以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるゲーム装置の正面図である。本実施形態のゲーム装置として、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム(景品把持ユニット)を制御して、クレーンアームによる把持等により景品落とし口に落とされた景品を払い出すように動作するクレーンゲーム装置10を例に示す。
図1及び図2に示すクレーンゲーム装置10は、上部筐体12と下部筐体13とから構成されている。上部筐体12は、前面と側面の一部がアクリル板などの透明板15(開閉部材)により覆われており、透明板15を通じて筐体内部の景品フィールド16L,16Rが視認できるようになっている。透明板15は、例えば正面側が開閉可能に構成されており、景品フィールド16L,16Rへの景品の入れ替えや補充、景品載置ユニット(詳細については後述する)を調整する場合等に開放することができる。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10は、同時に2人のプレーヤがゲームを実施することができるように、2つのゲームユニット(左側ユニット10L、右側ユニット10R)が搭載されている。左側ユニット10Lと右側ユニット10Rとは、基本的に、中央の境界線において左右対称に構成されているものとする。2つのゲームユニットの景品フィールド16L,16Rは、仕切板(図示せず)によって区分されている。仕切板により区分された2つの景品フィールド16L,16Rには、それぞれ景品を積載することができる。
本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、景品フィールド16L,16Rのそれぞれに、景品載置エリアを形成すると共に、景品を落下させる開口エリア(景品落とし口)を形成することができる景品載置ユニット17L,17Rが設けられている。景品載置ユニット17L,17Rは、景品フィールド16L,16Rに対して脱着可能となっている。本実施形態における景品載置ユニット17L,17Rは、フィールド板(後述する)を回転(スライド)させることで、景品フィールド16L,16Rから景品を落下させるための景品落とし口の位置を容易に変更できるようになっている。なお、景品載置ユニット17L,17Rの詳細な構成については後述する。
景品フィールド16Lの左側(景品載置ユニット17Lの装着範囲)の下方部と景品フィールド16Rの右側(景品載置ユニット17Rの装着範囲)の下方部のそれぞれには、景品フィールド16L,16Rから落下した景品を、下部筐体13の前面側に設けられた景品取出口21L,21Rに誘導するための景品誘導空間が設けられている。また、景品誘導空間には、奥側を高く、手前側を低くした傾斜面を設けている。傾斜面を設けることにより、景品落とし口から落下した景品が傾斜面に衝突し、景品取出口21L,21Rが設けられた下部筐体13の前面側に落下し易くなる。これにより、景品取出口21L,21Rから景品を取りやすくなる。
図2に示すように、左右の景品フィールド16L,16Rの上方には、プレーヤ操作に応じて動作が制御されるクレーンアーム(キャッチャー)18L,18Rが装着されている(図1では景品フィールド16L,16Rを見やすくするために図示を省略している)。上部筐体12内の景品フィールド16L,16Rの上方には、それぞれクレーンアーム18L,18Rを、例えばX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向(上下方向)に移動させるためのクレーン機構部(図示せず)が設けられている。クレーン機構部は、例えば、コンパネ部23L,23Rに設けられた複数のボタン24L,24R(例えば、横移動ボタン、縦移動ボタン)へのプレーヤ操作に応じて制御される。なお、コンパネ部23L,23Rには、ボタンだけでなく、プレーヤにより上下左右の方向を指示できるジョイスティックなどの入力デバイスを設けた構成としても良い。
クレーンアーム18L,18Rの先端部には、景品を把持するための2本のアーム18La,18Ra(把持爪)が設けられている(なお、3本あるいは4本のアームを設けても良い)。アーム18La,18Raは、クレーンアーム18が下降されて景品に到達した位置で、閉じる(物を把持する)ように動作が制御される。
また、上部筐体12の奥面には、景品ディスプレイ用のネットや景品を引っかけることができるフックを取り付け可能にしている。ネットやフックは、例えば奥面上部において水平方向に配設されたレールに取り付けられるようにして、レールに沿って左右方向に移動可能にする。ネットやフックを利用して景品を展示することで、ユーザにクレーンゲーム装置10の利用をアピールすることができる。
下部筐体13の正面側には、景品取出口21L,21R、フロントメンテドア22、プレーヤによって操作が行われるコンパネ(コントロールパネル)部23L,23Rが設けられている。
景品取出口21L,21Rは、筐体内(景品フィールド)から景品を外部に取り出すためのもので、景品フィールド16L,16Rの下方部に設けられた景品誘導空間と連通している。クレーンアーム18L,18Rを操作して景品を景品落とし口に落下させることにより、景品取出口21L,21Rから景品を取り出すことができる。
フロントメンテドア22は、下部筐体13の内部に収容された制御ユニット(制御PCB(Print Circuit Board))やその他の機構部に対して作業をするような場合に、管理者によって開放させることができる(鍵付き)。また、フロントメンテドア22の内部には、収納スペースが設けられており、補充用の景品などを収容しておくことができる。
コンパネ部23L,23Rには、クレーンアーム18L,18Rを動作させるためにプレーヤにより操作される複数のボタン24L,24Rの他、コインが投入されるコイン投入口26L,26R、プレイ料金や投入されたコインに応じた残りプレイ回数を表示するための表示装置27L,27R(例えば7セグ表示器)等が設けられている。また、ゲーム実行中の効果音や音楽、メッセージ音声などを出力するためのスピーカ28が設けられている。
また、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10には、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするための設定機器(図15に示す設定機器29)が設けられている。設定機器は、クレーンゲーム装置10の本体筐体から着脱可能な可搬型に構成されている。設定機器は、各種設定のための操作をする場合には、収納部から取り出して、クレーンゲーム装置10と近接した位置で手に保持した状態で取り扱うことができる。設定機器は、クレーンゲーム装置10の筐体内に収納された制御ユニットと、例えばケーブルや無線通信(無線LAN(Local Area Network)など)によって接続される。設定機器は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに対する各種設定を個別にすることができるものとする。
図3は、クレーンゲーム装置10の筐体内部の詳細な構成を示すために上部筐体12を取り除いて示す図である。
図3は、左側ユニット10Lと右側ユニット10Rの何れにも景品載置ユニット17L,17Rを装着していない状態を示している。図3に示すように、左側ユニット10Lには、景品誘導空間36Lが設けられており、景品フィールド16L(景品載置ユニット17L)に形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Lまで通過可能となっている。景品誘導空間36Lには、景品フィールド16Lから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Lが形成されている。
同様にして、右側ユニット10Rには、景品誘導空間36Rが設けられており、景品フィールド16R(景品載置ユニット17R)に形成された景品落とし口から落下された景品が、景品取出口21Rまで通過可能となっている。景品誘導空間36Rには、景品フィールド16Rから落下された景品が衝突するように、クレーンゲーム装置10の前面側に傾斜した傾斜面37Rが形成されている。傾斜面37L,37Rは、例えば透明のアクリル板が脱着可能となっており、景品の落下などで傷ついたような場合に交換することができる。
なお、図1及び図3に示す構成では、景品フィールド16L,16Rとして使用される範囲の一部に景品誘導空間が設けられ、この景品誘導空間上に景品載置ユニット17L,17Rを設置しているが、景品フィールド16L,16Rとして使用される範囲全体に景品誘導空間を設けて、景品載置ユニット17L,17Rを設置するようにしても良い。
図4は、景品載置ユニット17Rの構成を示す平面図、図5は、図4に示すA−A線における断面図である。なお、景品載置ユニット17Lは、景品載置ユニット17Rと同一の構成を有するものとして説明を省略する。
景品載置ユニット17Rは、正方形をしている矩形枠17R1の枠内に、1枚のフィールド板17R5を載置できるように、フィールド板17R5の外周の形状に合わせて形成されたフィールド板載置部17R2が形成されている。図4に示すように、フィールド板17R5の外周が円形となっているため、フィールド板載置部17R2は、円形の板部材を載置できるように形成されている。フィールド板載置部17R2は、図5に示すように、フィールド板17R5の側面部と所定の間隔を設けて相対する部材17R2aと、フィールド板17R5の外周近傍を下面から支持する部材17R2bとを含む。フィールド板17R5を下面から支持する部材17R2bの上面部、すなわちフィールド板17R5との接触面は、例えば摩擦係数の小さい部材を貼り付けるか、あるいは摩擦が少なくなる加工が施されている。これにより、フィールド板17R5を部材17R2bに載置した状態のままで、例えばクレーンゲーム装置10の管理者の操作によって容易に動かせるようになる。管理者は、例えばフィールド板17R5の上面中央に設けられた保持部材17R6を保持して、フィールド板17R5を回転させるように操作することができる。
矩形枠17R1の枠内のフィールド板載置部17R2が形成されていない部分は、景品誘導空間へ繋がる開口部17R3となっている。フィールド板17R5には、外周の一部を切り欠いて扇形の景品落とし口17R7が形成されている。景品落とし口17R7から落下された景品は、開口部17R3を通過して景品誘導空間に到達する。また、フィールド板17R5の景品落とし口17R7が形成されていない範囲は、景品を載置することができる景品載置エリアとして使用することができる。なお、本実施形態における扇形は、扇形全体を示すだけでなく、扇形の一部分についても扇形と称するものとする。例えば、図4に示す景品落とし口17R7は、扇形の円弧側の一部に相当する形状となっている。
図6は、フィールド板17R5が部材17R2bに載置された状態のままで回転(スライド)される様子を示す図である。
図6に示すように、フィールド板17R5は、外周が円形となっており、フィールド板載置部17R2の部材17R2aによって側面部が支えられているため、フィールド板載置部17R2に載置された状態のままで回転させることができる。従って、フィールド板17R5を図中矢印方向に回転させることで、景品落とし口17R7の位置を変更することができる。図6に示す景品落とし口17R7は、フィールド板17R5の外周の一部を切り欠いて形成されているため、フィールド板17R5の外周に沿って位置が変更される。
なお、景品載置ユニット17Rには、フィールド板17R5が回転(スライド)しないように固定するロック機構を設けるようにしても良い。例えば、フィールド板載置部17R2とフィールド板17R5とを連結する部材を設けることでフィールド板17R5を固定したり、フィールド板17R5と接触面17R4とを貫通する穴を設け、この穴に棒状の部材を貫通するように装着することでフィールド板17R5を固定したりできる。なお、ロック機構は、他の方法によって実現することが可能である。こうして、ロック機構を設けることで、フィールド板17R5を回転させて景品落とし口17R7の位置を決定した後、フィールド板17R5が回転(スライド)しないように固定できるので、ゲームの実行中において景品落とし口17R7の位置がずれてしまうことを防止することができる。
このようにして、本実施形態のクレーンゲーム装置10に設けられた景品載置ユニット17Rでは、フィールド板載置部17R2に載置された状態のままでフィールド板17R5を回転させて景品落とし口17R7の位置を変更することができる。このため、景品載置エリアと景品を落下させる景品落とし口とを含むフィールドの形態をより簡単な作業によって変更することが可能となる。
次に、フィールド板17R5の変形例について説明する。
図7は、図4に示すフィールド板17R5とは異なる形状のフィールド板17R5aを示す図である。
図4に示すフィールド板17R5は、外周の一部を切り欠いて扇形の景品落とし口17R7が形成されているが、図7に示すフィールド板17R5aは、外周の一部を切り欠くことなく、矩形の景品落とし口17R7aが形成されている。
なお、図7に示すように、矩形の景品落とし口17R7aとするだけでなく、その他の形状とすることも可能である。例えば、円形、三角形、多角形とすることもできる。また、クレーンゲーム装置10の景品フィールドに載置される景品の大きさや形状などに応じて、景品落とし口17R7aの形状や、景品落とし口17R7aを配置するフィールド板17R5aにおける位置を決定することができる。
また、景品載置ユニット17Rからフィールド板17R5aを着脱可能にすることで、異なる形状の景品落とし口17R7aが設けられた複数種類のフィールド板17R5aを用意しておき、景品フィールド16Rに載置する景品の形状や大きさに合わせて、フィールド板17R5aを交換することも可能である。
また、異なる形状のフィールド板を載置することができる複数種類の景品載置ユニット17Rを用意しておき、景品載置ユニット17Rを交換することによりフィールド板(景品落とし口)を変更することも可能である。例えば、図4に示すフィールド板17R5と直径のサイズが異なる円形状のフィールド板や、円形以外(例えば、多角形状)のフィールド板を用いることも可能である。円形以外のフィールド板を用いる場合、フィールド板載置部17R2は、フィールド板を載置した状態のままでスライド可能となるように構成されるものとする。
また、前述した景品載置ユニット17Rでは、フィールド板17R5を円形としているため、フィールド板17R5を回転させることにより景品落とし口17R7の位置を変更しているが、回転以外の方法でフィールド板をスライドさせることで景品落とし口の位置を変更できるようにしても良い(例えば、図14参照)。
このように、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10では、形状の異なる複数種類のフィールド板に交換できるので、様々な形状の景品に合わせた景品落とし口が設けられたフィールド板を使用することができ、何れのフィールド板を用いた場合であっても、容易な作業で景品落とし口の位置を変更することが可能となる。
次に、フィールド板17R5の他の変形例について説明する。
図8は、図4に示すフィールド板17R5とは異なる形状のフィールド板17R5b,17R5cを示す図である。図8は、2枚のフィールド板17R5b,17R5cを組み合わせることで、景品落とし口の位置と形状を変更できるようにした例を示している。
2枚のフィールド板17R5b,17R5cは、例えば図9(a)(b)に示すように、中心角が180°よりも大きい扇形となっている。好ましくは、中心角が180°よりも僅かに大きい(例えば、190°〜200°程度)扇形とする。扇形の中心部には、保持部材17R6と重ね合わせる部分が形成され、保持部材17R6の中心部に装着された軸部材(図示せず)を貫通させるための穴が設けられている。
図8に示すように、フィールド板17R5b,17R5cは、中心部を共通にして重ね合わせ、保持部材17R6の軸部材が貫通されることにより、それぞれを個別に回転させることができる。フィールド板17R5b,17R5cは、それぞれ中心角が180°よりも大きい扇形であるため、何れの位置に回転させたとしても中心部以外の一部が重なり合う。従って、上側に配置されたフィールド板17R5bは、下側に配置されたフィールド板17R5cによって、重なった部分で支持された状態となる。これにより、フィールド板17R5bを安定した状態で回転させることができる。
図10(a)は、図8に示すB−B線における断面図、図10(b)は、図8に示すC−C線における断面図を示している。
図10(a)(b)に示すように、フィールド板17R5b,17R5cの回転位置によっては、フィールド板17R5b,17R5cが上下方向で重ならない部分と重なる部分、さらにフィールド板17R5b,17R5cの何れも存在しない部分を設けることができる。すなわち、フィールド板17R5b,17R5cが存在する範囲は、景品を載置することができる景品載置エリアとして使用し、フィールド板17R5b,17R5cが何れも存在しない部分(重なり合わない部分)を景品落とし口として使用することができる。
従って、フィールド板17R5b,17R5cが重なり合わない範囲を変更することで、景品落とし口の大きさを変更することが可能となる。また、フィールド板17R5b,17R5cは、個別に回転させることができるので、任意の回転位置で景品落とし口を設けることが可能である。
このようにして、2枚のフィールド板17R5b,17R5cを組み合わせることで、それぞれの回転位置を調整することで、景品載置エリアと景品落とし口とを含むフィールドの形態を簡単な作業によって変更することができるようになる。
図11は、図8に示すフィールド板17R5b,17R5cとは異なる形状のフィールド板を示す図である。図8は、2枚のフィールド板17R5b,17R5cを組み合わせているが、図11では、3枚のフィールド板17R5d,17R5e,17R5fを組み合わせた例を示している。さらに、図11に示す3枚のフィールド板17R5d,17R5e,17R5fは、それぞれ異なる形状をしている。図12は、フィールド板17R5d,17R5e,17R5fを重ね合わせた状態の側面図である。
図11(a)に示すフィールド板17R5dは、フィールド板載置部17R2に載置可能な外形サイズ(直径)となっているが、外周の1/4の範囲(中心角90°)を扇形に切り欠いている。また、他の外周の範囲では、外周近傍を残して外周の1/4の範囲(中心角90°)を扇形に切り抜いた部分と、外周近傍を残す幅を広くして外周の1/8の範囲(中心角45°)を扇形に切り抜いた部分とを設けている。
図11(b)に示すフィールド板17R5eは、フィールド板17R5dと外形サイズを同一とし、外周の1/4の範囲(中心角90°)を扇形に切り欠いている。
図11(c)に示すフィールド板17R5fは、フィールド板17R5dと外形サイズ(直径)を例えば1/3とし、外周の1/4の範囲(中心角90°)を扇形に切り欠いている。
フィールド板17R5d,17R5e,17R5fは、それぞれを重ね合わせる位置を調整することで、景品落とし口とする開口部の形状を変形することができる。例えば、フィールド板17R5d,17R5e,17R5fの外周の1/4の範囲を切り欠いた扇形の部分が一致するように、それぞれの回転位置を合わせることで、中心角90°の扇形の景品落とし口を形成することができる。また、扇形の部分が一致している状態からフィールド板17R5d,17R5eの何れかを回転させることにより、図8に示すフィールド板17R5b,17R5cと同様に、景品落とし口の形状を変形させることができる。
また、フィールド板17R5d,17R5eの何れかの扇形の部分と、フィールド板17R5fの切り欠いていない部分とを一致させることで、中心部近くを景品落とし口としないようにできる。さらに、フィールド板17R5eの扇形の部分と、フィールド板17R5dの外周近傍を残して扇形に切り抜いた部分とを重ね合わせることで、外周近傍を景品落とし口としないようにできる。例えば、図11(b)においてハッチングで示す形状の景品落とし口を形成することが可能となる。
図12は、フィールド板17R5d,17R5e,17R5fの側面図である。図12に示すように、フィールド板17R5d,17R5e,17R5fは、重ね合わされているので、それぞれ安定した状態で回転させることができる。さらに、フィールド板17R5d,17R5e,17R5fのそれぞれの接触面を、滑りが良くなるように摩擦の少ない加工をすることによって、より簡単に回転操作をすることができる。フィールド板17R5d,17R5e,17R5fの位置を固定するロック機構も前述と同様に設けることが可能である。
前述した景品載置ユニット17Rでは、例えば図4に示すように、フィールド板17R5の外周近傍をフィールド板載置部17R2によって支持する構成としているが、フィールド板17R5の中心に回転軸を設けることで、フィールド板17R5の回転操作を容易にする構成としても良い。
図13は、フィールド板17R5を回転軸17R9によって支持する構成の一例を示す図である。図13に示す例では、例えば景品誘導空間中に支柱17R8を設け、この支柱17R8の上端部にフィールド板17R5の回転軸17R9を回転可能となるように装着する。回転軸17R9は、保持部材17R6とフィールド板17R5の中心に固定されているため、保持部材17R6が管理者の操作により回転されるのに合わせてフィールド板17R5を回転させる。
フィールド板載置部17R2は、図4に示す構成と同様にして、フィールド板17R5の外周近傍を下から支持する位置に配置されている。フィールド板17R5は、主に回転軸17R9によって支持されているが、フィールド板載置部17R2と近接あるいは接触するように回転軸17R9の長さが調整されることにより、フィールド板載置部17R2によっても支持させることができる。特に、フィールド板17R5に景品が載置された場合には、フィールド板載置部17R2に荷重が分散されることになり、回転軸17R9への負荷を軽減することができる。
このように、フィールド板17R5を回転軸17R9によって支持することで、フィールド板17R5をより簡単に回転させることができ、景品落とし口の位置を変更するための作業をさらに容易にすることができる。
なお、前述した説明では、フィールド板17R5(17R5a,17R5b,17R5c,17R5d,17R5e,17R5f)は、回転軸の位置を固定した状態で回転(スライド)させるものとしているが、回転軸の位置を移動させることによって、景品落とし口を設定可能な範囲を広げることができる。
図14は、フィールド板37R5の回転軸の位置を移動可能にする景品載置ユニット37Rの一例を示す図である。
景品載置ユニット37Rは、正方形をしている矩形枠37R1の枠内に、1枚のフィールド板37R5をスライド可能な状態で載置できるように、フィールド板37R5の外形に合わせて形成されたフィールド板載置部37R2が形成されている。図14に示す例では、フィールド板載置部37R2は、外周が円形となっているフィールド板37R5を直線方向にスライドできるように、短辺がフィールド板37R5の直径より僅かに長い矩形状をしている。フィールド板載置部37R2の各辺には、フィールド板37R5の外周近傍を下面から支持する部材37R4が設けられている。フィールド板37R5を下面から支持する部材37R4の上面部、すなわちフィールド板37R5との接触面は、例えば摩擦係数の小さい部材を貼り付けるか、あるいは摩擦が少なくなる加工が施されている。
これにより、フィールド板37R5を部材37R4に載置した状態のままで、例えばクレーンゲーム装置10の管理者の操作によって、フィールド板載置部37R2の長辺に沿って容易に動かせるようになる。管理者は、フィールド板37R5を回転させる、あるいはフィールド板載置部37R2の矩形枠内で直線方向にスライドさせることにより、景品落とし口37R7の位置を調整できる。
矩形枠37R1の枠内のフィールド板載置部37R2が形成されていない部分は、景品誘導空間へ繋がる開口部となっている。フィールド板37R5には、例えば正方形の景品落とし口37R7が形成されている。景品落とし口37R7から落下された景品は、景品誘導空間に到達する。
景品載置ユニット37Rでは、例えばフィールド板37R5を、図14中の実線で示す位置と破線で示す位置の何れかに移動され、その位置で回転させることで景品落とし口37R7の位置が変更されるものとする。これにより、フィールド板載置部37R2が設けられた矩形枠内のほぼ全体に渡って、景品落とし口37R7の位置を設定することができる。
なお、フィールド板載置部37R2が設けられた矩形枠内のフィールド板37R5がない部分は、景品誘導空間へ繋がる開口部が露出してしまうため、開口部を塞ぐ部材を別に装着するものとする。これにより、フィールド板37R5の景品落とし口37R7が形成されていない範囲と共に、景品を載置することができる景品載置エリアとして使用することができる。
なお、図14では、フィールド板37R5を円形状にして回転(スライド)させることで景品落とし口37R7の位置を変更できるようにしているが、フィールド板37R5を円形以外の形状にしても良い。例えばフィールド板37R5を矩形状にして、フィールド板載置部37R2に載置した状態のままでスライドさせて景品落とし口37R7の位置を変更できるようにしても良い。
また、図14に示す景品載置ユニット37Rでは、矩形枠37R1の枠内に、対角方向にフィールド板載置部37R2を設けているが、対角方向以外にフィールド板37R5を移動可能となるようにフィールド板載置部37R2を設けても良い。また、図14に示す構成では、フィールド板37R5の位置(回転軸の位置)を移動させる場合、直線方向に移動させるだけであるが、移動可能な方向を直線方向以外に広げることで、フィールド板37R5の位置を任意に変更できるようにしても良い。
さらに、図13に示すように、支柱17R8の上で回転軸17R9によってフィールド板17R5を支持する構成とした場合、支柱17R8の位置を移動させる、あるいは支柱17R8の上端において回転軸17R9の設置位置を変更するなどして、フィールド板17R5の位置を変更できるようにしても良い。
このようにして、景品載置ユニット37Rでは、フィールド板37R5の位置(回転軸の位置)を移動させることができるので、景品落とし口37R7を設定可能な範囲を広げることができる。また、フィールド板37R5をフィールド板載置部37R2に載置した状態のままで作業をすることができるので、簡単に景品落とし口37R7の位置を調整することができる。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の制御機能について説明する。
図15は、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の機能構成を示すブロック図である。
図15に示すように、クレーンゲーム装置10の筐体内部には、各種ユニットが実装された制御PCB(Print Circuit Board)68が設けられている。制御PCB68に実装されたユニットには、CPU70、RAM71、記憶装置72、入出力処理ユニット73、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を含む。
CPU70は、RAM71あるいは記憶装置72に記憶された制御プログラムやゲームプログラムを実行することにより、クレーンゲーム装置10全体を制御する。CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるコイン投入の検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータをRAM71に記録する。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して入力されるユーザ操作により指示されたクレーンアーム18L,18Rを移動させる指示に応じて、X軸モータ駆動部74、Y軸モータ駆動部75、Z軸モータ駆動部76、及びアーム駆動部77を制御して機構部69の各部を適宜動作させる。また、CPU70は、入出力処理ユニット73を介して、スピーカ28からの音声出力、表示装置27L,27Rにおける表示を制御する。
RAM71は、制御プログラムやゲームプログラム等の各種プログラムの他、CPU70により実行される処理に伴うゲームを制御するための各種データを一時的に記憶する。RAM71に記録されるデータには、例えばプレイ可能回数を示すクレジットデータ、クレーンアーム18L,18Rの位置(X位置、Y位置)を示す位置データ等が含まれる。
記憶装置72は、ROMやハードディスク等の不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。
入出力処理ユニット73は、制御PCB68の外部に設けられた各種入出力デバイスとのインタフェースである。
X軸モータ駆動部74は、機構部69に設けられたX軸モータ80の駆動を制御する。Y軸モータ駆動部75は、機構部69に設けられたY軸モータ81の駆動を制御する。Z軸モータ駆動部76は、機構部69に設けられたZ軸モータ82の駆動を制御する。
アーム駆動部77は、クレーンアーム18L,18Rに設けられたアーム18La,18Raを開閉させるためのアームモータ83の駆動を制御する。
機構部69は、例えば左側ユニット10Lと右側ユニット10Rのそれぞれに設けられる。機構部69は、図15に示すように、X軸モータ80、Y軸モータ81、Z軸モータ82、アームモータ83、及び景品検知センサ84が含まれる。
X軸モータ80は、X軸モータ駆動部74により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをX軸方向(横方向)に移動させる。Y軸モータ81は、Y軸モータ駆動部75により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをY軸方向(縦方向)に移動させる。Z軸モータ82は、Z軸モータ駆動部76により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18RをZ軸方向(上下方向)に移動させる。
アームモータ83は、アーム駆動部77により駆動されるもので、クレーンアーム18L,18Rのアーム18La,18Raを開閉させる。
景品検知センサ84は、クレーンアーム18L,18Rの操作によりプレーヤに景品が払い出されたことを検知する。
コンパネ部23Lには、図15に示すように、コイン投入口26L、コイン投入センサ86、横移動ボタン24La、縦移動ボタン24Lb、及び表示装置27Lが含まれる。なお、コンパネ部23Rは、コンパネ部23Lと同様に構成されるものとして説明を省略する。
コイン投入センサ86は、コイン投入口26Lから投入されたコインを検知して、入出力処理ユニット73に、コイン投入を示す検知信号を出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73に入力された検知信号に応じて、プレイ可能回数を示すクレジットデータを記録する。
横移動ボタン24Laは、プレーヤによるクレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。横移動ボタン24Laは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて横移動ボタン24Laが押下されていることを検知すると、X軸モータ駆動部74を介してX軸モータ80を駆動してクレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる。CPU70は、横移動ボタン24Laが押されていない場合には、X軸モータ80の駆動を停止させる。
縦移動ボタン24Lbは、プレーヤによるクレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる指示を入力するためのものである。縦移動ボタン24Lbは、プレーヤにより押下されている場合、押下された状態にあることを示す信号を入出力処理ユニット73に出力する。CPU70は、入出力処理ユニット73を通じて縦移動ボタン24Lbが押下されていることを検知すると、Y軸モータ駆動部75を介してY軸モータ81を駆動してクレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる。CPU70は、縦移動ボタン24Lbが押されていない場合には、Y軸モータ81の駆動を停止させる。
また、横移動ボタン24Laと縦移動ボタン24Lbの操作に応じてクレーンアーム18Lの横/縦移動をさせた後、一定時間が経過した後に、CPU70は、景品取得シーケンスを開始する。すなわち、CPU70は、Z軸モータ駆動部76を介してクレーンアーム18Lの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Laに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Lを上昇させる。CPU70は、景品取得シーケンスの後、X軸モータ80とY軸モータ81を駆動させて、クレーンアーム18Lを景品落とし口の上方まで移動させ、アーム18Laに景品を離す動作をさせる。
表示装置27Lは、CPU70の制御のもとで各種の情報を表示する。表示装置27Lには、例えばクレジット数(プレイ可能回数)や動作モードの表示などが表示される。
なお、設定機器29は、管理者がクレーンゲーム装置10に対して各種設定をするために使用されるもので、例えば各種の設定操作を入力するための複数のボタン(選択ボタン、決定ボタン、上下左右ボタン等)、各種設定画面等を表示するためのディスプレイ等が実装されている。なお、コンパネ部23L,23Rに設けられたボタン24と表示装置27L,27Rを用いて設定操作するようにしても良い。
次に、本実施形態におけるクレーンゲーム装置10の動作について説明する。
本実施形態では、前述したように、景品載置ユニット17L,17Rに設けられたフィールド板を操作することで、景品落とし口の位置を変更することができる。クレーンゲーム装置10は、景品落とし口の位置の変更に応じて、例えば管理者による操作によって、景品取得シーケンスの後にクレーンアーム18L,18Rを景品落とし口の上方まで移動させるための経路を設定することができる。
例えば、管理者は、設定機器29への操作によってクレーンアーム経路設定処理の実行を指示する。CPU70は、設定機器29から入力される指示に応じて、移動経路設定メニューを表示する。移動経路設定メニューでは、景品取得シーケンス(下降、アームによる把持動作、上昇)を実行させた後に、クレーンアーム18L,18Rを移動させる目標位置、すなわち景品落とし口が設けられた位置を指定できる複数の選択肢が用意されているものとする。
ここで、景品落とし口が設けられた位置が設定機器29の操作により指定されると、CPU70は、入力された景品落とし口の位置を示すデータを記憶装置72に記憶させておく。このデータは、ゲーム実行時のクレーンアーム制御処理時に参照される。
次に、プレーヤの操作に応じてクレーンアーム18L,18Rの移動を制御するクレーンアーム制御処理について説明する。ここでは、左側ユニット10Lにおいてクレーンアーム18Lを操作する場合を例にして説明する。
まず、クレーンゲーム装置10をプレイするために、プレーヤによりコイン投入口26Lからコインが投入される。コイン投入センサ86は、コインが投入されたことを検知すると入出力処理ユニット73に検知信号を出力する。CPU70は、コイン投入センサ86からの検知信号によりコイン投入を検知すると、クレーンアーム制御処理を開始する。
CPU70は、クレーンアーム制御処理を開始すると、景品落とし口の位置を示すデータを記憶装置72からRAM71にロードする。
CPU70は、横移動ボタン24Laあるいは縦移動ボタン24Lbの操作により、クレーンアーム18Lを横/縦移動させる指示があると、ボタン操作に応じて、クレーンアーム18Lを移動させるためのモータを駆動して、クレーンアーム18Lを移動させる。すなわち、CPU70は、横移動ボタン24Laが操作された場合には、X軸モータ駆動部74を通じてX軸モータ80を駆動して、クレーンアーム18Lを横方向(X軸方向)に移動させる。また、CPU70は、縦移動ボタン24Lbが操作された場合には、Y軸モータ駆動部75を通じてY軸モータ81を駆動して、クレーンアーム18Lを縦方向(Y軸方向)に移動させる。
クレーンアーム18Lの横/縦移動がされた後、CPU70は、クレーンアーム18Lによって景品を把持させるための景品取得シーケンスを実行する。景品取得シーケンスでは、CPU70は、Z軸モータ駆動部76を介してクレーンアーム18Lの先端部が景品に到達する位置まで下降させ、アーム駆動部77を通じてアーム18Laに景品を掴む動作をさせた後、クレーンアーム18Lを上昇させる。
CPU70は、クレーンアーム18Lを上昇させると、景品落とし口の位置を示すデータをもとに、X軸モータ80とY軸モータ81とを駆動して、クレーンアーム18Lを現在位置から景品落とし口の上方まで移動させる。CPU70は、クレーンアーム18Lを景品落とし口の上方まで移動させてからアーム18Laに景品を離す動作をさせた後、初期位置に移動させる。
このようにして、クレーンゲーム装置10では、フィールド板の操作によって変更される景品落とし口の位置に応じて、クレーンアーム18L,18Rの移動経路を変更することができる。
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。