JP6007748B2 - 車両の運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者の車両の運転を支援する車両の運転支援装置、特に、車両が誤って車線から逸脱するのを防止する車線維持支援装置に関する。
従来、種々の車両の運転支援装置のうち、車両が誤って車線から逸脱するのを防止するように、換言すれば、車両が車線内を走行するように、運転者のハンドル操作にアシスト力を付与する車線維持支援(LKA:Lane Keep Assist)装置として、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術が知られている。
特許文献1には、運転者の車線中央を走行しようという所望度合いに応じて運転操作を支援する技術が記載されている。
特許文献2には、運転者が実際にハンドル操作を開始するまでのタイムラグと同程度の時間遅れを持たせて車両の進行方向を転回させるための電動モータを駆動させることにより運転者の違和感を低減する技術が記載されている。
特開2000−215395号公報(段落0043) 特開2009−161100号公報(段落0072〜0073)
ところで、運転者は個々に異なる運転技量・運転傾向を持っている。例えば、車線変更時等に早く車線中央に到達しようとする運転者とゆっくり到達しようとする運転者とがある。LKA装置において、このことを考慮しないと、運転者の意に沿わないアシスト力を付与することになり、運転者に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明は、運転技量・運転傾向が異なる各運転者に対して違和感を与えないように運転者のハンドル操作にアシスト力を付与する車両の運転支援装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、自車両前方の車線を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された車線内における自車両の走行状態を判断する判断手段と、自車両のステアリング装置に補助力を付与する補助手段と、前記判断手段で判断された自車両の走行状態に応じて前記検出手段で検出された車線内を自車両が走行するように前記補助力の方向及び大きさを決定する制御手段と、前記制御手段の作動と非作動とを切り替える切替手段とを有する車両の運転支援装置であって、前記切替手段により前記制御手段が非作動のときに運転者の前方注視距離を判定する判定手段が設けられ、前記制御手段は、前記判定手段で判定された前方注視距離が短いほど前記補助力の大きさを増大し、前記判定手段は、自車両が前記検出手段で検出された車線内の所定の目標コースに向かって走行中に、運転者が行う操舵方向の切り返しのタイミングと、仮に前記制御手段が作動しているとした場合に前記制御手段が行う操舵方向の切り返しのタイミングとを比較し、前者が早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離よりも長いと判定し、後者が早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離よりも短いと判定することを特徴とする車両の運転支援装置である(請求項1)。
本発明によれば、自車両の走行状態に応じて自車両が車線内を走行するようにステアリング装置に付与する補助力(アシスト力)の方向及び大きさを決定する制御(LKA制御)が実行可能な車両の運転支援装置において、運転者の前方注視距離が短いほど、ステアリング装置に付与する補助力の大きさが増大される。前方注視距離が短い運転者は、目標コースに早く到達しようとする運転者であるから、そのような運転者に対しては、ステアリング装置に付与する補助力の大きさが増大されることにより、運転者の意に沿う補助力が付与されることになる。逆に、前方注視距離が長い運転者は、目標コースにゆっくり到達しようとする運転者であるから、そのような運転者に対しては、ステアリング装置に付与する補助力の大きさが減少されることにより、やはり運転者の意に沿う補助力が付与されることになる。そのため、いずれの場合も、運手者に違和感を与えることが抑制される。
また、本発明では、制御手段が非作動のとき、つまり、自車両の走行状態に応じて自車両が車線内を走行するように補助力がステアリング装置に付与されたりしない状態で、さらに換言すれば、LKA制御が介入しない状態で、運転者の前方注視距離が判定されるので、運転者本来の前方注視距離が正しく判定される。
より具体的に、本発明では、前方注視距離を判定するために、運転者が実際に行う操舵方向の切り返しのタイミングと、仮に制御手段がLKA制御を実行したとするならば制御手段が行ったであろう操舵方向の切り返しのタイミングとが比較される。そして、運転者が実際に行う操舵方向の切り返しのタイミングが、制御手段が行ったであろう操舵方向の切り返しのタイミングよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(制御手段が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)よりも長いと判定される。前記のような状況は、例えば、運転者が目標コースにゆっくり到達しようとして、自車両が目標コースに到達する前に、操舵方向を左旋回から右旋回又は右旋回から左旋回に早めに切り返した場合に起こり得る。したがって、この場合は、運転者の前方注視距離が長いと判定することが合理的である。逆に、制御手段が行ったであろう操舵方向の切り返しのタイミングが、運転者が実際に行う操舵方向の切り返しのタイミングよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(制御手段が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)よりも短いと判定される。前記のような状況は、例えば、運転者が目標コースに早く到達しようとして、自車両が目標コースに到達した後に、操舵方向を左旋回から右旋回又は右旋回から左旋回に遅めに切り返した場合に起こり得る。したがって、この場合は、運転者の前方注視距離が短いと判定することが合理的である。
本発明において、好ましくは、前記判定手段で判定された前方注視距離を更新して記録する記録手段が設けられ、前記制御手段は、前記記録手段に記録された前方注視距離を用いる(請求項2)。
この構成によれば、判定手段で最後に(直近に)判定された前方注視距離を用いてステアリング装置に付与する補助力の方向及び大きさが決定されるから、常に最新の前方注視距離が考慮されてLKA制御が実行されることになる。
本発明によれば、運転技量・運転傾向が異なる各運転者に対して違和感を与えないように運転者のハンドル操作にアシスト力を付与することができる。
本発明の実施形態に係る車両の運転支援装置の概略構成図である。 前記運転支援装置の機能ブロック図である。 前記運転支援装置の基本的動作に用いられるドライバーモデルの説明図である。 前方注視距離と操舵方向との関係の説明図である。 前方注視距離の判定処理の説明図である。 車速と前方注視距離との関係の説明図である。 前記運転支援装置が行う前方注視距離の判定動作のフローチャートである。 前記運転支援装置が行う運転支援動作のフローチャートである。
(1)ハード面の構成
図1は、本実施形態に係る車両1の運転支援装置の概略構成図である。本実施形態に係る車両1の運転支援装置は、車両1が誤って車線から逸脱するのを防止するように、換言すれば、車両1が車線内を走行するように、より詳しくは、車両1ができるだけ車線中央を走行するように、運転者のハンドル操作にアシスト力を付与する車線維持支援装置(LKA装置)である。
車両1は、運転席にステアリングホイール2を備える。運転者がこのステアリングホイール2を右又は左に操舵することにより、ステアリングシャフト3が右又は左に回転し、車両1が右又は左に旋回する。ステアリングホイール2及びステアリングシャフト3は、車両1のステアリング装置を構成する。
車両1は、車体の前端部にカメラ11(本発明の検出手段に相当)を備える。このカメラ11は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ等の光学カメラである。このカメラ11により、自車両1の前方の環境(道路や車線等)が撮像される。
カメラ11からカメラECU(Electronic Control Unit)12(本発明の判断手段に相当)に画像信号が送信される。カメラECU12は、例えばDSP(Digital Signal Processor)等の画像処理ECUである。このカメラECU12により、カメラ11からの画像信号が画像処理され、車線内の自車両1の横位置、車線内の自車両1の姿勢角(向き)、車線の曲率、及び車線のクロソイドパラメータ等の情報が生成される。生成された情報は、例えばCAN(Controller Area Network)通信等を介して、カメラECU12からLKA(Lane Keep Assist)ECU16(本発明の制御手段、判定手段及び記録手段に相当)に送信される。車線内の自車両1の横位置及び姿勢角は、自車両1の走行状態を構成する。
車両1は、ステアリング装置にアシスト力を付与する電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)13(本発明の補助手段に相当)を備える。EPS13は、ステアリングシャフト3をギヤを介して回転させる電動モータ14と、EPSECU15とを含む。EPSECU15から電動モータ14に駆動電流が印加され、電動モータ14からEPSECU15にモータ軸の回転角信号が送信される。図例は、コラムアシスト型であるが、ラックアシスト型でもよい。
EPSECU15は、基本的動作として、EPS13がステアリング装置に付与する、運転者の操舵力を軽減するためのアシスト力の方向及び大きさを決定する。具体的に、EPSECU15は、運転者の操舵方向が左旋回であればアシスト力の方向をステアリングシャフト3ないしステアリングホイール2が左へ回転する方向とし、運転者の操舵方向が右旋回であればアシスト力の方向をステアリングシャフト3ないしステアリングホイール2が右へ回転する方向とする。また、EPSECU15は、運転者の操舵量(操舵角)が大きいほどアシスト力の大きさを増大し、運転者の操舵量が小さいほどアシスト力の大きさを減少する。このような動作に加えて、EPSECU15は、さらに操舵角速度等を考慮したアシスト力の調整も行い、運転者のフィーリングにあったアシストを行う。
車両1は、ステアリング装置にトルクセンサ21及び操舵角センサ22を備える。トルクセンサ21は、ステアリングシャフト3の捩れ変位、すなわち、操舵トルクを検出する。操舵角センサ22は、ステアリングシャフト3の回転角、すなわち、操舵角を検出する。トルクセンサ21で検出された操舵トルクに関する信号はEPSECU15を経由してLKAECU16に送信される。操舵角センサ22で検出された操舵角に関する信号(操舵角速度を含む)はハンドルECU17を経由してLKAECU16に送信される。
車両1は、車体の慣性力を検出する慣性センサ23を備える。慣性センサ23で検出された慣性力に関する信号は横滑り防止装置ECU18に送信される。この横滑り防止装置ECU18により、慣性センサ23からの慣性力に関する信号が処理され、ヨーレート、横加速度、及び前後加速度等の情報が生成される。生成された情報は、横滑り防止装置ECU18からLKAECU16に送信される。
車両1は、車輪4の回転速度を検出する車輪速センサ24を備える。車輪速センサ24で検出された回転速度、すなわち、車速に関する信号はLKAECU16に送信される。
車両1は、ステアリングホイール2にLKAスイッチ5(本発明の切替手段に相当)を備える。LKAスイッチ5は、運転者によって操作される。LKAスイッチ5は、LKAECU16が実行するLKA制御(自車両1の走行状態に応じて自車両1が車線内を走行するようにステアリング装置に付与するアシスト力の方向及び大きさを決定する制御)のON又はOFFを設定する。設定されたON又はOFFに関する信号はLKAECU16に送信される。LKAECU16にON信号が送信されたときは、LKAECU16が作動となり、LKA制御がEPSECU15の基本的動作に介入する(後述する図2のアシストトルク演算部で演算されたアシストトルクがアシストトルク演算部からEPSECU15に出力される)。LKAECU16にOFF信号が送信されたときは、LKAECU16が非作動となり、LKA制御がEPSECU15の基本的動作に介入しない(前記アシストトルク演算部からEPSECU15へのアシストトルクの出力が行われない)。
このように、LKAECU16は、カメラECU12から、車線内の自車両1の横位置、車線内の自車両1の姿勢角、車線の曲率、及び車線のクロソイドパラメータ等の情報を入力し、EPSECU15から、操舵トルクに関する信号を入力し、ハンドルECU17から、操舵角速度を含む操舵角に関する信号を入力し、横滑り防止装置ECU18から、ヨーレート、横加速度、及び前後加速度等の情報を入力し、車輪速センサ24から、車速に関する信号を入力し、LKAスイッチ5から、LKA制御のON又はOFFに関する信号を入力する。
そして、LKAECU16は、基本的動作として、カメラECU12で判断された自車両1の走行状態に応じて、カメラ11で検出された車線内を自車両1が走行するように、より詳しくは、自車両1ができるだけ車線中央を走行するように、EPS13がステアリング装置に付与するアシスト力の方向及び大きさを決定する。具体的に、LKAECU16は、後に詳しく述べるように、車線中央を目標コースとし、運転者の前方注視距離Lを「L=車速V×τ秒」とした場合に、τ秒後に自車両1が目標コース上の目標位置に到達するためのアシスト力の方向及び大きさを決定する。LKAECU16は、決定したアシスト力の方向及び大きさに関する信号を指令信号としてEPSECU15に出力する。EPSECU15は、この指令信号に従って、前述したように、電動モータ14に駆動電流を印加する。
(2)ソフト面の構成
図2は、LKAECU16を中心とした前記運転支援装置の機能ブロック図である。LKAECU16は、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサである。図2に示すように、LKAECU16は、目標ヨーレート演算部と、アシストトルク演算部と、操舵トルク−アシストトルク比較演算部とを有している。
目標ヨーレート演算部は、車線の曲率、車線のクロソイドパラメータ、車線内の自車両1の横位置、車線内の自車両1の姿勢角、自車両1の車速、及び操舵トルク−アシストトルク比較演算部から提供される運転者の前方注視距離Lに基き、目標ヨーレート(目標旋回半径)を演算する。
アシストトルク演算部は、目標ヨーレート演算部から提供される目標ヨーレート、車線内の自車両1の横位置、車線内の自車両1の姿勢角、ヨーレート、及び横加速度に基き、アシストトルク(アシスト力)を演算する。より詳しくは、前述したように、アシストトルクの方向及び大きさを演算する。演算されたアシストトルクは、EPSECU15に提供される。
操舵トルク−アシストトルク比較演算部は、アシストトルク演算部から提供されるアシストトルク、操舵トルク、及び車線内の自車両1の横位置に基き、運転者の前方注視距離Lを判定する。判定された運転者の前方注視距離Lは、前述したように、目標ヨーレート演算部に提供される。ただし、操舵トルク−アシストトルク比較演算部は、LKAスイッチ5からLKA制御のOFF信号が提供されたときにのみ、運転者の前方注視距離Lの判定を行う。
ここで、目標ヨーレート演算部は、運転者の前方注視距離Lが短いほど大きい目標ヨーレート(小さい目標旋回半径)を演算する。そして、アシストトルク演算部は、目標ヨーレートが大きいほど大きい目標操舵角を演算し、目標操舵角が大きいほど大きいアシストトルクを演算する。逆に、目標ヨーレート演算部は、運転者の前方注視距離Lが長いほど小さい目標ヨーレート(大きい目標旋回半径)を演算する。そして、アシストトルク演算部は、目標ヨーレートが小さいほど小さい目標操舵角を演算し、目標操舵角が小さいほど小さいアシストトルクを演算する。
[A]LKA制御
次に、図3を参照して、LKA制御、すなわち、自車両1の走行状態(車線内の横位置及び姿勢角)に応じて自車両1が車線内を走行するようにステアリング装置に付与するアシストトルクの方向及び大きさを決定する制御の内容を説明する。
図3は、前記運転支援装置の基本的動作に用いられるドライバーモデルの説明図である。一般に、運転者は、車両1の横位置を制御するために操舵を行う。すなわち、運転者は、前方を見て、車両1の将来位置を予測しつつ、操舵を行っている。
図3において、Lは運転者の前方注視距離(車速V×τ秒)である。τ秒後の車両1の予測位置y’は、車体の前端部に備えたカメラ11の現在位置を座標の原点として、車両1の姿勢角θに基く直線的な将来位置の予測値Lθと、現在の操舵角から旋回半径R(ヨーレート)を考慮した円弧に基く将来位置の予測値(L/2R)とを加算することにより求められる(y’=Lθ+(L/2R))。前記予測位置y’と、τ秒後の目標コース上の目標位置y0との偏差をεとすると、LKAECU16は、εがゼロとなるように運転者の操舵を支援する。具体的に、LKAECU16は、εがゼロとなるように目標ヨーレート(目標旋回半径)を演算し、目標ヨーレートに基いて目標操舵角を演算し、目標操舵角に基いてアシストトルク、より詳しくは、アシストトルクの方向及び大きさを演算する。
[B]前方注視距離の判定制御
次に、図4及び図5を参照して、運転者の前方注視距離を判定する制御の内容を説明する。
図4は、前方注視距離と操舵方向との関係の説明図である。目標コース(例えば車線中央)に対する車両1の横位置及び姿勢角が同じでも、運転者の前方注視距離(車速V×τ秒)によって、操舵方向は右旋回になったり左旋回になったりする。これは運転者の運転技量・運転傾向によって異なる。
図例の場合、目標コースの左側にある車両1が目標コースに向かって走行中である。前方注視距離が符号(i)で示すように短い運転者は、目標コースに早く到達しようとするから、現時点でまだ操舵方向は右旋回のままである。逆に、前方注視距離が符号(iii)で示すように長い運転者は、目標コースにゆっくり到達しようとするから、現時点ですでに操舵方向は左旋回に切り返されている。符号(ii)は、現時点において車両1から車両1の中心線と目標コースとの交点までの距離である。この距離(ii)を前方注視距離とする運転者は、現時点で操舵方向を右旋回から左旋回に切り返している。つまり、操舵トルク(操舵力)がゼロになっている。
そのため、例えばLKAECU16が前記距離(ii)(例えば50m)を基準の前方注視距離として持っていたとすると、それより短い前方注視距離(i)(例えば40m)を持つ運転者は、LKAECU16よりも遅いタイミングで操舵方向を右旋回から左旋回に切り返すことになる(現時点においてまだ右旋回のままであるから)。逆に、基準の前方注視距離より長い前方注視距離(iii)(例えば60m)を持つ運転者は、LKAECU16よりも早いタイミングで操舵方向を右旋回から左旋回に切り返すことになる(現時点においてすでに左旋回に切り返しているから)。
したがって、運転者が行う操舵方向の切り返しのタイミングと、LKAECU16が行う操舵方向の切り返しのタイミングとを比較し、運転者がLKAECU16よりも早いタイミングで切り返したときは、運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも長いと判定することができる。逆に、運転者がLKAECU16よりも遅いタイミングで切り返したときは、運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも短いと判定することができる。
そして、運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも長いと判定されたときは、LKAECU16の前方注視距離を若干の調整距離だけ長くした後、一方、運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも短いと判定されたときは、LKAECU16の前方注視距離を若干の調整距離だけ短くした後、いずれの場合も、再度、運転者の切り返しタイミングとLKAECU16の切り返しタイミングとを比較する。これを繰り返すことにより、最終的に、運転者の切り返しタイミングとLKAECU16の切り返しタイミングとが一致するLKAECU16の前方注視距離が決まる。最初にLKAECU16が持っていた基準の前方注視距離と途中の調整距離とが分かっているから、最終的に決まったLKAECU16の前方注視距離が算出でき、それを運転者の前方注視距離と判定することができる。
したがって、ここでいうLKAECU16の前方注視距離とは、直近に判定された前方注視距離のことであるということができる。
図5は、前方注視距離の判定処理の説明図である。図例は、目標コース(例えば車線の中央)の右側にある車両1が目標コースに向かって走行中に、順に、左旋回、右旋回、左旋回、右旋回する場合を示している。
図中、実線は、前記走行中に運転者が実際に行う操舵の操舵トルクの方向及び大きさの変化を示し、鎖線は、前記走行中にLKAECU16がLKA制御で算出するアシストトルクの方向及び大きさの変化を示している。ここで、LKAECU16、より詳しくは、目標ヨーレート演算部及びアシストトルク演算部は、図3を参照して説明した手法で、前記アシストトルクの方向及び大きさを演算する。
図中、「ゼロクロス」とは、前記運転者の操舵トルク又は前記LKAECU16のアシストトルクがゼロになるタイミング、つまり、操舵方向が左旋回から右旋回又は右旋回から左旋回に切り返されるタイミングを示している。
前述したように、LKAECU16、より詳しくは、操舵トルク−アシストトルク比較演算部は、LKAスイッチ5からLKA制御のOFF信号が入力されたときにのみ、この運転者の前方注視距離の判定を行う。その理由は、前記OFF信号が入力されたときは、LKAECU16が非作動となり、LKA制御がEPSECU15の基本的動作に介入しないため、運転者が本来持っている前方注視距離をより正確に判定できるからである。具体的に、LKAECU16は、図2において、アシストトルク演算部で演算したアシストトルクの方向及び大きさをEPSECU15に出力しない(EPSECU15の基本的動作に介入しない)状態で、アシストトルクの方向及び大きさを演算し続けることになる(アシストトルク演算部から操舵トルク−アシストトルク比較演算部へのアシストトルクの方向及び大きさの提供は行われる)。つまり、図5に鎖線で示すアシストトルクは、仮にLKAECU16が作動しているとした場合にLKAECU16からEPSECU15に出力されるアシストトルクである。
図5において、操舵トルクのゼロクロスとアシストトルクのゼロクロスとを比較すると、アシストトルクのゼロクロスが操舵トルクのゼロクロスよりも早く発生している。つまり、運転者がLKAECU16よりも遅いタイミングで操舵方向を切り返している。このことは、前述したように、運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも短いことを示している。この場合、LKAECU16の操舵トルク−アシストトルク比較演算部は、LKAECU16の前方注視距離を若干の調整距離だけ短くする(例えば50mを48mにする)。そして、LKAECU16の目標ヨーレート演算部及びアシストトルク演算部は、再度、図3を参照して説明した手法で、アシストトルクの方向及び大きさを演算し、操舵トルク−アシストトルク比較演算部は、操舵トルクのゼロクロスとアシストトルクのゼロクロスとの比較を行う。これを繰り返すことにより、最終的に、操舵トルクのゼロクロス(運転者の切り返しタイミング)とアシストトルクのゼロクロス(LKAECU16の切り返しタイミング)とが一致するLKAECU16の前方注視距離が算出され、LKAECU16は、それを運転者の前方注視距離と判定する。
以上は、アシストトルクのゼロクロスが操舵トルクのゼロクロスよりも早く発生した場合であったが、逆に、操舵トルクのゼロクロスがアシストトルクのゼロクロスよりも早く発生した場合も、これに準じて同様に運転者の前方注視距離を判定することができる。
LKAECU16は、このような運転者の前方注視距離の判定を、運転者毎、車速毎に行い、得られたデータ(前方注視距離)を、メモリに格納したデータベースに、運転者毎、車速毎に、書き換え可能(更新可能)に記録する。
例えば、LKAECU16は、運転者が携帯するスマートカードとの交信により運転者を識別し、運転者が変われば、この前方注視距離の判定を行い、データベースの更新を行う。
また、図6に示すように、前方注視距離は車速に応じて変化するので、LKAECU16は、車速が変われば(例えば5km/h毎に)、この前方注視距離の判定を行い、データベースの更新を行う。
また、LKAECU16は、このような運転者の前方注視距離の判定を、目標コースからの車両1の横位置の偏差が大きいとき、つまり、運転者がこれから車両1を目標コース(車線中央)に移動させようとしているとき(例えばカーブ走行時に車両1が車線中央から横方向に大きく偏ったときや車線変更時に車両1が車線の端にいるとき等)に行う。その理由は、目標コースからの車両1の横位置の偏差が大きいときは、運転者の操舵角(操舵量)が大きいため、操舵の方向(右旋回又は左旋回)を安定して検出でき、前方注視距離をより精度よく判定できるからである。
図5を再び参照する。図5に示したアシストトルクは、前述したように、運転者の前方注視距離をより正確に判定するための仮のアシストトルクであったが、これが実際にステアリング装置に付与される場合を考える。つまり、操舵トルクのゼロクロス(運転者の切り返しタイミング)とアシストトルクのゼロクロス(LKAECU16の切り返しタイミング)とが一致しないままLKA制御が行われる場合を考える。
例えば期間a,cを例にとると、この期間a,c中、運転者はまだステアリングホイール2を左に操舵しているのに、LKA制御のアシストトルクはステアリングホイール2を右に動かそうとする。また、期間b,dを例にとると、この期間b,d中、運転者はまだステアリングホイール2を右に操舵しているのに、LKA制御のアシストトルクはステアリングホイール2を左に動かそうとする。このような運転者の操舵方向と反対方向のアシストトルクは、運転者の意に沿わないアシストトルクであり、運転者に違和感を与えることになる。
しかし、本実施形態では、前述したように、最終的に、操舵トルクのゼロクロスとアシストトルクのゼロクロスとが一致するLKAECU16の前方注視距離が決まるので、LKA制御において、運転者の操舵方向と反対方向のアシストトルクが付与されるというような不具合が回避される。
(3)制御動作
[A]前方注視距離の判定動作
図7は、前記運転支援装置、より詳しくは、LKAECU16の操舵トルク−アシストトルク比較演算部が行う前方注視距離の判定動作のフローチャートである。
このフローチャートは、運転者毎に行われ、運転者がLKAスイッチ5をOFFに操作したときにスタートする。
LKAECU16は、ステップS1で、車両位置の条件が合致しているか否かを判定する。つまり、目標コースからの車両1の横位置の偏差が大きいか否かを判定する。
その結果、YESのときは、LKAECU16は、ステップS12に進み、アシストトルクがゼロクロスか否かを判定する。
その結果、YESのときは、LKAECU16は、ステップS13で、現時点よりT秒前までの操舵トルク値を評価する。
次いで、LKAECU16は、ステップS14で、現時点よりT秒前までの操舵トルクにゼロクロスがあるか否かを判定する。
その結果、YESのときは、LKAECU16は、ステップS15で、前記ステップS14であると判定された操舵トルクのゼロクロスの方向が、前記ステップS12であると判定されたアシストトルクのゼロクロスの方向と同じか否かを判定する。つまり、両ゼロクロス共、左旋回から右旋回へのゼロクロス又は右旋回から左旋回へのゼロクロスで一致しているか否かを判定する。
その結果、YESのとき、すなわち、運転者の切り返しタイミングがLKAECU16の切り返しタイミングよりも早いとき(運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも長いとき)は、LKAECU16は、ステップS16で、現在車速の前方注視距離Lをピックアップする。つまり、現在車速における現在のLKAECU16の前方注視距離(直近に判定された前方注視距離であり、LKAECU16が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)をデータベースから読み込む。
次いで、LKAECU16は、ステップS17で、ピックアップした前方注視距離LをΔLだけ長くする。つまり、読み込んだ現在のLKAECU16の前方注視距離を若干の調整距離だけ長くする。なお、これに代えて、現在のLKAECU16の前方注視時間τをΔτだけ長くしてもよい。
そして、LKAECU16は、ステップS8で、前記ステップS17で得られたデータ(ΔLだけ長くしたLKAECU16の前方注視距離L)を、運転者毎、車速毎に、データベースに記録する。つまり、データベースを更新する。そして、LKAECU16は、ステップS1にリターンする。
LKAECU16は、前記ステップS12〜S17と平行してステップS22〜S27を実行する。
すなわち、LKAECU16は、ステップS1でYESのときは、ステップS22に進み、操舵トルクがゼロクロスか否かを判定する。
その結果、YESのときは、LKAECU16は、ステップS23で、現時点よりT秒前までのアシストトルク値を評価する。
次いで、LKAECU16は、ステップS24で、現時点よりT秒前までのアシストトルクにゼロクロスがあるか否かを判定する。
その結果、YESのときは、LKAECU16は、ステップS25で、前記ステップS24であると判定されたアシストトルクのゼロクロスの方向が、前記ステップS22であると判定された操舵トルクのゼロクロスの方向と同じか否かを判定する。つまり、両ゼロクロス共、左旋回から右旋回へのゼロクロス又は右旋回から左旋回へのゼロクロスで一致しているか否かを判定する。
その結果、YESのとき、すなわち、LKAECU16の切り返しタイミングが運転者の切り返しタイミングよりも早いとき(運転者の前方注視距離がLKAECU16の前方注視距離よりも短いとき)は、LKAECU16は、ステップS26で、現在車速の前方注視距離Lをピックアップする。つまり、現在車速における現在のLKAECU16の前方注視距離(直近に判定された前方注視距離であり、LKAECU16が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)をデータベースからを読み込む。
次いで、LKAECU16は、ステップS27で、ピックアップした前方注視距離LをΔLだけ短くする。つまり、読み込んだ現在のLKAECU16の前方注視距離を若干の調整距離だけ短くする。なお、これに代えて、現在のLKAECU16の前方注視時間τをΔτだけ短くしてもよい。
そして、LKAECU16は、ステップS8で、前記ステップS27で得られたデータ(ΔLだけ短くしたLKAECU16の前方注視距離L)を、運転者毎、車速毎に、データベースに記録する。つまり、データベースを更新する。そして、LKAECU16は、ステップS1にリターンする。
なお、LKAECU16は、前記判定でNOのときは、すべてステップS1にリターンする。
[B]LKA動作
図8は、前記運転支援装置、より詳しくは、LKAECU16の目標ヨーレート演算部及びアシストトルク演算部が行う運転支援動作のフローチャートである。この運転支援動作は、図3を参照して説明した手法に則したものである。
このフローチャートは、運転者がLKAスイッチ5をONに操作したときにスタートする。
LKAECU16は、ステップS31で、運転者を識別し、ステップS32で、識別した運転者の現在車速における前方注視距離Lをデータベースから読み込む。
次いで、LKAECU16は、ステップS33で、前記ステップS32で読み込んだ前方注視距離Lを考慮して、目標ヨーレート(目標旋回半径)を演算する(目標ヨーレート演算部)。
具体的に、LKAECU16は、前方注視距離Lが短いほど、後述するステップS35で算出されるアシストトルクの大きさが増大し、前方注視距離Lが長いほど、後述するステップS35で算出されるアシストトルクの大きさが減少するように、目標ヨーレートを演算する。
より詳しくは、LKAECU16は、目標ヨーレート演算部で、運転者の前方注視距離Lが短いほど大きい目標ヨーレート(小さい目標旋回半径)を演算する。その結果、LKAECU16は、アシストトルク演算部で、目標ヨーレートが大きいほど大きい目標操舵角を演算し、目標操舵角が大きいほど大きいアシストトルクを演算する。逆に、LKAECU16は、目標ヨーレート演算部で、運転者の前方注視距離Lが長いほど小さい目標ヨーレート(大きい目標旋回半径)を演算する。その結果、LKAECU16は、アシストトルク演算部で、目標ヨーレートが小さいほど小さい目標操舵角を演算し、目標操舵角が小さいほど小さいアシストトルクを演算する。
次いで、LKAECU16は、ステップS34で、前記ステップS33で演算した目標ヨーレートに基いて、目標操舵角を演算する(アシストトルク演算部)。
次いで、LKAECU16は、ステップS35で、前記ステップS34で演算した目標操舵角に基いて、アシストトルクの方向及び大きさを演算する(アシストトルク演算部)。
そして、LKAECU16は、ステップS36で、前記ステップS35で算出したアシストトルクの方向及び大きさに関する信号を指令信号としてEPS13に出力する。そして、LKAECU16は、ステップS31にリターンする。
(4)作用等
以上のように、本実施形態に係る車両1の運転支援装置は、自車両1前方の車線を検出するカメラ11と、カメラ11で検出された車線内における自車両1の走行状態(横位置及び姿勢角)を判断するカメラECU12と、自車両1のステアリング装置にアシストトルクを付与するEPS13と、カメラECU12で判断された自車両1の走行状態に応じてカメラ11で検出された車線内を自車両1が走行するように前記アシストトルクの方向及び大きさを決定するLKAECU16とを有するものであって、次のような特徴的構成を備えている。
LKAECU16は、運転者の前方注視距離を判定し(ステップS17,S27)、判定した前方注視距離が短いほど前記アシストトルクの大きさを増大する(ステップS33〜S35)。
これによれば、自車両1の走行状態に応じて自車両1が車線内を走行するようにステアリング装置に付与するアシストトルクの方向及び大きさを決定するLKA制御が実行可能な車両1の運転支援装置において、運転者の前方注視距離が短いほど、ステアリング装置に付与するアシストトルクの大きさが増大される。
前方注視距離が短い運転者は、目標コースに早く到達しようとする運転者であるから、そのような運転者に対しては、ステアリング装置に付与するアシストトルクの大きさが増大されることにより、運転者の意に沿うアシストトルクが付与されることになる。逆に、前方注視距離が長い運転者は、目標コースにゆっくり到達しようとする運転者であるから、そのような運転者に対しては、ステアリング装置に付与するアシストトルクの大きさが減少されることにより、やはり運転者の意に沿うアシストトルクが付与されることになる。そのため、いずれの場合も、運手者に違和感を与えることが抑制される。
本実施形態では、LKAECU16のONとOFFとを切り替えるLKAスイッチ5が設けられ、LKAECU16は、前記LKAスイッチ5によりLKAECU16がOFFのときに前方注視距離の判定を行う。
これによれば、LKAECU16がOFFのとき、つまり、自車両1の走行状態に応じて自車両1が車線内を走行するようにアシストトルクがステアリング装置に付与されたりしない状態で、さらに換言すれば、LKA制御が介入しない状態で、運転者の前方注視距離が判定されるので、運転者本来の前方注視距離が正しく判定される。
本実施形態では、LKAECU16は、自車両1がカメラ11で検出された車線内の所定の目標コースに向かって走行中に、運転者が行う操舵方向の切り返しのタイミング(操舵トルクのゼロクロス)と、仮にLKAECU16がONであるとした場合にLKAECU16が行う操舵方向の切り返しのタイミング(アシストトルクのゼロクロス)とを比較し、操舵トルクのゼロクロスがアシストトルクのゼロクロスよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(LKAECU16の前方注視距離)よりも長いと判定し、アシストトルクのゼロクロスが操舵トルクのゼロクロスよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(LKAECU16の前方注視距離)よりも短いと判定する。
これによれば、LKAECU16が行う判定動作の一例が具体化される。それによれば、運転者が実際に行う操舵方向の切り返しのタイミング(操舵トルクのゼロクロス)と、仮にLKAECU16がLKA制御を実行したとするならばLKAECU16が行ったであろう操舵方向の切り返しのタイミング(アシストトルクのゼロクロス)とが比較される。
そして、操舵トルクのゼロクロスがアシストトルクのゼロクロスよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(LKAECU16が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)よりも長いと判定される。前記のような状況は、例えば、運転者が目標コースにゆっくり到達しようとして、自車両1が目標コースに到達する前に、操舵方向を左旋回から右旋回又は右旋回から左旋回に早めに切り返した場合に起こり得る。したがって、この場合は、運転者の前方注視距離が長いと合理的に判定できる。
逆に、アシストトルクのゼロクロスが操舵トルクのゼロクロスよりも早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離(LKAECU16が仮のLKA制御を実行するのに用いた前方注視距離)よりも短いと判定される。前記のような状況は、例えば、運転者が目標コースに早く到達しようとして、自車両1が目標コースに到達した後に、操舵方向を左旋回から右旋回又は右旋回から左旋回に遅めに切り返した場合に起こり得る。したがって、この場合は、運転者の前方注視距離が短いと合理的に判定できる。
本実施形態では、LKAECU16は、判定した運転者の前方注視距離を更新して記録し(ステップS8)、記録した運転者の前方注視距離を用いて(ステップS32)、ステアリング装置に付与するアシストトルクの方向及び大きさを決定する(ステップS33〜S35)。
これによれば、LKAECU16は、最後に(直近に)判定した前方注視距離を用いて(ステップS32)、ステアリング装置に付与するアシストトルクの方向及び大きさを決定する(ステップS33〜S35)から、常に最新の前方注視距離が考慮されてLKA制御が実行されることになる。
本実施形態では、LKAECU16は、最終的に、操舵トルクのゼロクロスとアシストトルクのゼロクロスとが一致するLKAECU16の前方注視距離を決めるので(ステップS1,S12〜S17,S22〜S27,S8の繰り返し)、LKA制御において、運転者の操舵方向と反対方向のアシストトルクが付与されるというような不具合が回避される。
なお、運転者の前方注視距離は、図4、図5及び図7を参照して説明した手法と異なる他の手法で判定してもよい。
また、本実施形態に係る車両1の運転支援装置(LKA装置)を、例えば、車両が誤って車線から逸脱しないように警告する車線逸脱警報(LDW:Lane Departure Warning)装置等と併用してもよい。
1 車両(自車両)
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 車輪
5 LKAスイッチ(切替手段)
11 カメラ(検出手段)
12 カメラECU(判断手段)
13 電動パワーステアリング(補助手段)
14 電動モータ
15 EPSECU
16 LKAECU(制御手段、判定手段、記録手段)
17 ハンドルECU
18 横滑り防止装置ECU
21 トルクセンサ
22 操舵角センサ
23 慣性センサ
24 車輪速センサ

Claims (2)

  1. 自車両前方の車線を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された車線内における自車両の走行状態を判断する判断手段と、
    自車両のステアリング装置に補助力を付与する補助手段と、
    前記判断手段で判断された自車両の走行状態に応じて前記検出手段で検出された車線内を自車両が走行するように前記補助力の方向及び大きさを決定する制御手段と
    前記制御手段の作動と非作動とを切り替える切替手段とを有する車両の運転支援装置であって、
    前記切替手段により前記制御手段が非作動のときに運転者の前方注視距離を判定する判定手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記判定手段で判定された前方注視距離が短いほど前記補助力の大きさを増大し、
    前記判定手段は、自車両が前記検出手段で検出された車線内の所定の目標コースに向かって走行中に、運転者が行う操舵方向の切り返しのタイミングと、仮に前記制御手段が作動しているとした場合に前記制御手段が行う操舵方向の切り返しのタイミングとを比較し、前者が早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離よりも長いと判定し、後者が早いときは、運転者の前方注視距離が、直近に判定された前方注視距離よりも短いと判定することを特徴とする車両の運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の車両の運転支援装置において、
    前記判定手段で判定された前方注視距離を更新して記録する記録手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記記録手段に記録された前方注視距離を用いることを特徴とする車両の運転支援装置。
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