JP5993442B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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    • A61P5/10Drugs for disorders of the endocrine system of the posterior pituitary hormones, e.g. oxytocin, ADH

Description

本発明は、非イオン性セルロースエーテル系医薬組成物に係り、より詳しくは、本明細書で説明するようなオキシトシン、ならびに/あるいはそのフラグメントおよび/または変異体を含み、改善された安定性を有する医薬組成物に関する。オキシトシンは、更年期障害、および癌、特にそれに関係する前癌状態の治療などの、種々の治療に適用できることがこの技術分野ではよく知られている天然ペプチドである。
オキシトシンは、単離され配列が決定された最初のペプチドホルモンの1つであった。これは、1位と6位の間でジスルフィド架橋を形成している2つのシステイン残基を有するノナペプチドであり、次式に対応する。

オキシトシン(配列番号1)
長い間、オキシトシンの唯一の効果は、射乳および子宮収縮に対する促進効果であったが、ここ数十年の間に、オキシトシンが中枢神経系CNSに幅広い作用を有することがわかってきた。オキシトシンが、記憶および学習過程の制御、ならびに、摂食、歩行運動、母性行動および性行動などの各種行動の制御に関与することが示唆されている。オキシトシンはまた、心血管機能、体温調節、痛覚閾値および体液平衡の制御や、創傷治癒に関与することが示唆されている。また、オキシトシンが各種免疫過程の制御に関係しているという証左もある。また、オキシトシンを注射すると、血圧が低下し、体重が増加するが、繰り返しの投与によってこの作用が長く続くことも実証されている。オキシトシンは、中枢神経刺激物質として、哺乳動物における母と子のふれあいに重要な役割を果たす。この製品はまた、胎児期のストレス状態に依存する病気が、生後、後になって発病するのを予防する予防薬として、若いヒト、例えば新生児または幼児の時点で、既に使用することができる。そのような病気は、脳卒中、心筋梗塞、高血圧および糖尿病などの心臓/血管病であり得る。ヒトの体内で、オキシトシンは視床下部にある傍室核PVNおよび視索上核SONで産生される。それは、これらの核でまた産生されるバソプレシンとは2つのアミノ酸だけが異なる。SONおよびPVNのオキシトシン作動性巨細胞性神経細胞がオキソンを下垂体後葉に送り、オキシトシンはそこから体循環に放出される。PVN由来の小細胞性神経細胞はCNSの多くの領域に投射している。オキシトシン産生細胞は、コリン作動性、カテコールアミン作動性、セロトニン作動性、およびペプチド作動性神経細胞により神経支配される。子宮、卵巣、睾丸、胸腺、副腎髄質および膵臓などの、脳の外の様々な組織にオキシトシンが存在することが実証されており、オキシトシンがこれらの器官で局所的な作用を及ぼしていることが示唆されている。脳領域および体循環へのオキシトシンの並行分泌は、吸乳などのいくつかの刺激に応答して起きるが、他の刺激も、脳または脳下垂体内で終結するオキシトシン作動性神経細胞の別の活性化を引き起こすことができる。
セルロースエーテルは、再生可能材料であり、有機界で最も一般的な化学化合物であるセルロースにちなんで名付けられ、それをベースにしている。市場には、入手可能なイオン性および非イオン性の広範なセルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが存在する。
セルロースエーテルは、食品、塗料、オイル回収、紙、化粧料、医薬品、接着剤、印刷、農業、セラミックス、織物、洗剤および建築材料などの様々な用途で、添加剤として使用されている。セルロースエーテルはこれらの用途の製品品質を向上させ、また、分散塗料、掘削泥水、アイスクリーム、錠剤のコーティング、壁紙用糊剤およびタイル接着剤などの異なる製品において、増粘剤、保水剤、懸濁助剤、保護コロイド、塗膜形成剤または熱可塑性樹脂として作用する。
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースとも称する)、およびメチルヒドロキシエチルセルロースなどの非イオン性セルロースエーテルは、粒子の乳化および懸濁ならびに膜形成能力だけでなく、増粘、水との結合および保水能力を有するために、医薬工業で広く使用されている。非イオン性セルロースエーテルに関するさらなる情報は、国際公開第92/09307号パンフレットに見出すことができる。
オキシトシンのペプチド構造は、オキシトシンを分解しやすくしており、オキシトシンを含む医薬組成物は、その生物学的機能を実質的に失わせる分解および/または凝集を避けるために、冷所(約4℃)に保管されるべきであることはよく知られている事実である。例えば、Syntocinon(登録商標)(Novartis)は、オキシトシンの注射/点滴用濃縮水溶液であるが、通常、2〜8℃で保管すべきであることが推奨されている。この製品の25℃における保存期間は3か月に制限されている。他の例に、Syntocinon(登録商標)点鼻薬があり、これもまた2〜8℃で保管されなければならない。これらの水性製剤は、緩衝剤、保存剤、酸、塩、共溶剤および他の水溶性添加剤を含むが、ゲル化剤は含まない。
イオン性ゲル化剤のカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)を含む従来のオキシトシン製剤は、オキシトシンに適切な環境を提供しないことがわかってきた。これについては、例えば本願の実験の節で説明する。
したがって、オキシトシンを含む従来の医薬組成物に関係する問題を考慮すれば、オキシトシンの安定性が向上した医薬組成物を提供することにより、この技術のいくつかの欠点を解消し、または少なくとも低減するニーズがこの技術分野には存在する。そのような医薬組成物は、室温保管などのより便利な保管を提供するであろうし、またより長時間に亘ってそれらの生物学的活性を保持することにもなるであろう。
上で示した問題は、今や本発明により解決されており、本明細書でさらに説明する。
したがって、本発明は、オキシトシン、ならびに/あるいはもう1種の本明細書で開示した、そのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、本明細書で開示した少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルとを含む新規な医薬組成物であって、pHが約3〜4の範囲にある医薬組成物に関する。
驚いたことに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの、中性の非イオン性セルロースエーテルが、医薬組成物中のオキシトシンの安定性を大きく向上させ、それにより医薬としての使用に優れた医薬組成物を提供することがわかった。したがって、本発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいはその1種以上の、配列番号2の、または本明細書でこれとは異なる定義がされたフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルとを含む医薬組成物に関する。
非イオン性セルロースエーテルのこの安定化作用は、さらに、約3〜3.5の範囲などの、約3〜4の範囲などの低pHの前記医薬組成物によっても確認されている。これは、そのような医薬組成物中に存在するとき、従来可能であったよりも長時間、オキシトシンを室温で保管することを可能にするであろう。そのような医薬組成物中のオキシトシンペプチドにとって有利な環境は、その生物学的活性にも良好な影響を及ぼし、それによりその治療効果を高めるであろう。なぜなら生物学的により活性な物質がその間ずっとそこに存在することになるからである。
したがって、本発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいはその1種以上の、配列番号2のフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルを含み、約3〜3.5などの、約3〜4の範囲のpH、または本明細書でこれとは異なる例示がされたpHを有する医薬組成物であって、オキシトシン、ならびに/あるいはその1種以上のフラグメントおよび/または変異体の安定性が向上した医薬組成物に関する。HPMCなどの非イオン性セルロースエーテルの、オキシトシンを安定化させる能力は、以前には知られていないものであり、常時冷所に保管する必要がなく、それにより取り扱いがより容易になる、オキシトシン含有医薬組成物を提供することは、この技術分野で長年求められてきたことであるから、極めて望ましいものである。
本発明はまた、本明細書で開示する医薬組成物の、膣萎縮の治療などの医学的使用に関する。したがって、別の態様においては、本発明はまた、オキシトシン、ならびに/あるいはその1種以上のフラグメントおよび/または変異体と、本明細書で開示する少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの薬剤製造における使用であって、約3〜4の範囲のpHを有する、膣萎縮などの更年期障害治療用薬剤の製造における使用に関する。さらに、本発明は、前記医薬組成物を調製する方法、および本発明の医薬組成物により患者を治療する方法に関する。
定義
本明細書で「オキシトシン」、「オキシトシンペプチド」および/または「オキシトシン分子」というとき、これらは常に、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、一般式の配列番号2に示す本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体、または本明細書に記載の他の変異体および/またはフラグメント、およびこれらの類似体および/または相同体を包含する。オキシトシン分子/ペプチドのフラグメント、変異体または相同体を考えるときは常に、そのような変異体、フラグメントまたは相同体が、オキシトシン分子それ自身(配列番号1)と同等の生物学的活性を含むものと理解されるべきである。一例として、実際の物質の活性を示す試験を行うことによって、例えば国際公開第0178758号パンフレット(実施例1)に記載されている、二重盲検クロスオーバーランダム化比較試験を行うことによって、ある物質がオキシトシン活性を有しているのを示すことができる。
したがって、本明細書でいうとき、オキシトシンの「変異体」は、いくつかのアミノ酸の位置が、本明細書で例示された天然または非天然のアミノ酸などの他のアミノ酸をそのような位置に導入することによって変化し得たか、あるいは1つ以上の天然または非天然のアミノ酸をペプチドのいずれかの端に付加することによってオキシトシン分子が伸長され得たという点で、オキシトシン分子と比べ、そのアミノ酸構造が変化しているペプチドをいう。さらに、合成的修飾などの他の構造的変更も、本明細書でいう本発明のペプチドに対してなされてもよい。前記「変異体」は依然オキシトシンに類似の生物学的活性を維持しており、前記オキシトシンの変異体はまた、本発明の医薬組成物中に存在することにより安定化される。
さらに、本明細書でいうときオキシトシンの「フラグメント」は、オキシトシンのアミノ酸配列の一部を含むペプチドであって、アミノ酸末端の一方または両方から1つ以上のアミノ酸が除去されていてもよいペプチドである。この用語はまた、配列番号2で定義されたオキシトシン変異体のフラグメントをいい、したがって、配列番号2に記載のペプチドのフラグメントもまた本発明に包含されることを意味する。
「pH調節剤」は、前記医薬組成物のpHを調節および/または維持することができる、水性液体などの液体薬剤などの薬剤であって、前記pHを、本明細書で例示されている選択された範囲にほぼ維持する薬剤である。そのようなpH調節剤は、例えばクエン酸塩、乳酸塩またはリン酸塩などの緩衝剤であり得る。「緩衝剤」は、酸度または塩基度の変化に抵抗し、それによりpHが安定化するよう、溶液に加えられるイオン性化合物であり、通常、弱い酸または塩基の塩である。緩衝液はそのような化合物を含む溶液である。pH調節剤の他の例には、酢酸、クエン酸、リン酸、塩酸および水酸化ナトリウムなどの有機および無機の酸および塩基がある。
オキシトシンは、その生物学的活性が失われるのを避けるために、それを含む医薬組成物を冷所に保管することを好ましいとしている、分解および/または凝集に帰する問題を有していることが知られている。驚いたことに、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルを前記オキシトシン分子の薬剤担体として使用し、低pHと組み合わせることによって、安定性が向上した、配列番号1および配列番号2で示す、オキシトシン、ならびに/あるいはその1種以上のフラグメントおよび/または変異体を含む医薬組成物を調製できることが、今やわかってきた。したがって、本発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいはその1種以上の、配列番号2に示す、または本明細書でこれとは異なる定義がされたフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルとを含む医薬組成物に関する。
前記医薬組成物の向上した安定性というとき、向上するのは、生物学的物質、すなわちオキシトシン、ならびに/あるいはその1種以上の、本明細書で定義されたフラグメントおよび/または変異体の安定性である。したがって、このことにより、本明細書に示す医薬組成物の生物学的活性および治療効果は、オキシトシン物質の過度の分解および/または凝集、あるいは他の構造変化の回避によって改善されるはずである。
特定の理論に縛られるものではないが、非イオン性セルロースエーテルは、非荷電分子であり、それとの、すなわち前記オキシトシン分子との不必要な干渉を避けることによって、オキシトシン分子を安定化させるようである。さらに、約3〜3.5の範囲などの、約3〜4の範囲のpHなどの適切なpHの使用が、非イオン性セルロースエーテルのオキシトシンに対する安定化作用に一層寄与する。したがってまた、特定の理論に縛られることを望むものではないが、低pHは、オキシトシン自体を安定化させるだけでなく、組成物の非イオン性セルロースエーテル部分にとっても好ましいようである。
組み合わせると、これは医薬用途に優れた組成物であって、オキシトシン、ならびに/あるいは本明細書に例示したその変異体および/またはフラグメントの生物学的活性および/または治療活性が高く、かつ長期に亘って持続する組成物を提供する。この医薬組成物はまた、その安定性が改善されているため、常時冷所に保管する必要がなく、替りに、例えば使用または保管の間、その生物学的活性を保持しながら、より便利にも室温で保持できることから、使用者にとって取り扱いもより容易である。
本発明の医薬組成物中のオキシトシン分子に対する非イオン性セルロースエーテルの安定化作用は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)などの、使用されている他の薬剤担体(その製剤中で、オキシトシンはより急速に分解および/または凝集することがわかっている)とは対照的である(例えば、実験の節の比較例を参照)。特定の理論に縛られるものではないが、このことは、CMCポリマーが負に帯電しており、オキシトシンペプチドと好ましくない相互作用を起こし得る多価陰イオンであると見なし得ることによるものであろう。
したがって、本発明は、
a.オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に示すそのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、
b.少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテル
(但し、配列番号2は、
−X−X−X−Asn−Cys−X−X−X−X−NH
(但し、
はCysおよび無からなる群から選択され、
はTyr、Pheおよび無からなる群から選択され、
はIle、Val、Hoph、Phe、Chaおよび無からなる群から選択され;
はGln、Ser、Thr、Cit、ArgおよびDabaからなる群から選択され;
はProおよび無からなる群から選択され;
はIle、Leu、無、Val、Hos、Daba、Thr、ArgおよびCitからなる群から選択され;
はGly、無およびAlaからなる群から選択され;
はGlyおよび無からなる群から選択される)
である)
を含む医薬組成物において、
前記医薬組成物が約3〜約4の範囲のpHを有する医薬組成物に関する。
本発明の一態様においては、XがCysであるとき、XとCysの間にジスルフィドが形成される。
したがって、式(I)のXがシステイン(Cys)であるとき、Xのチオール基が、アスパラギン(Asn)とXの間に位置するシステインのチオール基とジスルフィドを形成し、それにより次式(Ia)の環構造が形成され得ると理解されるべきである。
さらに別の態様においては、オキシトシン(配列番号1)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む医薬組成物であって、約3〜3.5などの約3〜4の範囲のpH、または本明細書でこれとは異なる例示がされたpHを有する医薬組成物が提供される。
さらに別の態様においては、本発明はまた、非イオン性セルロースエーテル、ならびにオキシトシン(配列番号1)ならびに/あるいは本明細書に示されたその変異体および/またはフラグメント(配列番号2)、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、pH調節剤とからなる医薬組成物であって、約3〜3.5の範囲などの約3〜4の範囲のpHを有する医薬組成物に関する。一態様においては、前記医薬組成物はオキシトシン(配列番号1)と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と、pH調節剤とからなり、約3〜約3.5などの約3〜4の範囲のpH、または本明細書でこれとは異なる例示がされたpHを有する。一態様においては、前記pH調節剤はクエン酸塩または乳酸塩緩衝剤などの緩衝剤である。
本発明の一態様においては、前記医薬組成物は、オキシトシン、すなわち配列番号2において、XがCys、XがTyr、XがIle、XがGln、XがPro、XがLeu、XがGly、そしてXが無の場合、(Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH)(配列番号1)を含む。
前記医薬組成物のオキシトシンの1種以上の変異体および/またはフラグメント(配列番号2)はまた、以下の化合物および薬学的に許容可能なそれらの塩からなる群から選択することもできる。
メソトシン:Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Ile−Gly−NH(配列番号3)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、XはIle、XはGly、そしてXは無である;
イソトシン:Cys−Tyr−Ile−Ser−Asn−Cys−Pro−Ile−Gly−NH(配列番号4)
はCys、XはTyr、XはIle、XはSer、XはPro、XはIle、XはGly、そしてXは無である;
アネトシン:Cys−Phe−Val−Arg−Asn−Cys−Pro−Thr−Gly−NH(配列番号5)
はCys、XはPhe、XはVal、XはArg、XはPro、XはThr、XはGly、そしてXは無である;
バソトシン:Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Arg−Gly−NH(配列番号6)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、XはArg、XはGly、そしてXは無である;
バソプレシン:Cys−Tyr−Phe−Gln−Asn−Cys−Pro−Arg−Gly−NH(配列番号7)
はCys、XはTyr、XはPhe、XはGln、XはPro、XはArg、XはGly、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−NH(配列番号8)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、そしてX〜Xは無である;
Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−NH(配列番号9)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、そしてX〜Xは無である;
Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−NH(配列番号10)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、XはLeu、そしてX〜Xは無である;
Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH(配列番号11)
は無、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXは無である;
Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH(配列番号12)
〜Xは無、XはIle、XはGln、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXは無である;
Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH(配列番号13)
〜Xは無、XはGln、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXは無である;
Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−NH(配列番号14)
〜Xは無、XはIle、XはGln、XはPro、そしてX〜Xは無である;
Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−Gly−NH(配列番号15)
はCys、XはTyr、XはIle、XはGln、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXはGlyである;
Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Leu−NH(配列番号16)
〜Xは無、XはGln、XはPro、XはLeu、XはLeu、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Val−Thr−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH(配列番号17)
はCys、XはTyr、XはVal、XはThr、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Hoph−Thr−Asn−Cys−Pro−Val−Gly−NH(配列番号18)
はCys、XはTyr、XはHoph、XはThr、XはPro、XはVal、XはGly、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Phe−Cit−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly−NH(配列番号19)
はCys、XはTyr、XはPhe、XはCit、XはPro、XはLeu、XはGly、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Cha−Arg−Asn−Cys−Pro−Hos−Ala−NH(配列番号20)
はCys、XはTyr、XはCha、XはArg、XはPro、XはHos、XはAla、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Val−Daba−Asn−Cys−Pro−Daba−Ala−NH(配列番号21)
はCys、XはTyr、XはVal、XはDaba、XはPro、XはCit、XはAla、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Hoph−Daba−Asn−Cys−Pro−Cit−Ala−NH(配列番号22)
はCys、XはTyr、XはHoph、XはDaba、XはPro、XはCit、XはAla、そしてXは無である;
Cys−Tyr−Phe−Arg−Asn−Cys−Pro−Val−Ala−NH(配列番号23)
はCys、XはTyr、XはPhe、XはArg、XはPro、XはVal、XはAla、そしてXは無である;
そして
Cys−Tyr−Cha−Cit−Asn−Cys−Pro−Arg−Gly−NH(配列番号24)
はCys、XはTyr、XはCha、XはCit、XはPro、XはArg、XはGly、そしてXは無である;
したがって、一態様においては、本発明は医薬組成物であって、前記1種以上のオキシトシンのフラグメントおよび/または変異体は、配列番号3〜配列番号24に対応するペプチドからなる群から選択される医薬組成物に関する。
前記物質中の非天然アミノ酸は以下の構造を有している。
シクロヘキシルアラニン(本明細書中Chaと称する)
ホモフェニルアラニン(本明細書中Hophと称する)、
シトルリン(本明細書中Citと称する)、
ジアミノ酪酸(本明細書中Dabaと称する)、および
ホモセリン(本明細書中Hosと称する)
.
配列番号2の位置が「無」とされているとき、それは項目(文字、原子または基)間の単結合を意味する。
オキシトシン、メソトシン、イソトシンおよび/またはアネトシンの、天然の、または人工的に修飾した変異体、類似体および/または誘導体などの、オキシトシンの他の変異体もまた、本発明の医薬組成物に使用できるであろう。そのような変異体は、これらのホルモンに少なくとも1つのアミノ酸を付加、挿入、除去または置換することにより得ることができよう。他の物質としては、前駆体、代謝誘導体(例えば、代謝分解物)などの代謝物、アゴニスト、または本明細書に記載した物質と同一の特性を示す類似体が挙げられる。
代謝誘導体または代謝分解物は、オキシトシン、メソトシン、イソトシンおよびアネトシンなどの、例えば9個のアミノ酸を有するオキシトシンに似たペプチドで、それらのカルボキシル末端もしくはアミノ末端のいずれかから、またはカルボキシル末端およびアミノ末端の両方から1つ以上のアミノ酸が、例えば各末端から1〜3個のアミノ酸が除去されたものであり得る。ある態様においては、カルボキシル末端から1個、2個または3個のアミノ酸、すなわちGlyのみ、GlyおよびLeu、またはGly、LeuおよびProが除去されていてもよい。アミノ末端から1個、2個または3個のアミノ酸、すなわちCysのみ、CysおよびTyr、またはCys、TyrおよびIleが除去されていることが好ましい。
ある態様においては、カルボキシル末端から1個、2個または3個のアミノ酸、すなわちGlyのみ、GlyおよびLeu、またはGly、LeuおよびProが除去されていて、アミノ末端からも1個、2個または3個のアミノ酸、すなわちCysのみ、CysおよびTyr、またはCys、TyrおよびIleが除去されていてもよい。これらの変異体がオキシトシン、メソトシン、イソトシンまたはアネトシンの類似体であることは、免疫法、例えばRIA(放射免疫測定法)、IRMA(放射分析法)、RIST(放射性免疫吸着試験)およびRAST(放射性アレルゲン吸着試験)によって確認できよう。本発明はまた、オキシトシンと、少なくとも50、60、70、80、90、95、96、97、98または99%の配列相同性を有し、本明細書で定義されたオキシトシン活性を示すオキシトシン変異体を含む。
アネトシンは、Oumi T.Ukena K,Matsushima O,Ikeda T,Fujita T,Minakata H,Nomoto K,Annetocin:an oxytocin−related peptide isolated from the earthworm,Eisenia foetida,Biochem Biophys Res Commun 1994,January 14;198(1);393−399に記載があるように、ミミズから単離されている。
コンピュータシミュレーションによって、オキシトシン活性を有する新規の化合物が作られる可能性もある。コンピュータシミュレーションの方法は、例えば、欧州特許出願公開第0660210A2号明細書に記載されているように、当業者には知られている。
本発明はまた、オキシトシン、またはDおよびL両型のその変異体、ならびにそのラセミ体を含む医薬組成物に関する。ある態様においては、本発明はL型に関する。そのペプチドの配列を反転させることによって、D型はL型に変換されるであろう。これら、および上記ペプチドは、当業者に知られた方法、例えば、Merrifield,P.B.,“Solid Phase Synthesis”,Angew.Chemie,1985,No.97,p.801により製造することができる。
本発明の医薬組成物は、ある状況下では、オキシトシンの作用を拡大または強化する物質を含んでもよい。そのような、エストロゲン、または[アルファ]−アゴニスト作用を有するクロニジンなどの薬剤などの物質は、オキシトシンの放出および/またはオキシトシン受容体メンバーもしくは類縁体を増大させることができるであろう。
本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩が本発明の範囲に含まれることに留意すべきである。化合物の塩の例には、薬学的に許容可能な酸付加塩および塩基付加塩がある。
「薬学的に許容可能な酸付加塩」との表現は、配列番号1または配列番号2の化合物、ならびに/あるいは本明細書に記載の他のオキシトシンの変異体および/またはフラグメントに、毒性の無い有機または無機の酸を付加した塩であることを意図している。適切な塩を生成する無機酸の具体例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、ならびにオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの酸金属塩がある。適切な塩を生成する有機酸の具体例には、モノ−、ジ−およびトリカルボン酸がある。そのような酸の例には、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、ならびに、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸および2−ヒドロキシエタンスルホン酸などのスルホン酸がある。そのような塩は、水和または無水のいずれかの形態をとるであろう。これらの化合物の酸付加塩は、一般に水溶性で、異なる親水性有機溶媒であり、その遊離塩基形態のものと比較すると、一般により高い融点を示す。
「薬学的に許容される塩基添加塩」との表現は、配列番号1または配列番号2の化合物、ならびに/あるいは本明細書に記載の他のオキシトシンの変異体および/またはフラグメントに、毒性の無い有機または無機の塩基を付加した塩であることを意図している。適切な塩を生成する無期塩基の例には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カリシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムおよびアンモニアなどの、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物および炭酸塩がある。適切な塩を生成する有機塩基の具体例には、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンおよびピコリンがある。そのような化合物からは一塩基性または二塩基性の塩が生成するであろう。このような化合物の塩基付加塩は、一般に水溶性で、異なる親水性有機溶媒であり、その遊離塩基形態のものと比較すると、一般により高い融点を示す。
本発明の医薬組成物の非イオン性セルロースエーテルは、目標とする水に対する溶解性を達成するために、セルロース骨格に各種の基を置換することにより化学的に修飾した、セルロースをベースとしたものである。置換基は中性のpHの水に溶解させたときに電荷をもたないという特徴を有している。
非イオン性セルロースエーテルの特性は、分子量、(例えば、重合度)、置換基の種類により決定され、また分子に沿った置換基の数および分布によっても決定される。したがって、医薬組成物中に存在するオキシトシン、ならびに/あるいはそのフラグメントおよび/または変異体に応じて、非イオン性セルロースエーテルは異なる特性を有することができ、一般的な状況にしたがって決定されるであろう。
本発明のセルロースエーテルは、非イオン性であり、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基および/またはヒドロキシアルキル基が、エーテル結合によって無水グルコース単位に結合して、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースを形成している。
本発明の医薬組成物に使用される代表的なセルロースエーテルは、メチルセロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルエチルセルロース(HEEC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。これらのポリマーは、無極性(例えば、メチル基)または弱い極性(例えば、ヒドロキシエチル基)の置換基を有し、親水性のセルロース骨格と組み合わされて、両親媒性のポリマーを提供する。
したがって、本発明は、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルが、1種以上の次のセルロースエーテル:MC、HPMC、HEEC、HEMCおよび/またはHPC、あるいは本明細書中にさらに例示されているものから選択される医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物の一態様においては、前記非イオン性セルロースエーテルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。
本発明の医薬組成物のpH、ならびに本発明に記載されているその全ての実施形態および態様に適用可能なpHは、約3.5〜約4.5、約3.5〜4、約3〜4、約3〜3.5、約3〜3.1、約3〜3.2、約3〜3.3、約3〜3.4、約3〜3.6、約3〜3.7、約3〜3.8、約3〜3.9、約3.1〜3.2、約3.1〜3.3、約3.1〜3.4、約3.1〜3.5、約3.1〜3.6、約3.1〜3.7、約3.1〜3.8、約3.1〜3.9、約3.2〜3.3、約3.2〜3.4、約3.2〜3.5、約3.2〜3.6、約3.2〜3.7、約3.2〜3.8、約3.2〜3.9、約3.3〜3.5、約3.3〜3.6、約3.3〜3.7、約3.3〜3.8、または約3.3〜4などの約3〜4.5の範囲であり得る。これらの値は厳密なものではなく、示された値の前後に僅かに変動し得ることを意味していることに留意すべきである。
本明細書で定義された医薬組成物のpHは、緩衝剤などのpH調節剤を前記医薬組成物に添加することにより調節することができる。本発明においては、前記緩衝剤は、乳酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、またはこれらの混合物であり得るが、これらに限定はされない。
本発明の医薬組成物に添加する緩衝剤の濃度は、水溶液中に約25mM〜100mM、または約25〜50mM、約25mM〜75mM、または約50〜70mMなどの約20〜100mMであり得るが、これらに限定はされない。これらの値は厳密なものではなく、示された値の前後に僅かに変動し得ることを意味していることに留意すべきである。本発明の医薬組成物に要求されるpHと、使用する緩衝剤に応じて、緩衝剤の濃度は上記にしたがい変動するであろう。
本発明の一態様においては、医薬組成物は、オキシトシン(配列番号1)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を、任意選択により、緩衝剤、他のpH調節剤、または本明細書に例示されている保存剤(安息香酸など)などの追加成分と組み合わせて含む。一態様においては、前記オキシトシンとHPMCの組成物のpHは、約3〜3.5、約3.1〜3.6、または約3〜3.8などの約3〜4の範囲、あるいは本明細書中でさらに定義された範囲である。
本発明の医薬組成物において、オキシトシン、ならびに/あるいは本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体の濃度は、本明細書で定義された全医薬組成物に対して、約0.5〜約1.5mg/g、約0.5〜約1mg/g、約0.5〜約1.2mg/g、約0.2〜約0.5mg/g、約0.1〜約0.8mg/g、または約0.2〜約1.2mg/gなどの約0.1〜1.5mg/gであり得る。
本明細書において、使用されている医薬組成物を考慮するなら、mg/gは、mg/mlとほぼ等価と見なすことができる。したがって、オキシトシン、ならびに/あるいは本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体の濃度は、本明細書で定義された全医薬組成物に対して、約0.5〜約1.5mg/ml、約0.5〜約1mg/ml、約0.5〜約1.2mg/ml、約0.2〜約0.5mg/ml、約0.1〜約0.8mg/ml、または約0.2〜約1.2mg/mlなどの約0.1〜1.5mg/mlであり得る。したがって、これは、全医薬組成物の1mlが約0.1〜1.5mg/mlのオキシトシンを含み得ることを意味する。
一態様においては、本発明の医薬組成物は、約1mg/gのオキシトシン、約25mMのクエン酸または乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および任意選択により約1mg/gの安息香酸を含む。
別の態様においては、本発明の医薬組成物は、約0.9mg/gのオキシトシン、約1.1mg/gの安息香酸、および、約25mMの乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
上記に記載の医薬組成物のpHは、約3〜約3.5、約3.1〜約3.6、または約3.2〜約3.5などの約3〜4の範囲、あるいは本明細書でさらに例示された範囲である。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの濃度は、本明細書で提示した、医薬組成物の緩衝液などのpH調節剤に関連して与えられ、例えば、25mMの緩衝液中の2重量%または3重量%の非イオン性セルロースエーテルは、前記緩衝液中に存在する少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの量によって、ある一定の粘度を与える。したがって、非イオン性セルロースエーテルの濃度は、前記緩衝液または他のpH調節剤中の重量%(wt%)で示される。全医薬組成物では、治療物質(オキシトシン、ならびに/あるいは本明細書中に開示したその1種以上のフラグメントおよび/または変異体)が前記組成物に添加されているため、非イオン性セルロースエーテルの量はいくらか少なくなる。
オキシトシン、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体の濃度は、全医薬組成物、すなわち、緩衝液および非イオン性セルロースエーテル、ならびに任意選択による保存剤などの他の添加剤に関連して与えられる。したがって、1mg/gのオキシトシンは、1gの全医薬組成物中に1mgのオキシトシンが存在することを意味する。さらに、本明細書で前述したように、1mg/mlは、1mlの全医薬組成物中に1mgのオキシトシンが存在することを意味する。
本発明において、その投与を必要としている対象者に投与するオキシトシン、ならびに/あるいは1種以上のそのフラグメントおよび/または変異体の製剤には、オキシトシン、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体を、約100、200、250、300、350または400IUなどの約50〜600IU含み得る。オキシトシンの1国際単位(IU)は、純ペプチド約1.67マイクログラムに相当する。したがって、1gのオキシトシンゲルの組成物、400IU、は約0.67mg/gに相当する(欧州薬局方)。
本発明はまた、薬剤として使用するための、本明細書に開示した組成物に関する。本発明の一態様においては、発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に示すそのフラグメントおよび/または変異体、およびこれらの薬学的に許容可能な塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とを、任意選択により、緩衝剤、他のpH調節剤および/または本明細書に例示されている保存剤(安息香酸など)などの追加成分と組み合わせて含む、薬剤として使用するための医薬組成物に関する。そのような医薬組成物は、本明細書に例示した範囲のpHを有する。本発明の組成物の医学的使用の例としては、膣萎縮などの膣への使用がある。そのようなオキシトシンの医学的使用は、本発明者らにより、国際公開第01/78758号パンフレットに示されている。
本発明の医薬組成物が有用であるオキシトシンの他の医学的使用の例について、我々は国際公開第02/102832号パンフレット、国際公開第02/067974号パンフレット、国際公開第03/017922号パンフレット、国際公開第00/18424号パンフレット、国際公開第98/43661号パンフレット、国際公開第98/43662号パンフレット、国際公開第98/43660号パンフレットを引用しておく。したがって、本発明はまた、上記特許文献のいずれかに例示されている医学的使用のための、本明細書に示した医薬組成物に関する。そのような医学的使用には、例えば、ユースタシス(eustasis)の生成、上皮内癌および子宮頚炎、炎症、細胞再生、創傷治癒、嗜好性および容認の生成、ならびに痛みに対する治療(その治療に局所治療が適しているときなど、そのような病状の治療に本発明の意味するものの医薬組成物の使用が適しているとき)がある。
「ユースタシス(eustasis)」との表現は、精神生理学的状態、すなわち心理学的状態および生理学的状態の組み合わせをいう。心理学的状態は、例えば授乳時における信頼のような、平静でかつ前向きな社会的相互作用を特徴とする。生理学的状態は、筋弛緩、心血管活動の低下、および胃腸活動の亢進を特徴とする。また、脈拍数および血圧は低く、健康で、かつバランスのとれたレベルに保たれ、迷走神経により制御されている消化管が活性化され、消化および栄養の貯蔵を促進する。
「上皮内癌および子宮頚炎」との表現は、膣および子宮頚部における感染および炎症に起因する病気の帰結をいう。本発明においては、上皮内癌は子宮頚部に関係している。そのような病気には、上皮内癌および子宮頚炎に加え、前癌状態、扁平上皮癌および空胞細胞症も含まれる。上皮内癌は、腫瘍細胞が原発の上皮に留まり、基底膜へは浸潤しない腫瘍実体を意味する。子宮頚炎は、子宮頚部、すなわち子宮の下端の細い部分、子宮峡部と子宮口の間の炎症を意味する。子宮頚部の上皮は、子宮の他の部分の上皮と全く異なっている。空胞細胞症は、ヘルペスウィルスにより生ずる。
本明細書で定義されている医薬組成物はすべて、膣での使用などの局所使用に包含される。膣で使用する際、これは、膣萎縮などの更年期障害、または国際公開第01/78578号パンフレットに記載の他の疾患の治療のためであろう。したがって、一態様においては、本発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に示すそのフラグメントおよび/または変異体、およびこれらの薬学的に許容可能な塩と、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とを、任意選択により、緩衝剤、他のpH調節剤または本明細書に例示されている安息香酸などの追加成分と組み合わせて含む、更年期障害、例えば膣萎縮の治療にためなどの膣で使用するための医薬組成物に関する。そのような医薬組成物のpHは、約3〜約3.5、約3.1〜約3.6または約3.1〜約3.8などの約3〜約4の範囲、あるいは本明細書でこれとは異なる例示がされた範囲であり得る。
本発明の全ての態様においては、膣萎縮の治療における使用などの、前記医薬組成物のある特定の医学的使用に言及するときは常に、これは、オキシトシン、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体と、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの、本明細書に例示しているような、その特定の病気の治療用薬剤の製造における使用に言及することでもある。前記薬剤は、約3〜3.5などの約3〜4の範囲、または本明細書でさらに例示された範囲のpHを有する。
本明細書に示すように、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルが医薬組成物に存在することにより、その中のオキシトシン分子の安定性が効果的に改善される。したがって、本発明はまた、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいはその1種以上の、配列番号2で定義された、または本明細書でそれとは異なる定義がされた、オキシトシンのフラグメントおよび/または変異体を含む医薬組成物の安定化、または安定性の改善のための、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの使用に関する。一態様においては、本発明は、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは、配列番号2で定義された、または本明細書でそれとは異なる定義がされた、オキシトシンのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩を含む医薬組成物の安定化、または安定性の改善のための、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の使用に関する。前記医薬組成物は、任意選択により、さらに、緩衝剤、他のpH調節剤または本明細書に例示されている保存剤などの追加成分を含む。本明細書で前述したように、医薬組成物に低pHを併用すると、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルの安定化効果はより向上する。特定の理論に縛られるものではないが、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルは、オキシトシン分子に干渉しない可能性があるために、オキシトシン分子、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体の分解および/または凝集、あるいは他の構造変化を起こりにくくすることによって、それらを安定化させるようである。
本明細書において、安定性/安定化効果の改善に言及するときは常に、本明細書で定義された医薬組成物中のオキシトシン分子の凝集および/または分解、あるいは他の構造変化の低減を意味し得るが、この特定の理論に縛られるものではない。このような理論によれば、凝集および/または分解、あるいは他の構造変化の低減によって、オキシトシン分子の安定性が改善される。少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルを含む医薬組成物による安定性の向上については、CMCゲルを用いた比較例を含む実験の節でさらに説明する。
別の態様においては、本発明は、
a)緩衝液を調製し、そのpHを調節するステップと、
b)オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2、または本明細書でこれとは異なる定義がされた、そのフラグメントおよび/または変異体、およびこれらの薬学的に許容可能な塩を、前記緩衝液に添加するステップと、
c)少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルを、ステップb)で得られた溶液に添加するステップと
を含む改善された安定性を有する医薬組成物の調製方法において、
任意選択により、安息香酸などの保存剤が、ステップa)の緩衝液に、前記オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2、または本明細書でこれとは異なる定義がされた、そのフラグメントおよび/または変異体がその緩衝液に添加される前に、添加され、かつ前記医薬組成物のpHが、約3〜約3.5の範囲などの約3〜約4の範囲、または本明細書でこれとは異なる例示がされた範囲に入るように調節される方法に関する。ステップc)の後、溶液は、粘稠な溶液またはゲルを得るために、しばらくの間放置される。通常、前記粘稠な溶液またはゲルは約1〜2日後に得られる。いくつかの態様においては、前記方法はまた、酢酸、クエン酸、リン酸および塩酸、ならびに水酸化ナトリウムなどの、有機酸および無機酸、ならびに塩基などの、緩衝剤と異なる他のpH調節剤の使用を包含し、したがって、それらは前記方法のステップa)において使用されるであろう。
本方法において、意図していることは、少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルとともに組成物を調製することにより向上するものが、オキシトシン、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で開示されたそのフラグメントおよび/または変異体の安定性であることである。本方法の一態様においては、前記少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。一態様においては、方法は、オキシトシン(配列番号1)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む医薬組成物の調製に関する。
ある態様においては、オキシトシン分子の投与は、皮膚への浸透性を高める、皮膚への接触、加圧、マッサージ、加熱または赤外線照射により促進し得る。Hirvonen,J.,Kalia,Y N,and Gay,R H.Transdermal delivery of peptides by iontophoresis.Nat Biotechnol December 1996;14(13):1710−1713には、形成した電場の推進力を用いて、経皮薬剤の輸送を促進する方法が記載されている。イオン泳動はやや塩基性のpHで効果を発揮し得る。
オキシトシンの合成には種々の方法が記載されており、商業的な方法は、例えば、米国特許第2,938,991号明細書および同第3,076,797号明細書に記載されている。
一態様においては、本発明は
a.オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に記載のそのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、
b.少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテル
(但し、配列番号2が、
−X−X−X−Asn−Cys−X−X−X−X−NH
(但し、
はCysおよび無からなる群から選択され、
はTyr、Pheおよび無からなる群から選択され、
はIle、Val、Hoph、Phe、Chaおよび無からなる群から選択され;
はGln、Ser、Thr、Cit、ArgおよびDabaからなる群から選択され;
はProおよび無からなる群から選択され;
はIle、Leu、無、Val、Hos、Daba、Thr、ArgおよびCitからなる群から選択され;
はGly、無およびAlaからなる群から選択され;
はGlyおよび無からなる群から選択される)
である)
を含む医薬組成物において、
オキシトシン、ならびに/あるいは前記1種以上の、配列番号2に記載のそのフラグメントおよび/または変異体が、全組成物に対し、0.5〜約1.5mg/g、約0.5〜約1mg/g、約0.5〜約1.2mg/g、約0.2〜約0.5mg/g、約0.1〜約0.8mg/g、または約0.2〜約1.2mg/gなどの約0.1〜1.5mg/gの量で含まれ、かつ前記少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルが、約25mM〜約100mMの濃度を有する、緩衝液などのpH調節剤中に、約2重量%または3重量%などの約1〜3重量%の量で含まれる組成物に関する。一態様においては、前記少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
いくつかの態様においては、本発明の医薬組成物は、任意選択により、不活性成分、または物理的もしくは生物学的機能を有する成分などの、他の成分を含むことができる。いくつかの態様においては、抗生物質または鎮痛剤が、本発明の医薬組成物にさらに含まれる。
本発明はまた、膣萎縮などの更年期障害の治療を、その治療を必要している患者に施す方法であって、
a.オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に示すそのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、
b.少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルと
を含む医薬組成物を、それを必要している患者に、適切な量、投与するステップを含み、前記医薬組成物のpHが約3〜4の範囲、または本明細書でこれとは異なる例示がされた範囲にある方法に関する。更年期障害の治療方法で使用する前記医薬組成物は、本明細書に開示された任意の医薬組成物であり得る。一態様においては、それを必要として患者に投与する前記医薬組成物は、オキシトシンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
本発明はまた、本明細書で前述した任意の疾患を治療する方法であって、
a.オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に記載のそのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、
b.少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルと
を含む医薬組成物を、それを必要している患者に、適切な量、投与するステップを含み、前記医薬組成物のpHが約3〜4の範囲、または本明細書でこれとは異なる例示がされた範囲にある方法に関する。本明細書で前述した任意の疾患を治療する治療方法で使用する前記医薬組成物は、本明細書に開示された任意の医薬組成物であり得る。一態様においては、それを必要としている患者に投与する前記医薬組成物は、オキシトシンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む。
別の態様においては、本発明は、約1mg/gのオキシトシン、約25mMのクエン酸または乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む医薬組成物であって、pHが約3である組成物に関する。
別の態様においては、本発明は、約1mg/gのオキシトシン、約25mMの乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む医薬組成物であって、pHが約3.8である組成物に関する。
別の態様においては、本発明は、約0.9mg/gのオキシトシン、約1.1mg/gの安息香酸、約25mMの乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含む医薬組成物であって、pHが約3.8である組成物に関する。
別の態様においては、本発明は、オキシトシン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸または乳酸緩衝液、および任意選択により安息香酸を含む医薬組成物に関する。一態様においては、前記医薬組成物は、約1mg/gのオキシトシン、約25mMのクエン酸または乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む。
別の態様においては、本発明は、約1mg/gのオキシトシン、25mMの乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む医薬組成物に関する。
別の態様においては、本発明は、約0.8mg/gのオキシトシン、22mMの乳酸緩衝液中の約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、約0.4mg/gのオキシトシン、22mMの乳酸緩衝液中の約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む医薬組成物に関する。
別の態様においては、本発明は、約0.2mg/gのオキシトシン、22mMの乳酸緩衝液中の約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、任意選択により、約1mg/gの安息香酸を含む医薬組成物に関する。
本明細書で前述したように、オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体を含む医薬組成物の製剤には、オキシトシン、ならびに/あるいは1種以上の本明細書で定義されたそのフラグメントおよび/または変異体を、約100、200、250、300、350または400IUなどの約50〜600IU含み得る。
本発明はまた、
a.オキシトシン(配列番号1)、ならびに/あるいは1種以上の、配列番号2に記載のそのフラグメントおよび/または変異体、ならびに薬学的に許容可能なそれらの塩と、
b.少なくとも1種の非イオン性セルロースエーテルと
を含む医薬組成物、ならびに前記医薬組成物を分注する分注器を、任意選択により前記医薬組成物の使用説明書とともに含むキットであって、前記医薬組成物のpHが3〜4の、または本明細書でこれとは異なる例示がされた範囲にあるキットに関する。本明細書で提示したキットには、本明細書で開示した任意の医薬組成物を使用することができる。前記キットに含まれる前記分注器は、例えば、プラスチックチューブの形態であってもよい。このキットはまた、それぞれが1種以上の薬学的に許容可能な担体、アジュバントおよび/または賦形剤を含む1つ以上の容器を含んでもよい。
本発明で開示した医薬組成物は、例えば、オキシトシンおよび非イオン性セルロースエーテルを含む水性組成物であり得る。
以下の実験の節で本発明を説明するが、それに限定されることを意図するものではない。
実験の節
Na−CMC/HPMCを含むクエン酸/乳酸緩衝液中、70℃におけるオキシトシンのストレス安定性
概要
安息香酸を含有、または含有せず、かつNa−CMCを含有、または含有しないクエン酸緩衝液中、70℃で2週間、オキシトシンの安定性を調べた。
他の組の試料では、安息香酸を含有、または含有せず、かつHPMC(ヒプロメロースまたはヒドロキシルプロピルメチルセルロース)を含有、または含有しないクエン酸緩衝液中、70℃で3週間、調べられたオキシトシンの安定性。
第3の組の試料では、HPMCを含有し、かつ安息香酸を含有、または含有しないクエン酸緩衝液中、70℃で2週間、オキシトシンの安定性を調べた。
背景
異なるpHの水溶液中におけるオキシトシンの安定性について、以前に研究されている。その研究では、pH4.5で最良の安定性が得られると結論された。最近の安定性の研究では、オキシトシンの安定性は処方と保管条件に大きく依存することが示された。
第3の研究では、以前の研究で使用されたパラベンに代えて保存剤として安息香酸を含む乳酸緩衝液およびクエン酸緩衝液のそれぞれの中でオキシトシンの安定性が調べられた。パラベンはゲル化剤Na−CMCの分解を引き起し得る。しかし、安息香酸でも粘度の低下が観察された。
本研究では、保存剤として安息香酸を含有、または含有しないクエン酸/乳酸緩衝液中でゲル化剤(Na−CMC/HPMC)の効果を調べた。
装置
欧州薬局方2.2.29に準じたHPLCシステム
HPLCシステム:WatersのAlliance2695、220nmのUV検出
カラム:YMC.−PAC ODS−A C18 2504.6mm、5μm
移動相:A:15.6g/lリン酸二水素ナトリウム
B:アセトニトリル:水(50:50)
クロマトグラフィ ソフトウェア:WatersのMassLynx バージョン4.1
pHメータ:Jenway370
薬品
HPLCグレードS(ACN)のアセトニトリル、Rathburn chemicals
滅菌水、Baxter
リン酸二水素ナトリウム、Merck、6346
オキシトシンはLatvia、RigaのGrindeksから入手した。
試料の調製
適当量のクエン酸または乳酸を全容量の約90%の蒸留水に溶解して緩衝液を調製した。マグネチックスターラで攪拌しながら5MのNaOH(水)を滴下して、pHを所望の値に調節した。最後に、この溶液を容量フラスコに移し、蒸留水により容量を最終容量に調節した。
保存剤の安息香酸をガラスフラスコ中で秤量し、必要量の緩衝液を加えた。フラスコを封止した後、温めた(約50℃)超音波浴中でフラスコを約30分間処理して安息香酸を溶解させた。室温にまで冷却してから、透明な溶液にオキシトシンを加え、緩やかに混合しながら溶解させた。最後に、必要量の非イオン性セルロースエーテルを加え、混合液を手で振盪した後、室温で膨張させ、溶解させて、粘稠な溶液/ゲルを得た。
最終試料を、ブチルゴム製の栓とAl製クリンプシールを備えたガラスバイアル中で保管した。

実験手順
試料を異なる温度で保管し、下記の安定性評価計画による分析を行うために取り出した。分析前に30mgの各液体試料を1.00mlの移動相Aで希釈し、その後、HPLCシステムに注入した。
分析
分析前に、全ての試料にについて目視検査を行い、pH値を測定した。
HPLC
移動相:
A:15.6g/lのリン酸二水素ナトリウム
B:アセトニトリル:水(50:50)

流量:1.00ml
注入量:20μl
注入部洗剤溶液:水:アセトニトリル
評価
全ての試料について最初に目視検査を行い、色の変化または沈殿傾向、および粘度変化を分析した。その後、pHを測定し、試料をさらにオキシトシンおよび安息香酸含有量について分析した。濃度を、オキシトシンおよび安息香酸それぞれの外部検量線から求めた。全ての試料は2通り調製し、続いてシングルHPLCインジェクション(EXP−11−AJ1634)により分析した。
結果




議論
以前のオキシトシンの安定性研究では、異なるpH値の下で分解速度が調べられた。この研究では、pH3の緩衝水溶液中、70℃で7日間保管されたオキシトシンの分解率は約15%(面積%)であった。pH4での対応する分解率は約35%(面積%)であった。上記表1では、オキシトシンの分解率は同等のpH条件でそれぞれ約60%および75%と極めて大きい。これらのデータはオキシトシンの安定性はpHだけでなく、緩衝用に使用した酸の種類にも依存し得ることを示している。さらに、データはNa−CMC自身が安定性に対して負の影響を及ぼすことを示唆している。
表2は、Na−CMCが中性のセルロース誘導体、HPMCで置換され、かつ緩衝液が25mMのクエン酸塩であるオキシトシン溶液の分析データを示している。これらのデータはまたオキシトシンの極めて良好な安定性を示しており、対応する分解率は約20%の大きさである。表3は、乳酸塩を緩衝剤として使用したHPMC含有製剤中のオキシトシンの対応する分解率を示している。これらのデータは、同等のpH条件下、乳酸塩とクエン酸塩中ではオキシトシンが類似の安定性を有することを示している。乳酸塩をNa−CMCと併用した以前の製剤では、製剤中に沈殿および靄が生成した。乳酸塩とともにHPMCを使用した製剤では、これは観察されない(表4)。
表4からは、安息香酸を含む製剤は保存剤を含まない製剤よりもやや黄色が強いと結論づけることができる。70℃での保管後においては、乳酸塩をベースにした製剤はクエン酸をベースにした製剤よりやや粘度が高くなる。
上記の研究はまた、安息香酸がオキシトシンおよび用いる内容物と同時使用して問題がないことを示している。
結論
本研究は、酸性環境にあるオキシトシンの安定性は、実質的に以前見られたパターンに従う、すなわちpH4よりpH3で良好な安定性が見られることを示している。オキシトシンは、ゲル化剤としてNa−CMCよりHPMCを含む製剤でより安定であると結論づけられる。製剤の粘度は70℃における保管の後では両ゲル化剤の場合とも低下する。オキシトシンの安定性は、同等のpH条件下では、乳酸塩とクエン酸塩中で類似している。安息香酸は適切な保存剤であると結論づけられる。
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Claims (19)

  1. a.オキシトシン(配列番号1)および/または薬学的に許容可能なその塩と、
    b.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と
    を含む医薬組成物において、
    記医薬組成物が3〜4の範囲のpHを有することを特徴とする医薬組成物。
  2. 請求項に記載の医薬組成物において、前記pHが3〜3.8または3〜3.5の範囲にあることを特徴とする医薬組成物。
  3. 請求項1または2に記載の医薬組成物において、前記組成物の前記pHが、前記組成物にpH調節剤を添加することにより調節されていることを特徴とする医薬組成物。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の医薬組成物において、安息香酸などの保存剤をさらに含むことを特徴とする医薬組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の医薬組成物において、オキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩が、前記全医薬組成物の約0.1〜約0.8mg/gの濃度で前記医薬組成物に含まれることを特徴とする医薬組成物。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の医薬組成物において、請求項1に定義されたオキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩の濃度が、前記医薬組成物の約1mg/gであることを特徴とする医薬組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物において、前記組成物が、
    約1mg/gのオキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩
    25mMのクエン酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および任意選択により
    約1mg/gの安息香酸
    を含むことを特徴とする医薬組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物において、前記組成物が、
    約1mg/gのオキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩
    25mMの乳酸緩衝液中の約2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および任意選択により
    約1mg/gの安息香酸
    を含むことを特徴とする医薬組成物。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の医薬組成物において、前記オキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩の投与量が、約100、200、250、300、350または400IUなどの約50〜600IUの、請求項1に定義されたオキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩であることを特徴とする医薬組成物。
  10. 前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約1〜3重量%の量で含まれる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の医薬組成物において、薬剤として使用するためのものであることを特徴とする医薬組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の医薬組成物において、局所使用のためのものであることを特徴とする医薬組成物。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の医薬組成物において、膣で使用するためのものであることを特徴とする医薬組成物。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の医薬組成物において、膣萎縮などの更年期障害の治療に使用するためのものであることを特徴とする医薬組成物。
  15. 請求項に定義されたオキシトシン(配列番号1)および/または薬学的に許容可能なその塩を含む医薬組成物の安定性を向上させるための、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の使用。
  16. a.オキシトシン(配列番号1)および/または薬学的に許容可能なその塩と、
    b.ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と
    含む医薬組成物において、
    記オキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩が、前記医薬組成物中に、前記全医薬組成物に対し0.5〜約1.5mg/gの濃度で含まれ、かつ前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)が、約25mM〜約100mMの濃度を有する、緩衝液などのpH調節剤中に、約2または3重量%などの約1〜3重量%の量で含まれることを特徴とする医薬組成物。
  17. 請求項16に記載の医薬組成物において、前記ヒドロキシプロピルメチルセルロース、約25mMの濃度を有する緩衝液に約2重量%の量で含まれ、前記緩衝液が乳酸緩衝液またはクエン酸緩衝液であることを特徴とする医薬組成物。
  18. 請求項1乃至11および1617のいずれか1項に記載の医薬組成物、ならびに前記医薬組成物用分注器を、任意選択により前記医薬組成物の使用説明書と組み合わせて含むことを特徴とするキット。
  19. a)緩衝液を調製し、そのpHを調節するステップと、
    b)請求項に定義されたオキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩を、前記緩衝液に添加するステップと、その後
    c)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を、ステップb)で得られた前記溶液に添加するステップと
    を含む請求項1乃至1116および17のいずれか1項に記載された改善された安定性を有する医薬組成物の調製方法において、
    任意選択により、安息香酸などの保存剤が、ステップa)の前記緩衝液に、前記オキシトシンおよび/または薬学的に許容可能なその塩が前記緩衝液に添加される前に、添加され、かつ前記医薬組成物のpHが、3〜3.5の範囲などの、3〜4の範囲に入るように調節されることを特徴とする方法。
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