図1(a)は、屋根下地構造の実施形態の一例である。この屋根下地構造は、垂木5とこの垂木5の上部に固定される下野地板3とによって形成される下野地部1と、垂木5の上方に配設される桟木6とこの桟木6の上部に固定される上野地板4とによって形成される上野地部2との間に、断熱材7が配設された構造を有する。断熱材7は、上方に通気層8を形成するように設けられている。下野地部1は、垂木5と垂木5の上部に固定される下野地板3とによって形成されており、下野地板3は垂木5に釘やビスなどによって固定されている。また、上野地部2は、垂木5の上方に配設される桟木6とこの桟木6の上部に固定される上野地板4とによって形成されており、上野地板4は桟木6に釘やビスなどによって固定されている。
断熱材7は下野地部1を構成する下野地板3の上に載置されており、断熱材7の上方には、断熱材7と上野地板4との間の隙間によって通気層8が形成されている。
屋根下地構造では、このように、断熱材7を配設することにより、外気温との温度障壁を設けて家屋内の温度変動を少なくすることができ、屋根の断熱性を高めることができる。また、通気層8が形成されることにより、湿気が上野地部2と下野地部1との間に入ったとしても、通気層8を通して湿気を外部に排気することができるので、上野地部2と下野地部1との間で湿気がこもることを抑制することができ、通気性を高めることができる。
垂木5としては、断面矩形状の長尺の木材などを用いることができる。また、桟木6としては、断面矩形状の長尺の木材などを用いることができる。垂木5と桟木6とは同じ材料であってもよく、異なっていてもよい。垂木5及び桟木6は構造部材となるものである。桟木6は、垂木5の上方において、垂木5の長手方向に沿って長手方向が合わせられて配設される。桟木6と垂木5とが重なるように取り付けられることにより、強度の高い屋根下地構造を形成することができる。
下野地板3としては、平面視(板材表面と垂直な方向から見た場合)において矩形状の木製の板材を用いることができる。また、上野地板4としては、平面視(板材表面と垂直な方向から見た場合)において矩形状の木製の板材を用いることができる。下野地板3と上野地板4とは同じ材料であってもよく、異なっていてもよい。下野地板3及び上野地板4は、屋根の下地となる野地板として機能するものである。
屋根下地構造では、長尺の垂木5が長手方向と垂直な方向に複数本並べられて設置され、その上面に垂木5を架け渡して下野地板3が取り付けられることにより下野地部1が構成される。また、長尺の桟木6が長手方向と垂直な方向に複数本並べられて設置され、その上面に桟木6を架け渡して上野地板4が取り付けられることにより上野地部2が構成される。
新設の屋根においては、垂木5と桟木6とを同じ材料(角材)で簡単に構成することができる。その場合、部品点数を少なくすることができ、容易に屋根を施工することができる。もちろん、垂木5及び桟木6をそれぞれの特性に応じた材料で構成してもよい。また、新設の屋根においては、下野地板3と上野地板4とを同じ材料(板材)で簡単に構成することができる。その場合、部品点数を少なくすることができ、容易に屋根を施工することができる。もちろん、下野地板3及び上野地板4をそれぞれの特性に応じた材料で構成してもよい。
リフォームの屋根においては、垂木5及び下野地板3は既設の屋根に用いられているものを使用することができる。それにより、既設の屋根の下地構造をそのまま利用して、屋根の断熱構造及び通気構造を形成することができる。既設の屋根においては、一重の屋根で屋根に断熱材7が設けられていない場合があるが、屋根をリフォーム(改築)することにより、既設の屋根を断熱構造の屋根に変更することが可能になる。もちろん、屋根下地に損傷がある場合などにおいては、下野地部1の構築から行うようにしてもよい。なお、既存の屋根では、通常、外表面には瓦などの屋根表面部材が敷設されているが、この屋根表面部材を除去することにより、屋根下地を露出させることができる。そして、本形態では、既存の屋根下地構造を下野地部1として用いることができる。
断熱材7としては、プラスチック系断熱材や無機質繊維系断熱材などの断熱材7を用いることができる。プラスチック系断熱材としては、硬質ウレタンフォームなどが例示される。無機質繊維系断熱材としてはグラスウールなどが例示される。これらの断熱材7は、板状(プレート状)やパネル状になったものを使用することができる。なお、通常、プラスチック系断熱材の方が無機質繊維系断熱材よりも固いため、後述のように、断熱材7を固定する際は、プラスチック系断熱材の方がより固定強度を高くすることができる。
断熱材7は、下野地板3の上面に密着するように貼り付けられて、下野地板3に取り付けられている。下野地板3と断熱材7との間に隙間が形成されると、結露が生じやすくなるおそれがある。断熱材7は、並設される複数の桟木6の間を敷き詰めるようにして、下野地板3の表面に貼り付けられている。隣り合う桟木6の間に、パネル状の断熱材7を複数枚用いて敷き詰めるようにしてもよい。その際、サイズを合わせるため、適宜に断熱材7を裁断してもよい。桟木6との間、及び、隣り合う断熱材7の間にはできるだけ隙間が形成されないようして、断熱材7が取り付けられていることが好ましい。隙間が形成されると断熱性が低下するおそれがある。
そして、本形態の屋根下地構造では、図1(b)に示すような、断熱材支持具20を備えている。この断熱材支持具20は、桟木6と接合する接合部21と、取り付けられた際に桟木6の側方において断熱材7と接触する支持部22とを有するものである。図1(a)に示すように、この断熱材支持具20は、接合具43によって桟木6に接合されている。また、断熱材7は、支持部22によって下方に押さえられて支持されている。
このように、断熱材7が断熱材支持具20によって固定されているので、断熱材7の取り付け固定強度を高めることができ、断熱材7がズレたり浮いたりすることを抑制することができる。また、断熱材支持具20を構造部材である桟木6に固定するだけで、断熱材7を固定できるため、施工の簡易化を図ることができる。また、断熱材支持具20は、構造部材である桟木6に固定するので、断熱材7を釘で固定する場合のような、釘を打ち込みすぎたり斜めに打ち込んだりといった施工品質のバラツキを抑制することができる。そのため、施工が容易になり、また、施工品質を安定させて、屋根下地構造を形成することができる。
断熱材支持具20は、金属板が折り曲げ加工されて形成された金具であることが好ましい。金属板の加工により簡単に断熱材支持具20を形成することができる。また、金属製のため、強度高く固定することができる。この場合、断熱材支持具20は、いわば断熱材固定金具となる。なお、もちろん断熱材支持具20は、金属を溶接するなどして形成してもよい。金属板としては鋼板を用いることができる。金属板の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜2mmの範囲内のものであってよい。折り曲げ加工は、プレス成型によって行うことができるが、これに限定されるものではない。接合穴24などの穴は、切り抜き加工やくり抜き加工によって行うことができる。断熱材支持具20は、複数の部材で形成してもよいが、金属材で一体化して形成した場合は、取扱いが容易になり、施工性が高まる。
また、断熱材支持具20は、桟木6を跨いで被さって接合されることが好ましい一形態である。桟木6に被さることにより、一体化された断熱材支持具20で桟木6の両側方の断熱材7を容易に一度に固定することができる。
断熱材7は、断熱材支持具20の支持部22が差し込まれて支持されていることが好ましい一形態である。断熱材支持具20の支持部22を差し込んで断熱材7を支持することにより、強度高く断熱材7を固定することができ、断熱材7が浮いたりずれたりすることを高く抑制することができる。
断熱材支持具20を用いて断熱材7を支持する場合、断熱材7としては、無機質繊維系断熱材よりもプラスチック系断熱材を用いることが好ましい。プラスチック系断熱材を用いることにより、支持部22によってより強固に支持することができ、断熱材7の浮きやずれをより抑制することができる。
図1(b)の形態の断熱材支持具20は、矩形状の金属板が折り曲げられて形成されている。この断熱材支持具20は、水平方向(下野地板3の表面に沿う方向)に配置される被せ片25と、下方に突出する下り片26とを備えて構成されている。被せ片25は、桟木6を幅方向に跨ぎ、桟木6の上方に被せられる片であり、断熱材支持具20の上部に配置されている。下り片26は、被せ片25の両側部から金属材が折り曲げられて下方に突出して設けられており、断熱材支持具20の両側部に配置されている。下り片26は、被せ片25の側端が略垂直に折り曲げられており、断熱材支持具20は、全体として略逆U字状(左回り倒れコ字状)に形成されている。金属材が折り曲げられて形成された各片(被せ片25及び下り片26)は、平坦な片となっている。そして、被せ片25によって、桟木6に接合される接合部21が構成されている。また、下り片26の下端部によって、支持部22が構成されている。
図1(a)に示すように、屋根下地構造が形成された際には、支持部22を構成する下り片26の先端部は、断熱材7に差し込まれている。下方に突出する下り片26を断熱材7に差し込むことにより、断熱材7を下方に強く押圧して強固に支持し固定することができる。また、差し込みによって支持することにより横ずれを抑制することができる。
被せ片25の中央には、被せ片25を貫通する接合穴24が設けられている。接合穴24は上下方向に貫通する穴である。この接合穴24は、釘やビスなどの接合具43を挿入して桟木6に打ち込むための穴である。接合穴24に接合具43が打ち込まれることにより、断熱材支持具20は桟木6に接合される。本形態では、接合穴24は丸穴として設けられている。
なお、接合穴24は複数設けられていてもよい。接合穴24が複数設けられていると、複数の接合穴24に接合具43を打ち込めば、取り付け強度を高めることができる。また、複数の接合穴24のいずれかを用いて接合具43を打ち込むようにすれば、桟木6などの下地の状態に合わせて適宜の接合穴24を選択して、接合具43を打ち込むことができる。接合穴24を複数設ける場合は、幅方向と垂直な方向(桟木6の長手方向に沿った方向)に並べることができる。
被せ片25の幅寸法、すなわち、一方の下り片26から他方の下り片26までの距離は、桟木6の幅寸法よりも大きいものであることが好ましい。それにより、下り片26の先端で構成される支持部22を桟木6の側方に配置させることができる。被せ片25の幅寸法は、桟木6の幅寸法の2倍以上、又は、3倍以上にすることができる。被せ片25の幅寸法の上限は、特に限定されるものではないが、長すぎると施工性が低下するおそれがあるので、例えば、桟木6の幅寸法の10倍以下、又は、5倍以下であってもよい。
本形態の場合、下り片26は、被せ片25に対して垂直に下方に突出しているため、一方の下り片26の先端と他方の下り片26の先端との間の距離、すなわち、両側部の支持部22間の距離は、被せ片25の幅寸法と等しい。ただし、下り片26は、外側方に、又は、内側方に、傾斜して折れ曲がって下方に突出していてもよい。その場合、支持部22間の距離は、被せ片25の幅とは異なるものとなる。そして、支持部22間の距離は、例えば、桟木6の幅寸法の2倍以上にすることができる。支持部22間の距離が桟木6の幅よりも大きくなるほど、断熱材7を桟木6の近くではなく離れた位置で固定することができ、断熱材7の固定強度を高めることができる。支持部22間の距離の上限は、特に限定されるものではないが、長すぎると施工性が低下するおそれがあるので、例えば、桟木6の幅寸法の10倍以下、又は、5倍以下であってもよい。
下り片26の高さ寸法(上下方向の長さ)は、下り片26の下端部が断熱材7に差し込まれる程度の長さにすることが好ましく、例えば、通気層8の厚みよりも大きく、下野地板3の上面と上野地板4の下面との間の距離よりも小さいものであってよい。
断熱材支持具20の長さ寸法、すなわち、屋根下地に取り付けられた際に桟木6の長手方向と同じ方向となる長さは、特に限定されるものではないが、例えば、桟木6の幅寸法よりも長くすることができる。また、断熱材支持具20の長さ寸法は、桟木6よりも短い短尺にすることができ、例えば、桟木6の長さの1/5以下、又は、1/10以下などにすることができる。断熱材支持具20が短尺となることにより、複数の断熱材支持具20を長尺の桟木6に取り付けることが可能になり、固定強度を高めることができる。
断熱材支持具20は、桟木6の長手方向に一定のピッチ(間隔)で設けられることが好ましい。複数の断熱材支持具20が一定のピッチで設けられることにより、取り付け強度を高め、施工品質を安定にすることができる。また、1本の桟木6に対し、複数(例えば2個、3個、4個又は5個)の割合で断熱材支持具20を取り付けてもよい。また、一つの断熱材7に対し、複数(例えば2個、3個、4個又は5個)の断熱材支持具20を用いて固定してもよい。断熱材7の一方の端部が一の桟木6に設けられた断熱材支持具20によって支持固定され、断熱材7の他方の端部が一の桟木6と隣り合う他の桟木6に設けられた断熱材支持具20によって支持固定されていてもよい。断熱材7の両端が固定されることにより、取り付け強度が高くなって、断熱材7がズレたり浮いたりすることを抑制することができる。また、水平方向(桟木6の長手方向と垂直な方向)に並列された桟木6に対しては、断熱材支持具20は、水平方向において略同じ位置で設けられるようにすることが好ましい。それにより、取り付け強度を高めることができる。
図1(a)の屋根下地構造は、下野地部1に桟木6を取り付け、断熱材7を配設した後、下野地部1に固定された桟木6の上面に、断熱材支持具20の被せ片25を配置し、接合穴24を通して接合具43を打ち付けることによって形成することができる。桟木6は、垂木5の上方の位置で固定するようにする。それにより強固な構造を得ることができる。断熱材7は隣り合う桟木6の間における下野地板3の上に配設することができる。
断熱材7の配設には、粘着テープ52で接着したり、釘やビスなどの固定部材51を打ちつけたりして、断熱材7を固定してもよい(図9参照)。それにより、さらに強固に断熱材7を取り付けることができる。また、断熱材支持具20を取り付ける際の仮止めとしても使用することができ、断熱材7が横ずれしたりすることを抑制することができる。もちろん、粘着テープ52や、釘やビスなどの固定部材51を用いなくてもよい。
断熱材支持具20を取り付ける際には、下り片26の先端部分(支持部22)を断熱材7に差し込んで断熱材7を下方に押圧するようにする。それにより、断熱材7が浮いたりずれたりすることを抑制することができる。差し込まれた部分においては、断熱材7に穴が設けられてもよい。このとき、下り片26の差し込みによって穴が形成されてもよいし、差し込む部分にあらかじめ穴、溝、又は、切り込みなどを設けていてもよい。
上野地板4は、上面から釘やビスなどを桟木6に打ちこむことによって桟木6に取り付けることができる。
こうして、図1(a)のような屋根下地構造が形成される。このような屋根下地構造は、上部に瓦などの屋根表面材が敷設されることによって、建物の屋根を形成することができるものである。この屋根は、既築住宅における屋根断熱のリフォームや、屋根通気工法に適用することができるものである。
図2(a)は、屋根下地構造の実施形態の他の一例を示している。この屋根下地構造では、図2(b)に示すような、断熱材支持具20を備えている。この断熱材支持具20は、下り片26の先端から折り返されて上方に延びる折返し片28が設けられている以外は、図1(b)の形態と同様の構成を有している。すなわち、断熱材支持具20は、被せ片25とこの接合片27の両端部から略垂直に下方に突出する下り片26とを備えている。また、被せ片25には接合穴24が設けられており、被せ片25によって桟木6と接合する接合部21が構成されている。また、取り付けられた際には、下り片26が桟木6よりも側方に配置しており、下り片26の下端部によって支持部22が構成されている。また、断熱材支持具20は、被せ片25によって桟木6を跨いで被せられて桟木6に接合されている。断熱材支持具20は、二つの下り片26と被せ片25とによって全体として略逆U字状(左回り倒れコ字状)に形成されている。なお、図2(b)では、断熱材支持具20の隠れている輪郭を破線で示している。
図2(b)の形態では、折返し片28は、外側方に傾斜して上方に突出している。本形態では外側に折り返されて折返し片28が形成されている(外折り)が、折返し片28は、内側に折り返されて、内側方に傾斜して上方に突出する(内折り)ようにしてもよい。折返し片28の長さは、特に限定されるものではないが、例えば、屋根下地構造を形成した際に、折返し片28の先端(上端)が断熱材7から飛び出さない程度の長さであってよい。なお、折返し片28は、片側のみの設けられていてもよいが、より強固に固定するためには、両側に設けられることが好ましい。
図2(b)の形態では、支持部22は、下り片26の下端部と折返し片28によって構成されている。そして、支持部22の下端には、下り片26と折返し片28との境界部分が存在している。そのため、下り片26と折返し片28とが折り返されて厚みの厚くなった部分において断熱材支持具20を下方に押圧することができるため、押し付け力を高くすることができ、断熱材7が浮いたりずれたりするのをより効果的に抑制することができる。また、折返し片28は、斜めに傾斜して設けられており、上方に行くほど下り片26と折返し片28との間の距離が長くなっているので、断熱材7が上方に移動しにくくなり、断熱材7の浮きをより抑制することができる。また、折返し片28が断熱材7に埋め込まれるようにすると、折返し片28の先端を断熱材7の内部で引っ掛けることができるので、断熱材7を動きにくくして、断熱材7の支持強度を高めることができる。
図3(a)は、屋根下地構造の実施形態の他の一例を示している。この屋根下地構造では、図3(b)に示すような、断熱材支持具20を備えている。この断熱材支持具20は、桟木6と接合する接合部21と、取り付けられた際に桟木6の側方において断熱材7と接触する支持部22とを有するものである。図3(a)に示すように、この断熱材支持具20は、接合具43によって桟木6に接合されている。また、断熱材7は、支持部22によって下方に押さえられて支持されている。
このように、断熱材7が断熱材支持具20によって固定されているので、断熱材7の取り付け固定強度を高めることができ、断熱材7がズレたり浮いたりすることを抑制することができる。また、断熱材支持具20を構造部材である桟木6に固定するだけで、断熱材7を固定できるため、施工の簡易化を図ることができる。また、断熱材支持具20は、構造部材である桟木6に固定するので、断熱材7を釘で固定する場合のような、釘を打ち込みすぎたり斜めに打ち込んだりといった施工品質のバラツキを抑制することができる。そのため、施工が容易になり、また、施工品質を安定させて、屋根下地構造を形成することができる。
断熱材7は、断熱材支持具20の支持部22により面状に下方に押えられて支持されていることが好ましい一形態である。断熱材支持具20の支持部22を面状に押し込んで断熱材7を支持することにより、強度高く断熱材7を固定することができ、断熱材7が浮いたりずれたりすることを高く抑制することができる。
図3(b)の形態の断熱材支持具20は、矩形状の金属板が折り曲げられて形成されている。この断熱材支持具20は、合せ片27と、押え片29とを備えて構成されている。合せ片27と押え片29とは略垂直に金属板が折り曲げられて形成されており、断熱材支持具20は、全体として略L字状に形成されている。合せ片27は、桟木6の側面に合せられ配設されて桟木6に取り付けられる片である。また、押え片29は、断熱材7を上方から下方に押圧する片である。金属材が折り曲げられて形成された各片(合せ片27及び押え片29)は、平坦な片となっている。そして、取り付けられた際には、合せ片27が上部に、押え片29が下部に配置され、押え片29は外側方に突出しており、この突出する押え片29によって支持部22が構成されている。また、合せ片27は、桟木6の側部に接合されるものであり、この合せ片27によって接合部21が構成されている。
図3(b)では、図3(a)における支持構造を分かりやすくするために、支持部22が外側方に配置されるように二つの断熱材支持具20を並べて図示している。二つの断熱材支持具20は、一対となって桟木6の両側部に取り付けられるものであり、同じ形状のものを用いることができる。もちろん、二つの断熱材支持具20は、異なる形状のものであってもよい。断熱材支持具20が同じ形状の場合、取扱いが容易になる。
押え片29は断熱材7の上面(下野地板3の上面)と略平行な片となっている。そのため、断熱材支持具20を取り付けた際には、押え片29によって構成される支持部22によって面状に断熱材7を押圧することができ、支持強度を高めることができる。
合せ片27の中央には、合せ片27を貫通する接合穴24が設けられている。本形態では、接合穴24は幅方向に貫通する穴である。したがって、本形態では、接合具43は側方から桟木6に打ちこまれる。なお、接合穴24は複数設けられていてもよい。
合せ片27の高さ寸法(取り付けられた際の上下方向の長さ)は、通気層8の厚み以下、すなわち、断熱材7の上面と上野地板4の下面との間の距離以下であることが好ましい。合せ片27の高さ寸法が大きいと、合せ片27が上方に出っ張って上野地板4が取り付けにくくなるおそれがある。
押え片29の幅寸法は、特に限定されるものではないが、より長い方が押さえ性を向上することができるため、桟木6の幅寸法の1/2以上、桟木6の幅寸法以上、又は、桟木6の幅寸法の1.5倍以上などにすることができる。ただし、押え片29の幅寸法が大きくなりすぎると取扱い性が低下するため、例えば、押え片29の幅寸法は、桟木6の幅寸法の5倍以下、又は、3倍以下などにすることができる。
断熱材支持具20の長さ寸法は、図1(b)の形態と同様であってよい。また、断熱材支持具20は、図1(a)の形態と同様に、桟木6の長手方向に一定のピッチ(間隔)で設けられるものであってよい。
図3(a)に示すように、本形態では、断熱材7の上面が押え片29の下面に当接するようにして、断熱材支持具20が取り付けられている。それにより、断熱材7が上方に浮くのを抑制することができる。このとき、支持部22が下方に面状に押圧して断熱材7を押さえ込んで支持することが好ましい。それにより、固定強度を高くすることができ、断熱材7が横方向にずれるのを抑制することができる。
図3(a)の屋根下地構造は、下野地部1に桟木6を取り付け、断熱材7を配設した後、下野地部1に固定された桟木6の側面に、断熱材支持具20の接合部21(合せ片27)を配置して接合具43を打ち付けることによって形成することができる。上野地板4の取り付けは、図1(a)の形態と同様に行うことができる。
断熱材支持具20を取り付ける際には、支持部22(押え片29の下面)を断熱材7に押し付けて断熱材7を下方に押圧するようにすることが好ましい。それにより、断熱材7が浮いたりずれたりすることを抑制することができる。押し込まれた部分が、若干凹んでいてもよい。なお、断熱材7よりも先に断熱材支持具20を桟木6に取り付け、断熱材支持具20と下野地板3との間に断熱材7を挿入して、断熱材7を取り付けるようにしてもよい。
本形態では、断熱材支持具20は、桟木6を跨るものではないため、桟木6の各側部の構造をそれぞれ形成することが可能である。すなわち、桟木6の一側方に断熱材7と断熱材支持具20とを取り付け、その後、桟木6の他側方に断熱材7と断熱材支持具20とを取り付けるといったように、桟木6の側方の構造を個別に形成することができる。そのため、両側の断熱材7を敷設した後に断熱材支持具20を取り付ける方法だけではなく、断熱材7と断熱材支持具20とを逐次に取り付けるといった方法で施工することができ、施工方法のバリエーションを広げることができる。また、桟木6の両側部に断熱材支持具20を取り付ける際に、一方の側部の断熱材支持具20と他方の側部の断熱材支持具20とを桟木6の長手方向に位置をずらして取り付けることができ、よりフレキシブルな施工を行うことができる。また、家屋の端部など、桟木6の一方にしか断熱材7を敷設しない場合などには、桟木6における断熱材7を敷設しない側の側方に、断熱材支持具20を飛び出させることがなく断熱材支持具20を取り付けることができる。また、桟木6を跨ぐような他の形態の断熱材支持具20を家屋の中央部に用い、図3(b)の形態の断熱材支持具20を家屋の端部に用いるようにすることもできる。
図4(a)は、屋根下地構造の実施形態の他の一例を示している。この屋根下地構造では、図4(b)に示すような、断熱材支持具20を備えている。この断熱材支持具20は、下り片26の下端部から折り曲げられて側方に延びる押え片29が設けられている以外は、図1(b)の形態と同様の構成を有している。すなわち、断熱材支持具20は、被せ片25とこの被せ片25の両端部から下方に突出する下り片26とを備えている。また、被せ片25には接合穴24が設けられており、被せ片25によって桟木6と接合する接合部21が構成されている。また、断熱材支持具20は、被せ片25によって桟木6を跨いで被せられて桟木6に接合されている。断熱材支持具20は、全体として略逆U字状(左回り倒れコ字状)に形成されている。
図4(b)の形態では、押え片29は、下り片26の先端から垂直に外側方に折り曲げられて形成されている。被せ片25と押え片29とは略平行な配置になっている。そして、図4(a)に示すように、屋根下地構造が形成された際には、押え片29は、断熱材7の上面に当接する位置に配置されている。すなわち、取り付けられた際には、押え片29が桟木6の側方に配置され断熱材7に接触しており、押え片29によって支持部22が構成されている。
図4(b)の形態の断熱材支持具20は、図3(b)の形態における断熱材支持金具20を二つ並べて、合せ片27の上端部同士を被せ片25で連結した折り曲げ形状のものであってよい。そして、図3(a)と同様に、図4(a)の形態の屋根下地構造では、支持部22は差し込まれておらず、支持部22を構成する押え片29の下面で面状に下方に押えることによって、断熱材7を支持固定することができる。
被せ片25の寸法は、図1(b)の形態と同様であってよく、押え片29の寸法は、図3(b)の形態と同様であってよい。また、下り片26の寸法は、図3(b)の形態における合せ片27と同様であってよいが、下り片26が短すぎると押え片29で断熱材7を押圧することができないので、下り片26の高さ寸法(上下方向の長さ)は、通気層8の厚み程度であることが好ましい。
図4(b)の形態では、金属板を折り曲げて下り片26と押え片29とが形成されており、通気層8と同じ程度の幅(高さ寸法)で下り片26を折り曲げ加工して形成することによって、通気層8の厚みを簡単に確保することができる。そして、断熱材支持具20を桟木6に固定するだけで、支持部22を構成する押え片29で断熱材7を押えることができ、簡単に通気層8を形成することができる。
図4(a)の屋根下地構造は、図1(a)の形態と同様にして形成することができる。ただし、断熱材支持具20を取り付ける際には、下り片26を断熱材7に差し込むのではなく、押え片29が断熱材7の上面に配置されるようにする。このとき、支持部22(押え片29の下面)を断熱材7に押し付けて断熱材7を下方に押圧するようにすることが好ましい。それにより、断熱材7が浮いたりずれたりすることを抑制することができる。押し込まれた部分が、若干凹んでいてもよい。なお、断熱材7よりも先に断熱材支持具20を桟木6に取り付け、断熱材支持具20と下野地板3との間に断熱材7を挿入して、断熱材7を取り付けるようにしてもよい。
図5(a)は、屋根下地構造の実施形態の他の一例を示している。この屋根下地構造では、図5(b)に示すような、断熱材支持具20を備えている。この断熱材支持具20は、被せ片25と、下り片26と、折返し片28と、押え片29とを備えて構成されている。この断熱材支持具20は、下り片26の先端から折返し片28及び押え片29が形成された以外は、図1(b)の形態と同様の構成を有している。すなわち、断熱材支持具20は、下り片26が被せ片25の両端部から下方に突出して形成されている。また、被せ片25には接合穴24が設けられており、被せ片25によって桟木6と接合する接合部21が設けられている。また、断熱材支持具20は、被せ片25によって桟木6を跨いで被せられて桟木6に接合されている。断熱材支持具20は、全体として、略逆U字状(左回り倒れコ字状)に形成されている。そして、折返し片28は、下り片26の下端部から反対側に折り返されて上方に延伸するように設けられている。また、押え片29は、折返し片28の上端部から折り曲げられて側方に延伸するように設けられている。
図5(b)の形態では、取り付けられた際には、下り片26の下部と、折返し片28及び押え片29とが桟木6の側方に配置されて断熱材7と接触する。したがって、下り片26の下部と折返し片28と押え片29とによって支持部22が構成されている。
折返し片28は、下り片26が略180度折り返されて形成されている。折返しは内側方であってもよいが、押え片29を外側方に突出させて設けるためには外側方に折り返す方が好ましい。また、押え片29は、折返し片28の上端から略垂直に折り曲げられて形成されている。被せ片25と押え片29は略平行な配置になっている。
図5(a)に示すように、図5(b)の形態の断熱材支持具20を用いた場合には、支持部22を構成する下り片26の下部と折返し片28とが断熱材7に差し込まれるとともに、支持部22を構成する押え片29によって断熱材7が面状に下方に押さえ込まれる。すなわち、支持部22は、断熱材7に差し込んで支持する差込み支持部22aと、断熱材7を押さえて支持する押え支持部22bとによって構成されている。したがって、支持部22による支持強度が高まって、断熱材7が浮いたりずれたりするのを効果的に抑制することができ、断熱材7を強固に固定することができる。
押え片29の高さ方向の位置(折返し片28と押え片29との折り曲げ位置)は、屋根下地構造が形成された際に、断熱材7の上面に押え片29が当接するような位置であることが好ましい。それにより、断熱材7を押え片29で下方に押えることができる。
なお、本形態では、押え片29は断熱材7に対して押圧力をかけないものであってもよい。例えば、押え片29と断熱材7との間に若干隙間が形成されていてもよい。その場合も、支持部22(差込み支持部22a)が差し込まれているので、断熱材7の浮きやずれを抑制することができる。また、断熱材7と押え片29との隙間がわずかであれば、断熱材7が浮いたとしても押え片29がすぐに接触するので、断熱材7が上方に浮き上がることを抑制することができる。ただし、押え片29が当接する方が、より強く断熱材7を固定することができる。
被せ片25の寸法、及び、下り片26の寸法は、図1(b)の形態と同様であってよく、押え片29の寸法は、図3(b)の形態と同様であってよい。
図5(a)の屋根下地構造は、図1(a)の形態と同様にして形成することができる。ただし、断熱材支持具20を取り付ける際には、下り片26及び折返し片28の下部を断熱材7に差し込み、押え片29が断熱材7の上面に配置されるようにする。このとき、押え片29を断熱材7に押し付けて断熱材7を下方に押圧するようにすることが好ましい。それにより、断熱材7が浮いたりずれたりすることを効果的に抑制することができる。押し込まれた部分が、若干凹んでいてもよい。
ところで、屋根下地構造においては、断熱材7の施工を行って通気層8を確保するためには、構造部材である桟木6の厚み(上下方向の長さ)を厚くする必要がある。すなわち、桟木6は、下野地板3の上面から上野地板4の下面までの厚みのものが配設されるものであり、水平方向に隣り合う桟木6,6間における桟木6の厚み分の間隙において断熱材7と通気層8とを設けるために、桟木6の厚みを厚くするのである。そして、構造部材である桟木6は上面から固定部材が打ち込まれて下野地部1に固定されるものであり、厚い桟木6を固定するには、固定部材である釘やビスなども長尺のものが使用される。
ここで、長尺の固定部材を使用すると、構造部材である桟木6の据わりが悪くなったり、施工性が悪くなったり、施工品質が安定しなくなったりする、といった問題が発生する。また、桟木6を固定するのに、長尺のビスや釘を使用すると、桟木6が傾いて取り付けられやすくなるという問題が発生する。また、釘やビスを真っ直ぐに打ち込みにくいといった問題も発生する。桟木6が傾いて取り付けられたり、釘やビスが真っ直ぐに取り付けられないと、固定強度が弱くなってしまったり、断熱材7を敷き詰めて配設できなくなったりして、強度や断熱性の性能について十分な性能を発揮できなくなるという問題が生じてしまう。
特に、屋根のリフォームにおいては、既設の野地板(下野地板3)を剥がしたりせずに、既設の野地板を利用し、既存の構造部材である垂木5の上方に新規の構造部材である桟木6を固定することになる。そのため、既存の屋根下地構造(下野地部1)を破壊しないように構造部材を取り付けるためには、長尺の固定部材による固定が要求される。したがって、上記の問題は、屋根のリフォームにおいて重要な問題となっている。
そこで、屋根下地構造にあっては、以下に説明する桟木固定具10を用いて桟木6を固定することが好ましい。桟木固定具10を用いることにより、桟木6を簡単に強固に固定することができる。
図6(a)及び(b)は、桟木固定具10の各一例を示している。図7(a)〜(e)は、図6(a)の形態の桟木固定具10を用いた屋根下地構造に、図1〜図5の形態の断熱材支持具20を適用した各一例を示している。また、図8(a)〜(e)は、図6(b)の形態の桟木固定具10を用いた屋根下地構造に、図1〜図5の形態の断熱材支持具20を適用した各一例を示している。
桟木固定具10は、下野地部1に固着される固着部11と、桟木6を両側方をガイドして上方から受け入れる受入部12とを有している。また、桟木固定具10は、両側部に固定穴15が設けられている。この桟木固定具10は、下野地部1に垂木5の上方において固着されている。桟木6は、受入部12に挿入され、固定具41が固定穴15を通して打ち込まれることにより桟木固定具10に固定されている。
このように、桟木6が、直接釘などが垂木5に打ちこまれて固定されるのではなく、桟木固定具10を介して垂木5に固定されるので、長尺の釘やビスなどを用いなくても、短い釘やビスで桟木6を固定することができる。また、あらかじめ桟木固定具10を固定してから、この桟木固定具10に構造部材である桟木6を固定するため、釘やビスを打ち込みやすくなり、施工品質を安定させることができる。そのため、施工が容易になり、また、施工品質を安定させて、屋根下地構造を形成することができる。また、長尺の釘やビスを用いないので、釘やビスが斜め方向に打ち込まれることがなく、固定強度を高くすることができ、安定な屋根下地構造を形成することができる。
桟木固定具10は、金属板が折り曲げ加工されて形成された金具であることが好ましい。それにより、金属板の加工により簡単に桟木固定具10を形成することができる。また、桟木固定具10を金属製にすると、強度高く固定することができる。この場合、桟木固定具10は、いわば構造部材固定金具となる。なお、もちろん桟木固定具10は、金属を溶接するなどして形成してもよい。金属板としては鋼板を用いることができる。金属板の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜2mmの範囲内のものであってよい。折り曲げ加工は、プレス成型によって行うことができるが、これに限定されるものではない。固定穴15などの穴は、切り抜き加工やくり抜き加工によって行うことができる。桟木固定具10は、複数の部材で形成してもよいが、金属材で一体化して形成した場合は、取扱いが容易になり、施工性が高まる。
図6(a)は、桟木固定具10の形態の一例を示している。図6(a)の桟木固定具10と、図1(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図7(a)の屋根下地構造を形成することができる。図6(a)の桟木固定具10と、図2(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図7(b)の屋根下地構造を形成することができる。図6(a)の桟木固定具10と、図3(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図7(c)の屋根下地構造を形成することができる。図6(a)の桟木固定具10と、図4(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図7(d)の屋根下地構造を形成することができる。図6(a)の桟木固定具10と、図5(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図7(e)の屋根下地構造を形成することができる。
図6(a)の形態の桟木固定具10は、矩形状の金属板が折り曲げられて形成されている。この桟木固定具10は、水平方向(下野地板3の表面に沿う方向)に配置される固着片31と、垂直方向(下野地板3の表面に垂直な方向)に配置される固定片32とを備えて構成されている。固着片31は、下野地板3の上面に当接される片であり、桟木固定具10の下部(底部)に配置されている。固定片32は、桟木6の側方をガイドし固定する片であり、桟木固定部10の両側部に配置されている。固定片32は、固着片31の両側部から金属材が略垂直に折り曲げられて上方に突出して設けられている。桟木固定具10は、全体として略U字状(倒れコ字状)に形成されている。金属材が折り曲げられて形成された各片(固着片31及び固定片32)は、平坦な片となっている。そして、固着片31によって、下野地板3に固着される固着部11が構成されている。また、二つの固定片32の間によって、上方から挿入される桟木6を両側方でガイドして受け入れる受入部12が構成されている。
固定穴15は、固定片32の中央に、固定片32を貫通するように設けられている。固定穴15は水平方向(幅方向)に貫通する穴である。この固定穴15は、釘やビスなどの固定具41を挿入して桟木6に打ち込むための穴である。固定穴15に固定具41が打ち込まれることにより、桟木6は受入部12に挿入された状態で桟木固定具10に固定される。それにより、桟木6は、垂木5の上方において下野地部1に固定される。固定穴15は側方に貫通する穴であり、固定具41は側方から桟木6に打ちこまれる。
固定穴15は、桟木6の長手方向に沿って開口した長穴であることが好ましい。固定穴15が、丸穴などの径が狭い穴になった場合、固定具41を打ち込む位置は固定穴15によって規定されているため、位置を選んで固定具41を打ち込むことができなくなる。ここで、桟木6は、木材によって構成されるものであるため、釘やビスを打ちこむ位置が打ち込み固定するのにより適した位置になった方が好ましい。また、建物の構造上、桟木6の位置によっては、固定具41を打ち込みにくい場合がある。そこで、固定穴15が長穴で形成されていれば、固定具41の打ちこむ位置を調整することができ、より強度高く桟木6を固定することができる。また、長穴に複数の固定具41を打ち込むこともでき、その場合、取り付け強度を高めることができる。
なお、固定穴15は複数設けられていてもよい。固定穴15が複数設けられていると、複数の固定穴15に固定具41を打ち込めば、取り付け強度を高めることができる。また、複数の固定穴15のいずれかを用いて固定具41を打ち込むようにすれば、桟木6の状態や下野地部1の状態などに合わせて適宜の固定穴15を選択して、固定具41を打ち込むことができる。固定穴15を複数設ける場合は、横方向(桟木6の長手方向に沿った方向)に並べてもよいし、縦方向(上下方向)に並べてもよい。
固着片31の中央には、固着片31を貫通する固着穴16が設けられている。固着穴16は上下方向に貫通する穴である。この固着穴16は、釘やビスなどの固着具42を挿入して垂木5に打ち込むための穴である。固着穴16に固着具42が打ち込まれることにより、桟木固定具10は、下野地板3を介して垂木5に固着される。本形態では、固着穴16は丸穴として設けられている。
なお、固着穴16は複数設けられていてもよい。固着穴16が複数設けられていると、複数の固着穴16に固着具を打ち込めば、取り付け強度を高めることができる。また、複数の固着穴16のいずれかを用いて固着具42を打ち込むようにすれば、垂木5や下野地板3などの下地の状態に合わせて適宜の固着穴16を選択して、固着具42を打ち込むことができる。固着穴16を複数設ける場合は、幅方向と垂直な方向(桟木6の長手方向に沿った方向)に並べることができる。
受入部12の幅寸法(水平方向の長さ)、すなわち、一方の固定片32から他方の固定片32までの間の距離は、桟木6の幅よりも大きいものである。それにより、桟木6を桟木固定具10に受け入れて挿入することができる。受入部12の幅寸法は、桟木6の幅寸法と略同じかやや大きい程度にすることが好ましい。それにより、桟木6を受入部12に両側方をガイドして挿入することができ、また固定片32を桟木6の両側面に当接させて固定することができる。なお、受入部12の幅寸法は大きい方が桟木6を挿入しやすいが、受入部12の幅寸法が大きくなりすぎると、桟木6と固定片32との間に隙間が形成されるおそれがある。したがって、取り付け強度を高めるためには、取り付けた際に、両側の固定片32が桟木6の側面に当接する程度の寸法であることが好ましい。なお、両側部の固定片32間の距離は、桟木固定具10の幅寸法と考えることができる。また、両側部の固定片32間の距離は、固着片31の幅寸法と考えることができる。
固定片32の高さ寸法(上下方向の長さ)は、桟木6の厚みと同じかそれよりも小さいものであってよい。例えば、固定片32の高さ方向の寸法を桟木6の厚みの1/4〜3/4の範囲にすることができるが、これに限定されるものではない。固定片32の高さが低いと、固定強度を高めることができなくなるおそれがある。また、固定片32の高さが桟木6の厚み以上になると、上野地板4の設置を妨げるおそれがある。固定片32の高さは、断熱材7の厚みより大きくてもよいし、断熱材7の厚みより小さくてもよいし、断熱材7の厚みと同じであってもよい。
桟木固定具10の長さ寸法、すなわち、屋根下地に取り付けられた際に桟木6の長手方向と同じ方向となる長さは、特に限定されるものではないが、例えば、桟木6の幅寸法よりも長くすることができる。また、桟木固定具10の長さ寸法は、桟木6よりも短い短尺にすることができ、例えば、桟木6の長さの1/5以下、又は、1/10以下などにすることができる。桟木固定具10が短尺となることにより、複数の桟木固定具10によって長尺の桟木6を複数個所で受け入れることができる。
桟木固定具10は、垂木5及び桟木6の長手方向に一定のピッチ(間隔)で設けられることが好ましい。複数の桟木固定具10が一定のピッチで設けられることにより、取り付け強度を高め、施工品質を安定にすることができる。また、1本の桟木6に対し、複数(例えば2個、3個、4個又は5個)の割合で桟木固定具10を取り付ければ、固定強度を高めることができる。また、水平方向(垂木5及び桟木6の長手方向と垂直な方向)に並列された垂木5及び桟木6に対しては、桟木固定具10は、略同じ位置で設けられるようにすることが好ましい。それにより、取り付け強度を高めることができる。
図6(b)は、桟木固定具10の形態の他の一例を示している。図6(b)の桟木固定具10と、図1(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図8(a)の屋根下地構造を形成することができる。図6(b)の桟木固定具10と、図2(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図8(b)の屋根下地構造を形成することができる。図6(b)の桟木固定具10と、図3(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図8(c)の屋根下地構造を形成することができる。図6(b)の桟木固定具10と、図4(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図8(d)の屋根下地構造を形成することができる。図6(b)の桟木固定具10と、図5(b)の断熱材支持具20とを用いることにより、図8(e)の屋根下地構造を形成することができる。
図6(b)の桟木固定具10は、下野地部1に固着される固着部11と、桟木6を両側方をガイドして上方から受け入れる受入部12とを有している。また、桟木固定具10は、両側部に固定穴15が設けられている。この桟木固定具10は、下野地部1に垂木5の上方において固着されている。桟木6は、受入部12に挿入され、固定具41が固定穴15を通して打ち込まれることにより桟木固定具10に固定されている。
また、図6(b)の桟木固定具10は、桟木6の下部を受け止める受止部13を有している。そして、桟木6は、受止部13に受け止められて支持されている。受止部13は、桟木固定具10の上下方向の中央部に設けられている。したがって、桟木6が桟木固定具10に受け止められて支持されるので、桟木6の厚みを薄くすることができ、厚みの方向の長さが短い細い部材で桟木6を構成することができる。そのため、材料のコストダウンを図り、効率よく屋根下地構造を形成することができる。また、図6(b)の桟木固定具10では、受止部13は、桟木固定具10の両側部に形成されている。それにより、桟木6を両側部において受け止めることができ、固定強度を高めることができる。
図6(b)の形態の桟木固定具10は、矩形状の金属板が折り曲げられて形成されている。この桟木固定具10は、水平方向(下野地板3の表面に沿う方向)に配置される固着片31及び受止片34と、垂直方向(下野地板3の表面に垂直な方向)に配置される固定片32及び上り片33とを備えて構成されている。桟木固定具10は、中央から両側端部に向かって、金属板の折り曲げにより、固着片31、上り片33、受止片34、固定片32の順に配置され、全体として略U字状(倒れコ字状)に形成されている。
固着片31は、下野地板3の上面に当接される片であり、桟木固定具10の下部(底部)に配置されている。固定片32は、桟木6の側方をガイドし固定する片であり、桟木固定部10の両側部に配置されている。そして、固着片31と固定片32と間に上り片33と受止片34とが設けられている。上り片33は、固着片31の両側部から金属材が略垂直に折り曲げられて上方に突出して設けられている。受止片34は、上り片33の上方から金属材が略垂直に折り曲げられて外側方に突出して設けられている。固定片32は、受止片34の側端部から金属材が略垂直に折り曲げられて上方に突出して設けられている。金属材が折り曲げられて形成された各片(固着片31、上り片33、受止片34、固定片32)は、平坦な片となっている。
そして、固着片31によって、下野地板3に固着される固着部11が構成されている。また、二つの固定片32の間によって、上方から挿入される桟木6を両側方でガイドして受け入れる受入部12が構成されている。また、受止片34によって、桟木6の下部を受け止める受止部13が構成されている。
図6(b)に示すように、桟木固定具10は、上り片33、受止片34及び固定片32によって構成される両側部の片が段状に折れ曲がっており、両側部に外側方に広がる段部が形成されている。そして、この段部によって受止部13を構成し、桟木6の下部を受け止めている。したがって、受止部13が段部として形成されることにより、簡単に受止部13を構成して、桟木6を受け止めることができる。また、段になっているので、桟木6の荷重を上り片33で受け止めることができ、内側方に突出した片を設けるなどの場合よりも強固に桟木6を受け止めることができる。桟木6は、上り片33の高さ分、下野地板3よりも上方に配置される。したがって、上り片33は、桟木6の厚みを小さくするためのスペーサとしての機能を有する。
ところで、図6(b)の形態の桟木固定具10では、受止部13が両側部に形成されているが、受止部13は片方の側部のみに設けられるものであってもよい。片側のみに受止部13が設けられている場合でも、桟木6を受け止めて支持することができる。例えば、桟木固定具10として、一方の側部が、図6(a)の形態のような平坦な片の構造を有し、他方の側部が、図6(b)の形態のような段部を備えた片の構造を有するものを用いてもよい。その場合、一方の側部から他方の側部まで、固定片32(固定長片)、固着片31、上り片33、受止片34、固定片32(固定短片)の順に片が配置されることになる。両側の片における固定穴15の位置は同じであってよい。そして、この桟木固定具10では、受止部13は、桟木固定具10の片側の側部に形成されることになる。なお、受止部13は、側部に設けられるものに限られず、例えば、固着片31の幅方向の中央部を上方に突出させて設けることもできる。
ここで、図6(b)の形態の桟木固定具10を用いた場合、受止部13によって桟木6が受け止められることによって間隙が形成される。この間隙は、桟木6の下方において桟木6に沿って形成される。このように間隙が形成されると、断熱材7で下屋根部1を覆わない部分が形成され、断熱性が低下するおそれがある。したがって、この間隙に補助断熱材47が設けられていることが好ましい(図8参照)。
図6(b)の形態の桟木固定具10を用いた場合、隣り合う桟木6の間に断熱材7を配設するようにすると、桟木6の下方における桟木固定具10の配設されていない部分に、断熱材7が設けられないことになる。しかしながら、受止部13によって桟木6が受け止められて形成された間隙に、補助断熱材47を設けることにより、熱橋を防止することができ、断熱性を高めることができる。また、断熱材7の設けられていない隙間に、補助断熱材47が充填されるので結露を抑制することができる。
補助断熱材47は、桟木固定具10が取り付けられていない位置の桟木6の下方の隙間に少なくとも設けられることが好ましい。その場合、補助断熱材47は、下野地板3と桟木6とに挟まれた間隙に設けられる。桟木固定具10は桟木6の長さに比べて短く形成されているため、桟木固定具10以外の部位の桟木6の下方の隙間に補助断熱材47を設けるようにすれば、桟木6の下方に形成された隙間の多くを補助断熱材47で充填することができ、断熱性が低下することを抑制することができる。
補助断熱材47は、桟木6の下方の全体に設けられることがより好ましい。すなわち、桟木固定具10が設けられている位置である桟木固定具10と桟木6とに囲まれた間隙にも補助断熱材47を設けるようにするものである。桟木固定具10が配置されている空間にも補助断熱材47を設けることにより、熱橋をさらに防止することができ、断熱性をさらに向上させることができる。また、隙間なく断熱材7及び補助断熱材47を充填した場合には、結露による不具合の発生を高く抑制することができる。
補助断熱材47の材料は、断熱材7と同じものを用いることができる。補助断熱材47は、断熱材7を切り出して形成してもよいし、サイズ違いのものを別途形成するようにしてもよい。また、桟木6の下方に配設する補助断熱材47は、断熱材7と一体化したものであってもよい。この場合、断熱材7の端部が補助断熱材47として機能する。例えば、断熱材7の端部に、桟木6と桟木固定具10とが食い込む分だけ上部及び側部に切り欠き部を設け、断熱材7の端部を桟木6と下野地板3との間に挿入することにより、断熱材7(補助断熱材47)を桟木6の下方に設けることができる。また、桟木固定具10によって囲まれた間隙に設ける補助断熱材47は、桟木固定具10に囲まれる間隙の長さ、厚み、幅と、略同じ長さ、厚み、幅のサイズのものを使用することができる。あるいは、桟木6の長手方向に沿った長さが桟木固定具10の長さよりも長い長尺の補助断熱材47を用い、補助断熱材47の長手方向の端部を桟木固定具10によって形成された間隙に挿入して補助断熱材47を設けるようにしてもよい。このとき、複数の桟木固定具10を跨いで補助断熱材47が設けられてもよい。また、例えば、桟木6の長手方向に沿った長さが断熱材7の長さと同じ長さの補助断熱材47を用いてもよい。また、断熱材7の端部に、桟木6の下方に挿入するための切り欠きと、桟木固定具10を食い込ませるための切り込みとを入れて、補助断熱材47を断熱材7と一体化して形成してもよい。その場合、切り欠きと切り込みの入った断熱材7の端部を、桟木6の下方に挿入するとともに、桟木固定具10に食い込ませて断熱材7を配設することができる。
図6(b)の桟木固定具10は、両側部に側方に突出する側出部14が形成されている。側出部14は、桟木固定具10の上下方向の中央部に設けられている。側出部14は、桟木固定具10の両側部の片が段状に外側方に折れ曲がって形成された段部によって構成されている。段状になることにより、簡単な構成で側出部14を構成することができる。また、両側の片を段状に折り曲げて段を形成することにより、受止部13と側出部14とを同時に形成することができ、側出する片を別途設けるなどする場合よりも簡単に側出部14を形成することができる。
側出部14が設けられた桟木固定具10を用いた屋根下地構造においては、断熱材7は、側出部14により下方に押さえられて支持されていることが好ましい(図8参照)。
屋根下地構造においては、断熱材7の施工を行って通気層8を確保するためには、断熱材7が下野地板3にできるだけ密着して配設されることが好ましい。すなわち、断熱材7が浮いたりずれたりすると、通気層8の厚みが薄くなってしまったり、通気層8が遮断されたりしてしまい、十分な通気性を発揮することができなくなってしまうおそれがある。また、断熱材7と躯体を構成する下野地板3との間に隙間が形成されると、この隙間の部分において結露が発生する可能性がある。
そこで、桟木固定具10の両側部に設けられた側出部14が、断熱材7の端部を下方に押さえて支持するようにするのが好ましいのである。それにより、断熱材7が固定されるので、断熱材7のずれや浮きを抑制することができる。
図6(b)の形態の桟木固定具10においては、側出部14は受止片34が側方に突出することによって設けられている。すなわち、側出部14は、側部に配置された片の段部によって構成されている。そして、側出部14の下方には窪みが形成されている。したがって、この窪みに断熱材7をはめ込むことで、断熱材7を簡単に押さえつけることができる。
断熱材7をはめ込む場合、断熱材7としてプラスチック系断熱材を用いることが好ましい。プラスチック系断熱材の方がはめ込みやすいため、より高い効果を期待することができる。断熱材7のはめ込みは、桟木固定具10の形状に合わせた切り欠き部を設けるようにしてもよいが、断熱材7を変形させて押さこんではめ込むことが好ましい。それにより、より強い押さえこみ力を得ることができる。
図6(b)の桟木固定具10においては、固定穴15は、固定片32の中央に、固定片32を貫通するように設けられている。また、固定穴15は、桟木6の長手方向に沿うように開口した長穴として設けられている。なお、固定穴15は複数設けられていてもよい。また、固着片31の中央には、固着片31を貫通する固着穴16が設けられている。なお、固着穴16は複数設けられていてもよい。
受入部12の幅寸法(水平方向の長さ)、すなわち、一方の固定片32から他方の固定片32までの間の距離は、桟木6の幅よりも大きいものである。それにより、桟木6を桟木固定具10に受け入れて挿入することができる。受入部12の幅寸法は、桟木6の幅寸法と略同じかやや大きい程度にすることが好ましい。それにより、桟木6を受入部12に両側方をガイドして挿入することができ、また固定片32を桟木6の両側面に当接させて固定することができる。なお、受入部12の幅寸法は大きい方が桟木6を挿入しやすいが、受入部12の幅寸法が大きくなりすぎると、桟木6と固定片32との間に隙間が形成されるおそれがある。したがって、取り付け強度を高めるためには、取り付けた際に、両側の固定片32が桟木6の側面に当接する程度の寸法であることが好ましい。なお、両側部の固定片32間の距離は、桟木固定具10の幅寸法と考えることができる。
固着片31の幅寸法は、桟木6の幅寸法よりも小さいものにすることができる。それにより、両側部に配置される上り片33を桟木6の下方に配置させることができ、受止部13で受け止めた荷重を上り片33と固着片31とで支えることができる。固着片31の幅寸法は、小さすぎると固定強度が弱くなるため、例えば、桟木6の幅の1/2以上、又は、2/3以上にすることができるが、これに限定されるものではない。
受止片34の幅寸法は、桟木6を受け止めることができれば、特に限定されるものではないが、小さすぎると桟木6の支持強度が弱くなるため、例えば、桟木6の幅の1/10以上、又は、1/6以上にすることができる。受止片34の幅寸法は、桟木6の幅の1/4以下であってよいが、これに限定されるものではない。本形態では、各片は垂直に折れ曲がって形成されているため、固着片31の幅と、二つの受止片34の幅との合計が、桟木固定具10の幅寸法となる。
固定片32の高さ寸法(上下方向の長さ)は、桟木6の厚みと同じかそれよりも小さいものであってよい。例えば、固定片32の高さ方向の寸法を桟木6の厚みの1/4〜3/4の範囲にすることができるが、これに限定されるものではない。固定片32の高さが低いと、固定強度を高めることができなくなるおそれがある。また、固定片32の高さが桟木6の厚み以上になると、上野地板4の設置を妨げるおそれがある。
上り片33の高さ寸法(上下方向の長さ)は、断熱材7の厚み以下にすることができる。上り片33の高さ寸法が断熱材7の厚みよりも大きいと、下野地板3と上野地板4との間の距離が大きくなりすぎるおそれがある。また、上り片33の高さ寸法が断熱材7の厚み以下になることにより、側出部14によって断熱材7を押さえ込んで支持することが可能になる。また、上り片33の高さ寸法が断熱材7の厚みと略同じであってもよい。上り片33の高さ寸法が断熱材7の厚みと略同じになると、側出部14で断熱材7を簡単に固定することができる。
桟木固定具10の長さ寸法は、図6(a)の形態と同様のものにすることができる。
桟木固定具10は、垂木5及び桟木6の長手方向に一定のピッチ(間隔)で設けられることが好ましい。複数の桟木固定具10が一定のピッチで設けられることにより、取り付け強度を高め、施工品質を安定にすることができる。
図7及び図8の各屋根下地構造は、各形態の桟木固定具10を用いて下野地部1に桟木6を取り付け、断熱材7を配設した後、桟木6に、各形態の断熱材支持具20の接合部21を配置して接合具43を打ち付けることによって形成することができる。
断熱材7の配設には、粘着テープ52で接着したり、釘やビスなどの固定部材51を打ちつけたりして、断熱材7を固定してもよい(図9参照)。それにより、さらに強固に断熱材7を取り付けることができる。また、断熱材支持具20を取り付ける際に、断熱材7が横ずれしたりすることを抑制することができる。また、補助断熱材47を配設する場合には粘着テープ52で補助断熱材47を接着することができる。補助断熱材47の上方に桟木6が隙間なく配設されるようにすると、補助断熱材47の浮きを抑制することができる。
なお、桟木固定具10の取り付け位置と断熱材支持具20の取り付け位置とは、同じであってもよいし異なっていてもよい。例えば、桟木6の長手方向に、桟木固定具10と断熱材支持具20との取り付け位置をずらすようにしてもよい。図3(b)の形態の断熱材支持具20を用いる場合、桟木固定具10の固定片32の上端が断熱材支持具20に当たる可能性がある。そのため、この場合、位置をずらして桟木固定具10と断熱材支持具20との取り付けを行うことができる。図8(c)では、位置をずらして桟木固定具10と断熱材支持具20とが取り付けられた様子が示されている。その他の桟木固定具10と断熱材支持具20とを併用した構造では、同じ位置で桟木固定具10と断熱材支持具20とが取り付けられた様子が示されている。
以上のように、断熱材支持具20を用いて屋根下地を形成することにより、施工容易で、施工品質が安定し、固定強度が高く、断熱性と通気性に優れた屋根下地構造を得ることができるものである。そして、さらに桟木固定具10を用いて屋根下地を形成することにより、さらに、施工容易で、施工品質が安定し、固定強度が高く、断熱性と通気性に優れた屋根下地構造を得ることができるものである。屋根下地構造は、外表面に瓦などの屋根表面部材が敷設されて、家屋の屋根が施工されるものである。