以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置の上部筐体を除いた平面図、図2は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置の正面図である。本実施形態のクレーンゲーム装置10は、プレーヤの操作に応じてキャッチャー機構(景品把持ユニット)を制御して、キャッチャー機構に設けられたアームによる把持等により景品落とし口に落とされた景品を払い出すように動作する。
図1に示すように、クレーンゲーム装置は、2つのクレーンゲーム装置10a,10bから構成されている。クレーンゲーム装置10a,10bは、水平断面がほぼ半円形をしており、それぞれの水平面を密着させて配置される。これにより、2つのクレーンゲーム装置10a,10bにより水平断面がほぼ円形のクレーンゲーム装置を構成している。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aは、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10aL、右側ユニット10aR)が搭載されている。左側ユニット10aLと右側ユニット10aRとは、基本的に左右対称に構成されているものとする。
左側ユニット10aLには、コントロールパネル23aLが設けられている。コントロールパネル23aLには、図2に示すキャッチャー機構18aLを動作させるためにプレーヤが操作する複数のボタン24aLの他、コインが投入されるコイン投入口26aL、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27aL(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ(図3に示すスピーカ28)が設けられている。
同様にして、右側ユニット10aRには、コントロールパネル23aRが設けられている。コントロールパネル23aRには、図2に示すキャッチャー機構18aRを動作させるためにプレーヤが操作する複数のボタン24aRの他、コインが投入されるコイン投入口26aR、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27aR(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ(図示せず)が設けられている。
図2は、クレーンゲーム装置10a側の正面図を示している。図2に示すように、クレーンゲーム装置10aは、上部筐体12aと下部筐体13aとから構成されている。上部筐体12aは、側面がアクリル板などの透明板15により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16aL,16aRが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16aL,16aRへの景品の入れ替えや補充、景品載置ユニット(詳細については後述する)を調整する場合等に開放することができる。
図2に示すように、左右の景品フィールド16aL,16aRの上方には、プレーヤによるボタン24aL,24aRの操作に応じて動作が制御されるキャッチャー機構18aL,18aRが装着されている。上部筐体12内の景品フィールド16aL,16aRの上方には、それぞれキャッチャー機構18aL,18aRを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コントロールパネル23aL,23aRに設けられた複数のボタン24aL,24aR(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン)へのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コントロールパネル23aL,23aRには、ボタンだけでなく、プレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設けた構成としても良い。
キャッチャー機構18aL,18aRの下端部には、景品を把持するための2本のアーム(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。アームは、キャッチャー機構18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(景品等を把持する)ように動作が制御される。なお、アームの動きを制御するアーム制御処理の詳細については後述する。
下部筐体13aの側面には、景品取出口21aL,21aR、フロントメンテドア22が設けられている。
景品取出口21aL,21aRは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16aL,16aRに設けられた景品落とし口(開口部)と、景品フィールド16aL,16aRの下方部に設けられた景品誘導空間を介して連通している。キャッチャー機構18aL,18aRを操作して景品を景品落とし口に落下させることにより、景品取出口21aL,21aRから景品を取り出すことができる。
フロントメンテドア22は、下部筐体13aの内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品などを収容しておくことができる。
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aには、管理者がクレーンゲーム装置10aに対して各種設定をするための設定機器(図3に示す設定機器29)が設けられている。設定機器は、クレーンゲーム装置10aの本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10aと近接した位置において、手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器は、クレーンゲーム装置10aの筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される。設定機器は、左側ユニット10aLと右側ユニット10aRのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
なお、クレーンゲーム装置10bは、前述したクレーンゲーム装置10aと同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。
図3は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aの機能構成を示すブロック図である。図3には、制御PCB(Print Circuit Board)38と、クレーンゲーム装置10aの右側ユニット10aRに設けられたコントロールパネル23aRと、キャッチャー機構18aRを制御する機構部39を示している。制御PCB38は、クレーンゲーム装置10aの左側ユニット10aLに設けられたコントロールパネル23aLと、キャッチャー機構18aLを制御する機構部(図示せず)についても、コントロールパネル23aR及び機構部39と同様の制御をするものとして詳細な説明を省略する。
図3に示すように、クレーンゲーム装置10aの筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB38が設けられている。制御PCB38に実装されたユニットには、CPU40、RAM41、記憶装置42、入出力処理ユニット43、X軸モータ駆動部44、Y軸モータ駆動部45、Z軸モータ駆動部46、及びアーム駆動部47を含む。
CPU40は、RAM41あるいは記憶装置42に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、クレーンゲーム装置10a全体を制御する。CPU40は、入出力処理ユニット43を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM41に記録する。また、CPU40は、入出力処理ユニット43を介して入力されるユーザ操作により指示されたキャッチャー機構18aRを移動させる指示に応じて、X軸モータ駆動部44、Y軸モータ駆動部45、Z軸モータ駆動部46を制御して、キャッチャー機構を移動させるキャッチャー移動制御機能を実現する。また、CPU40は、アーム駆動部47を駆動して、キャッチャー機構に設けられたアームの開閉、把持力の調整等をするアーム制御機能を実現する。また、CPU40は、入出力処理ユニット43を介して、スピーカ28からの音声出力、表示装置27aRにおける表示を制御する。
RAM41は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU40により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM41に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、キャッチャー機構18aRの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ等が含まれる。
記憶装置42は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
入出力処理ユニット43は、制御PCB38の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
X軸モータ駆動部44は、機構部39に設けられたX軸モータ50の駆動を制御する。Y軸モータ駆動部45は、機構部39に設けられたY軸モータ51の駆動を制御する。Z軸モータ駆動部46は、機構部39に設けられたZ軸モータ52の駆動を制御する。
アーム駆動部47は、キャッチャー機構18aRに設けられたアームを開閉させるためのアームモータ53,54の駆動を制御する。本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aでは、キャッチャー機構18aRに2本のアームが設けられているものとし、2つのアームモータ53,54は、それぞれ1本のアームを開閉させるために駆動される。
機構部39は、図3に示すように、X軸モータ50、Y軸モータ51、Z軸モータ52、アームモータ53,54、及び基準位置センサ55,56が含まれる。
X軸モータ50は、X軸モータ駆動部44により駆動されるもので、キャッチャー機構18aRをX軸方向(横方向)に移動させる。Y軸モータ51は、Y軸モータ駆動部45により駆動されるもので、キャッチャー機構18aRをY軸方向(縦方向)に移動させる。Z軸モータ52は、Z軸モータ駆動部46により駆動されるもので、キャッチャー機構18aRをZ軸方向(上下方向)に移動させる。
アームモータ53,54は、アーム駆動部47により駆動されるもので、例えばステッピングモータにより構成される。アームモータ53,54は、キャッチャー機構18aRのアームを開閉させると共に、アームに対して把持力を付加するために駆動されるもので、キャッチャー機構18aRの筐体内に設けられている。
コントロールパネル23aRには、コイン投入口26aR、コイン投入センサ57、横移動ボタン24a、縦移動ボタン24b、及び表示装置27aRが含まれる。
コイン投入センサ57は、コイン投入口26aRから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット43に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
横移動ボタン24aは、プレーヤによるキャッチャー機構18aRを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24aは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット43に出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43を通じて横移動ボタン24aが押下されていることを検知すると、X軸モータ駆動部44を介してX軸モータ50を駆動してキャッチャー機構18aRを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU40は、横移動ボタン24aが押されていない場合には、X軸モータ50の駆動を停止させる。
縦移動ボタン24bは、プレーヤによるキャッチャー機構18aRを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24bは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット43に出力する。CPU40は、入出力処理ユニット43を通じて縦移動ボタン24bが押下されていることを検知すると、Y軸モータ駆動部45を介してY軸モータ51を駆動してキャッチャー機構18aRを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU40は、縦移動ボタン24bが押されていない場合には、Y軸モータ51の駆動を停止させる。
なお、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aでは、横移動ボタン24aと縦移動ボタン24bの操作に応じてキャッチャー機構18aRを移動させる間に、アームモータ53,54を駆動することによりキャッチャー機構18aRに設けられたアームに対して所定の把持力を与えることにより、移動に伴って振動が発生したとしてもアームがぐらつかないように制御する。
また、横移動ボタン24aと縦移動ボタン24bの操作に応じてキャッチャー機構18aRの横/縦移動をさせた後、一定時間が経過した後に、CPU40は、景品取得シーケンスを開始する。すなわち、CPU40は、Z軸モータ駆動部46を介してキャッチャー機構18aRの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部47を通じてアームに景品を掴む動作をさせた後、キャッチャー機構18aRを上昇させる。CPU40は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ50とY軸モータ51を駆動させて、キャッチャー機構18aRを景品落とし口の上方まで移動させ、アームに景品を離す動作をさせる。なお、CPU40は、アーム駆動部47を通じてアームを動かす(開閉させる)場合に、基準位置センサ55,56からの信号をもとにアームの開閉位置を監視する。
表示装置27aRは、CPU40の制御のもとで各種の情報を表示する。表示装置27aRには、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。
なお、設定機器29は、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、コントロールパネル23aRに設けられた横移動ボタン24aと縦移動ボタン24bと表示装置27aRを用いて設定操作するようにしても良い。
図4は、本実施形態におけるキャッチャー機構18aRの外筐体を除いて、内部の詳細な構成を示す図である。なお、キャッチャー機構18aL、クレーンゲーム装置10bに設けられたキャッチャー機構も同様に構成されているものとして説明を省略する。
キャッチャー機構18aRは、伸縮可能な伸縮部材60を介して吊り下げられる。伸縮部材60の下端には、フレーム構造体61が取り付けられている。フレーム構造体61の内部には、2つのアームモータ53,54が、モータ軸が水平方向となるように並べて収容されている。
アームモータ53のモータ軸にはギア(図5に示すギア53a)を介して回転軸58が係合されている。アームモータ53が駆動されることにより、モータ軸の回転がギアを介して回転軸58に伝達される。回転軸58には、従動部材56が回動可能に装着されている。従動部材56は、ほぼ長方形をしており、一方の端部近傍において回転軸58と装着されている。従動部材56の他方の端部は、アームモータ53が駆動されて回転軸58が回動するのに伴って所定の範囲内で上下方向に動く。
図5には、アームモータ53の駆動に伴う従動部材56の動きを示す図である。
図5に示すように、アームモータ53が駆動されてモータ軸が回転すると、モータ軸に設けられたギア53aと係合された回転軸58が回転する。これにより、回転軸58の回転に合わせて従動部材56の下端側が、図中矢印に示すように上下方向に動く。
従動部材56の他方の端部(下端)には、センサブレード63が設けられている。センサブレード63は、従動部材56が上下方向に移動するのに伴って、基準位置センサ55による検出位置を通過する。基準位置センサ55は、従動部材56が予め決められた範囲内で動いている場合に、センサブレード63を検知している。
従動部材56は、下方向に動くことでアーム(アーム基底部材81)の上端部に圧接する。従動部材56が圧接するアームは、アーム基底部材81と鉤状部材95により形成される。鉤状部材95は、ネジ97によってアーム基底部材81に取り付けられており、ネジ97を緩めることにより取り外すことができる。また、ネジ97によって異なる形状の鉤状部材95に取り替えることができる。
アーム基底部材81は、アーム回動軸83によって回動可能となるように、フレーム構造体61に取り付けられている。従動部材56は、図4中のアーム回動軸83より右側の上部においてアーム基底部材81に圧接する。従って、従動部材56による圧接により、アーム基底部材81のアーム回動軸83より右側が押し下げられ、アーム回動軸83より左側が押し上げられる。すなわち、従動部材56によるアーム基底部材81への圧接により、アームを開くように動かすことができる。
従動部材56が所定位置まで回動してアーム(アーム基底部材81)を押し下げると、従動部材56に設けられたセンサブレード63が基準位置センサ55により検出されない位置となる。CPU40は、基準位置センサ55によるセンサブレード63の不検知を示す信号に応じて、アームモータ53の駆動を停止させる。すなわち、従動部材56の回動を所定位置で停止させることで、その位置でアームの開きを停止させる。
従動部材56の回転軸58と離れた位置に設けられたスプリング係止ネジ69と、アーム基底部材81のアーム回動軸83より右側に設けられたスプリング係止ネジ85との間には、コイルスプリング89(以下、単にスプリングと称する)が係止されている。スプリング89は、図4に示すアーム回動軸83より右側のスプリング係止ネジ85に係止されているため、従動部材56が上方向に回動されることで、アーム基底部材81のアーム回動軸83より右側を押し上げるように付勢する。すなわち、スプリング89がアーム回動軸83より左側を押し下げるように付勢するため、アームに対して景品等を把持する把持力を与えることができる。従動部材56が回動された位置が上にあるほど、スプリング89による付勢力が大きくなるため把持力が大きくなる。従動部材56が初期状態にある場合、すなわちアーム基底部材81に圧接しておらず、スプリング89を伸長させない位置にある場合には、アーム(アーム基底部材81)に対しては、アームモータ53の駆動に伴う外部から力は与えられていない。
アーム(アーム基底部材81)は、アーム回動軸83によって回動可能となるように取り付けられているため、アーム回動軸83や他のフレーム構造体61と完全に密着された状態となっておらず、実装上のばらつきや、比較的質量の大きい鉤状部材95,96に付け替えたことによって、キャッチャー機構18aRが移動されている間にぐらつく可能性がある。本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aでは、キャッチャー機構18aRが移動されている間に従動部材56を回動させることで、アームに対して所定の把持力を与えてぐらつきを防止する。
前述した説明では、図4に示す左側に配置されたアーム(アーム基底部材81、鉤状部材95)の動きを制御する構成について説明しているが、右側に配置されたアーム(アーム基底部材82、鉤状部材96)の動きを制御する構成は、左側の構成と左右対称に設けられており、前述した左側の構成と同様に動作及び作用する。以下、右側に配置されたアームの動きを制御する構成について説明する。
アームモータ54のモータ軸にはギア(図5に示すギア54a)を介して回転軸59が係合されている。アームモータ54が駆動されることにより、モータ軸の回転がギアを介して回転軸59に伝達される。回転軸59には、従動部材57が回動可能に装着されている。従動部材57は、ほぼ長方形をしており、一方の端部近傍において回転軸59と装着されている。従動部材57の他方の端部は、アームモータ54が駆動されて回転軸59が回動するのに伴って所定の範囲内で上下方向に動く。
図5に示すように、アームモータ54が駆動されてモータ軸が回転すると、モータ軸に設けられたギア54aと係合された回転軸59が回転する。これにより、回転軸59の回転に合わせて従動部材57の下端側が、図中矢印に示すように上下方向に動く。
従動部材57の他方の端部(下端)には、センサブレード64が設けられている。センサブレード64は、従動部材57が上下方向に移動するのに伴って、基準位置センサ56による検出位置を通過する。基準位置センサ56は、従動部材57が予め決められた範囲内で動いている場合に、センサブレード64を検知している。
従動部材57は、下方向に動くことでアーム(アーム基底部材82)の上端部に圧接する。従動部材57が圧接するアームは、アーム基底部材82と鉤状部材96により形成される。鉤状部材96は、ネジ98によってアーム基底部材82に取り付けられており、ネジ98を緩めることにより取り外すことができる。また、ネジ98によって異なる形状の鉤状部材96に取り替えることができる。
アーム基底部材82は、アーム回動軸84によって回動可能となるように、フレーム構造体61に取り付けられている。従動部材57は、図4中のアーム回動軸84より左側の上部においてアーム基底部材82に圧接する。従って、従動部材57による圧接により、アーム基底部材82のアーム回動軸84より左側が押し下げられ、アーム回動軸84より右側が押し上げられる。すなわち、従動部材57によるアーム基底部材82への圧接により、アームを開くように動かすことができる。
従動部材57が所定位置まで回動してアーム(アーム基底部材82)を押し下げると、従動部材57に設けられたセンサブレード64が基準位置センサ56により検出されない位置となる。CPU40は、基準位置センサ56によるセンサブレード64の不検知を示す信号に応じて、アームモータ54の駆動を停止させる。すなわち、従動部材57の回動を所定位置で停止させることで、その位置でアームの開きを停止させる。
従動部材57の回転軸59と離れた位置に設けられたスプリング係止ネジ70と、アーム基底部材82のアーム回動軸83より左側に設けられたスプリング係止ネジ86との間には、コイルスプリング90が係止されている。スプリング90は、図4に示すアーム回動軸83より左側のスプリング係止ネジ86に係止されているため、従動部材57が上方向に回動されることで、アーム基底部材82のアーム回動軸83より左側を押し上げるように付勢する。すなわち、スプリング90がアーム回動軸84より右側を押し下げるように付勢するため、アームに対して景品等を把持する把持力を与えることができる。従動部材57が回動された位置が上にあるほど、スプリング90による付勢力が大きくなるため把持力が大きくなる。従動部材57が初期状態にある場合、すなわちアーム基底部材82に圧接しておらず、スプリング90を伸長させない位置にある場合には、アーム(アーム基底部材82)に対しては、アームモータ54の駆動に伴う外部から力は与えられていない。
前述したように、アーム(アーム基底部材82)は、キャッチャー機構18aRが移動されている間にぐらつく可能性があるため、キャッチャー機構18aRが移動されている間に、従動部材57を回動させることで、アームに対して所定の把持力を与えてぐらつきを防止することができる。
アーム基底部材81とアーム基底部材82との間には、アームの間隔(開き具合)を調整するためのアーム間調整ネジ91が、縦向きに配置されている。アーム間調整ネジ91は、例えばクレーンゲーム装置10aの管理者の操作によって回転されることにより、アーム間調整ネジ91に螺合されたアーム押圧部材92を上下に移動させる。
図6及び図7には、アーム間調整ネジ91によるアームの間隔(開き具合)の調整を示している。なお、図6及び図7では、スプリング89,90の図示を省略している。
アーム押圧部材92には下向きの傾斜面が設けられており、この傾斜面がアーム基底部材81,82の上部と圧接している。従って、図6に示すように、アーム間調整ネジ91が回転されて、アーム押圧部材92が下に移動すると、アーム基底部材81,82の上部を押し下げる。アーム基底部材81,82の上部が押し下げられると、アーム回動軸83,84の作用によって鉤状部材95,96が上方に移動する。すなわち、図6に示すように、左右のアーム(鉤状部材95,96)の間隔が広くなる。
このように、アーム間調整ネジ91の操作によって、アームの間隔を広げることができるため、クレーンゲーム装置10aの景品フィールドに載置される景品のサイズが比較的大きい場合などに、アームの間隔が広く状態を初期状態としてゲームを実行することができる。
また、図7に示すように、アーム間調整ネジ91が回転されて、アーム押圧部材92が上に移動すると、鉤状部材95,96の重さによってアーム基底部材81,82の上部がアーム押圧部材92に押しつけられた状態のままであるため、アーム押圧部材92の上への移動に応じて、アーム基底部材81,82が上方に移動する。アーム基底部材81,82が上方に移動すると、アーム回動軸83,84の作用によって鉤状部材95,96が下方に移動する。すなわち、図7に示すように、左右のアーム(鉤状部材95,96)の間隔が狭くなる。
このようにして、クレーンゲーム装置10aの管理者は、アーム間調整ネジ91の操作によってアームの間隔を任意に調整することができる。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の動作について説明する。
図8は、本実施形態におけるキャッチャー機構に設けられたアームを制御するアーム制御処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、クレーンゲーム装置10a、図4に示すキャッチャー機構18aRを対象として説明する。他のキャッチャー機構に対しても同様の制御がされるものとする。図9は、本実施形態におけるアームに与えられる把持力の変化を示す図である。
初期状態のクレーンゲーム装置10aは、キャッチャー機構18aRのアームに対して、把持力を与えるための制御を行っていない(図9(0〜T1))。
CPU40は、コイン投入センサ57からの信号によりコインが投入されたことを検出すると(ステップA1、図9(T1))、アーム駆動部47を通じてアームモータ53,54を駆動し、従動部材56,57を上方に動かし、アーム(アーム基底部材81,82)が動かない範囲で、アームに対して所定の把持力を与える(ステップA2)。
例えば、図4に示すように、従動部材56,57を初期状態よりも上方に移動させることにより、スプリング89,90が初期状態時よりも伸長し、アーム(アーム基底部材81,82)に対して把持力を与える。アーム(アーム基底部材81,82)に対して把持力を与えるように従動部材56,57を動かすと、スプリング89,90の作用によりアーム基底部材81,82が押し上げられる。アーム基底部材81,82の上部がアーム押圧部材92と圧接された状態にあり、さらにスプリング89,90により押し上げられることにより、アーム(アーム基底部材81,82)が安定した状態となる。
CPU40は、プレーヤにより横移動ボタン24aが押下されたことを検知すると(図9(T2))、X軸モータ駆動部44を介してX軸モータ50を駆動してキャッチャー機構18aRを横方向(X軸方向)に移動させる。次に、CPU40は、プレーヤにより縦移動ボタン24bが押下されたことを検知すると(図9(T3))、Y軸モータ駆動部45を介してY軸モータ51を駆動してキャッチャー機構18aRを縦方向(Y軸方向)に移動させる。
CPU40は、図9に示すように、キャッチャー機構18aRを横移動/縦移動をさせている間(T1〜T4)、アームに対して把持力を付加し続ける。従って、キャッチャー機構18aRの移動中にアームがぐらつくことはない。このため、プレーヤに対して、キャッチャー機構18aRによるアームの把持力が弱いという印象を与える恐れがない。
縦移動ボタン24bの押下が終了すると、CPU40は、キャッチャー機構18aRの移動を停止させて、景品取得シーケンスを開始する(図9(T4))。まず、CPU40は、Z軸モータ駆動部46を介してキャッチャー機構18aRの先端部が景品に到達する位置まで下降させる(ステップA3、Yes)。また、CPU40は、アームモータ53,54を駆動して、センサブレード63,64がそれぞれ基準位置センサ55,56により検知されない位置まで、従動部材56,57を下方に動かし、アームを開かせる(ステップA4)。
図10は、従動部材56,57が下方に回動してアームを開かせている状態を示す図である。キャッチャー機構18aRの下降中は、図9のT4〜T5に示すように、アームによる把持力は0となる。
キャッチャー機構18aRが景品位置に到達すると(ステップA5、Yes)、CPU40は、アームモータ53,54を駆動して、従動部材56,57を上方に動かし、景品を把持するためにアームに対して所定の把持力を与える。ここで、アームに対して与えられる把持力は、例えばクレーンゲーム装置10aのペイアウト率等に基づいて、予め決められているものとする。すなわち、景品の取得を容易にする場合には、強い把持力を与えるために従動部材56,57を高い位置まで移動させ、景品の取得を困難にする場合には、弱い把持力を与えるために従動部材56,57を比較的低い位置まで移動させる。
図11は、従動部材56,57が上方に回動してアームに把持力を与えている状態を示す図である。図11に示すように、従動部材56,57が上方に回動されることでスプリング89,90が伸長し、スプリング89,90の伸長分に応じてアームに対して把持力が与えられる。アームの間に景品100がある場合には、アームに与えられた把持力によって景品100がアームにより挟み込まれる。
CPU40は、アーム駆動部47を通じてアームに景品を掴む動作をさせた後、キャッチャー機構18aRを上昇させる。CPU40は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ50とY軸モータ51を駆動させて、キャッチャー機構18aRを景品落とし口の上方(投下位置)まで移動させる。この間、CPU40は、図9のT5〜T6に示すように、景品を把持することが可能な所定の把持力を与え続ける。
キャッチャー機構18aRが投下位置まで到達すると(ステップA7、Yes)、CPU40は、アームモータ53,54を駆動して、従動部材56,57を下方に動かし、アームに景品を離す(開く)動作をさせる(ステップA8、図9(T6〜T7))。
その後、CPU40は、アーム駆動部47を通じてアームモータ53,54を駆動し、従動部材56,57を上方に動かし、アーム(アーム基底部材81,82)が動かない範囲で、アームに対して所定の把持力を与える(ステップA9)。これにより、ゲーム終了後もアームのぐらつきを防止する(図9(T7〜T8))。
その後、継続してゲームが実行されない場合(一定時間が経過した後)、CPU40は、アームモータ53,54の駆動を停止する(ステップA10)。
このようにして、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10aでは、キャッチャー機構を移動させる間に、アームに対して所定の把持力を付加しておくことで、キャッチャー機構を移動させる際の振動があったとしてもアームがぐらつく恐れが無い。これにより、プレーヤに対して、景品を把持するための把持力が弱い、すなわち景品取得の難易度が高い印象を与えてしまうことがなく、ゲームを利用しようとする意欲を妨げなくてすむ。
なお、前述した説明では、プレーヤによってコインが投入された後に、アームに対して所定の把持力を与えるとしているが、プレーヤによりゲームが実行されていない間も、常に、アームに所定の把持力を与えるようにしても良い(図9の破線で示す)。例えば、アームモータ53,54を駆動してアームに把持力を与えるための処理に時間を要してしまう場合、プレーヤに待機させることになるため、常時、アームに対して所定の把持力を与えておくことで、プレーヤに余分に待たせなくても済む。
また、ゲーム開始後、プレーヤによりキャッチャー機構を移動させるための操作(ボタン押下など)がされた時点において、アームに対して所定の把持力を付加してぐらつかないようにしても良い。
また、前述した説明では、アームに対して把持力を与えるためには、アームモータ53,54を駆動して、従動部材56,57を所定の位置に回動させた状態にしておく必要があるとしているが、アームモータ53,54に対する駆動を停止させたとしても、図5に示すギア53a,53bと回転軸58,59との係合により、回転軸58,59が回転せず、従動部材56,57の位置が維持される場合には、所定の把持力を与えることができる位置に従動部材56,57を移動させた後、アームモータ53,54への駆動を停止させることも可能である。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。