JP6002427B2 - Led用基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、LED用基板及びその製造方法に関し、より詳細には、光取出し効率向上のために光取出し膜を有するLED用基板及びその製造方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED)は、紫外領域、可視領域、赤外領域と幅広い波長範囲での発光が実現され、紫外領域は殺菌や樹脂硬化など、可視領域は照明及びディスプレイなど、赤外領域は赤外線通信や不正侵入監視用光源などに用いられ、長寿命で省電力という特徴を活かして、順調にその需要を伸ばしている。
これら発光ダイオードの課題の一つとして、光取出し効率が低いことが挙げられる。発光ダイオードに使用される半導体材料は高屈折率のものが多く、空気との界面における全反射により、内部で発光した光の多くは素子から取り出すことができず、LEDの発光効率を低下させる大きな要因となっている。
そこで、光取出し効率を向上させるための手段として、取出し面に光の波長よりも小さい微細凹凸構造を付与する(例えば、特許文献1参照)、あるいは屈折率の異なる膜を順次積層することにより、屈折率を連続的に変化させて界面での反射を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。更なる光取出し効率向上を目指し、広角入射した光を、その光の波長よりも大きい凹凸構造の斜面を利用して取り出す方法と前述の屈折率の異なる界面での反射を低減させる方法を組み合わせたダブルテキスチャー構造も提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、自発的微細凹凸構造を実現するアルミナ膜の低温形成法も提案されている(例えば、特許文献4,5参照)。
特開2003−218383号公報 特開2003−168822号公報 特開2010−45288号公報 特開平09−202649号公報 特開2001−17907号公報(特許4247354号)
しかしながら、上述した特許文献1では、光取り出し面上に大きさの異なる凸部が錐体形状である微細凹凸を形成することにより、全反射の影響で低下する光取り出し効率の向上を図っているが、ブロックコポリマーを用いてのエッチング処理は、サファイアのような硬い材料を加工するには処理に時間がかかり、素子へのダメージも懸念される。
また、上述した特許文献2には、発光層部よりも低い屈折率の光取出し膜を形成することにより、全反射による光取り出し効率の減少を緩和しているが、高い効果を得るには屈折率の異なる複数層を積層する必要があり、プロセスが煩雑であった。また、これらの対策だけでは、基板に対して広角で入射してくる光を取り出すことは出来なかった。
また、上述した特許文献3では、レーザービームあるいは乾式エッチングにより開口径1ミクロン以上50ミクロン以下、孔深さ0.5ミクロン以上25ミクロン以下の凹部を分散形成した後、該凹部の内部に異方性エッチングにより面粗し突起部を形成した発光素子が提案されているが、面粗し突起部の形成は異方性エッチング液に素子を浸漬して実施するため、素子の金属電極に覆われていない全ての表面に容易に形成が可能である反面、結晶面により異なる形状が形成される可能性が高く、必ずしも適正な凹凸を形成できない場合もあり、エッチング液は危険性の高い薬剤の使用が必要であった。
また、上述した特許文献4には、アルミニウムアルコキシドと安定化剤からなる塗布液にてアモルファスアルミナ膜を成膜し、乾燥後、600℃以下で焼成、更に50℃から100℃の熱水中に浸漬して、微小な孔状の空隙を持つ比表面積の高い花弁状透明アルミナ膜を基材上に形成した、透視性、含浸性、担持性、拘持性に優れた下地層あるいは反射低減膜が提案されている。
更に、上述した他特許文献5には、アルミニウム化合物の皮膜を形成した後、熱処理をすることなく、温水に浸漬することで、同様の花弁状透明アルミナ膜を形成する方法が提案されているが、何れも発光素子の光取り出しへの応用検討はなされていない。
本発明は、このような高屈折率材料を用いるLEDにおいて、界面における全反射による光取り出し効率の低下に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、LEDの発光層から出射される光を高効率で外部に取り出すことができる光取出し膜を有するLED用基板及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討した結果、半導体基板上に光取出し膜を有し、その最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を有し、かつ、単結晶基板あるいは光取り出し膜にミクロンオーダーの凹凸を有する、特異的なダブルテキスチャー構造を実現した基板が、基板にさまざまな角度で入射する光に対して、非常に高い透過率を実現することを見出し、本発明に至った。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、Al またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、かつ、前記単結晶基板あるいは光取出し膜が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、かつ、前記光取出し膜が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記単結晶基板が、アルミ化合物であることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、前記単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、該凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、Al またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、前記単結晶基板に、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いて、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、アルミ化合物を塗布して薄膜を形成し、該薄膜を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とする。
本発明によれば、単結晶基板の光出射側に、最表面がアモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーの微細ランダム凹凸構造からなり、このナノオーダー微細ランダム構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、かつ、単結晶基板あるいは光取出し膜が、発光波長の4倍〜10倍ピッチ、また、発光波長の1倍〜5倍高さの繰り返し凹凸構造の光取出し膜を形成することにより、LEDの発光層から出射される光を高効率で外部に取り出すことが可能となる。
本発明の実施例に係るLED用基板の断面模式図である。 本発明の実施例2に係るLED用基板の表面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例2に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例3に係るLED用基板の表面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例3に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例6に係わるLED用基板の表面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例6に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。 本発明の実施例に係る光取出し膜部分のXRDプロファイル例を示す図である。 本発明の実施例1乃至4及び比較例2(発光波長:265nm)の出力について比較例1を基準としてグラフに示した図である。
以下、本発明に係る光取出し膜を有するLED用基板及びその製造方法の実施形態について説明する。
<単結晶基板>
基板は、発光波長に対して透明であれば、特に限定はされないが、具体的には、Al、ZnO、AlN、GaN、GaP、GaAs、SiC、Si等が例示される。基板の厚みは、80μm〜1000μm程度である。より好ましくは、100μm〜800μmである。100μmより薄いと強度が低下し取り扱いが困難となり、800μmより厚いと、基板の吸収により光の取り出し効率が低下する恐れがある。
また、基板は、初めから目標の厚みのものを使用しても良いし、LED素子構造作製後、光取出し膜構造形成前に研磨にて厚みを調整しても良い。材料は積層される発光層の結晶性を損なわない材料が選択されることはもちろんであるが、本発明の光取出し膜は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするため、該光取出し膜界面の密着性および耐久性の観点で、アルミ化合物であるAl3、あるいはAlN等が好ましい。
また、単結晶基板の半導体層を積層する面に、PSS基板のように凹凸を有していてもよい。また、光取出し膜の密着性向上を目的として、光取出し膜の成膜前に、酸処理、脱脂洗浄、アニール処理、UVオゾン洗浄等を実施する場合もある。
<光取出し膜の原料>
本発明の光取出し膜は、アルミニウム化合物を含む塗布液を原料とする。アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコレート、アルミニウムキレート、アルミニウム無機塩類などが挙げられる。
具体的には、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウム−n−ブチレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウム−tert−ブチレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。使用する溶媒への溶解性や、基板への成膜性に応じて、適切なものを選択して使用することが出来る。また、2種類以上を混合して使用することも出来る。
アルミニウムアルコレートは、加水分解速度が速いため、溶液の白濁や沈殿を生じやすい。そのため、アルミニウムアルコレートを原料とする場合、通常、安定化剤が併用される。具体的には、アセチルアセトネート、トリフルオロアセチルアセトネートなどのβ−ジケトン化合物類、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、n-プロピルアセトアセテート、イソプロピルアセトアセテートなどのβ-ケトエステル化合物類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン類を挙げることができる。安定化剤の添加量は、アルミニウムアルコレート1モルに対し、0.5〜2モル程度が好ましい。
塗布液は、必要に応じて希釈溶媒を用いて、適正な粘度、濃度に調整する。希釈溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノールなどのアルコール類や、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン等の炭化水素類が用いられる。溶液安定性や取扱いの容易性からアルコール類が好ましく、特に、製造法にてモールド成型する場合には、樹脂に対する溶剤透過性の観点からも、アルコール類が好ましい。
溶媒の添加量は、アルミニウム原料1モルに対し、1〜160モル程度が好ましい。単結晶基板側に凹凸を形成する場合には、成膜性および性能の観点から希薄溶液が好ましく、30〜160モル程度が選択される。一方、光取出し膜側に凹凸を賦形する場合には、その凹凸の高さに応じて調整が必要だが、1〜40モル程度が選択される。
本発明で使用される塗布液を調整する際、必要に応じて加水分解用の水や加水分解反応や脱水縮合反応を促進させるための触媒を添加することができる。触媒の具体例としては、硝酸、塩酸、酢酸、硫酸などの酸や、アンモニアなどのアルカリが挙げられ、特にアルミニウムアルコレートを用いた場合の縮合触媒としては、ジブチル錫アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ジラウレート、ビス(アセトキシジブチル錫)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチル錫)オキサイド、ジブチル錫ビスマレイン酸モノブチルエステル等の有機錫化合物が挙げられる。目標とする硬化時間に応じて、適正なものを選択することができる。添加量としては、アルミ原料1モルに対し、0.0001〜1モル程度である。
また、塗布膜の亀裂抑制や屈折率調整を目的に、塗布液に微粒子を混ぜることが出来る。具体的にはアルミナやシリカ、ジルコニア、チタニア、窒化アルミニウム等のナノ粒子が用いられる。水や有機溶媒に分散したゾル液を用いても良いし、粒子を塗布液中に混ぜて分散させても良い。LEDの発光波長に応じて、吸収や反射による影響が出ない範囲の材料を選択し、アルミナ膜形成を阻害しない範囲で原料塗布液に分散させる。微粒子として塗布液全体の0.1〜50wt%、水分散ゾルを用いる場合には、塗布液の加水分解を促進する可能性があるので、持ち込み水分量に注意する必要がある。塗布液に用いた希釈溶媒と同じものを用いると扱いやすい。
<光取出し膜の最表面形態>
本発明の光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、そのナノオーダーランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されている。
アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするとは、少なくとも最表面はアルミナ塗布膜で構成されており、塗布膜のXRDプロファイルに、γ−アルミナ、α−アルミナに帰属される半値幅が0.3以下の結晶性ピークが存在しないものである。通常、XRDプロファイルには、アモルファスを示すハロー、あるいはベーマイト等のアルミナ水和物に帰属される低結晶性ピークが確認される。
図8は、本発明の実施例に係る光取出し膜部分のXRDプロファイル例を示す図である。
ナノオーダーのランダム微細凹凸構造については、光取り出し膜付き基板の断面構造をFE−SEMを用いて10万倍にて撮影し、その画像中に確認される薄片状アルミナの10枚以上について、幅、長さ、厚みを測定して、それぞれを平均化したものが、幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの範囲に入っていることで確認することができる。
測定については、薄片1枚の全体像が確認出来ているものを優先し、幅、長さ、厚みそれぞれは、必ずしも同じ薄片の数値である必要はない。各要素が測定しやすいものを10枚以上測定して平均化する。また、薄片と基板の間に薄片を支持する粒子層が確認される場合があるが、その部分については、上述薄片状物の計測には含まない。
<ミクロンオーダーの凹凸形状>
本発明の光取出し膜付き基板は、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を持つ事を特徴とする。凹凸の形状は特に制限は無く、リッジ形状および円錐、角錐、円錐台、角錐台、半球状等のさまざまな形状から選択することができる。また、斜面が直線ではなく曲線形状でも良い。凹形状、凸形状についても特に制限は無く、どちらも選択することができる。さまざまな入射角度の光を効率良く取り出せることから、特に円錐台の斜面が曲線形状のものが好ましい。また、ブラスト処理で得られるようなランダム形状でも良い。配置についても、三角格子、正方格子、ランダム配置の何れも選択することができる。
<光取出し膜の製造方法1>
単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、この凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製する。
本発明の光取出し膜の製造方法のうち、光取出し膜側に発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成する場合について説明する。
LEDの発光波長に対応した形状を有するモールドを準備する。モールド材料は、水分を保持する、あるいは透湿性能を有し、かつ、塗布液に用いる有機溶媒の吸収性能あるいは透過性能を有するものを用いる。例えば、塗布液の希釈溶媒として、アルコール類を用いる場合には、アクリル系樹脂が好適である。
単結晶基板とモールド間に塗布液を配し、ローラー等でラミネートすることにより単結晶基板とモールドを密着させ、塗布液の溶媒揮発及び加水分解、重縮合反応が進んでゲル化しモールドが剥離できるまで静置する。剥離までの時間を短縮するために、熱や光、電磁波等でエネルギーを与えることも出来るが、塗布直後の加熱等の処理は、光取出し膜への亀裂発生を誘発するため、少なくとも常温にて10分以上静置した後が好ましい。モールドの剥離までの時間は、光取出し膜の形状、厚みやモールドの材質、塗布液の組成で前後するが、常温硬化においては、8時間から1週間程度が目安である。加熱処理する場合には、アモルファスアルミナとするために600℃以下、また、モールド材料の耐熱性も考慮して、モールド材料が変形を伴わない領域にて実施する。
モールドを剥離した後、得られた凹凸を持つゲル膜を乾燥する。常温で30分以上、必要に応じて加熱乾燥することも出来る。その後、最表面にナノオーダーの微細ランダム凹凸構造を形成するために、基材ごと水中あるいは大気中にて加熱処理を実施する。例えば、水中処理する場合には、温水への浸漬処理が好ましく用いられ、その場合の温水の温度は、50℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃である。
浸漬時間は塗布膜の膜厚と温水温度によるが、5分から24時間程度である。その後、室温乾燥あるいは加熱乾燥を実施し、光取出し膜付き基板を得る。また、大気中で処理する場合には、400℃から600℃での焼成処理や、蒸気処理等が用いられる。光取出し膜の付与は、LED構造を作成する前でも後でも良いが、LED構造作成後の場合には、高温での処理は素子へのダメージを与える可能性があるため、水中での加熱処理や蒸気処理が好ましい。
塗布液中に安定化剤を添加、あるいはキレート化したアルコキシド等を用いた場合、紫外領域に大きな吸収を持つ場合がある。この吸収はアルミニウムキレートに由来し、重縮合が完了して副産物が全て揮発等で抜ければ見られなくなる。水中での加熱処理は、副産物を早期に膜から排出させるのに役立つことから、吸収帯と発光波長が重なる場合には、特に水中での加熱処理が好ましい。
また、膜厚に応じて、水中加熱処理を実施するまでにエージング期間を設けることにより、処理後の膜における吸収の影響を防ぐことができる。例えば、最大膜厚が800nm程度のパターンの場合には、離型後、3〜7日程度のエージング期間を設けると効果的である。しかし、処理後の時点で吸収が残っていてもその後、保管中に徐々に吸収は減少し、約一ヶ月後にはほとんど見られなくなる。
<光取出し膜の製造方法2>
単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、単結晶基板に、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いて、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、アルミ化合物を塗布して薄膜を形成し、この薄膜を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製する。
本発明の光取出し膜の製造方法のうち、単結晶基板側に発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成する場合について説明する。
単結晶基板上に、レジストを塗布し、通常のフォトリソグラフィーあるいはインプリント等でパターンを形成し、それをマスクにしてウェットエッチングあるいはドライエッチングで目的とするパターンを形成する。あるいは、ブラスト処理などで適正な凹凸形状を設けても良い。
ブラスト処理にて凹凸を形成する場合には、Raとして0.5ミクロンから2.0ミクロンの範囲を狙って条件設定するのが好ましい。0.5ミクロンより小さいと凹凸が浅すぎて効果を得にくく、2.0ミクロンより大きくなると基板の反り等の問題が発生しやすくなるため、好ましくない。
ウェットエッチングでパターンを形成する場合には、事前にエッチングマスクにするための材料を基板上に成膜した状態で、レジストを塗布してパターンを形成し、そのレジストパターンを元にマスクをウェットエッチングあるいはドライエッチング等で作製し、その後、基板をエッチングする。例えば、基板としてサファイアを用いてウェットエッチングを行う場合には、サファイア基板上にSiOを5nmから500nm程度、更にCr、Al等を10nmから100nm程度、必要に応じてメタルの酸化防止のために更にSiOを5nmから20nm程度成膜したものを準備する。
これらの成膜方法は、スパッタ法やCVD法などが挙げられる。目標とするエッチング深さに応じて、選択比を考慮して適正なマスク材料及び膜厚を選択する必要がある。通常のフォトリソグラフィーあるいはナノインプリントリソグラフィーにてパターンを形成後、例えば、フッ素系ガスのドライエッチングでレジストをマスクにしてSiOマスクを作製し、続いて塩素系の混合ガスでSiOをマスクにしてメタルマスクを作製し、次にそのメタルをマスクにしてフッ素系ガスにてSiOマスクを作製し、最終的にはそのSiOをマスクにして、サファイアをウェットエッチングする。
サファイアのエッチング液としては、熱リン酸、熱リン酸と熱硫酸の混合液等を用いることが出来る。温度は200℃から300℃、時間は5分から60分程度で、エッチング深さにより適正条件を選択する。
その後、パターンを形成した面上に本発明の塗布液を成膜する。成膜方法は、スピンコート、スプレーコート、ディップコート等が挙げられる。凹凸面に均一に塗布するためには、スピンコート、スプレーコート等が好ましい。また、塗布液が高粘度にならないように、使用溶媒や固形分濃度に注意が必要である。粘度が高すぎるとアルミナ膜の膜厚が厚くなり、表面の凹凸を埋めてしまう可能性があり、逆に低すぎると凸部の頂点部に被覆されない部分が生じることがある。塗布後、得られたゲル膜を乾燥する。常温で30分以上、必要に応じて加熱乾燥することも出来る。
その後、最表面にナノオーダーの微細ランダム凹凸構造を形成するために、基材ごと温水に浸漬する。この場合の温水の温度は、50℃〜100℃、好ましくは80℃〜100℃である。浸漬時間は塗布膜の膜厚と温水温度によるが、5分から24時間程度である。その後、室温乾燥あるいは加熱乾燥を実施し、光取出し膜付き基板を得る。
ドライエッチングでパターンを形成する場合も、ウェットエッチングと同様、事前にエッチングマスクとするための材料を基板上に成膜した状態で、レジストを塗布してパターンを形成し、そのレジストパターンを元にマスクをドライエッチングで作製し、その後、続けて基板をエッチングする。例えば、基板としてサファイアを用いてドライエッチングを行う場合には、サファイア基板上にCr、Al、Ni等を10nmから100nm程度、必要に応じてメタルの酸化防止のために更にSiOを5nmから20nm程度成膜したものを準備する。
これらの成膜方法は、スパッタ法やCVD法などが挙げられる。目標とするエッチング深さに応じて、選択比を考慮して適正なマスク材料および膜厚を選択する必要がある。通常のフォトリソグラフィーあるいはナノインプリントリソグラフィーにてパターンを形成後、フッ素系と塩素系の混合ガスを使用したドライエッチングにて、レジストをマスクにしてまずはメタルマスクを作製し、そのメタルをマスクにして塩素系ガスを用いてサファイアをドライエッチングする。その後、前述したウェットエッチング品と同様の手法にて、パターン形成基板上に光取出し膜を作製する。
以下、本発明を実施例と比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの範囲に限定されない。
本発明で用いられる発光素子の構造や評価法等は、以下のとおりである。
(1)発光素子
図1は、本発明の実施例に係るLED用基板の断面模式図で、本発明で用いられる発光素子の構造例を示している。図中符号1は基板、2はバッファー層、3はn型半導体層、4は活性層(発光層)、5はp型半導体層、6はn電極、7はp電極、10は光取出し膜を示している。
基板1の表面上にバッファー層2を介してn型半導体層3が形成され、n型半導体層3上に発光層4が形成され、発光層4上にp型半導体層5が形成された積層構造からなる。発光層4とp型半導体層5の間に、電子ブロック層を設ける場合もある。発光層4及びp型半導体層(電子ブロック層)5の一部を除去して露出させたn型半導体層3上と、p型半導体層5上にn型電極6及びp型電極7を形成されてなる。光取り出し面は基板側である。
本発明は、単結晶基板1の光出射面側に光取出し膜10を有するLED用基板である。光取出し膜10の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、このランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、かつ、単結晶基板1あるいは光取出し膜10が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有する。
用いる基板は、窒化ガリウム系化合物半導体層を成長できるものを用いる。例えば、Al、ZnO、AlN、GaN、GaP、GaAs、SiC、Si等を挙げることができる。特にAl、AlNは本発明の光取出し膜との相性が良く、紫外、深紫外域における透過率が高いため、より好ましい。
発光素子を形成する際、基板上に成長させる半導体としては、InAlGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体材料を用いることができる。また、半導体層は任意のドーパントを含んでいても良い。
また、n型不純物としては、Si、Ge、Se、Te、C等、p型不純物としては、Mg、Zn、Be、Ca、Sr、Ba等を用いることができる。半導体層の形成方法は特に限定されないが、MOCVD法、MOVPE法、MBE法、HVPE法等で形成することができる。
また、p,n型電極としては、Ti/Al/Ni/Au、Ti/Al/Ti/Au、Ni/Au、Cr/Au、Ti/Auなどが用いられ、蒸着により形成される。更にパッシベーション膜及びパッド電極を作製した後、フリップチップ実装して評価に用いた。
(2)光取り出し膜形態観察
<表面観察>
光取り出し膜付き基板を試料室に入る大きさに切断し、オスミウムをコーティングして超高分解能走査電子顕微鏡(日立製 S−5500)にて、加速電圧0.8kV、1万〜10万倍にて二次電子像を観察した。
<断面観察>
光取り出し膜付き基板を割断して断面試料を作製し、表面観察と同様の条件にて二次電子像を観察した。
(3)XRD測定
深さ2mm試料台に22mm径、1mm厚みのサファイア板を敷いた上に粘土を少量載せた上に、光取出し膜付き基板を置いて高さ調整をしたものを測定試料とした。X線回折装置を用い、ターゲットとしてCuを用い、励起電圧40kV、励起電流40mAとし、スキャンスピード20.0°/min、サンプリング幅0.02°、走査範囲20.0〜80.0°、走査軸は2θ、固定角1.0°の条件で測定した。検出器には、高速1次元X線検出器D/teX Ultraを用いた。
(4)発光評価
実施例や比較例のLEDチップについて、積分球を用いて20mAの順方向電流を流したときの出力を測定した。比較例1の結果を基準とした相対値として、得られた結果を図9にグラフで示した。
図9は、本発明の実施例1乃至4及び比較例2(発光波長:265nm)の出力について比較例1を基準としてグラフに示した図である。
(5)プロセス例
本発明の光取り出し膜付き基板を用いた発光素子作製におけるプロセス例を以下に示す。但し、サファイア基板のウェットエッチング等加工条件が過酷な場合については、下記の3)のように素子作製前にエッチング加工を実施する場合もある。
1)モールドを用いた賦形の場合
まず、LED素子の作製を行う。必要に応じて素子を保護した後、モールドを用いてミクロンオーダーの賦形を行う。熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
2)エッチングを用いた賦形の場合(その1)
まず、LED素子の作製を行う。必要に応じて素子を保護した後、エッチングにてミクロンオーダーの賦形を行う。アルミナ膜を塗布し、熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
3)エッチングを用いた賦形の場合(その2)
まず、エッチングにてミクロンオーダーの賦形を行う。LED素子を作製し、必要に応じて素子を保護した後、アルミナ膜を塗布する。熱処理を行い、最表面にナノオーダー凹凸を作製する。
<モールド作製>
Siウェハー上にメタルマスクとしてCr50nm、SiO10nmをスパッタにて成膜したものを準備し、110℃で1分間脱水処理をした後、住友化学製フォトレジスト(PFI−38A7)を2500rpm、30sec条件にてスピンコートし、ホットプレートを用いて90℃で1分間のプリベーク処理を行った。その後、i線ステッパーにて、1.5ミクロンピッチで1.0ミクロン径の丸形状のパターンを露光し、110℃で1分間のベーク処理を実施後、NMD−3を用いて現像処理し、Siウェハー上にレジストパターンを作製し、その後、150℃で15分のポストベーク処理を実施した。
得られたレジストパターンをマスクにして、ドライエッチング装置(ULVAC製(NE−550)にて、CHF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:60秒 条件の後、Cl/O流量:10/10sccm、圧力:0.75Pa、アンテナ電力:100W、バイアス電力:50W、処理時間:150秒でエッチング処理を実施し、Crマスクを作成した。その後、Crをマスクにして、CF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:900秒 条件でSiをエッチング処理し、Siスタンパーを得た。
UV硬化樹脂を100ミクロンのTACフィルムに10ミクロンの厚みで塗布し、表面に前述のSiスタンパーを押し付けて、TACフィルム側から紫外線を照射して硬化させて、樹脂モールドを作製した。
<基板準備>
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側について、UVオゾン洗浄機にて、10分間洗浄処理を実施した。その後、半導体面に素子面保護のため、レジストを塗布した。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.2モルと、メタノール0.36モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な淡黄色透明溶液を得た。
<ソフトモールドによるミクロンオーダー凹凸賦形>
前処理した基板上に塗布液を供給した後、モールドを静かにのせてローラーにて押し付けて、両者を密着させた。モールドの反りを抑えるため、周囲に重りをのせて、常温にて塗布液が硬化するまで、5日間静置した。硬化したらモールドを剥離して、常温にて5時間程乾燥させて、さらに常温にて3日間エージングして、アモルファスアルミナによる凹凸を形成した基板を得た。
<ナノオーダーランダム微細凹凸構造形成>
上述した凹凸を形成した基板を、100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成した。最後に半導体面を保護していたレジストをアセトンにて取り除き、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
図2は、本発明の実施例2に係るLED用基板の表面SEM写真を示す図で、図3は、本発明の実施例2に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。
<基板準備>
c面サファイア200ミクロン厚み、両面研磨品を準備し、脱脂洗浄後、その光取り出し面側にRFスパッタにてSiOを300nm、DCスパッタにてCrを50nm、更にRFスパッタにてSiO10nmをマスク材料として成膜した。
<ウェットエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、1.5ミクロンピッチ、0.6ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
150℃で15分間ポストベークした後、ドライエッチング装置(ULVAC製(NE−550)にて、CHF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:60秒 条件の後、Cl/O流量:10/10sccm、圧力:0.75Pa、アンテナ電力:100W、バイアス電力:50W、処理時間:150秒でエッチング処理を実施し、Crマスクを作成した。更にCF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:850秒を用いてSiOマスクを作製した。
得られたSiOマスク付き基板を、濃燐酸:濃硫酸=1:3(体積比)で混合し、250℃に加温したエッチング液中に浸漬し、30分間エッチングした後、純水にて洗浄した。得られた基板をバッファードフッ酸に7分間浸漬後、純水で充分洗浄して、SiOマスクをエッチング除去し、パターン付き基板を得た。このパターン付き基板を用い、パターンをつけた面の反対側にAlGaN系深紫外発光素子(発光波長:265nm)を作製した。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板に、2000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥して、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
図4は、本発明の実施例3に係るLED用基板の表面SEM写真を示す図で、図5は、本発明の実施例3に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。
<基板準備>
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側に、DCスパッタにてCrを150nm、更にRFスパッタにてSiO20nmをマスク材料として成膜した。
<ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、1.5ミクロンピッチ、1.0ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
150℃で15分間ポストベークした後、ドライエッチング装置(ULVAC製(NE−550)にて、CHF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:80秒 条件の後、Cl/O流量:10/10sccm、圧力:0.75Pa、アンテナ電力:100W、バイアス電力:50W、処理時間:350秒でエッチング処理を実施し、Crマスクを作成した。
その後、Crをマスクにして、BCl/Ar流量:12.5/12.5sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:400W、バイアス電力:50W、処理時間:2400秒 条件でサファイアをエッチング処理し、Crマスクが消滅した状態でエッチングを完了し、パターン付基板を得た。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板に5000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付き基板を用いた深紫外LED素子を得た。
<基板準備>
AlGaN系深紫外発光のLED素子基板(発光波長:265nm)を準備し、サファイアの光取り出し面について、ブラスト処理をRaとして2.0ミクロンを目標に実施し、パターン付き基板を得た。
<塗布液作製>
川研ファインケミカル製アルミニウムキレートのS−75P(エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 75% IPA溶液)を用い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートとして0.05モルと、イソプロパノール2.25モルをスターラーにて攪拌混合し、均一な透明溶液を得た。
<光取出し膜作製>
準備したパターン付き基板にUV洗浄処理を実施した後、2000rpmにて塗布液をスピンコートし、その後、110℃のホットプレート上で15分乾燥させた後、2日間常温にてエージング処理を行った。得られた基板を100℃の熱水中に30分間浸漬して取り出してエアブロー乾燥した後、常温にて一晩乾燥し、最表面にナノオーダーランダム微細凹凸構造を形成し、光取出し膜付きLED素子基板を用いた深紫外LED素子得た。
実施例1におけるSiモールドのパターンを、1.5ミクロンピッチで1.0ミクロン径の丸形状のパターンから2.5ミクロンピッチ、2.0ミクロン径の丸形状パターンに変更し、Siのエッチング時間を900sから1800sに変更、更に用いるLED素子基板を発光波長450nmに変更した以外は実施例1と同様にして、光取出し膜付き基板を用いた青色LED素子を得た。
図6は、本発明の実施例6に係るLED用基板の表面SEM写真を示す図で、図7は、本発明の実施例6に係わるLED用基板の断面SEM写真を示す図である。
実施例2における1.5ミクロンピッチ、0.6ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを2.5ミクロンピッチ、0.8ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンに変更し、更に作成する素子を発光波長450nmに変更した以外は実施例2と同様にして、光取り出し膜付き基板を用いた青色LED素子を得た。
<基板準備>
GaN系青色発光のLED素子基板(発光波長:450nm)を準備し、成長基板であるサファイアの光取り出し面側に、DCスパッタにてCrを300nm、更にRFスパッタにてSiO20nmをマスク材料として成膜した。
<ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形>
レジスト(住友化学製 PFI−38A7)を0.7ミクロン厚み目標にスピンコートし、i線ステッパーを用いて露光、現像処理を実施して、2.5ミクロンピッチ、2.0ミクロン径の丸形状を三角格子配列したパターンを作製した。
150℃で15分間ポストベークした後、ドライエッチング装置(ULVAC製(NE−550)にて、CHF流量:20sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:50W、バイアス電力:50W、処理時間:80秒 条件の後、Cl/O流量:10/10sccm、圧力:0.75Pa、アンテナ電力:100W、バイアス電力:50W、処理時間:350秒でエッチング処理を実施し、Crマスクを作成した。
その後、Crをマスクにして、BCl/Ar流量:12.5/12.5sccm、圧力:0.5Pa、アンテナ電力:400W、バイアス電力:50W、処理時間:3000秒 条件でサファイアをエッチング処理し、Crマスクが消滅した状態でエッチングを完了し、パターン付基板を得た。
以降、塗布液作製、光取出し膜作製については、実施例3と同様にして、光取り出し膜付き基板を用いた青色LED素子を得た。
[比較例1]
基板の光取り出し面側への加工を全く実施しないで、発光波長265nm及び450nmのLED素子を作製した。
[比較例2]
実施例3,7において、ドライエッチングによるミクロンオーダー凹凸賦形を実施しないで、発光波長265nm及び450nmのLED素子を作製した。
本発明の光取出し膜付き基板は、発光層から出射される光を高効率で外部に取り出すことが可能となるため、LED用基板として好適である。
1 基板
2 バッファー層
3 n型半導体層
4 活性層(発光層)
5 p型半導体層
6 n電極
7 p電極
10 光取出し膜

Claims (5)

  1. Al またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、
    前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、
    該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、
    かつ、前記単結晶基板が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とするLED用基板。
  2. 単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板であって、
    前記光取出し膜の最表面は、アモルファスアルミナあるいはアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造からなり、
    該ランダム微細凹凸構造は、主として幅30nm〜200nm、長さ50nm〜400nm、厚み1nm〜20nmの薄片状物の集合体で構成されており、
    かつ、前記光取出し膜が、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を有することを特徴とするLED用基板。
  3. 前記単結晶基板が、アルミ化合物であることを特徴とする請求項に記載のLED用基板。
  4. 単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、
    前記単結晶基板とUVインプリントモールドの間に、アルミ化合物塗布液を配し、硬化
    後にモールドを剥離することにより、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1
    〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、該凹凸構造を水中あるいは大気中で加熱
    処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とする
    ナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とするLED用基板の製造方
    法。
  5. Al またはAlNからなる単結晶基板の光出射面側に光取出し膜を有するLED用基板の製造方法であって、
    前記単結晶基板に、ドライエッチングあるいはウェットエッチングを用いて、発光波長の4〜10倍のピッチ、かつ発光波長の1〜5倍の高さの繰り返し凹凸構造を形成した後、アルミ化合物を塗布して薄膜を形成し、該薄膜を水中あるいは大気中で加熱処理することにより、最表面にアモルファスアルミナ又はアルミナ水和物を主成分とするナノオーダーのランダム微細凹凸構造を作製することを特徴とするLED用基板の製造方法。
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