以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態が適用される窓用シャッター装置の全体正面図が示されている。図1に示されているこの窓用シャッター装置は、本実施形態に係る改修方法により電動式シャッター装置に改修される前の手動式シャッター装置である。
図1の手動式の窓用シャッター装置は、障子が配設された窓サッシ1よりも外側の建物外壁2の部分に設置され、この窓用シャッター装置の手動用シャッターカーテン3は、左右一対のガイドレール4に案内されて上下に開閉移動することにより、窓サッシ1の外側の窓用開口部を開閉する。この窓用開口部の上部には収納部材であるシャッターケース(言い換えると、シャッターボックス)5が配設され、このシャッターケース5の内部に水平に収納されている手動式巻取軸6にシャッターカーテン3の上端が連結されているとともに、この手動式巻取軸6は、左右一対の支持部材である支持用ブラケット7,8で回転自在に支持されている。
このように、本実施形態では、シャッターカーテン3に対して不動となっている不動部材であるシャッターケース5は、手動式巻取軸6と、支持用ブラケット7,8を収納するものとなっており、後述するように、手動式巻取軸6を取り外した後(シャッターケース5の外部に持ち出した後)に設置される内部に開閉機41が収納された電動式巻取軸40も、シャッターケース5に収納される。
シャッターケース5は、上面部(天板部)5Cと正面部(前板部)5Dと左右の側面部(側板部)5E,5Fとを有する本体5Aと、この本体5Aの下端を塞いでいるシャッターケース5の底面部を構成する底板5Bと、を含んで構成されており、図1に示すように、底板5Bは、シャッターケース5の本体5Aが前記窓用開口部の前記上部に取り付けられた状態で、本体5Aに対して、取り付け、取り外し自在となっている。
なお、本体5Aの左右の側面部は、本体5Aから取り付け、取り外し自在となっていてもよい。すなわち、シャッターケース5の左右の側面部は、本体5Aと一体となっているものではなく、本体5Aとは別体(別部材)となっていてもよい。
シャッターカーテン3の閉じ側の先端部(下端)を構成する先端部材(エンド部材)である座板3A等を手等による手動で押し上げると、シャッターカーテン3は手動式巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動し、座板3A等を押し下げると、シャッターカーテン3は手動式巻取軸6から繰り出されて下方へ閉じ移動する。また、手動式巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧されるねじりコイルばねによる戻しばねが収納されており、このため、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6に巻き取られて上方へ開き移動することは、この戻しばねの戻しばね力によって補助されて行われる。
左右一対の支持用ブラケット7,8による手動式巻取軸6の支持は、手動式巻取軸6の軸方向両端の端部となっている軸部6A,6Bが、これらの支持用ブラケット7,8に設けられている軸受け部9,10で支持されることにより行われている。
図2には、支持用ブラケット7,8のうち、一方の支持用ブラケット8(図1に示す左側の支持用ブラケット8)の軸受け部10による手動式巻取軸6の軸部6Bの支持構造が示されており、他方の支持用ブラケット7(図1に示す右側の支持用ブラケット7)及び軸受け部9と、この軸受け部9による手動式巻取軸6の軸部6Aの支持構造は、図2で示されているものと左右対称の同じものになっている。
次に、手動式巻取軸6の構造及び図2の支持構造を説明する。前述したように手動式巻取軸6の内部には、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6から繰り出されるときに戻しばね力が蓄圧される戻しばねが収納されているため、図2で示されている軸部6Bは、手動式巻取軸6の内部に端部を残して挿入されている非回転軸のこの端部により形成され、この非回転軸との間に軸受け部材が介設されている手動式巻取軸6は、この非回転軸を中心に回転自在となっている。また、この非回転軸又は上記軸部6Aを形成している別の非回転軸には、手動式巻取軸6の内部に収納されている戻しばねの一端が連結され、戻しばねの他端は手動式巻取軸6に連結されている。このため、上述のように、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6から繰り出されるときには、手動式巻取軸6の回転により戻しばねに戻しばね力が蓄圧され、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6に巻き取られるときの手動式巻取軸6の回転は、戻しばね力によって補助される。
図2に示されているように、板金製の支持用ブラケット8は、ブラケット本体8Aと、このブラケット本体8Aの補強のためにも設けられている後端折曲部8Bと、前端折曲部8Cと、上端折曲部8Dと、下端折曲部8Eとを有するものとなっており、後端折曲部8Bが図1で示した建物外壁2にアンカー部材等の結合具で結合されることにより、支持用ブラケット8は建物外壁2に固定されている。そして、ブラケット本体8Aには、手動式巻取軸6の軸部6Bを受けて支持するための上記軸受け部10が設けられている。
この軸受け部10は、板金の折り曲げ品となっている1個の軸受け部材で形成されており、また、軸受け部10は、軸受け部本体16と、この軸受け部本体16におけるブラケット本体8Aの側から手動式巻取軸6の外径方向に突出しているフランジ部17とからなる。軸受け部本体16は、底部16Aと、この底部16Aの両端から立ち上がった立上部16B,16Cとを有するため、上向きに開口したコ字形状となっている。また、フランジ部17は、軸受け部本体16の下部から、言い換えると底部16Aから下方へ突出する第1突出部17Aと、軸受け部本体16の両側部から、言い換えると立上部16B,16Cから水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部17B,17Cとからなり、これらの第1及び第2突出部17A〜17Cがブラケット本体8Aに溶接又はリベット等の結合具で結合されることにより、上記軸受け部材によって形成されている軸受け部10が支持用ブラケット8に設けられていることになる。
図3に示されているように、軸受け部本体16の立上部16B,16Cと手動式巻取軸6の軸部6Bには、孔11〜13が形成され、軸部6Bを軸受け部本体16に挿入した後に、これらの孔11〜13にボルト14を挿入し、立上部16Cの孔13から突出したボルト14の軸端にナット15を螺合することにより、手動式巻取軸6の端部を形成している軸部6Bは、非回転状態となって軸受け部10の軸受け部本体16で支持されることになる。
なお、図2や図3に一部が示されているように、左右の支持用ブラケット7,8の間には、断面形状が略L字状となった補強部材26,27(左右のブラケット本体7A,8Aの間隔と同じ長さ寸法を有する長尺の板材)が架設されている。
次に、図1に示されている手動式窓用シャッター装置を電動式窓用シャッター装置に改修する方法(作業工程)の一実施形態について詳細に説明する。
まず、図1の手動式窓用シャッター装置の斜視図である図4に示されているように、この手動式窓用シャッター装置の前の床(地面)28の上に、保護シート部材である養生シート29を敷く作業工程が実施される。改修のために分解され、後に再び組み立てられる手動式窓用シャッター装置の構成部品(交換部品を含む)や、電動式窓用シャッター装置の構成部品等は、この養生シート29の上に一時的に置かれることになる。
次に、図5に示すように、シャッターケース5の底板5Bと、左右のガイドレール4A,4Bを取り外す作業工程が実施される。この作業工程により取り外されたこれらの部材は、上述した養生シード29の上に一時的に置かれる。なお、この作業工程は、図1に示す手動式窓用シャッター装置のシャッターカーテン3を図5に示すように全開状態又は略全開状態にした後、すなわち、シャッターカーテン3が手動式巻取軸6に巻き取られて、このシャッターカーテン3(座板3Aを除く)がシャッターケース5に収納された状態にした後に実施される。
図6には、上記作業工程で取り外された左右一対のガイドレール4A,4Bのうちの一方である右側のガイドレール4Aの斜視図が示されている。板材の折り曲げにより形成されたガイドレール4Aは、シャッターカーテン3の幅方向である左右方向の端部がスライド自在に挿入されるガイド溝である溝部4Cと、中空部4Dと、を有している。なお、溝部4Cの上端部は、上方に向かって間隔が広くなっている二股部4Eとなっており、この二股部4Eは、閉じ移動してくるシャッターカーテン3の幅方向の端部を溝部4Cにより確実に侵入させるためのガイド片となっている。
溝部4Cの内側面部における互いに対向する開口縁部4F,4Gには、開閉移動するシャッターカーテン3との摩擦により生じる騒音を抑制するためのモヘア製やビニール製等の騒音抑制部材(消音材)24がそれぞれ付けられている(図26も参照)。
ガイドレール4Aの上下方向の長さ寸法と同じ又は略長さ寸法を有する騒音抑制部材24には、この騒音抑制部材24の長さ方向全長に渡る凸部24Aが形成されており、この凸部24Aを、ガイドレール4Aの溝部4Cの開口縁部4F,4Gにおけるガイドレール4Aの長さ方向全長に渡って形成されている凹部4H,4Iに嵌合させることにより、騒音抑制部材24が、ガイドレール4Aの溝部4Cの開口縁部4F,4Gに取り付けられることになる。
本実施形態では、手動式窓用シャッター装置に備えられていた既存の騒音抑制部材24を経年劣化により交換する必要が生じた場合には、シャッターケース5の底板5Bと、左右のガイドレール4A,4Bを取り外す前記作業工程が実施された後に、既存の騒音抑制部材24を新品の騒音抑制部材24に交換する作業工程が実施されるようになっており、図6は、ガイドレール4Aの開口縁部4F,4Gにそれぞれ取り付けられていた既存の騒音抑制部材24を取り外した後、新品の騒音抑制部材24をガイドレール4Aの溝部4Cの開口縁部4F,4Gのうちの開口縁部4Fに取り付けている様子を示す斜視図となっている。
なお、ガイドレール4Aと左右対称の形状、構造を有する左側のガイドレール4Bについても、既存の騒音抑制部材24を経年劣化により交換する必要が生じた場合には、上述した既存の騒音抑制部材24を新品の騒音抑制部材24に交換する作業工程が実施される。
次に、手動式巻取軸6に巻き取られた状態にしたシャッターカーテン3を手動式巻取軸6から引き出した(繰り出した)後、この手動式巻取軸6を非回転状態とする作業工程が実施される。
この後、手動式巻取軸6に止着されているシャッターカーテン3の上端部を取り外す作業工程が実施され、これにより、シャッターカーテン3は、手動式巻取軸6から切り離された状態となる。
次に、手動式巻取軸6を左右の支持用ブラケット7,8から取り外す作業工程が実施される。すなわち、より具体的には、軸受け部9,10に支持されているとともに、ボルト14とナット15で軸受け部9,10に結合されている手動式巻取軸6の軸部6A,6Bを、軸受け部9,10から取り外す作業工程が実施される。
以上の作業工程の実施により、シャッターカーテン3と手動式巻取軸6は、図7に示すように、手動式窓用シャッター装置から分解、切り離された状態となる。
本実施形態では、上述したように、手動式巻取軸6の軸部6A,6Bを軸受け部9,10から取り外す作業工程が実施された後は、軸受け部9,10が設けられている支持用ブラケット7,8に、具体的な構造を後述する電動式巻取軸40の軸方向の端部から延びる(導出される)紐状部材を通す(挿通する)ための孔を形成する作業工程が実施される。
図8は、手動式巻取軸6の軸部6Aが軸受け部9から取り外された状態の支持用ブラケット7に孔を形成したときを示す斜視図であり、図9は、手動式巻取軸6の軸部6Bが軸受け部10から取り外された状態の支持用ブラケット8に孔を形成したときを示す斜視図である。
なお、図8に示されているように、板金製の支持用ブラケット7は、支持用ブラケット8と同様に、ブラケット本体7Aと、このブラケット本体7Aの補強のためにも設けられている後端折曲部7Bと、前端折曲部7Cと、上端折曲部7Dと、下端折曲部7Eとを有するものとなっており、後端折曲部7Bが図1で示した建物外壁2にアンカー部材等の結合具で結合されることにより、支持用ブラケット7は建物外壁2に固定されている。そして、ブラケット本体7には、手動式巻取軸6の軸部6Aを受けて支持するための上記軸受け部9が設けられている。
図8に示されている軸受け部9の軸受け部本体18は、前述した軸受け部10の軸受け部本体16と同様に、底部18Aと、この底部18Aの両端から立ち上がった立上部18B,18Cとを有する上向きの開口したコ字形状となっており、ブラケット本体7Aにおける底部18Aと立上部18B,18Cとで囲まれた箇所に、電動式巻取軸40の軸方向の両端部のうちの一方の端部である右端部から延びる紐状部材である後述する切替部材50を通すための孔7Fが形成される作業工程が実施される。なお、軸受け部9を形成するフランジ部19も、軸受け部10を形成するフランジ部17と同様に、軸受け部本体18の底部18Aから下方へ突出する第1突出部19Aと、軸受け部本体18の立上部18B,18Cから水平方向又は略水平方向に突出する2個の第2突出部19B,19Cとからなり、これらの第1及び第2突出部19A〜19Cがブラケット本体7Aに溶接又はリベット等の結合具で結合されることにより、上記軸受け部材によって形成されている軸受け部9が支持用ブラケット7に設けられていることになる。
また、前述したように、図9に示されている軸受け部10の軸受け部本体16も、底部16Aと、この底部16Aの両端から立ち上がった立上部16B,16Cとを有する上向きの開口したコ字形状となっており、ブラケット本体8Aにおける底部16Aと立上部16B,16Cとで囲まれた箇所に、電動式巻取軸40の軸方向の両端部のうちの他方の端部である左端部から延びる紐状部材である後述する電源コード51を通すための孔8Fが形成される作業工程が実施される。なお、孔8Fは、孔7Fの直径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有するものとなっている。
なお、ブラケット本体7Aに孔7Fを形成する作業工程と、ブラケット本体8Aに孔8Fを形成する作業工程は、複数の作業者により同時に実施されるものでもよく、一人の作業者により孔7Fと孔8Fのうちのいずれか一方を形成する作業工程が実施された後に、他方を形成する作業工程が実施されるものでもよい。
この後、支持用ブラケット7から軸受け部9を取り外す作業工程(新品の軸受け部9に交換する場合のみ)と、支持用ブラケット8から軸受け部10を取り外す作業工程とが実施される。なお、これらの作業工程は、複数の作業者により同時に実施されるものでもよく、一人の作業者により一方の作業工程が実施された後に、他方の作業工程が実施されるものでもよい。
図10は、軸受け部9が取り外された状態の支持用ブラケット7の斜視図である。本実施形態では、ブラケット本体7Aの孔7Fに挿通された電動式巻取軸40の紐状部材が孔7Fの内周面と擦れて磨耗することを軽減するための摩擦軽減部材30を、孔7Fに取り付ける作業工程が実施される。環状(リング状)の軟質部材で形成されているこの摩擦軽減部材30の外周面におけるこの外周面の幅方向中央部には凹部30Aが、周方向全長に渡って形成されており、摩擦軽減部材30の凹部30Aを孔7Fの内周面及び周縁部に嵌合させることにより、摩擦軽減部材30が孔7Fに取り付けられることになる(図20参照)。なお、軸受け部9を新品の軸受け部9に交換しない場合には、ブラケット本体7Aにおける既存の軸受け部本体18の底部18Aと立上部18B,18Cとで囲まれた空間に手を入れて、摩擦軽減部材30を孔7Fに取り付けることになる。
上述したように、ブラケット本体7Aに孔7Fを形成する作業工程が実施された後は、図11に示すように、孔7Fに通した紐状部材を、ブラケット本体7Aを覆うシャッターケース5の右側面部5Eから一旦突出させるための孔5Gと、この孔5Gから一旦突出させた紐状部材を再びシャッターケース5の右側面部5Eとブラケット本体7Aとの間に通すための孔5Hと、を形成する作業工程が、シャッターケース5の外部(外側)で実施される。本実施形態では、シャッターケース5の右側面部5Eに形成された孔5Gは、第1孔となっており、シャッターケース5の右側面部5Eに形成された孔5Hは、第2孔となっている。
なお、図11に示されているように、孔5Gは、孔7Fの直径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有しており、また、この孔5Gは、シャッターケース5の右側面部5Eにおける孔7Fの中心位置と一致又は略一致する位置に形成される。一方、孔5Hは、孔5Gの直径寸法よりも小さい直径寸法を有しており、この孔5Hは、シャッターケース5の右側面部5Eにおける孔5Gからシャッターカーテン3の閉じ移動方向である下方向へ離間した位置に形成される。
これらの孔5G,5Hが形成する作業工程が実施された後は、ブラケット本体7Aに形成された7Fと同様に、孔5Gに摩擦軽減部材30を取り付ける作業工程が実施されるとともに、孔5Hの内周部及び周縁部に嵌合可能な凹部31Aを有する摩擦軽減部材31を孔5Hに取り付ける作業工程が実施される。
図12は、図10と同様に、軸受け部10が取り外された状態の支持用ブラケット8の斜視図である。ブラケット本体7Aの孔7Fと同様に、ブラケット本体8Aの孔8Fにも、摩擦軽減部材30を取り付ける作業工程が実施される。
また、ブラケット本体8Aに孔8Fを形成する作業工程が実施された後は、孔8Fに通した紐状部材を、ブラケット本体8Aを覆うシャッターケース5の左側面部5Fから一旦突出させるための孔5Iと、この孔5Iから一旦突出させた紐状部材を再びシャッターケース5の左側面部5Fとブラケット本体8Aとの間に通すための孔5Jと、を形成する作業工程が、シャッターケース5の外部(外側)で実施される。本実施形態では、シャッターケース5の左側面部5Fに形成された孔5Iは、第1孔となっており、シャッターケース5の左側面部5Fに形成された孔5Jは、第2孔となっている。
なお、図13に示されているように、孔5I,5Jは、孔8Fの直径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有しており、また、この孔5Iは、シャッターケース5の左側面部5Fにおける孔8Fの中心位置と一致又は略一致する位置に形成される。一方、孔5Jは、シャッターケース5の左側面部5Fにおける孔5Iからシャッターカーテン3の閉じ移動方向である下方向へ離間した位置に形成される。
これらの孔5I,5Jが形成する作業工程が実施された後は、ブラケット本体8Aに形成された8Fと同様に、孔5I,5Jに摩擦軽減部材30をそれぞれ取り付ける作業工程が実施される。
以上の作業工程が実施された後は、取り外した手動式巻取軸6の代わりに、電動式巻取軸40を、支持用ブラケット7,8に支持させる作業工程が実施されることになるが、この電動式巻取軸40の構造について以下詳細に説明する。
図14には、後述する作業工程の実施により支持用ブラケット7,8に支持された電動式巻取軸40が示されている。この電動式巻取軸40における支持用ブラケット8の側の端部40Bの内部には、後述する電動用シャッターカーテンを開閉移動させるための開閉機41が収納されている。この開閉機41は、電動モータ41Cと、この電動モータ41Cを制動するためのブレーキ41Dと、これら電動モータ41Cの駆動制御とブレーキ41Dのオン、オフの電気的制御を行う制御装置41Bと、を含んで構成されており、これらの装置は、円筒形状のケース41Aに収納されている。開閉機41のケース41Aの端部41Eは電動式巻取軸40から突出しており、このため、このケース41Aの端部41Eは、電動式巻取軸40における支持用ブラケット8の側の端部を形成している。
開閉機41からは、この開閉機41を構成する上述した各装置に電源を供給するための電源コード(電源線)51が導出されており、さらに、この電源コード51は、開閉機41が収納されているケース41Aの支持用ブラケット8側の端部41Eから延びている。言い換えると、電動式巻取軸40における軸方向の両端部のうちの一方の端部である支持用ブラケット8側の端部からは、開閉機41から導出されている電源コード51が延びている。このため、本実施形態では、電源コード51は、電動式巻取軸40における軸方向の両端部のうちの一方の端部である支持用ブラケット8側の端部から延びる紐状部材となっている。
開閉機41のブレーキ41Dは、後述するように、電動式巻取軸40が電動モータ41Cの回転駆動力により回転して電動用シャッターカーテンが全開位置や全閉位置に達したことが電動式巻取軸40の図示しない回転数検出センサ等で検出されて、この検出信号が、図示しない信号線を経由して制御装置41Bに入力したときや、電動モータ41Cの回転や停止を操作するための操作装置からの停止信号が前記信号線を経由してこの制御装置41Bに入力したときに、電動モータ41Cの出力部材の回転駆動を停止させて電動式巻取軸40を回転停止状態とするためのものである。
図14に示されているように、開閉機41には、電動モータ41Cの出力部材の回転駆動により回転するリング状の駆動部材42が設けられ、この駆動部材42の円周方向に複数形成されている溝42Aに、電動式巻取軸40の内面に設けられている突起40Aが挿入されているため、駆動部材42と電動式巻取軸40は、電動式巻取軸40の回転方向に連結されている。このため、電動モータ41Cの出力部材の回転駆動により駆動部材42が回転すると、電動式巻取軸40は回転することになる。また、開閉機41の外周には、電動式巻取軸40と一体となって回転するリング状の従動部材43が嵌合され、電動モータ41Cの回転駆動力による電動式巻取軸40の回転は、この従動部材43が、電動式巻取軸40と開閉機41との間の回転軸受け部材となって行われる。
一方、電動式巻取軸40における支持用ブラケット7の側の端部の内部には、戻しばねユニット44が挿入されている。この戻しばねユニット44は、非回転の中心軸45と、この中心軸45に軸受け部材46で回転自在に配置された2個のホイール部材47と、これらのホイール部材47の間に配設されたねじりコイルばねによる2個の戻しばね48とを含んで構成されている。それぞれのホイール部材47は電動式巻取軸40にリベット等で結合され、また、それぞれの戻しばね48の一端は連結具49Aで中心軸45に連結されているとともに、他端は連結具49Bでそれぞれのホイール部材47に連結されている。
このため、後述する作業工程の実施により電動式巻取軸40に電動用シャッターカーテンの上端が連結された後に、この電動用シャッターカーテンを巻き取っている電動式巻取軸40が、電動モータ41Cの回転駆動力により非回転の中心軸45を中心に回転して電動用シャッターカーテンが繰り出されたときには、戻しばね48に戻しばね力が蓄圧され、この戻しばね力は、電動式巻取軸40が電動モータ41Cの回転駆動力により逆回転して電動用シャッターカーテンを巻き取るときに、補助力として利用される。
図14に示すように、中心軸45の軸端部45Aは電動式巻取軸40から突出しており、このため、この軸端部45Aは、電動式巻取軸40における支持用ブラケット7の側の端部を形成している。
また、図14に示すように、開閉機41からはワイヤー等による紐状部材50が延びており、この紐状部材50は、中空部材となっている中心軸45の一方の端部からこの中心軸45の内部に挿通されている。
そして、この紐状部材50は、電動モータ41Cと共に開閉機41の構成要素となっている前述のブレーキ41Dを、電動式巻取軸40の回転が停止しているときに、オン、オフ切り替え操作するための切替部材50となっている。すなわち、ブレーキ41Dがオンとなっているために電動式巻取軸40の回転が停止している電動用シャッターカーテンの全開時や全閉時等において、例えば、停電になった場合に、切替部材50が1回引っ張り操作されると、ブレーキ41Dはオフとなるため、巻取軸が手動式巻取軸6から電動式巻取軸40に改修されていても、この電動式巻取軸40は自由回転可能状態となり、このため、電動用シャッターカーテンを手動により開閉移動させることができる。また、切替部材50がもう1回引っ張り操作されると、ブレーキ41Dはオンとなるため、開閉機41は上述の引っ張り操作前の状態に戻り、電動式巻取軸40は自由回転不能状態となって、電動用シャッターカーテンを手動により開閉移動させることはできなくなる。
このように、本実施形態では、切替部材50は、中心軸45の軸端部45Aから延びており、このため、切替部材50は、電動式巻取軸40における軸方向の両端部のうちの他方の端部である支持用ブラケット7側の端部から延びる紐状部材となっている。
図15は、電動式巻取軸40における支持用ブラケット8の側の端部を形成している開閉機41のケース41Aの側面図(ブラケット本体8Aと対向する側の側面図)である。この図15に示すように、開閉機41のケース41Aの端部41Eは、ケース41Aの主要部(大部分)よりも直径寸法が小さくなっており、この端部41Eの外周部には、外側に膨出した略半円状の6個の凸部41Fが周方向に等間隔に形成されており、互いに隣接する凸部41F同士の間は凹部41Gとなっている。すなわち、開閉機41のケース41Aの端部41Eの外周部には、6個の凸部41Fと6個の凹部41Gが周方向に交互に形成されている。また、開閉機41のケース41Aの端部41Eの端面41Hには、孔41Iが形成されており、この孔41Iから電源コード51が導出されている。
図16は、電動式巻取軸40における支持用ブラケット8の側の端部を形成している開閉機41のケース41Aの端部41Eを支持用ブラケット8に取り付けるための取付部材32の側面図(開閉機41のケース41Aと対向する側の側面図)が示されている。この取付部材32は、図14に示されているように、ブラケット本体8Aに固定(結合)されるものである。そして、この取付部材32は、図16に示されているように、筒部32Aと、この筒部32Aの一方の開口端を覆い、ブラケット本体8Aに結合される(取り付けられる)ベース部32Bとからなるカップ状部材となっている。そして、筒部32Aには、開閉機41のケース41Aの端部41Eの外周部を形成する6個の凸部41Fと6個の凹部41Gとが嵌合可能な6個の凸部32Cと6個の凹部32Dが周方向に交互に形成されている。
このため、図14に示すように、ベース部32Bがブラケット本体8Aに結合された状態の取付部材32の筒部32Aの内側に、開閉機41のケース41Aの端部41Eが嵌合され、これにより、開閉機41のケース41Aの端部41Eが支持用ブラケット8に支持されることなる。
なお、図16に示すように、取付部材32のベース部32Bには、開閉機41のケース41Aの端部41Eの端面41Hの孔41Iから導出された図15に示す電源コード51が通される孔32Eが形成されている。
前述したように、左右のブラケット本体7A,8Aに形成した孔7F,8Fのそれぞれに摩擦軽減部材30を取り付ける作業工程(図10,図12参照)、シャッターケース5の右側面部5Eに形成した孔5Gに摩擦軽減部材30を取り付けるとともに、シャッターケース5の右側面部5Eに形成した孔5Hに摩擦軽減部材31を取り付ける作業工程(図11参照)、及びシャッターケース5の左側面部5Fに形成した孔5I,5Jのそれぞれに摩擦軽減部材30を取り付ける作業工程(図13参照)が実施された後は、電動式巻取軸40の軸方向の両端部を支持用ブラケット7,8取り付けるための作業工程が実施される。
まず、ブラケット本体7Aに、新品の軸受け部9を取り付ける作業工程が実施される。なお、軸受け部9が交換されない場合には、この作業工程は実施されない。一方、ブラケット本体8Aには、一旦取り外した既存の軸受け部10を再度取り付けるのではなく、図14及び図16に示す前述した取付部材32が新たに取り付けられる作業工程が実施される。
この後、電動式巻取軸40を支持用ブラケット7,8の高さ位置あるいはこれよりも少し上の高さ位置まで持ち上げる作業工程が実施される。このとき、図17に示すように、電動式巻取軸40の中心軸45の軸端部45Aから延びている切替部材50を、ブラケット本体7Aの孔7Fに挿通する作業工程が実施され(図14や図19参照)、さらに、この切替部材50を、シャッターケース5の右側面部5Eの孔5Gに挿通する作業工程が実施される(図14参照)。この結果、切替部材50は、図14に示すように、ブラケット本体7Aの孔7Fを経由してシャッターケース5の右側面部5Eの孔5Gから突出(露出)した状態となる。
また、電動式巻取軸40を支持用ブラケット7,8の高さ位置あるいはこれよりも少し上の高さ位置まで持ち上げる作業工程が実施されるとき、上述した切替部材50と同様に、電動式巻取軸40の開閉機41のケース41Aの端部41Eから延びている電源コード51を、ブラケット本体8Aの孔8Fに挿通する作業工程が実施され(図20参照)、さらに、この電源コード51を、シャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iに挿通する作業工程が実施される。この結果、電源コード51は、図14に示すように、ブラケット本体8Aの孔8Fを経由してシャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iから突出(露出)した状態となる。
以上のように、切替部材50をシャッターケース5の右側面部5Eの孔5Gから突出させる作業工程と、電源コード51シャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iから突出させる作業工程が終了したら、図17と図18に示すように、電動式巻取軸40の中心軸45の軸端部45Aを軸受け部9にボルト14及びナット15により連結させる作業工程が実施される。図17に示すように、軸受け部本体18の立上部18B,18Cと、電動式巻取軸40の中心軸45の軸端部45Aには、孔21〜23が形成され、軸端部45Aを軸受け部本体18に挿入した後に、これらの孔21〜23にボルト14を挿入し、立上部18Cの孔23から突出したボルト14の軸端にナット15を螺合することにより、軸端部45Aは、非回転状態となって軸受け部9の軸受け部本体18で支持されることになる。
また、これと同時に、電動式巻取軸40から突出する開閉機41のケース41Aの端部41E(図15参照)を、ブラケット本体8Aに結合した図16に示す取付部材32に嵌合、固定させる作業工程が実施される。これにより、電動式巻取軸40は、図14に示すように、左右の支持用ブラケット7,8で支持された状態となる。
この後、シャッターケース5の右側面部5Eの孔5Gから突出させた切替部材50を配線する作業工程と、シャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iから突出させた電源コード51を配線する作業工程と、が同時に、あるいは、前後して実施される。
すなわち、図20、及びこの図20に示す支持用ブラケット7とシャッターケース5の右側面部5Eの部分の拡大断面図である図21に示されているように、シャッターケース5の右側面部5Eの孔5Gから突出させた切替部材50を、シャッターケース5の右側面部5Eに形成された孔5Hに挿通される作業工程が実施され、これにより、切替部材50は、図20に示すように、ブラケット本体7Aとシャッターケース5の右側面部5Eとの間の空間である隙間S1に通され、さらに、シャッターケース5の下部から垂下した状態となる。
また、図20、及びこの図20に示す支持用ブラケット8とシャッターケース5の左側面部5Fの部分の拡大断面図である図22に示されているように、シャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iから突出させた電源コード51を、シャッターケース5の左側面部5Fに形成された孔5Jに挿通される作業工程が実施され、これにより、電源コード51は、図20に示すように、ブラケット本体8Aとシャッターケース5の左側面部5Fとの間の空間である隙間S2に通され、さらに、シャッターケース5の下部から垂下した状態となる。
この後、前述した作業工程で取り外された左右のガイドレール4A,4Bを再度取り付ける作業工程が実施される。
図23は、右側の支持用ブラケット7と、上記作業工程の実施により再度取り付けられた状態の右側のガイドレール4Aの部分の拡大斜視図である。なお、図23において、支持用ブラケット7,8の間に架設されている補強部材26,27のうちの奥側の補強部材27は、便宜上2点鎖線で示されている。
この図23に示されているように、シャッターケース5の下部から垂下させた切替部材50を、ガイドレール4Aの上端部4Jを経由させ、さらに、この上端部4Jにおけるガイドレール4Aの内側面部4Kの側の部分を切り欠くことにより形成された切欠部4Lに通す作業工程が実施される。これにより、切替部材50は、ガイドレール4Aの内側面部4K側に垂下した状態となる。なお、上記切欠部4Lを形成する作業工程は、ガイドレール4Aを取り付ける作業工程の前に実施されるようにしてもよく、ガイドレール4Aを取り付ける作業工程の後に実施されるようにしてもよい。
この後、切替部材50を引っ張り操作する際、この切替部材50の終端部を把持するための図23に示す円筒形状の把持部材52を、切替部材50の終端部に取り付ける作業工程が実施される。また、このとき、平常時に把持部材52を保持しておくための保持部材(ホルダー部材)53をガイドレール4Aの内側面部4Kに取り付ける作業工程が実施される。さらに、このとき、把持部材52は非常時にシャッターカーテンを開放するために使用するものである旨の記載や操作方法の記載がされたシール(ラベル)54を、ガイドレール4Aの内側面部4Kにおける保持部材53の近傍に貼付する作業工程が実施される。なお、切替部材50の把持部材52は、この把持部材52の底部52Aが保持部材53の底部53Aに載置されることにより、保持部材53に保持されることになる。
以上で、切替部材50の配線作業は終了するが、この後、切替部材50を引っ張り操作することにより、電動式巻取軸40のブレーキ41Dがオン、オフされるかどうかの確認をする作業工程が実施されることが好ましい。
上述した切替部材50の配線作業と同時に、あるいは上述した切替部材50の配線作業と前後して、シャッターケース5の下部から垂下した電源コード51を配線する作業工程が実施される。
本実施形態では、電源コード51は、左側のガイドレール4Bの内部を経由し、さらに、ガイドレール4Bの下端に取り付けられた図1に示す下枠部材58の内部を経由させるようになっている。下枠部材58は、金属製の板材の折り曲げにより形成され、図1に示されているように、窓サッシの外側の窓用開口部の下枠を構成するものとなっている。なお、前述したガイドレール4A,4Bを取り外す作業工程が実施されるときに、この下枠部材58も取り外す作業工程が実施される。そして、この後、図24に示されているように、取り外された下枠部材58の上面部58Aに電源コード51を通すための孔58Bを形成する作業工程と、さらに、下枠部材58の底面部58Cに電源コード51を通すための孔58Dを形成する作業工程と、が実施される。これらの孔58B,58Dが形成された下枠部材58を取り付ける作業は、ガイドレール4A,4Bが再度取り付けられる作業工程が実施されるときに行われる。
図25は、シャッターケース5の下部から垂下した電源コード51を、左側のガイドレール4Bの内部と下枠部材58の内部とに通す作業工程が実施されたことにより、この電源コード51が下枠部材58の底面部58Cから露出、垂下しているときを示す斜視図であり、図26は、図25で示されているガイドレール4Bの水平断面図である。
図25及び図26に示されているように、本実施形態では、図示されない一端がシャッターケース5に係止されているアース線55も、電源コード51とともに、左側のガイドレール4Bの内部と下枠部材58の内部とに通されるようになっている。なお、電源コード51とアース線55は、左側のガイドレール4Bの内部のうちの中空部4Dに通されるようになっている。
上述した作業工程の実施により下枠部材58の底面部58Cの孔58Dから露出、垂下された電源コード51とアース線55は、この後、図1に示す建物外壁2に形成された孔を経由して建物内部に配線されることになるが、電源コード51とアース線55には、下枠部材58の底面部58Cの孔58Dから建物外壁2の形成された孔に至るまで外部に露出された部分が生じる。このため、電源コード51とアース線55のうちの外部に露出された部分を保護するために、図27に示すように、電源コード51とアース線55を可撓性を有する部材で形成された管部材56に通すとともに、この管部材56の一方の開口端56Bを下枠部材58の底面部58Cの孔58Dに嵌合させる作業工程が実施される。なお、管部材56には、この管部材56の内部に侵入した雨水を排出するための排水孔56Aが形成されている。
この後、管部材56が通された電源コード51とアース線55の終端部を建物内部まで通すための図28に示す貫通孔2Aを建物外壁2に形成する作業工程が実施される。なお、この作業工程は、もっと前に実施されるものでもよい。
そして、この後、管部材56が通された電源コード51とアース線55を、建物外壁2に形成された貫通孔2Aに通して、電源コード51とアース線55を建物内部に送り込む作業工程が実施されるが、これにより、図28に示すように、電源コード51とアース線55のうち、管部材56の他方の開口端56Cから建物外壁2の貫通孔2Aに至るまでの部分51A,55Aが外部に露出することになる。
このため、管部材56が通された電源コード51とアース線55を、建物外壁2に形成された貫通孔2Aに通して、電源コード51とアース線55を建物内部に送り込む作業工程が実施された後、上記露出部分51A,55Aを覆うための図28に示すカバー部材57を建物外壁2に取り付ける作業工程が実施される。
図28に示すように、カバー部材57は、上面部57Dと正面部57Eと右側面部57Fと左側面部57Gとからなっていて上記露出部分51A,55Aを覆うための背面と下面が開口した本体57Aと、この本体57Aを建物外壁2に取り付けるための取付部材57Bと、で構成されている。取付部材57Bには、建物外壁2に形成した貫通孔2Aと同じ又は略同じ直径寸法を有し、電源コード51とアース線55が挿通される孔57Cが形成されており、前述したように、建物外壁2に電源コード51とアース線55を通すための貫通孔2Aを形成する作業工程が実施された後、取付部材57Bを建物外壁2に取り付ける作業工程が実施される。そして、この後に、管部材56が通された電源コード51とアース線55を、建物外壁2に形成された貫通孔2Aに通す前述した作業工程が実施される。
なお、この後、建物内部に送り込まれた電源コード51とアース線55の終端部を、開閉機41を構成する各装置に電源を供給するための電源接続部である商用電源のコンセントに接続する作業工程が実施されるが、この作業工程は、電動式巻取軸40に電動用シャッターカーテンを取り付ける作業工程の前に実施されるものでもよく、後に実施されるものでもよい。
本実施形態では、後述する電動用シャッターカーテン71の閉じ側の先端部材となる座板は、図1に示す手動用シャッターカーテン3の座板3Aをそのまま使用するものとなっている。そして、この座板3Aには、図1に示す手動用シャッターカーテン3が全閉状態のときにこの手動用シャッターカーテン3が開放されるのを阻止(ロック)するためのロック装置、すなわち、手動用シャッターカーテン3を施錠するための施錠装置が設けられている。
図29には、座板3Aの幅方向(左右方向)の中央部(屋内側の部分)の部分拡大斜視図が示されている。施錠装置60は、図29に示されている座板3Aの側のとは反対の側である屋外側に配置された図示しない回動中心軸を中心に回動自在な回動部材61と、この回動部材61の左右両側に配置され、ガイドレール4A,4Bの内部である溝部4C手前まで延び(図26参照)、座板3Aの幅方向(左右方向)にスライド(進退)自在な棒状のスライド部材62(図7も参照)と、このスライド部材62の先端部に取り付けられ、ガイドレール4A,4Bの溝部4Cに設けられた図26に示す被係止部材65に係止する係止部材63(図7も参照)と、を含んで構成されている。なお、回動部材61は、図1に示す手動式シャッター装置として機能していたときは、図示しないカバー部材で常時覆われており、図29は、このカバー部材が取り外された状態を示すものである。
図30は、図1に示す手動用シャッター装置における施錠装置の係止部材63の動作を示す図である。ガイドレール4Bの縦断面図である図30で示されているとおり、ガイドレール4Bの溝部4Cの内部における座板3Aの幅方向(シャッターカーテン3の幅方向)側の側部には、係止部材63と共に施錠装置60を形成する被係止部材65が設けられている。この被係止部材65には、図30で示されているとおり、シャッターカーテン3の閉じ移動方向に対して傾斜した傾斜部65Aと、この傾斜部65Aにおけるシャッターカーテン3の閉じ移動方向の端部に水平又は略水平に形成された被係止部65Bとが設けられ、傾斜部65Aは、シャッターカーテン3の閉じ移動方向へ延びるに伴いシャッターカーテン3の幅方向(座板3Aの幅方向)内側へ突出している。また、係止部材63の先端部下面は、シャッターカーテン3の閉じ移動方向へ延びるに伴いシャッターカーテン3の幅方向内側へ向かって傾斜していて、傾斜部65Aと平行又は略平行の傾斜面63Aとなっている。
このため、全開位置に達しているシャッターカーテン3を全閉位置まで閉じ移動させる途中において係止部材63の傾斜面63Aが被係止部材65の傾斜部65Aに当接すると、この傾斜面63Aと傾斜部65Aのテーパー作用により、被係止部材65に対して係脱自在となっている係止部材63は、シャッターカーテン3の幅方向内側(矢印F方向)へ移動し、この移動で図29に示すスライド部材62も付勢手段となっている図示しないばねに抗して、すなわち、ばねにばね力を蓄圧させながら、シャッターカーテン3の幅方向内側(図29に示す矢印F方向)へ後退するとともに、図29に示す回動部材61は回動中心軸を中心とした矢印B方向への回動を行う。これにより、係止部材63は被係止部材65から離脱する。この後、係止部材63が被係止部材65の傾斜部65Aを通過すると同時に、係止部材63とスライド部材62は、前記ばねの蓄圧されたばね力でシャッターカーテン3の幅方向外側(図29及び図30に示す矢印E方向)へ前進するとともに、回動部材61は回動中心軸を中心とした矢印A方向へ復帰回動を行うことになる。このため、シャッターカーテン3が全閉位置に達したときには、図30の2点鎖線63´で示されているように、この係止部材63’の上面が被係止部材65の被係止部65Bに係止している。
このように、係止部材63とスライド部材62は、図示しない付勢手段により座板3Aの幅方向外側(図29及び図30に示す矢印E方向)に常時付勢されるようになっている。また、この施錠装置60には、回動部材61の回動力が直線力に変換される機構が備えられており、図29に示されている回動部材61を矢印B方向に回動力が作用すると、係止部材63とスライド部材62は、前述した図示しない付勢手段であるばねのばね力に抗してシャッターカーテン3の幅方向内側(図29及び図30に示す矢印F方向)へ後退する。一方、回動部材61に作用していた矢印B方向への回動力が消失すると、係止部材63とスライド部材62は、前述した図示しない付勢手段であるばねに蓄圧されていたばね力でシャッターカーテン3の幅方向外側(図29及び図30に示す矢印E方向)へ前進する。
前述したように、本実施形態では、電動用シャッターカーテンの閉じ側の先端部材となる座板は、図1に示す手動用シャッターカーテン3の座板3Aをそのまま使用するものとなっている。
このため、電動式窓用シャッター装置に改修するときに、座板3Aに設けられている施錠装置60の作動を常時阻止するための施錠装置作動阻止手段である図29に示す施錠装置作動阻止装置66を座板3Aに取り付ける作業工程が実施される。
図31は、図29に示す施錠装置作動阻止装置66の正面図であり、図32は、この施錠装置作動阻止装置66を構成する第1部材67の正面図である、図33は、この施錠装置作動阻止装置66を構成する第2部材68の正面図である。
図32に示すように、板材の折り曲げにより形成された第1部材67は、基部67Aと、この基部67Aの左右の両端部の端面から前方(手前側)に延びる第1前方延出部67B及び第2前方延出部67Cと、基部67Aの左右の両端部から上方に延びる第1上方延出部67D及び第2上方延出部67Eと、を有している。一方、図33に示すように、第1部材67と同様に板材の折り曲げにより形成された第2部材68は、基部68Aと、この基部68Aの左右の両端部から後方(奥側)に延びる第1後方延出部68B及び第2後方延出部68Cと、基部67Aの左側から上方に延びる上方延出部68Dと、を有している。
図32に示す第1部材67の第1前方延出部67Bの外側面部と第2前方延出部67Cの外側面部との間隔L1は、図33に示す第2部材68の第1後方延出部68Bの内側面部と第2後方延出部68Cの内側面との間隔L2と同じ又はこれより若干小さくなっている。
このため、図31に示すように、第1部材67の第1前方延出部67Bと第2前方延出部67Cは、第2部材68の第1後方延出部68Bと第2後方延出部68Cとの間に配置される。そして、第1部材67の第1前方延出部67Bに形成された孔67Fと、第2部材68の第1後方延出部68Bに形成された孔68Eと、に挿通されたボルト69の軸部にナット70が螺合され、第2部材67の第2前方延出部67Cに形成された孔67Gと、第2部材68の第2後方延出部68Cに形成された孔68Fとに挿通されたボルト69の軸部にナット70が螺合されることにより、第1部材67と第2部材68は連結される。これにより、第1部材67と第2部材68とは左右のボルト69を中心に互いに回動自在となる。なお、第1部材67と第2部材68の連結作業は、予め工場で実施されるものであるが、現場で実施されるものでもよい。
このように、第1部材67と第2部材68とが連結されることにより組み立てられた施錠装置作動阻止装置66の座板3Aへの取り付け(固定)は、図29に示すように、第1部材67の第2上方延出部67Eに形成された孔67Hと、座板3Aに形成された孔3Eとに挿通した前記ボルト69にナット70を螺合すること等により行われる。
図34は、施錠装置作動阻止装置66を座板3Aへの取り付けた作業工程が実施されたときを示す斜視図である。この図34に示すように、第1部材67が座板3Aに固定された状態となっており、このため、第2部材68は、第1部材67に対して回動自在となっている。また、施錠装置60の回動部材61は、第1部材67の基部67Aと第2部材68の基部68Aとの間を回動自在となっている。
この後、係止部材63が被係止部材65と接触しない位置までシャッターカーテン3の幅方向内側(図29及び図30に示す矢印F方向)へ後退するように回動部材61を矢印B方向である下向きに回動させる。そして、このときの回動部材61の状態(回動姿勢)を固定(維持)するために、施錠装置作動阻止装置66の第2部材68の上方延出部68Dが回動部材61の側面部61Aに当接するまで第2部材68を矢印C方向である下向きに回動させる作業工程が実施される。
次に、第2部材68の上方延出部68Dが回動部材61の側面部61Aに当接している状態を維持するために、図31に示す施錠装置作動阻止装置66の第1部材67と第2部材68を連結するための部材である左右2個のナット70をさらに締める作業工程を実施する。すなわち、第2部材68が第1部材67に対して回動不能となるまで、左右2個のナット70をさらに締める作業工程が実施される。
これにより、係止部材63が被係止部材65と接触しない状態が維持され、これにより、施錠装置60の作動は常時阻止されることになる。
この後、回転しないように固定した電動式巻取軸40に電動用シャッターカーテンの上端部を取り付ける作業工程が実施される。次に、回転可能状態にした電動式巻取軸40に電動用シャッターカーテンを巻き取らせる作業工程が実施される。
この後、電動式巻取軸40に巻き取られた電動用シャッターカーテンをシャッターケース5の下部に配置された図示しないまぐさに通すとともに、この電動用シャッターカーテンの幅方向の両端部を左右のガイドレール4A,4Bの溝部4Cに挿入させながら、電動用シャッターカーテンを全閉位置あるいは途中位置まで閉じ移動させる。
そして、この後、施錠装置作動阻止装置66が取り付けられたことにより施錠装置60の作動が阻止された(無効化された)座板3Aを電動用シャッターカーテンの本体の下端(閉じ側の端部)に取り付ける作業工程が実施される。
この後は、電動用シャッターカーテンの動作試験(繰り出し、巻き取り動作試験)や、切替部材50を引っ張り操作することによる電動式巻取軸40の開閉機41のブレーキ41Dのオン、オフの確認試験等が実施される。
これらの確認試験等の実施が終了した後、最初の作業工程で取り外したシャッターケース5の底板5B(図5参照)を再びシャッターケース5に取り付ける作業工程が実施される。
なお、上述した作業工程と前後して、図20に示すように、切替部材50のうち、シャッターケース5の右側面部5Eから外部に露出している部分50Aを覆うための下向きに開口したカバー部材(キャップ部材)34を前記右側面部5Eに取り付ける作業工程と、電源コード51のうち、シャッターケース5の左側面部5Fから外部に露出している部分51Aを覆うための下向きに開口したカバー部材(キャップ部材)35を前記左側面部5Fに取り付ける作業工程が実施される。これにより、これらの部分50A,51Aは外部から保護される。
以上説明した作業工程が実施されることにより、図1に示す手動式窓用シャッター装置を、電動式窓用シャッター装置に改修するための作業は終了する。
図35には、手動式巻取軸6から電動式巻取軸40に改修された後の窓用電動式シャッター装置の正面図が示されており、本実施形態では、手動式巻取軸6から電動式巻取軸40に改修されるときに、図1で示した手動用シャッターカーテン3は、この図35で示されている電動用シャッターカーテン71に改修されている。電動式巻取軸40に上端が連結されているこの電動用シャッターカーテン71の左右両端部は、図1で示した左右一対のガイドレール4A,4Bの溝部4C(図6や図26参照)に上下スライド自在に挿入され、この電動用シャッターカーテン71は、電動式巻取軸40による巻き取り、繰り出しにより、これらのガイドレール4A,4Bで案内されて上下方向に開閉移動する。このため、ガイドレール4A,4Bは、電動用シャッターカーテン71に対して不動となっている不動部材であり、電動用シャッターカーテン71の幅方向である左右方向の両端部がスライド自在に挿入され、この電動用シャッターカーテン71の開閉移動を案内するための一対のガイド部材となっている。なお、本実施形態では、前述したように、電動用シャッターカーテン71のうち、閉じ側の先端部材である座板は、手動用シャッターカーテンの座板3Aがそのまま使用されており、電動用シャッターカーテン71の全体は、座板3A等の付属的部材を除き、多数のスラット72を上下に連設することにより形成されている。
また、図35に示すように、開閉機41のブレーキ41Dをオン、オフするための2点鎖線で示されている切替部材50、終端部に取り付けられた把持部材52(図23も参照)及びこの把持部材52を保持しておくための保持部材53(図23も参照)は、電動用シャッターカーテン71と、障子が配設された窓サッシ1との間に配置されることになり、非常時には、屋内側から障子及び窓サッシ1を開放した後、把持部材52を把持して引っ張り操作することにより、開閉機41のブレーキ41Dがオフとなる。これにより、電動用シャッターカーテン71を手動で開放動作させることができる。
なお、本実施形態では、開閉機41を構成する各装置に電源を供給するための電源接続部である商用電源のコンセントは、建物内部における電源コード51が導出される電動式巻取軸40の軸方向の両端部のうちの一方の端部である左端部の側であって下枠部材58の高さ位置と同じ高さ位置又はその近傍に配置されている。すなわち、本実施形態では、商用電源のコンセントは、窓サッシの外側の窓用開口部の左下部に配置されている。
このため、本実施形態では、前述したように、電源コード51とアース線55は、シャッターケース5の内部と、電動式巻取軸40の軸方向の両端部のうちの一方の端部である左端部の側である左側のガイドレール4Bの内部と、下枠部材58の内部等を経由して配線されるものとなっている。
以上説明した本実施形態では、手動式巻取軸6を電動式巻取軸40に改修するために、シャッターケース5の底板5Bを取り外す作業工程と、手動式巻取軸6を支持用ブラケット7,8から取り外すことにより、シャッターケース5の外部に手動式巻取軸6を持ち出す作業工程と、電動式巻取軸40をシャッターケース5の内部に持ち込むことにより、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程と、シャッターケース5の底板5Bを取り付ける作業工程と、を含む作業工程が実施されるようになっている。
本実施形態では、手動式巻取軸6を電動式巻取軸40に改修する作業は、手動式巻取軸6が収納されているシャッターケース5の底板5Bを取り外すことにより行うことができる。
すなわち、本実施形態では、手動式巻取軸6を電動式巻取軸40に改修する作業は、手動式巻取軸6が収納されているシャッターケース5全体を分解しないで行うことができる。
このため、本実施形態によると、手動式巻取軸6を電動式巻取軸40に改修する作業が容易に行えるようになる。
また、本実施形態では、シャッターケース5の底板5Bを取り外す作業工程のときに、ガイドレール4A,4Bを取り外す作業が行われる。
このため、本実施形態によると、この後に実施されるシャッターケース5の外部に手動式巻取軸6を持ち出す作業工程を実施し易くなる。
また、本実施形態では、ガイドレール4A,4Bには、開閉移動中のシャッターカーテン3との摩擦により生じる騒音を抑制するための騒音抑制部材24が取り付けられており、この騒音抑制部材24の交換作業は、上述したガイドレール4A,4Bを取り外した際に容易にできるようになる。
本実施形態では、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程のときに、電動式巻取軸40から延びる紐状部材である切替部材50と電源コード51を、支持用ブラケット7,8に形成した孔7F,8Fと、シャッターケース5の側面部5E,5Fに形成した孔5G,5Iと、に通すことにより、切替部材50と電源コード51をシャッターケース5の外部に一旦突出させる作業工程が実施されるようなっている。
シャッターケース5の内部という狭い空間において、電動式巻取軸40から延びる切替部材50と電源コード51を配線する全作業を、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程のときに行うことは、容易なことではない。
しかし、本実施形態では、上述したように、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程のときに、電動式巻取軸40から延びる切替部材50と電源コード51を、支持用ブラケット7,8に形成した孔7F,8Fと、シャッターケース5の側面部5E,5Fに形成した孔5G,5Iと、に通すことにより、切替部材50と電源コード51をシャッターケース5の外部に一旦突出させる作業工程が実施されるようにする。
このため、本実施形態によると、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程が終了した後は、切替部材50と電源コード51の残りの配線作業(切替部材50をシャッターケース5の右側面部5Eとブラケット本体7Aとの間の隙間S1に通す作業や、電源コード51をシャッターケース5の左側面部5Fとブラケット本体8Aとの間の隙間S2に通す作業等)をシャッターケースの外部から容易に行うことができるようになる。また、本実施形態によると、残された支持用ブラケット7,8に電動式巻取軸40を支持させる作業工程が終了した後は、切替部材50と電源コード51の残りの配線作業に専念することができるようになる。
また、本実施形態では、電動用シャッターカーテン71の座板は、手動用シャッターカーテン3の座板3Aを使用するものとなっているが、この座板3A(手動用シャッターカーテン3のうちの交換されない部分)には、手動用シャッターカーテン3を施錠するための施錠装置60が設けられており、シャッターカーテン3の本体を交換する作業工程のときに、施錠装置60の作動を阻止するための施錠装置作動阻止手段である施錠装置作動阻止装置66を取り付ける作業工程が実施されるようになっている。
このため、本実施形態によると、手動式巻取軸6を電動式巻取軸40に改修した場合には、電動用シャッターカーテン71の施錠、すなわち、電動用シャッターカーテン71の移動のロックは、電気的に行うことができる。すなわち、本実施形態によると、手動用シャッターカーテン3の座板3Aを使用するものとしても、電動用シャッターカーテン71の施錠は電気的に行うことができる。
また、本実施形態では、手動式巻取軸6の軸受け部9はそのまま使用され、あるいは、新品の軸受け部9に交換されるものであるが、後者の場合には、交換作業の前に、図8に示すように、支持用ブラケット7における軸受け部9の軸受け部本体18の底部18Aと立上部18B,18Cとで囲まれた箇所に、切替部材50を通す孔7Fを形成する作業工程が実施される。
このため、本実施形態によると、支持用ブラケット7における軸受け部本体18の底部18Aと立上部18B,18Cとで囲まれた箇所が、電動式巻取軸40の軸方向の端部から延びている切替部材50を通す孔7Fを形成するための目印(マーカー)となる。言い換えると、切替部材50を通す孔7Fを形成するための目印を支持用ブラケット7に設ける作業工程を実施することが不要となる。
一方、手動式巻取軸6の軸受け部10は、取り外されるものであるが、この取り外し作業の前に、図9に示すように、支持用ブラケット8における軸受け部10の軸受け部本体16の底部16Aと立上部16B,16Cとで囲まれた箇所に、電源コード51を通す孔8Fを形成する作業工程が実施される。
このため、本実施形態によると、上述したのと同様に、支持用ブラケット8における軸受け部本体16の底部16Aと立上部16B,16Cとで囲まれた箇所が、電動式巻取軸40の軸方向の端部から延びている電源コード51を通す孔8Fを形成するための目印となる。言い換えると、電源コード51を通す孔8Fを形成するための目印を支持用ブラケット8に設ける作業工程を実施することが不要となる。
図36〜図38は、左側のガイドレール4Bの内部に通された電源コード51とアース線55を、下枠部材58の内部を経由せずにガイドレール4Bの外側面部から外部に露出させた実施形態を示す図である。なお、以下で説明する各実施形態において、前述した実施形態に係る部材、装置等と同一又は同一機能の部材、装置については同じ符号を用い、これらについての説明は省略する。
図36のガイドレール4Bの斜視図に示すように、ガイドレール4Bの外側面部4Mの下端部近傍には、電源コード51とアース線55が挿通可能な孔4Nが形成されており、本実施形態では、ガイドレール4Bの内部に通された電源コード51とアース線55が上記孔4Nから露出される作業工程が実施される。なお、この作業工程は、下枠部材58が取り外された状態で実施される。なお、孔4Nを形成する作業は、左右ガイドレール4A,4Bを取り外す作業工程(図5参照)が実施された後に行われる。また、孔4Nの周縁部には、図21や図22等に示す摩擦軽減部材30,31と同様の形状、構造を有する摩擦軽減部材78が取り付けられている。
この後、図37のガイドレール4Bの斜視図に示すように、ガイドレール4Bの孔4Nから露出された電源コード51とアース線55を建物外壁2に形成された図示しない孔に通して建物内部に配線する作業工程が実施されるが、本実施形態では、この作業工程が実施される前に、電源コード51とアース線55のうち、ガイドレール4Bの孔4Nから建物外壁2に形成された孔までの部分51B,55Bは、外部に露出した部分となるため、この露出した部分51B,55Bを外部から保護するための収納部材73を取り付ける作業工程が実施される。
図37に示すように、収納部材73は、電源コード51とアース線55のうちの外部に露出した前記部分51B,55Bを覆う(収納する)本体74と、本体74を覆う蓋部材75と、で構成されており、本体74は、上面部74Aと底面部74Bと背面部74Cと左右の側面部74D,74Eとからなり、右側面部74Eと背面部74Cには、電源コード51とアース線55が挿通される孔74F,74Gがそれぞれ形成されている。なお、底面部74Bには、この収納部材73の内部に侵入した雨水を排出するための排水孔74Hが形成されている。
本実施形態では、まず、ガイドレール4Bの孔4Nから露出(突出)された電源コード51とアース線55を、収納部材73の本体74の右側面部74Eと背面部74Cにそれぞれ形成された孔74F,74Gに挿通し、さらに、建物外壁2に形成された図示しない前記孔に挿通して建物内部に送り出す作業工程が実施される。この結果、図37に示されているように、電源コード51とアース線55のうち、ガイドレール4Bの孔4Nから建物外壁2に形成された前記孔までの部分51B,55Bは、収納部材73の本体74に収納された状態となる。
次に、収納部材73の右側面部74Eを、図38の改修後の電動式窓用シャッター装置の全体正面図に示されているように、ガイドレール4Bの外側面部4Mに止着、接着等により取り付ける(固定する)作業工程が実施され、この後、収納部材73の蓋部材75をビス等の止着具25により本体74に止着する作業工程が実施され、これにより、前記部分51B,55Bは、収納部材73に完全に収納された状態となる。
本実施形態は、下枠部材58の下方に電源コード51やアース線55を露出させるための空間(スペース)が無い場合に好適なものとなる。
なお、本実施形態によると、前述した実施形態のように、図27や図28に示す管部材56が不要となる。
図39及び図40は、電源コード51を、シャッターケース5の内部におけるシャッターケース5の幅方向の両端部の一方である左端部から他方である右端部まで経由させた(延ばした)実施形態を示す図である。なお、切替部材50の配線構造は、前述した実施形態と同様の配線構造となっている。
図39に示すように、本実施形態では、前述した実施形態と同様に、シャッターケース5の左側面部5Fの孔5Iから一旦突出させた電源コード51をシャッターケース5の左側面部5Fの孔5Jに挿通してシャッターケース5の左側面部5Fとブラケット本体8Aとの間の隙間S2に通す作業工程が実施される。この後、本実施形態では、シャッターケース5の内部において、隙間S2に通された電源コード51をブラケット本体8Aに形成された孔8Gに通すとともに、この電源コード51を引き出す作業工程が実施される。次に、引き出された電源コード51をブラケット本体7A,8Aとの間に架設された補強部材26,27(図19参照)のうちの屋外側に配置された補強部材26の底部26Aに載置させながら、この電源コード51を、図39に示すように、ブラケット本体7Aに形成された7Gと、シャッターケース5の右側面部5Eに形成された孔5Mと、に挿通する作業工程が実施される。これにより、電源コード51は、シャッターケース5の右側面部5Eの孔5Mから外部に露出(突出)した状態となる。なお、補強部材26の底部26Aに載置させた電源コード51がこの補強部材26から脱落しないように、補強部材26と電源コード51とを紐状部材で結ぶ等して、電源コード51を補強部材26に固定する作業工程が実施されることが好ましい。なお、電源コード51は、補強部材26の底部26Aに載置せずに宙吊り状態にしてもよい。
次に、この露出した電源コード51を図40に示す管部材56に通す作業工程が実施された後、この電源コード51を建物外壁2におけるシャッターケース5の右側面部5Eよりも右側に形成された図示しない孔に挿通して建物内部に送り込む作業工程が実施される。
この後、図40に示すように、シャッターケース5の右側面部5Eから外部に露出した切替部材50と電源コード51の部分を覆うためのカバー部材34をシャッターケース5に取り付ける作業工程と、建物外壁2の手前で外部に露出した電源コード51の部分を覆うための下向きに開口したカバー部材(キャップ部材)77を建物外壁2に取り付ける作業工程が実施される。
なお、ブラケット本体7Aの孔7Gを形成する作業は、ブラケット本体7Aに孔7Fを形成する作業工程が実施されるときに一緒に行われる。これと同様に、ブラケット本体8Aの孔8Gを形成する作業は、ブラケット本体8Aに孔8Fを形成する作業工程が実施されるときに一緒に行われる。また、シャッターケース5の右側面部5Eに孔5Mを形成する作業は、この右側面部5Eに孔5G,5Hを形成する作業工程が実施されるときに一緒に行われる。
なお、アース線55は、一端をシャッターケース5の左側面部5Fに係止した後、電源コード51と一緒にシャッターケース5の内部を経由して一緒に配線されるものでもよく、一端をシャッターケース5の右側面部5Eに係止した後、この右側面部5Eから露出された電源コード51と一緒に配線されるものでもよい。
なお、図39に示すように、電源コード51は切替部材50よりも建物屋外側で配線されるようになっており、このため、電源コード51は切替部材50と干渉しない位置に配線されるようになっている。
本実施形態は、商用電源のコンセントが、建物内部における電源コード51が導出される電動式巻取軸40の軸方向の端部(図39の例では左端部)の側とは反対の端部(図39の例では右端部)の側に配置される場合に好適なものとなる。
図41は、開閉機41を構成する各装置に電源を供給するための電源接続部である商用電源のコンセントが、建物内部における電源コード51が導出される電動式巻取軸40の軸方向の端部(図41の例では左端部)の側とは反対の端部(図41の例では右端部)の側であって、電動用シャッターカーテン71の閉じ側(下側)に配置されている場合に適用される実施形態を示す図である。すなわち、図41は、電源のコンセントが、建物内部における窓サッシの外側の窓用開口部の右下部付近に配置されている場合に適用される実施形態を示す図である。
この図41に示すように、電源コード51を、図39と図40で示されている実施形態と同様に、シャッターケース5の内部におけるこのシャッターケース5の幅方向の一方の端部(図41では左端部)から他方の端部(図41では右端部)まで経由させた後、さらに、電源コード51と図示されないアース線55を、この電源コード51が導出される電動式巻取軸40の軸方向の端部の側とは反対の端部の側のガイドレール4Aの内部と下枠部材58の内部を経由させ、この下枠部材58の底面部58Cから露出させるものとなっている。
このため、図41から分かるように、ガイドレール4Aの内部と下枠部材58の内部における電源コード51とアース線55の配線構造と、この下枠部材58の底面部58Cから露出された以降の電源コード51とアース線55の配線構造は、前述した図35に示す実施形態におけるガイドレール4Bの内部と下枠部材58の内部における電源コード51とアース線55の配線構造と、この下枠部材58の底面部58Cから露出された以降の電源コード51とアース線55の配線構造と左右対称となっている。
したがって、電源コード51をシャッターケース5の内部におけるこのシャッターケース5の幅方向の一方の端部から他方の端部まで配線する作業工程が実施された後、電源コード51とアース線55をガイドレール4Aの内部と下枠部材58の内部を通し、この下枠部材58の底面部58Cから露出させる作業工程とこれ以降の作業工程は、図24〜図28で示されている電源コード51とアース線55をガイドレール4Bの内部と下枠部材58の内部を通し、この下枠部材58の底面部58Cから露出させる作業工程とこれ以降の作業工程と同様のものとなっている。
なお、本実施形態において、電源コード51とアース線55は、図36〜図38で示されている実施形態と同様に、ガイドレール4Aの外側面に形成された孔から露出させるようにしてもよい。
図42は、既存の軸受け部10を残し、既存の支持用ブラケット8のブラケット本体8Aと、電動式巻取軸40から突出する開閉機41のケース41Aの端部41Eとの間に、既存の軸受け部10によって邪魔されないでブラケット本体8Aとケース41Aの端部41Eとを連結するための中間構成体80を介入させた実施形態を示す。
この図42に示されているように、開閉機41のケース41Aの端部41Eは、中間構成体80により支持用ブラケット8のブラケット本体8Aに連結支持されており、これにより、電動式巻取軸40における支持用ブラケット8の側の端部40Bと、支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとが、開閉機41及び中間構成体80を介して連結支持されている。
したがって、本実施形態でも、前述した手動式巻取軸6から電動式巻取軸40に改修された後でも、既存の支持用ブラケット8がそのまま用いられており、また、この支持用ブラケット8に設けられている図2及び図3で示した軸受け部10はそのまま残されている。そして、開閉機41のケース41Aの端部41Eと支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとを連結するための中間構成体80は、軸受け部10に邪魔されずに、言い換えると、軸受け部10と干渉せずに、開閉機41のケース41Aの端部41Eと支持用ブラケット8のブラケット本体8Aとの間に介入されている。
なお、以上説明した各実施形態において、既存の支持用ブラケット7のブラケット本体7Aと中心軸45の軸端部45Aとの間に、既存の軸受け部9によって邪魔されないでブラケット本体7Aと中心軸45の軸端部45Aとを連結するための中間構成体を介入してもよい。
なお、以上説明した各実施形態において、左右のガイドレール4A,4Bを交換するようにしてもよい。
また、以上説明した各実施形態では、電動用シャッターカーテン71の閉じ側の先端部材となる座板は、図1に示す手動用シャッターカーテン3の座板3Aをそのまま使用するものであったが、電動用シャッターカーテン71の座板は、電動用シャッターカーテンの座板を使用するものとしてもよい。すなわち、手動用シャッターカーテンの一部を交換する作業工程が実施されるのではなく、手動用シャッターカーテン3の全部を交換する作業工程が実施されるようにしてもよい。
なお、以上説明した各実施形態に係る改修方法は一例であり、これに限定されるものではない。また、以上説明した各実施形態における作業工程の順序もこれに限定されるものではない。
なお、以上説明した各実施形態では、開閉機は、巻取軸の内部に収納されるものであったが、以上説明した実施形態に係る改修方法は、開閉機を巻取軸の外部に配置した場合にも適用できる。
なお、開閉機を巻取軸の外部に配置する場合には、開閉機は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段を介して、巻取軸に連結する。すなわち、開閉機の電動モータの駆動力は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段を介して、巻取軸に伝動させるようにする。