JP2005223154A - 基板の形成方法、半導体基板及び半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上に形成される化合物半導体層におけるピットやボイドの発生を抑制し、結晶性を向上させることができる基板の形成方法及び半導体基板、さらには、外部量子効率を安定化させることができ、信頼性の高い半導体素子を提供する。
【解決手段】基板1上に、ゾル−ゲル法により、凹凸を構成する被膜を形成し、その上に化合物半導体層7,8,9を形成する基板の形成方法。
【選択図】 図4
【解決手段】基板1上に、ゾル−ゲル法により、凹凸を構成する被膜を形成し、その上に化合物半導体層7,8,9を形成する基板の形成方法。
【選択図】 図4
Description
半導体素子、例えば発光ダイオード(LED)は、基本的には基板上にn型半導体層、活性層、p型半導体層が順に積層され、p型半導体層及びn型半導体層の上に、それぞれ電極が形成されて構成される。そして、p型半導体層から注入される正孔とn型半導体層から注入される電子との再結合によって活性層のある発光領域で光を発生させ、その光を、電極が形成された面又は半導体層を成長しない基板面から取り出している。
このような構造の発光ダイオードでは、半導体層の積層を原子レベルで制御するために、基板の平坦性を鏡面レベルに加工している。また、基板上の半導体層、発光領域及び電極は相互に平行な積層構造をなし、しかも半導体層の屈折率が大きく、p型半導体層の表面と基板の表面とによって導波路が構成される。即ち、屈折率の大きな半導体層を屈折率の小さな基板と透光性電極によって挟む構造によって導波路が形成される。
従って、光が電極表面又は基板表面に対して所定の臨界角以上の角度で入射すると、電極とp型半導体層との界面又は基板表面で反射されて半導体層の積層構造内を横方向に伝搬して導波路内に捕捉されてしまい、また横方向の伝播中の損失もあり、所望の外部量子効率が得られない。すなわち、臨界角よりも大きな角度で基板又は電極との界面に入射した光は、全反射を繰り返して導波路内を伝播し、その間に吸収される。このため、発光の一部は減衰して、有効に外部に取り出すことができず、外部量子効率が低下する。
特に、p型半導体層は、抵抗が高いため、発光素子前面に電流を広げる目的で、p型半導体層表面に全面電極が形成される。しかし、この電極は、発光素子内で発生した光を吸収する。例えば、GaN系発光ダイオードでは、半導体層が数ミクロン程度の厚みしかなく、屈折率が基板よりも高いため、発光した光が半導体層内を繰り返し反射し、その都度電極の吸収を受ける。よって、外部量子効率が低下する。
そこで、発光ダイオードの表面又は側面を粗面とする方法も提案されている。しかし、この場合には、半導体層にダメージを与えてしまい、クラック等が発生し、pn接合が部分的に破壊され、有効な発光領域が減少する。
また、サファイア基板、n型GaN、p型GaN、透明電極を順に積層したGaN系LEDにおいて、サファイア基板の表面を、機械研磨やエッチングによってランダムに粗面化して凹凸を形成することによって、発光領域で発生して基板に入射する光を散乱させ、外部量子効率を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、基板表面を凹凸に加工する方法では、処理コストが高い。
また、基板表面に形成する凹凸の形状を制御せずに粗面化を行った場合、生じた凹部や凸部の側面に大きな溝が形成されたり、凸部を囲む外周に大きな入り込みが生じる。よって、このような基板上にGaN層を成長させるとピットやボイドが発生し、このボイド等に起因して、GaN層の再成長時にクラックが発生しやすくなる。このようなクラックが発生するとGaN層の結晶性が低下する。その結果、半導体素子において、発光効率(=内部量子効率)が下がり、外部量子効率も低下する。また、クラックの発生により半導体素子の信頼性も低下する。
また、基板表面に形成する凹凸の形状を制御せずに粗面化を行った場合、生じた凹部や凸部の側面に大きな溝が形成されたり、凸部を囲む外周に大きな入り込みが生じる。よって、このような基板上にGaN層を成長させるとピットやボイドが発生し、このボイド等に起因して、GaN層の再成長時にクラックが発生しやすくなる。このようなクラックが発生するとGaN層の結晶性が低下する。その結果、半導体素子において、発光効率(=内部量子効率)が下がり、外部量子効率も低下する。また、クラックの発生により半導体素子の信頼性も低下する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板上に形成される化合物半導体層におけるピットやボイドの発生を抑制し、結晶性を向上させることができる基板の形成方法及び半導体基板、さらには、外部量子効率を安定化させることができ、信頼性の高い半導体素子を提供することを目的とする。
本発明の基板の形成方法は、基板上に、ゾル−ゲル法により、凹凸を構成する被膜を形成し、その上に化合物半導体層を形成することを特徴とする。
この基板の形成方法においては、基板が、c面、a面、m面の、Al2O3基板、Si基板、SiC基板又はスピネル基板であることが好ましい。
この基板の形成方法においては、基板が、c面、a面、m面の、Al2O3基板、Si基板、SiC基板又はスピネル基板であることが好ましい。
また、基板上に被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に、前記被膜を加熱処理することが好ましい。
さらに、凹凸を構成する被膜を、インクジェット法による印刷又はフォトリソグラフィー法により形成してもよい。
また、凹凸がその形状を繰り返したパターンであることが好ましい。
さらに、被膜の凹部及び/又は凸部の側面が、少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を有していてもよい。
さらに、凹凸を構成する被膜を、インクジェット法による印刷又はフォトリソグラフィー法により形成してもよい。
また、凹凸がその形状を繰り返したパターンであることが好ましい。
さらに、被膜の凹部及び/又は凸部の側面が、少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を有していてもよい。
また、傾斜面が、基板の底面側から少なくとも第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有し、前記第1の傾斜面における傾斜角θ1と第2の傾斜面における傾斜角θ2との関係がθ1>θ2であってもよい。
さらに、被膜は、Al2O3、ZnO又はMgAl2O4とすることができる。
本発明の半導体基板は、基板上に、ゾル−ゲル法によって凹凸を構成するAl2O3膜又はZrO膜が形成され、さらにその上に化合物半導体層を有してなることを特徴とする。
本発明の発光素子は、上記基板の形成方法によって得られた基板に形成されてなることを特徴とする。
さらに、被膜は、Al2O3、ZnO又はMgAl2O4とすることができる。
本発明の半導体基板は、基板上に、ゾル−ゲル法によって凹凸を構成するAl2O3膜又はZrO膜が形成され、さらにその上に化合物半導体層を有してなることを特徴とする。
本発明の発光素子は、上記基板の形成方法によって得られた基板に形成されてなることを特徴とする。
本発明の基板の形成方法によれば、ゾル−ゲル法という簡便かつ安価な方法により、凹凸を構成する被膜を形成することができるため、ゾル−ゲル法という製法に起因して大面積化に対応できることとなり、歩留まりを増大させ、生産性を向上させることができる。しかも、凹凸を構成する被膜上に形成される化合物半導体層は、ピットやボイド等の発生が抑えられ、結晶性を向上させることができる。
基板が、c面、a面、m面の、Al2O3基板、Si基板、SiC基板又はスピネル基板である場合には、通常、その上に形成される化合物半導体層との格子歪が問題となるが、これらの基板上に凹凸を構成する被膜を形成することによって、その上に形成される化合物半導体層と基板との間に生じる格子歪を有効に緩和させることができる。
また、基板上に被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に、前記被膜を加熱処理する場合には、ゾル−ゲル法に起因する有機分を完全に基板及び被膜表面から除去することができるため、よりその形状又は状態が制御された被膜をえることができる。よって、有機残留物に起因する化合物半導体層の結晶欠陥等を防止することができる。
また、基板上に被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に、前記被膜を加熱処理する場合には、ゾル−ゲル法に起因する有機分を完全に基板及び被膜表面から除去することができるため、よりその形状又は状態が制御された被膜をえることができる。よって、有機残留物に起因する化合物半導体層の結晶欠陥等を防止することができる。
さらに、凹凸を構成する被膜を、インクジェット法による印刷又はフォトリソグラフィー法により形成する場合には、パターニングの工程が簡略化され、高価なドライエッチング装置が不要となり、設備投資が容易になる。したがって、安価な基板を提供することができる。
また、凹凸がその形状を繰り返したパターンである場合には、得られた基板を用いて発光素子を形成した際に、光の散乱又は回折の効率を良好とすることができるため、外部量子効率をさらに向上させることができる。
また、凹凸がその形状を繰り返したパターンである場合には、得られた基板を用いて発光素子を形成した際に、光の散乱又は回折の効率を良好とすることができるため、外部量子効率をさらに向上させることができる。
さらに、被膜の凹部及び/又は凸部の側面が、少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を有している場合、また、傾斜面が、基板の底面側から少なくとも第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有し、前記第1の傾斜面における傾斜角θ1と第2の傾斜面における傾斜角θ2との関係がθ1>θ2である場合には、従来、基板自体に凹凸を形成した場合における凹部又は凸部の側面における溝、凸部外周における入り込みなどの凹凸形状における不具合を防止することができる。よって、その上に形成する化合物半導体層におけるピットやボイド等の発生を大幅に抑えることができ、結晶性をより向上させることができる。
本発明の半導体基板によれば、基板上に、ゾル−ゲル法によって凹凸を構成するAl2O3膜又はZnO膜が形成され、さらにその上に化合物半導体層を有してなるため、基板と化合物半導体層との格子歪を緩和することができ、さらにこの半導体基板を発光素子に利用する場合には、光の散乱又は回折の効率を良好とすることができ、外部量子効率をさらに向上させることができる。
また、本発明の半導体素子によれば、上記基板の形成方法によって得られた基板に形成されるため、被膜に形成された凹凸及び結晶性の良好な化合物半導体層に起因して、光の散乱又は回折の効率が良好で、外部量子効率が向上した高信頼性かつ高性能の半導体素子、特に、発光素子を得ることが可能となる。
また、本発明の半導体素子によれば、上記基板の形成方法によって得られた基板に形成されるため、被膜に形成された凹凸及び結晶性の良好な化合物半導体層に起因して、光の散乱又は回折の効率が良好で、外部量子効率が向上した高信頼性かつ高性能の半導体素子、特に、発光素子を得ることが可能となる。
本発明の基板の形成方法に使用することができる基板は、材料自体はどのようなものでもよく、c面、a面、m面の、Al2O3、SiC(6H、4H、3C)、Si、GaAs、InP、GaP、GaN、ZnO、MgO、LiGaO2、LiAlO2、スピネル等、種々のものが挙げられる。なかでも、c面、a面、m面の、α−Al2O3基板、Si基板、SiC基板又はスピネル基板が好ましい。なお、一般に、m面は、a軸に平行な平面の1つで、六方晶結晶のGaN系半導体では成長安定面であり、{1−100}である。ここで{1−100}は(1−100)、(01−10)、(−1010)のすべてを示す。あるいは、m面は、サファイア基板のa面{11−20}に平行な面である。ここでa面{11−20}は(11−20)、(1−210)、(−2110)のすべてを示す。また、c面は(0001)である。
ゾル−ゲル法は、例えば、金属酸化物薄膜を形成するために一般に利用されている方法であり、本発明においては、いわゆる有機金属分解法(MOD)をも含む広義の方法を意味する。なお、本発明においては、凹凸を構成する被膜は、金属酸化物からなる被膜、別の観点から、Cr(クロム)、Ti(チタン)、Fe(鉄)、Er(エルビウム)、Nd(ネオジム)、Pr(プラセオジム)、Eu(ユーロピウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)及びCe(セリウム)から選ばれる遷移元素又は希土類元素を少なくとも1種類以上含む被膜であることが好ましい。さらに、この被膜は、外部の光を吸収し、発光することが好ましい。
例えば、(1)原料となる金属の加水分解性の化合物、その部分加水分解物及び/又はその部分重縮合物を含有する原料溶液、(2)原料となる金属の熱分解性の化合物、例えば、金属のβ−ジケトン錯体(例:金属アセチルアセトネート)、有機酸塩(例:酢酸塩)等を含有する原料溶液、(3)原料となる金属の加水分解性の化合物、その部分加水分解物及び/又はその部分重縮合物、及び原料となる金属の熱分解性化合物の双方を含有する原料溶液を基板に塗布し、任意に塗膜を乾燥させた後、仮焼して金属酸化物の膜を形成し、さらにその金属酸化物の結晶化温度以上で焼成して膜を結晶化させることにより被膜を形成する方法であり、公知の方法を利用することができる(例えば、特開昭60−236404号公報参照)。
加水分解性又は熱分解性の金属化合物における金属としては、特に限定されるものではなく、Cu、Ag、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Sc、Y、希土類金属、Al、Ga、In、Tl、Ti、Zr、Hf、Si、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Ta、Bi、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pb、Ir、Ptの1種又は2種以上、さらに上述した遷移元素又は希土類元素の1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、Al、Zn等が好ましい。
加水分解性又は熱分解性の金属化合物としては、有機金属化合物、金属錯体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。有機金属化合物としては、アルコキシド、有機酸塩等が挙げられ、金属錯体としては、アミン錯体、β−ジケトン錯体等が挙げられる。
具体的には、アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、n−ブトキシド、i−ブトキシド、t−ブトキシド、メトキシエトキシド等が挙げられる。
具体的には、アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、n−ブトキシド、i−ブトキシド、t−ブトキシド、メトキシエトキシド等が挙げられる。
有機酸塩としては、酢酸塩、不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。なお、不飽和カルボン酸塩としては、例えば、特開2002−169278号及び特開2003−183009号に記載された炭素数が9以上の不飽和カルボン酸、末端に少なくとも1個の不飽和結合を有するカルボン酸等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、オレイン酸、ω−トリコセン酸、ウンデシレン酸、ケイ皮酸等のモノ不飽和カルボン酸;リノール酸、ジアセチレン誘導体等のジ不飽和カルボン酸;リノレン酸等のトリ不飽和カルボン酸;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートから選ばれた1種と二塩基酸又はその酸無水物とのモノエステル化反応生成物等が挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとコハク酸とのモノエステル化合物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、オレイン酸、ω−トリコセン酸、ウンデシレン酸、ケイ皮酸等のモノ不飽和カルボン酸;リノール酸、ジアセチレン誘導体等のジ不飽和カルボン酸;リノレン酸等のトリ不飽和カルボン酸;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートから選ばれた1種と二塩基酸又はその酸無水物とのモノエステル化反応生成物等が挙げられる。具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとコハク酸とのモノエステル化合物等が挙げられる。
また、末端に少なくとも1個の不飽和結合を有するカルボン酸としては、例えば、式
CH2=C(R)−COO−(X−O)n−CO−Y−COOH (I)
CH2=C(R)−COO−(Z−CO−O)mH (II)
(式中、Rは水素原子又はC1〜4アルキル基であり、Xはエチレン、トリメチレン基であり、YはC1〜6アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン基であり、ZはC2〜6アルキレン基であり、n及びmは1〜9の整数である。)
で表されるカルボン酸が挙げられる。ここで、C1〜4アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル基等が挙げられる。C1〜6アルキレンとしては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、sec−ブチレン等が挙げられる。シクロアルキレンとしては、シクロペンチレン、シクロヘキセン等が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン、トリレン、キシレン、ビフェニレン等が挙げられる。
CH2=C(R)−COO−(X−O)n−CO−Y−COOH (I)
CH2=C(R)−COO−(Z−CO−O)mH (II)
(式中、Rは水素原子又はC1〜4アルキル基であり、Xはエチレン、トリメチレン基であり、YはC1〜6アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン基であり、ZはC2〜6アルキレン基であり、n及びmは1〜9の整数である。)
で表されるカルボン酸が挙げられる。ここで、C1〜4アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル基等が挙げられる。C1〜6アルキレンとしては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、iso−プロピレン、n−ブチレン、t−ブチレン、sec−ブチレン等が挙げられる。シクロアルキレンとしては、シクロペンチレン、シクロヘキセン等が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン、トリレン、キシレン、ビフェニレン等が挙げられる。
具体的には、式(I)の化合物としては、二塩基酸又はその酸無水物と末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートとのモノエステル化反応生成物等が挙げられる。ここで、二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、コハク酸等の二塩基酸又は二塩基酸の無水物等が挙げられる。末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。したがって、式(I)の化合物である二塩基酸又はその酸無水物と末端に水酸基を有する(メタ)アクリレートとのモノエステル化反応生成物としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノマレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノテトラヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルモノマレート等を挙げることができる。
また、式(II)の化合物として、(メタ)アクリル酸のマイケル付加による二量体及び三量体以上のオリゴマー、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物とラクトンとの開環反応生成物等が挙げられる。(メタ)アクリル酸のマイケル付加による二量体及び三量体以上のオリゴマーとしては、(メタ)アクリル酸ダイマー等が挙げられる。カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては(メタ)アクリル酸等が挙げられる。ラクトンとしては、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
なお、有機酸の金属塩は、例えば、特開2002−169278号及び特開2003−183009号に記載された方法により合成することができる。
β−ジケトン錯体としては、アセチルアセトン(=2,4-ペンタンジオン)、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。
原料となる金属の加水分解性の化合物、その部分加水分解物及び/又はその部分重縮合物、もしくは原料となる金属の熱分解性化合物は、適当な有機溶媒に溶解することにより、前駆体溶液として調製することができる。有機溶媒としては、原料の金属化合物に応じて、これを溶解できるものから適宜選択することができる。通常、アルコール、カルボン酸、エステル、ケトン、エーテル、シクロアルカン、芳香族系溶媒等の1種又は2種以上の混合溶液を使用することができる。
β−ジケトン錯体としては、アセチルアセトン(=2,4-ペンタンジオン)、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。
原料となる金属の加水分解性の化合物、その部分加水分解物及び/又はその部分重縮合物、もしくは原料となる金属の熱分解性化合物は、適当な有機溶媒に溶解することにより、前駆体溶液として調製することができる。有機溶媒としては、原料の金属化合物に応じて、これを溶解できるものから適宜選択することができる。通常、アルコール、カルボン酸、エステル、ケトン、エーテル、シクロアルカン、芳香族系溶媒等の1種又は2種以上の混合溶液を使用することができる。
アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノールなどのアルカノール類、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール類、ならびに2−メトキシエタノール等のアルコキシアルコール類が挙げられる。
カルボン酸としては、n−酪酸、α−メチル酪酸、i−吉草酸、2−エチル酪酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、2,3−ジメチル酪酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、3,3−ジメチルペンタン酸、2,3−ジメチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸sec-アミル、酢酸tert−アミル、酢酸イソアミルなどが挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルエトン、メチルイソブチルケトンである。
エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル、ならびにテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環式エーテルが挙げられる。
シクロアルカンとしては、シクロヘプタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルエトン、メチルイソブチルケトンである。
エーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等の鎖状エーテル、ならびにテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環式エーテルが挙げられる。
シクロアルカンとしては、シクロヘプタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
なお、原料溶液には、通常使用される安定剤や添加剤等を適宜添加してもよい。添加剤としては、光重合開始剤、架橋剤等が挙げられる。安定剤としては、例えば、β−ジケトン類(アセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等)、ケトン酸類(アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸等)、ケトン酸のメチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルエステル類、オキシ酸類(乳酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸等)、オキシ酸の低級アルキルエステル類、オキシケトン類(ジアセトンアルコール、アセトイン等)、α−アミノ酸類(グリシン、アラニン等)、アルカノールアミン類(ジエタノールアミン、トリエターノルアミン、モノエタノールアミン等)が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、チオキサントン等の芳香族ケトン類、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾインエーテル等のアセトフェノン類、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等のジケトン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド類、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。
架橋剤としては、不飽和炭化水素基、アジド基、アゾ基、ニトリル基、ケイ皮酸基を有する多官能モノマー等が挙げられる。具体的には、二官能性スチレン誘導体、二官能性ビニルエーテル、芳香族ジビニル化合物、芳香族ビスジアジド、ジアゾナフトキノン等が挙げられる。
原料溶液の濃度は、塗布法や用いる原料等によって、適宜調整することができ、金属酸化物換算の合計金属含有量として0.1〜20重量%程度が挙げられる。
原料溶液の濃度は、塗布法や用いる原料等によって、適宜調整することができ、金属酸化物換算の合計金属含有量として0.1〜20重量%程度が挙げられる。
凹凸を有する被膜を形成する方法としては、(1)上述したゾル−ゲル法の原料溶液を基板表面に均一に塗布し、得られた塗膜にフォトマスクを通じて光照射を行うか、エレクトロンビームによって描画し、感光部を硬化させた後、溶剤によるエッチングを行うフォトリソグラフィー法により、未感光部のみが溶剤により溶解除去され、感光部が残るネガ型のパターンを形成し、これを仮焼し、その後、焼成する方法、あるいは、(2)スクリーン印刷法、インクジェット印刷法により所定のパターンを直接描画形成した後、これを仮焼し、その後、焼成する方法等が挙げられる。
原料溶液を基板に塗布する方法としては、スピンコート法、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、ロール塗布、噴霧、浸漬、ドクラーブレード法などの通常用いられる種々の方法が挙げられる。
塗膜は、原料溶液を調製する際に用いた溶媒の種類によって、任意に乾燥してもよい。乾燥は、例えば、80〜200℃程度の温度で行うことが適当である。
塗膜は、原料溶液を調製する際に用いた溶媒の種類によって、任意に乾燥してもよい。乾燥は、例えば、80〜200℃程度の温度で行うことが適当である。
この塗膜にパターンを形成する方法としては、所定形状のマスクパターンを用いて、塗膜を露光する。露光方法は、当該分野で公知の方法や条件を採用することができる。なお、露光光の種類は、例えば、原料溶液に添加した光重合開始剤等に応じて適宜選択することが適当である。その後、露光された塗膜をエッチングする。この際のエッチャントは、原料溶液の調製に使用した有機溶媒を用いることが適当である。
その後、仮焼して金属酸化物の膜を形成する。塗膜を形成した基板を加熱し、有機金属化合物を完全に加水分解又は熱分解させて金属酸化物に転化させ、金属酸化物からなる膜を形成する。この加熱は、水蒸気を含む雰囲気、含酸素雰囲気中等で行うことができる。加熱温度は、適宜調整することができ、例えば、100〜500℃程度が挙げられる。加熱時間は、加水分解及び熱分解が完全に進行するように設定することが好ましく、例えば、1分〜2時間程度が挙げられる。なお、この仮焼は、用いる材料の種類等によって省略してもよい。
本発明におけるゾル−ゲル法では、1回の塗布、乾燥等の工程で必要な膜厚を得られない場合には、適宜、原料溶液の塗布、乾燥を2〜30回程度繰り返してもよい。また、塗布、乾燥を繰り返す際には、仮焼のみ又は仮焼及び後述する本焼成は繰り返し行ってもよいし、繰り返して行わなくてもよい。
さらにその金属酸化物の結晶化温度以上で焼成して膜を結晶化させることにより被膜を形成する。この焼成は、最後に1回行ってもよいが、上述したように、2回以上の塗布及び乾燥を繰り返す場合には、その都度行ってもよい。焼成雰囲気は、例えば、大気中、酸素雰囲気中等、種々の雰囲気が挙げられる。焼成温度は、例えば、500〜800℃程度の温度範囲が挙げられる。焼成時間は、例えば、1分〜2時間程度が挙げられる。この焼成は、後述するように、基板上に凹凸を構成する被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に行う加熱処理を兼ねて行ってもよい。
さらにその金属酸化物の結晶化温度以上で焼成して膜を結晶化させることにより被膜を形成する。この焼成は、最後に1回行ってもよいが、上述したように、2回以上の塗布及び乾燥を繰り返す場合には、その都度行ってもよい。焼成雰囲気は、例えば、大気中、酸素雰囲気中等、種々の雰囲気が挙げられる。焼成温度は、例えば、500〜800℃程度の温度範囲が挙げられる。焼成時間は、例えば、1分〜2時間程度が挙げられる。この焼成は、後述するように、基板上に凹凸を構成する被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に行う加熱処理を兼ねて行ってもよい。
なお、本発明においては、凹凸を構成する被膜は、被膜自体に凹凸を有する場合も包含するが、基板上に被膜を島状に配置するように形成することによって、基板表面において凹凸が構成されることが好ましい。
上述したように形成される被膜の凹凸は、どのような平面及び立体形状で形成されていてもよいが、凹凸がその形状を繰り返したパターンとして形成されることが好ましい。凹凸は、例えば、平面形状が円、楕円、三角形、平行四辺形又は六角形等の多角形の繰り返しパターン、ストライプ、格子、渦巻き形状等、縦断面形状が矩形、テーパー、球形、半球形等の種々の形状が挙げられる。なお、これらの形状は、加工上の理由等から角が丸みを帯びていてもよい。具体的には、図1(a)〜(h)に示すような平面形状、あるいは図2(a)〜(c)に示すような形状が挙げられる。
被膜の凹凸の高さは、発光波長、例えば、AlGaInN系の発光層の場合、λ=206nm〜632nmとしたとき、λ/4n以上の高低差とすることができる。具体的には、0.02〜5μm程度が挙げられる。これにより、十分に光を散乱又は回折することができる。
また、凹凸の大きさ(凹凸の構成辺となる一辺の長さLa)及び相互の間隔は、後述する化合物半導体における発光波長をλ=370nm〜460nmとしたとき、少なくともλ/4n以上の大きさであることが好ましい。具体的には、ボイドの発生を抑制するという観点から、凸部の上面における一辺の長さLbは0.5μm以上、例えば、0.5〜10μm程度であることが適当である。さらに、上述した辺の長さの比が1<La/Lb<2程度とすることにより、有効にボイドの発生を抑制することができ、出力を10%以上も向上させることができる。凹凸の相互の間隔は、λ/4n以上であることが好ましい。具体的には0.02〜10μm程度が適当である。なお、凹凸の相互の間隔とは、隣接する凹部同士又凸部同士の最短距離をいう。
また、凹凸の大きさ(凹凸の構成辺となる一辺の長さLa)及び相互の間隔は、後述する化合物半導体における発光波長をλ=370nm〜460nmとしたとき、少なくともλ/4n以上の大きさであることが好ましい。具体的には、ボイドの発生を抑制するという観点から、凸部の上面における一辺の長さLbは0.5μm以上、例えば、0.5〜10μm程度であることが適当である。さらに、上述した辺の長さの比が1<La/Lb<2程度とすることにより、有効にボイドの発生を抑制することができ、出力を10%以上も向上させることができる。凹凸の相互の間隔は、λ/4n以上であることが好ましい。具体的には0.02〜10μm程度が適当である。なお、凹凸の相互の間隔とは、隣接する凹部同士又凸部同士の最短距離をいう。
特に、被膜の凹部及び/又は凸部の側面が、少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を有することが好ましい。ここで「少なくとも2つ以上の傾斜角の異なる傾斜面」とは、凹部や凸部の側面に形成される傾斜面であって、基板の平坦面を基準とした場合に傾斜角が異なる斜面が2面以上あることを示す。このように、傾斜面が少なくとも2面以上あれば、最初の傾斜面で溝等が発生したとしても、上部の傾斜面まで伝播せず、そのため、凹部又は凸部の表面粗さを小さくすることができる。特に、図2(a)に示すように、凸部であれば2段階以上に傾斜した円錐台、凹部であれば逆円錐台形であることが好ましい。このような形状とすることにより、光の散乱及び回折効率をより高めることができる。
例えば、図3(a)に示すように、傾斜面が、基板の底面側から少なくとも第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有する場合には、第1の傾斜面における傾斜角θ1と第2の傾斜面における傾斜角θ2との関係がθ1>θ2であることが好ましい。なお、傾斜角は特にθ1、θ2に限定されずθn(n=整数)までとすることができる。このような傾斜面とすることで、凸部における溝等の発生は第1の傾斜面で止めることができる。また、第1の傾斜面においてもこのような傾斜面とすることで、従来の傾斜面に比較して溝の深さやサイズを小さくすることができる。これは凹部においても同様である。被膜の凹凸の側面の傾斜角θ1が30〜90°程度の場合には、散乱又は回折による出力を向上させることができる。傾斜角θ2は45°以下、好ましくは10〜30°以下である。
また、被膜の凹凸の側面の傾斜角θ1が45〜70°程度の場合には、傾斜角θ2は20〜45°程度が挙げられる。なお、傾斜角θ3は90°以上であればよい。また、傾斜面が1つである場合、つまり図3(b)に示すような場合においても、傾斜角θ1、θ3は上記と同様の範囲が適当である。
また、被膜の凹凸の側面の傾斜角θ1が45〜70°程度の場合には、傾斜角θ2は20〜45°程度が挙げられる。なお、傾斜角θ3は90°以上であればよい。また、傾斜面が1つである場合、つまり図3(b)に示すような場合においても、傾斜角θ1、θ3は上記と同様の範囲が適当である。
さらに、凹凸は、後述する化合物半導体層の成長安定面に対してほぼ平行な面と交叉する直線を構成辺とする形状であることが好ましい。成長安定面に対してほぼ平行な面と交叉する直線とは、基板上面から見て成長安定面と平行でない直線のことである。なお、成長安定面とは、成長させる材料において、他の面より成長速度の最も遅い面のことを指す。成長安定面は、一般に、成長の途中にファセット面として現れる。例えば、窒化ガリウム系化合物半導体の場合、A軸に平行な平面(特にM面)が成長安定面となる。従って、基板上面から見て、A軸に平行な平面に平行でない直線(=A軸に平行でない直線)を構成辺とする多角形に凹凸を形成することが好ましい。これにより、後述する化合物半導体層の成膜時にその部位での結晶の欠陥の発生を防止することができ、内部量子効率を低下させることなく、結果的に外部量子効率を向上させることができる。より具体的には、凹凸は、化合物半導体層の成長安定面に対してほぼ平行な面に頂点を有し、かつ化合物半導体層の成長安定面に対してほぼ平行な面と交叉する直線を構成辺とすることが好ましい。
このように、被膜の凹凸に少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を形成する方法は、上述したフォトリソグラフィー法により、2種類のマスクを用いて2回露光を行い、エッチングする方法、露光後にエッチングしてネガ型のパターンを形成したのち、エッチャントの処理時間、処理方法、濃度、エッチャントの種類等を変更させて再度エッチングする方法、ドライエッチングによりエッチング速度等を変更する方法、ウェットエッチングとドライエッチングとを組み合わせて行う方法等の種々の方法が挙げられる。
また、基板上に凹凸を構成する被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に、凹凸形状に形成した被膜を加熱処理に付すことが好ましい。加熱処理は、例えば、大気雰囲気下、600℃以上、好ましくは1000℃以上の温度範囲で、30〜600分間程度行うことが適当である。この加熱処理により、不要な有機分を完全に除去することができ、被膜の結晶性を向上させることができる。
被膜上に形成する化合物半導体層は、III―V族系半導体、II―VI族系半導体からなる半導体層が挙げられる。具体的には、InxAlyGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)であって、BやP、Asを混晶したもの、AlaGa1−aN(0≦a≦0.8)等が挙げられる。また、これら化合物半導体層はノンドープであってもよいが、n型不純物(例えば、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族又はVI族元素等)、p型不純物(例えば、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Ca等)を含有していてもよい。また、化合物半導体層は単層又は多層のいずれでもよい。化合物半導体層の膜厚は、特に限定されるものではなく、その構成にしたがって、適宜調整することができる。このような化合物半導体層の形成方法は、当該分野で利用されている成膜方法のすべてを利用することができる。
上述した方法によって作製された基板は、種々の半導体素子に利用することができる。なかでも、レーザ、LED等の半導体発光素子に利用することが好ましい。
具体的には、上述した基板上に、任意にバッファ層、n型又はp型の化合物半導体層、活性層、p型又はn型の化合物半導体層が積層され、n型及びp型の化合物半導体層に接続された電極が形成されて構成される。
バッファ層としては、例えば、AlaGa1−aN(0≦a≦0.8)で表される窒化物半導体層を用いる。バッファ層の膜厚は、好ましくは0.002〜0.5μmである。バッファ層の成長温度は、好ましくは200〜900℃である。これにより、窒化物半導体層上の転位やピットを低減させることができる。バッファ層は多層構成としてもよく、例えば、低温成長バッファ層を形成し、その上に高温成長層を形成してもよい。高温成長層としては、アンドープのGaN又はn型不純物をドープしたGaNを用いることができる。高温成長層の膜厚は、1μm以上が挙げられる。また、高温成長層の成長温度は、900〜1100℃が挙げられる。
バッファ層上に、例えば、n型の化合物半導体層が形成される。n型の化合物半導体層としては、まず、n型コンタクト層を成長させる。n型コンタクト層としては、活性層のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、AljGa1−jN(0<j<0.3)が好ましい。n型コンタクト層の膜厚は特に限定されるものではないが、好ましくは1μm以上である。
次に、n型クラッド層を成長させる。n型クラッド層はAlを含有しており、n型不純物濃度は特に限定されるものではないが、好ましくは1×1017〜1×1020/cm3である。また、n型不純物濃度に傾斜をつけてもよい。さらに、Alの組成傾斜をつけることでキャリアの閉じ込めのためのクラッド層としても機能する。
n型の化合物半導体層上には、活性層が形成される。活性層は、単一(SQW)又は多重量子井戸構造(MQW)のいずれでもよい。例えば、AlaInbGa1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)からなる井戸層と、AlcIndGa1−c−dN(0≦c≦1、0≦d≦1、c+d≦1)からなる障壁層とを含む量子井戸構造が挙げられる。活性層に用いられる化合物半導体層は、ノンドープ、n型不純物ドープ、p型不純物ドープのいずれでもよいが、ノンドープ又はn型不純物ドープであることが好ましい。これにより発光素子を高出力化することができる。さらに、井戸層をアンドープとし、障壁層をn型不純物ドープとしてもよい。これにより発光素子の出力と発光効率を高めることができる。また、井戸層にAlを含ませることで、従来のInGaNの井戸層では困難な波長域、具体的には、GaNのバンドギャップエネルギーである波長365nm付近、もしくはそれより短い波長を得ることができる。
井戸層の膜厚は、好ましくは1〜30nm程度である。特に、2nm以上では膜厚に大きなむらがなく比較的均一な膜質の層が得られ、20nm以下では結晶欠陥の発生を抑制して結晶成長が可能となる。さらに、膜厚を3.5nm以上とすることで出力を向上させることができる。また、単一量子井戸構造では膜厚を5nm以上とすることで上記と同様に出力を向上させる効果が得られる。井戸層の数は特に限定されないが、4以上の場合には井戸層の膜厚を10nm以下として活性層の膜厚を低く抑えることが好ましい。活性層を構成する各層の膜厚が厚くなると、活性層全体の膜厚が厚くなりVfの上昇を招くからである。多重量子井戸構造の場合、複数の井戸の内、好ましくは上記の10nm以下の範囲にある膜厚の井戸層を少なくとも1つ有すること、より好ましくは全ての井戸層を上記の10nm以下とすることである。
障壁層は、例えば、n型不純物をドープする場合、その濃度は少なくとも5×1016/cm3以上が好ましい。例えば、LEDでは、5×1016/cm3以上2×1018/cm3以下が好ましい。また、高出力のLEDやLDでは、5×1017/cm3以上1×1020/cm3以下である。なお、障壁層にn型不純物をドープする場合、活性層内のすべての障壁層にドープしてもよいし、一部をドープとし一部をアンドープとすることもできる。
活性層の上にはp型化合物半導体層が形成される。p型化合物半導体層としては、まず、p型クラッド層として、活性層のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、活性層へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、AlkGa1−kN(0≦k<1)が挙げられる。p型クラッド層の膜厚は特に限定されないが、0.01〜0.3μmが好ましい。p型クラッド層のp型不純物濃度は、1×1018〜1×1021/cm3である。p型不純物濃度が上記の範囲にあると、結晶性を低下させることなくバルク抵抗を低下させることができる。
p型クラッド層は、単一層でも多層膜層(超格子構造)でもよい。多層膜層の場合、上記のAlkGa1−kNと、それよりバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体層とからなる多層膜層であればよい。例えば、バンドギャップエネルギーの小さい層としては、n型クラッド層の場合と同様に、InlGa1−lN(0≦l<1)、AlmGa1−mN(0≦m<1、m>l)が挙げられる。多層膜層を形成する各層の膜厚は、超格子構造の場合は、一層の膜厚が好ましくは100Å以下とすることができる。また、p型クラッド層がバンドギャップエネルギーの大きい層と、バンドギャップエネルギーの小さい層からなる多層膜層である場合、バンドギャップエネルギーの大きい層及び小さい層の少なくともいずれか一方にp型不純物をドープさせてもよい。バンドギャップエネルギーの大きい層及び小さい層の両方にドープする場合は、ドープ量は同一でも異なってもよい。
次に、p型クラッド層上にp型コンタクト層を形成する。p型コンタクト層は、AlfGa1−fN(0≦f<1)が用いられ、特に、AlfGa1−fN(0≦f<0.3)で構成することによりオーミック電極であるp電極14と良好なオーミックコンタクトが可能となる。p型不純物濃度は1×1017/cm3以上が好ましい。また、p型コンタクト層は、導電性基板側でp型不純物濃度が高く、かつ、Alの混晶比が小さくなる組成勾配を有することが好ましい。この場合、組成勾配は、連続的に組成を変化させても、不連続に段階的に組成を変化させてもよい。例えば、p型コンタクト層を、オーミック電極と接し、p型不純物濃度が高くAl組成比の低い第1のp型コンタクト層と、p型不純物濃度が低くAl組成比の高い第2のp型コンタクト層とで構成することもできる。第1のp型コンタクト層により良好なオーミック接触が得られ、第2のp型コンタクト層により自己吸収を防止することが可能となる。
このように、基板上に化合物半導体層を成長させた後、酸素及び/又は窒素を含む雰囲気中、400℃以上で熱処理をすることが好ましい。これによりp型層に結合している水素が取り除かれ、p型の導電性を示すp型の窒化物半導体層を形成することができる。
その後、p型コンタクト層の表面にオーミック接触が得られるp電極を形成する。電極材料は、通常、電極として使用されるものの全てを、単層又は多層で用いることができる。p電極の形成方法はCVD法、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。p電極には前述した電極を採用することが好ましい。2層以上の多層構成であって総膜厚を50000Å以下とすることで、シート抵抗を低くすることができる。p電極の形状は、特に限定されるものではなく、矩形状、縞状、正方形、格子状、ドット状、菱形、平行四辺形、メッシュ形状、ストライプ形状、くし形、1つから複数に分岐した枝状等種々の形状とすることができる。
p電極は、p型化合物半導体層の表面で、p型層とオーミック接触して素子内部に電流を注入するためのオーミック電極である。通常、化合物半導体素子では、このオーミック用のp電極とは別に、例えば、ワイヤーボンディングにより接続するボンティング用のpパッド電極を形成して、そのpパッド電極をオーミック電極であるp電極と電気的に接続する。このpパッド電極は、p側層の上に設ける形態でもよく、メタル配線してp側層の外部、例えばn側電極形成面に絶縁膜を介して設けてもよい。pパッド電極をp側層の上に形成する場合には、pパッド電極をp電極の一部が重なるように形成してもよいし、p電極の上にpパッド電極を形成してもよい。pパッド電極はワイヤ等と実装するための電極であるので、実装時に半導体素子を傷めない程度の膜厚があれば特に限定されない。pパッド電極の形成面側から光を取り出す場合には、pパッド電極はできるだけ小さく形成することが必要である。
pパッド電極の材料は、密着性が高いものを選択する。具体的な材料としては、例えばCo、Fe、Rh、Ru、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Re、Mn、Al、Zn、Pt、Au、Ru、Pd、Rh等の単層膜又は積層膜が挙げられる。
また、n型コンタクト層の表面にはn電極を形成する。n電極としては、p電極に使用されるものの他、W/Al、Ti/Al、Ti/Al/Ni/Au、W/Al/W/Pt/Au、Al/Pt/Auなどを用いてもよい。n電極の膜厚は0.1〜1.5μmが適当である。n電極については、ボンディング用のパッド電極と、n側層とオーミック接触するオーミック用の電極とをほぼ同一の形状として同時に形成することができる。また、オーミック電極とnパッド電極とを重ねて積層してもよいし、オーミック用のn電極をnパッド電極と異なる形状、異なる工程で積層して形成してもよい。
電極を窒化物半導体層の表面に形成した後、熱処理を行うことで、合金化されると共に、半導体層と良好なオーミック接触を得ることができ、また半導体層と電極との接触抵抗を低下させることができる。熱処理温度としては、200℃〜1200℃の範囲が好ましい。また、雰囲気ガスを酸素、及び/又は窒素を含有する雰囲気、不活性ガス、例えば、Arを含有する雰囲気や大気条件での熱処理が適当である。
本発明の半導体素子は、化合物半導体層が積層された素子の側面に連続してSiO2、ZrO2、TiO2、Al2O3、あるいはV、Zr、Nb、Hf、Taよりなる群から選択された少なくとも一種の元素を含む酸化物、SiN、BN、SiC、AlN、AlGaN等の保護膜を形成してもよい。この保護膜は絶縁性を有する膜であることが好ましく、信頼性の高い半導体素子が得られる。特に、この絶縁性を有する膜を、p型層の表面の電極が形成されていない領域に設けることで、電極のマイグレーションの発生を効果的に抑えることができる。
半導体素子は、化合物半導体層の電極形成面を光取り出し面としてもよいし、基板側を光取り出し面としてもよい。
本発明の半導体素子は、例えば、窒化ガリウム系(少なくともガリウムと窒素を含む)の半導体発光素子の場合、電極まで形成した発光素子の表面に蛍光体を樹脂と混合させて形成することで、高出力の白色発光素子を得ることがでる。蛍光体としては、例えば、WO03/034508号公報に記載されたものを使用することができる。 以下に、本発明の基板の形成方法及び半導体素子の実施例を詳細に説明する。
本発明の半導体素子は、例えば、窒化ガリウム系(少なくともガリウムと窒素を含む)の半導体発光素子の場合、電極まで形成した発光素子の表面に蛍光体を樹脂と混合させて形成することで、高出力の白色発光素子を得ることがでる。蛍光体としては、例えば、WO03/034508号公報に記載されたものを使用することができる。 以下に、本発明の基板の形成方法及び半導体素子の実施例を詳細に説明する。
実施例1
まず、回転子を入れた300mLのフラスコにアクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレート11.37gを精秤し、アセトン10mLと水150mLとを加え、さらに25%アンモニア水2.7mLをゆっくりと添加し、アクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレートアンモニウム塩の均一溶液を調製する。この溶液に、硝酸アルミニウム九水和物7.50gを水30mLに溶解した水溶液を滴下すると白色の沈殿物が生成する。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して、アルミニウム 2−アクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレートの白色粘稠固体11.05gを得る。収率は90.5%である。
まず、回転子を入れた300mLのフラスコにアクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレート11.37gを精秤し、アセトン10mLと水150mLとを加え、さらに25%アンモニア水2.7mLをゆっくりと添加し、アクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレートアンモニウム塩の均一溶液を調製する。この溶液に、硝酸アルミニウム九水和物7.50gを水30mLに溶解した水溶液を滴下すると白色の沈殿物が生成する。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して、アルミニウム 2−アクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレートの白色粘稠固体11.05gを得る。収率は90.5%である。
得られたアルミニウム 2−アクリロイルオキシイソプロピルヘキサヒドロフタレート10.0gと、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1.1gとを、キシレン9.45gに溶解し、酸化アルミニウム薄膜用組成物とする。
この組成物を、図4(a)に示したように、A面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板1上に、大気雰囲気下、1000回転、15秒間スピンコーターにて塗布した後、25℃にて真空乾燥して、図4(b)に示したように、塗膜2を、0.4μm程度の膜厚で形成する。乾燥後、図4(c)に示したように、大気雰囲気下にて照射量7J/cm2の紫外線を、マスクパターン3を通して塗膜2に10分間照射し、露光部4と未露光部5とを得る。
その後、エッチングのために基板1を室温のキシレンに1分間浸漬して、塗膜2の未露光部5を完全に溶解除去する。
この組成物を、図4(a)に示したように、A面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板1上に、大気雰囲気下、1000回転、15秒間スピンコーターにて塗布した後、25℃にて真空乾燥して、図4(b)に示したように、塗膜2を、0.4μm程度の膜厚で形成する。乾燥後、図4(c)に示したように、大気雰囲気下にて照射量7J/cm2の紫外線を、マスクパターン3を通して塗膜2に10分間照射し、露光部4と未露光部5とを得る。
その後、エッチングのために基板1を室温のキシレンに1分間浸漬して、塗膜2の未露光部5を完全に溶解除去する。
続いて、得られた基板1を電気炉に入れ、大気雰囲気中550℃で10分間仮焼する。
さらに、大気雰囲気中1000℃で30分焼成し、凸部の最上面の直径φ=3μm、凸部と凸部の間隔が1.5μmの凹凸形状を有する結晶化した酸化アルミニウムのネガ型パターン6を形成する。このネガ型パターン6の膜厚は、1.5μmであった。なお、この膜厚を得るために、上記工程を4回繰り返す。
その後、図5に示したように、得られたサファイア基板1の上に、n型半導体層7としてAlxGa1−xN(0≦x≦1)の低温成長バッファ層を100Å、GaNを3μm、SiドープのGaNを4μm、GaNを3000Å積層する。
続いて、発光領域となる多重量子井戸の活性層8として、(井戸層、障壁層)=(InGaN、SiドープのGaN)をそれぞれの膜厚を(60Å、250Å)として井戸層が6層、障壁層が7層となるように交互に積層する。
さらに、大気雰囲気中1000℃で30分焼成し、凸部の最上面の直径φ=3μm、凸部と凸部の間隔が1.5μmの凹凸形状を有する結晶化した酸化アルミニウムのネガ型パターン6を形成する。このネガ型パターン6の膜厚は、1.5μmであった。なお、この膜厚を得るために、上記工程を4回繰り返す。
その後、図5に示したように、得られたサファイア基板1の上に、n型半導体層7としてAlxGa1−xN(0≦x≦1)の低温成長バッファ層を100Å、GaNを3μm、SiドープのGaNを4μm、GaNを3000Å積層する。
続いて、発光領域となる多重量子井戸の活性層8として、(井戸層、障壁層)=(InGaN、SiドープのGaN)をそれぞれの膜厚を(60Å、250Å)として井戸層が6層、障壁層が7層となるように交互に積層する。
活性層8の上に、p型半導体層9として、MgドープのAlGaNを200Å、アンドープのGaNを1000Å、MgドープのGaNを200Å積層する。p型半導体層として形成したアンドープのGaN層は、隣接する層からのMgの拡散によりp型を示す。
次に、n電極を形成するために、MgドープのGaNからp型半導体層9と活性層8及びn型半導体層7の一部までをエッチングし、SiドープのGaN層を露出させる。
次に、n電極を形成するために、MgドープのGaNからp型半導体層9と活性層8及びn型半導体層7の一部までをエッチングし、SiドープのGaN層を露出させる。
さらに、p型半導体層9の表面全面にNi/Auからなる透光性のp電極10を、さらに透光性のp電極10上において、n型半導体層7の露出面と対向する位置にW/Pt/Auからなるpパッド電極11を形成する。n型半導体層7の露出面にはW/Pt/Auからなるn電極12を形成する。p電極10及びn電極12の一部を残し、保護膜13で、表面を被覆する。
最後にウェハを四角形状にチップ化し、一辺が350μmの半導体チップ14を得る。これを、反射鏡を備えたリードフレームに実装して、砲弾型のLEDを作製する。
最後にウェハを四角形状にチップ化し、一辺が350μmの半導体チップ14を得る。これを、反射鏡を備えたリードフレームに実装して、砲弾型のLEDを作製する。
このようにして得られたLEDは、凹凸形状の被膜を有さない同様のLEDに比較して、順方向電流において、外部への発光出力が向上していることが確認された。
また、エッチング効率の上昇が認められるとともに、歩留まりも向上した。
また、エッチング効率の上昇が認められるとともに、歩留まりも向上した。
実施例2
図6に示したように、凹凸を構成する酸化アルミニウム膜16のネガ型パターンの形状を、2段階の傾斜面で形成する以外、実施例1と同様に砲弾型のLEDを作製する。
なお、凸部側面の傾斜角θ1は70°、傾斜角θ2は20°とする。 また、2段階の傾斜面を形成するために、塗膜を形成し、乾燥した後、大気雰囲気下にて照射量7J/cm2の紫外線を、マスクパターンを通して塗膜に10分間照射し、露光部と未露光部とを得、その後、エッチングのために基板を室温のキシレンに1分間浸漬して、塗膜の未露光部を完全に溶解除去し、続いて、1200℃のアルゴン雰囲気中で、60分間熱処理する。
図6に示したように、凹凸を構成する酸化アルミニウム膜16のネガ型パターンの形状を、2段階の傾斜面で形成する以外、実施例1と同様に砲弾型のLEDを作製する。
なお、凸部側面の傾斜角θ1は70°、傾斜角θ2は20°とする。 また、2段階の傾斜面を形成するために、塗膜を形成し、乾燥した後、大気雰囲気下にて照射量7J/cm2の紫外線を、マスクパターンを通して塗膜に10分間照射し、露光部と未露光部とを得、その後、エッチングのために基板を室温のキシレンに1分間浸漬して、塗膜の未露光部を完全に溶解除去し、続いて、1200℃のアルゴン雰囲気中で、60分間熱処理する。
実施例3
まず、回転子を入れた300mLのフラスコにアクリロイルオキシエチルモノフタレート10.57gを精秤し、アセトン100mLと水100mLとを加え、さらに、25%アンモニア水2.7mLをゆっくりと添加し、アクリロイルオキシエチルモノフタレートアンモニウム塩の均一溶液を調製する。この溶液に、硝酸亜鉛六水和物5.95gを水30mLに溶解した水溶液を滴下すると白色の沈殿物が生成する。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して、アクリロイルオキシエチルモノフタレート亜鉛の白色固体11.24gを得る。収率は95.0%である。
まず、回転子を入れた300mLのフラスコにアクリロイルオキシエチルモノフタレート10.57gを精秤し、アセトン100mLと水100mLとを加え、さらに、25%アンモニア水2.7mLをゆっくりと添加し、アクリロイルオキシエチルモノフタレートアンモニウム塩の均一溶液を調製する。この溶液に、硝酸亜鉛六水和物5.95gを水30mLに溶解した水溶液を滴下すると白色の沈殿物が生成する。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して、アクリロイルオキシエチルモノフタレート亜鉛の白色固体11.24gを得る。収率は95.0%である。
得られたアクリロイルオキシエチルモノフタレート亜鉛10.0gと2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン2.21gとを、トルエン43.0gに溶解し、酸化亜鉛薄膜用組成物とする。
この組成物を、A面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板上に、大気雰囲気下、1000回転、15秒間スピンコーターにて塗布した後、25℃にて真空乾燥した。乾燥後、大気雰囲気下にて照射量0.8J/cm2の紫外線を、マスクパターンを通して塗膜に10分間照射する。
この組成物を、A面(11−20)にオリフラのあるC面(0001)を主面とするサファイア基板上に、大気雰囲気下、1000回転、15秒間スピンコーターにて塗布した後、25℃にて真空乾燥した。乾燥後、大気雰囲気下にて照射量0.8J/cm2の紫外線を、マスクパターンを通して塗膜に10分間照射する。
紫外線照射後、エッチングのために基板を室温のトルエンに1分間浸漬して、塗膜の未感光部を完全に溶解除去する。
その後、電気炉に入れ、大気雰囲気中500℃で10分焼成する。
さらに、大気雰囲気中750℃で30分焼成し、凸部の最上面の直径φ=3μm、凸部と凸部の間隔が1.5μmの凹凸形状を有する結晶化した酸化亜鉛のネガ型パターンを形成する。膜厚は95nmである。なお、この膜厚を得るために、上記工程を2回繰り返す。
その後、電気炉に入れ、大気雰囲気中500℃で10分焼成する。
さらに、大気雰囲気中750℃で30分焼成し、凸部の最上面の直径φ=3μm、凸部と凸部の間隔が1.5μmの凹凸形状を有する結晶化した酸化亜鉛のネガ型パターンを形成する。膜厚は95nmである。なお、この膜厚を得るために、上記工程を2回繰り返す。
その後、実施例1と同様に砲弾型のLEDを作製する。
ZnOで凹凸被膜を形成する場合には、ZnOの屈折率がサファイアとGaNとの中間になるため、表面(界面)反射量が少なくなり、効率よく、光を取り出すことができる。また、ZnOの格子定数がGaNに近いために、結晶性が良好となり、より効率的に光を取り出すことが可能となる。
ZnOで凹凸被膜を形成する場合には、ZnOの屈折率がサファイアとGaNとの中間になるため、表面(界面)反射量が少なくなり、効率よく、光を取り出すことができる。また、ZnOの格子定数がGaNに近いために、結晶性が良好となり、より効率的に光を取り出すことが可能となる。
本発明は、半導体素子、特に、半導体発光素子に有効に利用することができる基板を形成する方法、基板及び半導体素子であり、基板上に成長させる化合物半導体層に発生するピットやボイドを抑制する方法、また半導体素子において、半導体層での光の導波方向を変えて、外部量子効率を向上させることができる半導体素子のすべてに利用することができる。
1 基板
2 塗膜
3 マスクパターン
4 露光部
5 未露光部
6、16 酸化アルミニウムのネガ型パターン
7 n型半導体層
8 活性層
9 p型半導体層
10 p電極
11 pパッド電極
12 n電極
13 保護膜
14、24 半導体チップ
2 塗膜
3 マスクパターン
4 露光部
5 未露光部
6、16 酸化アルミニウムのネガ型パターン
7 n型半導体層
8 活性層
9 p型半導体層
10 p電極
11 pパッド電極
12 n電極
13 保護膜
14、24 半導体チップ
Claims (10)
- 基板上に、ゾル−ゲル法により、凹凸を構成する被膜を形成し、その上に化合物半導体層を形成することを特徴とする基板の形成方法。
- 基板が、c面、a面、m面の、Al2O3基板、Si基板、SiC基板又はスピネル基板である請求項1に記載の基板の形成方法。
- 基板上に被膜を形成した後、化合物半導体層を形成する前に、前記被膜を1000℃以上で加熱処理する請求項1又は2に記載の基板の形成方法。
- 凹凸を構成する被膜を、インクジェット法による印刷又はフォトリソグラフィー法により形成する請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板の形成方法。
- 凹凸がその形状を繰り返したパターンである請求項1〜4のいずれか1つに記載の基板の形成方法。
- 被膜の凹凸の側面が、少なくとも2以上の傾斜角の異なる傾斜面を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の基板の形成方法。
- 傾斜面が、基板の底面側から少なくとも第1の傾斜面及び第2の傾斜面を有し、前記第1の傾斜面における傾斜角θ1と第2の傾斜面における傾斜角θ2との関係がθ1>θ2である請求項1〜6のいずれか1つに記載の基板の形成方法。
- 被膜が、Al2O3、ZnO又はMgAl2O4である請求項1〜7のいずれか1つに記載の基板の形成方法。
- 基板上に、ゾル−ゲル法によって凹凸を構成するZnO膜又はAl2O3膜が形成され、さらにその上に化合物半導体層を有してなることを特徴とする半導体基板。
- 請求項1〜8のいずれか1つの基板の形成方法によって得られた基板に形成されてなることを特徴とする半導体素子。
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-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029849A patent/JP2005223154A/ja active Pending
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