JP6000087B2 - 移植片の保存輸送容器 - Google Patents
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この場合においては、前記蓋部材と前記容器本体とを、前記周縁部分および前記縁部の相互が直接接触する箇所で、熱融着により固着し、前記挟込み固定部の前記周縁部を、前記蓋部材の前記周縁部分と、前記容器本体の前記縁部との相互の間の、該周縁部分および該縁部の相互の非固着箇所で、挟み込んで固定されてなることが好ましい。
したがって、本発明の移植片の保存輸送容器によれば、比較的簡易な構造で、輸送等に際する移植片の破損を有効に防止するとともに、例えば、移植片を輸送した後に、移植片を容器内部から容易に取り出し得て、速やかに使用することができる。
図1に例示する移植片の保存輸送容器1は、生体由来の細胞を含む移植片Cを、保存液Lとともに容器内部に収容して、その移植片Cを保存ないし輸送するための容器であって、図1の上方側に、たとえば、直径30mm〜150mm、好ましくは直径50mm〜100mm程度の開口部2aを有する、例えばカップ状の容器本体2と、その容器本体2の開口部2aを覆って容器本体2に液密に取り付けられる蓋部材3とを具えてなる。
また、保存液Lには、例えば、液体培地、生理食塩水、等張液、緩衝液、ハンクス平衡塩液等を用いることができる。
またここでは、移植片Cが、挟込み固定部4と蓋部材3の内表面との間で挟み込んで固定されているも、挟込み固定部4が、その移植片Cの配置領域、つまり、蓋部材3の内表面と挟込み固定部4との間の領域への保存液Lの通過を許容することから、容器1を上下逆向きとした状態では、保存液Lに接触する移植片Cの品質や生物学的活性を維持することができる。
なお、挟込み固定部4を、多数個の液体通過孔4aを有するシート状のものとした場合は、30〜80%の開口率を有するものが好ましく、メッシュシート状のものとした場合は、20〜500のメッシュ値を有するものが好ましい。
なお、容器本体2の開口部2aとは、筒状をなす側壁部分2cの軸線方向(図1では上下方向)の一端側の最外端位置で、その端部の内周縁の内側に形成されて、側壁部分2cの内部を外部に連通させる部分を指す。
なお、蓋部材3の周縁部分3aと容器本体2の縁部2dとの相互を、図2(a)に示すように、挟込み固定部4の周縁部4bを含めずに熱融着する場合は、例えば、容器本体2の開口部2aの直径Dを、側壁部分2cの内径より小さくして、容器本体2の開口部2aの周囲のフランジ状の縁部2dを容器内側に位置する内側縁部2eと、容器外側に位置する外側縁部2fとで構成させるとともに、内側縁部2eに挟込み固定部4の周縁部4bを位置させ、蓋部材3の周縁部分3aと容器本体2の外側縁部2fとの相互を熱融着により固着することができる。
なお、挟込み固定部4に設ける複数個の切離し孔4dは、それぞれの切離し孔4dが挟込み固定部4の両面を貫通する孔を、中間部4cの周囲に全周にわたって破線状に配置してなる、いわゆるミシン目とすることができる。
移送用フィルム5を蓋部材3と移植片Cとの間に配置することにより、移植片Cを輸送した後、蓋部材3を取り外す際に、移植片Cの蓋部材3への張付きを有効に防止しつつ、蓋部材3を取り外した後に、移送用フィルム5とともに移植片Cを取り出すことができる。また、移送用フィルム5を挟込み固定部4と移植片Cとの間に配置した場合には、移植片Cを輸送し、蓋部材3を取り外した後に、挟込み固定部4とともに移植片Cを容器内部から取り出すときよりも容易に、移送用フィルム5とともに移植片Cを容器内部から取り出すことができる。
そして、このように、移送用フィルム5を挟込み固定部4と移植片Cとの間に配置する場合、両面に貫通する多数個の液体通過孔4aを有するシート状の挟込み固定部4としたときは、30〜80%の開口率を有するものが好ましく、メッシュシート状の挟込み固定部4としたときは、20〜500のメッシュ値を有するものが好ましく、両面を貫通する、直径の大きな一個の液体通過孔を設けたシート状の挟込み固定部4としたときは、その孔の直径が20〜60mmであることが好ましい。また、かかる場合、移送用フィルム5は、保存液Lが透水可能な材質からなることが好ましい。
また、移送用フィルム5は、膜、紙、織布、不織布、多孔質材等の材料で形成することができる。
[容器本体]
開口部の直径および側壁部分の内径:60mm
容器の深さ:40mm
材料:ポリプロピレン製
なお、容器本体の側壁部分には、突起部を設けないものとした。
[蓋部材]
材料:ポリエチレン製
[挟込み固定部]
形状:中央域に、直径が20mmの液体通過孔を一個設けた、厚さが0.2mmのシート形状。
材料:ポリプロピレン製
なお、挟込み固定部には、切離し孔を設けないものとした。
[移送用フィルム]
配置位置:蓋部材の内表面と移植片との間、および挟込み固定部と移植片との間のそれぞれに一枚ずつ配置した。
材料:移植片中の細胞との接着性を有しない材料として、株式会社セルシードの製品「Cell Shifter TM」を使用した。
[蓋部材による覆蓋]
蓋部材の周縁部分、容器本体の縁部、および挟込み固定部の周縁部を熱融着により固着。
なお、使用した移植片は、ヒト骨格筋芽細胞からなる膜状組織であり、保存液は、HBSS(+)(Life Technologies TM)である。
上記の移植片の保存輸送容器の容器内部に保存液とともに移植片を収容し、該容器を上下逆向きに配置した状態で、移植片の輸送時に生じる振動を再現するために、回転振とう機(IWAKI ASAHI TECHNO GLASS,SHK―U3)を使用して、該容器を100rpm、約7時間の条件で振とうさせた。その後、移植片の外観、および移植片が容器内部から容易に取り出すことができたか否かを官能評価した。
容器本体から蓋部材を取り外した後の、挟込み固定部に配置された移植片には損傷がなかった。また、移送用フィルムとともに移植片を容器内部から、移植片に損傷を生じさせることなく、容易に取り出すことができ、そして、移植片を使用することができた。
したがって、この容器によれば、蓋部材の内表面との間で挟込み固定部を用いて移植片を挟み込んで固定するという、比較的簡易な構造で、振動から移植片の破損を有効に防止するとともに、振とうさせた後に、移植片を容器内部から容易に取り出し、速やかに使用できることが解った。
2 容器本体
2a 開口部
2b 底部分
2c 側壁部分
2d (容器本体の)縁部
2e 内側縁部
2f 外側縁部
3 蓋部材
3a (蓋部材の)周縁部分
4 挟込み固定部
4a 液体通過孔
4b (挟込み固定部の)周縁部
4c 中間部
4d 切離し孔
5 移送用フィルム
6 突出部
C 移植片
D 開口部の直径
H 容器の深さ
L 保存液
θ 突出部の傾き角度
Claims (6)
- 開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部を覆って該開口部を液密に塞ぐ蓋部材とを具えてなり、生体由来の細胞を含む移植片を、保存液とともに容器内部に収容して、該移植片を保存ないし輸送する時に前記開口部が鉛直方向の下側を向くように配置される、移植片の保存輸送容器であって、
前記容器本体の前記開口部に、前記蓋部材の内表面との間に前記移植片を挟み込み固定するとともに、前記保存液の通過を許容する挟込み固定部を設けたことを特徴とする移植片の保存輸送容器。 - 前記蓋部材の周縁部分と、前記容器本体の、前記開口部の周囲の縁部との相互が、該周縁部分および該縁部の間に前記挟込み固定部の周縁部を介在させて、熱融着により固着されてなることを特徴とする請求項1に記載の移植片の保存輸送容器。
- 前記蓋部材と前記容器本体とを、前記周縁部分および前記縁部の相互が直接接触する箇所で、熱融着により固着し、
前記挟込み固定部の前記周縁部を、前記蓋部材の前記周縁部分と、前記容器本体の前記縁部との相互の間の、該周縁部分および該縁部の相互の非固着箇所で、挟み込んで固定されてなることを特徴とする請求項2に記載の移植片の保存輸送容器。 - 前記挟込み固定部に、前記蓋部材の前記周縁部分と前記容器本体の前記縁部との間に介在させた前記周縁部からの、該周縁部に取り囲まれる中間部の切り離しを容易にする切離し孔を、該中間部の周囲に複数個並べて設けたことを特徴とする請求項2に記載の移植片の保存輸送容器。
- 前記容器本体を、一端側に前記開口部を有する側壁部分と、該側壁部分の他端側を密閉する底部分とで構成し、
前記側壁部分の内面に、容器内部に向けて突出形成される突出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の移植片の保存輸送容器。 - 前記蓋部材と前記移植片との間、および/または、前記挟込み固定部と前記移植片との間に、前記移植片を取り出した後の、該移植片の移送を容易にする移送用フィルムを配置したことを特徴とする請求項1に記載の移植片の保存輸送容器。
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