医薬であっても良い。また、食品用添加剤、化粧料用添加剤、医薬用添加剤であっても良い。
組成物中のノコギリヤシ果実のエタノール抽出物、または赤色素の量は、限定されないが、0.1〜99.9重量%、好ましくは1〜99%である。残りの部分は、慣用の担体、賦形剤、または添加剤等である。
組成物は、さらに慣用の担体、賦形剤、または添加剤等を含んでもよい。慣用の担体、賦形剤、または添加剤等には、溶媒、植物油、鉱油、脂肪油、流動パラフィン、緩衝剤、保存剤、湿潤剤、キレート剤、抗酸化剤、安定化剤、乳化剤、懸濁化剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、坐剤基剤、浸透促進剤、芳香剤、甘味料、着色料、香料および皮膚保護剤などが挙げられる。
溶媒には、水、アルコール、BG(1,3−ブチレングリコール)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、液体ポリアルキルシロキサンおよびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
植物油には、アーモンド油、ヒマシ油、カカオ脂、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、落花生油、ケシの実油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、米油および茶の実油およびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。これら食用油は、市販のものであっても自分で調製したものであっても良い。好ましくは、オリーブ油である。
緩衝剤には、クエン酸、酢酸、酒石酸、乳酸、リン酸水素、ジエチルアミンンおよびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
湿潤剤には、グリセリン、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、ソルビトール、乳酸、尿素、BG(1,3−ブチレングリコール)、ダイズステロールおよびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
キレート剤には、EDTAナトリウム、クエン酸およびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
抗酸化剤には、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸およびその誘導体、α−、β−、γ−、δ−トコフェロール(tocopherol)およびその誘導体、α−、β−、γ−、δ−トコトリエノール(tocotrienol)およびその誘導体、システインならびにそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
乳化剤には、天然ゴム(例えば、アカシアゴム)、トラガカントゴム、キサンタンガム;天然ホスファチド(例えば、ダイズレシチン);モノオレイン酸ソルビタン誘導体;羊毛脂;羊毛アルコール;ソルビタンエステル;モノグリセリド;脂肪アルコール(例えばベヘニルアルコール);脂肪酸エステル(例えばトリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)のような脂肪酸のトリグリセリド);およびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
懸濁化剤には、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、カラゲナン、アカシアゴム、アラビアゴム、トラガカントおよびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
ゲル基剤および増粘成分には、流動パラフィン、ポリエチレン、脂肪油、コロイドシリカまたはアルミニウム、亜鉛セッケン、グリセロール、プロピレングリコール、トラガカント、カルボキシビニルポリマー、ケイ酸マグネシウム−アルミニウム、親水性ポリマー(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび他のセルロース誘導体などのセルロース誘導体)、水膨潤性親水コロイド、カラゲナン、ヒアルロン酸塩(例えば、塩化ナトリウムを選択的に含むヒアルロン酸ゲル)、アルギン酸エステル(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)およびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
軟膏基剤には、蜜蝋、パラフィン、セタノール、パルミチン酸セチル、セテアリルアルコール ステアリン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸、ステアリン酸PEG−150、植物油、脂肪酸のソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、脂肪酸のソルビタンエステルと酸化エチレンとの間の縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)およびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
疎水性軟膏基剤には、パラフィン、植物油、動物脂、合成グリセリド、ろう、ラノリン、液体ポリアルキルシロキサンおよびそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
親水性軟膏基剤には、固体マクロゴール(ポリエチレングリコール)などが挙げられるが、これに限定されることはない。さらに、慣用の担体、賦形剤、または添加剤等には、スクワラン、レシチン、水添レシチン、テトラへキシルデカン酸アスコルビル、アラントイン、グリチルリチン酸2K、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン、加水分解コラーゲン、バラエキス、ジメチコン、カプリリルグリコール、ベタイン、ステアロイルグルタミン酸Na、ノバラ油、バチルアルコール、ハイドロプロキシプロリンなどが挙げられる。
血管新生抑制とは、新しい血管の形成や成長を阻害または抑制する作用を意味する。血管新生抑制剤とは、血管新生抑制作用を有する組成物を意味する。血管新生抑制剤は、食品、化粧料、医薬であっても良い。
血管新生を抑制することが有益な疾患もしくは障害とは、血管新生を抑制することにより、疾患もしくは障害の進行が抑制されたり、または症状が改善もしくは軽減されたりする疾患もしくは障害を意味し、例えば、がん、網膜症、緑内障、黄斑変性症、歯周病、乾癬および関節炎などが挙げられる。好ましくは、がん、乾癬、関節炎である。
乾癬は、好ましくは尋常性乾癬、 膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬、滴状乾癬などである。
関節炎は、好ましくは変形性関節症、顎関節症やリウマチ性関節症などである。より好ましくは、滑膜炎を伴うリウマチ性関節症などである。
網膜症は、好ましくは糖尿病網膜症、高血圧網膜症などである。
緑内障は、好ましくは原発緑内障、先天緑内障、続発緑内障、正常眼圧緑内障などである。
黄斑変性症は、好ましくは加齢黄斑変性症などである。より好ましくは、滲出型の加齢黄斑変性症などである。
歯周病は、好ましくは歯肉炎、歯周炎である。
がんとは、悪性腫瘍を意味し、好ましくは皮膚がん、肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、肝臓癌、脳腫瘍、腎臓癌、食道癌、前立腺癌、精巣癌、膀胱癌、口腔癌、甲状腺癌、膵臓癌、胆道癌、頭頸部癌などである。より好ましくは、メラノーマなどの皮膚がん、乳癌、肝臓がんである。
治療とは、既に発症している疾患もしくは障害の進行を抑制したり、または症状を改善もしくは軽減することを意味する。また、予防とは、疾患もしくは障害の発症を防ぐことまたは遅らせることを意味する。
治療や予防の対象は、哺乳動物、例えば、ヒト、犬、猫等の愛玩動物、ウシ、ブタ、ニワトリ等の家畜動物であるが、特にヒトであることが望ましい。
投与とは、全身投与、局所投与であってよく、全身投与、局所投与は、経皮投与、舌下投与、経口投与、経腸投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈投与、経鼻投与、点眼などいずれの投与形態であってもよい。好ましくは、経皮投与、舌下投与、経口投与、皮下投与、静脈投与である。
疾患もしくは障害を治療または予防するために有効な投与量は、疾患もしくは障害の程度、投与方法によって異なり、血管新生を抑制するために有効な量であれば限定されないが、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素の量が、0.01〜1000mg/体重kg・日、0.1〜1000mg/体重kg・日、好ましくは1〜500mg/体重kg・日、より好ましくは10〜100mg/体重kg・日である。
ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素は、これら疾患もしくは障害の治療や予防のための医薬の製造のために用いることができる。医薬の形態は、たとえば、クリーム、舌下剤、マッサジ油、溶液、懸濁液、ローション、軟膏、ゲル、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、坐剤を挙げることができる。好ましくは、クリーム、舌下剤、マッサジ油、溶液、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤である。
組成物は、さらに血管新生抑制作用を有する他の薬剤を含んでもよい。
本発明は、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素の有効量を哺乳動物に投与することを含む、血管新生を抑制することが有益な疾患もしくは障害を伴う疾患もしくは障害を治療または予防するための方法である。
過度な紫外線を浴びた皮膚では、しわ形成に関わるより太い毛細血管(しわ血管)が異常に増える。そのため、血管新生抑制剤は、しわの発生に対して予防、改善効果を発揮できる。血管新生抑制剤は、しわ予防または改善のための化粧料であっても良い。よって、ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素は、しわの発生を予防、改善するための化粧料の製造のために用いることができる。
本発明について、以下の例によって更に説明する。ただし本発明は以下に示す例に限られたものではないことを理解されたい。
精製ノコギリヤシ赤色素の製造
ノコギリヤシの果実1000g(Saw Palmetto Berries Co-Op of Florida Inc.(SPB),1206 Kings Way, Naples, Florida 34112, USA)をミキサー(パナソニック株式会社、ファイバーミキサー)で粉砕し、乾燥した。乾燥後のノコギリヤシ果実粉砕物の重量は886gであった。
ミキサーで粉砕乾燥したノコギリヤシの果実100gと攪拌子をステンレス加圧容器(アズワン株式会社)中の90容積%エタノール1000mLに投入し、密閉して、ホットプレート付きマグネチックスターラー上の100℃の油浴中にステンレス加圧容器を置き、400rpmで1時間撹拌をした。容器内の内圧は、大気圧基準で0.1MPaであった。
油浴から容器を取り出し、常圧に戻るまで冷後(温度は約60℃に低下した)、100メッシュナイロン布(北村製布株式会社、ナイロン製フィルタークロス、孔サイズ150μm)で残渣を分離し、得られた抽出液950mLは、さらにろ過助剤(セライト社、セライト503)をプレコートに使用してろ過した。プレコートは、セライト5gをヌッチェろ過器(5μm、株式会社三商)上に敷いたろ紙(アドバンテック東洋株式会社、No.2)上に敷き詰めて調製した。
抽出液をろ過後、さらに50mLの90容積%エタノールでろ過し、合わせて得られたろ過液1000mLを減圧下でロータリーエバポレーター(東京理化器械株式会社)を用いて、100mLになるまで濃縮した。
得られた濃縮液100mLを500mLビーカー(柴田科学株式会社)に移し、水300mLと攪拌子を加え、10分間、400rpm、室温(23℃)で撹絆した。
次いで、溶液の入ったビーカーを、水を張った超音波洗浄器(アズワン株式会社)に浸け、周波数40kHzで1分間照射し、油層(上層)と水層(下層)を分離した。下層に赤色の結晶(沈殿)を認めた。
油層と水層に分かれた溶液を分液ロートに移し、水層をビーカーに回収し、減圧下(絶対圧基準で8kPa)で、ろ紙(アドバンテック東洋株式会社、No.2)を敷いたヌッチェろ過器(5μm、株式会社三商)を用いてろ過し、結晶をろ紙上に得た。残っている油脂分などを水で洗い流した後、結晶を別容器に移し減圧下60℃(アドバンテック東洋株式会社、真空定温乾燥機)で乾燥し、ノコギリヤシ赤色素1.0gを得た。
1.精製ノコギリヤシ赤色素の血管新生抑制活性の測定
以下の生物試験結果は、実施例1で調製された、結晶化赤色素を、Ricerca Bioscience, LLC (http://www. Ricerca.com) に送付し、抗血管新生活性について試験依頼(Assay#368000 Tumor, Angiogenesis, Tube Formation)して得られた。
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、内皮細胞増殖サプリメントの存在下でマトリゲル(Matrigel)上にキャピラリー様構造に分化し、管ネットワークを形成する。試験化合物の抗血管新生活性は、未処理のコントロールと比較した、形成された管ネットワークの連続性を観察することにより評価できる。試験化合物(実施例3で調製された結晶化赤色素)が、100、10、1、0.1、0.01μ/mLの最終濃度で抗血管新生効果が試験された。
2.試験化合物(実施例1で調製された結晶化赤色素)の調製
実施例1で調製された結晶化赤色素を100%DMSOに溶かし、滅菌水で希釈して、1、10、100、1000、10000μg/mLの40%DMSO溶液を作製した。さらに、培地で100倍希釈されることにより、最終濃度100、10、1、0.1、0.01μg/mLが調製された。
3.正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の培養方法
HUVECは、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC CRL−1730)より購入した。HUVEC細胞は、37℃、5%CO空気雰囲気で培養した。10容量%ウシ胎仔血清(FBS)、1%抗真菌性抗生物質含有内皮細胞増殖培地を用いて培養した。
4.試薬:抗真菌性抗生物質(GIBCO BRL,USA)、ジメチルスルホキシド(Merck,Germany)、内皮細胞増殖培地(CELL APPLICATIONS,USA)、ウシ胎仔血清(HyClone,USA)、マトリゲル(Matrigel)(BD Biosciences,)、Suramin (Sigma, USA)。
5.装置・器具:96マイクロウェル培養プレート(NUNC, USA)、Centrifuge 5810R(Eppendorf, Germany), デジタルカメラ(ニコン、日本)、ヘマトサイトメーター(Hausser Scientific Horsham, USA)、Inverted microscope CK-40(オリンパス、日本)、System microscope E-400(ニコン、日本)、Biological safety cabinet(NuAire, USA)。
6.方法
マトリゲルマトリックスが解凍され、4℃で氷上におかれ、50μLのマトリックスが96マイクロウェル培養プレートの各ウェルに移された。プレートは37℃で少なくとも1時間インキュベートし、マトリックス溶液を処理前に固化させる。
HUVEC懸濁液の200μLのアリコート(約1.5X10細胞/ウェル)が、96ウェルマトリゲルプレートにおかれた。試験化合物又はビヒクル(40%DMSO)がウェルあたり2μLで加えられ、5%CO、37℃で18時間培養された(2重で成された)。DMSOの最終濃度は、0.4%である。試験化合物は、100、10、1、0.1、0.01μg/mLの濃度で評価された。18時間培養の最後に、個々のウェル中の内皮細胞により形成された管ネットワークが顕微鏡(40Xの倍率)で評価され、撮影された。管ネットワークの管全長が各写真(図2)から測定された。
ビヒクル処理コントロールの管ネットワークの管全長に対する、試験化合物処理における管ネットワークの管全長の減少が、抗血管新生活性を表す。最小阻害濃度(MIC)および50%阻害濃度(IC50)が、試験物質の抗血管新生に対する効果を評価するために決定された。
Grant,D.S., Kinsella,J.L., Fridman,R., Auerbach,R., Piasecki,B.A., Yamada,Y.,et al. Interaction of endothelial cells with a laminin A Chain peptide(SIKVAV) in vitro and induction of angiogenetic behavior in vivo. J. Cell Physiol.153:614-625,1992.
Belotti,D., Vergani,V., Drudis,T., Borsotti,P., Pitelli,M.R., Viale,G., Giavazzi,R. and Taraboletti,G. The microtubule-affecting drug paclitaxel has antiangiogeneic activity. Clin. Cancer Res. 2:1843一1849,1996.
7.結果
100μg/mLの本願発明の赤色素は、ビヒクル処理のコントロールに対して管形成の著しい阻害を示した。標準の参照試薬であるスラミン(Suramin)は、30および15μMで著しい阻害を示した(表2、図1、図2)。IC50値は、表3に示される。
表2 ノコギリヤシ果実赤色素の管形成阻害

a:管形成の顕著な阻害(≧70%) b:最小阻害濃度(MIC)
ビヒクル処理コントロールに対する70%以上の管形成の阻害は顕著な抗血管新生活性を示す。
表3 最小阻害濃度(MIC)とIC50のまとめ
以下の配合でノコギリヤシ果実の赤色素を含有する組成物を作製した。
成分名 クリーム配合量(重量%)
ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素 2.0
オリーブ油 10.0
トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 10.0
トコフェロール 1.0
精製水 77.0
合計 100.0
精製ノコギリヤシ赤色素によるVEGF誘導性血管内皮細胞の増殖阻害活性の測定
以下の生物試験結果は、実施例1で調製された、結晶化赤色素を、Ricerca Bioscience, LLC (http://www. Ricerca.com) に送付し、細胞増殖阻害活性について試験した。
試験物質と用量
試験物質NYG−1、DS−SMO、SMOおよびAKは、インビトロVEGF増殖研究のために用いられた。これらは、100%DMSOに溶解後、DMSOで希釈し、2.63mg/mLおよび26.3mg/mLの濃度に調製した。それぞれ、試験における最終濃度は、10μg/mLおよび100μg/mLを与える。
NYG−1:実施例1で調製された結晶化赤色素
DS−SMO:深海鮫の肉をエタノールで抽出した脂溶性画分
SMO:鮫の肉をエタノールで抽出した脂溶性画分
AK:鮫肝油中のアルコキシグリセロール(AKG)濃縮品
細胞及び培地
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC CRL−1730)より購入した。HUVEC細胞は、37℃、5%CO空気雰囲気で培養した。10容量%ウシ胎仔血清(FBS)含有内皮細胞増殖培地を用いて培養した。アッセイ培地は、10%FBSおよび10μg/mLヘパリン含有M199である。
試薬
ジメチルスルホキシド(Merck, Germany)、内皮細胞増殖培地(CELL APPLICATIONS, USA)、ウシ胎仔血清(HyClone, USA)、ヘパリン(Sigma, USA)、SU5416(Calbiochem, USA) 、VEGF165(Calbiochem, USA) 、HBSS(Gibco, USA)。
装置・器具
96マイクロウェル培養プレート(NUNC, USA)、Centrifuge CT6D(Hitachi, Japan)、Nucleocounter(ChemoMetec, Denmark)、Inverted microscope CK-30(オリンパス、日本)、Biological safety cabinet(NuAire, USA)。
方法
HUVECをアッセイ前日に5%CO含有37℃インキュベーターで96ウェルTCプレートに1.1×10/mlで前播種した。試験物質およびビヒクル(DMSO)を20分間37℃で細胞と供にプレインキュベーションした。次いで、VEGF165(0.2nM)を加え、48時間培養した。48時間後細胞を1回HBSSバッファーで洗浄した。蛍光試薬Calcein AM dye(BD Biosciences、 USA)5μg/mLを加え、さらに50分間培養した。蛍光強度をマイクロプレートリーダーで読み取った。VEGF165誘導性細胞増殖に対する50%以上の抑制は、試験物質の顕著なアンタゴニスト(Anti)活性を示す。
表4:方法のまとめ
結果
結果を以下の表5に示す。NYG−1(ノコギリヤシ赤色素)に、アンタゴニスト活性が認められた。100μg/mL(終濃度)で顕著なアンタゴニスト活性(140%)が認められた。
表5:AK、DS−SMO、NYG−1、SMOの活性のまとめ
IC50/EC50を以下の表6に示す。ノコギリヤシ赤色素のIC50/EC50は、0.12μMと計算された。SU5416は、公知の血管新生阻害剤(アンタゴニスト)である。
表6:IC50/EC50
よって、ノコギリヤシ赤色素は、血管内皮細胞におけるVEGF誘導性細胞増殖、活性化および血管新生を抑制できることが示された。
ノコギリヤシ赤色素の抗腫瘍作用
(A)ノコギリヤシ赤色素は異種移植ヌードマウスモデルにおいてヒト肝臓がんを抑制した。
材料
ノコギリヤシ赤色素NYG−1(実施例1で調製された結晶化赤色素)
がん細胞株:ヒト肝臓がん細胞株MHCC−97L
異種移植モデル:ヌードマウス
方法
ヌードマウスの右脇腹の皮下にMHCC97L(ヒト肝臓がん細胞株)1×10を移植した。一週間後、NYG−1(0.1mg/kg と1mg/kg)をマウスの腹腔に注射した。同じ注射を一週間一回×3回で治療した。その後、25日目でマウスを屠殺し、腫瘍を摘出した。腫瘍サイズを、3回目の注射後に2〜3日置きにノギスで測り、腫瘍増殖曲線を作成した。腫瘍サイズは、腫瘍の短径と長径をノギスで測定し、短径×短径×長径/2として計算した。
MHCC97L細胞は、37℃、5%CO空気雰囲気で、10容量%非動化ウシ胎仔血清(FBS)、100IU/mLペニシリンG、100μg/mLストレプトマイシン(Sigma-Aldrich)含有DME培地(GIBCO)を用いて培養した。
結果
図3(A)に示すとおり、NYG−1治療群は、異種移植マウスにおける腫瘍増殖を濃度依存性的に抑制した。とりわけ、NYG−1(1mg/kg)の治療群が顕著に腫瘍の増殖を抑制(コントロールの約50%)した(P<0.01)。
(B)ノコギリヤシ赤色素は異種移植ヌードマウスモデルにおいてヒト肝臓がん中のVEGFの発現を抑制した。
上記(A)のサイズを測定後の腫瘍をそのままホモジナイズし、遠心した後、上清中の血管内皮増殖因子(VEGF)の量をELISAで測定した。
結果
図3(B)に示すとおり、NYG−1治療群は、異種移植マウスにおけるヒト肝臓がん腫瘍中の血管上皮増殖因子(VEGF)の発現を濃度依存性的に抑制した。とりわけ、NYG−1(1mg/kg)の治療群が顕著に腫瘍の血管上皮増殖因子(VEGF)を抑制(コントロールの約40%)した(P<0.01)。
以下の配合でノコギリヤシ果実の赤色素を含有する組成物を作製した。
成分名 配合量(mg)/錠剤
ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素 50
乳糖 110
微結晶性セルロース 30
二酸化珪素 5
タルク 5
最終重量 200
実施例1の精製ノコギリヤシ赤色素の色素成分を同定するために、試験を行った。
ノコギリヤシ(Serenoa repens)の現在までの色素成分に関連する情報は、HANDBOOK of Phytoehemical Constituents of GRAS Herbs and Other Economic Plants (1992, JAMES A, DUKE)による、β−カロチン、タンニンが挙げられる。そのため、上記2種の化合物に加え一般的な色素成分であるフラボノイドなどのポリフェノール化合物の可能性があると考え、これら3種の化合物の確認試験を実施することで、物質の同定をおこなった。
A)カロチノイド化合物の確認試験
TLC及びHPLCにてカロチノイド化合物は検出されなかった。
B)タンニン類の確認
(1)塩化鉄(III)試液による確認試験
試液(塩化鉄(III)6水和物9gを水に溶かし100mLに調整)の添加により緑褐色を呈した。このことから、縮合型タンニン(プロアントシアニジン)である可能性が示唆された。この試験では縮合型タンニン(プロアントシアニジン)は緑〜緑褐色、加水分解型タンニンは青〜濃青色を呈する。
(2)バニリン塩酸試液による確認試験
試液(バニリン0.5mgをエタノール(95)0.5mLに溶かし、水0.5mLと塩酸3mL添加したもの)の添加により橙色を呈したことからタンニンである可能性が示された。この試験では、タンニンが存在する場合赤〜橙色を呈する。
(3)TLCによる縮合型タンニン(プロアントシアニジン)の確認−1
カテキンやオリゴプロアントシアニジン(2〜4量体)が検出できるTLC条件において、スポットは原点のみ検出された。このことから重合度の高い縮合型タンニン(プロアントシアニジン)であることが示唆された。
(4)TLCによる縮合型タンニン(プロアントシアニジン)の確認−2
酸加水分解(塩酸添加後80℃水浴中で30分加熱)により鮮明な赤色となったことから、アントシアニジンが生じていると考えられた。TLCにおいてこの加水分解液の分析を行なった結果、アントシアニジンに相当するスポットが確認されたことから、分解前の成分はプロアントシアニジンであると考えられた(図4)。
結果
上記の試験結果より、精製ノコギリヤシ赤色素は、カロチノイドを含まない、重合度の高い縮合型タンニン(プロアントシアニジン)であると示唆された。
ポリフェノール含量の測定
総ポリフェノール含量の測定は、フォーリン・チオカルト試薬を用いて実施した。
測定方法
実施例1の精製ノコギリヤシ赤色素25mgに50%エタノール100mlを加え、蒸留水にて4倍に希釈した液を試験管に2ml分注した。この試験管に蒸留水で2倍希釈したフォーリン・チオカルト試薬2mlを加えて撹拌した。3分後、10%炭酸ナトリウム水溶液2mlを加え撹拌し、試験管を25℃で60分間保持した後、分光光度計で655nmの吸光度を測定した。このとき、カテキン水溶液により検量線を作成し、総ポリフェノール含量をカテキン相当量(mg/100g)で算出した。
結果
分析の結果、精製ノコギリヤシ赤色素の総ポリフェノール含量は30〜40重量%であった。
赤色素中のポリフェノール以外の成分としては、残存している油性成分の存在が考えられた。
本発明のノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素は、血管新生抑制活性を有し、幅広い様々な疾患に対する治療、予防に有益である。これらの疾患には、乾癬、関節炎、網膜症、緑内障、黄斑変性症、歯周病、およびがんなどの血管新生が関与する疾患が含まれる。また、しわ予防または改善のために有益である。

Claims (4)

  1. ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出する工程、
    抽出液と固体残渣を分離する工程、
    抽出液を濃縮する工程、
    濃縮物と水を混合する工程、
    混合液に超音波を照射し、油層と水相とに分離する工程、および
    水相から析出した赤色素を回収する工程、
    を含む、結晶化赤色素の製造方法。
  2. 請求項1記載の結晶化赤色素の製造方法を含む、結晶化赤色素を含む血管新生抑制剤、結晶化赤色素を含有する食品、結晶化赤色素を含有する化粧料、または結晶化赤色素を含有する医薬の製造方法。
  3. ノコギリヤシ果実をエタノールにより抽出する工程、
    抽出液と固体残渣を分離する工程、
    抽出液を濃縮する工程、
    濃縮物と水を混合する工程、
    混合液に超音波を照射し、油層と水相とに分離する工程、および
    水相から析出した赤色素を回収する工程、
    を含む、ノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む結晶化赤色素の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法を含む、ノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む結晶化赤色素を含む組成物、ノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む結晶化赤色素を含む食品、ノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む結晶化赤色素を含む化粧料、またはノコギリヤシ果実由来のプロアントシアニジンを含む結晶化赤色素を含む医薬の製造方法。
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