以下、本発明の実施形態に係るシート積載装置を備えた画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれら複合機器等、シート積載部に排出されたシートを整合可能なシート積載装置を備えた画像形成装置である。以下の実施形態においては、画像形成装置として、白黒/カラー複合機器(以下、単に「複合機器」という)1を用いて説明する。
本発明の実施形態に係る複合機器1について、図1から図13を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係る複合機器1の全体構成について、図1及び図2を参照しながらシートSの動きに沿って説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機器1の全体構成を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係るフィニッシャ500の全体構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る複合機器1は、シートに画像を形成する複写機100と、複写機100に接続されたシート積載装置としてのフィニッシャ500と、を備えている。本実施形態に係るフィニッシャ500は、複写機100に着脱自在に構成されており、単独でも使用可能な複写機100に対して、オプションとして使用することが可能となっている。また、本実施形態に係るフィニッシャ500は、画像が形成された複数のシートに所定のシート処理としての整合処理を行うものであり、シート処理は、複写機100に設けられた操作部601からユーザにより入力された設定に応じて行われる。
なお、本実施形態においては、上述した着脱自在のフィニッシャ500を用いて説明するが、本発明においては、複写機100とフィニッシャ500とが一体の複合機器であってもよい。また、以下においては、ユーザが複合機器1に対して各種入力/設定を行う操作部601に臨む位置を複合機器1の「手前」といい、複合機器1の背面側を「奥」という。つまり、図1は、手前から見た複合機器1の内部構成を示したものであり、フィニッシャ500は、複写機100の側部に接続されている。
複写機100は、シートを収納するシート収納部101と、シート収納部101に収納されたシートに画像を形成する画像形成部102と、画像形成部で形成された画像を定着させる定着部103と、原稿の画像を読み取る画像読取装置107と、を備えている。
画像読取装置107は、原稿を自動給送する原稿給送部107aと、原稿を読み取る原稿読取部107bとを有しており、原稿読取部107bで読み取られた原稿の画像情報は、画像形成部102に送られる。画像形成部102は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が形成される感光ドラム102a〜102dを有しており、感光ドラム102a〜102dに原稿読取部107bで読み取られた画像情報に基づいた各色のトナー像を形成する。
シート収納部101は、シートを収納するカセット101a,101bを有しており、上述の画像形成動作に並行して、カセット101a,101bに収納されたシートを所定のタイミングで画像形成部102に給送する。画像形成部102にシートが給送されると、感光ドラム102a〜102dに形成された各色のトナー像が転写され、シートに未定着のトナー画像が形成される。その後、画像形成部102のシート搬送方向の下流側に設けられた定着部103にシートが搬送されると、定着部103で未定着トナー像が定着され、シートは排出ローラ対104によりフィニッシャ500に送り込まれる。
なお、両面印刷の場合は、反転ローラ105でシートが反転された後、反転搬送路に設けられる搬送ローラ106a〜106fにより反転したシートが画像形成部102に再搬送され、上述が繰り返される。
フィニッシャ500は、排出ローラ対104のシート排出方向の下流側に接続されており、複写機100から送り込まれた複数枚のシートを導入し、操作部601から入力された設定等に基づいてシート処理等ができるようになっている。
図2に示すように、複写機100から送り込まれたシートは、まず、フィニッシャ500の上流側に設けられた入口ローラ対501に受け渡される。このとき、不図示の入口センサによりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。入口ローラ対501に受け渡されたシートは、搬送ローラ対502に搬送され、横レジ検知ユニット300によりシート幅方向(以下、単に「幅方向」という)の端部位置が検知される。つまり、シートは、幅方向にどの程度、横レジ誤差が生じているかが検知される。横レジ検知ユニット300で横レジ誤差が検知されると、排出位置変更手段としてのシフトユニット400によりシートを所定量移動させるシフト動作が行われる。例えば、ユーザが操作部601で所定枚数毎にシフト排出させる仕分け設定を行った場合、横レジ検知ユニット300で横レジ誤差が検知されると、シフトユニット400は、検知誤差を考慮した仕分け位置までシートを幅方向に移動する。なお、横レジ検知ユニット300及びシフトユニット400については、後に詳しく説明する。
その後、シートは、搬送ローラ対506〜508によりシート搬送路内を順次搬送され、切換えフラッパ509により搬送方向が切り替えられることで上積載トレイ515又は下積載トレイ516に排出される。例えば、切換えフラッパ509が上積載トレイ515側に切り換えられた場合には、シートは、シート排出部としての排出ローラ対510により上積載トレイ515上に排出される。一方、切換えフラッパ509が下積載トレイ516側に切り換えられた場合には、搬送ローラ対511〜513により順次搬送され、シート排出部としての排出ローラ対514により下積載トレイ516上に排出される。
上積載トレイ515に排出されたシートは、シート排出方向(以下、単に「排出方向」という)の上流側に下り傾斜した積載面上を排出方向の上流側に移動する。そして、上流側に設けられた不図示の突き当て部材に突き当たって停止することで排出方向に整合される。排出方向に整合されると、整合手段としての上トレイ整合部517で幅方向に整合される。同様に、下積載トレイ516上に排出されたシートは、排出方向の上流側に下り傾斜した積載面上を排出方向の上流側に移動する。そして、上流側に設けられた不図示の突き当て部材に突き当たって停止することで排出方向に整合される。排出方向に整合されると、整合手段としての下トレイ整合部518で幅方向に整合される。なお、上トレイ整合部517及び下トレイ整合部518と、上積載トレイ515及び下積載トレイ516とについては、後に詳しく説明する。
次に、本実施形態に係る複合機器1の制御部10について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る複合機器1の制御部10を示すブロック図である。図4は、本実施形態に係るフィニッシャ500を制御するフィニッシャ制御部636を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部10は、CPU回路部630と、原稿給送装置制御部632と、イメージリーダ制御部633と、画像信号制御部634と、プリンタ制御部635と、フィニッシャ制御部636と、を備えている。本実施形態においては、CPU回路部630、原稿給送装置制御部632、イメージリーダ制御部633、画像信号制御部634及びプリンタ制御部635は、複写機100に搭載され、フィニッシャ制御部636は、フィニッシャ500に搭載されている。
CPU回路部630は、CPU629と、ROM631と、RAM655と、を備えている。CPU629は、ROM631に格納されているプログラム及び操作部601から入力される設定に従って、原稿給送装置制御部632、イメージリーダ制御部633、画像信号制御部634、プリンタ制御部635及びフィニッシャ制御部636を制御する。RAM655は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。
原稿給送装置制御部632は、原稿給送部107aを制御し、イメージリーダ制御部633は、原稿給送部107aから給送された原稿の情報を読み取る原稿読取部107bを制御する(図1参照)。イメージリーダ制御部633により読み取られた原稿のデータは、画像信号制御部634へ出力される。プリンタ制御部635は、複写機100を制御する。外部インターフェイス637は、外部コンピュータ620と複写機100とを接続させるためのインターフェイスであり、例えば、外部コンピュータ(PC)620から入力されたプリントデータを画像に展開して画像信号制御部634へ出力する。画像信号制御部634に出力された画像データは、プリンタ制御部635へ出力され、画像形成部102で画像が形成される。
図4に示すように、フィニッシャ制御部636は、CPU(マイコン)701と、RAM702と、ROM703と、入出力部(I/O)705と、通信インターフェイス706と、ネットワークインターフェイス704と、を備えている。また、フィニッシャ制御部636は、搬送制御部707と、積載トレイ整合制御部708と、を備えている。フィニッシャ制御部636は、CPU回路部610との情報のやり取りを行うことによって、図4に示す様々な駆動モータ及びセンサを制御して、フィニッシャ500による後述のシート排出動作等の制御を実行する。例えば、フィニッシャ制御部636は、排出ローラ対510から排出されるシートの幅方向位置を変更させる排出位置変更制御、シートを幅方向に整合する両側整合制御及び片側整合制御等を実行する。
次に、本実施形態に係るフィニッシャ500の横レジ検知ユニット300について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るフィニッシャ500の横レジ検知ユニット300を下流側から見た断面図である。
図5に示すように、横レジ検知ユニット300は、一対の搬送ガイド307,308により形成されたシート搬送路309内を通過するシートの端部を、横レジ検知センサS5が検知することでシートの幅方向の端部位置を特定する。横レジ検知センサS5は、軸受303,304に支持されており、軸受303,304は、フィニッシャ500に固定されたガイド305,306に図5に示す幅方向Xに移動可能に支持されている。軸受303,304は、固定板310を介してタイミングベルト311に接続されており、タイミングベルト311は、フィニッシャ500に支持されたプーリ312と、横レジ検知駆動モータM5に接続されたプーリ313と、に掛け渡されている。
横レジ検知センサS5は、固定板310に設けられた固定板フラグ310aをフィニッシャ500に取り付けられた横レジ検知HPセンサS6で検知することで横レジ検知センサS5のホームポジションを決定する。そして、複写機100の操作部601から入力されたシートサイズ情報に基づいてホームポジションから予めシートサイズに応じた位置に移動し、凹部に侵入してきたシートの幅方向の端部位置を検知することでシートの幅方向の端部位置を特定する。
次に、フィニッシャ500のシフトユニット400について、図2及び図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るフィニッシャ500のシフトユニット400を下流側から見た断面図である。
図2及び図6に示すように、シフトユニット400は、一対の搬送ガイド403a,403bにより形成されたシート搬送路423内を、搬送ローラ対503及び搬送ローラ対504により搬送されるシートが通過するように形成されている。搬送ローラ対503及び搬送ローラ対504は、ギア415,416を介してシフト搬送モータM7に接続されており、シフト搬送モータM7の回転に応じて正逆回転可能に構成されている。なお、搬送ローラ対503、搬送ローラ対504及び搬送ガイド403a,403bは、フレーム405〜408によって支持されている。フレーム405〜408には、軸受409〜412が固定されており、軸受409〜412は、ガイド413,414に図6に示す幅方向Xに移動可能に支持されている。軸受409〜412は、固定板419を介してタイミングベルト418に接続されており、タイミングベルト418は、フィニッシャ500に支持されたプーリ420と、シフトモータM6に接続されたプーリ421と、に掛け渡されている。
シフトユニット400は、図6に示す幅方向Xに移動するフレーム406に設けられたフラグ部406eをフィニッシャ500に取り付けられたシフトユニットHPセンサS7で検知することでフレーム405〜408のホームポジションを決定する。そして、ホームポジションから横レジ誤差に応じた位置へとフレーム405〜408が移動することでシートを幅方向に移動させる。
次に、本実施形態に係るフィニッシャ500の上トレイ整合部517及び下トレイ整合部518について、図2に加え、図7から図9を参照しながら説明する。まず、上トレイ整合部517及び下トレイ整合部518の構成について、図7を参照しながら説明する。なお、上トレイ整合部517と下トレイ整合部518とは、構成が同じであるため、ここでは下トレイ整合部518を用いて説明し、上トレイ整合部517については説明を省略する。また、以下においては、幅方向を手前奥方向というものとする。図7は、本実施形態に係るフィニッシャ500の下トレイ整合部518を示す斜視図である。
図2に示すように、下トレイ整合部518は、下積載トレイ516の上方に設けられている。図7に示すように、下トレイ整合部518は、一方側としての手前側に配設された手前整合ユニット550bと、他方側としての奥側に配設された奥整合ユニット550aと、上ステイ529と、を備えている。手前整合ユニット550b及び奥整合ユニット550aは、上ステイ529に対して手前奥方向で対称になるように取り付けられており、上ステイ529は、フィニッシャ500に支持されている。
手前整合ユニット550bは、第1整合部材としての手前整合部材519bと、プーリ支板528bと、手前整合部材スライドモータM2と、手前整合部材HPセンサS2と、を備えている。また、奥整合ユニット550aは、第2整合部材としての奥整合部材519aと、プーリ支板528aと、奥整合部材スライドモータM1と、奥整合部材HPセンサS1と、を備えている。なお、手前整合ユニット550bと奥整合ユニット550aとは、基本的な構成が同じであるため、ここでは奥整合ユニット550aの構成について説明し、手前整合ユニット550bについては、同じ符号を付してその説明は省略する。
奥整合部材519aは、スライド部材521に基端部が支持されており、スライド部材521は、第1整合支軸520を回転中心として第1整合支軸520に回転自在及びスライド自在に支持されると共に、第2整合支軸532に回転止めとして支持されている。また、スライド部材521は、スライド位置検知部材523とで第2スライド駆動伝達ベルト525を挟持しており、第2スライド駆動伝達ベルト525は、両端を一対のスライド駆動伝達プーリ526a,526bに掛け渡されている。スライド駆動伝達プーリ526aは、プーリ支板528aにカシメ結合されたプーリ支軸527に回転自在に支持されており、段プーリとなっているスライド駆動伝達プーリ526aは、第1スライド駆動伝達ベルト524とも係合している。第1スライド駆動伝達ベルト524は、奥整合部材スライドモータM1と係合している。奥整合部材519aは、奥整合部材スライドモータM1の駆動によりスライド部材521が第1整合支軸520に沿ってスライドすることで手前奥方向に移動し、先端部をシートの幅方向の端部に当接させてシートを幅方向に整合する。
プーリ支板528aは、上ステイ529に取り付けられており、奥整合部材スライドモータM1は、スライド駆動モータ支板530を介して上ステイ529に取り付けられている。奥整合部材HPセンサS1は、整合位置検知支板531を介して上ステイ529に取り付けられており、奥整合部材519aのホームポジションを検知する。なお、手前整合部材HPセンサS2も整合位置検知支板531を介して上ステイ529に取り付けられており、奥整合部材519aと手前整合部材519bとが対を成し、シート排出方向と直交する幅方向にスライドすることでシートの整合が行われる。
次に、下トレイ整合部518の奥整合部材519aの昇降動作及び昇降に係る部材について図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る下トレイ整合部518の奥整合部材519aの昇降機構を説明するための図である。図9は、本実施形態に係る奥整合部材519aの昇降機構を駆動する駆動機構を説明するための図である。
図8に示すように、第1整合支軸520に支持された奥整合部材519aは、回転止めとしての第2整合支軸532に係合している。第2整合支軸532は、一対の整合部材昇降プーリ533a,533bの穴部533hに両端が嵌合することで支持されており、一対の整合部材昇降プーリ533a,533bは、第1整合支軸520の両端も支持している。一対の整合部材昇降プーリ533a,533bが第1整合支軸520を中心に回転すると、第2整合支軸532も第1整合支軸520を中心に回転移動するため、係合している奥整合部材519aが回転し昇降する(図8(c)参照)。
また、図9に示すように、手前側の整合部材昇降プーリ533aは、駆動伝達ベルト535を介して第2昇降プーリ534に接続されている。第2昇降プーリ534は、昇降伝達軸536に手前奥共にDカットで接続されており、昇降伝達軸536には、第3昇降プーリ537が接続されている。第3昇降プーリ537は、駆動伝達ベルト538を介して整合部材昇降モータM3と接続されている。これにより、整合部材昇降モータM3の駆動が、奥整合部材519aへと伝わり、奥整合部材519aの昇降動作が行われる。
このとき、一対の整合部材昇降プーリ533a,533bが回転すると、一対の整合部材昇降プーリ533a,533bが持つフラグ部533fが、奥整合部材519aの昇降位置を検出する整合部材昇降HPセンサS3をオン、オフする。これにより、奥整合部材519aの昇降位置が検出され、検出結果に基づいて奥整合部材519aが制御される。このようにして、整合部材昇降モータM3の駆動が奥整合部材519aの昇降へと伝達され、奥整合部材519aは、回転及び位置が制御される。
以上の動作により、奥整合部材519aと手前整合部材519bとでシート排出方向と直交する幅方向を整合しながらシートを下積載トレイ516へと積載する。そして、ユーザの指定した所定枚数を積載した後に、奥整合部材519a及び手前整合部材519bを上方に回動させて、整合位置から退避させるようになっている。
次に、本実施形態に係るフィニッシャ500の上積載トレイ515及び下積載トレイ516について、図10を参照しながら説明する。なお、上積載トレイ515と下積載トレイ516とは、構成が同じであるため、ここでは下積載トレイ516を用いて説明し、上積載トレイ515については説明を省略する。図10は、本実施形態に係るフィニッシャ500の下積載トレイ516を示す斜視図である。
図10に示すように、下積載トレイ516の積載面上には、シート有無検知手段としてのシート有無検知フラグ583が突出しており、シート有無検知フラグ583は、シート有無検知板584を介してベースプレート572に取り付けられている。シート有無検知フラグ583は、シート有無検知板584にカシメ締結されたフラグ回転軸585を回転中心として、図10に示す矢印R方向に回動自在に支持されており、図10(a)に示す突出した状態となるように回転バネ586によって付勢されている。
シート有無検知フラグ583が突出した状態のとき、シート有無検知手段としてのシート有無検知センサS4はオフ状態となり、積載トレイ整合制御部708により下積載トレイ516の積載面上にはシート無しと判断される。積載トレイ整合制御部708によりシート無しと判断されると、排出位置変更制御と共に両側整合制御が実行されるようになる。一方、下積載トレイ516上にシートが積載されると、シートの重さによりシート有無検知フラグ583が回動してシート有無検知センサS4がオン状態となり、積載トレイ整合制御部708により下積載トレイ上にシートが積載されたと判断される。積載トレイ整合制御部708によりシート有りと判断されると、排出位置変更制御と共に片側整合制御が実行されるようになる。
例えば、図10に示すシート無し状態(オフ状態)の時は、奥整合部材519aと手前整合部材519bとを動かすことでシートを挟んで整合(両側整合制御)する。一方、シートが排出され、シート有無検知センサS4がオン状態となった時は、奥整合部材519aのみを移動させて、不動の手前整合部材519bにシートを突き当てさせてシートを挟んで整合(片側整合制御)する。このように、シート有無検知手段の検知結果に基づいて、両側整合制御又は片側整合制御が実行される。
次に、下積載トレイ516にシートが排出される際のフィニッシャ500によるシート排出動作について、図11に示すフローチャートに沿って、図12及び図13を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係るフィニッシャ500の下トレイ整合部518によるシート整合動作を示すフローチャートである。図12は、本実施形態に係る下トレイ整合部518の手前整合部材519b及び奥整合部材519aによるシートの整合動作を示す図である。図13は、本実施形態に係る下トレイ整合部518の手前整合部材519b及び奥整合部材519aによる2部目以降のシートの整合動作を模式的に示す図である。
ユーザによりシフト排出のジョブが選択されると、まず、横レジ検知駆動モータM5を駆動して横レジ検知センサS5のホームポジションを検出し、横レジ検知センサS5をホームポジションからシートサイズに応じた所定位置に移動させる(ステップS801)。なお、横レジ検知センサS5が待機するシートサイズに応じた所定位置は、操作部601から入力されたシートサイズ情報に基づいて予め設定された位置であり、横レジ検知センサS5は、横レジ検知駆動モータM5を所定量駆動することで所定位置に移動される。
次に、シフト搬送モータM7を駆動して、シフトユニット400のフレーム405〜408のホームポジションを検出し、フレーム405〜408をホームポジションからシートサイズに応じた所定位置に移動させる(ステップS802)。なお、フレーム405〜408が待機するシートサイズに応じた所定位置は、操作部601から入力されたシートサイズ情報に基づいて予め設定された位置であり、フレーム405〜408はシフト搬送モータM7を所定量駆動することで所定位置に移動される。
この状態で、シート有無検知センサS4による下積載トレイ516上のシートの有無が判断される(ステップS803)。例えば、シート有無検知センサS4がオフ状態であると、下積載トレイ516にシートが無いと判断される(ステップS803のNo)。すると、奥整合部材519a及び手前整合部材519bの幅方向におけるホームポジションを検出し、各ホームポジションから奥整合部材519aと手前整合部材519bとをシートサイズに応じた第1両側整合待機位置にそれぞれ移動させる(ステップS813)。なお、奥整合部材519aと手前整合部材519bとが待機する第1両側整合待機位置は、後述の両側整合する際の、シートサイズ情報に基づいて予め設定された位置であり、奥整合部材519aと手前整合部材519bとの間にシートを排出可能な位置である。また、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、奥整合部材スライドモータM1及び手前整合部材スライドモータM2を所定量駆動することでホームポジションから第1両側整合待機位置に移動される。
次に、第1両側整合待機位置で待機している奥整合部材519a及び手前整合部材519bの昇降方向におけるホームポジションを検出する。このとき、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、上方に回動した状態で待機している。それぞれの昇降方向におけるホームポジションが検出されると、各ホームポジションから奥整合部材519aと手前整合部材519bとを所定量回動させて、図12(a)に示すような第2両側整合待機位置へと移動させる(ステップS814)。なお、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、整合部材昇降モータM3を所定量駆動することで、昇降方向におけるホームポジションから第2両側整合待機位置に回動される。
シート収納部101に収納されたシートP1の給送が開始され、画像形成部102で画像が形成されたシートP1がフィニッシャ500に搬送されると、横レジ検知センサS5によるシートP1の横レジ誤差Dが検知される(ステップS815〜S817)。横レジ検知ユニット300で横レジ誤差Dが検知されると、シフトユニット400によりシートP1を幅方向に移動させるシフト動作(排出位置変更制御)が行われる。本実施形態においては、横レジ誤差Dに対して距離aだけ少ないシフト量(D−a)を、幅方向に移動させる(ステップS818)。
なお、シフト量(D−a)は、下積載トレイ516上に排出される際のシートP1を、第2両側整合待機位置で待機する奥整合部材519a及び手前整合部材519bの整合位置に対応した第1排出位置に排出させる(図12(a))ための幅方向の移動量である。また、第1排出位置とは、奥整合部材519aと手前整合部材519bとに挟まれてシートが整合される際の、Zを中心とした整合位置を含む整合位置の近傍位置である。シートが第1排出位置に排出されることで、例えば、後述の両側整合する際、奥整合部材519aと手前整合部材519bとで挟まれて移動するシートの移動量を少なくすることができる。
次に、下積載トレイ516上にシートP1が排出されると、図12(b)に示すように、奥整合部材519aと手前整合部材519bとの両方を駆動して、シートP1を挟んで幅方向に整合する両側整合を行う(ステップS819、S820)。なお、ここでいう両側整合は、奥整合部材519a及び手前整合部材519bのそれぞれと、シートP1の幅方向両端部との間に所定の隙間(例えば、0.5mm)ができる間隔で行う整合をいう。両側整合が終了すると、図12(c)に示すように、手前整合部材519bをその場に留め、奥整合部材519aを奥側に退避させる(ステップS821)。
シートP1が最終シートでなければ、ステップS806に進み、シートP1が最終シートであれば、手前整合部材519bを手前側に退避させてジョブを終了させる(ステップS822)。ステップS806に進むと、まず、横レジ検知センサS5により、2枚目のシートP2の横レジ誤差Dが検知される(ステップS806〜S808)。横レジ検知ユニット300でシートP2の横レジ誤差が検知されると、シフトユニット400によりシートP2を所定量移動させるシフト動作(排出位置変更制御)が行われる。本実施形態においては、シートP2は、シフトユニット400で横レジ誤差Dだけ移動され、シートP1よりも所定距離aだけ奥側に排出される(ステップS809、S810)。つまり、図12(c)に示すように、シートP2は整合位置よりも所定距離aだけ奥側に離れた第2排出位置に排出される。シートP2を第2排出位置に排出することで、後述の片側整合が可能となる。
シートP2が整合位置よりも所定距離aだけ奥側の第2排出位置に排出されると、図12(d)に示すように、手前整合部材519bに向けて奥整合部材519aを移動させて、奥側からの片側整合を行う(ステップS811)。このとき、1枚目のシートP1は、固定された手前整合部材519bとの間に僅かな隙間(本実施形態においては0.5mm)を隔てた位置にあり、シートP2のように、距離aだけずれた位置から最終的な積載位置へと移動させられることがない。つまり、下積載トレイ516上での幅方向の移動量が少ないため、下積載トレイ516と1枚目のシートP1とが貼り付いてシートP1が斜めに傾くことを低減可能になる。
奥整合部材519aを移動させることで奥整合部材519a及び手前整合部材519bの片側整合が終了すると、シートP1、P2の手前側の端部を固定した手前整合部材519bをその場に留め、奥整合部材519aを奥側に退避させる(ステップS812)。そして、シートP2が最終シートでなければ、ステップS806に進んで上述を繰り返し、シートP2が最終シートであれば、手前整合部材519bを手前側に退避させてジョブを終了させる(ステップS822)。
一方、ステップS803で、シート有無検知センサS4がオン状態であると、下積載トレイ516に既積載シートが有るため、まず、奥整合部材519a及び手前整合部材519bの幅方向におけるホームポジションを検出する。それぞれのホームポジションが検出されると、各ホームポジションから奥整合部材519aと手前整合部材519bとをシートサイズに応じた第1片側整合待機位置にそれぞれ移動させる(ステップS804)。なお、奥整合部材519aと手前整合部材519bとが待機する第1片側整合待機位置は、シートサイズ情報に基づいて予め設定された位置であり、積載位置で固定された手前整合部材519bと奥整合部材519aとの間にシートを排出可能な位置である。また、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、奥整合部材スライドモータM1及び手前整合部材スライドモータM2を所定量駆動することでホームポジションから第1片側整合待機位置に移動される。
次に、第1片側整合待機位置で待機している奥整合部材519a及び手前整合部材519bの昇降方向におけるホームポジションを検出する。このとき、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、上方に回動した状態で待機している。それぞれの昇降方向におけるホームポジションが検出されると、各ホームポジションから奥整合部材519aと手前整合部材519bとを所定量回動させて、第2片側整合待機位置へと移動させる(ステップS805)。なお、奥整合部材519a及び手前整合部材519bは、整合部材昇降モータM3を所定量駆動することで、昇降方向におけるホームポジションから第2片側整合待機位置に回動される。
シート収納部101に収納されたシートの給送が開始され、画像形成部102で画像が形成されたシートがフィニッシャ500に搬送されると、横レジ検知センサS5によるシートの横レジ誤差Dが検知される(ステップS806〜S808)。横レジ検知ユニット300でシートの横レジ誤差が検知されると、シフトユニット400によりシートを所定量移動させるシフト動作(排出位置変更制御)が行われる。本実施形態においては、シートは、シフトユニット400で横レジ誤差Dだけ移動され、整合位置よりも所定距離aだけ奥側の離れた第2排出位置に排出される(ステップS809、S810)。
シートが積載位置よりも所定距離aだけ奥側の第2排出位置に排出されると、手前整合部材519bに向けて、奥整合部材519aを移動させて、奥側からのシートの片側整合を行う(ステップS811)。このとき、シートP2は、積載済みのシートの上をスライドしながら積載位置に移動されるため、積載済みシートとの摩擦力により下流側が移動しきれず斜めになることが防止される。また、積載済みシートが1枚目のシートであった場合においても、積載済みシートは、積載位置で手前側の端部が手前整合部材519bに固定されており、シートP2のように距離aだけずれた位置から最終的な積載位置へと移動させられることがない。つまり、下積載トレイ516上で幅方向に移動させることがないため、下積載トレイ516と積載済みシートとが貼り付いて積載済みシートが斜めに傾くことがなくなる。
奥整合部材519aを移動させることによる奥整合部材519a及び手前整合部材519bの片側整合が終了すると、シートP2の手前側の端部を固定する手前整合部材519bをその場に留め、奥整合部材519aを奥側に退避させる(ステップS812)。そして、シートP2が最終シートでなければ、ステップS806に進んで上述を繰り返し、シートP2が最終シートであれば、手前整合部材519bを手前側に退避させてジョブを終了させる(ステップS822)。
2部目以降のシートは全て、1部目の2枚目以降のシートと同様に、シフトユニット400で横レジ誤差Dだけ移動させた第2排出位置(積載位置よりも距離aだけ奥側の位置)に排出する。そして、図13(a)及び図13(b)に示すように、奥整合部材519aのみを駆動し、手前整合部材519bにシートを寄せて突き当てることで、シートの整合が行われる。このようにして、下積載トレイ516に最初に積載されるシートの排出位置を変えることで、1枚目のシートの積載ずれを防止する。そして、シート有無検知センサS4がオン状態になった2枚目以降は奥整合部材519aのみを動かすことで、積載済みシート束の積載を乱さないように整合動作が行われる。
この時、部数ごとに固定位置と整合位置とに奥整合部材519a及び手前整合部材519bを切り換えるために、部と部の間で、奥整合部材519a及び手前整合部材519bが所定の位置へと移動するようになっている。また、シートの仕分けを行わない場合については、図13(c)に示すように全てのシートにおいて、奥整合部材519a及び手前整合部材519bを幅方向に移動させてシートの整合を行う。
なお、本実施形態では、下積載トレイ516上に積載される1部目の最初のシートP1のみシフトユニット400での移動量を変えているが、1部目の全てのシートの移動量を少なくして第1排出位置へと排出しても同様の効果が得られる。この場合、シフト量(D−a)移動してシートを下積載トレイ516上の第1排出位置に排出させ、両側の整合部材をスライドさせて整合する。そして、2部目以降のシートから横レジ誤差D移動させて、奥整合部材519aにより、既積載のシート上を所定距離だけ寄せて手前整合部材に突き当てることで整合が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係るフィニッシャ500は、下積載トレイ516上にシートが無い場合には、シートP1を奥整合部材519aと手前整合部材519bとの整合位置に対応する第1排出位置に排出させ、奥及び手前整合部材でシートを整合する。そのため、奥整合部材519aと手前整合部材519bとにより幅方向の両側から略同時にシートを移動させながら整合可能となる。これにより、例えば、シートP1と下積載トレイ516との摩擦力等の影響により、シートP1の下流側が下積載トレイ516に対して移動し難くなる状態においても、シートP1の全体を幅方向に移動可能となる。その結果、シートP1が下積載トレイ516上で斜めに傾いた状態になることを防止可能になり、下積載トレイ516上に積載されるシートが積載ずれを起こすことを防止可能になる。
また、シートが奥整合部材519aと手前整合部材519bとの整合位置の近くで整合されるため、例えば、シートが斜めに排出された場合においても、シートの中心が整合される際の回動中心となる。そのため、整合する際に整合位置がずれることを防止することができる。また、例えば、シートP1と下積載トレイ516との摩擦力等の影響により、シートP1の下流側が下積載トレイ516に対して移動し難くなる状態においても、幅方向の両方から整合することで、斜めに傾いた状態になることを防止可能になる。
また、本実施形態に係るフィニッシャ500は、下積載トレイ516上にシートが有る場合には、整合位置で固定した手前整合部材519bに対して第1排出位置よりも所定距離離れた奥側の第2排出位置にシートを排出する。そのため、奥整合部材を移動してシートを整合可能となり、下積載トレイ516上の既積載シートの整合状態を乱すことなく2枚目以降のシートを片側から整合することができる。例えば、1枚目のシートP1は、手前側の端部が手前整合部材519bの近傍に位置しており、シートP2のように、横レジ誤差Dだけ寄せられた位置から奥整合部材519aで最終的な積載位置(整合位置)へと寄せられることがない。つまり、下積載トレイ516上での幅方向の移動距離が短いため、下積載トレイ516と1枚目のシートP1とが貼り付いてシートP1が斜めに傾くことが防止される。また、シートP2は、シートP1上を移動し、シート同士の摩擦力の方がシートと下積載トレイ516との摩擦力の方が小さいため、シートP1によりシートP2が傾くことが防止可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されない。
例えば、本実施形態においては、シートを幅方向に移動させる際にシフトユニット400を用いて説明したが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、上積載トレイ515や下積載トレイ516を幅方向に移動可能な積載部移動機構を設け、積載部移動機構を用いて、上積載トレイ515や下積載トレイ516に排出されるシートの幅方向の排出位置を変更させる構成であってもよい。また、例えば、排出ローラ対510、514を幅方向に移動可能な排出部移動機構を設け、排出部移動機構を用いて上積載トレイ515や下積載トレイ516に排出されるシートの幅方向の排出位置を変更させる構成であってもよい。
また、本実施形態においては、シートを片側整合する際、手前整合部材519bを固定し、奥整合部材519aを移動させることでシートの整合を行わせたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、奥整合部材519aを固定し、手前整合部材519bを移動させることでシートの整合を行う構成であってもよい。
また、本実施形態においては、フィニッシャ制御部636をフィニッシャ500に搭載させ、オンライン接続された複写機100に搭載されたCPU回路部630でフィニッシャ制御部636を制御する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、フィニッシャ制御部636をCPU回路部630と一体的に複写機100に搭載させ、複写機100側からフィニッシャ500を制御する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、奥整合部材519a及び手前整合部材519bのそれぞれと、シートP1の幅方向両端部との間に所定の隙間(例えば、0.5mm)ができる間隔で両側整合を行ったが本発明においてはこれに限定されない。例えば、両側整合は、奥整合部材519a及び手前整合部材519bのそれぞれをシートP1の幅方向両端部に突き当てて整合する構成であってもよい。この場合、シートが奥整合部材519aと手前整合部材519bとの整合位置で整合されるため、例えば、シートが斜めに排出された場合においても、シートの中心が整合される際の回動中心となる。そのため、整合する際に整合位置がずれることを防止することができる。また、例えば、シートP1と下積載トレイ516との摩擦力等の影響により、シートP1の下流側が下積載トレイ516に対して移動し難くなる状態においても、幅方向の両方から整合することで、斜めに傾いた状態になることを防止可能になる。また、例えば、1枚目のシートP1は、整合位置で手前側の端部が手前整合部材519bに固定されるため、シートP2のように、横レジ誤差Dだけ寄せられた位置から奥整合部材519aで最終的な積載位置(整合位置)へと寄せられることがない。つまり、下積載トレイ516上で幅方向に移動させることがないため、下積載トレイ516と1枚目のシートP1とが貼り付いてシートP1が斜めに傾くことがなくなる。