JP6005477B2 - フェンス類におけるエキスパンションジョイント装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の柵部材を接続して構成するフェンス類において、各柵部材に外力が加わり変位を生じたときにこれを吸収し、接続を維持するエキスパンションジョイント装置に関し、特に、上下方向の変位にも対応し得るものである。
隣接した建物の如く構造の異なる建物等に、振動、温度変化、不同沈下(不等沈下)、地震等による外力が作用した場合、上記建物等の間にわたる設備が設けられているときには、当該設備の使用上支障を生じることがある。例えば、隣接した建物同士にわたるフェンスがあり、この部分に地震動が伝わると、一方の建物と他方の建物の振動特性が異なるため、おのおののフェンスに生じる動きが異なり、フェンス同士が相互に干渉し合い、ぶつかりあったり破損したりするという恐れがある。
このような場合、従来は、おのおのの建物にエキスパンションジョイントを挟んで支柱を設置し、その支柱に短いパネル状部材を固定し、パネル状部材間に隙間を作り、変位に対応する方法が取られていた。しかしながら、エキスパンションジョイントを挟んで支柱を設置すると、意匠としての一体感が失われ、設置場所の景観イメージが損なわれるとともに、フェンスとしての機能や防犯機能が弱まるという問題を生じる。上記の問題は、隣接した建物同士にわたるフェンスだけに止まらず、地上にいわゆる外構として設置されたフェンス又は類似の構築物についても当てはまることである。
上記の問題に関する先行技術を調査したところ、例えば、特開2003−247278号を見出された。これは免震建物のエキスパンション手摺に関するもので、エキスパンション手摺を一般部の手摺の自由丁番によって取り付け、エキスパンション手摺と一般部の手摺を同一構造にしたという構成を有している。しかし、上記構成により意匠的な違和感はなくなるとしても、エキスパンション手摺を一般部の手摺に片持ちで取り付けることになるので強度が不足し、施工対象が制限されると考えられる。
また、特開平9−317118号は、第一の手摺と第二の手摺とが連結して形成され、第一の手摺は構造物に回動可能に、また、第二の手摺は案内部材に沿って摺動可能に取り付けられ、それぞれの変位の相違を吸収することができる。しかし、第二の手摺は建物に固定されているので、第一の手摺は片持ち構造、かつ、首振り可能に建物に取り付けることになる。このため、前記発明と同様の問題があり、また、建物の隣接部分に直に取り付けるものであるから、例えば、建物を取り巻くように設置されるフェンスについては適用するのが困難である。
特に、地盤の不等沈下の影響や地震動が建物に加わった場合、その変位はX−Y平面内のみならずZ軸つまり垂直方向(鉛直方向)の成分も含むことになる。これに対して、垂直方向の変位追従性を有するとされているものに特開平11−324267号があるが、同号の発明は1本の手摺部材を支柱にピン連結により結合しただけである。よって、垂直変位に伴って生じる水平面の変位に対応するものとはいえず、垂直変位に追従できないとはいえないかも知れないが、その限界は非常に低く、限界を超えれば容易に破損に至ると推測される。
特開2003−247278号 特開平9−317118号 特開平11−324267号
本発明は前記の実情に鑑みてなされたものであって、その課題は、複数の柵部材を接続して構成するフェンス類において、各柵部材に外力が加わり平面内及び垂直方向(鉛直方向)の変位を生じたときにおいても、これを吸収して、接続を維持し得るエキスパンションジョイント装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、景観イメージを損なわず、建物を取り巻くように設置されるフェンス類に適し、特に、フェンス類に必要となる有効な侵入防止機能を発揮し得るエキスパンションジョイント装置を提供することである。
前記の課題を解決するため、本発明は、複数の柵部材を接続して構成するフェンス類において、各柵部材に外力が加わり変位を生じたときにこれを吸収し、接続を維持するエキスパンションジョイント装置について、第1の設置箇所に設置した第1の支柱及び第2の設置箇所に設置した第2の支柱と、第1の支柱に基端部にて取り付けた第1の柵部材及び第1の柵部材の先端部と柵部材接続部分にて重なる先端部を有し、基端部にて第2の支柱に取り付けた第2の柵部材と、上下方向の長溝を持つ縦ガイド部及び左右方向の長溝を持つ横ガイド部とを具備しており、上記縦ガイド部又は横ガイド部の何れか一方を第1の柵部材の先端部側に設け、上記縦ガイド部又は横ガイド部の何れか他方を第2の柵部材の先端部側に設けるものとし、上記上下方向の長溝と、左右方向の長溝が交差する配置構成として、上記二つの長溝の交差点に、二つの長溝に沿って上下左右方向へ移動可能な可動軸を配置し、上記可動軸を結合手段として第1の設置箇所と第2の設置箇所相互の上下左右方向への移動を吸収可能に、第1の柵部材と第2の柵部材が接続されるように構成するという手段を講じたものである。
本発明におけるフェンス類は、複数の柵部材を接続して構成するものであり、具体的には第1の柵部材と第2の柵部材を最小の一組として構成される。第1の柵部材は第1の支柱に取り付けられ、第2の柵部材は第2の支柱に取り付けられる。第1の支柱は第1の設置箇所に設置され、第2の支柱は第2の設置箇所に設置されるが、第1の設置箇所は、例えば、隣接する建物の一方であり、第2の設置箇所は、例えば、隣接する建物の他方である。また、本発明は、地上に外構として設置されたフェンス又は類似の構築物についても適用し得るものであるから、第1の設置箇所及び第2の設置箇所は、同じ地所において隣接している二つの設置箇所も該当するということができる。要するに、本発明のジョイント装置は、異なる設置箇所に亘って或いは跨って設置される全ての場合に適用されるものである。
また、本発明の装置は、上下方向の長溝を持つ縦ガイド部及び左右方向の長溝を持つ横ガイド部を有している。上記縦ガイド部はZ軸つまり垂直方向の成分の変位を吸収するものであり、また、横ガイド部はX−Y平面内の変位を吸収する。これらの縦ガイド部又は横ガイド部の何れか一方を第1の柵部材の先端部側に設け、上記縦ガイド部又は横ガイド部の何れか他方を第2の柵部材の先端部側に設けるものとする。また、縦ガイド部材の上下方向の長溝と、横ガイド部材の左右方向の長溝が交差する配置構成として、上記二つの長溝の交差する部分に、二つの長溝に沿って上下左右方向へ移動可能な可動軸を配置するものとする。そして、上記可動軸を結合手段として、第1の設置箇所と第2の設置箇所相互の上下左右方向への移動を吸収可能に、第1の柵部材と第2の柵部材が接続されるように構成する。
上記縦ガイド部材の上下方向の長溝と、横ガイド部材の左右方向の長溝が交差し、上記長溝の交差する部分に1個の可動軸を配置することにより、可動軸が外力を受けて、上下方向の長溝と左右方向の長溝を自在に移動し、複雑な外力を吸収する。しかも、この可動軸は縦ガイド部材と横ガイド部材に対する結合手段であり、外力が働かない平素は複数の柵部材を接続して構成されるフェンス類の一部として機能する。また、縦ガイド部材及び横ガイド部材は、第1の柵部材と第2の柵部材の左右方向の幅に収まる長さであれば、任意の寸法に形成することが可能であり、従って、変位に対応する量を大きく設定することができる。
本発明のジョイント装置において、第1の柵部材と第2の柵部材は、それぞれの先端部側にて左右に重なっており、かつ、重なり部分にて、第1の柵部材と第2の柵部材が直線性を維持して平行移動可能であり、また、第1の柵部材と第2の柵部材の重なり部において、何れか一方の柵部材の先端部に対して何れか他方の柵部材の先端部側に、柵部材の重なり分だけ前後にずれた屈曲部を有していることにより、第1の柵部材の先端部と屈曲部との間に左右方向への吸収スペースが形成されるように設けることは、一つの望ましい構成態様である。これにより、本発明のジョイント装置に加わる左右方向の外力について作用線を一直線状に誘導し得るので、第1の柵部材と第2の柵部材が外力を受けて折れ曲がるようなこともない。
また、第1の柵部材の先端部は、第1の支柱と第2の支柱との間隔のほぼ中央部に達しており、第2の柵部材の先端部側は第1の柵部材の先端部側よりも長く、上記中央部を超える位置に伸びており、上記第1の柵部材の先端部における高さのほぼ2分の1の位置に縦ガイド部を設け、上記中央部を超える位置に伸びている第2の柵部材の先端部側における高さのほぼ2分の1の位置に横ガイド部を設け、それにより縦ガイド部と横ガイド部が第1の支柱と第2の支柱との間隔のほぼ中央部にて十字交差するように設けることも、望ましい構成態様である。縦ガイド部と横ガイド部が第1の支柱と第2の支柱との間隔及び高さのほぼ中央部にて十字交差させた構成ということは、第1及び第2の支柱間に1箇所のみから成るエキスパンションジョイント装置を設けることであるが、1箇所のエキスパンションジョイント装置であれば、外力の処理が単純化されることになり変位を吸収することがより容易になるであろう。また、第1の柵部材と第2の柵部材を結合するエキスパンションジョイント装置を複数個で構成しても良く、その場合には変位の吸収性に対して柵部材同士の一体性が優先されることになる。しかし、それは本発明の範囲内において、設置部分及び目的に応じて適宜設定することができる事項である。
本発明は以上のように構成されているので、複数の柵部材を接続して構成するフェンス類において、上下方向の長溝と、左右方向の長溝が交差する配置構成として、上記二つの長溝の交差点に、二つの長溝に沿って上下左右方向へ移動可能な可動軸を配置したので、各柵部材に外力が加わり平面内及び鉛直方向の変位を生じたときにおいても、これを吸収して、接続を維持し得るエキスパンションジョイント装置を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、景観イメージを損なわず、建物を取り巻くように設置されるフェンス類に適し、特に、フェンス類に必要となる有効な侵入防止機能を発揮し得るエキスパンションジョイント装置を提供することができる。
以下に、図示の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。図1は本発明に係るフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置10の一例を示すもので、第1の設置箇所11には第1の支柱13を設置し、第2の設置箇所12には第2の支柱14を設置した状態として図示されている。上記第1の設置箇所11は、例えば隣接する建物の一方であり、また、第2の設置箇所12は、例えば隣接する建物の他方であって、間には空間又は間隔34があり、従って、第1及び第2の設置箇所11、12はそれぞれ独立に振動し得るという状況を想定している。上記第1の設置箇所11と第2の設置箇所12は、建造物に限られず、例えば、地上の任意の二地点に設定された場所であっても良い。
実施形態における支柱13、14は、図1等に示したとおり左右対称であり、図示のとおり取り付け位置等が左右で相違するものの、備わるべきものは左右で一致している。そこで、左右各部材を必要により符号L、R等を付けて区別して説明する。各図において、左右の支柱13、14の上部に、建物部材側取り付け片15L、15Rと、ジョイント側取り付け片16L、16Rが上下に僅かな差を設けて左右に取り付けられ、支柱下部に、建物部材側取り付け片17L、17Rと、ジョイント側取り付け片18L、18Rが左右のほぼ同位置に設けられている。なお、支柱13、14は、支柱頂部13a、14aにおいて忍び返しのように内側に傾斜させてあり、これにより、防犯機能を高めている。
上下左右の建物部材側取り付け片15L、15R、17L、17Rに、ボルト止めで示した取り付け手段19L、19Rにより建物部材側柵部材35L、35Rが取り付けられている(図2ないし図4)。また、上下左右のジョイント側取り付け片16L、16R、18L、18Rには、同様のボルト止めで示される取り付け手段20L、20Rにより、第1の柵部材21、第2の柵部材22がそれぞれ取り付けられている。上記の取り付け手段19L、19R、20L、20Rは、第1の柵部材21、第2の柵部材22と建物部材側柵部材35L、35Rの並びを一直線状に保つ。
実施形態におけるエキスパンションジョイント装置10は、建物に設置されているフェンスの一部として設置されているものであるから、建物部材側取り付け片17L、17Rの建物側とは、上記の建物に設置されているフェンス側を意味する。従って、ジョイント側取り付け片18L、18Rのジョイント側とは、本発明のエキスパンションジョイント装置10のジョイント部材(本発明の装置におけるフェンス類を構成する複数の柵部材)の側を意味する。支柱13、14は、支柱基部13b、14bにおいて、第1の設置箇所11及び第2の設置箇所12の取り付け部11a、12aに設置されている。しかし、第1の設置箇所11と第2の設置箇所12が地上の任意の二地点である場合に、支柱13、14はそれぞれの位置の取り付け部11a、12aに設置される。何れにしても、上記第1の柵部材21と第2の柵部材22は、支柱13、14に固定され、かつ、その状態において、建物部材側柵部材35L、35Rとともに直線性を維持している。
本発明における第1の柵部材21は、その先端部が、第1の支柱13と第2の支柱との間隔のほぼ中央部に達する長さを有しており、これに対して、第2の柵部材22は、その先端部が、第1の柵部材21の先端部側よりも長く、上記中央部を超える位置にまで伸びている(図1、図2)。即ち、第1の柵部材21と第2の柵部材22は、それぞれの先端部側にて前後に重なっており、また、第1の柵部材21と第2の柵部材22の重なり部において、一方の柵部材21の先端部に対して他方の柵部材22の先端部側に、重なり分だけ前後にずらせることでクランク状に形成された屈曲部14cを有している。上記の構成によって、第1の柵部材13の先端部13cと第2の柵部材14の屈曲部14cとの間に左右方向への吸収スペースSが形成されることになる(図2、図7)。
第1の柵部材21は、左右に並んだ上下方向の縦桟23と、左右方向に延びる上下の横桟24A、24Bとを交叉状に組み合わせて構成されている。第2の柵部材22も、基本的には、左右に並んだ上下方向の縦桟25と、左右方向に延びる上下の横桟26A、26Bとを交叉状に組み合わせて構成されている(図11ないし図14を併せて参照の事)。また、縦桟23、25は、直状の本体部分に対して内方へ傾斜させた頂部23a、25aを有している。この頂部傾斜形状は、前記支柱13、14の側面形状と同様である(第2柵部材の頂部25aについては建物部材側の一部のみに設けられている)。横桟24A、24B、26A、26Bは、断面形状がT字型の型材を上部に、逆T字型にして下部にそれぞれ配置して形成されている(図5及び図6)。図5、6において、符号27A、27B、28A、28BはI字型々材から成る補強部材であり、屈曲部14cの補強のために設けられている。
図示の実施形態において、上下方向の長溝29を持つ縦ガイド部30及び左右方向の長溝31を持つ横ガイド部32は、上記第1の柵部材21の側に設けられている。図7ないし図10に詳細に図示されているとおり、縦ガイド部30は、第1の柵部材21の左右方向の先端部側にて、隣接する縦部材23、23に、溶接等の接合手段により取り付けられている(図7)。上記縦ガイド部30の位置は、第1の柵部材21の先端部において、高さのほぼ2分の1に設定されている。また、横ガイド部32は、第2の柵部材22の先端部側において、高さのほぼ2分の1の位置に、2個の縦部材25、25に溶接等の手段により取り付けられている(図7、図8)。よって、縦ガイド部30と横ガイド部32が第1の支柱13と第2の支柱14との間隔及び高さのほぼ中央部にて十字交差するように構成されていることになる。
実施形態に示された縦ガイド部30はコ字形の断面形状を有するチャネル状の部材から成り、横ガイド部32は横長の枠状の部材から成り、かつ、両端部に折り曲げ部を有するので細長いコ字形である。これらの縦ガイド部30と横ガイド部32は、それぞれのコ字形を背中合わせにした配置を取って、第1の柵部材21、第2の柵部材22に取り付けられている。縦ガイド部30と横ガイド部32の長溝29、31の長さはほぼ同程度に設定されており、また、上記長溝31の2分の1の長さは前記の吸収スペースSの左右方向の長さよりも短く設定されている。なお、一例であるが、縦ガイド部30と横ガイド部32の長溝29、31の長さは、図1に示した位置関係を基準としてプラスマイナス300mm余りとし、合計で600mm余りの移動を吸収できるような設定になっている。
このようにして、縦ガイド部30の上下方向の長溝29と、横ガイド部32の左右方向の長溝31が十字交差する配置構成を取り、上記長溝29、31の交差する部分に可動軸33が配置される。可動軸33は、図示の例では1個のボルト状の軸から成り、その軸を長溝29、31に通すとともに、所要のワッシャー34a、スペーサー34b及びナット34cを用いて、第1の柵部材21と第2の柵部材22が接続されるように構成されている。このように、上記可動軸33は、長溝29、31に沿って上下、左右方向へ移動可能な構成を具備する。なお、縦ガイド部30と横ガイド部32の間には、僅かな隙間gを設ける。
次に、上記の構成を有する本発明のフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置10の作用について、図面を参照して説明する。本発明のエキスパンションジョイント装置10は、図1に示した如く、第1の設置箇所11に第1の支柱13を設置し、第2の設置箇所12に第2の支柱14を設置し、第1の支柱13の側に第1の柵部材21を取り付け、また、第2の支柱14の側に第2の柵部材22を取り付け、第1の柵部材21と第2の柵部材22が、可動軸33を結合手段として、第1の設置箇所11と第2の設置箇所12の相互の上下左右方向への移動を吸収可能に、接続されている。また、第1及び第2の設置箇所11、12に設置されている第1の支柱13と第2の支柱14の箇所にて、建物部分のフェンスである柵部材35L、35Rとも接続されており、何の外力も働かないときには第1の柵部材21と第2の柵部材22が結合されていることにより、建物間においてもフェンスとして安全性や防犯上の役目を果たす。
本発明のエキスパンションジョイント装置10に対して、地震動等により、第1設置箇所11及び第2の設置箇所12に外力が伝わると、第1の支柱13と第2の支柱14に取り付けられている各柵部材21、22が外力により一の変位を生じて、上下左右及び前後方向へ相対的に移動することとなる。図11は移動例1を示しており、第1の柵部材21と第2の柵部材22が左右に離れて空間(または間隔)34が広がり、かつまた、相対的に第1の柵部材21が下がり、第2の柵部材22が上がって位置ずれを生じた状態を示している。即ち、本発明の装置10によれば、上記移動により水平面(XY平面)及び垂直面(Z軸方向)における変位が吸収される。前述の数値を例にすると、図11では第1の柵部材21又は第2の柵部材22が上下方向に約300mm移動し、また、左右方向には約300mm離間し、これらの移動が本発明のエキスパンションジョイント装置10により吸収されたことになる。
図12は、図11と逆の移動例2を示しており、第1の柵部材21と第2の柵部材22が接近して空間34が狭まり、かつまた、相対的に第1の柵部材21が上がり、第2の柵部材22が下がって位置ずれを生じた状態を示している。この移動により水平面(XY平面)及び垂直面(Z軸方向)における変位が吸収されるが、空間34が狭まることによって第2の柵部材22の一部22′が第1の設置箇所11に衝突する可能性を考慮する必要がある。このような場合を想定し、本発明では、柵部材22の一部22′に相当する逃げ部22aを予め設けておくことができ、また、空間34の大きさを勘案して左右方向の長溝31の長さを決定することにより、衝突を避けるか或いは損傷を軽微に止めることができる。なお、一般外構の場合、逃げ部を設ける必要性については、施工現場の状況に応じて決定される。
また、図13は上記第1設置箇所11及び第2の設置箇所12に外力が伝えられたときの、左右方向のみの移動に対する変位吸収を説明するものである。図13Bは図1に対応するもので、第1の柵部材21と第2の柵部材22が離間せず接近もしない基準状態を示している。図13Aは前記図11に対応する離間状態を、図13Cは図12に対応する接近状態を示しているが、それは第1の柵部材21と第2の柵部材22の位置関係の広がり又は狭まりから、吸収スペースSが広狭変化するので、視覚的にも容易に把握されるであろう。また、左右方向の変位は、図13において第1の柵部材21を固定した場合、第2の柵部材22の相対的移動として把握できることが分かるであろう。
図14は上記第1設置箇所11及び第2の設置箇所12に前後左右方向の外力が伝えられたときの、移動に対する変位吸収を説明するものである。図14Bにおいて、第1の柵部材21と第2の柵部材22は接近するとともに、前後にもずれを生じている。つまり、図14Aでは上記接近つまり左右方向のずれと前後方向のずれが合成され、本発明の装置10が斜めに変位しているが、このような複雑な移動を伴う場合においても、本発明の装置10によれば、可動軸33が長溝29、31を自在にスライドし、吸収スペースSが広狭変化し得るので、変形や破損を生じることはない。図14Bは第1の柵部材21と第2の柵部材22が離間するとともに、前後にもずれを生じている状態であるが、この場合にも接近時と同様の変位吸収効果を得られることは容易に理解されるであろう。
本発明は上記のように構成されており、隣接した建物同士にわたって設けてあるフェンスの部分に地震動が伝わる場合、一方の建物と他方の建物の振動特性が異なり、おのおののフェンスに生じる動きが異なっても、それぞれの建物に設置した第1の柵部材21と第2の柵部材22との間に、縦ガイド部30の上下方向の長溝29と、横ガイド部32の左右方向の長溝31が交差する配置構成とし、長溝29、31の交差する部分に上下左右方向へ移動可能な可動軸33を配置して結合しているので、変位を吸収することができる。従って、第1、第2の柵部材21、22同士が相互に干渉し合い、ぶつかりあったり破損したりすることを防止することができ、特に、修理が容易でないとか、修理に危険を伴う高層建築物等のフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置として好適であり、変位の吸収によりフェンス自体の損壊も防止可能であるから、損壊の結果、構成部材の落下等による二次災害も効果的に防止される。
本発明に係るフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置の一例を示す正面説明図である。 同上の装置における上面図である。 同じく第1の柵部材と建物部材左側柵部材との接続部を示す上面図である。 同じく第2の柵部材と建物部材右側柵部材との接続部を示す上面図である。 同じく第1の柵部材と第2の柵部材の関係を示すもので、Aは図2のVA−VA線断面図、BはVB−VB線断面図である。 同じく第1の柵部材と第2の柵部材の関係を示すもので、Aは図2のVIA−VIA線断面図、BはVIB−VIB線断面図である。 本発明のジョイント装置の要部を示すもので、縦ガイド部と横ガイド部の結合部を示す部分拡大上面図である。 同じくジョイント装置の要部を示すもので、縦ガイド部と横ガイド部の結合部を示す部分拡大正面図である。 同じくジョイント装置の要部を示すもので、図7のIX部分拡大図である。 同じくジョイント装置の要部を示すもので、縦ガイド部と横ガイド部の結合部を示す部分側面図である。 本発明に係るフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置の作用の例1を示す正面図である。 同じく作用の例2を示すとともに変形例を併記した正面説明図である。 同じく作用を示すもので、Aは第1の柵部材と第2の柵部材の離間状態を示す平面図、Bは左右方向の変位を生じていない基準状態の平面図、Cは第1の柵部材と第2の柵部材の接近状態を示す平面図である。 同じく作用を示すもので、Aは第1の柵部材と第2の柵部材が接近するとともに前後にずれを生じている状態の平面図、Bは第1の柵部材と第2の柵部材が離間するとともに前後にずれを生じている状態の平面図である。
10 本発明に係るフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置
11 第1の設置箇所
12 第2の設置箇所
13 第1の支柱
14 第2の支柱
15L、15R、17L、17R 建物部材側取り付け片
16L、16R、18L、18R ジョイント側取り付け片
19L、19R、20L、20R取り付け手段
21 第1の柵部材
22 第2の柵部材
23、25 縦桟
24A、24B、26A、26B 横桟
27A、27B
28A、28B
29 上下方向の長溝
30 縦ガイド部
31 左右方向の長溝
32 横ガイド部
33 可動軸
34 空間(または間隔)
35L、35R 建物部材側柵部材

Claims (3)

  1. 複数の柵部材を接続して構成するフェンス類において、各柵部材に外力が加わり変位を生じたときにこれを吸収し、接続を維持するエキスパンションジョイント装置であって、
    第1の設置箇所に設置した第1の支柱及び第2の設置箇所に設置した第2の支柱と、第1の支柱に基端部にて取り付けた第1の柵部材及び第1の柵部材の先端部と柵部材接続部分にて重なる先端部を有し、基端部にて第2の支柱に取り付けた第2の柵部材と、上下方向の長溝を持つ縦ガイド部及び左右方向の長溝を持つ横ガイド部とを具備しており、
    上記縦ガイド部又は横ガイド部の何れか一方を第1の柵部材の先端部側に設け、上記縦ガイド部又は横ガイド部の何れか他方を第2の柵部材の先端部側に設けるものとし、
    上記上下方向の長溝と、左右方向の長溝が交差する配置構成として、上記二つの長溝の交差点に、二つの長溝に沿って上下左右方向へ移動可能な可動軸を配置し、
    上記可動軸を結合手段として第1の設置箇所と第2の設置箇所相互の上下左右方向への移動を吸収可能に、第1の柵部材と第2の柵部材が接続されるように構成した
    フェンス類におけるエキスパンションジョイント装置。
  2. 第1の柵部材と第2の柵部材は、それぞれの先端部側にて前後に重なっており、かつ、重なり部分にて、第1の柵部材と第2の柵部材が直線性を維持して平行移動可能であり、また、第1の柵部材と第2の柵部材の重なり部において、何れか一方の柵部材の先端部に対して何れか他方の柵部材の先端部側に、柵部材の重なり分だけ前後にずれた屈曲部を有していることにより、第1の柵部材の先端部と屈曲部との間に左右方向への吸収スペースが形成されるように設けられている
    請求項1記載のフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置。
  3. 第1の柵部材の先端部は、第1の支柱と第2の支柱との間隔のほぼ中央部に達しており、第2の柵部材の先端部側は第1の柵部材の先端部側よりも長く、上記中央部を超える位置に伸びており、上記第1の柵部材の先端部における高さのほぼ2分の1の位置に縦ガイド部を設け、上記中央部を超える位置に伸びている第2の柵部材の先端部側における高さのほぼ2分の1の位置に横ガイド部を設け、それにより縦ガイド部と横ガイド部が第1の支柱と第2の支柱との間隔及び高さのほぼ中央部にて十字交差するように構成されている
    請求項2記載のフェンス類におけるエキスパンションジョイント装置。
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