JP3723857B2 - ヒト成長ホルモン含有水性医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒト成長ホルモン含有の注射用の医薬品製剤に関し、より詳しくは、水溶液の形のヒト成長ホルモン含有医薬品製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒト成長ホルモン(「hGH」と略称される。)は 天然型のものは、191個のアミノ酸残基よりなる一本鎖のポリペプチドホルモンである。hGHは通常単量体として存在し生物活性を有するが、医薬品製剤中で熱や振とうなどのストレスに曝されるとhGH分子間の相互作用により二量体、更に多量体へと重合して生物活性が低下していくことが知られている(Becker, G.W.et al.(1987) Biotechnol. Appl. Biochem.,9, p.478)。
【0003】
一方、hGHを水溶液中で長期間保存すると、hGHの分子の重合体の生成は少ないものの、脱アミド体が徐々に生成することが知られている。この脱アミド体hGHは生物活性には変化が見られない(Becker,G.W.et al.(1988) Biotechnol.Appl.Biochem.,10,p.326)ものの、品質面の変化を起こしているとの観点から医薬品としては好ましくなく、その含量規格値が一般に設定されている。
【0004】
またhGHの凝集体変性が主に物理的ストレスによって起こり、また脱アミド化が主に溶液状態での化学的ストレスによって起こる、ということも一般的に知られている。
【0005】
これらの問題のために、これまでhGHの最適な水性製剤は開発されておらず、用時溶解して注射される凍結乾燥製剤が一般的である。
【0006】
低身長の改善のためのhGHによる治療は、年単位の長期にわたるため、自家注射が認められており、投与開始の初期段階から在宅での自家注射が一般的に行われている。hGHの凍結乾燥製剤を使用する際、患者自身(通常、子供である)又は家族が、添付された溶解液で製剤を溶かして後、皮下或いは筋肉内に注射する。従って、凍結乾燥製剤の溶解を患者やその家族が行うことになるため、hGHの生物活性低下を招く重合体生成を回避するよう、医師が溶解方法を十分説明する必要がある。添付文書中にも注意事項として、hGHの溶解に当たっては静かに円を描くように回して溶解すべき旨が明記されている。
【0007】
重合体の生成は、凍結乾燥製剤の製造の際にも見られたものであることから、重合体の生成を抑える組成が工夫されてきている。しかし、自家注射という観点からは、従来の用時溶解型の製剤よりも一層使い勝手が良くしかも安定な製剤の開発への要望はなおも切実である。最近、注射筒と連動したキット製剤が使用されてきているが、hGHの凍結乾燥物の溶解を一つの注射筒内で行うため複雑な構造になっており、患者や家族に対し、使用方法の説明を特に念入りに行わねばならず、予期せぬ誤操作の懸念も払拭できない。
【0008】
このようにhGHは、患者や家族により自宅等で注射されるのが常であるため、hGHが水性製剤の形で供給できれば、溶解操作が不要となって便利である。そのような適切な水性製剤は、従来の用時溶解型の2チャンバー方式の製品、すなわち仕切を隔てて凍結乾燥hGHと溶解液が収納されたペン型の製品等のような複雑な構造の器具を必要とせず、簡単に取り扱えるため、患者や家族の負担を軽くするのに役立つ。
【0009】
hGHの水性製剤に関しては、以下の代表的な特許出願がある。
【0010】
カビ社は特表平6−508156号(以下、「カビ社出願公報」という。)において、緩衝物質として2〜50mMのクエン酸を含有したpH5〜7.5の、hGH又はその機能性類似体の注射可能な調合物を開示している。同公報には、緩衝物質としては、リン酸塩よりもクエン酸塩を用いる方が安定性が良い旨、また、pHは約6.0〜7.0がなるべくなら好ましい旨が記載されている。
【0011】
上記カビ社出願公報には、示された調合物は少なくとも12ヶ月間は安定であると記載されているが、同公報中には、単量体に関して「安定」とは残存率85%以上を示すと規定されている。単量体の含量規格は一般的には90%以上であることが推察されていることからすると、このカビ社の製剤が十分な安定性を有しているとは言い難い。
【0012】
一方、本発明者らも、上記カビ社の開示とは別個に、品質面、安定性の改善のための研究から、液体状態でのhGH製剤の製造にはpHが極めて重要な要件であること、及び、好ましいpH範囲である5〜7、特に好ましくは5.5から6.5の範囲のpHを維持する緩衝剤の使用が好ましいこと、及びそのような緩衝剤として例えばクエン酸塩が有効であることを見出している(特開平8−92125号)。
【0013】
また、ジェネンティック社は特表平7−509719号(以下、「ジェネンッティック社出願公報」という。)において、hGH、マンニトール及び緩衝液、更に非イオン性界面活性剤を含有するhGHの液状製剤を開示している。またそこにおいて、クエン酸緩衝液を好ましい緩衝液として例示している。
【0014】
更に、ノボ・ノルディスクファーマ社は、特表平5−507497においてhGHにアセトン或いはエタノールを加え、更に2価陽イオン、例えばZn2+の存在下、先ずhGHを結晶化し、その結晶を凍結乾燥した後、乾燥結晶を、例えば、リン酸塩、酢酸亜鉛、グリセロール、ベンジルアルコールからなるpH6.1〜6.2の縣濁物とした製剤について記載している。同公報中、hGH結晶の懸濁液の22〜24℃、6ヶ月間にわたる安定性試験を、脱アミド体及び分裂形態についてはイオン交換HPLCにより、またダイマー及びポリマー体の含量についてはGPCにより、それぞれ行なっている。この製剤は、6ヶ月後でもデスアミド体は5.0%、ジデスアミド体は1.8%であり、ダイマー体は1.2%、ポリマー体は0.3%であり、ほぼ同じ条件(25℃)においた従来の凍結乾燥製剤の溶解後の溶解液の安定性の結果よりも、いずれも低い値であると記載されている。同公報では、結晶化に当たって、大きな結晶を得るためにはZn2+が必要であると述べている。また、hGHの結晶化には、アセトン又はエタノールなどの水可溶性有機溶媒が必要であるにもかかわらず、懸濁物中のhGH結晶の二次或いは高次構造上における変化については記載されておらず不明な点が多い。
【0015】
アセトン又はエタノールなどは、しばしば蛋白質の精製に際し、沈殿物として得るのに用いられ、この方法は、蛋白質の有機溶媒に対する溶解性の低下を利用したものである。同公報において、有機溶媒の濃度は、蛋白質の沈殿を目的とした場合よりも低いものではあるが、ヒトに投与される薬剤としては必ずしも好ましいものではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような背景の下にhGH水性製剤の検討を更に進めた。その過程で、本発明者らの前記出願公報及びカビ社出願公報の上記公報の記載に基づきクエン酸塩を緩衝剤とした種々の水性のhGH液状製剤を作製し、種々の保存期間において安定性を試験していたところ、何れの製剤にも、僅かに目視しうる、重合体ではない微粒子が生ずることを見出した。この微粒子は例えば0.22μmのフィルターによって除くことができるが、長期の保存や振とうなどのストレスを負荷した場合、再度見出しうる場合があった。このような微粒子の発生は、医薬品においては、品質上問題となることから、その生成を抑えることのできる、新たな水性製剤の開発が求められた。
【0017】
一方、広くクエン酸塩は微乃至弱酸性における緩衝化剤として注射剤に頻繁に使用されるものであるが、hGHのように、皮下および筋肉内に注射する場合には液の注入と同時に痛みが生じることが報告されている(特表平6−510031)。本発明者ら自身も、上記カビ社出願公報及び上記本発明者らの出願公報記載の製剤に基づいて検討し、これらクエン酸塩含有のhGH注射剤が液の注入に際してかなりの痛みを生じるものであることを確認した。
【0018】
製剤の安定性の問題とは異なり、注射時の痛みは、製剤の品質という面からは特に問題のないものである。しかしながら、hGH製剤は長期にわたり頻繁に注射されるものであり、患者が子供であることを考慮すると、患者の苦痛を少しでもやわらげ、同時にコンプライアンスを維持するためには、注射液が痛みを生じないものであることがやはり好ましい。患者にとって注入時に痛みを生じることなく実際に治療に用いられている製剤はなく、上記カビ社出願公報及び上記ジェネンティック社出願公報(後者は、クエン酸塩を好ましい緩衝液と記載している。)に記載の製剤並びに上記本発明者らの出願になる製剤は、注射時の痛みに着目すれば、何れも改善の余地があり、痛みが除去ないし軽減できれば患者にとって非常に歓迎すべきことである。
【0019】
本発明の第1の目的は、注射に用いられるhGH水性製剤の安定性における上記の問題点を解決すること、即ち、脱アミノ化、重合、凝集を十分に抑え、更には上記微粒子の発生をも抑えた、安定なhGH水性製剤を提供することである。
【0020】
本発明の更なる目的は、皮下注射や筋肉内注射において、液の組成に起因する注入時の痛みを除去ないし軽減したhGH水性製剤を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、偶然にも凍結前の種々のhGH調製液を保存していたところ、マレイン酸塩緩衝液又はコハク酸塩緩衝液を用いることによってpHを6に維持した水溶液中にhGHを溶解させた調製液は、同じpHをクエン酸塩緩衝液により維持させたもの(特開平8−92125号)と同等に安定で、二量体及び重合体の生成を起こさず、更に脱アミド体の生成もないことを確認した。ヒト成長ホルモンの品質の変化を最も反映する試験として、サイズ排除高速液体クロマトグラフ(SE−HPLC)による単量体含量測定、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフによる脱アミド体含量の測定、性状観察、pH推移の測定を行った。これらによる、製造時、熱による苛酷条件下、並びに冷所において6ヶ月間保存した各水性製剤についての更なる詳細な検討を通じて、乳酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液及びマレイン酸塩緩衝液のうちで、適した緩衝能を有する緩衝液として、マレイン酸塩緩衝液、コハク酸塩緩衝液及びクエン酸塩緩衝液が選択された。
【0022】
これら適切な緩衝液を用いて微乃至弱酸性のpHにおいてhGHの安定化が達成できることが再度確認されたが、更に詳細な観察から、これら微乃至弱酸性の条件で製剤を作製した際に微かに目視しうる、重合体とは異なる散乱性のある微粒子が検出されることも確認した。このため、微粒子の生成を抑制する方法を求めて多数の物質の効果を検討した。その結果、僅かな濃度の塩化ベンザルコニウムが微粒子生成を効果的に抑制することを見出した。この発見をもとに更に検討を加え、微乃至弱酸性pHに設定され塩化ベンザルコニウムを含んだ水溶液中にhGHを溶解させた形の水性製剤とすることにより、脱アミノ化、重合、凝集を十分に抑え、更に上記微粒子の発生をも抑えた、安定なhGH水性製剤が製造できることを確認し、本発明を完成させた。
【0023】
一方、これらの微乃至弱酸性の水性製剤について更に検討していたところ、このようなpH範囲に維持するための緩衝剤としてクエン酸塩を用いたときは、ヒトに皮下注射した場合、液の注入に伴ってかなりの痛みを感じるのにも関らず、意外にも同様な多価カルボン酸塩であるマレイン酸塩やコハク酸塩を用いたときには実質的に痛みを感じないことを発見した。この発見をもとに、安定性に優れしかも注入に際して痛みを生じない、好ましいhGH含有水性医薬組成物を製造することに成功した。
【0024】
すなわち本発明は、第1に、ヒト成長ホルモンを含有する水性医薬組成物であって、塩化ベンザルコニウムを含んだ微乃至弱酸性の緩衝された溶液中にヒト成長ホルモンが溶解されていることを特徴とする水性医薬組成物を提供する。
【0025】
微乃至弱酸性のpHとしては、好ましくは5以上7未満であり、更に好ましくは5.5〜6.5、なおも更に好ましくは5.75〜6.25、特に好ましいのはpH約6である。
【0026】
本発明の組成物に含有させる塩化ベンザルコニウムの量は、安定性の面からは、調製時と長期保存時の双方において微粒子の生成を抑制できる限り広範囲に設定できる。しかし、皮下又は筋肉内注射を行う医薬品として添加が可能な量である、1mL当たり0.002〜0.03mgとするのが好ましく、0.005〜0.02mgとするのが更に好ましい。
【0027】
緩衝剤としては、pHを7未満、より好ましくは6.5以下に調整するのに適し、例えばhGHの沈澱を認めない程度に下限pHを止められる緩衝能があればいずれでもよく、好ましくはpH5以上7未満、より好ましくはpH5.5〜6.5の範囲に緩衝作用を有する緩衝液が有利に用いられる。特に好ましい緩衝剤の例としては、マレイン酸塩、コハク酸塩及びクエン酸塩が挙げられる。
【0028】
緩衝剤の濃度は特に限定されず、緩衝能を維持できる濃度であればいずれでも良いが、通常は1〜100mMであり、より好ましくは1〜50mM、更に好ましくは2〜20mMの範囲である。なお、本明細書において、緩衝剤につき「濃度」というときは、緩衝剤を構成する遊離酸と、それが一段階又はそれ以上解離して生じた共役塩基とを全て合わせた化学種の総濃度をいう。
【0029】
これらの緩衝剤のうち、マレイン酸塩及びコハク酸塩は、本発明の組成物の皮下又は筋肉内注入に際して液の組成に起因する痛みを実質的に生じないことから、極めて有利である。特にマレイン酸塩は、皮下及び筋肉内注射剤の緩衝剤としての実績が豊富であることから、取り分け好ましい。
【0030】
すなわち本発明は更に、ヒト成長ホルモンを含有する水性医薬組成物であって、塩化ベンザルコニウムを含んだ微乃至弱酸性の緩衝された溶液中にヒト成長ホルモンが溶解されており、マレイン酸塩又はコハク酸塩、特に好ましくはマレイン酸塩が緩衝剤として用いられていることを特徴とする、注入時の痛みの軽減された水性医薬組成物を提供する。そのような組成物は、hGHの高い安定性が維持できるのみならず、患者の毎回の苦痛を遙かに軽くする点で一層優れている。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明において「ヒト成長ホルモン」及びその略称「hGH」の語は、191個のアミノ酸からなる天然型hGHを包含する。その起源は限定されず、遺伝子組換えおよび下垂体抽出などにより得られた何れのものであってもよい。またこの語は更に、遺伝子組換えにより得られる生理学的に活性な192個のアミノ酸からなるN−末端メチオニン型のもの、その他、一部のアミノ酸が欠失、置換、付加しているが天然型のヒト成長ホルモンと実質的に同等の活性を有する変位体をも包含する。
【0032】
本発明の組成物に含有されるヒト成長ホルモンの量は特に限定されない。すなわち、上限量としては緩衝液中で溶解できる量であればよく、また下限量としては広く一般的に用いられる量であればいずれでもよい。好ましくは、一般的に利用される製剤含量である、1mL中に約10mgまでの範囲のヒト成長ホルモン量とすればよい。
【0033】
本発明の組成物の製造において、塩化ベンザルコニウムとしては、医薬品の添加物として容認される品質のものであれば、液状のもの又は固体のものの何れを用いてもよい。
【0034】
注射液の浸透圧は、皮下および筋肉内注射において特に重要であり、注意を要する。注射液が低張あるいは高張であった場合には注射に際して痛みが生じる。通常、注射液の浸透圧は、生理食塩液を対照とした時の浸透圧比が0.9〜1.6、より好ましくは1.0〜1.4がであることが推奨される。
【0035】
本発明の組成物をこの浸透圧比に調整するために、Dーマンニトール及び中性塩を単独で又はあわせて含有させてよい。Dーマンニトールは、本発明の組成物1mL当たり30〜100mgの範囲であれば、浸透圧比が0.9〜1.6、好ましくは1.0〜1.4となるように含有させてよい。また中性塩例えば塩化ナトリウムは、本発明の組成物1mL当たり5〜20mgの範囲であれば、浸透圧比が0.9〜1.6、好ましくは1.0〜1.4となるように含有させてよい。
【0036】
現在、医薬品として使用されるhGHの用法・用量は、1週間に体重1kg当たり0.5[IU]と定められており、患者の体重によっては凍結乾燥製剤の溶解後に、数回に分けて注射されることがある。そのため、保存中の細菌等による汚染を防止する目的で、防腐剤がしばしば添加される。
【0037】
本発明の組成物においても、hGHの品質に影響を及ぼすことがなく、しかも防腐剤としての効果の認められる量を添加しても何ら差し支えはない。通常、本発明の組成物に適する防腐剤としては安息香酸ナトリウムが最も推奨されるものであるが、安息香酸、フェノールなどを用いることも可能である。用時溶解して用いられるhGH凍結乾燥製剤で一般に採用されているベンジルアルコール及びメタクレゾール、更にパラオキシ安息香酸メチルは、品質、特に脱アミド体の生成が、安息香酸ナトリウム、安息香酸、フェノールを添加した場合よりもやや進む傾向にあることから、本発明の組成物への添加は推奨されない。防腐剤の使用量は注射剤に通常使用される量を参考に適宜増減してもよい。安息香酸ナトリウムを用いる場合、例えば本発明の組成物1mL当たり0.1〜5mg、好ましくは0.5〜3mgの含有量としてよい。
【0038】
本発明の組成物には非イオン界面活性剤を含有させてもよい。非イオン活性剤として、例えばポリソルベート20又はポリソルベート80を、本発明の組成物1mL当たり好ましくは0.5〜5mg、更に好ましくは1〜2mgの濃度で含有させることにより、安定性を僅かではあるが更に向上させることができる。
【0039】
本発明の組成物の製造は、水性注射剤の慣用の手順に従って行なえばよい。また、本発明の組成物の保存は冷所、特に2〜8℃で行われるのが好ましい。
【0040】
本発明の組成物は、水性溶液であるため、用時溶解型の従来製剤に比して簡便な形の製剤として供給できる。供給のための容器への組成物の充填は一液型注射剤の製造のための慣用の方法で行なうことができるが、貯蔵中の溶液の振動の影響を少なくして一層の安定性を確保するためには、容器への充填に際して、なるべく気泡を残さないようにするのが好ましい。
【0041】
<安定性試験>
hGHの物性変化として二量体、多量体の生成及び脱アミド体の生成が良く知られているが、前者はサイズ排除HPLC(SE−HPLC)で、後者は逆相HPLC(RP−HPLC)で測定できる。また、hGHのサイズ排除HPLCで求めた単量体のピーク面積と生物活性の間には相関が認められ、生物活性既知の標準品を用いることによる理化学的含量測定法が、hGHの生物検定に代わる測定法として適正であることが認められている(幸ら(1994)医薬品研究25,383)。従って、これら2つのHPLCでhGHを評価すれば、単に単量体、脱アミド体の評価だけでなくhGHの活性も決定できる。
【0042】
本発明者らは、これらの測定方法を用いて、本発明のhGH水性製剤につき安定性の検討を行なった。その結果、経時的な脱アミド体形成は見られたが、30℃及び40℃にて保存して得られた結果に基づいて計算すると、4℃、pH5.5〜6.5の条件で保存した場合、1年間は脱アミド体含量を12%以内に止め得ることが判明した。また、単量体についても、4℃にて1年間保存しても98%以上の高い含量が維持されることが判明した。このことは、本発明のhGHの水性医薬組成物が、従来品のように凍結乾燥をすることなく、冷所保存という条件で十分に製品として供給可能であることを示すものである。以下に安定性試験の詳細を示す。
【0043】
(測定方法)
サイズ排除HPLC及び逆相HPLCは幸らの方法(医薬品研究 25,384 (1994))に準じて行った。
【0044】
1.サイズ排除HPLC(SE−HPLC): 以下のカラム及び条件に従って行った。
(1) カラム: TSKgel G3000SWXL(7.8mm×30cm)
(2) 溶出液: 0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)、0.2M塩化ナトリウム
(3) 流速: 0.6mL/分、カラム温度: 室温、検出波長: 280nm
【0045】
2.逆相HPLC(RP−HPLC): 以下のカラム及び条件に従って行った。
(1) カラム: Vydac 214TP54(4.6mm×25cm)
(2) 溶出液: 50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5):n−プロパノール=71:29
(3) 流速: 0.5mL/分、カラム温度: 45℃、検出波長:280nm
【0046】
<試験例1>
[緩衝溶液1]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する、20mMクエン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液2]
1mL中に100mgのD−マンニトールを含有する、20mMクエン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液3]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する、20mMマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液4]
1mL中に100mgのD−マンニトールを含有する、20mMマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液5]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する、20mMコハク酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液6]
1mL中に100mgのD−マンニトールを含有する、20mMコハク酸塩緩衝液(pH6.0)。
【0047】
上記6つの緩衝溶液に、それぞれ6.8mg/mLの濃度で天然型hGH水溶液を等量づつ加え静かに攪拌し、それぞれ水性製剤1〜6とした(最終pH6.0)。次いで、孔径0.22μmのフィルターに通した後、各溶液を針付きシリンジ内に1mLずつ吸引・充満させて打栓し、試料とした。
【0048】
それぞれの水性製剤の一部を2〜8℃下で24時間に亘り水平振とう(振幅20mm、220回/分)した。試験結果を表1に示す。
【0049】
水性製剤の中で塩化ベンザルコニウムを含まない水性製剤2、4および6では、シリンジ内への分配及び打栓時に溶液中に僅かに微粒子が生成した。この微粒子は振とうによりさらに増加した。これとは対照的に、塩化ベンザルコニウムを添加した水性製剤1、3及び5では、分配及び打栓時に微粒子は全く生成せず、更には、激しい振とうにおいても微粒子の生成は抑制された。SE−HPLCによる単量体含量及びRP−HPLCによる脱アミド体含量については、振とう前後で差は見られず、また塩化ベンザルコニウムの添加の有無による差も認められなかった。これらの結果は、塩化ベンザルコニウムがhGHを含む水性製剤において微粒子の発生を抑制するための安定化剤として有効であることを示している。
【0050】
【表1】
【0051】
<試験例2>
1mL中0.002〜0.1mgの塩化ベンザルコニウムと100mg/mLD−マンニトールとを含む、20mMクエン酸塩緩衝液(pH6.0)及びマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)に、6.8mg/mLの天然型hGH水溶液を等量加え、静かに攪拌した(最終pH6.0)。これらを孔径0.22μmのフィルターに通した後、各溶液を針付きシリンジ内に1mLずつ吸引・充満させて打栓し、性状試験を指標として評価して、微粒子生成抑制効果を得るのに要する塩化ベンザルコニウム量を求めた。その結果は表2に示す通りであり、微粒子生成の抑制効果は、製剤1mL当たりの塩化ベンザルコニウム量が0.002〜0.03mgの範囲で認められた。
【0052】
【表2】
【0053】
<試験例3>
前記試験例1における水性製剤1、3及び5につき、それぞれ恒温器中40℃及び50℃にて、0、3、7、10、14及び21日間保存し、開栓後、RP−HPLCおよびSE−HPLCによる分析を行った。分析結果を表3に示す。RP−HPLCの結果を基に安定性を予測する計算式に当てはめて計算すると、脱アミド体含量の上限値を暫定的に12%とした場合、脱アミド体は経時的に生成するもののこれらの製剤は2〜8℃で1年間は安定であると予測された。一方、SE−HPLCの結果から、単量体については、2〜8℃で1年間保存しても、98%以上の値を維持し得ると判断された。いずれのHPLCによる測定結果においても、各経時点における試料の比較から、緩衝液の種類による差は認められなかった。
【0054】
【表3】
【0055】
<試験例4>
[緩衝溶液7]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する20mMクエン酸塩緩衝液(pH6.0)
[緩衝溶液8]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する20mMマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)
[緩衝溶液9]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する20mMコハク酸塩緩衝液(pH6.0)。
【0056】
上記3つの緩衝液に、それぞれ6.8mg/mLの天然型hGH水溶液を等量づつ加え静かに攪拌し(最終pH6.0)、それぞれ水性製剤7〜9とした。次いで、孔径0.22μmのフィルターに通した後、各溶液を針付きシリンジ内に1mLずつ吸引・充満させて打栓し、試料とした。それぞれの水性製剤を2〜8℃で6ヶ月間保存し、単量体含量の変化、脱アミド体含量並びに性状について0、1、3及び6ヶ月間保存の試料ついて追跡した。その結果を表4に示す。なお、いずれの水性製剤にも、微粒子の生成は認められなかった。
【0057】
【表4】
【0058】
<試験例5> 注射時痛み試験
皮下に注入する際の製剤に起因する痛みについて、クエン酸塩、マレイン酸塩及びコハク酸塩緩衝液(最終的にpH6.0)のそれぞれに、生理食塩液を対照とした浸透圧比が1.1になるように適当量のD−マンニトールを添加して注射よう製剤を調製した。但し、緩衝液の種類による痛みを試験する目的であることから、hGHは加えなかった。試験目的を十分説明した上で、自発的に試験に参加した10名の健常男子に対し、次の3つの処方につき、注入時の痛みの程度について試験を行った。なお、これらの処方の試験はブラインドで行なった。痛みの程度は、極めて痛いを(++)、痛いを(+)、しいて言えば痛いを(±)、痛くないを(−)で示した。
【0059】
処方1:10mMクエン酸塩緩衝液+D−マンニトール(pH6.0)
処方2:10mMマレイン酸塩緩衝液+D−マンニトール(pH6.0)
処方3:10mMコハク酸塩緩衝液+D−マンニトール(pH6.0)
【0060】
【表5】
【0061】
結果を表5に示した。表中の数値は、該当する評価をした人数を示す。クエン酸塩を用いた製剤については計10名のいずれの被験者も「極めて痛いと」判定したのに対し、マレイン酸塩を用いた製剤については、何れの被験者も「痛くない」と判定した。またコハク酸緩衝液を用いた製剤についても、10名中9名までが「痛くない」と判定し、1名が「しいて言えば痛い」と判定した。これらの結果から、クエン酸塩含有の製剤は注入時の痛みが強いのに対し、マレイン酸塩又はコハク酸塩に基づく製剤の場合、痛みは全くないか又は殆どないことが判明した。
【0062】
<試験例6>
[緩衝溶液10]1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム、50mgのD−マンニトール、5mgの塩化ナトリウム及び2mgの安息香酸ナトリウムを含有する、20mMクエン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液11]1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム、50mgのD−マンニトール、5mgの塩化ナトリウム及び2mgの安息香酸ナトリウムを含有する、20mMマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)。
[緩衝溶液12]1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム、50mgのD−マンニトール、5mgの塩化ナトリウム及び2mgの安息香酸ナトリウムを含有する、20mMコハク酸塩緩衝液(pH6.0)。
【0063】
上記3つの緩衝溶液に、それぞれ6.8mg/mLの天然型hGH水溶液を等量づつ加え静かに攪拌し、それぞれ水性製剤10〜12とした(最終pH6.0)。次いで、孔径0.22μmのフィルターに通した後、各溶液を針付きシリンジ内に1mLずつ吸引・充満させて打栓し、試料とした。それぞれの水性製剤を恒温器中40℃及び50℃で保存し、21日後に開栓後、RP−HPLCおよびSE−HPLCによる分析を行った。分析結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
いずれの水性製剤も40℃及び50℃における21日間の保存において単量体含量の変化は極く僅かであった。一方、脱アミド体生成は前記試験例3に記載した長期の安定性予測の範囲内であり、1年間の安定性を予測しうる値であった。
【0066】
<試験例7>
[緩衝溶液13]
1mL中に0.02mgの塩化ベンザルコニウム及び100mgのD−マンニトールを含有する20mMマレイン酸塩緩衝液(pH6.0)。
【0067】
上記緩衝溶液13に、20.4mg/mLの天然型hGH水溶液を等量加え静かに攪拌し、水性製剤13とした(最終pH6.0)。次いで、孔径0.22μmのフィルターに通した後、各溶液を針付きシリンジ内に1mLずつ吸引・充満させて打栓し、試料とした。水性製剤13を恒温器中40℃及び50℃で保存し、21日後に開栓後、RP−HPLCおよびSE−HPLCによる分析を行った。分析結果を表7に示す。
【0068】
【表7】
【0069】
いずれの水性製剤も40℃及び50℃における21日間の保存において単量体含量の変化は極く僅かであった。一方、脱アミド体生成は試験例1で記載した長期の安定性予測の範囲内であり、1年間の安定性を予測しうる値であった。
【0070】
【実施例】
以下に典型的な実施例をあげて本発明を一層詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本明細書の上記記述の範囲内において、以下の実施例に示した各成分の量や濃度を増減してよく、ある成分を他の成分に置換しても、又は他の成分を追加してもよい。
【0071】
<実施例1>
下記の緩衝溶液の成分比率に従って各成分を混合して緩衝溶液とし、これに下記のhGH溶液を加え混合し、濾過滅菌して注射剤とする(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・100mg
20mMクエン酸塩緩衝液・・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0072】
<実施例2>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・100mg
20mMマレイン酸塩緩衝液・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0073】
<実施例3>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・100mg
20mMコハク酸塩緩衝液・・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0074】
<実施例4>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・50mg
塩化ナトリウム・・・・・・・・・5mg
安息香酸ナトリウム・・・・・・・2mg
20mMクエン酸塩緩衝液・・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0075】
<実施例5>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・50mg
塩化ナトリウム・・・・・・・・・5mg
安息香酸ナトリウム・・・・・・・2mg
20mMマレイン酸塩緩衝液・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0076】
<実施例6>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.02mg
D−マンニトール・・・・・・・・50mg
塩化ナトリウム・・・・・・・・・5mg
安息香酸ナトリウム・・・・・・・2mg
20mMコハク酸塩緩衝液・・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0077】
<実施例7>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.002mg
D−マンニトール・・・・・・・・100mg
20mMマレイン酸塩緩衝液・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0078】
<実施例8>
下記の処方に従い、実施例1と同様の手順により注射剤を得る(最終pH6.0)。
[緩衝溶液]
塩化ベンザルコニウム・・・・・・0.01mg
D−マンニトール・・・・・・・・100mg
20mMマレイン酸塩緩衝液・・・適量
───────────────────────────
全量 1mL(pH6.0)
[hGH溶液]
6.8mg/mL天然型hGH水溶液・・・1mL
【0079】
【発明の効果】
本発明のhGH水性医薬組成物は、安定性が十分に高く、hGHの水性製剤の臨床的供給を可能にするため、従来の用時溶解型製剤に比して、患者の煩わしさを軽減し且つ誤操作の可能性を減少させることができる。また痛みを生じない緩衝剤を用いた製剤として供給することも可能であるため、患者の苦痛の軽減とコンプライアンスの確保という点でも優れた製剤を供給することが可能となる。
Claims (15)
- ヒト成長ホルモンを溶解させ安定に含有させてなる水性医薬組成物の製造方法であって、該水性医薬組成物のpHを5以上7未満で緩衝し、且つ、塩化ベンザルコニウムを1mL当たり0.002〜0.03mgの量で該水性組成物に含有させることを特徴とする、方法。
- 更に注入時の痛みを軽減させた水性医薬組成物の製造方法であって、緩衝剤としてマレイン酸塩を用いることを特徴とする、請求項1の方法。
- 更に注入時の痛みを軽減させた水性医薬組成物の製造方法であって、緩衝剤としてコハク酸塩を用いることを特徴とする、請求項1の方法。
- 該水性医薬組成物中における緩衝剤の濃度を1〜100mMとすることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかの方法。
- Dーマンニトール及び/又は中性塩を更に含有させることを特徴とする、請求項1乃至4の何れかの方法。
- D−マンニトールの含有量を、該水性医薬組成物1mL当たり30〜100mgとすることを特徴とする、請求項5の方法。
- 該中性塩として塩化ナトリウムを用いることを特徴とする、請求項5又は6の方法。
- 塩化ナトリウムの含有量を該水性医薬組成物1mL当たり5〜20mgとすることを特徴とする、請求項7の方法。
- 防腐剤を更に含有させることを特徴とする、請求項1乃至8の何れかの方法。
- 防腐剤として安息香酸ナトリウム、安息香酸及びフェノールよりなる群より選ばれるものを用いることを特徴とする、請求項9の方法。
- 防腐剤として安息香酸ナトリウムを用いることを特徴とする、請求項9の方法。
- 安息香酸ナトリウムの含有量を、該水性医薬組成物1mL当たり0.1〜5mgとすることを特徴とする、請求項10又は11の方法。
- 非イオン性界面活性剤を更に含有させることを特徴とする、請求項1乃至12の何れかの方法。
- 非イオン性界面活性剤としてポリソルベート20及び/又はポリソルベート80を用いることを特徴とする、請求項13の方法。
- 非イオン性界面活性剤の含有量を該水性医薬組成物1mL当たり0.5〜5mgとすることを特徴とする、請求項13又は14の方法。
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