JP2010125448A - 水・油エマルション分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な操作により効率良く低コストで水・油エマルションを分離することができ、しかも耐用期間の長い水・油エマルション分離装置を提供する。
【解決手段】水・油エマルションを収容する分離槽、前記分離槽の壁面に設置した少なくとも1個の超音波発振手段を具備する水・油エマルション分離装置において、前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接前記超音波発振手段に戻らないことを特徴とする水・油エマルション分離装置。
【選択図】図2
【解決手段】水・油エマルションを収容する分離槽、前記分離槽の壁面に設置した少なくとも1個の超音波発振手段を具備する水・油エマルション分離装置において、前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接前記超音波発振手段に戻らないことを特徴とする水・油エマルション分離装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、水系に油が分散したエマルションから油成分を分離する水・油エマルション分離装置に関する。
従来、水系に油が分散したエマルションから油成分を分離する方法としては、濾過、蒸留、水又は油成分の吸着、助剤を用いた化学反応による分離等の方法が使用されてきた。しかしながら、これらの方法は簡便さに欠け、大量のエマルションを処理するには多大の時間とコストを必要とし、また吸着や化学反応を用いる方法では発生する処理生成物の処分が困難となる等の問題があった。
例えば、灯油を燃料とする暖房器具である石油ストーブや石油ファンヒーターに給油をする際に、不注意から灯油が溢れて河川へ流出する事故が多発しており、河川の水質汚濁や生態系の破壊を招くおそれがあり、水系に分散した油成分を簡便に分離回収する方法が求められている。
例えば、灯油を燃料とする暖房器具である石油ストーブや石油ファンヒーターに給油をする際に、不注意から灯油が溢れて河川へ流出する事故が多発しており、河川の水質汚濁や生態系の破壊を招くおそれがあり、水系に分散した油成分を簡便に分離回収する方法が求められている。
一方、水と油を含むエマルションに助剤を添加し、超音波を照射することによってこれらの成分を分離する方法や(特許文献1参照)、原油の採掘時に発生する水・油エマルションに、エマルションの流れ方向と移動方向が同じ並流超音波と、エマルションの流れ方向と移動方向が反対の向流超音波を照射することにより、水・油エマルションを解乳化する方法が提案されている。(特許文献2参照)
特開2005−349267号公報
特表2007−503297号公報
しかしながら、これらの特許文献に記載された方法は、助剤や複雑な処理装置を必要とするものであり、エマルションの処理に時間がかかるとともに処理コストが高くなるといった問題点があった。
また、水・油エマルション分離装置に設けた超音波発振手段が分離装置内で反射した超音波によって損傷を受け、短期間で使用できなくなるという欠点があった。超音波発振手段は高価な装置であり短期間で交換が必要となると、エマルションの処理コストが高騰し、実用には適さないものとなる。
また、水・油エマルション分離装置に設けた超音波発振手段が分離装置内で反射した超音波によって損傷を受け、短期間で使用できなくなるという欠点があった。超音波発振手段は高価な装置であり短期間で交換が必要となると、エマルションの処理コストが高騰し、実用には適さないものとなる。
したがって、本発明は上記従来技術の問題点を解消して、簡単な操作により効率良く低コストで水・油エマルションを分離することができ、しかも耐用期間の長い水・油エマルション分離装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するためにつぎの1〜9の構成を採用する。
1.水・油エマルションを収容する分離槽、前記分離槽の壁面に設置した少なくとも1個の超音波発振手段を具備する水・油エマルション分離装置において、前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接前記超音波発振手段に戻らないことを特徴とする水・油エマルション分離装置。
2.前記超音波発振手段を、スペーサーを介して前記分離槽の外側壁面に設置したことを特徴とする1に記載の水・油エマルション分離装置。
3.前記超音波発振手段を、前記分離槽の壁面に対して傾けて設置したことを特徴とする1又は2に記載の水・油エマルション分離装置。
4.前記分離槽の形状を前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接各超音波発振手段に戻らない形状としたことを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
5.前記分離槽の横断面の形状が円形、楕円形、又は多角形から選択されたものであることを特徴とする4に記載の水・油エマルション分離装置。
6.前記分離槽の前記超音波発振手段と対向する位置に、前記超音波発振手段に対して傾斜をつけた反射板を設置したことを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
7.さらに、前記主超音波発振手段に隣接して反射板を設置したことを特徴とする6に記載の水・油エマルション分離装置。
8.前記分離槽を金属、ガラス、プラスチックから選択された材料により構成したことを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
9.前記超音波発振手段として、周波数1.6MHz〜2.5MHzの超音波発振手段を用いることを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
1.水・油エマルションを収容する分離槽、前記分離槽の壁面に設置した少なくとも1個の超音波発振手段を具備する水・油エマルション分離装置において、前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接前記超音波発振手段に戻らないことを特徴とする水・油エマルション分離装置。
2.前記超音波発振手段を、スペーサーを介して前記分離槽の外側壁面に設置したことを特徴とする1に記載の水・油エマルション分離装置。
3.前記超音波発振手段を、前記分離槽の壁面に対して傾けて設置したことを特徴とする1又は2に記載の水・油エマルション分離装置。
4.前記分離槽の形状を前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接各超音波発振手段に戻らない形状としたことを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
5.前記分離槽の横断面の形状が円形、楕円形、又は多角形から選択されたものであることを特徴とする4に記載の水・油エマルション分離装置。
6.前記分離槽の前記超音波発振手段と対向する位置に、前記超音波発振手段に対して傾斜をつけた反射板を設置したことを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
7.さらに、前記主超音波発振手段に隣接して反射板を設置したことを特徴とする6に記載の水・油エマルション分離装置。
8.前記分離槽を金属、ガラス、プラスチックから選択された材料により構成したことを特徴とする1〜7のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
9.前記超音波発振手段として、周波数1.6MHz〜2.5MHzの超音波発振手段を用いることを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
本発明によれば、簡単な操作により効率良く低コストで水・油エマルションを分離することのできる水・油エマルション分離装置を得ることができる。この分離装置は、水・油エマルション分離装置に設けた超音波発振手段が分離装置内で反射した超音波によって破壊され、短期間で損傷することを防止することができるので、長時間の連続運転が可能となる。また、高価な超音波発振手段の寿命を大幅に延長し、エマルションの処理コストを著しく低減することが可能となる。さらに、この装置は小型化することが可能で、水・油エマルションから短時間で油成分を分離回収することができることから、家庭の灯油タンク等から河川に流出した灯油を分離回収する装置等として有用である。本発明は、段落番号0002に記載したような環境破壊を食い止めることに有効であり、あらゆる技術分野に転用が可能な技術である。
つぎに、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
図1及び図2は、本発明の水・油エマルション分離装置の一例を示す模式図で、図1は分離装置の斜視図、そして図2は分離装置の側面の部分拡大図ある。この分離装置1は、四角柱状の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した3個の第1の超音波発振手段3、該分離槽2の底面に設置した1個の第2の超音波発振手段3’により構成される。分離槽2の側壁面に設置された3個の第1の超音波発振手段3は、図2に見られるように、2個のスペーサー4,4により分離槽の側壁面から離間した状態で設置されている。また、分離槽2の底面に設置した第2の超音波発振手段3’も、側壁面に設置した3個の第1の超音波発振手段3と同様に、スペーサー4を介して分離槽2の底面から離間した状態で設置されている。
図1及び図2は、本発明の水・油エマルション分離装置の一例を示す模式図で、図1は分離装置の斜視図、そして図2は分離装置の側面の部分拡大図ある。この分離装置1は、四角柱状の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した3個の第1の超音波発振手段3、該分離槽2の底面に設置した1個の第2の超音波発振手段3’により構成される。分離槽2の側壁面に設置された3個の第1の超音波発振手段3は、図2に見られるように、2個のスペーサー4,4により分離槽の側壁面から離間した状態で設置されている。また、分離槽2の底面に設置した第2の超音波発振手段3’も、側壁面に設置した3個の第1の超音波発振手段3と同様に、スペーサー4を介して分離槽2の底面から離間した状態で設置されている。
この分離装置1では、分離槽2の側壁面及び底面に設置する超音波発振手段を、2個のスペーサー4を介して分離槽2の壁面から離間した状態で設置したことによって、図2の矢印で示される超音波発振手段から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段に戻る量を大幅に低減することが可能となり、超音波の反射波により超音波発振手段が損傷されるのを防止することができる。
また、分離槽2の側壁面に設置された第1の超音波発振手段3から発振される超音波と、分離槽2の底面に設置された第2の超音波発振手段3’から発振される超音波が直交する方向に照射されることにより、水・油エマルションを効率良く分離することが可能となる。
また、分離槽2の側壁面に設置された第1の超音波発振手段3から発振される超音波と、分離槽2の底面に設置された第2の超音波発振手段3’から発振される超音波が直交する方向に照射されることにより、水・油エマルションを効率良く分離することが可能となる。
この分離装置1では、超音波発振手段3、3’を2個のスペーサー4を用いて分離槽2の壁面に平行に設置したが(図2参照)、図3に見られるように、1個のスペーサーを用いて分離槽2の壁面に対して傾けて設置するようにしてもよい。超音波発振手段を分離槽2の壁面に対して傾けて設置した場合には、図3に矢印で示したように、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻るのを一段と防止することが可能となる。超音波発振手段3を分離槽2の壁面に対して傾けて設置する手段はスペーサーに限定されず、ビスや接着剤等により分離槽の壁面に固定される、超音波発振手段を固定する傾斜面を有する板状の係止板や、クランプ等、他の係止手段を使用できることは言うまでもない。
この分離装置1では、計4個の四角形の板状の超音波発振手段3、3’を使用しているが、超音波発振手段の形状や数、寸法は任意に選択することができる。また、超音波発振手段として図2に示した分離槽2の壁面に平行に設置した発振手段と、図3に示した壁面に対して傾けて設置した発振手段を組み合わせて用いるようにしてもよい。さらに、超音波発振手段を分離槽2の側壁面又は底面のいずれかのみに設置するようにしてもよい。
この分離装置1では、計4個の四角形の板状の超音波発振手段3、3’を使用しているが、超音波発振手段の形状や数、寸法は任意に選択することができる。また、超音波発振手段として図2に示した分離槽2の壁面に平行に設置した発振手段と、図3に示した壁面に対して傾けて設置した発振手段を組み合わせて用いるようにしてもよい。さらに、超音波発振手段を分離槽2の側壁面又は底面のいずれかのみに設置するようにしてもよい。
図4は、本発明の水・油エマルション分離装置の他の例を示す装置の側面の部分拡大図である。
この分離装置11では、図1の分離装置1において、分離槽2内の側壁面に設置した各超音波発振手段3と対向する位置に、反射板5を超音波発振手段3に対して傾けて設置したものである。この分離装置11では、反射板5を設置することによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻るのを確実に防止することが可能となる。この分離装置11の他の構成は、図1の分離装置1と同様である。
この分離装置11では、図1の分離装置1において、分離槽2内の側壁面に設置した各超音波発振手段3と対向する位置に、反射板5を超音波発振手段3に対して傾けて設置したものである。この分離装置11では、反射板5を設置することによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻るのを確実に防止することが可能となる。この分離装置11の他の構成は、図1の分離装置1と同様である。
図5は、本発明の水・油エマルション分離装置の他の例を示す装置の斜視図である。
この分離装置21では、図1の分離装置1において、四角柱状の分離槽2の1つの側壁面に3個の第1の超音波発振手段3を設置し、隣接する側壁面に3個の第2の超音波発振手段3’を設置したものである。これらの超音波発振手段3及び3’は、図2と同様に各2個のスペーサー4を介して分離槽2の側壁面に固定されている。
この分離装置21では、分離槽2の1つの側壁面に設置された第1の超音波発振手段3から発振される超音波と、分離槽2の隣接する側壁面に設置された第2の超音波発振手段3’から発振される超音波が直交する方向に照射されることにより、水・油エマルションを効率良く分離することが可能となる。
この分離装置21では、図1の分離装置1において、四角柱状の分離槽2の1つの側壁面に3個の第1の超音波発振手段3を設置し、隣接する側壁面に3個の第2の超音波発振手段3’を設置したものである。これらの超音波発振手段3及び3’は、図2と同様に各2個のスペーサー4を介して分離槽2の側壁面に固定されている。
この分離装置21では、分離槽2の1つの側壁面に設置された第1の超音波発振手段3から発振される超音波と、分離槽2の隣接する側壁面に設置された第2の超音波発振手段3’から発振される超音波が直交する方向に照射されることにより、水・油エマルションを効率良く分離することが可能となる。
図6及び図7は、本発明の水・油エマルション分離装置の他の例を示す装置の模式図であり、図6は装置の斜視図、そして図7は装置の平面図である。
この分離装置31は、円筒状の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した3個の超音波発振手段3により構成される。分離槽2の側壁面に設置された3個の超音波発振手段3は、図7に見られるように、2個のスペーサー4,4により分離槽の側壁面から離間した状態で設置されている。この分離装置31では、分離槽2の形状を横断面が円形の円筒状としたことによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻る量を大幅に低減することが可能となる。
この分離装置31では、分離槽2の形状を横断面が円形の円筒状としたが、分離槽2の横断面の形状を、楕円形、或いは六角形や八角形のような多角形等とすることもできる。また、図1の分離装置1のように、分離槽2の底面に第2の超音波発振手段3’を設置してもよい。さらに、図5の分離装置21のように、第1の超音波発振手段3を設置した分離槽の側壁面と、超音波の照射方向が直交するように隣接する分離槽の側壁面に第2の超音波発振手段3’を設置することもできる。
この分離装置31は、円筒状の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した3個の超音波発振手段3により構成される。分離槽2の側壁面に設置された3個の超音波発振手段3は、図7に見られるように、2個のスペーサー4,4により分離槽の側壁面から離間した状態で設置されている。この分離装置31では、分離槽2の形状を横断面が円形の円筒状としたことによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻る量を大幅に低減することが可能となる。
この分離装置31では、分離槽2の形状を横断面が円形の円筒状としたが、分離槽2の横断面の形状を、楕円形、或いは六角形や八角形のような多角形等とすることもできる。また、図1の分離装置1のように、分離槽2の底面に第2の超音波発振手段3’を設置してもよい。さらに、図5の分離装置21のように、第1の超音波発振手段3を設置した分離槽の側壁面と、超音波の照射方向が直交するように隣接する分離槽の側壁面に第2の超音波発振手段3’を設置することもできる。
図8及び図9は、本発明の水・油エマルション分離装置の他の例を示す装置の模式図であり、図8は装置の斜視図、そして図9は装置の平面図である。
この分離装置41は、直方体の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した1個の超音波発振手段3により構成される。また、図9に見られるように、分離槽2内の側壁面に設置した超音波発振手段3と対向する位置に反射板5を超音波発振手段3に対して傾けて設置するとともに、超音波発振手段3の両側にも2個の反射板5’を設置したものである。この分離装置41では、反射板5を設置することによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻るのを防止することができる。また、超音波発振手段3の両側に2個の反射板5’を設置することによって、反射板5によって反射された超音波がさらに反射板5’によって反射されることにより、水・油エマルションの分離を一段と促進することができる。この反射板5’は、超音波発振手段3の片側にのみ設置してもよい。
この分離装置41では、スペーサーを使用せずに超音波発振手段3を直接分離装置2の側壁面に設置しているが、図2に見られるように、スペーサー4を介して側壁面に設置するようにしてもよい。
この分離装置41は、直方体の水・油エマルションを収容する分離槽2、該分離槽2の側壁面に設置した1個の超音波発振手段3により構成される。また、図9に見られるように、分離槽2内の側壁面に設置した超音波発振手段3と対向する位置に反射板5を超音波発振手段3に対して傾けて設置するとともに、超音波発振手段3の両側にも2個の反射板5’を設置したものである。この分離装置41では、反射板5を設置することによって、超音波発振手段3から発振された超音波の反射波が、直接超音波発振手段3に戻るのを防止することができる。また、超音波発振手段3の両側に2個の反射板5’を設置することによって、反射板5によって反射された超音波がさらに反射板5’によって反射されることにより、水・油エマルションの分離を一段と促進することができる。この反射板5’は、超音波発振手段3の片側にのみ設置してもよい。
この分離装置41では、スペーサーを使用せずに超音波発振手段3を直接分離装置2の側壁面に設置しているが、図2に見られるように、スペーサー4を介して側壁面に設置するようにしてもよい。
上記の各例において、水・油エマルション分離装置の分離槽を構成する材料としては特に制限はなく、ステンレス,アルミ等の各種金属、ガラス、セラミックス、プラスチック等通常この種の装置に用いられる材料はいずれも使用することができる。また、反射板を構成する材料としては、ステンレス,アルミ等の各種金属、ガラス、セラミックス、金属或いは金属酸化物薄膜層を設けたプラスチック等を使用することができる。
また、超音波発振手段としては特に制限はなく、高周波発信機等通常の超音波発振手段を用いることができる。好ましい超音波発振手段3としては、周波数1.6〜2.5MHz、特に2.5MHzで、出力15〜100W、特に25Wの超音波発振手段が挙げられる。
また、超音波発振手段としては特に制限はなく、高周波発信機等通常の超音波発振手段を用いることができる。好ましい超音波発振手段3としては、周波数1.6〜2.5MHz、特に2.5MHzで、出力15〜100W、特に25Wの超音波発振手段が挙げられる。
つぎに、実施例により本発明をさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
図1及び2にみられるような、透明なアクリル系樹脂により構成された四角柱状(底面が縦7cm、横7cm、高さ42cm)の分離槽2の底面に1個、1つの側壁面に縦に2個の超音波発振機(本多電子社製)3を、それぞれ厚さ3mmのスペーサー4を介して内壁面(分離槽の壁厚:10mm)から13mm離間した状態で壁面に平行に設置して、水・油エマルション分離装置1を構成した。
水3,000ccに灯油30ccを加えて調製したエマルションのうち1,300ccをこの分離装置に収容し、3個の超音波発信機から周波数2.5MHzの超音波を所定時間照射した(電圧状態:22V,1.58A,35W)。超音波照射後、エマルションの吸光度を波長600nmの紫外吸光光度計(GASCO社製)を用いて測定した結果を、図10に示した。図10において、縦軸はエマルションの吸光度、横軸は超音波の照射時間を表す。
超音波照射前の吸光度は2.31で、5分後の吸光度は0.86、10分後の吸光度は0.73、15分後の吸光度は0.65、そして20分後の吸光度は0.65であった。
(実施例1)
図1及び2にみられるような、透明なアクリル系樹脂により構成された四角柱状(底面が縦7cm、横7cm、高さ42cm)の分離槽2の底面に1個、1つの側壁面に縦に2個の超音波発振機(本多電子社製)3を、それぞれ厚さ3mmのスペーサー4を介して内壁面(分離槽の壁厚:10mm)から13mm離間した状態で壁面に平行に設置して、水・油エマルション分離装置1を構成した。
水3,000ccに灯油30ccを加えて調製したエマルションのうち1,300ccをこの分離装置に収容し、3個の超音波発信機から周波数2.5MHzの超音波を所定時間照射した(電圧状態:22V,1.58A,35W)。超音波照射後、エマルションの吸光度を波長600nmの紫外吸光光度計(GASCO社製)を用いて測定した結果を、図10に示した。図10において、縦軸はエマルションの吸光度、横軸は超音波の照射時間を表す。
超音波照射前の吸光度は2.31で、5分後の吸光度は0.86、10分後の吸光度は0.73、15分後の吸光度は0.65、そして20分後の吸光度は0.65であった。
(対照例1)
実施例1において、スペーサー4を用いずに各超音波発信機を直接分離槽2の壁面に設置した以外は、実施例1と同様にして水・油エマルション分離装置を構成し、同様にしてエマルションに超音波を発振した後に、エマルションの吸光度を測定した。得られた結果は、超音波照射前の吸光度は2.17で、5分後の吸光度は0.69、10分後の吸光度は0.68、15分後の吸光度は0.54であった。
実施例1において、スペーサー4を用いずに各超音波発信機を直接分離槽2の壁面に設置した以外は、実施例1と同様にして水・油エマルション分離装置を構成し、同様にしてエマルションに超音波を発振した後に、エマルションの吸光度を測定した。得られた結果は、超音波照射前の吸光度は2.17で、5分後の吸光度は0.69、10分後の吸光度は0.68、15分後の吸光度は0.54であった。
本発明のスペーサーを介して超音波発信機を分離槽の壁面に設置した分離装置では、直接分離槽の壁面に超音波発信機を設置した対照例に比べて、超音波発振機の寿命を大幅に延長することが可能となった。なおかつ、上記の結果にみられるように、超音波照射による吸光度の値も対照例の値と殆ど同等のものとなり、実用的見地からは極めて優れたものであることが判明した。
1,11,21,31,41 水・油エマルション分離装置
2 分離槽
3,3’ 超音波発振手段
4 スペーサー
5,5’ 反射板
2 分離槽
3,3’ 超音波発振手段
4 スペーサー
5,5’ 反射板
Claims (9)
- 水・油エマルションを収容する分離槽、前記分離槽の壁面に設置した少なくとも1個の超音波発振手段を具備する水・油エマルション分離装置において、前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接前記超音波発振手段に戻らないことを特徴とする水・油エマルション分離装置。
- 前記超音波発振手段を、スペーサーを介して前記分離槽の外側壁面に設置したことを特徴とする請求項1に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記超音波発振手段を、前記分離槽の壁面に対して傾けて設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記分離槽の形状を前記超音波発振手段から発振された超音波の反射波が直接各超音波発振手段に戻らない形状としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記分離槽の横断面の形状が円形、楕円形、又は多角形から選択されたものであることを特徴とする請求項4に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記分離槽の前記超音波発振手段と対向する位置に、前記超音波発振手段に対して傾斜をつけた反射板を設置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
- さらに、前記主超音波発振手段に隣接して反射板を設置したことを特徴とする請求項6に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記分離槽を金属、ガラス、プラスチックから選択された材料により構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
- 前記超音波発振手段として、周波数1.6MHz〜2.5MHzの超音波発振手段を用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の水・油エマルション分離装置。
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Cited By (3)
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JP2013139432A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-07-18 | Heimat Ltd | ノコギリヤシ果実のエタノール抽出物または赤色素を含有する血管新生抑制剤および赤色素の製造方法 |
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-
2008
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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