JP2013215168A - シート状移植片保持容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 輸送から使用まで、シート状移植片に負担をかけることなく保持でき、その取り扱いを容易にせしめるシート状移植片保持容器を提供する。
【解決手段】 シート状移植片保持容器1は、シート状移植片を保持する容器であって、シート状移植片100を液体101とともに収容する、密封可能なバッグ本体11を有し、バッグ本体11には、移植片取出口112と、シート状移植片を挿入するための開口部111とが設けられており、移植片取出口112が、剥離可能な弱シール部121を介して蓋12により封止されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状移植片保持容器に関する。
近年、損傷した組織等の修復のために、種々の細胞を移植する試みが行われている。例えば、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により損傷した心筋組織の修復のために、胎児心筋細胞、骨格筋芽細胞、ES細胞等の利用が試みられている。
このような試みの一環として、スキャフォールドを利用して形成した細胞構造物や、細胞をシート状に形成したシート状細胞培養物が開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
シート状細胞培養物の治療への応用については、火傷などによる皮膚損傷に対する培養表皮シートの利用、角膜損傷に対する角膜上皮シート状細胞培養物の利用、食道ガン内視鏡的切除に対する口腔粘膜シート状細胞培養物の利用などの検討が進められている。
このような細胞培養物などの移植片は、それが製造または調製される場所から使用される場所(例えば、手術場、無菌の実験室など)へ搬送される場合がある。このような場合、例えば、移植片の破損、皺、折れなどの発生や、外部との不本意な接触が防止されるように十分に配慮する必要がある。搬送時や搬送後の細胞培養物などの移植片の取り扱いを容易にするための種々の方法や器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−81829号公報 特開2002−335950号公報
したがって、本発明の目的は、輸送から使用まで、シート状移植片に負担をかけることなく保持でき、その取り扱いを容易にせしめるシート状移植片保持容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を進める中、シート状移植片を、シート状移植片を液体とともに収容する、移植片取出口と、シート状移植片を挿入するための開口部とが設けられた密封可能なバッグ本体を有し、前記移植片取出口が、剥離可能な弱シール部を有する蓋によって封止されている、バッグを用いることにより、かかるシート状移植片の輸送前から輸送後まで、移植片への負担を防止しつつ、操作性を高めることができることを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に関する。
(1) シート状移植片を保持する容器であって、シート状移植片を液体とともに収容する、密封可能なバッグ本体を有し、
前記バッグ本体には、移植片取出口と、シート状移植片を挿入するための開口部とが設けられており、
前記移植片取出口が、剥離可能な弱シール部を介して蓋により封止されている、前記容器。
(2) 移植片取出口が、バッグ本体内におけるシート状移植片の配置領域に対応した位置に設けられている、(1)に記載の容器。
(3) バッグ本体が、収容された液体を排出するための排出口を有する、(1)または(2)に記載の容器。
(4) さらに、バッグ本体を押圧するための押圧手段を有し、
前記バッグ本体の少なくとも一部が、前記押圧手段による押圧によって変形可能に構成されている、(3)に記載の容器。
(5) 押圧手段が、膨張可能に構成され、押圧時において膨張した状態で用いられる、(4)に記載の容器。
(6) 押圧手段は、気体が注入されることにより膨張するように構成されている、(5)に記載の容器。
(7) バッグ本体が平袋状であり、シート状移植片および液体を挿入するための開口部が一辺に設けられた、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の容器。
本発明によれば、例えば液体外でその一端をつかむと自重で破断するほど脆弱であるシート状細胞培養物などのシート状移植片を、これに負担をかけることなく、また、不本意に外部と接触させることなく、安定的に保持、輸送することができ、輸送前後、とくに輸送後のシート状移植片の操作性を高めることができる。具体的には、シート状移植片を本発明の容器で保持することにより、シート状移植片を乾燥や微生物汚染から防ぎ、落下などによる一定の衝撃も緩和でき、かつ、輸送後の取り出しが容易となり、またシート状移植片の損傷が防止されたものとなる。
図1は、本発明の好適な実施態様のシート状移植片保持容器を示す平面図である。 図2は、図1に示すシート状移植片保持容器のA−A線断面図である。 図3は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用時の一例を示すA−A線断面図である。 図4は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用時の他の一例を示すA−A線断面図である。 図5は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用例を示す概略図である。 図6は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用例を示す概略図である。
以下、本発明を、図面を参照しつつ、好適な実施態様に基づき、詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施態様のシート状移植片保持容器を示す平面図、図2は、図1に示すシート状移植片保持容器のA−A線断面図、図3は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用時の一例を示すA−A線断面図、図4は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用時の他の一例を示すA−A線断面図である。なお、図中の各部材の大きさは説明のために適宜強調されており、実際の比率、大きさを示すものではない。
シート状移植片保持容器1は、シート状移植片を収納するバッグ本体と、押圧手段20と、バッグ10および押圧手段20を仕切りかつこれらを連結する連結部30とを有している。
また、シート状移植片保持容器1は、可撓性を有する軟質材料で構成された円筒状のフィルムを圧潰して2重のシート2、3を形成して所定の形状に裁断し、これらを重ね合わせた上で、縁部等の所定の部位を、必要に応じて各部材とともに融着(熱融着、高周波融着等)または接着することにより、バッグ10と、押圧手段20と、連結部30とが形成されている。すなわち、シート2、3は、ともに同様の外形を有し、それぞれ角部が丸みを帯びた長方形をなすとともに、それらの長辺同士が連結されている。そして、シート2、3の一辺の短辺を除く辺の縁部付近は、融着または接着によりシールされており、これにより、シールされていない短辺部分を開口部111とする袋体が形成されている。さらに、シート2、3の長手方向における中央付近において、シート2とシート3とが幅方向に沿って融着または接着されて帯状の連結部30を形成し、当該連結部30によって開口部111を有するバッグ10と、押圧手段20とが区画されている。
シート2、3を構成する材料としては、柔軟性、可撓性に優れた軟質の樹脂材料が好ましい。これにより、連結部30の可撓性を確保するとともに、液体101の注入やシート状移植片100の出し入れ操作を容易に行うことができる。
このような樹脂材料としては、とくには限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの核種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体など)が挙げられる。シール性、耐熱性、耐水性、柔軟性、加工性の観点により、ポリプロピレン系軟質樹脂がとくに好ましい。また、バッグ本体11内の液量の視認性、およびシート状移植片100の位置確認の観点から、透明性を有する樹脂材料であることが好ましい。
シート2、3の厚さは、特に限定されず、シート2、3の構成材料によって異なるが、例えば20〜500μm程度とすることができる。
また、シート2、3の寸法は、収容するシート状移植片100の種類、大きさ、形状等によって異なるが、通常は、縦寸法を100〜600mm、横寸法を50〜300mmの範囲とすることができる。
バッグ10は、開口部111および移植片取出口112を有する袋体状のバッグ本体11と、移植片取出口112を封止する蓋12と、バッグ本体11内に収納された液体を排出するための排出口13とを有している。
バッグ本体11は、平面視にて略方形状をなし、その一辺を連結部30と共有し、さらに連結部30とは反対側の一辺に設けられた開口部111において開口した平袋状の袋体である。このように、バッグ本体11は平袋状であることにより、未使用時においてはその収納、保管が容易である。また、バッグ本体11は、シート2、3とを重ね合わせて形成されているため、その少なくとも一部は、後述する押圧手段20等による押圧時において変形可能となっており、押圧による圧力を、空間112内に収納された液体101に、効率よく伝えることができる。
このようなバッグ本体11の大きさはとくに限定されず、保持するシート状移植片100の種類や大きさに依存して適宜変更することができる。
開口部111は、平面視にてバッグ本体11の一辺に設けられ、シート状移植片100を液体とともに挿入するために用いられる。また、開口部111は、公知の封止手段や封止方法によって、封止可能に構成されている。そして、開口部111が封止されることにより、バッグ本体11が、液密に封止される。
移植片取出口112は、開口部111とは別個にバッグ本体11に設けられた、シート状移植片100を取り出すための開口部である。移植片取出口112は、平面視でバッグ本体11を構成するシート2の中央付近に設けられている。また、移植片取出口112は、バッグ本体11の平面視にてシート状移植片100の配置領域114に対応する位置に配置されている。
また、移植片取出口112は、略長方形をなし、その角部がそれぞれ丸みを帯びている。
移植片取出口112の大きさは、シート状移植片100の平面形状を維持しつつ通過させるものであればその形状や大きさは特に限定されないが、例えば、移植片取出口112の各辺の長さを、20〜150mmとすることができる。
空間113は、シート2および3との間に形成され、使用時においては膨張することができ、シート状移植片100と液体101とが収納可能に構成されている。
図3、図4に示すように、空間113内にシート状移植片100を配置する場合においては、通常、シート3が下面側となるようにバッグ10を配置し、シート3の上部にシート状移植片100が配置され、さらに液体101を充填した後、開口部111が例えば、クリップ状の閉鎖体102により封止される。この際に、バッグ本体11を構成するシート2、3は、可撓性を有するため、バッグ本体11の端部付近は断面の厚さが維持されるのに対し、中央付近では厚みが大きくなる。こうして形成される中央付近の凹部にシート状移植片100は、安定して保持される。すなわち、凹部は、シート状移植片100の配置領域114として機能する。なお、配置領域114には、シート状移植片100が付着しやすいように処理がなされてもよい。例えば、付着性を向上する方法としては、移植片の種類によっても異なるが、当該技術分野で公知の任意の手法を用いることができ、例えば接着性材料、例えば接着性タンパク質を利用する手法が挙げられる。配置領域114に接着性材料を配することにより、シート状移植片100の配置領域114への付着性を向上させることができる。
蓋12は、バッグ本体11の移植片取出口112を封止する封止部材である。シート状移植片100の取出時においては、蓋12は剥離されることにより移植片取出口112が外部に露出し、これにより、シート状移植片100のバッグ本体11からの取出しが可能となる。
また、蓋12は、移植片取出口112の開口形状に対応した平面形状、すなわち本実施態様では略長方形状を有するシートである。
また、蓋12は、移植片取出口112を十分に覆うことができるように、平面視にて移植片取出口112よりも大きな面積を有している。例えば、平面視した際における蓋12の面積は、移植片取出口112の面積よりも1.05〜3.0倍、好ましくは、1.1〜2.0倍大きいものである。
また、蓋12は、平面視にて移植片取出口112の縁部周辺を全て覆うように配置され、その蓋12と移植片取出口112との重複部分は、剥離可能な弱シールによりこれらが接着または融着された、弱シール部121を形成している。したがって、弱シール部121は、移植片取出口112の周辺部分に環状に形成されている。弱シール部121の太さは、とくに限定されないが、例えば、3mm〜30mm、好ましくは、5mm〜10mmである。
ここで、弱シールとは、手の力などによって剥離可能な程度のシール強度を有する接着または融着状態をいう。弱シールされた弱シール部121のシール強度(初期の剥離強度)は、とくに限定されないが、例えば、1〜7N/10mm、とくに、2〜4N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って弱シール部121が剥離することを防止しつつ、輸送後に手の力などで弱シール部121が容易に剥離する。
また、蓋12は、その一方の長辺からシートが延長されて形成されたつまみ部122を有している。つまみ部122は、シート2とは接着または融着しておらず、少なくともその一端は自由端となっている。これによりつまみ部122を手などによりつまんで蓋12を剥離することが可能となる。
また、つまみ部122は、着色されており、これにより、つまみ部122の有無を視認することによりシート状移植片保持容器1の表裏の確認が容易となる。さらに、この場合、バッグ本体11に収納されたシート状移植片100の表裏の確認も可能となる。つまみ部122の色としては、とくに限定されないが、例えば赤、青などの原色を用いた場合視認性に優れたものとなる。
なお、蓋12を構成する材料としては、とくに限定されないが、上述したシート2、3と同様の樹脂材料を用いることができる。
排出口13は、バッグ本体11の縁部付近において、空間113から外部空間に貫通するように設けられている。排出口13は、空間113と外部空間とを連通する筒状部材と当該筒状部材の側面から互いに逆方向に延びる2枚の固定板とを有している。当該筒状部材は、排出口13の外部空間側の先端において、キャップ等の封止部材により開封可能に封止されている。また当該筒状部材は、排出口13の外部空間側の先端において、中空の筒状部材の内腔を閉鎖する閉鎖部材を筒状部材を外側から折曲することにより折壊し、外部空間と貫通させてもよい。また、排出口13は、筒状部材の側面の一部および固定板がシート2、3間に挟まれて融着または接着されることにより、バッグ本体11に液密に固定されている。
排出口13は、開封することにより、バッグ本体11の空間113と外部空間とを連通させ、空間113内に収容された流体を排出することができる。これにより、シート状移植片100を取り出す際において、予め空間113内に収容された液体等の流体を排出させることができ、シート状移植片100の取り出しが容易となる。
このような排出口13は、例えば、このような排出ポートを構成するための公知の樹脂材料を用いて構成される。
押圧手段20は、膨張体21と、膨張体21に流体を注入するための流体注入弁22とを有する。
膨張体21は、シート2、3を重ね合わせ、縁部を融着または接着によりシールした略方形状の袋体であり、その一辺を連結部30と共有している。また、膨張体21は、内部にシート2、3の間において、シート2、3の縁部および連結部30によって形成された空間211を有している。図3に示すように、空間211は、気体などの流体を収納する(注入される)ことにより膨張し、これにより、膨張体21は膨張することができるように構成されている。特に、気体を注入して用いることにより、膨張体21は適度な弾性を有するものとなり、この結果バッグ本体11に圧力をより均一に伝えることができるものとなる。
流体注入弁22は、膨張体21の連結部30と対向する縁部付近において、空間211から外部空間に貫通するように設けられている。流体注入弁22は、空間211と外部空間とを連通する筒状部材と当該筒状部材の側面から互いに逆方向に延びる2枚の固定板とを有している。また、流体注入弁22は、筒状部材の側面の一部および固定板がシート2、3間に挟まれて融着または接着されることにより、膨張体21に液密に固定されている。
流体注入弁22の筒状部材は、外部空間から空間211への流体の移動を可能とする一方で、空間211から外部空間への流体の移動が規制された、逆止弁である。これにより、一旦流体を収納して膨張した膨張体21は、その膨張した状態を維持できるものとなる。このような流体注入弁22を構成する逆止弁としては公知の逆止弁を用いることができる。
このような押圧手段20は、図2に示すように、非使用時においては、膨張体21を非膨張の状態とし、平袋状とすることができる。これにより、押圧手段20の非使用時において、シート状移植片保持容器1の体積を小さいものとすることができる。一方で、図3、4に示すように、押圧手段20の使用時には、シリンジなどで流体注入弁22より空気を注入して膨張体21を膨張させる。注入された空気は膨張体21内に収納され、膨張体21を膨張させる。一度注入された空気は逆止弁構造を有する流体注入弁22により外部への流出が防止されるため、膨張体21は、膨張した状態を維持することができる。図4に示すように、このように膨張した膨張体21を、連結部30を軸としてバッグ本体11の上に重ね、穏やかに押圧することでバッグ10内の液体101の排出を促進することができる。
連結部30は、バッグ10と押圧手段20とを連結する。連結部30は、バッグ10および押圧手段20のそれぞれの一辺を延長して形成されている。したがって、本実施態様においては、連結部30は、シート2とシート3とが融着または接着されて形成された、シート状移植片保持容器1の中央付近を横断する帯状の樹脂フィルムである。連結部30は、可撓性を有するとともに、バッグ10と押圧手段20とがそれぞれの中央付近において接触出来るよう十分な幅を有している。これにより、例えば、図4に示すように、連結部30を基点として、バッグ10に対して押圧手段20が回動し、押圧手段20によりバッグ10を押圧することができる。
また、シート状移植片保持容器1は、内部に保持するシート状移植片100を生体への移植目的で使用することができる。したがって、シート状移植片保持容器1には滅菌処理が施されていることが好ましい。シート状移植片保持容器1は、通常知られた方法で滅菌処理することができる。これにより、シート状移植片保持容器1は滅菌処理され、滅菌状態が維持された状態で使用に供され、内部に滅菌状態のシート状移植片100を保持することができる。
なお、上述したシート状移植片保持容器1の変形態様としては、例えばバッグ本体11のシート状移植片100の配置領域114における形状を変更したものが挙げられる。例えば、配置領域を構成するシートが配置領域付近を頂点として半円球形状をなすもの、配置領域を構成するシート部分が他のシート部分と壁面によって区画された凹部をなすもの、また、これらに加えて配置領域が平坦なものなどが挙げられる。
また、上述した状移植片保持容器1の他の変形態様としては、例えば、シート状移植片保持容器1を移植片取出口112が下面となるように配置して、シート状移植片100の配置領域が、バッグ本体の移植片取出口112が設けられているシート2上に存在するものとすることができる。また、蓋12上にシート状移植片100を配置するものであってもよい。この場合において、蓋12に上述したような接着性材料等を付与することにより、蓋12を剥離する際に蓋にシート状移植片100が付着することができ、シート状移植片100の取出しがより容易となる。
次に、上述したようなシート状移植片保持容器1を用いたシート状移植片100の保存または輸送方法の一例について説明する。図5は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用例を示す概略図、図6は、図1に示すシート状移植片保持容器の使用例を示す概略図である。
本実施態様のシート状移植片100の保存または輸送方法は、シート状移植片100を液体101とともにバッグ本体11内に挿入する第1の工程と、バッグ本体11の開口部111を封止する第2の工程と、シート状移植片保持容器1を保存または輸送する第3の工程と、バッグ本体11から液体の少なくとも一部を除去する第4の工程と、蓋12の少なくとも一部を剥離することにより移植片取出口112を露出させる第5の工程と、シート状移植片100を移植片取出口112より取出す第6の工程とを有している。
まず、第1の工程では、シート状移植片100を液体101とともにバッグ本体11内に挿入する(図5(a))。
シート状移植片100のバッグ本体11内への挿入は、開口部111を通じて、任意の方法で行うことができる。また、シート状移植片100の挿入は、液体101のバッグ本体11への注入と同時であってもよいし、その前後であってもよい。また、バッグ本体11の空間113内において、空気等の気体が存在してもよい。また、シート状移植片100は、好ましくは、移植片取出口112に対応する領域、本実施態様においては、平面視にてバッグ本体11の中央付近に配置する。
このような挿入の具体例としては、例えば、シート状移植片保持容器1を安定した台の上に平置きし、バッグ10の底面の大部分が台に接触している状態で、開口部111が設けられている一辺を上部に持ち上げ、開口部111より輸送液を注入する。その後ディッシュから剥離したシート状移植片100を、へらを用いて開口部111よりバッグ本体11内の液体中に保持されるように移送する。必要に応じて、輸送液をさらに注入してもよい。必要に応じて、バッグ本体11内の余分な気体を除去する。
ここで、保持されるシート状移植片100は、シート形状を有する移植片であればとくに限定されないが、例えば、シート状細胞培養物などの生体由来材料からなる平膜状の膜組織等である。これらのうち、液中で難分解性のもの、液中で難崩壊性のものなどが好ましい。シート状移植片100は、多角形や円形などであってもよく、幅、厚み、直径などは一様であってもなくてもよい。
シート状細胞培養物は、細胞が培養されて互いに連結しシート状(膜状)になったものである。典型的には1の細胞層からなるものであるが、2以上の細胞層から構成されるものも含む。細胞同士は、直接および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であればとくに限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、とくに、細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。シート状細胞培養物は、好ましくは生体に由来しないスキャフォルドを含まない。
シート状細胞培養物は、上記の構造を形成し得る任意の細胞から構成される。シート状細胞培養物は、その一部を液外でつかむと自重で破断するほど脆弱であるため、破壊しないように取り扱う必要がある。かかる細胞の例としては、限定されずに、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞)、心筋細胞、線維芽細胞、間葉系幹細胞、滑膜細胞、胚性幹細胞、上皮細胞(例えば、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞)、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、歯根膜細胞、皮膚細胞などが挙げられる。細胞としては、好ましくは筋芽細胞であり、より好ましくは骨格筋芽細胞である。
また、本工程で用いることのできる液体101としては、シート状移植片を安定に維持することができれば特に限定されない。このような液体として例えば、生体に適用可能な水溶液などが挙げられる。生体に適用可能とは、生物学的安定性や長期保存可能性の観点から、生体適合性であることを意味し、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応などの望まない作用を起こさないか、少なくともそのような作用が小さいものが好ましい。具体的には例えば、水、生理食塩水、培養液、緩衝液(例えば、HBSS、PBS、EBSS、Hepes、重炭酸ナトリウム、ハンクス緩衝液やリン酸緩衝液等)、血清含有溶液などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせてもちいることができる。
第2の工程においては、バッグ本体11の開口部111を封止する(図5(b))。
開口部111の封止は、いかなる方法で行うものであってもよく、例えば、シート2、3の開口部111付近を融着または接着により閉鎖する方法、図示のように連結した2本の棒状物で構成されたクリップ形状の閉鎖体102等の封止器具によって封止する方法が挙げられる。このうち、閉鎖体102等の封止器具によって封止するのが、作業効率の面から好ましい。
なお、必要に応じて、封止後にバッグ本体11内にある余分な液体や気体を排出口13より除去してもよい。
次に、第3の工程においては、シート状移植片100を輸送または保存する。輸送・保存の期間は、典型的には1日以内とすることができる。
シート状移植片100は、シート状移植片保持容器1のバッグ本体11内に液体101とともに保持されているため、例えば、不意の外力がかかった際において、シート状移植片100が損傷することが防止される。また、バッグ本体11内に液密に保持されているため、外部からの汚染が防止されている。
次に、第4の工程においては、バッグ本体11から液体101の少なくとも一部を除去する(図5(c)、図6(d))。
液体101の排出方法は、押圧によるものでも、重力によるものでもよいが、作業効率の観点および所望の量の液体を確実に排出するという観点から、押圧によって行うことが好ましい。
押圧する場合は、バッグ本体11の表面を押圧し、これにより排出口13から液体を排出する。
また、押圧は、シート状移植片100に損傷が生じないような力でなされる。
押圧操作は、手や他の器具を用いて行ってもよいが、押圧手段20によって行うことが好ましい。
本工程においては、例えば、まず、押圧手段20に空気等の流体を注入することにより、押圧手段20を膨張させる(図5(c))。次に、排出口13を開封し、バッグ本体11内の液体が排出口13を介して排出可能にする。次に、膨張した押圧手段20を、連結部30を軸としてバッグ本体11の上に重ね、穏やかに押圧することでバッグ10内の液体101の排出を促進することができる(図6(d))。このとき必要に応じて、バッグ本体11に重ねた膨張体21を緩やかに左右前後に揺れ動かすことで、バッグ10の上面に均一に押圧し、バッグ10に保持された液体101を排出することができる。このように押圧手段20を用いることにより、穏やかに液体101を排出することができ、シート状移植片100に不本意な皺や損傷が生じることを防止することができる。また、とくに本実施態様の押圧手段20は、空気により膨張しているため、予定よりも強い力で押圧した場合であっても押圧手段20内の空気が圧縮され、この結果、バッグ10に係る力が軽減される。
第5の工程においては、蓋12の少なくとも一部を剥離することにより移植片取出口112を露出させる(図6(e))。蓋12の剥離は、例えば、つまみ部122をつまんで弱シール部121部分の少なくとも一部を剥離することにより行うことができる。蓋12とバッグ本体11とは弱シールによって接合されているため、特別な操作を行うことなく容易に蓋12をバッグ本体11から剥離することができる。
また、本工程においては、蓋12を全て剥離するものであってもよいが、シート状移植片100を取り出すのに十分な移植片取出口112の露出部分が得られるように、蓋12の一部のみ剥離するものであってもよい。
また、本工程においては、第4の工程において余分な液体をバッグ本体11から排出しているため、蓋12の剥離時において不本意に液体やシート状移植片100がバッグ本体11からこぼれ出ることが防止されている。
次に、第6の工程では、シート状移植片100を移植片取出口112より取出す。
一般に、液中で保持されているシート状移植片100は、液中で移動するため捕捉しにくいものであるが、本実施態様においては、第4の工程において適度に液体101が排出されているため、容易にシート状移植片100を捕捉できる。
シート状移植片100の取出しは、当業者に公知の任意の移送器具によって行うことができる。
以上、本発明によれば、シート状移植片を液体とともに開口部よりバッグ本体に容易に収納することができる。また、バッグ本体内において液体とともにシート状移植片が保持されていることにより保存、輸送時におけるシート状移植片の不本意な損傷や外部との接触が防止されている。さらに、バッグ本体の移植片取出口を封する蓋が弱シールでバッグ本体と接着又は融着されているため、容易に蓋をバッグ本体からはがすことができるとともに、移植片取出口から容易にシート状移植片を取り出すことができる。
特に、バッグ本体が排出口を有し、かつ、シート状移植片保持容器が押圧手段を有することにより、シート状移植片を損傷させることなくバッグ本体にある液体を排出することができる。さらに、バッグ本体中の液体を十分に除去できるため、移植片取出口から、より容易にシート状移植片を取り出すことができる。
この結果、本発明によれば、輸送から使用まで、シート状移植片に負担をかけることなく保持でき、その取り扱いを容易にせしめるシート状移植片保持容器を提供することができる。
本発明の容器は、ヒト及び動物の疾病、傷病の治療に用いるシート状移植片の取り扱いに限らず、液中輸送が必要な種々の材料の取り扱いに用いることができるので、医療用途に供することができる。
以上、本発明を図示の実施態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
例えば、上述した実施態様においては、バッグ本体、膨張体、連結部は、同一のシート材料で構成されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、これらのバッグ本体、膨張体、連結部は、それぞれ異なる材料で構成されることが出来る。また、バッグ本体、膨張体、連結部のそれぞれにおいて、部位毎に材料を異ならせてもよい。例えば、バッグ本体におけるシート状移植片の配置領域を構成するシート材料を硬質樹脂とし、一方で、移植片取出口が配置されたシート材料を軟質樹脂とすることができる。これにより、シート状移植片の保存、輸送時においては、外部からシート状移植片にかかる衝撃、力を十分に硬質樹脂で軽減できる。一方で、移植片取出口が配置された側から押圧手段によって押圧することにより、排出口からの液体の排出も可能である。
また、上述した実施態様においては、シート状移植片保持容器が押圧手段を有するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばシート状移植片保持容器は、押圧手段を有さない物であっても良い。
また、上述した実施態様においては、押圧手段は、空気等の流体の注入により膨張するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、液体等を吸収することにより膨潤する材料、例えばゲル材料、スポンジ材料であってもよい。また、押圧手段は、予め所定の大きさを有し、膨張しないものであってもよい。
1 シート状移植片保持容器
2、3 シート
10 バッグ
11 バッグ本体
111 開口部
112 移植片取出口
113 空間
114 配置領域
12 蓋
121 弱シール部
122 つまみ部
13 排出口
20 押圧手段
21 膨張体
211 空間
22 流体注入弁
30 連結部
100 シート状移植片
101 液体
102 閉鎖体

Claims (7)

  1. シート状移植片を保持する容器であって、シート状移植片を液体とともに収容する、密封可能なバッグ本体を有し、
    前記バッグ本体には、移植片取出口と、シート状移植片を挿入するための開口部とが設けられており、
    前記移植片取出口が、剥離可能な弱シール部を介して蓋により封止されている、前記容器。
  2. 移植片取出口が、バッグ本体内におけるシート状移植片の配置領域に対応した位置に設けられている、請求項1に記載の容器。
  3. バッグ本体が、収容された液体を排出するための排出口を有する、請求項1または2に記載の容器。
  4. さらに、バッグ本体を押圧するための押圧手段を有し、
    前記バッグ本体の少なくとも一部が、前記押圧手段による押圧によって変形可能に構成されている、請求項3に記載の容器。
  5. 押圧手段が、膨張可能に構成され、押圧時において膨張した状態で用いられる、請求項4に記載の容器。
  6. 押圧手段は、気体が注入されることにより膨張するように構成されている、請求項5に記載の容器。
  7. バッグ本体が平袋状であり、シート状移植片および液体を挿入するための開口部が一辺に設けられた、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器。
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