JP6002427B2 - Led用基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
これら発光ダイオードの課題の一つとして、光取出し効率が低いことが挙げられる。発光ダイオードに使用される半導体材料は高屈折率のものが多く、空気との界面における全反射により、内部で発光した光の多くは素子から取り出すことができず、LEDの発光効率を低下させる大きな要因となっている。
また、上述した特許文献2には、発光層部よりも低い屈折率の光取出し膜を形成することにより、全反射による光取り出し効率の減少を緩和しているが、高い効果を得るには屈折率の異なる複数層を積層する必要があり、プロセスが煩雑であった。また、これらの対策だけでは、基板に対して広角で入射してくる光を取り出すことは出来なかった。
本発明は、このような高屈折率材料を用いるLEDにおいて、界面における全反射による光取り出し効率の低下に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、LEDの発光層から出射される光を高効率で外部に取り出すことができる光取出し膜を有するLED用基板及びその製造方法を提供することである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、かつ、前記光取出し膜が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、前記単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、該凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とする。
<単結晶基板>
基板は、発光波長に対して透明であれば、特に限定はされないが、具体的には、Al2O3、ZnO、AlN、GaN、GaP、GaAs、SiC、Si等が例示される。基板の厚みは、80μm〜1000μm程度である。より好ましくは、100μm〜800μmである。100μmより薄いと強度が低下し取り扱いが困難となり、800μmより厚いと、基板の吸収により光の取り出し効率が低下する恐れがある。
また、単結晶基板の半導体層を積層する面に、PSS基板のように凹凸を有していてもよい。また、光取出し膜の密着性向上を目的として、光取出し膜の成膜前に、酸処理、脱脂洗浄、アニール処理、UVオゾン洗浄等を実施する場合もある。
本発明の光取出し膜は、アルミニウム化合物を含む塗布液を原料とする。アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコレート、アルミニウムキレート、アルミニウム無機塩類などが挙げられる。
本発明で使用される塗布液を調整する際、必要に応じて加水分解用の水や加水分解反応や脱水縮合反応を促進させるための触媒を添加することができる。触媒の具体例としては、硝酸、塩酸、酢酸、硫酸などの酸や、アンモニアなどのアルカリが挙げられ、特にアルミニウムアルコレートを用いた場合の縮合触媒としては、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート、ビス(アセトキシジブチル錫)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチル錫)オキサイド、ジブチル錫ビスマレイン酸モノブチルエステル等の有機錫化合物が挙げられる。目標とする硬化時間に応じて、適正なものを選択することができる。添加量としては、アルミ原料1モルに対し、0.0001〜1モル程度である。
本発明の光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、そのナノオーダーランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されている。
アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするとは、少なくとも最表面はアルミナ塗布膜で構成されており、塗布膜のXRDプロファイルに、γ−アルミナ、α−アルミナに帰属される半値幅が0.3以下の結晶性ピークが存在しないものである。通常、XRDプロファイルには、アモルファスを示すハロー、あるいはベーマイト等のアルミナ水和物に帰属される低結晶性ピークが確認される。
ナノオーダーのランダム微細凹凸構造については、光取り出し膜付き基板の断面構造をFE−SEMを用いて10万倍にて撮影し、その画像中に確認される薄片状アルミナの10枚以上について、幅、長さ、厚みを測定して、それぞれを平均化したものが、幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの範囲に入っていることで確認することができる。
本発明の光取出し膜付き基板は、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を持つ事を特徴とする。凹凸の形状は特に制限は無く、リッジ形状および円錐、角錐、円錐台、角錐台、半球状等のさまざまな形状から選択することができる。また、斜面が直線ではなく曲線形状でも良い。凹形状、凸形状についても特に制限は無く、どちらも選択することができる。さまざまな入射角度の光を効率良く取り出せることから、特に円錐台の斜面が曲線形状のものが好ましい。また、ブラスト処理で得られるようなランダム形状でも良い。配置についても、三角格子、正方格子、ランダム配置の何れも選択することができる。
単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、この凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製する。
LEDの発光波長に対応した形状を有するモールドを準備する。モールド材料は、水分を保持する、あるいは透湿性能を有し、かつ、塗布液に用いる有機溶媒の吸収性能あるいは透過性能を有するものを用いる。例えば、塗布液の希釈溶媒として、アルコール類を用いる場合には、アクリル系樹脂が好適である。
単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、単結晶基板に、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いて、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、アルミ化合物を塗布して薄膜を形成し、この薄膜を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製する。
単結晶基板上に、レジストを塗布し、通常のフォトリソグラフィーあるいはインプリント等でパターンを形成し、それをマスクにしてウェットエッチングあるいはドライエッチングで目的とするパターンを形成する。あるいは、ブラスト処理などで適正な凹凸形状を設けても良い。
ウェットエッチングでパターンを形成する場合には、事前にエッチングマスクにするための材料を基板上に成膜した状態で、レジストを塗布してパターンを形成し、そのレジストパターンを元にマスクをウェットエッチングあるいはドライエッチング等で作製し、その後、基板をエッチングする。例えば、基板としてサファイアを用いてウェットエッチングを行う場合には、サファイア基板上にSiO2を5nmから500nm程度、更にCr、Al等を10nmから100nm程度、必要に応じてメタルの酸化防止のために更にSiO2を5nmから20nm程度成膜したものを準備する。
その後、パターンを形成した面上に本発明の塗布液を成膜する。成膜方法は、スピンコート、スプレーコート、ディップコート等が挙げられる。凹凸面に均一に塗布するためには、スピンコート、スプレーコート等が好ましい。また、塗布液が高粘度にならないように、使用溶媒や固形分濃度に注意が必要である。粘度が高すぎるとアルミナ膜の膜厚が厚くなり、表面の凹凸を埋めてしまう可能性があり、逆に低すぎると凸部の頂点部に被覆されない部分が生じることがある。塗布後、得られたゲル膜を乾燥する。常温で30分以上、必要に応じて加熱乾燥することも出来る。
ドライエッチングでパターンを形成する場合も、ウェットエッチングと同様、事前にエッチングマスクとするための材料を基板上に成膜した状態で、レジストを塗布してパターンを形成し、そのレジストパターンを元にマスクをドライエッチングで作製し、その後、続けて基板をエッチングする。例えば、基板としてサファイアを用いてドライエッチングを行う場合には、サファイア基板上にCr、Al、Ni等を10nmから100nm程度、必要に応じてメタルの酸化防止のために更にSiO2を5nmから20nm程度成膜したものを準備する。
(1)発光素子
図1は、本発明の実施例に係るLED用基板の断面模式図で、本発明で用いられる発光素子の構造例を示している。図中符号1は基板、2はバッファー層、3はn型半導体層、4は活性層(発光層)、5はp型半導体層、6はn電極、7はp電極、10は光取出し膜を示している。
基板1の表面上にバッファー層2を介してn型半導体層3が形成され、n型半導体層3上に発光層4が形成され、発光層4上にp型半導体層5が形成された積層構造からなる。発光層4とp型半導体層5の間に、電子ブロック層を設ける場合もある。発光層4及びp型半導体層(電子ブロック層)5の一部を除去して露出させたn型半導体層3上と、p型半導体層5上にn型電極6及びp型電極7を形成されてなる。光取り出し面は基板側である。
発光素子を形成する際、基板上に成長させる半導体としては、InxAlyGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体材料を用いることができる。また、半導体層は任意のドーパントを含んでいても良い。
また、p,n型電極としては、Ti/Al/Ni/Au、Ti/Al/Ti/Au、Ni/Au、Cr/Au、Ti/Auなどが用いられ、蒸着により形成される。更にパッシベーション膜及びパッド電極を作製した後、フリップチップ実装して評価に用いた。
<表面観察>
光取り出し膜付き基板を試料室に入る大きさに切断し、オスミウムをコーティングして超高分解能走査電子顕微鏡(日立製 S−5500)にて、加速電圧0.8kV、1万〜10万倍にて二次電子像を観察した。
<断面観察>
光取り出し膜付き基板を割断して断面試料を作製し、表面観察と同様の条件にて二次電子像を観察した。
深さ2mm試料台に22mm径、1mm厚みのサファイア板を敷いた上に粘土を少量載せた上に、光取出し膜付き基板を置いて高さ調整をしたものを測定試料とした。X線回折装置を用い、ターゲットとしてCuを用い、励起電圧40kV、励起電流40mAとし、スキャンスピード20.0°/min、サンプリング幅0.02°、走査範囲20.0〜80.0°、走査軸は2θ、固定角1.0°の条件で測定した。検出器には、高速1次元X線検出器D/teX Ultraを用いた。
(4)発光評価
実施例や比較例のLEDチップについて、積分球を用いて20mAの順方向電流を流したときの出力を測定した。比較例1の結果を基準とした相対値として、得られた結果を図9にグラフで示した。
図9は、本発明の実施例1乃至4及び比較例2(発光波長:265nm)の出力について比較例1を基準としてグラフに示した図である。
本発明の光取り出し膜付き基板を用いた発光素子作製におけるプロセス例を以下に示す。但し、サファイア基板のウェットエッチング等加工条件が過酷な場合については、下記の3)のように素子作製前にエッチング加工を実施する場合もある。
まず、LED素子の作製を行う。必要に応じて素子を保護した後、モールドを用いてミクロンオーダーの賦形を行う。熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
2)エッチングを用いた賦形の場合(その1)
まず、LED素子の作製を行う。必要に応じて素子を保護した後、エッチングにてミクロンオーダーの賦形を行う。アルミナ膜を塗布し、熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
3)エッチングを用いた賦形の場合(その2)
まず、エッチングにてミクロンオーダーの賦形を行う。LED素子を作製し、必要に応じて素子を保護した後、アルミナ膜を塗布する。熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
Siウェハー上にメタルマスクとしてCr50nm、SiO210nmをスパッタにて成膜したものを準備し、110℃で1分間脱水処理をした後、住友化学製フォトレジスト(PFI−38A7)を2500rpm、30sec条件にてスピンコートし、ホットプレートを用いて90℃で1分間のプリベーク処理を行った。その後、i線ステッパーにて、1.5ミクロンピッチで1.0ミクロン径の丸形状のパターンを露光し、110℃で1分間のベーク処理を実施後、NMD−3を用いて現像処理し、Siウェハー上にレジストパターンを作製し、その後、150℃で15分のポストベーク処理を実施した。
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側について、UVオゾン洗浄機にて、10分間洗浄処理を実施した。その後、半導体面に素子面保護のため、レジストを塗布した。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.2モルと、メタノール0.36モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な淡黄色透明溶液を得た。
前処理した基板上に塗布液を供給した後、モールドを静かにのせてローラーにて押し付けて、両者を密着させた。モールドの反りを抑えるため、周囲に重りをのせて、常温にて塗布液が硬化するまで、5日間静置した。硬化したらモールドを剥離して、常温にて5時間程乾燥させて、さらに常温にて3日間エージングして、アモルファスアルミナによる凹凸を形成した基板を得た。
<ナノオーダーランダム微細凹凸構造形成>
上述した凹凸を形成した基板を、100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成した。最後に半導体面を保護していたレジストをアセトンにて取り除き、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
<基板準備>
c面サファイア200ミクロン厚み、両面研磨品を準備し、脱脂洗浄後、その光取り出し面側にRFスパッタにてSiO2を300nm、DCスパッタにてCrを50nm、更にRFスパッタにてSiO210nmをマスク材料として成膜した。
<ウェットエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、1.5ミクロンピッチ、0.6ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板に、2000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥して、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
<基板準備>
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側に、DCスパッタにてCrを150nm、更にRFスパッタにてSiO220nmをマスク材料として成膜した。
<ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、1.5ミクロンピッチ、1.0ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
150℃で15分間ポストベークした後、ドライエッチング装置(ULVAC製(NE−550)にて、CHF3流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:80秒 条件の後、Cl2/O2流量:10/10sccm、圧力:0.75Pa、アンテナ電力:100W、バイアス電力:50W、処理時間:350秒でエッチング処理を実施し、Crマスクを作成した。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板に5000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、サファイアの光取り出し面について、ブラスト処理をRaとして2.0ミクロンを目標に実施し、パターン付き基板を得た。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板にUV洗浄処理を実施した後、2000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付きLED素子基板を用いた深紫外LED素子得た。
実施例2における1.5ミクロンピッチ、0.6ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを2.5ミクロンピッチ、0.8ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンに変更し、更に作成する素子を発光波長450nmに変更した以外は実施例2と同様にして、光取り出し膜付き基板を用いた青色LED素子を得た。
GaN系青色発光のLED素子基板(発光波長:450nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側に、DCスパッタにてCrを300nm、更にRFスパッタにてSiO220nmをマスク材料として成膜した。
<ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、2.5ミクロンピッチ、2.0ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
以降、塗布液作製、光取出し膜作製については、実施例3と同様にして、光取り出し膜付き基板を用いた青色LED素子を得た。
[比較例1]
基板の光取り出し面側への加工を全く実施しないで、発光波長265nm及び450nmのLED素子を作製した。
[比較例2]
実施例3,7において、ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形を実施しないで、発光波長265nm及び450nmのLED素子を作製した。
2 バッファー層
3 n型半導体層
4 活性層(発光層)
5 p型半導体層
6 n電極
7 p電極
10 光取出し膜
Claims (5)
- Al 2 O 3 またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、
前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、
該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、
かつ、前記単結晶基板が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とするLED用基板。 - 単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、
前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、
該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、
かつ、前記光取出し膜が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とするLED用基板。 - 前記単結晶基板が、アルミ化合物であることを特徴とする請求項2に記載のLED用基板。
- 単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、
前記単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化
後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1
〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、該凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱
処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とする
ナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とするLED用基板の製造方
法。 - Al 2 O 3 またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、
前記単結晶基板に、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いて、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、アルミ化合物を塗布して薄膜を形成し、該薄膜を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とするLED用基板の製造方法。
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