JP5309764B2 - 側方障害物回避装置及び側方障害物回避方法 - Google Patents
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また、車速が設定車速以下の場合に、制御に移行することはなく、また操舵の抑制制御が作動中には、その抑制制御を解除する。これによって、走行路がカーブ路と推定する場合では、操舵の抑制を防止して、車両が走行路から逸脱等するのを回避する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、側方障害物回避の制御に伴う車両挙動の変動を抑制して、運転者への違和感を低減できる側方障害物回避を提供することを課題としている。
本実施形態では、後輪駆動車両に対し、側方障害物回避装置を搭載する場合で例示する。対象とする車両は、前輪駆動であっても四輪駆動であっても良い。
図1は、本実施形態に係る装置の概要構成図である。
(構成)
この車両は、自動変速機とディファレンシャルギヤとを搭載する。そして、前後輪ともに、左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
制動流体圧制御部7は、流体圧回路30中のアクチュエータを制御して、各輪への制動流体圧を個別に制御する。そして、各輪への制動流体圧を、制駆動力コントロールユニット8からの指令値に応じた値に制御する。アクチュエータとしては、各ホイールシリンダ液圧を任意の制動液圧に制御可能な比例ソレノイド弁が例示出来る。
駆動トルクコントロールユニット12は、駆動輪である後輪5RL、5RRへの駆動トルクを制御する。この制御は、エンジン9の運転状態、自動変速機10の選択変速比、及びスロットルバルブ11のスロットル開度を制御することで実現する。すなわち、駆動トルクコントロールユニット12は、燃料噴射量や点火時期を制御する。また同時に、スロットル開度を制御する。これによって、エンジン9の運転状態を制御する。
なお、この駆動トルクコントロールユニット12は、単独で後輪5RL、5RRの駆動トルクを制御することも可能である。ただし、制駆動力コントロールユニット8から駆動トルク指令値を入力したときには、その駆動トルク指令値に応じて駆動輪トルクを制御する。
また、走行車線曲率βfrontを、後述のステアリングホイール21の操舵角δに基づいて算出しても良い。
また、車両に、レーダー装置22L/Rを備える。レーダー装置22L/Rは、それぞれ左右の側面方向を走行する障害物を検出する為のセンサである。このレーダー装置22L/Rは、少なくとも側面の所定の死角エリアに存在する障害物の存在の可否の検出ができるように設定してある。望ましくは障害物との相対横位置POSXobst、相対縦位置DISTobst、相対縦速度dDISTobstの検出を左右それぞれ検出できるものとする。
マスタシリンダ圧センサ17は、マスタシリンダ3の出力圧、すなわちマスタシリンダ液圧Pmを検出する。アクセル開度センサ18は、アクセルペダルの踏込み量、すなわちアクセル開度θtを検出する。操舵角センサ19は、ステアリングホイール21の操舵角(ステアリング舵角)δを検出する。方向指示スイッチ20は、方向指示器による方向指示操作を検出する。車輪速度センサ22FL〜22RRは、各車輪5FL〜5RRの回転速度、所謂車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を検出する。そして、これらセンサ等は、検出した検出信号を、制駆動力コントロールユニット8に出力する。
将来位置推定手段8Aは、前方注視時間Tt(=車頭時間)経過後の自車両の位置を求める。修正操舵増加状況推定手段8Cは、運転者による修正操舵が増加すると推定できる状況か否かを判定し、ゲインKtを算出する。そして、ゲインKtを制御抑制手段8Baに出力する。制御抑制手段8Baは、上記前方注視時間Tt等を調整して前方注視位置を調整する。
次に、制駆動力コントロールユニット8の処理について、図3を参照して説明する。
制駆動力コントロールユニット8の処理は、例えば10msec毎の所定サンプリング時間ΔT毎にタイマ割込によって実行する。なお、この図3に示す処理内には通信処理を設けていないが、演算処理によって取得した情報は、随時記憶装置に更新記憶すると共に、必要な情報を随時記憶装置から読み出す。
次に、ステップS20にて、車速Vを算出する。すなわち、車速Vを、下記式のように車輪速度Vwiに基づいて算出する。
V=(Vwrl+Vwrr)/2 (:前輪駆動の場合)
V=(Vwfl+Vwfr)/2 (:後輪駆動の場合)
・・・(1)
また、ABS(Anti−lock Brake System)制御などの別の自動制動制御装置が作動している場合には、その別の制動制御装置で推定している推定車体速度を取得して、上記車速Vとして用いる。
ただし走行車線の曲率βfrontの取得は、撮像部13に限定しない。例えば、ナビゲーションシステムの自車位置において記録している曲率情報などによって取得しても良い。
また、現在走行している走行路に対する自車両MMのヨー角φfrontを算出する。このヨー角φfrontは、レーン内の走行状況を検出するために使用する。
なお、撮像部13による実測値を用いる代わりに、撮像部13が撮像した近傍の白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出しても良い。この場合には、例えば、自車両MMの横変位Xfrontを用いて、下記(2)式によりヨー角φfrontを算出する。
φfront=tan-1(dX′/V(=dX/dY)) ・・・(2)
ここで、
dX :横変位Xの単位時間当たりの変化量
dY :単位時間当たりの進行方向の変化量
dX´:上記変化量dXの微分値
である。
なお、近傍の白線に基づいてヨー角φfrontを算出する場合、上記(2)式のように、横変位Xを用いてヨー角φfrontを算出することに限定しない。例えば、近傍で検出した白線を遠方に延長して、その延長した白線に基づいて、ヨー角φfrontを算出しても良い。
φ’path=βfront×V ・・・(3)
ここで、この走行経路を維持するための中立ヨーレートφ’pathは、所定の間の時間のヨーレートφ’の平均値φ’aveを用いたり、あるいは時定数の大きいフィルタをヨーレートφ’にかけたりした値を、簡易的に算出しても良い。
前方注視時間Ttは、運転者の将来の障害物SMとの接触状況を予測するための閾値を決定づけるための時間である。例えば、前方注視時間Ttを1秒に設定しておく。
また、目標ヨーレートΨdriver及びΨdriverhoseiを算出する。
目標ヨーレートΨdriverは、下記式のように、操舵角δと車速度Vから算出する。この目標ヨーレートΨdriverは、操舵に応じて発生させる目標のヨーレートである。Kvはゲインである。
Ψdriver = Kv・δ・V
Ψdriverhosei= Ψdriver − φ’path
すなわち、後述の修正操舵増加状況推定手段8Cを起動して、推定した修正操舵状況に応じたゲインKtを取得する。
そして、下記式のように、前方注視時間Ttに対しゲインKtを乗じて、当該前方注視時間Ttを調整する。ここで、修正操舵が多い状況の場合には、ゲインKtは1未満の小さな値となる。
Tt ← Tt×Kt
ΔXb =(K1φ+K2φm+K3φm’) ・・・(4)
ここで、
φ :ヨー角
φm :目標ヨー角速度
φm’:目標ヨー角加速度
である。
φm =Ψdriverhosei×Tt
目標ヨー角加速度φm’は、下記式となる。
φm’= φm×Tt2
ここで、自車両予測位置ΔXbを、ヨー角の次元とするために、前方注視距離Lを用いると、下式で表すことができる。
ΔXb=L・(k1φ+k2φm×T+k3φm’×Tt2)
ここで、前方注視距離Lと前方注視時間Ttとは、下記式の関係にある。
前方注視距離L=前方注視時間Tt×車速V
なお、自車両MMの予測位置を、下記式のように、操舵角成分と操舵速度成分を個別に求めてセレクトハイをして算出しても良い。
ΔXb= max(K2φm、K3∫φm’)
本実施形態では、上記判定閾値は、図4に示すような、自車両MMと障害物SMとの横方向相対距離ΔOとする。
ここで、走行路に沿った方向にY軸をとり、走行路と垂直方向つまり車線幅方向にX軸を取ったX−Y座標系を使用する。そして、X軸座標上で障害物SMの横位置を検出する。この横位置に基づき、上記横方向相対距離ΔOを求める。
なおここで、障害物SMを検出するかどうかとして設定する障害物検出範囲は、自車両MMの側方における、所定の縦・横位置となるように設定する。また縦位置については、障害物SMが自車両MMに対して接近する相対速度が大きければ大きいほど、障害物検出範囲が広くなるように設定しても良い。
下記式を満足する場合に、制御開始と判定する。すなわち、図4に示すように、自車両MMの将来予測位置ΔXbが検出障害物SMとの距離ΔXOとなった場合に、つまり下記式を満足する場合に、運転者が障害物SMに接触するような車線変更操作などを行ったと判断する。
ΔXb ≧ ΔO
ここで、障害物SMとの距離ΔXOを検出せず、障害物SMが所定の障害物検出範囲に存在しているかどうかだけに基づいて判定を行う場合には、下記式で判定する事になる。上述のように、白線を基準として所定位置に障害物SMが存在すると仮想的に設定した推定将来位置ΔX2に到達したかどうかで判定を行う。
ΔXb−ΔX0 ≧ X2obst
またここで対象とする障害物SMは、自車両MMの後側方向の車両に対して設定するだけでなく、隣接車線前方の対向車両に対しても制御対象としても良い。
そして、上記条件を満足した場合に障害物SMに対する制御開始と判定する。障害物SMに対する制御開始と判定した場合には、障害物回避制御Fout_obstをONに設定する。上記条件を満足しない、すなわち、将来予測位置ΔXbが判定閾値未満の場合には、障害物回避制御判断フラグFout_obstをOFFに設定する。
また、Fout_obstをONに設定可能なのは、Fout_obstがOFFとなっている場合とする。また、Fout_obstをONに設定可能とする条件として、Fout_obstをOFFと設定した後所定時間経過した後とするなど、時間的な条件を加えても良い。また、Fout_obstをONと判定してから所定時間Tcontrolが経過したら、Fout_obst=OFFとし制御を終了しても良い。
ここで、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)又はビークルダイナミックスコントロール装置(VDC)が作動している場合には、障害物回避制御判断フラグFout_obstをOFFに設定する。これは、自動制動制御が作動中は、障害物回避制御を作動させないようにするためである。
次に、ステップS100では、警報発生の処理を行う。
ここでは、ステップS90にて制御開始の位置に到達したと判定と判定した場合には、警報を発生する。
また、障害物回避制御判断フラグFout_obstがONの場合には、下記のように目標ヨーモーメントMsを上記の式により算出する。障害物回避制御判断フラグFout_obstがOFFの場合には、目標ヨーモーメントMsを0に設定して、次のステップS120に移行する。
すなわち、障害物回避制御判断フラグFout_obstがONの場合に、目標ヨーモーメントMsを、下記式によって求める。
Ms=K1recv×K2recv×ΔXs ・・・(5)
ΔXs =(K1mom・φ+K2mom・φm)
あるいは、目標ヨーモーメントMsを、下記(6)式から算出しても良い。この(6)式は、(5)式に対して、ゲインK3(=1/Tt2)を掛けることと同義である。このゲインK3は、前方注視時間Ttが大きくなるほど減少するゲインとなる。
Ms= K1recv×ΔXb/(L×Tt2) ・・・(6)
ここで、本制御とは別に、車線逸脱防止制御を備える場合にあっては、本制御が作動開始するときと車線逸脱防止制御が作動開始する(Fout_LDP=1)ときとで、いずれかが先に制御を開始するかによって、先に制御開始した制御を優先し、その制御が終了するまで他方の制御を実施しないようにしても良い。
ここで、本実施形態では、障害物回避のためのヨーレートMsを発生するための手段として、制駆動力を用いてヨーモーメントを発生する場合の例を、以下に説明する。
なお、ヨーレートを発生させる手段としてステアリング反力制御装置を用いる場合には、ステアリング反力FrstrはFrstr=K×Msとして反力を発生すれば良い。
またヨーレートを発生させる手段としてステアリング制御装置を用いる場合には、ステアリング角STRθはSTRθ=K×Ms’として求めた結果をステアリングに付与すれば良い。
またヨーレートを発生させる手段としてはステアリング制御装置を用い、その操舵力(操舵トルク)をSTRtrg=K×Msとして求めて発生しても良い。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(7)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(8)
ここで、Pmfは前輪用の制動液圧である。また、Pmrは後輪用の制動液圧であり、前後配分を考慮して前輪用の制動液圧Pmfに基づいて算出した値になる。例えば、運転者がブレーキ操作をしていれば、制動液圧Pmf、Pmrはそのブレーキ操作の操作量(マスタシリンダ液圧Pm)に応じた値になる。
すなわち、目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(10)式及び(11)式により目標制動液圧差ΔPsf、ΔPsrを算出する。
ΔPsf=2・Kbf・(Ms×FRratio)/T ・・・(10)
ΔPsr=2・Kbr・(Ms×(1−FRratio))/T ・・・(11)
ここで、
FRratio:設定用しきい値
T:トレッド
Kbf、Kbr:制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数
である。
このように、目標ヨーモーメントMsの大きさに応じて車輪で発生させる制動力を配分する。つまり、各目標制動液圧差ΔPsf、ΔPsrに所定値を与え、前後それぞれの左右輪で制動力差を発生させる。そして、算出した目標制動液圧差ΔPsf、ΔPsrを用いて、最終的な各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl、fr、rl、rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(12)
Psfl=Pmf+ΔPsf
Psfr=Pmf
Psrl=Pmr+ΔPsr
Psrr=Pmr
・・・(13)
また、ここでは、(12)式及び(13)式が示すように、運転者によるブレーキ操作、すなわち制動液圧Pmf、Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl、fr、rl、rr)を算出している。
そして、制駆動力コントロールユニット8は、このようにして算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl、fr、rl、rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する。
修正操舵増加状況推定手段8Cは、修正操舵が増加するような状況か否かを推定し、修正操舵が増加するような状況と判定すると、ゲインKtを1未満の小さな値に設定する。
ここで、ゲインKtを小さくすると、上述のように前方注視時間Ttが短くなる。つまり前方注視点が短くなって(自車両の現在位置に近づいて)、制御開始の介入閾値が高くなると共に、障害物回避のための目標ヨーレートMsも小さな値となる。
但し、(6)式で目標ヨーレートMsを算出する場合には、前方注視時間Ttが短くなるほど、制御量である目標ヨーレートMsは大きくなる。
この例は、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なる場合であって、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことが起こりやすい状況と推定可能な状況を検出する例である。
すなわち、横Gを検出し、横Gが所定以上の場合には、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なり、車両挙動が乱れ易い為、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことがおこりやすい状況と推定する。
ここで、横Gの代わりにヨーレートを検出し、ヨーレートが所定以上の場合には、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なり、車両挙動が乱れ易い為、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことがおこりやすい状況と推定しても良い。
運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なり、車両挙動が乱れ易い為、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことがおこりやすい状況との推定は、路面μによって実施しても良い。
すなわち、路面μを検出し、路面μが所定以上の場合に、運転者による修正操舵が増加する状況と推定する。そして、図7に示すマップを使用してゲインKtを設定する。
ここで、各所定値は、実験などによって求めて設定すればよい。
上述のように、修正操舵が発生しやすい状況と判定して、ゲインKtを小さく設定することは、障害物SM方向に操舵をした際に障害物SM方向へ車線変更をして障害物SMに接触に至りうる状況の判断を行う際に参照する操舵角や操舵速度について、制御開始の判定をするための量が大きくなることを意味する。
自車両の走行状態であるヨー角φ、ヨー角速度φm等に基づき、前方注視時間T後の自車両の将来位置として自車両予測位置ΔXbを求める。
そして、その自車両予測位置ΔXbが、自車両と障害物との距離ΔO以上となると、障害物回避のための制御を開始する。そして、自車両予測位置ΔXbに基づき、制御量として目標ヨーレートMsを算出し、その目標ヨーレートMsを発生するように制駆動力を制御する。これによって、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御することとなる。
ここで、距離ΔOに対する自車両予測位置ΔXbが、リスク度合いとなる。
また、(6)式で目標ヨーモーメントMsを算出する場合には、自車両予測位置ΔXbが小さくなっても、制御量は大きくなる。
ここで、レーダー装置22L/Rは側方障害物検出手段を構成する。ステップS70が将来位置推定手段8Aを構成する。ステップS65が制御抑制手段8Baを構成する。ステップS80〜S120が側方障害物回避制御手段8Bを構成する。
(1)側方障害物回避制御手段8Bが、自車両の将来位置に基づき算出した、側方障害物検出手段が検出した障害物に対するリスク度合いに応じて、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する。このとき、修正操舵増加状況推定手段8Cが、運転者による修正操舵の増加する状況か否かを推定すると、制御抑制手段8Baが上記回避制御を抑制する。
すなわち、運転者による修正操舵が増加する走行状況と推定する場合には、障害物回避のための制御の開始タイミングを遅らせたり、制御開始後の制御量を小さくしたりする。
制御の開始を遅らせる場合には、制御介入頻度が低下することで、側方障害物回避の制御による車両挙動の変動を抑制して、運転者への違和感を低減できる。
また、制御量を抑制する場合には、制御の介入開始及び終了の際における、ヨー変動が小さくなる。この結果、側方障害物回避の制御による車両挙動の変動を抑制して、運転者への違和感を低減できる。
操舵情報、つまり操舵角と操舵速度の成分によって自車両MMの走行位置を推定する。この結果、ステアリング操作によって車線変更を実施することを早期に検出が出来る。また、所定時間後の将来における自車両の車線幅方向横位置に基づき、リスク度合いを判定することで、潜在的な障害物とのリスクを推定することが出来る。
(3)制御抑制手段8Baは、制御開始の介入閾値を高くすることで制御を抑制する。
すなわち、制御開始の介入閾値を高くすることで、制御の開始を遅らせる場合には、制御介入頻度が低下することで、側方障害物回避の制御による車両挙動の変動を抑制して、運転者への違和感を低減できる。
このようにすることで、簡易に制御開始の介入閾値を高く、つまり側方障害物に対する回避制御を抑制することが出来る。
また、前方注視点を変更することで、制御量としての目標ヨーモーメントMsも調整することが可能となる。
すなわち、修正操舵の発生可能性に応じて前方注視点を調節する。この結果、制御開始が早く起こるような走行路の検出状態においても、わずらわしい制御開始を行うことを抑制する。同時に、障害物SM方向への操舵を検出した際にはその接近状況に応じて制御開始タイミングを設定することが可能となる。
すなわち、障害物SMに対する制御量を前方注視点に応じて設定する。そして、前方注視点を短くした場合には、制御介入が遅れても大きい制御量を発生できる。また、前方注視点が長い場合には、制御介入が相対的に早くなる場合には、その分、小さい制御量を発生可能となる。これによって、状況に応じた前方注視点の伸縮によらず、障害物SMへの接近状況に応じて、接近が近ければ大きな制御を発生し、遠ければ小さな制御を発生することが出来る。この結果、運転者の感覚にあった制御量の発生が可能となる。
すなわち、運転者が操舵を行った際の車両の挙動が通常と異なり、その車両挙動の変化に対してさらなる操舵入力を行うことで、操舵の収束性が悪くなりやすいと考えられる状況を検出する。そして、その場合に、例えば、制御開始タイミングを遅らせる。この結果、わずらわしい制御開始を行うことを抑制しつつ、障害物SM方向への操舵を検出した際には、その接近状況に応じて制御開始タイミングを設定することが可能となる。
(7)側方障害物回避制御手段8Bは、車両に発生するヨーレートを抑制することによって、障害物への接近を防止する方向に制御する。
側方障害物回避の制御をヨーレートによって実施することで、障害物SMに対する接近を確実に抑制可能となる。
これによって、カーブ路を走行していても、そのカーブ路を走行するための操舵による影響を除去して、目標ヨー角速度φm等を算出することが可能となる。この結果、経路の進行方向に基づいて検出をするので、走行路に対する操舵に対しては制御開始を行わないように出来る。
このことは、例えば、カーブ路の内側の隣接車線側に障害物がいる場合に、障害物SMが隣接車線の遠方にいた場合には遅いタイミングで、障害物SMが隣接車線の近傍にいた場合には速いタイミングで制御を開始することができるように出来る。
以下に、修正操舵増加状況推定手段8Cの処理の変形例を説明する。
上記実施形態では、運転者による修正操舵が増加する状況の推定を、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なる場合であって、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことがおこりやすい状況を検出することで推定する場合を例示した。
これに代えて、若しくはこれに併せて、以下に説明するような処理によって、運転者による修正操舵が増加する状況を推定しても良い。
運転者の視点が近くなる場合には、経路に沿った走行を継続するための修正操舵量が増える傾向にある。このような状況を検出して、制御開始タイミングを遅らせるように前方注視距離を短くするためのゲインKtを算出する。すなわち、運転者の注視点が近くなる状況を検出し、例えば、制御開始タイミングが遅くなるように制御開始閾値を調節する。この結果、運転者の特性によって修正操舵が大きくなりやすいような状況においても、わずらわしい制御開始を行うことを抑制する。同時に、障害物SM方向への操舵を検出した際にはその接近状況に応じて制御開始タイミングを設定することが可能となる。
(a)オーディオやナビなど室内のスイッチの操作を行ったことを検知する。そして、その頻度から、修正操舵が大きくなりやすいような状況と判定する。
すなわち、これらスイッチの状態が変化したことを検出する。そのスイッチ操作の回数が増えれば増えるほど運転者の視点が近くなり易く、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。そして、単位時間当たりのスイッチ操作の回数(頻度)が所定以上の場合には、図8に示すように、ゲインKtを低く設定する。
ただし、ウィンカー、ヘッドライトなど日常的な運転に使用するスイッチの操作においてはゲインKtの低下の度合いを小さくする。なお、日常的に使用するスイッチかどうかについては、個別に経験的に割り当ても良い。また、ステアリングホイール3からの距離に応じて、ステアリングホイール3からの距離が近ければ近いほど日常的に操作するスイッチとしても良い。
自車両MMと同一経路上を走行する先行車両を検出する。すなわち、前方レーザーレーダーなどによって先行車両との距離Distfrontを検出する。その車間距離Distfrontと自車両MMの車速Vとから、下記式に基づき、余裕時間THWを算出する。この余裕時間THWは、車間距離Distfrontが短いほど、小さな値となり、且つ、同じ車間距離Distfrontであっても、自車速Vが大きいほど小さい値となる。
THW=Distfront/V
この先行車に対する余裕時間THWが小さいほど、運転者による修正操舵が増加する状況と推定し、余裕時間THWが所定値以下の場合には、図9のように、ゲインKtを小さく設定する。
この場合には、白線に近くなると、例えば、制御開始タイミングが遅くなるように調節する。このため、意図的に白線に寄って走行を行う場合においても、制御開始タイミングが早まることを抑制する。同時に、障害物SM方向への操舵が行われた際には制御を開始する。これによって、運転者の感覚にあった制御開始タイミングを可能としている。
なおこれらは、車線変更操作をしながらの状況と区別をするために目標ヨーレートΨdriverhoseiが0に近い状態が継続したら、つまり、Ψdriverhoseiの絶対値が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、ゲインKtを小さくしても良い。
ここで、目標ヨーレートΨdriverhoseiは、下記式のように、経路を走行するために必要な中立ヨーレートφ’pathと、操舵から求まる目標ヨーレートΨdriverとの差分である。
Ψdriverhosei=Ψdriver −φ’path
路面からの入力によってタイヤが切れると、その力はステアリングコラムを伝わって、ステアリング角に変位を加えることになる。このような状況の場合には、運転者がステアに加わった変位を修正する操作を行うことになる。
この場合には、路面からの反力によって車輪の転舵角が変化して、ステアリングが切られる。その影響を、運転者が相殺するように修正操舵を行うことを予測して制御開始判定を遅らせる。この結果、わずらわしい制御開始を行うことを抑制しつつ、障害物SM方向への操舵を検出した際にはその接近状況に応じて制御開始タイミングを設定することが可能となる。
すなわち、車輪速センサのノイズ状況から路面の荒れ度合いを推定する。路面の荒れ度合いが所定以上の場合には、図12に示すように、ゲインKtを小さくする。
車輪速センサのノイズ状況は、例えば車輪速センサからの検出信号の微分値の変動量によって判定する。また轍などをカメラによって検出して、路面の荒れや轍の状況を検出する。
上記においては、ステアリングに路面からの反力が伝わる状況に基づいて転舵角の変化を検出しているが、例えば転舵角を検出する転舵角センサを設け、転舵角の変化を直接検出しても良い。
道路の傾斜や横風など、車に対して外力が加わると、ステアリングを切っていなくても車両に横速度がつくことになる。この場合には、外乱から直接、操舵系への入力は無いものの、車線を維持するために、修正操舵を行う状況と推定できることになる。
なおこうした、操舵が一定状況を保っている際に車両に横速度がつくような状況は、断続的に起こりうる。したがって、一度検出をしたら、所定時間Tholdの間ホールドするようにして、所定時間Thold経過したら徐々にゲインをもとに戻すようにしても良い。また、断続的な検出を繰り返す場合には、時間Tholdが長くなるように補正したりしても良い。
経路が直線ではない場合には、運転者が必要となる所定角を操舵し、カーブにあった値とするようにするまでに伴う修正操舵は大きくなると推定できる。こうしたカーブ状況に応じて発生しうる修正操舵を許容するために、カーブ状況に応じてゲインKtを調節する。
ここで、上記説明では、カーブ曲率に応じて前方注視点ゲインにかけるゲインKtを調整し、更に、カーブ曲率変化に応じてさらに、ゲインKtを調整しても良い旨を記載した。
すなわち、走行路が直線ではない場合には、運転者が必要となる所定角分だけ操舵し、カーブにあった値とするようにするまでに伴う修正操舵は大きくなると想定できる。こうしたカーブ状況に応じて発生しうる修正操舵を許容するために、カーブ状況に応じてゲインKtを調節する。
(1)上記実施形態では、前方注視時間Ttに対し、修正操舵用のゲインKtを乗算することで、修正操舵の増加状況に応じて前方注視時間Ttを調整している。これによって、前方注視点を調整して、制御の開始タイミングを調整している。また、前方注視点を調整することで、制御作動中における制御量(目標ヨーモーメントMs)も調整している。
これに代えて、ステップS70で算出する自車両予測位置ΔXbに対し、上記修正操舵用のゲインKtを乗算しても良い。効果は同様である。なお、自車両予測位置ΔXbは、前方注視点の横位置に関する値である。
その関係の式を、下記に示す。
ΔXb = Kt・(K1φ+K2φm+K3φm’)
代わりに、下記式のように、上記ΔXbの各変数であるφ、φm、φm′に対し、個別にKt相当のゲインを乗算しても良い。
ΔXb =(Kt1・K1・φ+Kt2・K2・φm+Kt3・K3・φm’)
このように、各φ、φm、φm′に対し個別にゲインを調整するようにしても良い。
例えば、制御抑制手段8Baは、操舵角成分と操舵速度成分のうち操舵速度成分を多く減少することで抑制する。すなわち、運転者の操舵のうち操舵速度の成分を多く調整する。この場合、修正操舵や意図的な通常の操舵に対して制御開始と判定することを抑制できる。また、修正操舵が増えるようなシーンや白線が見えにくいシーンにおいて効果的に違和感のある制御開始を抑制しつつ、運転者が障害物SM方向への意図的に操舵した際の制御開始を可能となる。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。
すなわち、上記第1実施形態では、修正操舵が多くなる状況と推定する場合には、前方注視距離についてのゲインKtを調節することによって、制御開始タイミングを遅らせている。
すなわち、本実施形態では、図16に示すように、上記制駆動力コントロールユニット8におけるステップS60とステップS70との間に、ステップS65の代わりにステップS67の処理を行う点が異なる。但し、ステップS65の処理をステップS67と共に実施しても良い。
また、ステップS67に対応して、第2修正操舵増加状況推定手段8Dを備える。
すなわち、後述の第2修正操舵増加状況推定手段8Dを起動して、推定した修正操舵に応じた不感帯閾値φnumbを取得する。不感帯閾値φnumbは、修正操舵が多い状況と推定した場合ほど大きな値となる。
そして、下記式のように、目標ヨーレートΨdriverhoseiが不感帯閾値φnumb以下か否かを判定し、不感帯閾値φnumb以下の場合には、目標ヨーレートΨdriverhoseiをゼロとする。
if Ψdriverhosei ≦ φnumb
then Ψdriverhosei =0
Ψdriverhosei =0とすることで、ステップS70で算出する自車両予測位置ΔXbの値が小さくなる。
ΔXb =(K1φ+K2φm+K3φm’)
このとき、Ψdriverhosei=0の場合には目標ヨー角速度φm、及び目標ヨー角加速度φm′の項がゼロとなる。
すなわち、ΔXb =K1φ となって、自車両予測位置ΔXbの値が小さくなる。
またこの場合には、Ψdriverhoseiの項に対しての不感帯が最も大きく寄与するようにしている。φm、φm’に対して個別に不感帯を設定しても良い。例えばφm’に対して不感帯を設けるとこによる効能は、K3を小さくすることによる効果と同様となる。
Ψdriverhoseiの代わりに、ヨー角φに不感帯を設けるようにしても良い。
第2修正操舵増加状況推定手段8Dにおける修正操舵が多い状況との推定の方式は、上記修正状況推定部と同じである。そして、修正操舵が多い状況と推定するほど、不感帯閾値φnumbを大きくする。
不感帯閾値φnumbを大きくすると、上述のように、前方注視点位置が短くなって、制御開始の介入閾値が高くなると共に、障害物回避のための目標ヨーレートMsも調整される。
(1)第1の例
この第1の例では、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なる場合であって、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことが起こりやすい状況と推定可能な状況を検出する例である。
すなわち、横Gを検出し、横Gが所定以上の場合には、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なる場合であって、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことがおこりやすい状況と推定する。
ここで、横Gの代わりにヨーレートを検出し、ヨーレートが所定以上の場合には、運転者が操舵を行ったことによる車両の挙動が通常の直線走行時と異なる場合であって、運転者がさらなる操舵による修正を行うといったことが起こりやすい状況と推定しても良い。
また、横G及びヨーレートの両方を検出し、一方が所定以上の場合よりも、両方が所定以上の場合の方が不感帯閾値φnumbの値を大きな値に設定するようにしても良い。
すなわち、路面μを検出し、路面μが所定以上の場合に、運転者による修正操舵が増加する状況と推定する。そして、図18に示すマップを使用して不感帯閾値φnumbを設定する。
すなわち、路面μが低ければ低いほど不感帯閾値φnumbが大きくなるように設定する。
運転者の視点が近くなると推定できる場合に、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。運転者の視点が近くなる場合には、経路に沿った走行を継続するための修正操舵量が増える傾向にある。このような状況を検出をして制御開始タイミングを遅らせるように前方注視距離を短くするための不感帯閾値φnumbを算出する。
(a)オーディオやナビなど室内のスイッチの操作を行ったことを検知する。
すなわち、これらスイッチの状態が変化したことを検出する。そのスイッチ操作の回数が増えれば増えるほど、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。そして、単位時間当たりのスイッチ操作の回数が所定以上の場合には、図19に示すように、不感帯閾値φnumbを大きく設定する。
ただし、ウィンカー、ヘッドライトなど日常的な運転に使用するスイッチの操作においては不感帯閾値φnumbの低下の度合いを小さくする。なお、日常的に使用するスイッチかどうかについては、個別に経験的に割り当ても良い。また、ステアリングホイールからの距離に応じて、ステアリングホイールからの距離が近ければ近いほど日常的に操作するスイッチとしても良い。
自車両MMと同一経路上を走行する先行車両を検出する。すなわち、前方レーザーレーダーなどによって先行車両との距離Distfrontを検出する。その車間距離Distfrontと自車両MMの車速Vとから、下記式に基づき、余裕時間THWを算出する。この余裕時間THWは、車間距離Distfrontが短いほど、小さな値となり、且つ、同じ車間距離Distfrontであっても、自車速Vが大きいほど小さい値となる。
THW=Distfront/V
この先行車に対する余裕時間THWが小さいほど、運転者による修正操舵が増加する状況と推定し、余裕時間THWが所定値以下の場合には、図20のように、不感帯閾値φnumbを大きく設定する。
そして、障害物SM側の白線に対する自車両MMの横変位量X0が近いほど、図21のように、不感帯閾値φnumbを大きく値に設定する。白線の代わりに障害物との横方向距離を使用しても良い。
なおこれらは、車線変更操作をしながらの状況と区別をするために目標ヨーレートΨdriverhoseiが0に近い状態が継続したら、つまり、Ψdriverhoseiの絶対値が所定値以下の状態が所定時間継続した場合に、不感帯閾値φnumbを大きくしても良い。
ここで、目標ヨーレートΨdriverhoseiは、下記式のように、経路を走行するために必要な中立ヨーレートφ’pathと、操舵から求まる目標ヨーレートΨdrierとの差分である。
Ψdriverhosei=Ψdriver − φ’path
路面からの入力によってタイヤが切られる状況と推定した場合には、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。
路面からの入力によってタイヤが切られると、その力はステアリングコラムを伝わって、ステアリング角に変位を加えることになる。このような状況の場合には、運転者がステアに加わった変位を修正する操作を行うことになる。
すなわち、路面からの反力が伝わる状況を検出をする。そして、路面からの反力が伝わる状況と判定すると、不感帯閾値φnumbを大きな値に設定する。
すなわち、車輪速センサのノイズ状況から路面の荒れ度合いを推定する。路面の荒れ度合いが所定以上の場合には、図22に示すように、不感帯閾値φnumbを大きくする。
車輪速センサのノイズ状況は、例えば車輪速センサからの検出信号の微分値の変動量によって判定する。また轍などをカメラによって検出をしたりして、路面の荒れや轍の状況を検出する。
自車両MMに対し外力が加わることで、ステアリングを切っていなくても車両に横速度がつく状況と推定した場合には、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。
道路の傾斜や横風など、車に対して外力が加わると、ステアリングを切っていなくても車両に横速度がつくことになる。この場合には、車線を維持するために、修正操舵を行うことになる。
例えば、操舵を行わないことで操舵量(操舵変化)が所定値以下であって、所定以上の横速度がある場合に、上記状況と指定する。そして、運転者による修正操舵が増える状況と推定して、不感帯閾値φnumbを大きくする。あるいは強い横風が吹いていることや路面傾斜のある路面位置をナビ情報から得る。これらの情報から、車に対し外力が加わることで、ステアリングを切っていなくても車両に横速度がつく状況を検出しても良い。
なおこうした、操舵を一定状況を保っている際に車両に横速度がつくような状況は、断続的に起こりうる。したがって、一度検出をしたら、所定時間Tholdの間ホールドするようにして、所定時間Thold経過したら徐々にゲインをもとに戻すようにしても良い。また、断続的な検出を繰り返す場合には、時間Tholdが長くなるように補正したりしても良い。
車両の走行経路が直線でない、つまりカーブ路の場合には、運転者による修正操舵が増える状況と推定する。
経路が直線ではない場合には、運転者が必要となる所定角を操舵し、カーブにあった値とするようにするまでに伴う修正操舵は大きくなると推定できる。こうしたカーブ状況に応じて発生しうる修正操舵を許容するために、カーブ状況に応じて不感帯閾値φnumbを調節する。
具体的には、図25に示すようにカーブ半径が小さくなればなるほど、不感帯閾値φnumbが小さくなるように低下させる。またさらにカーブ半径の変化率が大きいときにはさらに不感帯閾値φnumbが小さくなるように補正しても良い。
不感帯閾値φnumbを、カーブ曲率変化に応じてだけで直接変更しても良い。例えば、所定以上の曲率変化がある場合には、不感帯閾値φnumbを大きな値に変更しても良い。曲率変化が大きい場合には、修正操舵が多くなる状況と推定出来るからである。
本実施形態では、制御介入を閾値として不感帯を設定し、修正操舵が多い状況と推定すると不感帯の閾値である不感帯閾値φnumbを大きくする。
(第2実施形態の効果)
(1)制御抑制手段8Baは、修正操舵が多い状況と推定すると不感帯を広げることで制御を抑制する。
制御開始が早く起こるような走行路の検出状態においても、わずらわしい制御開始を行うことを抑制しつつ、障害物SM方向への操舵を検出した際にはその接近状況に応じて制御開始タイミングを設定することが可能となる。
(変形例)
(1)上述のヒス分Fの大きさを、上記不感帯閾値φnumbによって変更することで、制御を抑制しても良い。
8A 将来位置推定手段
8B 側方障害物回避制御手段
8Ba 制御抑制手段
8C 修正操舵増加状況推定手段
8D 第2修正操舵増加状況推定手段
22L/R レーダー装置
Fout 障害物回避制御判断フラグ
Kt ゲイン
L 前方注視距離
Ms 目標ヨーモーメント
Ms 目標ヨーモーメント
Tt 前方注視時間
V 車速
X0 横変位量
X2obst 所定横位置
Xfront 横変位
βfront 曲率
δ 操舵角
ΔO 横方向相対距離
ΔXb 自車両予測位置
φ ヨー角
φm ヨー角速度
φ′path 中立ヨーレート
φm ヨー角速度
φnumb 不感帯閾値
Ψdriver 目標ヨーレート
Ψdriverhosei 目標ヨーレート
Claims (13)
- 自車両の側方に存在する障害物を検出する側方障害物検出手段と、
所定時間後の自車両の将来位置を推定する将来位置推定手段と、
将来位置推定手段が推定した自車両の将来位置に基づき算出した、側方障害物検出手段が検出した障害物に対するリスク度合いに応じて、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する側方障害物回避制御手段と、
運転者による修正操舵の増加する状況か否かを推定する修正操舵増加状況推定手段と、
を備え、
上記側方障害物回避制御手段は、
修正操舵増加状況推定手段が、修正操舵が増加する状況と推定すると、側方障害物に対する回避制御を抑制する制御抑制手段を備え、
上記側方障害物回避制御手段は、自車両の将来予測位置と自車両の側方に存在する障害物の現在の位置との横方向相対距離が予め設定した所定距離以下になったら、上記障害物への接近を防止する方向への制御を開始することを特徴とする側方障害物回避装置。 - 自車両の側方に存在する障害物を検出する側方障害物検出手段と、
所定時間後の自車両の将来位置を推定する将来位置推定手段と、
将来位置推定手段が推定した自車両の将来位置に基づき算出した、側方障害物検出手段が検出した障害物に対するリスク度合いに応じて、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する側方障害物回避制御手段と、
運転者による修正操舵の増加する状況か否かを推定する修正操舵増加状況推定手段と、
を備え、
上記側方障害物回避制御手段は、
修正操舵増加状況推定手段が、修正操舵が増加する状況と推定すると、側方障害物に対する回避制御を抑制する制御抑制手段を備え、
上記修正操舵増加状況推定手段は、運転者の注視点が近くなる状況である場合に、修正操舵が増加する状況であると推定することを特徴とする側方障害物回避装置。 - 自車両の側方に存在する障害物を検出する側方障害物検出手段と、
所定時間後の自車両の将来位置を推定する将来位置推定手段と、
将来位置推定手段が推定した自車両の将来位置に基づき算出した、側方障害物検出手段が検出した障害物に対するリスク度合いに応じて、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する側方障害物回避制御手段と、
運転者による修正操舵の増加する状況か否かを推定する修正操舵増加状況推定手段と、
を備え、
上記側方障害物回避制御手段は、
修正操舵増加状況推定手段が、修正操舵が増加する状況と推定すると、側方障害物に対する回避制御を抑制する制御抑制手段を備え、
上記修正操舵増加状況推定手段は、白線若しくは障害物と自車両との距離が所定値以下の状況を検出することによって、上記修正操舵が増加する状況であると推定することを特徴とする側方障害物回避装置。 - 自車両の側方に存在する障害物を検出する側方障害物検出手段と、
所定時間後の自車両の将来位置を推定する将来位置推定手段と、
将来位置推定手段が推定した自車両の将来位置に基づき算出した、側方障害物検出手段が検出した障害物に対するリスク度合いに応じて、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する側方障害物回避制御手段と、
運転者による修正操舵の増加する状況か否かを推定する修正操舵増加状況推定手段と、
を備え、
上記側方障害物回避制御手段は、
修正操舵増加状況推定手段が、修正操舵が増加する状況と推定すると、側方障害物に対する回避制御を抑制する制御抑制手段を備え、
上記修正操舵増加状況推定手段は、操舵変化が所定以下の状態で、車両に発生する横速度が所定の横速度以上の場合に、修正操舵が増加する状況であると推定することを特徴とする側方障害物回避装置。 - 運転者の操舵入力を検出する操舵入力検出手段を備え、
将来位置推定手段は、操舵入力検出手段の検出に基づき、所定時間後の自車両の将来位置を推定し、
側方障害物回避制御手段は、所定時間後の将来における自車両の車線幅方向横位置に到達若しくは当該車線幅方向横位置よりも障害物側と判定すると、リスクが高いと判定して障害物への接近を防止する方向に自車両を制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。 - 制御抑制手段は、上記自車両の将来位置を現在の自車両の位置に近づける方向に補正することで、側方障害物に対する回避制御を抑制することを特徴とする請求項5に記載した側方障害物回避装置。
- 上記側方障害物回避制御手段は、制御抑制手段が側方障害物に対する回避制御を抑制する場合、障害物への接近を防止する方向に自車両を制御する制御量の制御ゲインを高く補正することを特徴とする請求項6に記載した側方障害物回避装置。
- 側方障害物回避制御手段は、制御を開始するか否かの判定について不感帯を有し、
制御抑制手段は、上記不感帯を広げることで制御を抑制することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。 - 上記修正操舵増加状況推定手段は、路面からの反力により車輪の操舵角に変化が生じる状況である場合に、修正操舵が増加する状況であると推定することを特徴とする請求項1、若しくは請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。
- 上記修正操舵増加状況推定手段は、自車両が走行する走行路の曲率若しくは曲率変化の少なくとも一方が所定値以上である場合に修正操舵が増加する状況であると推定することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。
- 上記将来位置推定手段は操舵角成分と操舵速度成分に基づいて所定時間後の自車両の将来位置を予測し、
制御抑制手段は、上記将来位置推定手段が所定時間後の自車両の将来位置を予測する際の操舵角成分と操舵速度成分のうち操舵速度成分を多く減少することで側方障害物に対する回避制御を抑制することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。 - 自車両が走行路に沿って走行するのに必要な中立ヨーレートを算出し、中立ヨーレートに基づき将来の自車位置を修正することで、リスク度合いを補正することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載した側方障害物回避装置。
- 所定時間後の自車両の将来位置に基づき、自車両側方に位置する障害物に対するリスクが高い場合には障害物への接近を防止する方向に自車両を制御し、運転者による修正操舵が増加する状況である場合には、上記制御を抑制し、上記障害物への接近を防止する方向への制御は、自車両の将来予測位置と自車両の側方に存在する障害物の現在の位置との横方向相対距離が予め設定した所定距離以下になったら開始することを特徴とする側方障害物回避方法。
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