JP2020007271A - 移植片を収容するためのデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるデバイスを提供することにある。【解決手段】 本発明は、移植片を収容するためのデバイスであって、筒状体と、筒状体の内周面に密着して進退自在に挿通可能な押子とを含み、筒状体と押子との相対運動により液体中の移植片を筒状体内に収容することができる、前記デバイスに関する。【選択図】 なし

Description

本発明は、移植片を収容するためのデバイスに関する。
近年、重症心不全治療の解決策として新しい再生医療の開発が進められている。その一例として、重症心筋梗塞等において組織工学を応用した温度応答性培養皿を用いて作製したシート状細胞培養物を心臓表面に適用する手法などが試みられている。シート状細胞培養物を用いる手法は、大量の細胞を広範囲に安全に移植することが可能であり、例えば、心筋梗塞(心筋梗塞に伴う慢性心不全を含む)、拡張型心筋症、虚血性心筋症、収縮機能障害(例えば、左室収縮機能障害)を伴う心疾患(例えば、心不全、特に慢性心不全)などの治療にとくに有用である。
このようなシート状細胞培養物を臨床応用するには、例えば、作製されたシート状細胞培養物を保存液と共に容器内に収容し、移植が行われる集中治療室などに移送する必要がある。しかしながら、シート状細胞培養物は絶対的な物理的強度が低く、容器を移送する際などに生じる振動で、皺、破れ、破損などが生じることから、この移送作業には高度な技術が要求され、かつ細心の注意を払う必要がある。
このようなニーズに応えるために、種々の方法や容器が開発されている。例えば、下記特許文献1に記載された膜状組織の保存輸送容器は、収容部内を気体層が形成されることがない程度に保存液で満たすことで、保存液が波打ったり流動したりせず、結果的に、膜状組織に振動が伝わらず、膜状組織の破損を防止できるようになっている。
下記特許文献2には、培養細胞シートを運搬するための包装体が記載されている。かかる包装体は、リッドで密封する際に若干の液体培地と共に空気を排除することによって、運搬時に培養細胞シート包装体が揺れても、液体培地中を気泡が移動したりすることがないため、培養細胞シートのズレや欠損を防止できるようになっている。
特開2012−130311号公報 特開2009−89715号公報
上述のように脆弱な細胞シートを安全に移送するための容器が開発されている。またこのような容器は、容器内を液密にして気泡の移動が起こらないような工夫がなされている。
しかしながら、容器内から完全に気泡を取り除いて液密状態を達成するには高度な技術が要求される。また、液密状態の容器から蓋を取り外すには強い力が必要なため、蓋の脱着の際に液体が波打ち、細胞シートを破損させてしまうことがある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるデバイスを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1]移植片を収容するためのデバイスであって、筒状体と、筒状体の内周面に密着して進退自在に挿通可能な押子とを含み、筒状体と押子との相対運動により液体中の移植片を筒状体内に収容することができる、前記デバイス。
[2]筒状体に着脱可能な蓋体をさらに含み、筒状体と押子と蓋体とで囲まれる液密空間を形成することができる、[1]に記載のデバイス。
[3]蓋体と押子とを接続する接続部をさらに含む、[2]に記載のデバイス。
[4]接続部が、側面に開口部を有する内側筒状体である、[3]に記載のデバイス。
[5]押子が、先端部に凸部を有し、該凸部の水平断面積は垂直下方に向かうほど小さい、[1]〜[4]のいずれかに記載のデバイス。
[6]移植片がシート状細胞培養物である、[1]〜[5]のいずれかに記載のデバイス。
[7]シート状細胞培養物が、積層体である、[6]に記載のデバイス。
本発明のデバイスによれば、簡便な機構と、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるため、作業性や製造コストの点において大きなメリットがある。そして、容器内を完全に液密状態にできるため、気泡(気体)が容器内にはいらず、移送中の容器の揺れなどによって気泡が容器内で動いて脆弱物を破損することがない。特に、脆弱物がシート状細胞培養物の積層体である場合に、気泡が移動して、積層体がズレたり欠損したりすることがない。したがって、液体中の脆弱物の形状を保持して変形を防止しつつ、長期保存することができる。
また、本発明のデバイスによれば、脆弱物に直接触れることなく容器内に収容して移送することができ、移送先においても脆弱物に直接触れることなく、脆弱物を容器内から取り出すことができるため、脆弱物を不用意に破損するようなことが起きにくい。
図1は、第1実施形態に係るデバイス1の概念図である。 図2は、第2実施形態に係るデバイス1Aの概念図である。 図3は、第3実施形態に係るデバイス1Bの概念図である。
本発明における脆弱物とは、物理的強度が低く、液体の揺れなどによって、破れ、破損、変形などが生じ得る物体をいう。かかる物体の形状としては、薄肉部を有する物体、帯形状を有する物体、シート形状を有する物体などが挙げられる。かかるシート形状を有する物体としては、とくに限定されないが、シート状構造物、例えば、シート状細胞培養物などの、生体由来材料からなる平膜状の膜組織や、プラスチック、紙、織布、不織布、金属、高分子、脂質といった種々の材質のフィルム等が含まれる。これらのうち、液体中で難分解性のもの、液体中で難崩壊性のものなどが好ましい。シート状構造物は、多角形や円形などであってもよく、幅、厚み、直径などは一様であってもなくてもよい。本発明におけるシート状構造物は、1枚のみを単層の状態で使用してもよいし、2枚以上を重ねた積層体の状態で使用してもよい。後者の場合、積層体の各層は互いに連結していても、連結していなくてもよく、連結している場合は、重なり合っている部分が全て連結していても、部分的に連結していてもよい。また、本発明において脆弱とは、例えば、液体外で物体のつかみ具への固定がなされる従来の引張試験機(例えば、JIS K 7161等に記載のもの)での引張特性の評価が、その脆弱性のために困難であるか、実質的に不可能であることを指す。かかる脆弱な物体としては、例えば、引張特性の各数値が小さく、従来の引張試験機では正確に測定することが困難な物体などが挙げられる。かかる脆弱物としては、引張試験において、例えば、10N(ニュートン)未満、5N未満、2N未満、1N未満、0.5N未満、0.1N未満、0.05N未満の破断荷重を示すものが挙げられる。また、従来の引張試験の測定限界は、破断荷重として一般に1N程度であるため、本発明の一態様においては、これを下回る破断荷重(例えば、0.5N未満)を示すものが脆弱物として好ましい。
本発明において、移植片とは、、比較的に物理的強度が低い生体由来の脆弱物をいう。移植片は培養した細胞(例えば細胞培養物など)や採取された細胞を含む。移植片はさらに細胞が産生した産生物を含むことがある。移植片は細胞および/または細胞の産生物のほかに、生体の所定部(例えば患部等)を補填および/または支持するための材料(補填材料や支持材料)なども含むことができる。移植片はシート状、膜状、塊状、柱状等の種々の形状をとることができる。移植片は生体への移植などに用いられる。移植片の一例としては、3次元細胞組織(オルガノイド、スフェロイド等)、2次元細胞組織(シート状細胞培養物等)などが挙げられる。
本発明において、シート状細胞培養物とは、細胞が互いに連結してシート状になったものをいう。細胞同士は、直接(接着分子などの細胞要素を介するものを含む)および/または介在物質を介して、互いに連結していてもよい。介在物質としては、細胞同士を少なくとも物理的(機械的)に連結し得る物質であれば特に限定されないが、例えば、細胞外マトリックスなどが挙げられる。介在物質は、好ましくは細胞由来のもの、特に、シート状細胞培養物を構成する細胞に由来するものである。細胞は少なくとも物理的(機械的)に連結されるが、さらに機能的、例えば、化学的、電気的に連結されてもよい。シート状細胞培養物は、1の細胞層から構成されるもの(単層)であっても、2以上の細胞層から構成されるもの(多層体)であってもよい。また、シート状細胞培養物は、細胞が明確な層構造を示すことなく、細胞1個分の厚みを超える厚みを有する3次元構造を有してもよい。例えば、シート状細胞培養物の垂直断面において、細胞が水平方向に均一に整列することなく、不均一に(例えば、モザイク状に)配置された状態で存在していてもよい。シート状細胞培養物は、独立して形成された単一の(一枚の)シート状細胞培養物として存在してもよく、また独立した単一の(一枚の)シート状細胞培養物が二以上積層されて形成された積層体として存在してもよい。積層体は、例えばシート状細胞培養物が2層(2枚)、3層(3枚)、4層(4枚)、5層(5枚)、または6層(6枚)積層された積層体であってよい。
本発明におけるシート状細胞培養物は、上記の構造を形成し得る任意の細胞から構成される。かかる細胞の例としては、限定されずに、接着細胞(付着性細胞)を含む。接着細胞は、例えば、接着性の体細胞(例えば、心筋細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、肝細胞、膵細胞、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、滑膜細胞、軟骨細胞など)および幹細胞(例えば、筋芽細胞、心臓幹細胞などの組織幹細胞、胚性幹細胞、iPS(induced pluripotent stem)細胞などの多能性幹細胞、間葉系幹細胞等)などを含む。体細胞は、幹細胞、特にiPS細胞から分化させたものであってもよい。シート状細胞培養物を形成し得る細胞の非限定例としては、例えば、筋芽細胞(例えば、骨格筋芽細胞など)、間葉系幹細胞(例えば、骨髄、脂肪組織、末梢血、皮膚、毛根、筋組織、子宮内膜、胎盤、臍帯血由来のものなど)、心筋細胞、線維芽細胞、心臓幹細胞、胚性幹細胞、iPS細胞、滑膜細胞、軟骨細胞、上皮細胞(例えば、口腔粘膜上皮細胞、網膜色素上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞など)、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞など)、肝細胞(例えば、肝実質細胞など)、膵細胞(例えば、膵島細胞など)、腎細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞等が挙げられる。本明細書においては、単層の細胞培養物を形成するもの、例えば、筋芽細胞または心筋細胞などが好ましく、とくに好ましくは骨格筋芽細胞またはiPS細胞由来の心筋細胞である。
細胞は、細胞培養物による治療が可能な任意の生物に由来し得る。かかる生物には、とくに限定されないが、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジなどが含まれる。また、シート状細胞培養物の形成に用いる細胞は1種類のみであってもよいが、2種類以上の細胞を用いることもできる。本発明の好ましい態様において、細胞培養物を形成する細胞が2種類以上ある場合、最も多い細胞の比率(純度)は、細胞培養物製造終了時において、例えば骨格筋芽細胞の場合、65%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上である。
本発明におけるシート状細胞培養物は、スキャフォールド(細胞培養時の足場)に細胞を播種し、培養することによって得られるシート形状の培養組織などでもよいが、好ましくは、細胞培養物を構成する細胞由来の物質のみからなり、それら以外の物質を含まない。
シート状細胞培養物は、任意の既知の手法によって製造されたものであってよい。
本発明の一態様において、シート状細胞培養物は、シート状骨格筋芽細胞培養物である。これは、シート状骨格筋芽細胞培養物は、その一部をつかむと自重で破断するほど脆弱であるがゆえに、従来単体で移送することができないばかりか、一度折り重なると元の形状に戻すことが極めて困難なため、液中でシート形状を維持することに大きな意義があるからである。
本発明において、筒状体(および内側筒状体)は、その一端、両端または側面に開口部を有し、かかる開口部を通して筒状体内部に脆弱物、液体などを収容して移送するための容器としての役割を果たす。筒状体としては、液体が漏出しないものであればとくに限定されず、市販の筒状体を含む任意のものを用いることができる。筒状体の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ナイロン6,6、ポリビニルアルコール、セルロース、シリコン、ポリスチレン、ガラス、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、金属(例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮)等が挙げられるがこれに限定されない。また、筒状体は、脆弱物を液体と共に収容するために十分な直径を有することが好ましい。脆弱物は、筒状体内で広がった状態、折り畳まれた状態、丸められた状態など、様々な形をとることができるが、これらの状態の脆弱物を収容するための筒状体の直径としては、特に限定されないが、典型的には、8cm、好ましくは5cm、より好ましくは3cmとすることができる。
本発明において、液体は、少なくとも1種の成分から構成され、その成分としてはとくに限定されないが、例えば、水、水溶液、非水溶液、懸濁液、乳液などの液体から構成される。
本明細書における液または液体とは、全体として流動性を有する流体であればよく、細胞足場などの固形物質や気泡などその他非液体成分を含んでもよい。
液体を構成する成分は、脆弱物に与える影響が少ないものであればとくに限定されない。脆弱物が生体由来材料からなる膜である場合、液体を構成する成分は、生物学的安定性や長期保存可能性の観点から、生体適合性のもの、すなわち、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応などの望まない作用を起こさないか、少なくともかかる作用が小さいものが好ましく、例えば、水、生理食塩水、生理緩衝液(例えば、HBSS、PBS、EBSS、Hepes、重炭酸ナトリウム等)、培地(例えば、DMEM、MEM、F12、DMEM/F12、DME、RPMI1640、MCDB、L15、SkBM、RITC80−7、IMDM等)、糖液(スクロース溶液、Ficoll−paque(登録商標)PLUS等)、海水、血清含有溶液、レノグラフィン(登録商標)溶液、メトリザミド溶液、メグルミン溶液、グリセリン、エチレングリコール、アンモニア、ベンゼン、トルエン、アセトン、エチルアルコール、ベンゾール、オイル、ミネラルオイル、動物脂、植物油、オリーブ油、コロイド溶液、流動パラフィン、テレピン油、アマニ油、ヒマシ油などが挙げられる。
脆弱物がシート状細胞培養物である場合、液体を構成する成分は、細胞を安定して保存することができ、細胞生存に必要な最低限の酸素や栄養等を含み、細胞を浸透圧等により破壊しないものが好ましく、例えば、生理食塩水、生理緩衝液(例えば、HBSS、PBS、EBSS、Hepes、重炭酸ナトリウム等)、培地(例えば、DMEM、MEM、F12、DMEM/F12、DME、RPMI1640、MCDB、L15、SkBM、RITC80−7、IMDM等)、糖液(スクロース溶液、Ficoll−paque PLUS(登録商標)等)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、筒状体および押子の形状は、押子が筒状体内に進退自在に挿通可能であり、かかる進退時に押子の少なくとも一部が筒状体の内周面に密着する形状である限り、特に限定されない。例えば、筒状体の断面が円形である場合は、押子の少なくとも一部の形状を筒状体の内周面に密着する円形にすることが好ましい。また、筒状体を光透過性の材料で構成することで、筒状体に収容されている脆弱物の状態や、液体中の気泡の有無を確認できるようにしてもよい。
本発明において、凸部とは、例えば、突き出ている部分、膨らんでいる部分など、平坦ではない部分をいう。押子が先端部に凸部を有するとは、すなわち、押子の先端部を液体中に浸漬した際に、液体中の気泡などが平坦な部分に留まらず、凸部に沿って移動することを意味する。
本発明において、凸部の水平断面積とは、例えば、凸部を液体に浸漬した状態で、凸部を液面で切断したときに現れる2次元断面の面積をいう。したがって、凸部の水平断面積が垂直下方に向かうほど小さいとは、凸部を液体の上方から垂直下方に降下させながら液体に浸漬する場合、凸部と液体との接触面積が徐々に大きくなることをいう。
本発明の一態様において、凸部は、頂部を有するドーム形状とすることができ、好ましくは、凸部の頂部と押子の中心線が交わるように設計される。凸部の曲面の形状としては、双曲面形状、放物面形状、半球面形状、円錐面形状、角錐面形状などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、蓋体とは、筒状体に着脱可能に装着して、筒状体の開口部を閉塞して液体の漏出を防ぐための部材をいう。蓋体は、例えば、筒状体の開口部全体を覆うように、板状に形成することができる。蓋体は、筒状体の製造公差などを吸収し、蓋体の脱着を容易にするために、弾性材料で構成することができる。蓋体の材料としては、天然ゴム、エラストマー、ニトリルゴム、シリコンゴム等が挙げられるが、これに限定されない。また、蓋体は、筒状体に被せて使用できるように、筒状体の外周面に密着する筒状のスカート壁を有してもよいし、筒状体の先端部に嵌合できるように、筒状体の内周面に密着する外周面を有していてもよい。
〔第1実施形態〕
本発明の一側面は、移植片を収容するためのデバイスであって、筒状体と、筒状体の内周面に密着して進退自在に挿通可能な押子とを含み、筒状体と押子との相対運動により液体中の移植片を筒状体内に収容することができる、前記デバイスに関する。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るデバイス1の概念図、図2は、第2実施形態に係るデバイス1Aの概念図、図3は、第3実施形態に係るデバイス1Bの概念図である。なお、本願における各図において、説明を容易とするため、各部材の大きさは、適宜強調されており、図示の各部材は、実際の大きさを示すものではない。また、以下の説明において、基端側とは、デバイスにおける操作者側、先端側とは、デバイスにおける基端側とは逆の側をいう。
図1Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るデバイス1は、筒状体2と、筒状体2内に進退自在に挿通可能な押子3とを含む。筒状体2は、先端側に開口部を有する筒形状であり、内部に脆弱物Sなどを収容できる容器として構成されている。押子3の先端側には、筒状体の内周面に密着する形状を有するガスケット31が装着されており、押子3を筒状体2内に挿通して進退させた場合に、ガスケット31は筒状体2の内周面に密着しながら摺動する。押子3の基端側には、押子3を進退させる際に持ち手として使用することができる把持部32が設けられている。
図1Aに示すように、デバイス1を使用する際は、押子3の先端部を筒状体2の先端部に揃えた状態または突出させた状態で、液体Lおよび脆弱物Sの入った容器C内の液体Lに浸漬する。この際に、筒状体2の先端部は押子3の先端部で閉塞されているため、筒状体2内に気体(気泡)は入らない。また、押子3の先端部に気泡が付着した場合は、デバイス1を液体L中で揺らすなどして取り除くこともできる。次に、図1Bに示すように、筒状体2の先端部を押子3の先端部で閉塞した状態で、デバイス1をある程度の深さまで液体L中に沈めた状態で、一方の手で筒状体2を把持し、他方の手で押子3の把持部32を把持し、押子3を筒状体2の基端側に引き上げる。
押子3を筒状体2の基端側に引き上げると、押子3の先端部(ガスケット31)は筒状体2の内周面に沿って移動するため、筒状体2内に液体Lと共に脆弱物Sが流入する(吸引される)。また、押子3の把持部32を把持して固定し、筒状体2を液体L中に降下させることで、脆弱物Sに筒状体2を覆い被せるようにして収容してもよい。このように、デバイス1を使用することで、脆弱物Sに直接触れることなく、脆弱物Sを筒状体2(容器)内に収容することができるため、脆弱物Sを不用意に破損することがない。そして、筒状体2内に液体Lと脆弱物Sとを収容した状態で、筒状体2の先端部が容器Cの底面などで閉塞されるように、デバイス1を容器Cに固定することで、完全な液密空間を形成することができる。これにより、容器Cが振動しても筒状体2内の脆弱物Sが揺動することがなく、また気泡などで脆弱物Sが破損されることがない。
また、図1Cに示すように、蓋体4を筒状体2の先端部に嵌める、筒状体2の先端部を蓋体4に押し付けて嵌める、押子3を筒状体2の基端側に引き上げて蓋体4を吸引して嵌めるなどして、蓋体4を筒状体2の先端部に取り付け、筒状体2と押子3と蓋体4とで密閉される液密空間を形成することもできる。この際に、筒状体2と押子3との位置関係を調節して液密空間内の体積を調節することで、脆弱物Sの大きさや、脆弱物Sのに合わせて液体Lの量を調節することができる。したがって、例えば、筒状体2内に複数の脆弱物Sを収容する場合は、液密空間内の体積を大きく調節することで、脆弱物S同士の接触などを防ぐことができる。また、筒状体2の縦軸方向に複数の脆弱物Sを連続的に吸引することで、筒状体2の基端側から先端側にかけて複数の脆弱物Sが独立して収容されるように使用することもできる。筒状体2の先端部を開閉式に構成することで、先端部を開閉させながら複数の容器C内に存在する複数の脆弱物Sを効率的に収容して移送することもできる。
蓋体4で閉塞された筒状体2内の液体Lは非圧縮性であるため移動は生じず、脆弱物Sを変形させる外力は発生しない。したがって、脆弱物Sの形状を保持したまま、デバイス1を移送することができる。また、液密空間内は真空状態であるため、蓋体4に外力が加わらない限り外れることはなく、脆弱物Sを安定的に移送することができる。そして、脆弱物Sを使用する場合は、移送先でデバイス1を液体中に浸漬し、押子3を筒状体2の先端方向に押す。この際、筒状体2内の液体Lが、ガスケット31によって押され、押子3を押す力が非圧縮性の液体Lを介して蓋体4に伝わり、蓋体4が外れて脆弱物Sが液中にリリースされる。このように、デバイス1を使用することで、脆弱物Sに直接触れることなく、脆弱物Sを筒状体2(容器)から取り出すことができる。
以上、本願発明の第1実施形態に係るデバイス1によれば、簡便な機構と、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるため、作業性や製造コストの点において大きなメリットがある。そして、容器内を完全に液密状態にできるため、気泡(気体)が容器内にはいらず、移送中の容器の揺れなどによって気泡が容器内で動いて脆弱物を破損することがない。特に、脆弱物がシート状細胞培養物の積層体である場合に、気泡が移動して、積層体がズレたり欠損したりすることがない。したがって、液体中の脆弱物の形状を保持して変形を防止しつつ、長期保存することができる。
また、本願発明の第1実施形態に係るデバイス1によれば、脆弱物に直接触れることなく容器内に収容して移送することができ、移送先においても脆弱物に直接触れることなく、脆弱物を容器内から取り出すことができるため、脆弱物Sを不用意に破損するようなことが起きにくい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点について詳細に説明し、同様の事項については、説明を省略する。なお、本願における各図において、説明を容易とするため、各部材の大きさは、適宜強調されており、図示の各部材は、実際の大きさを示すものではない。
図2Aに示すように、本発明の第2実施形態に係るデバイス1Aは、筒状体2と、押子3と、蓋体4と、押子3と蓋体4とを接続する接続部5とを含む。押子3と蓋体4とは、接続部5を介して一体的に接続され、押子3の進退に合わせて蓋体4を進退させることができる。したがって、図2Bに示すように、脆弱物Sを筒状体2(容器)内に収容した状態で、押子3を引き上げるだけで、蓋体4で筒状体2の先端部を閉塞することができる。このように、第2実施形態に係るデバイス1Aは、押子3と蓋体4とが一体的に動くので、蓋体4で筒状体2を閉塞する際に、筒状体2を蓋体4に位置決めする必要がない。
また、接続部5を介在させることにより、押子3の先端部と蓋体4との距離を一定に保つことができるため、脆弱物Sを収容するための液密空間の体積も一定に保つことができる。これにより、例えば、脆弱物Sがシート状細胞培養物である場合、細胞生存に必要な酸素や栄養等を含む一定の体積量の液体Lを収容できるように、デバイス1Aを構成することができる。さらに、蓋体4が接続部5を介して押子3に接続されているため、デバイス1Aを移送する際に、蓋体4に外力が加わって不用意に落下するような事が起きにくい。そして、脆弱物Sを取り出す際は、押子3を押す力が接続部5を介して蓋体4に伝わり、蓋体4が外れる。これにより、液密空間内の液体Lに不用意な圧力を加えることなく、蓋体4を取り外すことができる。
以上、本願発明の第2実施形態に係るデバイス1Aによれば、簡便な機構と、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるため、作業性や製造コストの点において大きなメリットがある。そして、容器内を完全に液密状態にできるため、気泡(気体)が容器内にはいらず、移送中の容器の揺れなどによって気泡が容器内で動いて脆弱物を破損することがない。特に、脆弱物がシート状細胞培養物の積層体である場合に、気泡が移動して、積層体がズレたり欠損したりすることがない。したがって、液体中の脆弱物の形状を保持して変形を防止しつつ、長期保存することができる。
また、本願発明の第2実施形態に係るデバイス1Aによれば、脆弱物に直接触れることなく容器内に収容して移送することができ、移送先においても脆弱物に直接触れることなく、脆弱物を容器内から取り出すことができるため、脆弱物Sを不用意に破損するようなことが起きにくい。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下、第1実施形態および第2実施形態との相違点について詳細に説明し、同様の事項については、説明を省略する。なお、本願における各図において、説明を容易とするため、各部材の大きさは、適宜強調されており、図示の各部材は、実際の大きさを示すものではない。
図3Aに示すように、本発明の第3実施形態に係るデバイス1Bは、筒状体2と、押子3と、蓋体4と、押子3と蓋体4とを接続する接続部5とを含む。本実施形態において、接続部5は、側面に開口部51を有する筒形状であり、開口部51を介して内部に脆弱物Sなどを収容できる内側筒状体として構成されている。内側筒状体(接続部5)の直径は、筒状体2の直径より小さく、内側筒状体を筒状体2内に収容できるように構成されている。デバイス1Bを使用する際は、デバイス1Bを液体Lおよび脆弱物Sの入った容器C内の液体Lに浸漬して、筒状体2内および内側筒状体内を液体Lで満たす。この際、デバイス1Bを液体L中で傾けるなどして内部から気体を除去しておく。そして、内側筒状体の開口部51が筒状体2から露出した状態で、開口部51で脆弱物Sをすくうようにして収容し、押子3を引き上げて、蓋体4で筒状体2の先端部を閉塞する。
このように、本発明の第3実施形態に係るデバイス1Bは、内側筒状体(接続部5)で脆弱物Sを捕捉することができるため、筒状体2内への脆弱物Sの誘導が容易になる。そして、脆弱物Sは内側筒状体内に捕捉されているため、押子3を引き上げて蓋体4で筒状体2の先端部を閉塞する際に、脆弱物Sが蓋体4と筒状体2との間に挟まれて脆弱物Sを不用意に破損するようなことが起きにくい。また、デバイス1Bは、脆弱物Sの出し入れを内側筒状体の開口部51に限定できるため、移送先での脆弱物Sのリリース方向や位置を細かく調整することができる。そして、接続部5を筒状体とすることで、障害物のない空間に脆弱物Sを収容することができる。
以上、本願発明の第3実施形態に係るデバイス1Bによれば、簡便な機構と、簡単な作業で効率よく液密状態を達成することができるため、作業性や製造コストの点において大きなメリットがある。そして、容器内を完全に液密状態にできるため、気泡(気体)が容器内にはいらず、移送中の容器の揺れなどによって気泡が容器内で動いて脆弱物を破損することがない。特に、脆弱物がシート状細胞培養物の積層体である場合に、気泡が移動して、積層体がズレたり欠損したりすることがない。したがって、液体中の脆弱物の形状を保持して変形を防止しつつ、長期保存することができる。
また、本願発明の第2実施形態に係るデバイス1Bによれば、脆弱物に直接触れることなく容器内に収容して移送することができ、移送先においても脆弱物に直接触れることなく、脆弱物を容器内から取り出すことができるため、脆弱物Sを不用意に破損するようなことが起きにくい。
以上、本発明の実施態様1〜3に係るデバイスについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、筒状体2に蓋体4を取り付けた状態で、筒状体2の基端側から脆弱物Sを入れ、押子3を筒状体2の基端側から押し込むことで液密空間を形成してもよい。これにより、蓋体4を筒状体2の底面にして液体中に配置することで、筒状体2の基端側の開口部が上向きに開放されるため、筒状体2内に気体が入りにくい。また、蓋体4を筒状体2の基端と先端との間の配置することで、押子3を押す力が非圧縮性の液体Lを介して蓋体4に伝わり、蓋体4が筒状体2の基端側から先端側に移動するようにしてもよい。これにより、液密空間内の液体Lに不用意な圧力を加えることなく、液密空間を形成することができる。
また、当業者は、上記の実施態様1〜3に係るデバイスの構成および形状を好適に変更して、異なる構成や形状を有するデバイスを設計することができる。例えば、押子3の先端部(ガスケット31)に水平断面積が垂直下方に向かうほど小さい凸部を設け、押子の先端部を液体中に浸漬した際に、液体中の気泡などが凸部に沿って移動するように構成することもできる。すなわち、凸部は水平面に対して傾斜しているため、液体中の気泡などに浮力が掛りやすく、気泡を確実に上方(凸部の円周方向)に押し出して押子3の先端部から排除することができる。
本発明においては、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成を付加することもできる。
本発明のデバイスの使用は、例えば以下の工程によって順次行うことができる。
(1)デバイスを液体中に浸漬する。
(2)筒状体に液体および脆弱物を収容する。
(3)蓋部材で容器を覆って液密状態を形成する。
(4)デバイスを移送する。
(5)デバイスを液体中に浸漬する。
(6)蓋部材を取り外して液密状態を解除する。
(7)脆弱物を取り出して使用する。
1、1A、1B デバイス
2 筒状体
3 押子
31 ガスケット(先端部)
32 把持部
4 蓋体
5 接続部(内側筒状体)

Claims (7)

  1. 移植片を収容するためのデバイスであって、筒状体と、筒状体の内周面に密着して進退自在に挿通可能な押子とを含み、筒状体と押子との相対運動により液体中の移植片を筒状体内に収容することができる、前記デバイス。
  2. 筒状体に着脱可能な蓋体をさらに含み、筒状体と押子と蓋体とで囲まれる液密空間を形成することができる、請求項1に記載のデバイス。
  3. 蓋体と押子とを接続する接続部をさらに含む、請求項2に記載のデバイス。
  4. 接続部が、側面に開口部を有する内側筒状体である、請求項3に記載のデバイス。
  5. 押子が、先端部に凸部を有し、該凸部の水平断面積は垂直下方に向かうほど小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 移植片がシート状細胞培養物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. シート状細胞培養物が、積層体である、請求項6に記載のデバイス。
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